みんなのシネマレビュー |
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241. トゥルー・クライム(1999) 原作は記者ウェルズ・シリーズで有名なキース・ピーターソンがアンドリュー・クラバン名義で書いた「真夜中の死線」。原作も展開がちょっと強引なんだけど、すんごく面白い!イースト・ウッドが映画にしたがる気持ちは良く分かる。けど、自分で主人公やっちゃだめでしょ~。下司だけどバリバリのジャーナリスト役なんて、枯れてちゃって脂っ気のないイースト・ウッドじゃムリがある。近年彼が手がけたミステリー映画の原作は私も好きな作品ばかりだけど、どれも同じ過ちを犯している気がするなぁ。(【Soze】さんも言っておられるが)いい加減気付こうよー。5点(2004-01-21 14:15:20) 242. 息子のまなざし かなりしんどい映画だった。ランス・フォー・トリアーのドグマ関係の如く、ハンドカメラを使用し(終始顔のすぐ後ろにカメラがある)BGMは一切なし。誰も笑わない(表情も変えない)。殆どしゃべらない。そんな状況で犯罪の加害者と被害者である二人の関係を見る観客は「いったい次はどうするつもり?」と緊張感を強いられる。一切のムダを省いたリアルな映画だが、正直言って好きになれなかった。少なくともこの映画の宣伝文句「ぴあの満足度ランキングナンバー1」と言うのはホンマかいな?と思う。それとも私の感性がダメなのか?この映画にめちゃめちゃ感動する人もいると思う。非常に意欲的な映画だ。けど、誰が見ても楽しめる映画とは思えないなぁ。実際隣に座っていたおばさんは途中から退屈したらしく、ソワソワ動きまくって深いため息を何度もついてたし。【かんたーた】さん、先に書いちゃってスミマセン。しかも我ながらなんか歯切れの悪いレヴューっスね。6点(2004-01-21 13:05:56)(良:1票) 243. 浮草 小津が唯一宮川一夫と組んだ作品。いつもより映像がキリっとしてます。【なるせたろう】さんも言っておられる軒下のシーンなんか鳥肌立つほどキレイです。本作ではなんと言っても鴈治郎の会話のテンポが楽しい。聞いてて心地良いです。歌舞伎なんかだと世話物は特に会話のテンポを楽しむところがあるけど、その辺も小津は影響受けてるんでしょうかね。ラストも京マチ子がいじらしくてなんかホッとしちゃいます。8点(2004-01-21 12:07:39)(良:1票) 244. U2/魂の叫び 新宿「武蔵野館」で見ました。映画でしょう、間違いなく。この時のU2の勢いは凄かった。本作でのライブの迫力はまさに彼らの音楽活動の充実ぶりを現すものでしょう。私は「SILVER AND GOLD」のシーンが好きです。この映画を見た私たちU2ファンは日本公演をどれ程楽しみにしていたか。しかし実際のステージはセットも映画とは全然違うし演奏もダレダレ。ゲストで同行したB.B.キングが一番良かった位で「なめやがって!二度と行くか!」と怒りくるったス。まぁそれだけこの映画の時期が充実してて、燃え尽きちゃってたんでしょうけどね。次のツアーも懲りずに行ったら今度はマジメにやってましたから。(因みにこの時の前座がなんとミック・ジョーンズ率いるB.A.D.。客電は消えないし誰も聞いてない。クラッシュ世代としてはツラくって涙ちょちょ切れました。)7点(2004-01-21 11:50:19) 245. 遙かなる帰郷 アウシュヴィッツから生還した科学者プリーモ・レーヴィが、故郷イタリアへ戻るまでを記した実話の映画化作品。ユダヤ人強制収容所関連作品の多くが連合軍によって解放された所で終わるのに対し、本作は解放された時点から物語が始まる。ナチからは解放されたものの彼らはあっさり家に帰れたわけではないのだ。途中でソ連軍の捕虜となって強制労働させられる、裏切り、猜疑心、飢えや寒さ。そして失ってしまった人間としての魂の輝き。8か月の旅の末に故郷に帰りついた所で映画は終わる。映画全体のトーンは悲惨さを強調したものではなく非常に静か。実際のプリーモ・レーヴィはその後作家として活動したが87年に自殺した。7点(2004-01-21 10:57:28) 246. 大菩薩峠(1960) 「音無しの構え」から繰り出す邪険を操る机竜之介と彼にまつわる人々との因果応報を描いた時代劇。主演の市川雷蔵の雰囲気が「眠狂四郎」とダブるのだが、柴田錬三郎は机竜之介に対抗して「眠狂四郎」を生み出したと言う話しだからさもありなん。ストーリー的には運命に流されて行く登場人物達の複雑な絡み合いが素晴らしい。三隅研二の映像も相変わらず妖しく美しい。そしてお歯黒でテンパってる中村玉緒が恐ろしい。因みに大菩薩峠は続く「竜神の巻」「完結編」と3部作。1作目の本作は「なんでそこで終わるねん!」なので予め心の準備をされたし。8点(2004-01-20 18:05:34) 247. クラム 「チープ・スリル」(ジャニス・ジョプリン)のジャケットやアメコミの「フリッツ・ザ・キャット」で有名なアングラ漫画家ロバート・クラムを追ったドキュメンタリー。彼自身相当変人だと思うけど、その家族はもっとヤバイ。クラム氏がまともに見えるくらい変な家族なのだ。60年代のフラワームーヴメント、家族と自分自身の狂気。そこから生まれる作品との関連が非常に興味深い。因みに私はデビット・リンチ関係の映画だと思って見に行ったのだが、リンチは作品が気に入って単に名前を貸しただけらしい。8点(2004-01-20 17:21:03)(良:1票) 248. スティング/ブルー・タートルの夢 スティングの初ソロライブの模様とライブに向けてのリハーサル風景を追ったドキュメンタリー。オマー・ハキム、ダリル・ジョーンズ、ケニー・カークランド、ブランフォード・マルサリスという当時の若手一流ジャズミュージシャン達に刺激されながら新たな音楽を作り上げて行くスティングのどこか初々しい真摯な姿を見ることができる作品。但し、解散した「ポリス」と言うバンドが当時どれ程人気があり、音楽的なクオリィにおいても高い評価を受けていたかピンとこない方には、もしかして「普通に若いスティング」と感じられるかも。ライブで印象的なのはオマー・ハキムの「I Burn For You」でのドラムソロ。そしてアンコールの最期、ギター1本で「Message in a bottle」を唄うスティングからは新たなスタートに対する静かな感動がひしひしと感じられる。8点(2004-01-20 16:44:22)(良:1票) 249. マラソン マン マッカーシズムの犠牲になって自殺した父親に対する兄と弟それぞれの思い。ナチの残党とユダヤ人。業を背負った人間達の姿を言葉少なに演じる名優達の硬質な演技が光る。ダイヤモンドの商売と言えばユダヤ人。ダイヤの為にユダヤ人だらけの通りを歩くナチの残党を指さして「白い天使よ!人殺しよ!」と叫びながら追いかける老婆の悲痛な姿に「なんて怖い映画だ」と思わずつぶやいた。子供の頃見た時は単に面白いサスペンスだと思ったが、今改めて見ると非常に骨太な作品だったのだなぁと感心。「マラソン」との関連も絶妙。8点(2004-01-16 12:43:14) 250. イマジン/ジョン・レノン ジョン・レノンが死んだと聞いた瞬間のことは今も忘れられない。「冗談だろ?」って感じで暫く信じられなかったっけ。その時からこの映画の発表までには8年の歳月があったワケだが、その頃の私にとってはまだまだ生々しい想い出で涙なくしては見れなかった。確かにジョンは「音楽家」であって「革命家」ではなかった。なので、平和運動に傾倒していた頃の姿は今見ると滑稽に映るし、正義感を振りかざしているように見えるかもしれない。だが、あの時代に何か行動を起こさねばと奮闘した彼の姿勢に私は強く共感する。若さと希望に満ちたデビュー当時、「HELP!」と叫んだ狂乱の日々、消耗し尽くした表情のビートルズ解散時、平和運動を経てハウスハズバンドとしてのもっとも穏やかで幸福そうな毎日。そして季節はひとめぐりし、随分とリラックスした等身大のジョン・レノンとして「ダブルファンタジー」で再スタートを切った矢先の死。この映画は格好良さも格好悪さもひっくるめたジョン・レノンを愛する人々の為のアルバム的映画ではないだろうか。8点(2004-01-14 15:08:53)(良:2票) 251. シャレード(1963) オードリーは何着ても似合うけど、私はジバンシーが一番似合ってる気がして好きだな。エレガントだ。けど、どーしてもこの映画の彼女のキャラが好きになれないので心底楽しめない。彼女の映画にはありがちだけど、男を愛してると言うより「結婚」してシアワセにしてもらおう的な感じが。そんな所つっこむ映画じゃないのは分かってるけど、どうしてもバカっぽいのが気になっちゃって・・。6点(2004-01-14 11:01:21) 252. 無法松の一生(1958) 見ながら顔は自然とニヤけて、悲しいシーンでもないのに何故か涙が出てきた。日本人に生まれてよかったと、日本人であることが誇らしくなるような映画。43年版も是非見たい。あと、松っさんがポスターを貰ったあの飲み屋。いいなぁ。あそこで飲みたいなぁ。9点(2004-01-14 10:46:35) 253. 火垂るの墓(1988) 小学生の頃第二次世界大戦中の日本の子供を主人公にした物語を結構読んだ。特に「原爆の日」があり「終戦記念日」がある夏休みとその思い出が重なる。それらの本には勿論「戦争は悲惨だ」とか「二度と起きてはいけない」とかそんなメッセージがあったのだろうけど、幼い私は純粋に彼らの体験を自分のことのように感じたのだ。これがベトナムや中東を舞台にしていたなら違ったかもしれない。自分とは関係ない、TVのニュースで見る話しだと思ったろう。そう考えるとこう言った映画を作ることは重要だし、子供達にも見て感じて欲しいと思うな。7点(2004-01-13 17:28:08)(良:1票) 254. 大菩薩峠(1966) 私にとって机竜之介と言えば市川雷蔵。片岡千恵蔵版も見たのだがこの2作品は同じ様な雰囲気があり、どちらもドラマ性が強くて因果応報がメインテーマの感がある。それに対して本作では仲代達矢演じる竜之介の心の闇が映画の大部分を占めていて、そんな彼の心を映す、邪悪だが吸い込まれるような切れ味の剣術に表現の重点が置かれているように感じた。雷蔵の竜之介なら「ついて行きたい!」と思えるが仲代の方は人間とは思えない。恐ろしすぎる。【ユウヒ】さんがおっしゃられている通りコントラストの強いモノクロ映像で表現される一対一の立ち合いで睨み合った両者の緊迫感は手に汗握る。このシリーズの続編は製作されなかったのだろうか?最期まで見てみたい気もする。 8点(2004-01-13 16:28:57) 255. 天使の涙 恋愛の、特に初期段階に感じることがある永遠とも思える一瞬。世界が二人だけになり、自分たち以外は時も人も何倍もの速度で通り過ぎて行くあの感覚が鮮やかに描かれた映画。「全てのものには賞味期限がある。」だからこそ、その一瞬が美しく切ないのだ。 (追記)先日再見したら+1点でやっぱ満点。「恋する惑星」より私はこっちの方が好きだな。「一瞬の永遠」を求めて夜の街を彷徨う孤独な都市生活者達がたまらなく愛おしい。10点(2004-01-13 15:50:21)(良:2票) 256. 暗黒街の弾痕(1937) つっこみ所は色々あれど「見せる」映画です。えん罪で地獄の一丁目付近まで辿り着こうかという二人が「正義なんて無い!」と思うのは当然。私だって一緒に逃げることを選ぶかも。しかし確かに彼らはもっと別の選択もできたハズ。人生は自らの選択がもたらした自分そのもの。受け入れるしかないでしょうね。7点(2004-01-13 12:08:43) 257. 赤い靴(1948) 初めて見たのはうんと子供の頃だったけど、有名な新聞紙と踊るシーンと衝撃のラストシーンは強烈に印象に残った。「子供だまし」って言葉があるけど、子供だってホンモノは分かるのだ!今見ても古くさくない、素晴らしい映画だ。アンデルセンの「赤い靴」では主人公の少女は両足を切断することによってやっと踊りから解放される。モイラ・シアラー演じる主人公は足を切断するより踊り続けて死ぬことを選んだのだろう。 10点(2004-01-09 17:58:42)(良:1票) 258. エンゼル・ハート 《ネタバレ》 ミッキー・ロークが大好きだった。ネコパンチで有名なボクシングの試合も見に行った(これはメインのユーリ・海老原(当時)の試合が素晴らしかったので得したが)。そんな私がこの映画のローク氏にウットリしたのは言うまでもない。しかーし!てっきりサスペンスだと思って見てたので最期はボーゼン「おいおい、これってオカルトかよ?」(↓【へちょちょ星人】さん、私も騙されたス!)。気持ちの整理をする間もなく映画館から吐き出され、歌舞伎町の雑踏をしばらくボンヤリ眺めたあのモヤモヤした気持ちが今もよみがえります。 6点(2004-01-09 17:53:59) 259. 反撥 この映画を見てるとなんだか自分もちょっとおかしくなったような錯覚をおこす。精神が病んで行くと時間の感覚がなくなるんだなって妙に納得。8点(2004-01-09 17:12:46)(良:1票) 260. 放射能X 肝心のアリがちょっと・・。しかしそれ以外はあの不気味な音、テンポの良いストーリー展開等この時代のこの手の映画にありがちな、「今見るとお粗末な」と言う感じがあまりなくて最期まで楽しめた。それに、子供の頃はよくアリの巣をほじくり返してサナギだ卵だと興奮したし(水攻めもやった。子供って残酷。)、学研の付録で観察もやったしなんかちょっと懐かしかったなぁ。6点(2004-01-09 16:20:53)
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