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プロフィール
コメント数 893
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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181.  お嬢さん(2016) 《ネタバレ》 『ラスト、コーション』みたいな官能心理サスペンスだと思っていたら、成人向けの『アナと雪の女王』だった。大金を求める侍女・スッキと自由を求める令嬢・秀子。伯爵に持ちかけられお互いを陥れるはずが、次第に心を通わせていく過程を丁寧に掬い上げ、気持ちが高揚していく。日本に対するコンプレックスと憧れを体現した淫靡で壮麗な美術が異空間として広がっていき、重苦しい展開をユーモアで繋ぎ止めるパク・チャヌク監督の真骨頂だろう。第三章は意外性の物足りなさ、逃走劇の詰めの甘さが気になったが、自分たちを支配しようとする叔父と伯爵を懲らしめてハッピーエンドは爽やかで悪くない。舞台をヴィクトリア朝の英国から日本統治下の朝鮮半島へ大幅に改変して原案同然になったからこそ出来た結末だ。日本に憧れを求めた"ニセモノ"からの解放。性別と階級と国籍からの解放。しかし、時代背景からすると末永く幸せに暮らしましたとは思えない。二人からはどこか淡く儚い、幼子の遊びみたいなものを感じるのは自分だけだろうか。細かい人間関係及び小道具を見直したくなるくらい面白かった。[DVD(字幕)] 8点(2017-08-12 22:15:51)

182.  ガールズ&パンツァー 劇場版 《ネタバレ》 テレビアニメ及びOVA視聴済。少女と戦車。一見相容れないようでいて、ほんわかした可愛らしいキャラデザと手を抜かない世界観とのギャップが却って王道かつ熱い物語に華を添える。2時間という制約の中、大量のキャラクターをグループ分けして複雑になりすぎない上でしっかりキャラ立てしている。誰も魅力的で捨て駒が一切いない。尚且つ大量の映像の洪水からは新たな発見が何度も見返す度にあって一切の無駄も中弛みもない。アクション→ドラマ→アクションのサンドウィッチ構成で、戦車道で高校を取り戻すだけのシンプルな話なのに、よくこんな展開をいくつも考えたなと、製作陣のこの作品に対する愛情がひしひしと伝わってくる。あとは好きなキャラクターでそれぞれのサイドストーリーを想像・補完して、だからこそファンアートが盛り上がっているのだろう。何故、この作品の魅力に早々と気付けなかったのか、劇場に足を運べなかったのか悔やむばかりである。この作品の魅力は、他の方が仰るように、宮崎アニメを彷彿とさせる矛盾性=主人公のようにかつての敵を仲間として引き入れてしまう"やさしい世界"に近いものを感じてしまうからかもしれない。[DVD(邦画)] 9点(2017-08-07 23:20:52)

183.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 デヴィット・O・ラッセルは苦手な監督だ。彼の癖がとことん発揮されており、何をしたいのかよく分からない。コンプレックスから親離れしてチャンプになりたい異父弟の話が、いつのまにか異父兄とチャンプを目指す話になっていて、それが盛り上がらずに淡々と進むわけだからカタルシスが感じられない。むしろ主役のマーク・ウォールバーグより、薬物中毒から抜け出そうとする異父兄の話が印象に残り、クリスチャン・ベールの本人になり切った役作りと存在感は感嘆ものである。メリッサ・レオの助演女優賞はよく分からなかった。ボクシング映画としても家族映画としても消化不良。[DVD(字幕)] 4点(2017-07-11 19:23:43)

184.  オクジャ/okja 《ネタバレ》 少女と巨大生物の絆を描いた『となりのトトロ』を彷彿とさせる大自然の日常が、 攫われたオクジャの奪還劇に活かされる面白さ。 偽善的な動物愛護団体と冷酷なグローバル企業の対立の中に、 善悪の二極化では割り切れない人間の複雑さ身勝手さ。 そして生物が精肉へと大量生産されていく死の簡便化・・・。 社会が豊かになっていく反面、そのツケは常に下位種に押し付けられている。 我々は上から押し付けられた価値観をさらに下になすりつけて生きているのだ。 "金の豚"で買われたオクジャと他の豚との違いは何なのか、 親から子豚を託された少女には重すぎる役割だろう。 「私たちを忘れないでほしい」と訴えているようだ。 「考えさせられる」という思考停止で済まされる今日にも腹は減り、かつて命だったものを喰らう。 本作鑑賞後の夕食が豚カツだった。 こうして誰かの犠牲によって上澄みを吸い、世界が廻っている。 誰もが分かっているのだろう、ポン・ジュノなりの"いのちの食べかた"を再確認する他、自分には出来ない。[インターネット(字幕)] 8点(2017-07-10 22:16:38)(良:1票) 《改行有》

185.  ダム・キーパー 《ネタバレ》 「親父は暗闇から身を守る方法を教えてくれなかった」。最後のナレーションが象徴しているように、こういう状況が過去に一度もなかった(かつて忘れ去られた)のだろう。温かい手触り感の残る映像と残酷な現実との対比、主人公が置かれている状況とダムで守られている平和な町との対比が、当たり前のように暮らせている尊さとすぐ壊れてしまう危うさとは紙一重なんだと。転校生のキツネに裏切られたと思っていたことが、実は彼のために闘っていたということも紙一重。替えの利かない存在の大切さを誰かが気付いたとき、彼の明日が少しでも打開されていくことを願わずにはいられない。[地上波(吹替)] 7点(2017-06-19 21:28:48)

186.  メランコリア 《ネタバレ》 センセーショナルで辛辣な映画を撮るトリアーの中では最も見易い作品だろう。ディザスターものの体裁を取りながらも舞台は屋敷とその周辺のみで、鬱病を主体にしたシンプルさ。鬱病への無知・無理解をストレートにぶつけ、ヒロインの心理状態をシンクロさせるような揺れる撮り方に見ていて辛くなるくらい(酔うという意味で)。避けられない破滅に、ヒロインと常識人の姉の立場が逆転していく過程が印象的。地球消滅なのに、どこか穏やかで爽快感のある終わり方。これに共感してしまうあたり、「生きているだけで素晴らしい」と強要する"普通"の社会にどこかしら違和感があったのだろう。閉塞感からのリセットを描いた壮大な"断舎利"映画だ。[映画館(字幕)] 5点(2017-06-08 18:58:17)(良:1票)

187.  スノーピアサー 《ネタバレ》 ポン・ジュノのハリウッドデビュー作というより、ハリウッドスターが出演する韓国映画という表現が正しいか。でなければ、ソン・ガンホも娘役のコ・アソンも、キャプテン・アメリカと最後まで活躍しないだろうし、ねちっこい暴力表現も、どこか珍妙な味わいもなかっただろう。フランスの劇画が原作とは言え、荒唐無稽な設定で、別に列車を走らせなくてもいいような・・・そんな部分を許容してしまうのは、次の部屋に何が待ち受けているのかのワクワク感に、維持し続ける社会システムの暗喩というのもある。踏みにじられた者たちの反逆という王道のテーマを掲げながらも、行き着く先は倒される権力側になってしまう皮肉さ。恐らく黒幕が作り上げた"ユートピア"を破壊し、新世紀のアダムとイブが現れても同じことが繰り返されるのだろう。現状維持が良いか、リスク覚悟で未来を変えるか、そんな現代社会と折り合いを付けるしかない。副大統領役のティルダ・スウィントンが儲け役。面白い。これほど滑稽で活き活きと演じている彼女が一番楽しそうだ。[映画館(字幕)] 7点(2017-05-29 19:37:46)

188.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 1以来のシリーズ鑑賞。それくらいシリーズに対する関心は薄すぎるわけだけど、ポール・ウォーカーの不慮の事故死にどうしても避けるわけにはいかない。一見さんでも楽しめるが、やはりシリーズ全部通して見ないとより面白さが見えてこないこと必至。とにかくありえない激しいカーアクションが主体なのに、肉弾戦に銃撃戦と欲張って逆に胃もたれするのに、ポールという中心的存在を失ったことで、大きな穴がぽっかり空いた感じが際立っている。テレビでは重要な部分をバッサリカットしているらしく、死んだ彼のためにもノーカットで放送して欲しかったね。DVDでしっかりシリーズを通して見るか、以後の続編を見るかは別にして。[地上波(邦画)] 6点(2017-04-30 23:25:21)

189.  トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン 《ネタバレ》 ここまで来るとマイケル・ベイ特有の様式美と言っても差し支えないかもしれない。やってることは前二作の焼き直し。複雑なガチャガチャ変身と破壊要素が増えまくっただけ。完結編でヒロイン交代なのに違和感もなく(どうでもいい)、二度世界を救った青年の葛藤のドラマが全然活かされてないのも予想通り。添加物だらけのデカいハンバーガーセットをこれでもかと胃に詰め込めば、ある意味、胃もたれレベルで満足というか完敗としか言いようがない。3部作全てでオプティマスプライムが教訓めいた台詞で締めていたけど、「どれか単品だけ見ても十分楽しめるよ」と言っているように見える。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-04-06 23:58:38)

190.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 SF要素を交えたトンデモ西部劇で始める冒頭、これどう収拾するの?と思いきや、いきなり涙腺が緩んでしまう。かつてリアルタイムで1&2を見ていた子供は、今はもう青年、社会人になっているだろう。その事実を、成長したアンディと成長しないおもちゃと対比して突き付ける。手違いから地獄のような幼稚園からの脱出を試みるウッディ達を描いた3は、その活劇の巧みさに舌を巻き、一向に飽きさせない。同時に並行しておもちゃ達の行く末を匂わせる描写も容赦なく、絶体絶命から救出されたとしてもいつかは訪れる結末。たとえそうだとしても、アンディから少女へと想いが引き継がれていくエピソードがあったからこそ、痛烈に心に響く。カーテンコールのように、一人一人を言葉を紡いで紹介していくアンディに涙があふれた。彼もまた、このシリーズの影の主役だったかもしれない。「あばよ相棒」。嬉しいことも悲しいことも一緒に共にしたおもちゃへの愛情と感謝。人を信じる眼差し。それを胸にアンディもウッディ達も新しい世界に飛び込んで生きていくのだろう。[映画館(吹替)] 10点(2017-04-06 23:47:46)

191.  塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 久々に王道を地で行くディズニー・プリンセスものを見た気がする。それ故に目新しいものはなく、粗はなくはないが、あの長すぎる髪で如何に危機を乗り越えるのか適度なユーモアを交えつつ、ハラハラさせながらも安心して見られる。塔に軟禁状態のヒロインが城に向かうだけのスケールの小さい話でも、抑圧された当人からすれば地面に降り立った一歩には大きな世界が広がっている。永遠の美しさを保ち独占し続けようとする"毒親"からの自立。いつかは子供は大人になり、思い通りに抑圧しても親元を離れていく日がやってくる。たとえ彼女の言う通り、現実が恐ろしく辛いもので代償を支払うにしても、新しい世界に飛び込んでみる価値があると伝えているようだ。しかし、盗んだティアラがきっかけとは言え、盗賊を婿養子にしていいの? その他荒くれ者も職を得て、大団円で締めるアバウトさは流石ディズニーのお家芸と言ったところ。[地上波(吹替)] 8点(2017-04-06 23:43:13)

192.  魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's 《ネタバレ》 テレビアニメ版視聴済。前作の敵だったフェイトが仲間になり、新たな脅威に立ち向かう。しかし、敵もまた複雑な事情を抱えているのは前作と同じ(悪く言えば焼き直し)。病魔を患う主のはやてのために、闇の書のプログラムである4人の騎士が"疑似家族"であることを押し殺して、なのは側と敵対するのがミソ。登場人物が以前より多いので、危うい場面展開が目立つが持ちこたえる。その分、派手な戦闘描写は多め。最後は共闘して派手にぶちかますのが一番の醍醐味。いくらなんでも被害や代償が小さくない?と思うのは、まどマギ以前の魔法少女ものの限界かもしれない。StrikerSに繋ぐ劇場版3作目は不安が残る。テレビ版の結末を見れば、あれはあれで綺麗に完結している印象があるので。【余談】映倫でG指定なのに小学3年生のフルヌードは、性的な意図で描いてないからセーフなのか?[DVD(邦画)] 8点(2017-02-28 23:50:27)

193.  魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 《ネタバレ》 テレビアニメ版視聴済。魔法少女ものに硬派な少年バトル漫画要素を取り入れたのが本作で、映画版では萌えアニメにありがちな要素をカットし、なのはとフェイトの物語に専念している。家族と友人に愛されているなのはと、虐待する母の愛を求めていた孤独なフェイトの対照的な二人。敵同士としてぶつかり合うもフェイトをどう救済していくかを丁寧に描き、バトルものとしての火力もテレビとは比べ物にならないくらい熱い展開。テレビ版を見ていたファンに不満はないのではないか。何だかんだで脚本の強度が大事だと感じさせられる。でなければ、こんなに息が続くわけがない。[DVD(邦画)] 8点(2017-02-28 23:48:59)

194.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 監督の前作は未見のまま、授賞式直前に観賞。 巧みなストーリーテリングやメッセージや感動を求める映画ではない。 原色の万華鏡に彩られた'50年代のロマンティック・ミュージカルに オマージュを捧げた"ザ・エンタメ"にひたすら徹した姿勢に好感が持てる。 冒頭のハイウェイの長回しは圧巻で期待が膨らむが、中盤あたりから雲行きが怪しくなり、 もう少し短くできたのでは?と思ってしまった。 ワクワクするような鳥肌ミュージカル演出が次第に減っていったのが原因か。 エマ・ストーンの"夢追い人の歌"にしんみりしつつも、ラストで一気に挽回するかと思えば、 期待したほどの爆発力もなく、あっけなく終わった感じ。 それは主役の男女が夢を叶えた"大人"になってしまったのも大きいかもしれない。 お互いの夢は叶えたが理想の恋を成就することができなかったほろ苦さの残る甘い夢。 現実を忘れさせてくれる往年のハリウッド映画に捧げるラブレターだと思えば納得できる。 業界人ならむせび泣くほど絶賛するかもしれないが、ド素人の自分にはどうも醒めて見てしまった。 全体のメリハリのなさがこの映画の弱点。 至福感でも『シカゴ』や『アーティスト』にも劣る。 これで作品賞含む歴代最多11部門受賞タイはいくのか・・・と思いきや、まさかの作品賞落選。 納得なのか可哀想なのか、甘い夢から覚めるような結末そのものだった。[映画館(字幕)] 6点(2017-02-28 23:33:44)《改行有》

195.  ラブライブ!The School Idol Movie 《ネタバレ》 原作テレビアニメ未見。 『映画 けいおん!』でも感じられたことだが、美少女アニオタ男子の妄想を具現化した究極のファンタジーだろう。 モブからして男性は遠景であまり映らない上、ヒロインの父親も素顔を出さないのだ。 出演声優すら100%女性という徹底ぶり。 おまけに深刻な展開になりそうなところは"無事に"スルーされ、アイドルに付きまとう負の側面は排除、 なかよしこよしな少女達の百合百合しい関係を愛でる"やさしい世界"のため、 合わない人にはある種の気持ち悪さを感じてしまうかもしれない。 圧巻は全国のスクールアイドルを巻き込んだ秋葉原のダンスシーンで、 そこに男が入る余地も陰湿さも汚物もない"地上の楽園"という様相だ(悪く言えばファシズム的な)。 テレビアニメの補完で、主要人物の描き込みは知っていること前提。 ファンタジーだと完全に割り切れないと確実に振り落とされる。 先に見ていたら、共感できたりして違う印象を持っていたかもしれないが、 別の意味での濃厚さに胸焼けして遡るにはちょっと厳しいです…[地上波(邦画)] 4点(2017-01-05 18:07:19)《改行有》

196.  レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》 憎悪が彼を生かしている。レフン監督の『ヴァルハラ・ライジング』という映画があるが、本作は金を掛けてそれに近いことをやっている。憎悪の如く、凄い映画を撮ろうとしている執念と狂気がスクリーンから漂い、2時間半の長尺をものともしない。激痛の中、火薬で治療する。生きた魚を、牛の内臓を食う。馬の死体の中で寒さを凌ぐ。生きるために命を奪う。それは当たり前のことだが、グラス率いる開拓者はキリスト信仰を盾にもっともっとを求めてさらなる略奪を繰り返す。グラスもフィッツジェラルドもエゴの塊。それがアメリカの歴史なのだ、と。媚びない映画を撮り続けるイニャリトゥ、荘厳な映像を収めたルベツキ、グラスに取り憑かれたディカプリオ、それぞれにとって重厚な代表作になるだろう。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-01-01 15:03:32)

197.  HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス 《ネタバレ》 製作費もスケールもパワーアップしたせいか、前作よりは面白い印象。相変わらずのチープ感とギャグは可笑しく、スパイダーマン2へのリスペクト満載。当然ながら、今までのキャリアをかなぐり捨てて続投した鈴木亮平のプロ根性と怪演に尽きる。カンヌ最年少受賞の柳楽も安田もブッ壊れています。カッコいいけど変態。どうしようもなく下らないけどその力の入れように笑える(良い意味で)。個人的にはニューヨークの摩天楼で決着して欲しかった気が。完結編は明らかにスパイダーマン3を匂わせるものになるのだろう。[DVD(邦画)] 6点(2016-12-19 22:14:54)

198.  貞子vs伽椰子 《ネタバレ》 見えない糸に引き寄せられ、誰かを巻き込み、そして誰もいなくなった。人気キャラの○○vs●●という地点で、ギャグホラーとして期待はしていたけど、肝心の貞子と伽椰子の対決が終盤の数分のみでそこまで可笑しいほどでもないので肩透かし。お互いの呪いで打ち消し合うどころか、共通の目的で融合するラストは、双方の映画をよく知らない自分にしては「これで終わり?」程度にしか思えなかった。もっと笑撃的なものを想像していただけに残念だ。[ブルーレイ(邦画)] 4点(2016-12-19 22:08:14)

199.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 打ちのめされた。ただただ打ちのめされて涙すら出ない。無駄に描き込まない柔和な絵柄と、ユーモアを交えた軽妙なエッセイの中に、戦争という暴力の足音が少しずつひた歩き、ある日突然、ささやかな日常をあっという間に蹂躙する。戦争に組み込まれた庶民には不可抗力でしかなく、すずたちの失った痛みが自らの痛みとして伝わってくる。後悔、慟哭、喪失、絶望・・・それでも笑わなければならない、飯の美味しさを噛み締めなければならない、消えることのない深い傷痕を抱えて過去に囚われても前を歩かなければならない。並行世界で生き残った"姪"を家族に迎え、互いに失ったものを補い合うように、さして豪華ではない夕食で締める何気ない日常の数々に、見えない力強さを感じた。この映画は二度と見たくない。安易に人に薦めたくない。当たり前に過ごせる日常は、感謝を言動で示したり強制したり自ずと気付くものではなく、ただ"そこに在るもの"に過ぎないのだから。きっと、現在の"この世界の片隅に"暴力の足音が世界中に再び広がり、同じ轍を踏んだとしても、そうやってのらりくらり、なるようになるしかないんじゃないか。多分、いつの時代、世界各地にいる"すず"は、未来を描けるはずだった失った右手を見つめて現実に引き戻されても、ちょっとしたことで笑顔になっているのだろう。[映画館(邦画)] 10点(2016-12-19 22:04:04)(良:3票)

200.  ウォーム・ボディーズ 《ネタバレ》 コアなゾンビマニアなら激怒ものの描写と展開の数々だが、製作スタッフもそのことは想定内で、あくまで異種恋愛ものファンタジーに徹している姿勢に好感が持てる。「ここまで上手くいかないだろ」とか「ゾンビに殺された人もいるのに切り替え早いな」とか目くじらを立てず、ロミオとジュリエットみたいな初々しい恋愛模様を愛でるのが正しい観賞法。ラストは清々しいまでのハッピーエンド。ここまで行くともう乾杯(完敗)です。[DVD(字幕)] 7点(2016-11-26 00:33:34)

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