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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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261.  ザ・マスター 《ネタバレ》 心に傷を負った男の魂の彷徨。フレディが入信したのはマスターのカリスマ性ないし父親の面影に惹かれたのであって、宗教は二の次だ。逆もまた然り。マスターは自由奔放なフレディに憧れを抱き、お互いに足りない部分を補い合う共同体の関係を匂わせる。しかし、それは双方が未完成の存在であることと密着し、フレディの余りある力が、マスターの王国を破壊しかねない危うさも持つ。だからこそ、黒幕的存在の妻が王国の存続のために男二人を操ろうとする画策が垣間見える。最終的に二人は袖を分かつ。残りたくても己の本能が拒否する矛盾、引き留めようにも手の届かない焦燥感、それぞれが完全になりかけた瞬間、臓器移植の拒否反応のように共同体でなくなってしまった。"救い"から見放されたフレディは、これからもダンスする相手を変えるように、現実に存在しない"砂の女"を求めて彷徨い歩くのだろう。いや、他者承認されずとも生きられるありのままの自分=ニーチェの提唱する"超人"と見るべきかもしれない。ホアキン・フェニックスの"動"の怪演、フィリップ・シーモア・ホフマンの"静"の怪演の摩擦が恐ろしくも凄い。重厚な画作りが不安と翳りの50年代アメリカを更に浮き彫りにさせる。[映画館(字幕)] 8点(2015-11-28 01:48:31)(良:1票)

262.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 日本の特撮及びロボットアニメを想起させるような、巨大ロボットvs怪獣のガチンコバトルに興奮できる人には大傑作だろう。自分には合わなかった。ストーリーを気にしたら負けだけど、中国及びロシアの扱いが酷く、やはりドラマ部分がお粗末なのがどうしても看過できない。わざとかは知らないが、日本の描写は如何なものかと。主役に魅力を感じないのが痛い。搭乗者のシンクロ要素(上手く使えれば・・・)とキスシーンに走らなかった結末は評価しよう。[映画館(吹替)] 5点(2015-11-21 18:12:53)

263.  フルートベール駅で 《ネタバレ》 客観的に見ようとするならば、主人公は前科持ちで因果応報と見られても仕方ないだろう。ただ、そういうことをされるほど決して極悪人ではなく、弱きものを虐げることをしない家族思いの青年だったかもしれない。もし電車で因縁を付けられなかったら、正月を無事に過ごせたかもしれない。もし黒人でなかったら、確保されても解放されたかもしれない。今度こそ更生するかもしれない・・・しかし、その"もしかしたら"にもう意味はなく、彼の明日は二度とやってこない。真相は謎のままだ。未来はどう訪れるか誰も分かりはしない。ただ、無責任と思いながらも防げた部分はあったのではないか。近い将来、日本でも移民の受け入れが現実味を帯びるだろう。「他人事と思えない」と現状を改善するには、この映画のような事件が日本でも起こらないと分からないかもしれない。[DVD(字幕)] 8点(2015-11-09 22:26:40)

264.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 近年のジブリ作品では佳作の域。地味で内省的であることには変わらないが、「普通でありたい」と願った自己肯定感の低い主人公が自分らしさを受け入れるまでの過程を丁寧に掬い取る。マーニーは杏奈の理想であり、逆もまた然り。足りない部分を補い合うように共鳴する。話の噛み合わなさが気になったが、伏線だったのか。マーニーとの別れは、鬱屈した過去からの解放であり、前向きに歩んでいこうとするきっかけなのだろう(監督のジブリ離脱と重なったりして)。それほど大きな変化ではないのが逆にリアルで良かった。[地上波(邦画)] 7点(2015-11-09 22:07:32)(良:1票)

265.  るろうに剣心 原作漫画既読。漫画の実写化はいつになく警戒するが、ハードルを下げたせいか許容範囲(フォローとして映画版を基にしたコミカライズあり)。意外にも佐藤建の剣心はハマり役で違和感はほとんどなく、激しいアクションは邦画としては見られるレベルになっていた。逆にそれ以外の役者陣は微妙かな。実写ものとしてはまずまず。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2015-11-05 18:45:44)

266.  インヒアレント・ヴァイス 話が複雑でついていけない、と思いながらも、筋が破綻しない程度に70年当時のロサンゼルスのゆるくて猥雑な空気を堪能する映画なのでしょう。だから見ても何も残らない(笑)。ポール・トーマス・アンダーソン監督だからこそ期待した部分が大きいのも一因か。ホアキン・フェニックスのどっぷり浸かったヒッピーぶりが物語をさらに可笑しな混沌に拍車をかけていてハマり役だった。[DVD(字幕)] 5点(2015-10-18 23:22:18)

267.  神秘の法 《ネタバレ》 地方局で偶然放送されていたため、冷やかし目的に録画。気持ち悪い。ただただ気持ち悪い。見せかけの愛国や保守で誤魔化しているだけで、していることは仮想敵国のゴラム帝国(=中国)と変わらない。前作の『仏陀再誕』はネタとして見れた部分はあったが、これは宗教やトンデモSF絡みの説明で割いている部分がほとんどのため退屈極まりない。仏陀の生まれ変わりとして選ばれた主人公(=大川隆法)の活躍はほとんどなく、ラストの洗脳スピーチに集約されるため、イライラは頂点に達した。偽善と綺麗事で楽に利益が入ってくる大川隆法本人そのもののようだ。相変わらずの自画自賛だけは一流。CGだけは前作よりマシになっていたため(それでも中の下だが)、1点で。[地上波(邦画)] 1点(2015-10-17 14:25:49)

268.  テッド 《ネタバレ》 字幕版を映画館で観ていたが、TV放送を機に再見。際どい下ネタや台詞の数々があるとは言え、ビックリするほどファミリー映画のプロットを踏襲している。ダメ人間のジョンと彼の裏切り行為でも捨て切れないモリー、心だけは薄汚いオッさんになったテッドを始め、見栄と自慢ばかりのモリーの上司もテッドを誘拐した親子も、ファンタジーの世界から卒業できない子供のメタファーではないか。それでも彼らを否定せず、モリーの祈りでテッドを蘇らせ、結婚式の仲介人がフラッシュ・ゴードンというあたり、忘れかけた童心を持って碌でもない現実に立ち向かおう、というファンタジーの本質を突いていると思う(考えすぎか)。随所に挟み込まれた選曲のセンスが良い。しかし、字幕版でもそうだが、アメリカでしか理解できないローカルネタやジョークだからって、"くまモン"、"ガチャピン"、"星一徹"等の単語に超訳したのは気になった。他の国ではどうだろうか?[映画館(字幕)] 7点(2015-09-06 16:01:55)

269.  愛、アムール 《ネタバレ》 半身不随になった妻を献身的に支える夫の姿が踊っているようにも見える。本作は過去作に比べて敷居が低く、そして容赦ない。目を背けたくなるほど衰弱していく妻を、事務的にこなす介護師を解雇し、中途半端な態度の娘をも突き返す。長年、苦楽を共にした夫の純粋さと狂気。二人以外の来訪者は聖域を侵す邪魔者でしかないのだ。今までのハネケなら妻の尊厳のために"約束"を果たして、観客を凍りつかせて終わらせるだろう。しかし、映画は愛の到達点を描きだす。二度にわたる鳩の来訪に、一度は拒んできた来訪者を抱き締める夫。鳩が妻の霊魂かは分からない。ただ、夫が綴った手紙が通じたのだろう、具現化した妻が何事もなかったかのように皿洗いをする、ハネケらしかぬ穏やかさに意表を突かれた。そして、二人はまるで散歩でもするような感覚で旅立っていく。妻の何気ない一言に涙があふれた。定冠詞のない"Amour"が象徴するように、開かれた部屋には二人の生きた証が、愛が隅々にあふれている。残された娘はどう感じるのだろう? 第三者から見れば、老々介護の悲劇にしか見えないだろう。しかし、それは悲劇か否かは当事者の二人にしか分からない。如何なる結末であれ二人は安らかに逝けたのではないだろうか。人間をよく知らなければ、このラブストーリーは絶対に撮れない。ハネケにしか撮れない嘘偽りのない純愛にただただ圧倒された。[映画館(字幕)] 9点(2015-08-24 23:32:17)

270.  言の葉の庭 新海節全開の中編。新緑が映えた雨の庭園に少年と女性の魂が通い合う。なんて繊細な作品なんだろう。背景及び小道具のディテールは申し分なし。しかし、1時間にも満たない内容にも関わらず長く感じてしまう。もう少し脚本を練るべきだけど、ここまで来るともう開き直って、繊細さと青さがもはや様式美と言っても過言ではない。「ストーリーなんて考えるな、雰囲気を感じろ」系な潔さすら覚えた。これからもその路線で貫いてください。良くも悪くも。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2015-08-20 18:57:34)

271.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 13年の歳月に散りばめられた行間のように、フルネームのない登場人物、テレビや携帯をわざと見せない現代の描写、非現実の中の現実が織りなす世界観のため、あくまでフィールグッドムービーとして見るのが正解だろう。悪く言えば、雰囲気重視でリアリティにおいて都合の悪い展開を誤魔化しているとも言える。後先考えず在学中におおかみこどもを産んじゃうとか、厳しい環境で村社会の強い山奥の集落でそう上手く子育てできないだろとか、気にしたら負け。それに、監督の嗜好が今作であからさまに具現化され、下卑た欲望が画面に透けて見えてしまうことが拒絶反応の強い要因ではないか。監督が女性だったらもっと違うアプローチで印象が違っていたかもしれない。それでも許容範囲だったのは、「そうきたか」と唸る演出だったり、育て上げた万感がリアルに親と重なって、こみあげるものがあったから。育ててくれた親への感謝、かつてした子育てへの郷愁。主題歌は反則すぎる。[映画館(邦画)] 7点(2015-08-08 00:56:03)

272.  星を追う子ども 露骨なまでにジブリに影響を受けているのは別に構わない。ただ、動きに躍動感がなく、抜け殻のようにキャラが生きている感じがしない。相変わらず青臭いジュブナイルものの枠から抜け出せていない、ワクワク感皆無の退屈な冒険活劇。成長したと言えば、心理描写をナレーションで被せるような安易な演出がなかったことくらいか。もう短編とCMだけに専念した方が良いのではないか?[DVD(邦画)] 3点(2015-07-09 19:19:18)

273.  映画 けいおん! 原作漫画及びアニメ版ノータッチ。そのような一見さんにはこの映画を語る資格はないだろう。逆にアニメだけでも触れている人にとっては、いろんな感情がないまぜになった青春アニメの傑作だろう。ロンドンに卒業旅行する以外は、特に何てことのないストレスフリーな軽音部の日常。女性目線で描かれた、友情とは違う絆を匂わせながらも、平穏な空気のまま終始していくのが良い。ネガティブな要素を一切拒絶した"理想郷"にいろいろ言いたくもなるものの、最後まで割り切った作風は潔くすら感じる。自分は「別に映画でやらなくても、OVAやテレビの特番でも十分では?」と思ってしまったが。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-30 20:24:04)

274.  ツリー・オブ・ライフ 《ネタバレ》 冒頭のヨブ記の引用と「世俗に生きるか、神に委ねるか」という台詞が全てを物語っている。「物質主義的な父親が努力ではどうにもならない挫折を体験、改心して真の心の豊かさを手に入れる」という極めてシンプルな家族ドラマをわざと難解にしているだけ。それだけならまだしも、壮大すぎるイメージ映像の羅列を家族ドラマと結び付ける暴挙には失笑が漏れる始末でした。ルベツキによる映像の力は完全に否定できない、むしろ素晴らしいが、この映画の前ではどうしようもない。そもそもマリックの映画は自分には合わない。もっと普通の映画を撮ってください。一番の罪は、これを感動大作として偽って全国公開してしまった配給会社だろう。[映画館(字幕)] 4点(2015-06-21 18:24:13)

275.  世界にひとつのプレイブック 精神疾患を抱えた男女のロマコメというキワモノ的な題材の割に、案外普通の映画で褒める部分が何もない。いや、キワモノを普通に描けたからこそ絶賛されたのかな、という感じです。これが主演女優賞だなんて信じられない。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-06-20 01:09:48)

276.  オンリー・ゴッド 《ネタバレ》 『ドライヴ』の熱狂と期待の反動もあるのだろう、賛否両論の極致とも言えるカルトムービーの怪作として再評価されるかも。過去の作品群を見れば一目瞭然で、レフンはタランティーノとは対照的なアート寄りの人間だからだ。『ドライヴ』にあった最低限で効率的な脚本を削ぎ落とし、スタイルだけで勝負するもその限界を露呈させてしまう。とは言え、凡作とは決めつけられない画の圧倒的な強度には目を見張る。何かおぞましいことが起きるのではないか、という異常なまでの威圧感と緊張感に心身ともやられてしまった。主人公より遥かに目立つ元警官のチャンは、独自の倫理感でギャングのゴッドマザーですら容赦なく裁き、『ノーカントリー』の殺し屋を彷彿とさせる一方で、優しい父親で民衆からも慕われている絶対的な存在。主人公は彼に挑むが完敗し、同時に父親殺しの罪悪感と強権的な母に苛まれて、裁かれたい、真人間として生まれ変わりたかったのだろう。チャンはそういう生き方しかできなかった人間達に対して裁き、そしてカラオケで弔う。憎かろうが死ねば仏で人として供養する侍に近いというか、物凄く仏教的。笑ってはいけない神聖な儀式だろうけど、あまりのヘンテコさに苦笑いするしかない。ただ、自分はこの世界観は嫌いではない。一度観るだけで十分だけど。[映画館(字幕)] 6点(2015-06-09 19:45:23)

277.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 一定のテクノビートを刻むミニマルミュージックから一気に引き込まれる。派手さとは無縁の、チェスの読み合いみたいなカーチェイスに新鮮味を覚える。それに続く、80年代テクノポップとピンクの筆記体クレジットで綴られる『ドライヴ』は、オーソドックスでありながら新しい風を呼び起こす。アメリカン・ハードボイルドとヨーロピアン・フィルムノワールが融合した文体は、不思議な浮遊感に満ち足り、かと思えば、静と動、ラブストーリーとバイオレンスの対比がアクセントとして効いている。過去も名前も不明なドライバーが、トラブルに巻き込まれた人妻と幼い子供のために、再び裏社会に舞い戻る、ありきたりな任侠映画のプロットでありながら、エレベーターのシーンで彼が歩んだ過去が凝縮されているように感じた。同時に彼女とは違う世界の人間であり、相容れられないことも。恩師を殺され、復讐するシーンでリズ・オルトラーニの"Oh My Love"を流すセンスが神がかっており、「映画に恋をする」というのは正にこうゆうことなのだろう。全てを終え、追われる身になったドライバーはもう戻らない。それでも人妻は彼を想い続けるだろうし、刺されたドライバーは彼女の温もりを乗せ、今頃生きているのかもしれないし死んだかもしれない。彼の人生を想像したとき、大きな余韻がふっと湧き上がる。[映画館(字幕)] 8点(2015-06-09 19:34:30)

278.  バーニー/みんなが愛した殺人者 《ネタバレ》 ブラックコメディと銘打っているが、クスりとできるシーンは少なく、シニカルなシリアスドラマの側面が強い。インタビューされる住民が俳優ではない本人が演じているため、フィクションとドキュメンタリーの境界を行き来している不思議な感覚に陥る。その境目を突くように、人間は善悪では二分できない複雑な内面を持つ生き物であることを浮かび上がらせる。胡散臭い偽善者に見えるバーニーは最後まで裏表のない打算のない善人であり、確かに小心者で勇気がなかったが、すぐに自首していたら終身刑にならなかったかもしれない。では、彼をマスコット扱いし、事件をややこしくさせた住民の方が悪人に見えるが、悪意がないだけにタチの悪い結末だ。人を信じること、裁くことの難しさを改めて問いかける。判決前の画面に突き刺さるような視線が忘れられない。[DVD(字幕)] 7点(2015-06-02 19:34:44)

279.  キック・アス ヒットガールが何百人殺しまくろうが別に構わない。ただ、ヒットガールの立ち回りが鮮烈過ぎて、ドラマパートを担当するキックアスの影が薄くなってしまい、彼の成長物語にしては如何せん物足りない印象を残してしまった。確かに熱狂できるシーンは多く、名場面ばかりだけど、一気に醒めることが何度もあって、いつしか映画に集中できるようなムードではなかった。いろいろ言いつつも、この映画は面白い。しかし、キックアスとヒットガールがW主役であったとしてもバランスが取れてないし、リアリティとアメコミ的世界観が上手く融和せず、シーソーのように行ったり来たりするので疲れた。[映画館(字幕)] 7点(2015-06-02 19:27:32)(良:1票)

280.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 ◆水彩画の如く色彩豊かな四季のように、時には生き生きと、時には激しく、感情を揺さぶられた。建前と見栄で成り立った都の高官のエゴに笑いを誘われつつも、生の歓びと逞しさに満ち溢れた山間との落差を際立たせる。女を所有物とみなす都の男とかぐや姫を幸せにさせたいが余りその価値観に従った翁とは対照的に、金や権力に執着せず田畑に勤しむ媼とかつての素朴な生活に目を輝かせるかぐや姫との対比が、理想主義vs現実主義という、現代の男女の価値観の違いにも通じるものがある。◆都の苦悩も悲しみもない月で地球に憧れることは果てして罪なのか? ちょっとしたエゴで周りを傷付き狂わせたかぐや姫は存在するだけで罪なのか? 生きている以上、周囲との摩擦は避けられず、息苦しさと生き辛さを感じるのは、人の業であり罪そのものだろう。誰もが自分勝手だから悶え苦しむ。◆避けられない結末、空気を読まない極楽な曲調で連れて帰っていく月の一行。天の羽衣を着せられ、記憶(=地上での人生)をかき消されたかぐや姫は死んだように見えた。それでも残酷で醜悪な世界だとしても、己が無力だとしても、生きているだけでも結構悪くないもんさ、と諦めにも似た希望が感じられるのは80近い高畑勲の集大成そのものかもしれない。[映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 21:31:18)

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