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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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2061.  M:i:III 毎度、趣向を変えてくるシリーズ、今回は何だか画面も内容もゴチャゴチャですが。あと、「CG使えばスパイ映画だって、こんな怪獣映画みたいなスペクタクルにできちゃうぜ」みたいなノリ(はいはいわかってますよ)がある一方で、変に生々しくて下世話なところがあるのもヤなんですが(いくら毎回趣向を変えるとは言え・基本的には浮世離れしたシリーズであり続けて欲しい・主人公はひたすら超人で良い。人間らしく苦しんだり苦しめられるのは似合わず鬱陶しい・すみませんこの辺りは好みの問題かも知れませんが)。ただこの作品。派手な戦闘シーンの一方で、主人公が走るシーンが良く出てきますが、私、この走るシーンってのが(特にオッサンが走るのが)昔から好きでして、すみませんこれも好みの問題でしたね、で、本作、細切れのカットがもったいない。せっかく走るシーンなんだからもっとトム・クルーズをたっぷり走らせればいいのに!と思いながら観てると、ラスト近くになってちゃんと、長いワンカットで走ってみせてくれる(だよね?途中でワイプでこっそり切って無いよね?と心配になる昨今の撮影技術)。その直前の屋根を走るシーンでは。チャップリンの『キッド』を思いだしたりもするし。走るって、素晴らしい。[地上波(吹替)] 7点(2012-04-13 04:19:40)(良:1票)

2062.  ネバー・クライ・ウルフ チャールズ・マーティン・スミスと言えば何と言っても『アンタッチャブル』、作中での扱いの悪さでかえって存在感を示した(ある意味オイシイですな)名バイプレーヤーですが、その彼の主演作。アラスカでひとり、オオカミの生態調査を続ける男を演じていますが、もうこれは「演じている」なんてもんじゃない。映画は、雄大で過酷な大自然のロケーションにおいて、動物たちの姿がドキュメンタリー映画そのまんまに描かれる。彼は語り手であり、目撃者であり、いや、大自然の中に「人間一匹、ちっぽけな存在」として溶け込んで見せます。厳しさの中で時折り見せるユーモアにもホッとさせられたり。一方、ブライアン・デネヒーは例によっていかにも悪そうな顔、まさに曲者。映画の物語自体は、何も解決を示すことなく(『デルス・ウザーラ』を思いこさせる部分もありながら、全く異なる展開)、無力感を感じさせもします。しかし主人公の孤独ただそれだけが、どれほど我々の共感を呼ぶことか。見事な作品だと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-08 11:13:07)

2063.  天使にラブ・ソングを・・・ どうせ「芸達者ウーピーの芸に、オンブに抱っこ」みたいな作品じゃないの~と思ってたら、さにあらず。まず演出において「どう見せれば面白いか」と工夫を凝らしていて、その中でウーピーが暴れまわる。追跡シーンなどの楽しさ。いやホント、愉しい作品です。ところで、クリスマス前に百貨店とか行くと、催し物スペースで「ゴスペル無料コンサート」とかやってて、オバチャン達の同好会がノリノリで歌ってるけれどあまりお客さん集まって無くて。うわークリスマスだというのに罪だよなー、とか思いつつ、歌ってるオバチャン達の視線を感じつつ、私も立ち去っちゃうんですけど。この映画みたいにコーラスだけで「お客さん(?)」を教会に集められたら、苦労ないよね。と、あのオバチャン達は思ってるに違いない。[CS・衛星(吹替)] 8点(2012-04-08 08:56:25)(良:2票)

2064.  瞼の母 《ネタバレ》 中村錦之助泣く。ひたすら泣く。背景も何もわからぬ映画開始早々から、いきなり何やら込み入ったことになっておりますが、前半のエピソードが一段落するとき、そこには「母親」⇒「涙」という構図が現れています。そしていよいよ、母を訪ねて三千里。皆から冷ややかな視線を投げかけられているようなオバチャンに対しても、主人公忠太郎はひたすら優しい。こんなにウェットだと、本当の母親に出会った日には、もう大変なことになっちゃうよ。ってな訳で、忠太郎にとっては母親は母親であって、身分も境遇も何もナイ、と言いたいところですが、いざ見つけ出した母親の方はそうもいかない。誰とでもうまくやっていけそうなキップのいい忠太郎として描かれた前半に対して、まさかまさかの強敵キャラなのでありました。それまでのテンポのよさから一転、二人のやりとりがじっくり描かれます。そして「どうしてやくざに何かなってしまったのか」という母の一言、これは歩み寄りの一言にも聞こえるけれど、実は忠太郎のアイデンティティに関わる、触れてはいけない一言。忠太郎は去り、さらには母との絆を断ち切りヤクザの道に生きることを決意するかのように、また人を斬ってしまう。その後で母が彼を探しに来たって、もう会うことはできない、会わせる顔も無い。目をつぶり涙を流す忠太郎の顔が大写しになったとき、その涙はもう、母を想う涙ではなく、まるで、瞼に浮かぶ母の面影を洗い流す涙であるかのよう。映画にしばしば挿入される短いカットが、見事に感情をゆさぶります。[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-08 08:16:39)

2065.  ノウイング 《ネタバレ》 ドロズニンのトホホな著作『聖書の暗号』を思い起こさせるような、未来の災厄を予言したという数字の暗号。そこからオハナシは思わぬ方向(あまり暗号とは関係ない方向)へと進み、最後は“ノアの方舟”へ。とりあえず企画的にはワケわからんけど(笑)、そのワケわからん流れをちゃんと繋いで行ってるのが、非常に好感持てます。面白く観させていただきました。息子が寝室で亡き母親のビデオを見ているのを目撃し、主人公はまた落ち込む。放心状態で酒を注ぐ手もおぼつかなく、こぼした酒で「手紙」を濡らしてしまう。コップの底の形に濡れた「手紙」に書かれた数字に目をやると・・・という、日常から非日常への繋がり(しかし私ならまずこの手紙、息子か誰かが偽造したものじゃないかと疑いますが…)。大災害のスペクタクル映像(ワンカットで描く墜落事故のインパクト。ネット上に転がってる“インチキ動画”みたいな雰囲気ではありますが)の合間に、時々姿を現す謎の集団に謎の石ころ。そこにさらに、「子供たちを救いたいあまり取り乱して勝手な行動をとる母親」と来るもんだから、ストーリーはひらすら思わぬ方向へと「繋がって」いく。“落ち葉”がしばしば背景に描かれるのも、映画を通じる一種の繋がりか。主人公の両親や妹(美人です)が、途中何のために登場したのかと思ったら、一緒に死ぬためだった、というのも切なくてイイじゃないですか。クライマックスに流れるベートーヴェン第7交響曲お馴染みアレグレット、選曲自体はベタな気もするけれど、映画途中で予告的に挿入しておくのなんかも、心憎いなあ。[地上波(吹替)] 9点(2012-04-08 07:37:59)(良:1票)

2066.  ビッグ・ウェンズデー サーフィンのシーンの迫力、これはもう奇跡というか、殿堂入りというか。ただし、「たまたまうまく撮れちゃった映像を並べてみました」という感じもしますが(良くも悪くも、作りものではないホンモノ、という感じ)。まとまったストーリーらしいものは無く、ただ、波が来れば集まってくる男たち。波はまたやって来るけれど、時代は流れていく。時代の流れとともに、多くのものが変わっていくその中で、変わらないものがあることの素晴らしさ(海岸の“門”が象徴的)、という訳ですね。「乱痴気騒ぎ」以外にももう少し印象的なエピソードが準備されていてもよかったのかな、という気もしますが・・・。ジョン・ミリアス作品でありながら、受け止めようによっては厭戦的なテイストの漂う部分もあるのですが、それでもしっかりと、ヒッピーを不快感をこめて描いているあたりは、さすがかな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-01 09:42:56)

2067.  映画ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマル アドベンチャー ウチの下のチビは途中で集中力を欠いてしまい(すみません、周りの方、ご迷惑をおけかしました)、親の立場としては、この時点で本作に不満な訳ですが(笑)、しかしウチの上の子も含め、大抵の子供たちは大人しく観賞していたので、これはどう考えてもウチのチビが悪い! 困ったもんだ。・・・いやいや、でもやっぱり、作品の方にも問題はあると思う。冒頭の指きりから、カブトムシ対決あたりまでは、面白く描けてて楽しく観てたんだけど。物語が動き始めるあたりから、少年時代のパパの冒険と、のび太たちの冒険とが並行して描かれ、錯綜したサスペンスの中で観ている我々の関心を引っ張っていこうという工夫を凝らしている、その努力は判るんだけど。残念ながら、その分、描写が雑になっちゃってるのでは。描写を「省略し過ぎ」なのでは。眼目であるはずの“ゴールデンヘラクレス”、登場人物たちが何ゆえそんなに有り難がっているのか、正直、関心が沸かない。関心を沸かせるような描写が、ない(もののけ姫のシシ神サマみたいなもんらしいが、明らかに貫禄負け、神秘性負け)。シーンが変わった途端にいきなり「ついに捕まえたぞ」とか言われても、はい、そうですか、と。そもそも絶滅動物たちの集まる“奇跡の島”にやってきた癖に「親って、いいよな」みたいな日常的な感傷に浸ってるのにはゲンナリする。もっとワクワクしろよ。無理に感動するな、感動させようとするな。「のび太が生まれた日の事、憶えてるかい」、はい、親なら憶えてます。子供なら、あんまし関心ないでしょうなあ、少なくとも自分が大人になって、自分の子供ができるまでは。と言う訳で、「感動しそうなキーワード」をとってつけたみたいにちりばめて見せるヒマがあったら、もっともっと、ワクワクする冒険そのものをいかに描くのか、に注力して欲しい。その先に広がる地平にこそ、我々は感動するのだから。それにしても、「パパの少年時代=30年前」が衝撃的。アレはちょっと、時代さかのぼり過ぎでは…。[映画館(邦画)] 5点(2012-04-01 08:47:09)(良:2票)

2068.  アラバマ物語 まずは描かれる子供の世界。実にユーモラスに、実に活き活きと描かれており、この点だけをもってしても稀有の作品だと私は勝手に思い込んでいるのですけれども。この「子供の世界」が見事に描かれることによって、グレゴリー・ペック演じる父親、その存在は我々にとっての父親ともなる訳で。完璧な人間ではないかも知れないけれど、カッコいいのが父親。家族っていいよね、そういう映画。家の外には、危険もあれば(狂犬病の犬とか)、怪しさもあり(ブーとか)、そして不正義もある(人種差別とか)。父親の力をもってしても、どうにかなることもあればどうにもならないこともある。しかしそんなときこそ家族の絆……といいたいところだけど、時には隣人に、見知らぬ人に助けられることもある。そうして子供の世界は、家から社会へと少しずつ広がっていく。そういう映画。[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-03-26 22:50:32)

2069.  ヤングガン2 第1作は「続編作るのでよろしくネ」という作品でしたが(?)、この第2作は「もう続編は作りません」という作品でして、回想で語られることで、少なくとも体裁に限っているならば、ひとつの作品としての完結感があります。だからといってそれが良いとも悪いとも限りませんが。何しろ、基本的には「前作の後日譚として何とかもう一本、作れませんかねえ」という路線、体裁は完結していても中身は前作のお釣り、何を描きたいのやら、いささか散漫。しかししかし、だからと言ってそれが良いとも悪いとも。全体を通した緊張感には欠けても、それを補うように、場面場面に工夫が凝らされて印象的に描かれていること、この点では前作を超えているでしょう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-25 08:17:13)

2070.  モロッコ 《ネタバレ》 トーキー作品ですが、サイレント映画の香りがありますね。ときにセリフが抑えられ、そういうシーンでは「仕草」が生きてくる。仕草が生きるから、敢えてそれを断ちきる「カット割り」が生きてくる。移動を表現するカット割り。カット割りが生きてくれば、敢えてそれを断ちきらない「移動カメラ」も生きてくる。さてこの映画、「ロマンス」の映画、なんですかねえ。ワタシにはどうしても、「瘦せガマン」の映画、に見えて仕方がない。あのヘンな指のポーズ、お寒いと言えばお寒いですが(笑)、あのキザさも、瘦せガマンの裏返しに思えてしまう。男と女の瘦せガマン。2人の間には常に意地の張り合いみたいなものがあって、何となくすれ違ってしまう。「ラストシーンの素晴らしい映画と言えば、戦前では『モロッコ』、戦後では『第三の男』」などと紹介されているのを目にしたことがありますが、そのラストシーン。二人がいよいよ結ばれました、という終わり方じゃない。男の後を、女がトボトボと追う。砂漠を、無謀な軽装で、本当に追い続けることができるのかも判らないまま。これぞまさに、“瘦せガマン中の瘦せガマン”というべきラストシーンじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-24 01:51:18)(良:1票)

2071.  80デイズ パスパルトゥー役がジャッキー・チェン、ってだけでもう合格。すばらしい発想の飛躍。惜しむらくは、もう少し若い頃であったら・・・。なんでパスパルトゥーが中国人なんだよ、ヴェルヌの原作と全然違うだろ、と言われましてもですね、私からすりゃ、カンティンフラスのパスパルトゥーの方がよっぽど違和感ありまくりなんですけどね、あはは。そりゃま、あの原作の面白さ、特に大詰めの大西洋横断あたりからの盛り上がりもまた、本作には無いかも知れませんけれど(ヴェルヌの『80日間世界一周』と『気球に乗って五週間』は、どちらも本当に興奮します。ってどちらも同じような内容ですが。笑)。あるいは、飄々としたフォッグ氏と陽気なパスパルトゥー、という絶妙コンビぶりも本作には無いかも知れませんが。しかし、この作品でジャッキーは、ひたすらジャッキー節を貫いている、それが本当に素晴らしい。これはジャッキーの映画。本作のカメオな部分なんて、作品の魅力の中ではお釣りみたいなもの(と言いつつ、サモ・ハンが出てきた時にはちょっとホロリと来ましたが)。とにかくぶっ飛んだ内容、メチャクチャな展開で、ツジツマ合わせ的な説明も無く、ただジャッキーが暴れまわる。なぜ逃走した3人はマンホールから現れるのか。そんなことはどうでもよろしい。なぜ自由の女神の顔がそこにあるのか。そんなの、単に女神の鼻から足が出る場面を撮りたかったからに決まってます。全編、そんな感じ。いやホント、すがすがしいですよ。痛快、痛快。ちなみにウチの幼稚園の娘は、「このヒト、なんかジャッキー・チェンに似てる」とか言いつつ(正解です)、木製の腰掛で戦うシーンに随分喜んでましたが、これは『ヤング・マスター/師弟出馬』(のユン・ピョウ)を憶えていたかららしい。と言う訳でこれは、親子で楽しめる映画なのです(強引に断言)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-17 22:33:24)(良:1票)

2072.  ボー・ジェスト(1939) 砂漠の要塞に辿り着いた援軍が見たものは、立ったまま息絶えた傭兵たちの奇妙な姿。しかも要塞に最初に乗り込んだラッパ手は、忽然と消え去ってしまう。死体が握っていた告白状の意味するものは? やがて要塞は謎の炎に包まれる・・・。という、ツカミはOKにも程がある、というくらい実に魅力的な冒頭。映画はここから15年前に遡り、ある3兄弟の運命を描きながらミステリーを解き明かしていきます。のみならず、後半において繰り広げられる戦闘シーンの末に、映画が冒頭シーンの謎へと回帰してゆくとき、そこには彼らの過去が投影されていたことが明らかになる、その物語運びの上手さ。その後の展開はいささか性急な感じもしてしまうのですが・・・。本作の多くの場面において、奥行きがよく表現されている中、反逆に加わらなかった3人を描写する場面では3人のみにフォーカスを合わせて周囲から浮いた感じを出しているのが、素朴な手法かも知れないけれど、効果的で印象に残りました。 と言う訳で、この映画、面白いのだ! アイ・プロミス・ユー!![CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-17 18:30:50)

2073.  リーサル・ウェポン3 もはやこの第3作のリッグスには、第1作の狂気も、第2作の復讐心も無く、ひたすら相方とじゃれあうばかり、すべてが“なあなあ”。なもんで、すっかりトボけた作品になっております。第2作にて『オーメン』ばりの暴力描写をやってしまって、もうやることないよね、と(じゃあ第3作なんか作らなきゃいいんだけど、大人の事情もあるので)、まあ、とにかくパッとしない。ただ、破壊シーンは破壊シーンで派手にやるとしても、肉体アクションへの嗜好も垣間見えて(高速道路からの落下シーンなんか、ちょっとジャッキー・チェンっぽい)、この流れが第4作に繋がるのかな、と。内容的にも、当然ながら捜査らしきことをやる気は全く無し、事件自体がしょーもなくて、この程度の事件に2時間もかけるかね。ま、全てはアクションシーンを描くためのストーリーですから、有って無きがごとし、ある意味、とっても洗練されている訳です。洗練され過ぎ・・・。あと、ダニー・グローヴァーへ一言。ソルジェニーツィンも『イワン・デニーソヴィチの一日』で書いてる通り、10年は3650日ではありません。うるう年があるからね、へへへ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-16 19:28:37)

2074.  ゾンビランド 《ネタバレ》 コメディタッチとは言え、『ショーン・オブ・ザ・デッド』みたいなヌルい作品とは違って、結構しっかりしたゾンビ映画。ただ、ゾンビに立ち向かう人間どもの方が、妙な人たちばかりなもんで、独特のオモシロさが生まれます。深刻ぶらないところがイイですね、そもそもゾンビ映画なんてものは、「ゾンビのいる日常」を描く映画なんですから(本作のラストも、そういう「日常」へと帰っていく)。時々カメラが引いて客観的になる瞬間の冷静さ、つい笑っちゃいます。しかし素朴に楽しんでいると裏をかかれる。主人公が姉妹と出会って早々、「妹がゾンビに噛まれたらしい」なーんてセリフが入ると、「つまんないな、こんな説明ゼリフ入れたら『姉の方は噛まれてないのでゾンビ化する心配なし』と保証するようなもの、サスペンス半減やんか」とつい思っちゃうところだけど、その直後、そんな感想を見透かすかのようにドンデン返しが待っている訳で。心憎い。で、クライマックスは遊園地を舞台にゾンビとの賑やかな死闘、こりゃもうお祭りですね。そういや昔(高校生の頃)、深夜放送で、遊園地でゾンビと戦う映画(多分イタリア映画)を観たけど、あれはなんていう作品だっけか。あれはヒドかった。でもあれもやっぱり楽しかった。[DVD(字幕)] 8点(2012-03-14 23:52:09)(良:1票)

2075.  バベル 《ネタバレ》 このオハナシは要するに、「ツタンカーメンの呪い」とか「ホープダイヤモンドの呪い」とかの一種ですね。名付けて「ライフル銃の呪い」。とあるライフル銃に関わった者たちは皆不幸に襲われる。ライフル銃の元の持ち主である日本人は、妻が自殺し、娘は色情魔に!――ライフル銃の次の持ち主であるモロッコの男性は、お巡りさんにヒドイ目に合わされ!(自業自得ですが) ――さらにその次の持ち主である少年は、所構わずライフルを乱射(?)、偶然通りがかったバスに乗っていたアメリカ人女性が撃たれる! しかもその後、銃撃戦の末に少年の兄の命が奪われ! ――さらには何と、ライフルで撃たれたアメリカ人夫婦の子供まで、メキシコ国境で何だかややこしいことに! ………と言う訳で、「呪い」なんぞと呼ばれているものが、およそコジツケばかりであることが、よくわかりますね。   あ、「呪い」がテーマの映画ではなかったんですか。  それにしても、この映画、あまりパッとしない。舞台がモロッコ、日本、メキシコと、要するに「辺境」ばかり(日本の描かれ方は、確かに都会は登場するけれども、好奇の視点でヘンテコワールドとして描かれた、明らかな「辺境」の扱い)。そりゃ複数の「辺境」を混ぜこぜに描いて、ホレ互いに通じ合わない世界だ、まさにバベルだ、と言われても、そりゃそうでしょ、としか言いようがない。バラバラなものをバラバラに描いても、ねえ(せめて「呪い」ででもいいから、繋がってりゃ)。モロッコの少年は兄を失ったが、撃った女性は九死に一生を得て、彼は殺人者の汚名を着ることからは守られた、ってか。いささか安直な“救い”ではないかな(中盤の大騒ぎに比べて)。はたまた、日本の女子高生(って言っても、バレーボールのシーンはママさんバレーにしか見えなかったが)は、男性(特に年上の)に色目使いまくりだったが、実際に彼女が求めていたのは「異性」としての男性ではなく、「父」としての男性であったのだ、最後は父に守られ、あわやというところで彼女の純潔は守られたのだ、ってか。どうでもいいやんか、そんなの(それに実際、若い男からは自分で逃げてるしね。デスパレートなように見せて、ちゃんと自分で自分を守ってる。あと、メキシコのエピソードも、最後は平凡なところに落ち着くし。この映画、社会問題みたいなことも色々取り上げているのに、何だか“安全弁”が多すぎませんか?[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-13 16:57:05)

2076.  三銃士(1993) あの行きあたりばったりで思いつくまま書き散らしたような原作(それでも話が収まるからスゴイ)、もちろんそのまま映画化もできない訳ですが、原作をある程度下敷きにしつつも、活劇中心にうまくまとめています。まあ要するに危機また危機、アクションまたアクションで、子供も結構楽しんで観てました。死人続出の映画ではありますけれど。眼帯男にハゲ大男など、ワルモノのキャラ立ち具合も良いし、危機にはきっと仲間が助けにくる安心感も良い。という、ファミリー向けに楽しめる作品です。三銃士を演じるは80年代若手スターのチャーリーにキーファー。ん? もうひとりは、アンタ誰?[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-11 09:57:15)(笑:1票)

2077.  ザ・メキシカン どうでもいい拳銃を巡るどうでもいい争奪戦がウダウダと続く、どうでもいいストーリーなんですが、内容の「どうでもよさ」に伴う浮遊感の中で、小ネタ的な演出上のアイデア、「見せ方」を楽しむ作品なのかな、と。それを楽しまねばならぬ作品なのかな、と。確かに笑える部分もあるんだけど・・・。最初の方で、バルコニーのジュリア・ロバーツと地上のブラッド・ピットが会話するシーンですでにイヤな予感。「ひとり演技」のカットを繋ぎ合わせて、離れた二人の会話を構成するのだけど、なにせスター2人の「ひとり演技」だからやたらと張り切る。しかもここが見せ場とばかり、このシーンが妙に長い。だもんでクドい。結局、この最初に感じたクドさが、この後もずっと続いていってしまう。最後に口直しとばかりにジーン・ハックマンが出てきて、「映画も終わろうかという今さらになって大物のオレ様が出てきたから、驚いただろ」みたいな顔をされてもなあ。所詮は小ネタなんですよね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-10 17:30:50)

2078.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 まさか、織田裕二主演のフジテレビ映画でこんな感動するとは思わなんだ。いや実際私も、大抵の方と同じ感想、「うわー往年の名レスラー同士のプロレスみたいな“夢の(笑)”キャスティングやなー」とか、「織田裕二の喋り方、だんだん山本高広に似てきたな」とか、「佐藤浩市が出てくると、“どーせアナタが犯人なんでしょ”とツッコミたくなるね、冗談だけど」(←冗談で済まなかった)とか、思いつつ見てたんですけどね。結局、感動しちゃいました。クライマックスの、織田裕二と佐藤浩市が対峙する場面がとにかくシビレちゃったんですが、黒田が、少女の母から犯人に向けた「死なないで」というメッセージを伝えるシーン。この場面って、ベタな映画だったら、“伝言”じゃなくって、黒田と一緒に駆け付けた少女の母が直接、叫んじゃったりするのでは。映画冒頭、まるで不仲の夫婦のように無言でエレベーターに乗り込む二人、意思が通いあわないにも関わらず行動を共にしなければならない二人が、一連の事件を通じ、ついに気持ちを通い合わせた途端、離れ離れになり別行動となる。その最後に、交わし合う視線。結ばれた信頼によってこそ、これまでの迷いはすべてふっきれて、二人は決然と行動する、そしてその一方、信頼すべきパートナーを失ったことで復讐に走り犯罪に手を染めた犯人が、最後に見せる迷い。クライマックスの緊迫感の中、妙に寒がってみせる現地警部のいい味など、脇役陣も忘れがたい面々で、何かと嬉しい驚きのある映画でした。[地上波(邦画)] 8点(2012-03-04 17:55:35)(良:1票)

2079.  戦場にかける橋 早川雪洲が、まさにそのまんま、いわゆるセッシュー台に乗って演説をぶっております。ってのはどうでもいいですが、私もその昔、初めて本作を観た時には雪洲演じる斎藤大佐の不甲斐なさばかりが印象に残って。というより日本軍は二流、英国軍は一流みたいな描き方が鼻について。しかしそう感じたのも遠い昔、その後何度か観ていると、作品の印象も変わってくるもの。この映画でやり玉に挙がっているのはむしろニコルスン大佐。彼は徹底した勝者として描かれている。完璧な軍人、ほとんど非人間的とも言えるほど。それに比べりゃ斎藤さんなんて、意地を張って見せても、弱さの面を充分に持っていて、非常に人間的な存在ですよね。ニコルスンはひたすら信条を貫く。部下からの信頼も厚いが、あくまで信条第一であり、部下への思いやりが如何ほどのものなのかはわからない。彼がいなければ英国軍捕虜は規律が乱れ、彼がいれば見事な働きを見せる。しかしその背景にあるのは「軍人には規律が必要」という彼個人の信条であり、「英国軍の力を見せつけたい」という彼個人の欲求であり、そのためには、一般兵はおろか、将校も傷病兵も過酷な労役に動員する。ニコルスンの言動には紳士的な面もあるけど、ことあるごとに斎藤大佐なイヤミな発言をぶつけるあたりは、到底褒められたものではありません。彼は紳士である以前に、ひたすら「勝者」なんですよね。この映画、前半の「意地の張り合い」がじっくり描かれる割に、後半、本格化する橋の建設の苦労が充分描かれないのが、不満ではあるのですが、またこの苦労をあまりこの段階で描きにくかったのかも。何しろ、橋が完成するまではニコルスンは完璧なヒーローでなければならないのだから。労役の過酷さは、連なる捕虜たちの墓でのみ暗示されている。そしていよいよ橋の完成。気が緩んだニコルスンは棒を川に落とす。彼が「敗者」へと転落する予告。彼が英国の名誉のために完成させるべきと判断した橋を、英国軍は破壊すべきと判断した、それは彼の軍人としてのアイデンティティの崩壊を意味する訳で。結局、壮大なカタストロフィとともに、表舞台の人間たちはすべてが敗者となり、傍らでそれを目撃した者は。それをただ、狂気としか表現できない。それは戦争の狂気なのか、個人の狂気なのか。観るたびに、作品の印象が前者から後者へとウェイトが移っていき、ため息も大きくなっていく次第。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-04 17:08:33)

2080.  痴漢ドワーフ とあるオバチャンとその息子が、女性を誘拐してきてヤク漬けにし、売春宿を営んでいましたとさ、というオハナシ。と、まあそれだけなら、何と言うこともないんですが(?)、この作品がカルト化しているのはヒトエに、息子役を演じているのが、ミゼットな俳優さんだから、でして。身体的なハンディキャップを見世物にする、それもグロテスクなものとして描く。「うわーこれって、“何とかコード”に、モロにひっかかっているよね」と、白々しく驚いてみせながらついつい盛り上がっちゃう悲しさよ。言ってみりゃコレ、差別用語を思い切って叫んでみるときの罪悪感と快感に通じるものがあるのですな。しかし某レンタル店のDVDには、ジャンルが“モンスター”と書かれていて、うわー、ツ○ヤもなかなかのチャレンジャーだなあ、と(ちなみに結構な確率で貸し出し中、なかなか借りられませんでした)。正確なジャンルは“洋ピン”です。ほとんどリアリティの無い投げやりな作品ですが、エロシーンだけは妙にリアルです(そういう作品ですから)。『悪魔のしたたり』とセットでどうぞ。[DVD(字幕)] 4点(2012-02-29 22:52:38)(良:1票)

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