みんなのシネマレビュー |
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2141. ムーラン・ルージュ(2001) 公開当時、自分自身ミュージカルが好きか嫌いか微妙なこともあり劇場で観るか否か非常に迷った。結果劇場では観ることがなかったわけだが、自宅の小さなテレビで観て非常に後悔した。まさに豪華絢爛、シェイクスピアの時代から受け継がれてきた娯楽性とはまさにこのことであり、今作が描くものはまさに娯楽の真髄であると思う。燦然と輝く映画世界、俳優たちの美しい演技、印象的な音楽、まさに映画、まさに総合芸術である。9点(2004-01-28 16:30:40)(良:1票) 2142. K-19 原子力潜水艦モノというのは娯楽映画として人気の高いものであるが、今作は明らかに原子力潜水艦モノではあるが、他の娯楽映画とは一線を画すテーマをもった映画である。そもそも戦争自体が紛れもない愚行なわけで、その愚行を食い止めるため愚かであろうとも身を挺して発端となりうる潜水艦事故を修復しようとする乗組員たちの行為に胸が詰まる。スターであるハリソン・フォードが物語的にはあまり活躍しない艦長を熱演していたことも効果的だったと思う。何よりもこの骨太な作品を説得力を備えた作り出した女流監督の力量に驚く。8点(2004-01-28 16:17:19) 2143. ギャングスター・ナンバー1 鑑賞前に「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェルのクレジットを見て、てっきり若きギャングスターを演じているのが彼だとばかり思い込んでしまった。冷静に考えれば、「時計じかけ~」はもう30年以上前の作品なわけで、そんなことはありえるわけがないのだが、若きギャングスターを演じたポール・ベタニーの風貌は「時計じかけ~」のアレックスそのものに見えたのは私だけだろうか。特にベタニーがステーキを食べるシーンがあるが、その口の動きはまさにアレックスのそれだった。まあとにかく、これほど似ていればギャングスターの役だけ現在と30年後の俳優が違うことも納得できるわけで…。あ、そうか、何よりも先にマルコム・マクダウェルのキャスティングが決まっていたわけか。作品自体の評としては、若きギャングスターの惨殺シーンがくどい感はあったが、全体的なセンスの良さと、老いたギャングスターの苦悩に満ちたラストシーンで巧くまとめ上げている。7点(2004-01-28 15:54:38)(良:1票) 2144. 透明人間(1992) 透明人間になってしまうことで何気ない普段の行動が困難になってしまう様がとてもユニークだった。シンプルなストーリーが映画のテイストに合い、王道的なB級娯楽が楽しめる。7点(2004-01-28 00:21:53) 2145. CQ ストーリーだけを見るなら極めて退屈だろうけど、ストーリーだけではないのが映画というものなわけで。ストーリー以外の部分でこれほど魅力に溢れた映画も珍しい。劇中映画をはじめとして全編に漂う秀逸なB級センスがまずたまらない。「オシャレ」と言えば確かにそうだろうけど、そこにはそれに留まらない芸術的なハイセンスを見ることができる。そして何といってもアンジェラ・リンドヴァルの秀麗な容姿がスバラシイ。8点(2004-01-28 00:01:21) 2146. バートン・フィンク 何とも言えないじっとりとした空気感とそれに見合ったストーリーには引き込まれたが、終盤はやや消化不良に終わってしまった。冒頭からかなり常軌を逸した映画世界が展開されていただけに、ラストではもっとメチャクチャにしてほしかったように思う。5点(2004-01-27 23:52:41) 2147. ハッシュ! 結論としては非常に良い映画だと思った。同性愛という個性は今の日本の社会ではどんな奇麗事を言っても虐げられているというのが実状だと思う。その中でその個性を特に主張するわけでなく、ただナチュラルに生きていこうとする主人公たちの苦悩に感慨深さが残る。ただ自分らしく生きていくことの難しさ、それは何も彼だけに起こり得る問題ではなく、すべての人における深遠な問題ではなかろうか。9点(2004-01-27 19:07:25) 2148. ギター弾きの恋 不器用で愚かな天才ギタリストを演じたショーン・ペンとヒロイン役のサマンサ・モートンの演技はそれぞれ秀逸という言葉がふさわしいものだったけど、映画としては盛り上がりに欠ける凡作だった。ストーリーも物足りないが、主人公の人間性にイマイチ共感できなかったことが敗因であろう。5点(2004-01-27 18:59:14) 2149. トレインスポッティング この映画がどうして日本でそこまで受け入れられ人気の高さを誇っているのか理解できない。イギリスにおいては極めて真に迫った青春群像なのかもしれないが、日本のそれとは明らかにかけ離れすぎている。よってどうしてもユアン・マクレガーに共感する部分はなく、感情移入もできなかった。この映画を観て、「最高の青春映画だ」などと言う日本人は信用できない。5点(2004-01-26 19:32:38) 2150. ジョンQ-最後の決断- この題材で主演がデンゼル・ワシントンだとどうしてもストーリーが読めてしまうことは仕方ないことだと思うが、それにしてもあまりに展開があざとかったと思う。主人公の行動は犯罪行為ではあるが、その行為に対して観客が共感するのは明らかなわけで、それならばもっと主人公に自分の行動に対する葛藤がほしかった。あれだけ作中でも彼の行動を正当化されては、リアリティに欠け逆に盛り下がる。読み読みの展開の後に用意された更にありきたりな顛末も興ざめする。4点(2004-01-26 19:23:49) 2151. キッドナッパー フランス娯楽映画特有の映像的なセンスの良さと、ノリの楽しいストーリー展開を期待したけど、どの要素もイマイチで娯楽映画として盛り上がりに欠けたことは致命的だった。3点(2004-01-26 18:40:49) 2152. キャラクター/孤独な人の肖像 卓越した映像美と演技に裏づけされた秀逸なサスペンスドラマだった。オランダ映画というものは今作しか観たことはないが、こういう秀作に巡り合うと、世界のあちこちに無数に良い映画が存在することを痛感する。まったく世界は広く、映画は果てしない。7点(2004-01-26 18:22:26) 2153. 耳に残るは君の歌声 ひとりの少女を主人公に、混迷し混沌とする社会を印象的に描く。主演のクリスティーナ・リッチの暗い世の中を見据えた眼差しがとても印象的。脇を固めるケイト・ブランシェット、ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロらの演技もそれぞれ良かった。しかしドラマティックで濃厚な大河ドラマだっただけに、もっと映画の尺を長くすればさらに濃密な映画に仕上がったはずである。7点(2004-01-26 18:17:43) 2154. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ こういう音楽性を存分に打ち出した映画はあまり得意ではないのだけれど、主人公のキャラクターとその生き方は凄まじいまでのエネルギーが伝わり、作品としても熱情に溢れたものに仕上がっている。6点(2004-01-26 18:00:36) 2155. アトランティス/失われた帝国 ディズニー映画といえばミュージカルシーンがお約束というものだが、今作ではそれが一切なく、SFアドベンチャーが徹底して展開される。映画自体の出来としては、エンターテイメント性に富んだストーリー展開を楽しめるものだったが、やはりディズニー映画らしさはなかったかもしれない。6点(2004-01-26 17:56:27) 2156. EUREKA ユリイカ 非常に尺の長い映画だったが、その長さをまったく感じさせることなく、それでいてあくまで淡々としたストーリー展開に感服した。それは雰囲気は確かに淡々としてはいるが、描かれる物語の鮮烈な濃厚さゆえであると思う。傷つき、ある意味では盲目的に回復の旅を歩んでいく登場人物たちの微妙な心情が極めて丁寧に描かれていく。役所広司の熱演、青山真治監督の秀逸な映像感覚もさることながら、注目すべきは宮崎あおいの愁う瞳の奥に輝く可能性であろう。9点(2004-01-23 20:26:41) 2157. ギャング・オブ・ニューヨーク 巨匠マーチン・スコセッシの多大な力の入れようはひしひしと感じたが、それが映画の完全な盛り上がりへとつながったかは微妙なところである。俳優陣の演技も熱演そのものの秀逸さだったと思うが、いまひとつ登場人物の心情に入れ込めない。映画世界の豪華さに圧倒される部分はあるが、冷静に観ると肝心のドラマ性に力がなかったように感じる。主要キャラ3人の人間像がいささか軽薄だったことが致命的だった。5点(2004-01-21 23:35:27) 2158. サイン 「シックス・センス」「アンブレイカブル」と類まれなるサスペンスセンスを見せ付けたM・ナイト・シャマラン監督であったが、3作目にして見事なコケっぷりを見せ付けてしまった。仰々しくプロモーションされた「衝撃」に用意された結末は目を疑うほどの肩透かしに終わってしまった。明らかにクオリティの落ちた脚本にフォローの余地はなくただただ次作に期待するばかり。2点(2004-01-18 04:35:04) 2159. スコーピオン いいかげんとも言えるノリの軽さが心地よい痛快感につながる秀作アクションだったと思う。「落ち目」というレッテルを弾き飛ばす勢いを見せたケビン・コスナーの悪役ぶりは良かった。個人的にはこのパフォーマンスを見ればケビン・コスナーはまだまだイケルと感じた。7点(2004-01-18 04:29:32) 2160. 激突!<TVM> テレビ映画だし、今のイメージのスピルバーグ監督作としてはあまりに小ぶりな映画ではるけれど、その創作工夫はやはり物凄い。巨大トレーラーがただ狂気的に追ってくるという単純なプロットをここまで緊迫感溢れるサスペンスに昇華させるあたりに、若きスピルバーグの多大な可能性を見ずにはいられない。7点(2004-01-18 04:00:33)
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