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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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2121.  刑事コロンボ/構想の死角<TVM> これはもう、若き日のスピルバーグの野心、というものを味わえばそれだけでも十分に楽しめちゃう作品でして。ビルの窓から見降ろす光景から室内の光景へ、という、めまいがするような冒頭シーンから、気分はもうヒッチコック。細かくカットを割ってみたり、長廻しやってみたり、人物配置にこだわってみたり。いっそ本作を観るにあたっては、ストーリーを気にせず、犯人が誰かも気にせず(これは明白なので気にする必要は無いけど)、カット割りとか、背景の窓外の光景とかを見ているだけでも、愉しかったりしちゃいます(時間や予算がもっとあれば、照明技術なんかももっと良くなったのでしょうが)。では内容に関してはつまらないのか(私はどうもこのシリーズが苦手なのです)、というと、いや、本作、ミステリとしてもなかなか面白い。脚本にも恵まれたんじゃないですかね。連続殺人モノで、しかもその二重殺人がちょっとシャレたラストに効いてる、というのが心憎い。犯人は例によって脇が甘く、犯行は発覚するべくして発覚したという印象はありますが(まあ短い作品ですし)、トボけた味わいのコロンボが(室内でもコートを脱がず、コート着たまま料理なんぞしてる)、チクチクと犯人の痛いところを突きつつ、最後に猛然と犯人を名指しし対決していく過程、実にスリリングな仕上がりで、「もしかしてコロンボシリーズって、本当は面白いのか?」とか、つい思っちゃうところでした(いや、実際、面白いのかも知れませんが・・・苦手なもんで)。[地上波(吹替)] 8点(2011-12-06 23:12:43)

2122.  紳士協定 ユダヤ人差別を告発するために主人公の作家さんが、しばしユダヤ人としての生活を送ってみる、というオハナシ。当時としてはこのテーマを取り上げたのは画期的だった、と言われればそうなのかも知れないし、またこれが当時の限界だった、と言われればそうなのかも知れないけれど。でもやっぱり「浅すぎる」よね。時代の切り込み隊長を買って出るなら、それこそ“肉を斬らせて骨を断つ”というような、相応の覚悟が必要なのでは。「根深い問題でもありますし、まあこの程度から始めてみましょう」的なヌルさが、完全に作品をスポイルしているように思え、豪華で手の込んだ映画の作りが、かえって虚しくもあり。要するにオスカーを獲っちゃう程度の「手加減」が本作の泣き所。コメディとして笑いの中に風刺を効かせるでも無し、生真面目な作りの一方で、冒頭から「パパ、再婚しないの?」なんぞと、通り一遍の恋愛モノを予告してみたり。肝心の差別問題については、映画の中で映画的に描写されることも殆ど無く、軽いイジメラレ体験を息子に語らせてみるあたりが関の山。んなコトばっかりやってるから、後で(不本意であったとは言え)赤狩りにも加担するんでしょうが、と言いたくもなる。石をぶつけられる覚悟が無ければ、時代に楔を打つことはできない。この作品の存在自体が、“紳士協定”の上に乗っかっているような感じがして仕方が無い。無論、かく言う私こそ、そんな大それた勇気など持ちあわてはいないが、その勇気の無さをしっかり自覚して生きていきたいとは思っている。[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-12-04 10:16:54)

2123.  オールウェイズ この映画に出てくるオードリー・ヘップバーンは、役名こそあれど、限り無く「本人役」に近いニュアンスでの登場(『ベルリン・天使の詩』でのピーター・フォークみたいな感じがする)。そしてまるで、「私はこんなオバチャンになっちゃったのよ」「いつまでもアイドルじゃないのよ」「みんな、もう私の事は忘れてもらっていいのよ」と言ってる気がする。だからと言って忘れられるものじゃないよね、とスピルバーグが言ってる気がする。本作の主人公ピートも、中盤で死んでしまい、やがては忘れられていく存在。ファンタジー映画らしく、幽霊として現実世界に何かと干渉しているようでいて、実際にはこれと言って何もしていない、ただの傍観者。別に傍観したくてしてる訳じゃないけど、傍観せざるを得ない、死者なのだから。一方の生き残った者たちは、彼らは彼らでピートのことをなかなか忘れられない。しかし生者が死者にいつまでも捉われている訳にもいかない。で、最後に死者と生者は一瞬、交錯し、永遠の別れを告げる。しかしその一瞬とは、永遠の一瞬でもある。これは、忘れられていく人々、であると同時に、決して忘れ去られることの無い人々、の物語。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-27 00:49:02)(良:3票)

2124.  クラッシュ(1996) 主人公の夫婦は冒頭からいきなり、他の相手とエッチをしている。互いにそのことは了承済みであり、「浮気」ではない。性の自由化? いや、それどころか“不自由”にしか見えない。性というものに支配された存在、それが人間。つくづくカワイソーな存在であるように思えてくる。「性」を通して解放されようって思想があるけど、そんなもん思想と呼べるのか? むしろ「性」から解放されない限り、自由ってのも無い、のが本当のところで、人間、「性」を含めたあらゆる不自由を抱えつつ、いや不自由に支配されつつ、生きるしか無いのよ。「性」とは結局のところ、自己否定、自己破壊。そりゃま、他人がヤッてるコトに関しては何ともウラヤマしかったりするけど、いざ自分の行為として捉えるならば、空虚感しか残さぬ不毛な行為、ということになる(これってヒガミ過ぎですかね~)。これはまるで、この映画で描かれている、「有名人の起こした交通事故に憧れていながら、実際に自分が交通事故に遭遇すると、そこには気まずさしかない」というのにも繋がる。さらに不条理に感じるのは、窓から眺めるとそこには無数のクルマが、衝突事故も起こさず淡々と走り続けていることなのだ。他人が「性」とどう折り合いをつけているのかは本当にワカランもの。自分はあくまで自分として、その気まずさと向き合うしかない。というラストであるように思えました、ハイ。[DVD(字幕)] 7点(2011-11-23 08:29:50)

2125.  13/ザメッティ 集められた13人がグルリ輪になって、各々の前の人間に向け引き金を引くロシアン・ルーレット。観客は誰が勝ち残るか賭けに興じる。って、このゲーム、実際にやったとして、傍で見ててそんなにオモシロいですかね~。私にはわからん。しかし映画は面白い。この映画の凄さは、映像そのものというより、映像の積み重ねにありますね。ワンシーンごとに切り離して単独で見てしまえば、別に目を覆うような残酷さがある訳でもなく、なんということもない光景であったりするのですが、映画として、ショットの積み重ねとしてそのシーンが存在することにより、強烈な意味を放つことになります。例えば「主人公が車窓の外を眺めている」という平凡な光景。この光景が映画の始めに置かれた時と、ラストに置かれた時で、全く違う意味を持つ、ということ。[DVD(字幕)] 9点(2011-11-20 12:02:20)(良:1票)

2126.  九龍の眼/クーロンズ・アイ 正直、チグハグな印象のある作品ではあるのですが・・・爆弾犯との闘いに焦点を合わせればよいものを、前作を引きずって変な小競り合いを盛り込んだもんで冗長な作品になっちゃったし、クライマックスの闘いも相手が少なく前作ほどのインパクトが無い・・・だもんで本作があまり好きではなかった頃もあるのですが。でもコレ、悪くないよね、と最近は思ってます。前作ほど気合いマンマンという感じじゃなくて、散漫になろうがツジツマあわなかろうが、やりたいアクションをやりたいように演じてみせる。なんだか映画作りを楽しんでるなあ、という作品で、好きになってきましたよ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-20 11:17:22)

2127.  ビッグ・ガン 《ネタバレ》 仏・伊合作、となってますが、開始早々から雰囲気はイタリア映画そのもの(舞台がイタリアだというだけではなく)。アラン・ドロン演じる主人公のヒットマン、引退を決意したところ組織に命を狙われ、誤って妻子が殺されてしまう。と言う訳で、復讐に立ち上がる男と、彼の命を狙う組織との終わりなき闘争が描かれるのですが、カーチェイスといい、残酷描写といい(リンチの場面や、列車での射殺シーン)、やっぱりイタリア作品っぽいなあ、と。悪役がたくさん出てきて、とりあえず皆いかにも悪そうなのが良い。主人公も、組織との闘いをどこか淡々とこなす。悪役どもがいてこそ、主人公がいる。復讐を果たすこと、いや組織から狙われることそのものが主人公の生きがい、生き様。ラスト、その生きがいが無くなった時こそが、主人公の死ぬべき時。首尾一貫ぶりが素晴らしいと思います、ハイ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-20 08:53:06)

2128.  突破口! 「ウォルター・マッソー=由利徹」説ってのが常に根強くある訳ですが(ホンマかいな)、本作の二枚目ぶりはなかなかのもの。見ようによってはピアース・ブロスナンあたりを彷彿とさせたり(ブロスナンよりは深みがある。ブロスナンの魅力はあの浅さにある)。まず冒頭、緊迫感あふれる銀行強盗シーン、そしてこれに続くド肝を抜くカーアクション。しかも奪った大金は、実はマフィアの隠し資金だったもんだから、さあ大変。逃亡を図る主人公と、迫りくる追手の姿を、長廻しなどを効果的に用いながら、練りに練ったカットで(とは言えおそらくは偶発的な事象も織り込みながら)描き、派手さと渋さを兼ね備えた見事なアクション映画となっています。妻を失いながらも冷静に事態を受け止め、策を練る主人公。仲間が死んでも「うまくいったぜ」と言うばかりの、頼りにならずむしろややアブナイ相棒。ただ事態を楽しんでいるだけのような刺客。彼らの持つ「温度差」が、本作の“駆動力”となっていて、オモシロイところでもあります。[DVD(字幕)] 9点(2011-11-19 11:11:42)

2129.  トブルク戦線 砂漠を横断し、トブルクの燃料基地破壊を目指す特殊部隊の活躍。という、“冒険アクション映画”の要素が強い戦争映画で、荒唐無稽なところもあり(敵に同士討ちさせたり)、娯楽作品としてなかなか楽しませてくれます。ただ、この「楽しませ方」ってのが、とりあえず印象的なキャラをちりばめておいて、ここぞという場面ではそのキャラたちに惜しげも無く死んで行っていただくという趣向。「準主役は、死んで映画を盛り上げる」というのは、よくあるパターンではありますが、一本の映画の中であまりコレを連発するのも興醒めとなる原因ですので、ご注意。あと、ドイツ軍になりすます、ってのが姑息中の姑息で、馴染めない点でもあります。こんな姑息な作戦なら、途中、裏切り者が出ても、「そりゃしゃーないわな」という気分になっちゃう(しかも意外に盛り上がらず不発だったりする)。とは言え、戦闘シーンのダイナミックさは折り紙つき。ミニチュア撮影のシーンも含め、大迫力。そう、戦闘シーンが充実してりゃ、やっぱりとりあえずは楽しめちゃうもんです。[DVD(字幕)] 7点(2011-11-19 01:51:28)

2130.  怒りの葡萄 新天地カリフォルニアを目指し、ポンコツトラックに乗り込む一家の姿。その苦難の姿をただ卑屈に描くのではなく、むしろ一家をはじめとする登場人物たち各々が、活き活きと描かれ、また数々の印象的なエピソードが積み重ねられていくことによって、多層的なドラマが展開されます。見事と言う他ありません。舞台は大恐慌の時代、むかしむかしのオハナシな訳ですが、活き活きとした描写が古さを感じさせない・・・のみならず、むしろ今この時代に繋がる点が多々ありそうなのが、コワかったりもします。ある人たちは言う、太平洋戦争が勃発したのは、日本が戦争を起こすように仕向けられたからだ、と。この映画で描かれているアメリカの姿を見ていると、「そりゃそうだろ、そうせざるを得んだろ」という気がしてきます。どの国も苦しく、どの国も外へと活路を見出すしかなかった時代。国が矛盾を抱え、国民が飢え、国内に危機が巻き起こったならば、もはや「外敵」を設定するしかない。・・・で、現代、今。まさに、そういう時代、ですよね???  この映画のヒューマニズムこそ、今もっとも必要とされているものではないか、と。[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-11-17 00:13:29)

2131.  アナコンダ2 《ネタバレ》 先日の金曜ロードショーでの放送で、それなりの高視聴率を上げてしまうのが不思議と言えば不思議だけど、どうもこのテの映画、関東地区より関西地区の方が視聴率が高いらしい、と言えば、何となく納得してしまう。理由は無いけど。で、この第2作目とやら。第1作と同様(とは言っても内容的には何ら関連性が無いが)、ヘビの扱いが非常に悪い。何かにつけ無視されがち。いやこの第2作ではそれなりにヘビとの戦いが内容のメインにはなっているけれど、登場人物たち、密林の中でいつ背後から襲われるか、などと心配している気配が無い。要するに、台本に「今はヘビが襲ってくるシーンではありません」と書いてあるかのごとく(そりゃ書いてるだろうが)、気を抜きまくって、ジャングルの不気味さみたいなものはさっぱり感じられない。実際、密林と呼ぶには妙に明るいし。と言う訳で、ヘビの扱いは悪いし、人間どももちゃんと演技をしない。しっかり活躍しているのはサルだけで、こちらは見事なカット繋ぎを見せたりする。演出側もサルにだけは敬意を払っているらしく、ここぞという場面では必ずサルの表情を挿入。いやホント、サルだけは素晴らしいです、ハイ。あとこの映画、ラストのヘビ退治の方法は、これはなかなか斬新じゃないでしょうか、土砂に埋めて退治するなんて。ヘビなんだからきっと、埋められても出てくるような気がするけど・・・。[地上波(吹替)] 6点(2011-11-16 22:20:51)(笑:1票)

2132.  裸の島(1960) 《ネタバレ》 こういう映画が当時外国で評価されてしまったというのは、要するにこれが極東のナントカいう国の“真実”の姿だと思われちゃったのかな、と。映画の中で描かれる「貧しさ」というものは、とかく意味を持って受け止められやすい。ホントはこんな夫婦いないんですけどね、とか言いながら上映しても同じくらいの評価を受けたのかな、と。我々も馴染みの薄い国の映画を観る時には、何でもかんでも真に受け過ぎぬように気をつけましょう。むしろこの映画、今の目で見ると、「この生活、何年やってるんだろう。奥さんまだまだ華奢だけど」とか思っちゃうのだけどダメですかねえ。きっとこの二人、ホントの夫婦じゃなくて、男は妻子持ち、女は元OLで、不倫関係、都会から逃げてきてこの島でひっそり慣れない生活をしているんだろう、とか想像しちゃダメですかねえ。罪滅ぼしに孤児二人を引き取って暮らすも後悔の日々、今や食事中も会話が無い(=やっぱりセリフ無しで家族を描く、という手法自体に無理があるんだよ)。重い水の桶を運ぶ妻。観てて「コケるなよコケるなよ」と念じてしまうのは、ひとつには大変な作業であることがヒシヒシと感じられるから。またひとつには「ここで水をひっくり返すなんて演出、はっきり言ってベタだよね」と思っちゃうから。念じた甲斐もなく、水をひっくり返してしまい、駆け寄る夫に大して今度は、「暴力だけはふるうなよ」と念じるのだけど、理由はふたつ、上に書いたのと同じです、ハイ。で、念じた甲斐もなく、あーあビンタしちゃったよ。この生活何年やってて、どのくらいの頻度でこういう事件が起こるのか。起こるべくして起きた失敗だと思うのだけど、いちいち立腹して、いちいちビンタするのか。ベタな演出で描かれる「部分」は、なかなか「全体」へと繋がらないもんです。麦をまく⇒麦踏みをする⇒収穫、という一直線の描写も安直で、多層性を欠き、かえってこの島の暮らし全体が見えない。ホントの生活ってのはそんな因果関係の明確なもんじゃなくて、いろいろ仕込んで、いろいろ苦労があって、それらを乗り切った先にようやくささやかな幸せがある、そういうもんじゃないですかねえ。とか思っちゃうんですけど。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-13 14:56:44)(良:1票)

2133.  仇討(1964) 仇討の果し合いが行われようとしている冒頭。その順位が着々と準備が進められるシーンから、時間を巻き戻し、そもそもの事件の発端が描かれる。そして、時間軸を自由に行き交いながら、事件がさらに次の対決を生み、そして冒頭で示されていた果し合いの全貌がいよいよ明らかになったとき、退っ引きならぬ立場に追い込まれた主人公の焦燥感が、痛いほど我々の心を突き刺す。震えが来るほどのクライマックス。凄まじい、とは、まさにこの事。[CS・衛星(邦画)] 10点(2011-11-08 23:37:56)

2134.  運動靴と赤い金魚 《ネタバレ》 やっぱり点数高いですよね、高くなりますよね、いわゆる「心温まる映画」、誰もに好かれる映画ですよね。しかし、この映画のとっつきやすさの理由として、“(我々とは別世界であるところの)リアルな貧しさ”というものがあるのなら、これは考えもの。主人公の少年が、①実際に貧しい家庭の素人役者である ②実は親父が石油王であり金で主演をもぎ取った のどちらかによっても、映画の評価や人気が微妙に影響されかねない(実際は残念なことに①らしいですが)。あと、「素晴らしいイラン映画でした。日本映画も見習うべき」などと言いきれないのは、「イランではこういう無難なテーマの映画でないとなかなか撮りにくい」ということだったりするし。あと、内容的にも、●主人公の少年を「何ら落ち度がない、とっても良い子」として描くだけなのは、いささか素朴過ぎるのではないか? ●遅刻しないように毎日走ってたら誰にも負けないくらい足が速くなりました。ってそんな強引な。それじゃ妹ちゃんも相当速くなってるのかね。●少年の1位を喜ぶ大人と、3位ではなかったことを悲しむ少年との、ギャップ。金魚たちだけが、少年を理解してくれている。しかしその一方で、少年のもうひとつの功績である、親父との新商売の開拓が実を結んで、実は親父さんが靴を買ってくれていたのでした。1位はとるし、靴はゲットするし、めでたしめでたし。って、そんな贅沢なオチでいいのか?  等々、皆さんもっとツッコんでくださいよ。いや、私はツッコミたくないんです、この映画好きですから(笑)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-11-08 23:17:25)(良:1票)

2135.  ダークナイト(2008) 2時間半も要らんだろう、と思いつつ、また実際要らんのだけど、とは言え飽きさせないようにアクションシーンを適宜入れ込んで、実際飽きさせない作品になっているのだけど。ただ、作品の意図がピンと来なかったのが、ジョーカーもトゥーフェイスも、怪人ではなく普通の人間として描いていること、いや普通の人間であることをわざわざ強調していること。ジョーカーのピエロ顔は地のものではありませんよ、単に普通のオジサンがペインティングしてるだけですよ、と言わんばかりに、白塗りが部分的にハゲたりするし。トゥーフェイスにいたっては、大怪我をした気の毒な人、にしか見えない(こういう描写をそのまま「顔の片面は悪の象徴」みたいに持っていくのは、ちょっと悪趣味が過ぎないか?)。一線を越えてしまった「怪人」として、異形の哀しみを込めて描いたティム・バートンの方が、真っ当だと思うけどなあ。どうしてこんなアプローチで、バットマン映画をまた作ろうと思ったんだろうか。そりゃまあ、悪が普通の人間に宿る、というのがテーマなのかも知らんが、それを映像にどう翻訳するか? 犯罪者とは言え生身の相手を、金に糸目をつけずハイテク三昧で追いつめようとするバットマン、普通に「卑怯」なだけだと思うぞ “富豪刑事”の爪の垢でも煎じて飲むとよい。って同類か。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-06 16:44:54)(良:2票)

2136.  友よ静かに死ね 『明日に向って撃て!』に『俺たちに明日はない』を足したような感じの作品で、私なら邦題を「俺たちに向って撃て」としてしまうところですが、このタイトルでは内容とかけ離れ過ぎ。もっとも、実際の邦題も内容に関係ないキザなタイトルでして、ギャングたちの生き様が明るい音楽に乗ってユーモラスに描かれています。ストーリーらしいストーリーを描くよりも、気ままな内容をシャレた描写で綴ってゆく映画で、途中、警官隊に囲まれてしまうあたりも『明日に~』を彷彿とさせるのですが、たぶん、上記2作をかなり意識しつつ、この2作をかわすような狙いで作品を作っているように思われます(特に冒頭からつながるラスト)。ところで、『若者のすべて』とかけまして、『友よ静かに死ね』ととく。その心は、「どちらもアラン・ドロンのパンチが拝めるでしょう」。え、この髪型、パンチパーマじゃないってか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-05 17:26:01)

2137.  ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー 《ネタバレ》 うわ~。あちゃ~。不用意なコト書くと他の映画のネタバレにもなっちゃうので書きにくいのですが・・・すでにこんな作品が作られていたとなると、例の、名前がMで始まる監督の、タイトルに数字がつくお馴染みの映画、あの映画の立場って一体・・・。これ以上詳しくは書けませんが(これで充分だってか)、いやなかなか秀逸な映画ではないでしょうか(冷汗)。冒頭、いきなりのジャンボ墜落シーン、これがなかなか気合いが入ったダイナミックなものなのですが、「墜落した」というより「離陸前に事故った」ようにしか見えないのがやや難点か。その後、物語は、オカルトテイストを交えたアヤシゲな展開へ。ここはあまり意味を求めず、アヤシゲな雰囲気を楽しみましょう。ラストには驚きの連続があなたを待っています(大げさに言えば、ですが)。 ところで、この作品のDVDの字幕、なんか変なんですが(文章も変だし、表示のタイミングもイマイチ)、中でも意味不明なのが、飛行機から回収した機器を調査するシーンでの、「高速増殖炉は?」ってな字幕。どうやら、×FBR(fast breeder reactor:高速増殖炉)⇒○FDR(flight data recorder:フライトデータレコーダー)だと思われます。私はヒアリング能力がゼロなので、翻訳を誤ったのか、それとも元々セリフ自体が誤っていたのか、不明です。すみません。[DVD(字幕)] 7点(2011-11-05 17:09:14)

2138.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 子供を誘わなかった事をとっても後悔(子供たちはカミさんと、『れっしゃナンバーワン大集合』とやらへ)。本作、これぞまさに大人から子供まで皆楽しめる映画。もちろんこれは、「子供向けの内容だけどよく出来ているので大人も楽しめる」という意味ではなく、「大人向けの内容だけどよく出来ているので子供も楽しめる」という意味。大体、まったくと言ってよいほど残酷描写を入れなかった(人が死ぬ描写自体、殆ど無い)ってのがスバラシイし、自信の表れでもあると思う。そりゃま、「主人公だけはおサルと理解し合える」ってな辺り、いささか甘いオハナシではあると思うし、例えば『リンク』なんて映画が実際のチンパンジーを使って撮影することでかえって「何を考えているかわからない」無表情の不気味さがあった事を思うと、今回のCGおサルの表情は雄弁すぎるとも思えるのだけど・・・だがしかし、これらの要素が有ればこそ、クライマックスの金門橋での攻防戦で、これが、おサルと人間、ともに死力を尽くした闘争で手に汗握るシーンとなっており、まあ平たく言えば「どっちもガンバレ」的に大いに盛り上がるのですな。全く違和感を生じさせないCG描写も、これは大したもの。CGのための映像、ではなく、人物を撮るための自然な光の中に、見事にCGを溶け込ませています。主人公の個人レベルのオハナシが、クライマックスでどんどん広がりを見せていくあたりも、70年代のパニック映画を彷彿とさせて、ホント、この映画の正々堂々の勝負ぶりには惚れ惚れしました。変にツジツマを合わせようとしてくれるな、観客のアラ探しを恐れるな、とことんパニックを盛り上げてくれ!と願いながら観てましたよ、そしてその願いを、この映画はかなえてくれましたよ。と言う訳で、ティム・バートンの例のリメイクも一種の先祖がえりの面はあったけど(原作小説に近付いたという意味で)、かつてのパニック映画へ見事に回帰して見せた本作にこそ、軍配が上がる。ま、比べるまでもないか。ティム・バートン、とんだ赤っ恥ですな。[映画館(字幕)] 9点(2011-11-05 17:07:38)(良:2票)

2139.  刑事コロンボ/パイルD-3の壁<TVM> 《ネタバレ》 ピーター・フォーク監督作品。まあ、その方面にあまり深入りしなかったのはコレを観る限り正解だったかな・・・? 犯人は例によって最初からわかっているのだけど、普通の“倒叙モノ”とは一味違う。犯行自体は我々に明らかになっておらず、むしろ犯人の策略が物語の中で密かに展開されていき、ラストでその狙いが明らかになるところがミソ。とは言え観てて大体は読めちゃうので、そういう意味ではやっぱり“倒叙モノ”の一種かもね。犯人の目論む完全犯罪は、コロンボと思考を完全に同一化することによって成立する、という非常に危険な綱渡り(コロンボが予想通りに動いてくれないと失敗してしまう)。しかし思考があまりにも完全に一致してしまったため、当然ながら犯行の狙い自体もコロンボの感知するところとなり、あっさり御用。コロンボ恒例の「見込み捜査」がこの上もなく有効に機能してしまうという、なんとも八百長クサい展開なのでした。だからコロンボって苦手なんだよなあ、との思いを新たにしてしまう(金曜ロードショーで水野さんが「さあ来週は皆さんお待ちかね、刑事コロンボの登場です」と言うたび、ガッカリしてたんだよなあ・・・)。ところで↓ラスト近く、タイヤがパンクするシーンを「意味が無い」と批判されている方がいるのを拝見して「なるほどそういう感想もあるのか」と、これはちょっとした発見でした。私はむしろこのシーンが本作で唯一(?)オモシロく感じた見せ場だったもんで(いかにも監督が楽しんで撮りそうな、サスペンス的カマシだなあ、と)。人の感じ方は千差万別ですな。[CS・衛星(吹替)] 5点(2011-10-29 16:06:15)

2140.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 舞台は北欧からアメリカの片田舎に移れど、はたまたイングマル(=弟としての存在)とギルバート(=兄としての存在)はかなり異なるキャラではあるけど、やっぱりこれは『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』の変奏曲、のように思えてくる。やや受け手の存在である主人公、彼を取り巻くいっぷう変わった人々。彼らが日々同じような奇行(?)を繰り返すことで、変化の無い日常が描かれる。しかしそこには少しずつ変化が刻まれていく。例えばハンバーガーチェーン店がやってくる、という変化だけでも、何だか愉しかったりする(変化の無い日常自体が愉しく描かれていた『マイ・ライフ~』で、変化というものが時にヤなもの、切ないものとして捉えられていたのとは趣きが異なりますが、主人公が成長過程であるか、成長していよいよ飛び立とうとしているか、の差から来るものなのかも)。で、小さいが様々なギルバートの経験が描かれていく中で、ある大きな転機が発生する。保護すべき存在であった弟アーニーを感情に任せて殴ってしまう。いやそれよりも、アーニーが独立した存在としてその感情を受け止めてしまう。そして、太り過ぎて動けない母が、息子の為とか云う理由からではなく、自らの意思で階段を上る。日常における“奇跡”って、そんなもんなのではないでしょうか。ここでふと、屋根修理オジサンがある日屋根を下りて川に入るエピソードを思い出す。大きな、極めて大きな転機の象徴。そして母の死とは、息子にとって旅立ちの時。イングマル君は“火”を制御できず不本意ながら火事を起こしてしまったが(母号泣でしたね、ははは)、ギルバートは決然と、母のため、自分たちのために、“火”を放つ。・・・と言う訳で、本来なら独立した作品をこうやってあまり(強引に)結び付けて観るべきではないのかも知れませんが、何だかグッときてしまうのです。あと、どちらの主人公も将来、尻に敷かれそうな気が。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-24 23:07:57)

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