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プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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181.  アラビアのロレンス 砂漠といえば『眼には眼を』とこの映画を連想しそう。 壮大なスケールと映像美には圧倒される。 でも3時間半を超える長尺がそのまま長く感じられた。 感情移入できたときは長尺もまったく苦にならないので、ピーター・オトゥールのロレンスにハマらなかったということだろう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-24 00:01:56)《改行有》

182.  カサブランカ 《ネタバレ》 これぞダンディズム。カッコ良すぎ。キザなことこの上ないが、似合ってしまうんだから仕方ない。 現実に使えば頭をパチンとはたかれそうな言葉も、映画の空気感に馴染んで心に残る。 ストーリーとしては突っ込みたくなる不自然なところはある。 職権を利用して美しい花嫁を食い物にしようとするような俗物のルノー署長が、最後は救世主になってしまうのもできすぎ。 でも、ダンディでオシャレな展開に魅了されて面白いという気持ちが勝ってしまう。 ハンフリー・ボガードのリックが生粋の伊達男なら、イングリッド・バーグマンのイルザは究極のファム・ファタール。 しかも悪意のないファム・ファタールだからタチが悪い。男はこういう女に振り回される。 イルザの夫のラズロがリックも認めるほどの立派な人物でなかったら、リックも強引にイルザを奪いにいけたのだけれど。 有名な映画だけど何か惹かれるものがなくて見る気が起こらずずっとスルーしていたが、もっと早く見ればよかった。[インターネット(字幕)] 8点(2018-02-17 23:35:40)《改行有》

183.  OK牧場の決斗 《ネタバレ》 ワイアットとドクの男の友情が軸になった西部劇。 ケイトを情婦にしているドクの趣味の悪さは、蓼食う虫もってやつか。 保安官兄弟とドグが組んで悪党どもと対決するシンプルなストーリーだけど、決闘シーンはいかにも西部劇らしさが出ていていい。[DVD(吹替)] 6点(2018-02-17 23:06:07)《改行有》

184.  天使のくれた時間 《ネタバレ》 コンビニでトラブっていた黒人と関わった次の朝、まるっきり人生が変わっていた。 人生の分岐点で別な決断をしていたらとふと考えることが誰にだってある。 愛する家族と過ごすごく平凡な生活が、一番幸せな人生。 よくあるテーマなのでストーリーの流れも予測がついて意外性はないけれど、普遍的なテーマで感情移入しやすいのと役者がいいので引き込まれる。 ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、それに子役もすばらしい。 こんなチャーミングな奥さんと愛らしい子供がいるなら、大抵のことなら我慢できそうで、価値観が変わっていく男にも共感できる。 ラストの空港でのシーンは感動的で、コーヒーを飲みながらの会話が想像できて楽しい。 はしゃいだりふざけたり、お茶目でセクシーなティア・レオーニに魅了されて+2点。 コーヒーを飲みながら会話が弾むラストが絶妙。 突然元彼が現れてヨリを戻そうとしても、成功しているキャリアウーマンなら簡単に翻意するわけがない。 その後やっぱりそれぞれの道を歩むのが一番現実的だけれど、この映画はファンタジーなのだからもしかしたらと夢を持たせるラストがふさわしい。 「素晴らしき哉、人生!」を彷彿させるような後味の良い映画。[DVD(吹替)] 9点(2018-02-11 10:36:03)(良:1票) 《改行有》

185.  霜花店(サンファジョム) 運命、その愛 《ネタバレ》 結構スケールの大きな宮廷もの。激しい濡れ場は何度も出てくるが、しっかりしたストーリーもある。 男色家の王が跡継ぎ問題に悩んだ末に出した答えが、愛人である護衛隊の隊長ホンナムの子種を王妃に与えること。 心ならずも王妃とホンナムは床を共にすることを強いられるが、本物の愛情が芽生えてしまう。 子供の頃から王に囲われていたホンナムにとって、初めての女に夢中になるのは無理からぬところ。 二人の逢瀬に気づいた王が一度はホンナムを許すものの、ホンナムは王妃を忘れられない。 王は二人の純愛を邪魔する悪者にもとれるが、当時としては首をはねられて当然の裏切り行為をホンナムはしている。 一度は許した愛する者の更なる裏切りに、王はその情欲の源を断つとして最大の恥辱をホンナムに与える。 あっさり殺してしまうより、屈辱を与えたまま生きながらえさせる宮刑のほうが厳しい罰に見える。 愛憎紙一重。燃え盛る嫉妬と裏切りへの憎悪から復讐に走る王の姿はどこか哀れ。 一度でも自分を愛したことはあるかとの最後の問いに、一度もないと聞いたときの絶望感は少し気の毒にもなる。 一番気の毒なのは、ホンナムの巻き添えを食らってさらし首になったホンナムの部下たち。 無慈悲に殺したのは王だけど、ホンナムが王妃への愛で他が見えなくなっていたため起きた悲劇。 ホンナム自身の悲劇は自分が招いたことともいえるが、自分を慕ってついてきてくれた部下を守れなかったのは隊長としてどうなのか。 初めての愛に殉じたとはいえ、それに巻き込まれた人達にとっては災難でしかない。 王妃役のソン・ジヒョは中谷美紀に似た美人。スタイルはモデル体型だが貧乳なのが残念。 ホンニムのチョ・インソン、王のチュ・ジンモを始めイケメンがたくさん。 ボーイズラブ好きの女子ならたまらないかもしれないが、男同士の濃密なベッドシーンはいくら美形でも見てられない。[DVD(吹替)] 7点(2018-02-04 21:36:09)《改行有》

186.  トラッシュ! この街が輝く日まで 《ネタバレ》 腐敗しきった権力者や警察に反逆する、少年三人の少年漫画のような冒険活劇。 暗号の解読も少年探偵団的で、巨悪vs少年たちの構図。 ただ、少年たちもお金のために必死で戦っていたはずなのに、最後は正しいことだからそうしたとなっているのは、キレイごとになりすぎた感が。 お金をゴミの山でばら撒くシーンにも違和感。 少年たちを都合よく祭り上げたような印象もあって、ちょっと子供向け的に感じる部分も。 ブラジルのスラム街の子供たちの生活がリアルに迫ってくる。 以前、ブラジルのストリートチルドレンが商店主に雇われた警察官らに殺されるような事件もあったが、そうした実情の片鱗を感じることができる。 「シティ・オブ・ゴット」でも感じたけど、平和ボケの日本からするとブラジルの治安の悪いところは次元の違う別世界。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-01 01:03:56)(良:1票) 《改行有》

187.  恋しくて(1987) 《ネタバレ》 キースの憧れのアマンダには、性格最悪のセレブ彼氏がいる。 それでも何とかアプローチしようとするキースの姿を、幼なじみのワッツが複雑な思いで見つめる。 男勝りのワッツのことをキースは女性として意識していないが、ワッツは密かにキースへの思いを抱いている。 王道の学園ラブストーリー。 こういうキャラ、こういうパターンは、似たようなものを他でも何度も見た気がする。 この映画の影響を受けたものなのか、それともこの映画も影響を受けた側なのか。 パターンすぎてハナから結末なんてわかっちゃいるけど、それでもそれなりに楽しめる。 ラストがあまりにも都合よすぎるのが不満だけれど、ワッツのせつない泣き顔は良かった。 メアリー・スチュアート・マスターソンはこの当時が一番かわいい。 エリック・ストルツはマイケル・J・フォックスと顔立ちが似てるなと思っていたら、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ではマイケルに替わって主役を演じる予定だったとか。 このときの降板劇の裏話がとても興味深い。 もともと制作陣はマイケルに演じて欲しかったが、どうしてもスケジュールが合わずにエリックに白羽の矢が立って撮影も始まっていた。 全体の3分の1の撮影を終えたものの、エリックの演じるコメディシーンがどうしても制作陣のイメージと合わず、このままでは絶対失敗すると確信したゼメキス監督が主役交替をプロデューサーのスピルバーグに訴えた。 すったもんだの末にかねてからの希望だったマイケルを強引に引っ張ってくること成功してエリックを降板させたという。 費用や日程、キャスティングの再調整など莫大な負担が新たにかかっただろうに、思い切った決断をしたものだ。 でも、そのおかげであの名作が完成し、交替劇で余分にかかった費用より遥かに多くの興行利益を得た。 確かに、この映画のエリック・ストルツを見てもイケメンすぎて、ドクとのコミカルシーンが全くイメージできない。 おそらくあのポップでコミカルなやりとりではなく、もっと落ち着いたシリアスなものになっただろう。 アマンダ役のリー・トンプソンは「バック~」ではマーティの母役でうまくハマっていたけれど。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-29 23:36:32)《改行有》

188.  黒い罠 《ネタバレ》 古いモノクロ映画だが、オーソン・ウェルズとチャールトン・ヘストンの対決は見ごたえがある。 「情婦」のマレーネ・ディートリッヒ、「サイコ」のジャネット・リー等、往年のスターも存在感を見せる。 が、やっぱり一番はオーソン・ウェルズの異彩を放つ存在感。 妻を殺された刑事が悪を憎むあまりに、証拠捏造を常套手段にして犯人検挙に暴走。 禁断の手は冤罪を生み、狂気が殺人にまでエスカレートして自滅するさまは哀れ。 ラストは相棒の返り血を洗った後でまた相棒の血のしずくを浴びたことが、逃れられない罪を象徴するようで余韻となって響く。 ヘストン演じる正義のメキシコ捜査官を完全に食っている印象。 ストーリー自体は今のサスペンスからすると物足りないが、撮影技術を含めて後々に影響を与えるくらい当時としては最高レベルか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-01-28 22:31:24)《改行有》

189.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 恩師であるフェレイラ神父の棄教が信じられないガルペとロドリゴ。その二人の神父がフェレイラの消息を訪ねて日本にやってきたが、直面したのはキリスト教を拒絶する過酷な現実だった。 拷問されても信仰を捨てずに命を落とす姿に、複雑な感情が沸いてくる。形だけでも踏み絵をすれば助かるのにとも思ってしまうが、そんな簡単には神を踏みつけられないのだろう。 キチジローは人間の弱さの象徴。吐き気がするほどに醜い。我が身かわいさに身内を見殺しにしたりロドリゴ神父を密告で裏切ったりしては懺悔して許しを請う。そんなに都合よく神に許されるなら、悪行への免罪符としての利用してるだけにも見える。キチジローの懺悔を聞くロドリゴもさすがに許しがたい思いを抱いたはずだが、結局棄教したロドリゴを心から信奉し理解していたのはキチジローかもしれない。 原作は昔読んだが、詳細はすっかり忘れていた。 中学校の社会の教科書にもキリシタン弾圧で多くの信者が殺されたと書いてあったが、神が本当に存在するのならなぜ信者を救えなかったのかと子供心に思ったものだ。 秀吉は昔読んだ子供向け伝記でも天下統一した英雄だったけど、こうしたキリスト教迫害を指示した張本人である負の面を見ると、素直に英雄視できなくなってくる。 無宗教の人間にとっては、宗教や信仰は正直ちょっと怖さも感じる。宗教は本来人の心を救うものだが、ときには争いの元にもなる。それは排他性を誘発しやすいからだ。自分の信じる神が唯一絶対的な存在だから、それ以外をなかなか認めようとしない。 宗教が根っこにある紛争は、今も昔も世界の至るところで起きている。そういうこともあって宗教には無意識に深入りしないようにしてきたかもしれない。だからキリスト教のこともよく知らなかったが、この映画で少し触れることができた気はした。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-27 22:49:18)《改行有》

190.  ガス燈(1944) 《ネタバレ》 1940年の古いモノクロ映画。オリジナルがさらに古くてそのそのリメイク版だった。 オリジナル版は未見だが、もともとは舞台の映画化。しっかりしたサスペンスで後のお手本になるような内容だった。 夫が怪しいのはすぐにわかるけど、それでも最後まで目が離せない。 見る前はタイトルとスチール写真でなぜか勝手にロマンティックなラブストーリーかと思い込んでいたので、良い意味で意表をつかれた。 正統派美女で思い浮かぶ歴代ハリウッドスターといえば、ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、ティア・レオーニといるが、時代をもっと遡ればイングリッド・バーグマン。その整った気品ある容姿に、思わず見入ってしまう。 主役のバーグマン以外のキャラとキャストもちゃんとハマっていて、いかにも胡散臭い新郎、仕事のできるイケメン警部のほか、小生意気な若いメイド、ヤジ馬根性丸出しのお婆さん等の脇役もいい味を出している。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-27 22:46:02)《改行有》

191.  メル・ブルックスの大脱走 《ネタバレ》 どこか昔見たシットコムを思い出させるようなコミカルテイスト。 「生きるべきか死ぬべきか」のリメイクだったが、邦題が違いすぎて最初は気づかなかった。 リメイク版といえばオリジナルとストーリーが結構違っていて面食らう場合もあるのだが、これはオリジナルにかなり忠実。[DVD(吹替)] 5点(2018-01-24 21:27:41)《改行有》

192.  生きるべきか死ぬべきか 《ネタバレ》 ナチスに侵攻されたポーランドでの劇団を描いたコメディ。 大戦中の1942年にこの映画ができたのがすごい。 当時の緊張感の中で鑑賞すれば、即時性もあって全然違っただろう。 コメディとしてもよくできているとは思うが、残念ながら好みではなかった。[DVD(字幕)] 5点(2018-01-24 21:26:44)《改行有》

193.  シャレード(1963) 《ネタバレ》 二転三転するサスペンスで、何が真実なのか、誰が犯人なのか、ヒロインと一緒に見ている者も翻弄される。 ラストもオシャレにオチているし、後のお手本となるような映画と言えるかも。 それでも、オードリーのヒロインにあまり魅力を感じなかったので、それほど引き込まれはしなかったしリピート鑑賞したいとも思わない。 オードリーは「ローマの休日」が良すぎたか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-19 21:21:25)《改行有》

194.  22年目の告白 -私が殺人犯です- 《ネタバレ》 二転三転するストーリーでサスペンス性はあるが、大事なものが欠けている。 サイコなシリアスキラーなんだけど、その犯人から肝心の狂気を感じない。 そういった点でいうと、韓国映画の描くサイコキラーは実に不快で嫌悪感と殺意を抱かせる。 この映画からはそうした感情は沸かなかった。 ということは、キャストを含めて狙った犯人像が描ききれなかったということだろう。 韓国映画でリメイクすればもっと面白くなりそうな気がする。 と思っていたら、原作は韓国映画の「殺人の告白」だった。 ストーリーや設定、キャストのイメージ、演出など、かなり違ったテイストになっていたので気づかなかった。 やっぱり犯人のインパクトは「殺人の告白」のほうが遥かに上で、ひたすら気持ち悪い。 日本版は韓国版にはなかった犯行動機にスポットを当てて戦場でのトラウマが語られているが、それが理屈っぽくなって迫力に欠け、かえってわけのわからない不気味な犯人像を損ねてしまった。 犯人にちょっとしたダンディズムのようなものを感じて、韓国版の動機もわからないどうしようもない気持ち悪さがない。 が、韓国版はいろいろ詰め込みすぎてリアリティーがなくアクションに偏りすぎで、ストーリーとしては日本版のほうが良かった。 終盤で真犯人のどんでん返しも加えて、捻りも入れている。 日本は理詰め、韓国は情緒で訴えかける印象。[DVD(邦画)] 5点(2018-01-19 21:06:38)《改行有》

195.  ゲームの規則 《ネタバレ》 巨匠ジャン・ルノアール監督の代表作と呼ばれるモノクロ映画。 おフランスの上流階級での痴情恋愛ゲーム。 そこのルールにそぐわない一途な若者が最終的には排除される。 シニカルに描いた悲喜劇は世間的な評価も高く名作とされているが、もう肌に合わないとしか言いようがない。 だいたいフランス映画の昔の名作とは、どうも相性が悪い気がする。 最後まで見るのが苦痛だったが、狩りのシーンだけは退屈しなかった。[CS・衛星(字幕)] 2点(2018-01-17 00:46:19)《改行有》

196.  ヒメアノ~ル 《ネタバレ》 「ヒミズ」もそうだが、古谷実原作の独特のテイスト。 ギャグ路線の稲中卓球部と同じ作者とは思えないシリアスさ。 どこか闇と狂気、ヒリヒリと乾いて荒廃した世界を感じさせる。 タイトルの意味がわからなかったが、ヒメトカゲという造語で、強者の餌食になる弱者を指すようだ。 強者に虐げられた者は、より弱い者に捌け口を求める。 自分が辛い思いをしたら、他人にはそんな思いはさせない――そんな道徳的な人間ばかりじゃない。 むしろ、より弱い者へと捌け口を求めるケースが目立つ。 同級生のイジメ、親の虐待、先輩の理不尽なしごき等、負のスパイラルが多く見られる。 冴えない童貞男の岡田が、清楚でかわいいユカに一目ぼれされるという思いもかけない幸運。 ところが、そのユカをストーカーしていた安藤が、岡田の高校時代の同級生でシリアルキラーだったという不運。 佐津川愛美と濱田岳のラブシーンがいい。 清楚に見えた女が実は結構経験豊富で、そこに引っかかる男の器の小ささがコミカルでクスッと笑える。 と思えば、一転してシリアルキラーの血生臭い凶行で、緩急めまぐるしい展開。 このシリアルキラーを演じる森田剛に、どうしようもない違和感。 イジメてた側ならわかるが、どう見ても元イジメられっ子には見えない。 さらに致命的なのは、サイコキラーの狂気が感じられないこと。 ここが違えばストーリーは面白かっただけにもったいない。 ミスキャストだと思ったが、だったらこの主役を演じきる役者が誰かというと、探すのがなかなか難しい。 興行ということを考えて、話題性スター性のある俳優の中から主役をとなるとなおさらだ。 この手のものが得意な韓国映画では、本当に気持ちの悪い、身の毛もよだつ狂気を感じさせるのだが、邦画ではそこまでのものは感じない。 日本では演技派で聞こえる役所広司でさえ、「渇き。」では役の上での狂気や不気味さをまったく感じずガッガリしたくらいなので、本業が歌手の森田剛に多くを求めるのも酷な話なんだろう。 いくらフリをしても、その目や顔つきからは、本物の持つ闇の深さとか邪悪なものは滲み出ない。 日本でも実際に事件を起こしてニュースになったサイコキラーが何人もいたが、皆、滲み出る負のオーラが違う。 こいつ本当にサイコキラーの資質があるんじゃないか――と思わせたら勝ちだが、残念ながらそこまでには至らなかった。 嫌悪感を催す不気味な役と子役の演技に関しては、天性の何かがあるのではと疑うほどに韓国との歴然とした差を感じる。韓国だけでなく欧米にも及ばない。 オタク的な気持ち悪さをコミカルに上手く演じる役者は、この映画でのムロツヨシ以外でもいろいろ思い浮かぶのだけれど。[DVD(邦画)] 6点(2018-01-17 00:44:30)《改行有》

197.  シェーン 《ネタバレ》 「シェーン! カムバーック!」 ラストのシーンが有名で、テレビでそこだけ吹き替えなしで放映したことがあったっけ。 久々に観直してみたら、バーでの乱闘シーンが長い。 店をめちゃくちゃにされるマスター、かわいそう…。 主人公はクールで強くてかっこいい、ヒーローらしいヒーロー。 ブルース・リーのカンフー、剣豪や早撃ちガンマンの決闘は、単純にシビレる。 童心に返ってワクワクできるのがいい。 ただ、この映画はそうしたカッコよさだけではない。 人間の葛藤がちゃんと描かれている。 父親よりシェーンに憧れ、無邪気に偶像化するジョーイ。 夫よりシェーンに惹かれる自分を必死で抑えるマリアン。 そのことに気づいて、心穏やかでないジョー。 大切なものを守るため、誇りをかけて敵地に乗り込む覚悟を固める。 そんなジョーを、最後は銃で殴ってまで止め、一人で決戦に向かうシェーン。 シェーンとマリアンの間には、互いに惹かれあいながらも握手しかない。 そうして戦いを終え、大好きな人たちを傷つけないようにと去っていく。 一度でも人を殺せば、抜け出そうとしても後には戻れない。 撃たれた傷を負って、シェーンはこの後どうなってしまうのか…。 そのせつなさが、ラストが名場面として語り継がれる所以だ。 撃たれていたシェーンが実は重傷で死亡説もあるが、そんな議論が皆でできるのも名画ならでは。[インターネット(字幕)] 8点(2018-01-07 23:02:45)(良:1票) 《改行有》

198.  息もできない 《ネタバレ》 お話としてはよくできているが、良くも悪くも韓国映画によく見られるあざとさで、ストーリーの先が見えてしまう。 サンフンは因果応報の殺され方をすると前半でもう予想がついてしまうが、彼女と一緒に歩んでいくためにも今日で仕事を辞めると決めて最後の取り立てに行く時点で、悲劇のフラグがはっきりと。 幸せを掴む直前でぶち壊しにされるのは、あまりにも王道すぎるパターンだから。 そんなわかりきった展開でも退屈しなかったのは、演技が上手いからか。 特に、ヨニ役のキム・コッピが良かった。 サンフン役で監督・脚本も兼ねているヤン・イクチュンも良かったけど、フジモンにそっくりと感じてしまったのがずっと尾を引いて…。 日本でいうなら長渕剛がよくやっていたような役なのに、フジモンが浮かんでは微妙な感じに。 主人公のチンピラに感情移入できれば感動もできたかもしれないが、哀れな奴だとは思えてもまったく同情はできず。 こういう人間は好きになれないし、主人公に惹かれないとどうしても作品の印象は下がる。 不幸な生い立ちなのはわかるが、恨みを晴らすのなら自分を酷い目に遭わせた相手にだけすればいい。 激情的で恨みがましく、八つ当たりのようにだれかれ構わず暴力を振るいまくるさまは、迷惑なクズ以外の何ものでもない。 よくある凶悪犯の弁護で不幸な環境のせいにするのと一緒で、甘ったれるなと反吐が出る。 そんなものは被害者には何の関係もないし、不幸な身の上でも歯を食いしばって真面目に生きている人は山ほどいる。 いい年をした大の男が、いつまでもグレた中学生のようでは情けない。 その点、同じような息もできないほど閉塞的で劣悪な環境にありながら、女子高生の真っ直ぐに澄んだ瞳と健気さが眩しくて、彼女にだけは同情してしまう。 心はボロボロになっているのに、荒みきった男の心を溶かすほどの芯の強い優しさは、聖母のようだ。 そんな心優しき女子高生が呆然と立ち尽くすラストはやりきれない。 ヨニの母に暴力を振るって殺した取立て屋が実はサンフンら一味だと、最後まで気が付かなかったのが救いだろうか。 暴力は新たな暴力を生む。 戦争が止められないのと同じ類の虚しさが、余韻として残る。 同時に、韓国社会や国民情緒の負の一面も感じてしまう。 ※追記 二度目に見ると、フジモン似は気にならなくなって映画の内容に入り込めたので5→7に印象アップ。 サンフンは嫌いだが、やっぱりヨニが健気で良い。[DVD(字幕)] 7点(2017-12-31 07:21:26)(良:1票) 《改行有》

199.  愚行録 《ネタバレ》 人間の目を背けたくなるような嫌な部分をえぐりだすのがうまい。 冒頭でのバスの優先席をめぐるやりとりで、早くも主人公・武志の闇がうかがえる。 男同士のドン引きするような会話。色欲。計算高い野心。女のほうもしたたかさでは負けていない。女特有の嫌らしさ、プライド、嫉妬。 殺された田向は欲しいものには手段を選ばず労力も惜しまない。目指す就職のためにはコネを持つ女と付き合って平気で利用する。確信的なエゴイスト。欲しいものは手に入れるが、敵も多いタイプ。妻・友希恵も他の人を踏み台にしながら自分の幸せを追求する女。 あちこちで恨みを買っていそうな夫婦と幼い子を惨殺したのは、一体誰で、どういう恨みからなのか。 事件のサスペンスとリンクして、武志と光子の兄妹の抱えた闇が明らかになっていく。 妹への思いに兄弟愛を超えたものを感じたので、光子の子の父親のオチは途中から予想がついてしまった。 元々は兄妹の両親がろくなもんじゃなかったのが大きな要因。その両親のそれぞれの親たちにも問題があったのかもしれない。負の拡大再生産だ。 名家のお坊ちゃんお嬢ちゃんが通う名門大学では、セレブの多い内部進学者と外部からの入学生の隔たりがよく言われる。 内部進学者が外部生を下に見て相手にしないとしても、外部生がセレブの内部進学者にあこがれたり媚びるのがおかしい。 いろいろ出てきた愚行の中でも、その愚かさが印象に残った。 親から受け継いだものだけで他を見下すような手合いは、それこそ相手にする価値もないつまらない人種なのに。 光子もそれがなければ友希恵とも関わらなかったろうし、違った人生を歩んだに違いない。 内部学生らの性処理道具にしかならなかったのが、愚かで哀れだった。 恵まれた家庭ではなかったからこそ、何不自由のないセレブな学生たちに引寄せられたのだろう。 また、父親との体験から性的なハードルや自己評価が低くなっていたこともあるだろう。 それぞれのキャラやストーリーはあまりにステレオタイプにすぎる印象を拭えなかったが、妻夫木と満島の兄妹を始め、キャスティングが良かった。 妻夫木の頬の傷跡が役にプラスになっていたし、満島はキレイだけど健康的ではない病的なものが滲み出ていた。 小出恵介は例の淫行騒動があったせいで爽やかなイメージがなくなったのが逆に役にハマって見えたし、松本若菜も美しい悪女がピッタリだった。[DVD(邦画)] 7点(2017-12-30 22:15:19)《改行有》

200.  シークレット・サンシャイン 《ネタバレ》 シネは引越してきた当初から嫌われる女の要素はあった。 初対面の店主に店のインテリアのアドバイスをする無神経さ。 夫が他に女を作っていたという事実を認めようとしないプライドの高さ。 お金を持っていると思われたいために不動産取引の嘘を吹聴する見栄っぱり。 子供の前髪に金メッシュを入れる母親なんてのも印象が良くない。 だが、そんな女だからといって、わが子が殺されていいはずがない。 どうしようもない苦しみ悲しみの中で、宗教に救いを求めるのはよくあること。 ようやく心の安定を取り戻したかに見えたが、自分が許すために面会した犯人が、既に神の許しを得ていたときにすべては変わった。 どんな罪人も神に懺悔すれば許される――。いや、許されてはいけないのだ。 わが子を殺した犯人を許すことができるのは、神ではなく自分だけ。このシネの思いはごく自然な人間らしいものに感じる。 罪には許されるものと許されないものがある。わが子を惨殺した犯人に親はどうなってほしいと願うだろうか。 罪を反省して更正して幸せに生きることか。それはウソだ。絶対に幸せになんかなってほしくない。 後悔の地獄の中で苦しんで苦しみ抜くことだけが、被害者の救いになる。安息を得た犯人に、シネの心が再び壊れ始めたのもよくわかる。 シネは神に復讐心を持ち、神を試す。自分を教会に勧誘した執事の夫を誘惑する。 いくら容姿が良くてセクシーに迫られても、メンタルを病んだ女は容易に抱けない。獣ではなく人間ならば。 どんどん壊れていくシネが本当に痛々しい。 ソン・ガンホの能天気な田舎の俗物キャラが、陰鬱なムードに救いをもたらしている。 意味ありげなラストシーンは、最初はそこに何かが埋まっているのかと思ったが、シークレット・シャイン(密陽)にかかっているのに気づいた。 そんな片隅にも密かに陽がいっぱいに射しているということを象徴的に表したかったのだろう。 その陽はジョン・チャンのことだろうか、その陽にシネは気づくのだろうか。 ここで映画が終わったのは少し拍子抜け。まだ何も解決しておらず、途中で放り出された感じ。 終わり方の好みもあるのだろうが、シネがもっとハッキリと克服できるまで描いて欲しかった。 ジョン・チャンがシネの傷を癒すシーンを見たかった。[ビデオ(吹替)] 6点(2017-12-30 02:14:19)《改行有》

070.42%
1241.43%
2734.35%
320512.21%
426515.78%
536821.92%
631618.82%
724614.65%
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