みんなのシネマレビュー |
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2021. アメリカン・ビューティー 主人公の行動は、普通の人間が日常の欲望に対して邁進するということでなんら異常な行動ではない。しかしながらそこには微妙でありながらに明らかな「常識」との差異がある。その絶妙な差異であり異常さを巧みに演じたケビン・スペイシーが素晴らしい。彼をとりまく環境も至極一般的なものであるはずである。それを主人公の精神の破錠ぶりを中心に異世界のように描き出したサム・メンデス監督の世界観にもただならぬものを感じる。アカデミー作品としては異質であるが、その名誉にふさわしい作品だった。9点(2003-11-30 13:36:52) 2022. 双生児 徹底的なまでに異質な世界観が見事で引き込まれた。これに限定するわけでなくこういう個性こそ日本が重要視するべきことであり、育てるべきものだと思う。本木雅弘の演技も良かったが、何と言ってもりょうの女優としての存在感が物凄かった。9点(2003-11-30 13:26:49) 2023. ポンヌフの恋人 生理的に受け付けないとはまさにこのことで、個人的にはどう観たって好きになれない映画だった。雰囲気の濃厚さや、この映画やこの監督の作品がべらぼうに好きな人は多いということは知っているので、ある観点からは秀逸であることは理解できるが、嫌いなものは仕方ないという結論。でもこういう映画があるから、私が相当に好きな映画も存在するんだと思う。その好みの多様性こそ映画の醍醐味であろう。[ビデオ(字幕)] 1点(2003-11-30 13:22:21) 2024. スリー・キングス 展開の激しい風刺的なストーリーには一瞬引きつけられるけど、全体的には陳腐な感じが拭えない。濃厚ではないけど、色んなものを詰め込みすぎて中途半端に仕上がっている感がある。映像的なノリは楽しめるが、それが映画のテーマ性と合っていないのでチグハグな印象に終始する。3点(2003-11-30 13:16:51) 2025. 病院で死ぬということ 「病院で死ぬということ」は現代社会においては至極当たり前のことと言えると思う。しかしながら、そこは常に健康に生きてきた日常とは異質なものであるということを、今作は徹底的なリアリズムで見せつける。そこに安易な感動や悲しみはなく、生と死というものの日常的でありながら、とてつもなく非現実な営みが繰り返される。それこそすべての映画に通じる本質的なドラマ性なのかもしれない。8点(2003-11-30 13:13:32) 2026. ストレイト・ストーリー 数多くの映画を観てくると、何十本かに一本自分の中で何かが目覚めるほどの感慨深さが生まれる作品にめぐり合う。今作はまさにその類の一本で、見終わったあとのとてつもない味わい深さに大きな幸福感を覚えた。今作が遺作となったリチャード・ファーンズワースの演技が何よりも素晴らしい。これはもはや演技ではなく、彼自身の生き様に違いないと錯覚したほどである。彼のたどった道筋、言葉、物腰を私はこれからも何度となく観ることであろう。10点(2003-11-30 13:05:59) 2027. スペシャリスト(1994) 今になって考えると、この映画からスタローンの落ち込みが始まったのではないかと思う。見応えのないアクションシーンと希薄なストーリー展開には辟易させられる。シャロン・ストーンとの絡みのみをウリにした映画自体、非常に問題だ。2点(2003-11-30 12:37:12)(良:1票) 2028. 御法度 ストーリーの性質的に好き嫌いはあるだろうが、映像感覚、俳優陣の好演と見所はとても多い。浅野忠信の男色ぶりが非常にセクシーだった。松田龍平の個性的な風貌にこれからの可能性を感じる。ストーリー的に盛り上がりには欠けるが、完成度の高い作品だったと思う。7点(2003-11-30 12:13:07) 2029. 白痴(1999) 圧倒的な世界観に「圧巻」の一言だった。そのビジュアル感覚には舌を巻くと共に、「手塚治虫の息子」という肩書きにふさわしい才能を監督手塚眞に感じずにはいられなかった。俳優陣の印象的な演技もさることながら、映像世界に引き込まれっぱなしの映画だった。万人向けとは言えないが、間違いなく日本映画史に残る傑作であると思う。[映画館(邦画)] 9点(2003-11-30 12:08:40) 2030. DEAD OR ALIVE 犯罪者 終盤までの展開は後味の悪いバイオレンスが続き好感は持てないものだけど、このラストには良いも悪いも引きつけられることは間違いない。圧倒的なまでの破天荒なラストシーンは伝説的ですらある。さすが三池崇史という感じだ。1点(2003-11-30 11:55:33) 2031. 刑務所の中 日本を代表する個性派俳優がそれぞれ獄中の囚人たちをユーモラスに演じていて非常に楽しかった。忠実なまでの獄中の描写が逆に面白すぎる。これは体験者ならではの視点であり発見であると思う。ここ数年絶え間なく秀作に主演している山崎努の流石の巧さが光る。[DVD(邦画)] 7点(2003-11-30 11:43:25) 2032. スペーストラベラーズ ラストまでは「踊る大捜査線」に通じるほどのエンターテイメント性に溢れた展開が非常に楽しめるが、ラストの顛末で一気にトーンダウンしてしまう。本当に拍子抜けもいいところで、何故あんなラストにしてしまったのかいまだに理解できない。映画全体の9割近くは傑作とも言えそうな出来だが、ラストの一割で最悪の駄作に成り下がった作品。1点(2003-11-29 17:01:30) 2033. フェイス ロバート・カーライルの哀愁たっぷりの演技が印象的だった。ストーリー的にも一辺倒ではないドラマ性が充満してして感慨深さが残るものだった。単純なカッコ良さではない男の気概が魅力的だ。[ビデオ(字幕)] 6点(2003-11-29 16:56:11) 2034. 北京のふたり 中国の法律の間で苦闘するサスペンスは目新しく、緊張感に溢れている。ディテールに問題点はあるかもしれないが、サスペンス映画としての出来栄えは良い。7点(2003-11-29 16:52:43) 2035. ノイズ(1999) サスペンスと恐怖感に満ちた雰囲気には引き込まれるが、それを充分に反映するだけのストーリーのクオリティが無かった。終始B級映画っぽい希薄な展開で、巧い演出に見入るがあと一歩のところで肩透かしをくらった感じである。[映画館(字幕)] 4点(2003-11-29 16:47:01) 2036. ムトゥ/踊るマハラジャ ひたすらに歌い、踊り、戦う。それを3時間ぶっ通しで繰り広げるわけだから、その絶大なエネルギーだけでも評価に値する。加えてインド独特の雅やかなノリの良さに溢れ、極めて娯楽性の高いエンターテイメントを提供してくれる。尺の長さもまったく感じさせない秀作。8点(2003-11-29 13:48:30) 2037. ポーラX 悲劇的、あるいは破滅的すぎて非常に心地が悪かった。個人的には明らかに駄作と言うしかないが、こういう映画は観客の好みに大いに左右されるものだと思うので、好きな人は相当に好きなんだろうと思う。もちろん私は二度と見るつもりはない。1点(2003-11-29 13:37:35) 2038. スリーピー・ホロウ ティム・バートンならではのアニメチックな世界観は秀逸で、ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチの配役も絶妙であったが、いかんせんストーリーが軽薄すぎた。映像世界の完成度は極めて高かっただけにそれに伴うストーリー性を用意してほしかった。6点(2003-11-29 13:34:59) 2039. シュリ 映画の出来は壮絶なアクション性とドラマ性に満ち溢れた素晴らしいものだったが、それよりも初見時に私が感じたことは、韓国映画界の絶大なエネルギーだった。日本映画界のそれとは明らかな温度差を感じずにはいられなかった。今作以降も続々と秀作を世界に送り出している韓国映画界に賞賛を送るとともに、日本映画界の奮起を期待したい。9点(2003-11-29 13:06:08) 2040. 中国の鳥人 この頃(もちろん今もだけども)、Vシネを撮り、アイドル映画を撮り、テレビドラマの映画版を撮り、今作のようなドラマ性が高い作品も撮る三池崇史に対して、「なんて節操のない監督だろう」などと感じたものだが、彼の映画作りの根本は暴力的なまでのチャレンジ精神に他ならないということを近年強く感じる。でなければ、中国の奥地まで行ってこんなパワーに満ちた映画は作れない。[ビデオ(邦画)] 7点(2003-11-29 02:44:20)
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