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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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341.  白い肌の異常な夜 《ネタバレ》 なかなか面白い。テレビ放映の吹き替えが作り出す微妙な雰囲気はまた少し違う異世界に連れて行ってくれる。 イーストウッドのイーストウッド像が、いつもの格好良さとは違う憎らしさをまとっている。浅ましさや汚さが文字通りの穢れのような物を象徴する本作では、主人公の主人公然としない行動に説得力を持たせている。この不快感がたまらなく良い。 女たちの嫉妬心を描写するそのイメージが、いちいち固定的観念的で良い。そこに薄汚く歯車を合わせていく主人公が破綻無くスムースに破綻を招くというプロットは愉快ですらあるが、やはり不快なのだ。そこにこの映画の核があるのか。ほんとのところこの映画のどのあたりがどのように面白いのかというのは具体的には言いにくいが、やはり画面上に表れないが存在する感情という部分に惹かれるのだろうと思う。 それとやはりテレビ東京の昼の時間帯に微妙な音質の吹き替えで、くすんだ映像が放送される効果の大きさか。本来この映画の中に存在しなかった、変な実在感が浮き出てくるのである。[地上波(吹替)] 7点(2010-04-03 20:01:28)(良:1票) 《改行有》

342.  アンドリューNDR114 《ネタバレ》 なかなか面白い。アシモフファンならもう少しだけいろいろ楽しめると思う。 原案がアシモフのロボットモノなだけあり、設定にどっしりとした安定感がある。これが不思議な印象を引き出しているんじゃないだろうか。純粋な映画的設定であればむやみに二転三転したあげく、サスペンス的な要素まで入ってくるんだろうけど、ロボットの立ち位置がずれない。SF映画なのになんつう違和感か。 そういところも意外性高く楽しめたけどしかし、映画なんだからもうちょっと移り変わりの表現は何とかならなかったのか。なんかテレビムービーっぽい印象がある。突然ハイ変わりました的な直球表現にも妙な違和感を感じた。 妙に素っ気なく、テーマは大きい。この感覚は何だろうかとおもうとアシモフだ。それも早川文庫の翻訳版。万が一この妙な味わいが意図的に作られたものだとすると心憎いとも思える。未読作品の原書を読んでみたくなる。[ビデオ(字幕)] 7点(2010-03-21 13:55:54)(良:1票) 《改行有》

343.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 なかなか面白いのだが、2008年ってこれよりアカデミー作品賞的な映画って何本もあったような気がする・・・。例えば、同時期に上映していたグラン・トリノとかチェンジリングなんてスラムドッグ$ミリオネアよりも確実に作品の完成度は上だった。チェンジリングのプロットの練られ度は段違いだったと思う。 が、アカデミー賞に選ばれるということは2008年の他作品にない何かがあった。ということだろう。この年のノミネート作品はそもそも派手な傾向があったから、そういう年だった。という風にもとれる。王道的なアカデミック作品でない、というところで言えばそういう感じだ。どことなくアジア映画っぽく感じられるようにわざとアジア調(調、というところがミソか)にしてあるあたりが好感を得たのだろうか。よく分からん受賞作だ。 でも、冒頭の逃げ場のないサスペンス感が取調室に移り一瞬で甘口になってしまったのは惜しい感じがするし、後半のユルさは妙な安心感さえある。作品としてこじんまりしてしまっているような気がする。とはいえ生い立ちの中の出来事がたまたまそのままクイズの答えだったという以上の展開は、21世紀のハリウッドのプロ脚本家でも考えつかないのだから仕方がないのかもしれない。 予告編でふくらんだあの絶体絶命な感じと、逃げ場のない鬱感と、針に糸を通すような正着へのギリギリの駆け引きがありそうな予感。そういうものが一切含まれていなかったことにむしろ驚いた。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-03-09 00:53:10)《改行有》

344.  ドラえもん のび太の海底鬼岩城 《ネタバレ》 ものすごい小さい頃にみて、未だに筋を鮮明に覚えている。ドラえもんの映画でそう言う記憶があるのはこれと鉄人兵団だけだ。 この作品は、おそらくえらくマッタリしていて、説明的過ぎるのだろうと思う。けど、子供に楽しんでもらおうというビームがバンバン出ていて、夢中で見た。今この話をもう一度見てみようかなという気持ちには積極的にはならないと思う。けど、楽しかったという覚えがあるしこのままの方が良いだろうと思う。 絶望的に感じたあの雰囲気や、どうにもならないかもしれないあの状況が凄い。この作品を不意に思い出して、ほかのドラえもん映画をちょっと見てみようかな。などとふと思ったりした。[地上波(邦画)] 7点(2010-03-07 19:40:06)《改行有》

345.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 なかなか。ツボに入った。元工作員が書いたインチキ自伝小説を機密書類だと勘違いする微妙にアホな人たちと、それに振り回される微妙にアホな人たちが良い。スパイものの極秘指令のお約束をタイトルにしてて見たり、どこまで本気か分からない微妙さもまた良い。 微妙なアホさ加減に終始ニヤニヤさせられるが、その塩梅たるや練られまくった印象。ガイリッチーがやりそうなプロットだが、その演出やストーリーが全然違う。つまり同じような題材を使いつつ全然違う楽しみが込められていてなかなか良い。 なぜコーエンズがガイリッチー的世界観なのかというところはよく分からないが、まじめさにウケる。こう言う映画ならまず音や画で楽しませようとするような、自転車で追いかけるシーンやあのバキューンなシーンでさえこう言うアホが居るよな、な実在感で迫る。 それだけに予測不能な演出にプッの連続。さすがにバキューンでは大笑いしてしまったが、全員狂ってますな世界は妙に静かな可笑しさで楽しめた。そういうテンションが好き。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-02-17 23:52:11)《改行有》

346.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 なかなか面白かった。手に入らないあこがれの対象を手にした少年を、童話的構成で見せる話というのは好きだ。 ストーリーは形式を考えると常識的で伝統的な作り。オーソドックスではあるが、完成度の高さは一見の価値ありだろう。どこか遠くへ行ってしまった後の世界を想像させるラストのカットは、感動を誘うし映画との一体感を堪能できる。 背景にある、何もない、という世界観は白い馬の魅力を最大限に引き出している。一方で牧場や道具、いろいろなものを持つであろう馬飼いの脅威を楽しむことができた。このフラストレーションがあってこそのあのラストだ。 骨組みと要素を楽しむ映画だし、これだけ無駄なところがないシンプルな話だ。さらに作り込むことで果たして本作の完成度を超えられる翻案が作れるのかどうかはナゾ。[DVD(字幕)] 7点(2010-01-11 17:48:29)《改行有》

347.  わが教え子、ヒトラー 《ネタバレ》 なかなか面白かった。ドイツ製の質実剛健なヒューマンドラマかと思ったら、がっしりと作られたコメディだったりする。ドロッと黒い笑いに満ちていて、その黒さがまたクスクスッと笑わせる。 アメリカのコメディのように、ストレス発散的笑いはどこにもないが、隅々まで行き届いた揶揄にはニヤニヤとさせられる。例えば敬礼や、命令伝達の場面の温さはいかにも微妙な空気を生んでいて、画ならではのおかしさというのを味わえる。 話の筋はオーソドックスだが、それだけにこれが黒いコメディではないと気づかなかった場合、設定の緩さに何をやってる映画だかよく分からないという事態も引き起こすかもしれない。ドイツ製らしく、オーソドックスに、まじめに作り込まれているため、笑いもせずに笑いを作ったという雰囲気がまたおかしい。独特の間が好きだ。[DVD(吹替)] 7点(2010-01-04 17:48:12)《改行有》

348.  自転車泥棒 《ネタバレ》 なかなか良かった。が、激しく憂鬱になる。 逃げ場のない人生という雰囲気がたまらない。今の日本と比べてどうだろう。終戦直後なんだろうが、この職のなさには脂汗が出るような重圧感がある。日本の職のなさも結構キている。この父親のように、職能が無く職業安定所でも仕事が全く得られる見込みがないような、こう言う状況に自分が陥ったらもう自殺のような選択肢しかないかもしれない。自分だったらこの先でがんばることは出来ずに心が折れてしまうだろうと思うと、胸が締め付けられる。 自転車がないと出来ない仕事中に、自転車が盗まれてしまい、その後の流れに少々イライラしてしまったのは事実だが、あまりこう言う映画を観るだけのゆとりが心にないせいかもしれない。自転車を盗んだ男や、あの老人を見ていると憎悪が生まれてしまい、感情移入どころか追体験のようにストレスに押しつぶされてしまった。それくらいのクオリティだ。 様々な寓意と教訓を含んだ話だが、それ以上に表現された人間達の貧しさと心のゆがみには全く共感が出来ない。私とここに出てきた父親との紙一重の違いに恐ろしくなってしまった。彼には仕事もバックボーンも知恵もない。私には仕事も、出来ることも、先のことを考えたりすることもある。だけどそういうものって言うのは、明日崩れるかもしれない。なんという恐ろしさだろうか。 ホントは自分は社会的に必要とされない存在であったらどうしよう・・・[DVD(字幕)] 7点(2010-01-03 04:10:05)《改行有》

349.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 なかなか面白い。 前世紀ではこうしたオカルトな雰囲気というのは、いまよりも強烈に恐怖感を喚起した。簡単に、馴れ合いを通じた大量の情報交換というものが出来ない時代には、こうした題材をあつかった映画を見たあとはジワジワといつまでも恐怖感が心の中に残る。そうやって出来以上に楽しむことが出来た。 今、オーメンを初見でどれだけ楽しめるのか。と、ふと考えると、きっとまず特殊効果に突っ込んでしまったり、もっと早く始末してしまえよと展開を待ちの姿勢でみてしまうのかもしれない。見終わったあとには作品評や666の意味を調べたり映画の裏舞台を調べているうちに、情報収集の方がメインになってしまうだろう。 これだけ受け手が変わってしまうと、そのままの状態では何かとちぐはぐな感じが抜けない。それでもしっかりした画作りと、スプラッターではなくオカルトで怖がらせようという話作りには見所も多い。 閉鎖的な世界観を肯定して、オカルトに愚問を持たず、素直に怖がれればこの映画を楽しめると思う。この映画を見たのはVHSしかレンタルビデオ屋に無かった時代。この時代にオーメンを見た人が、今もう一度見直したならいろいろな発見があると思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-23 19:50:18)《改行有》

350.  マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 これはこれで、うん。 着想とか滑り出しはかなりスムースに異次元に運んでくれるんだけど、異次元に行った後。そこからが辛い。ついてけないんだ。尻すぼみにすら感じてしまう。 もうね、マルコビッチすぎんの。もうお腹いっぱい。マルコビッチ味すぎてマルコビッチ食、そんなに食えないんです。でもね、マルコビッチをこんなにいやって言うほど食えるのもこの映画だけだし、無理して食っといた。そんな気持ち。 このね、マルコビッチなとこが良い訳ですよ。マルコビッチなとこ。これがチャーリー・シーンで、友情出演のジョンだったらダメ。それはただのコメディ。そうじゃない、チャック・ノリスでもコメディ。フォレスト・ウィッテカーだと可哀想になっちゃうし、ゲイリー・オールドマンだと黒すぎる。この、マルコビッチが良いんだマルコビッチが。 しかし思う。果たしてついて行かれることでどこか考えもしなかった遠いところまで行かれるんだろか。そういうところもマルコビッチだよなあ、なんか怪優マルコビッチに失礼じゃないかって気がしてきた。 マルコビッチと連呼したかった、今は反省している。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-07 22:49:28)(笑:1票) 《改行有》

351.  ジェリーフィッシュ(2007) 《ネタバレ》 面白い。人に勧められなくもない。 想像が及ばない世界の、日常的ラブストーリー的な何かだろうと、ドサッとそろえたDVDの中に埋もれていたものを忘れた頃に観る。そういう中の1本だった。 だいたいそういう映画は観てみるとラブストーリーではなかったりする。時にはドキュメンタリだったりする。この映画もラブストーリーではない。だから、この映画を観たときの、「突然クビの後ろを触られてビクッとする」ようなヤメレよ的不意打ちではなく、「夏に買っておいたガリガリ君を冬に食ったら、それが当たってた」的な心くすぐる度は非常に心地が良かった。 日常をベースとして、物語がきちっと時間軸を狂わせることなく、3組のカップルと主人公と一人の女性たちが明確な接点を持たないまま、微妙な共通の上で虚ろさに悩む。こういった設定はアメリカやヨーロッパよりも、こういう中東とかアジアとか、そういう世界のベンダの方が得意なのかもしれないな、などとも思う。 不思議な少女の役割は決して明確ではないが、それは果たして主人公にとってのセラピーになったのだろうか、そのあたりをあからさまに表現しないあたりの繊細な力業は感服してしまう。すべての登場人物が、何らかの解答を得てそれに従うけれど、それが果たしてどういう未来を生むのかな、なんてぼんやりと考えられる味わいは秀逸。 また、日常を収めた画が非常に綺麗で、DVDが液晶テレビに映し出されるときの、不快なぼやけもなぜかそういう味かもね、という独特の雰囲気になっていた。もしかしたらブルーレイ(がでているかは知らないが)で観たら全然違う空気なのかもしれないが、作者も意図していないだろうその雰囲気に没頭することができた。 なんか得したな、そういう気持ちになれた。[DVD(字幕)] 7点(2009-12-06 15:44:13)《改行有》

352.  フォーン・ブース 《ネタバレ》 面白い。おすすめです。 短編小説のように詳述をさけ、一時間ちょっとの間に、ギュッと詰まったサスペンスをさあどうぞと提供してくれるのはとても便利ですね。よくできてます。 電話から出られなくなってからの小競り合いや、顛末までの流れもちょうど良いストレスを与えてくれるので、ラストのどんでん返しには参りましたね。こういうぼかし方があるかと。 真犯人の犯人像というものを想像すると、単に無関係というのではなく、最後の電話ボックスを盗聴することが日常であった男が、たまたま標的にしたということなんでしょう。その電話ボックスの利用者は、その網に掛かったら徹底的にマークされ、長い時間を掛けて狩られます。 この男のやっていることは要するに、自分だけに通用する正義なんでしょうが、そのテロリズムに付け狙われるヴァルネラビリティをその電話ボックスでたまたま披露してしまった主人公の運の悪さと、観客と犯人だけが真犯人を知っているが、永遠に生殺与奪のチャンスを窺われる気持ちの悪さという後味というのがまた良いのです。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-11-24 14:29:27)(良:2票) 《改行有》

353.  ウォッチメン 《ネタバレ》 結構面白かったと思う。が、アクションが無くても楽しめる人向けじゃないだろうか。アクション映画だと思っている人にはおすすめしない。 冒頭、激しいアクションシーンを見せておいて実は心理描写がメインの映画であるというのが面白い。類型的なアメコミと思わせておいて、実は会話劇に近く各キャラクタのやりとりと心理描写の大きさの競り合いでもって物語が進んでいく。ここで自分にマッチしないなと思ったらラストまでじれったさが残るだろう。 描写されるヒーローたちの、実は異能者であってもその能力に上下関係が存在し、年齢や社会的な役割すら存在する。そこに古典アメコミらしい条例という縛りをもうけ、その上でヒーローたちに人間的な生活をさせてしまうと言うあたりが現代アメコミらしさを感じさせる。 また、長々と扇情的なシーンを加え、さらにセックスまでしてしまうと言う描写に関しては象徴化としては甚だあからさまであるが、少年少女が見るたぐいの映画ではないということを表しているのかもしれない。単純にサービスシーンかもしれないけど。 ラストシーンでは、米ソという単純な対立関係を持ち込んで、それを犠牲で解消するというプランに違和感を覚えるが、その後「わがままな正義」で思想的犯罪を誘発するための仕掛けをロールシャッハが投函していることが明らかになる。結局は、どれだけの犠牲を払っても、思想的にズレや我儘を抱える人間の見かけ上の正義が存在する限り、社会単位以上での平和は当然存在し得ないという主張はとても現代的だった。 原作が読まれた80年代においても、米ソの対立と戦争や紛争はすでに米ソの枠組みを超え中東を土壌とした「ズレた正義」の醸成が始まっていた。それがすでにはっきりとした形となった現代において、成人に向けた映画化をする意義というのは大きかったと思われる。[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2009-11-24 14:18:07)(良:1票) 《改行有》

354.  ソードフィッシュ 《ネタバレ》 面白かったと思う。人に勧められなくもない。 冒頭の爆発シーンには当時たまげた。そういえばPlayStation2を購入して、最初にどっさりレンタルしてきたDVDの中の一つがこれだった。DVDというメディアがブラウン管に映った時、こんなにすごい映像がこんなに簡単に楽しめるのかとマジでビビったのが懐かしい。 なんかふざけてる感じが良い。どうしてか悪人にしか見えないトラボルタが、どうしても悪人にしか見えない悪人を、小憎らしく演じるという良い感じの演出がまた良い。いきなりパイオツとか、なんかよくわからん時系列だとか、あり得ない技能だとか、そういうことは置いておいても見せ方自体がかなりアクロバティックでこうなるんじゃないかという、無意識に身構えるそのちょっとだけ斜め上をいってくれるあたりが巧妙だ。 全然予想だにしないようなふざけたようなどんでん返し的な展開より、ほんのちょっとどうせこうなるんだろ的なテイスツが振りかけてあるあたりに、その周到さを感じる。狙いどころをどうするかっていう技術のバランスがどうにも飛び抜けている。 このスピーディーさでエンディングまで行くと、なんだかテロとかそういうものがスパイスになってしまうが、あの事件の前であるということを考えるとそういう使い方が出来たということでなんだかこれも懐かしさを感じたりもする。[DVD(字幕)] 7点(2009-11-22 00:28:01)《改行有》

355.  刑事ジョー/ママにお手あげ 《ネタバレ》 ヤベェ、そこそこオモシレェ。いや、スゲェオモシレェ。 ここまでやるか。ラスト・アクション・ヒーロー以上の壊れぶりだ。なんかどこかわからない典型的な風景なんだけど、それすらぶっ壊すなこのおばちゃん。 こういう、今までハードな役柄で固定していた主役級俳優が壊れる映画って言うのはいつも楽しませてくれるけど、これってやばいなぁ。どのくらいまで壊すかっていうのは重要なさじ加減なんだと思うけど、これは壊しすぎたか。本人のキャリアに深刻な後遺症を残してしまったようだ。その分ツボにはまってしまい、人に勧めると必ず芳しくない感想を聞かされる。 この中途半端な脚本と、いかにもC級な舞台設定に本格的なキャラ破壊を乗っけるから、このものすごい微妙な味わいが出てくるんじゃないか。と、説明してわかってもらえたことがない。 この頃までは確か人気があったと思うんだけど、コップランドを最後に落ち目になっていったように記憶している。そういう、墜ちていったかつてのアクションスターの墓標のようなものだって言う認識はわかる。わかるけどさ、違うじゃん。これ違うじゃん。 ちゃんとおもしろいんだってば。このどうしようもないラストとか、ちゃんとしてない展開とか、狙ってるんだからさ、たぶん意図的なんだってば。証拠はない。でもたぶんきっと、ちゃんと狙ってるんだって。 万が一そうだとしてもつまらないよね?と言われてつらい。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-19 20:53:15)(良:1票) 《改行有》

356.  ザ・カンニング〔IQ=0〕 《ネタバレ》 面白い。テレビでやってるとボーッと必ず観てしまう型映画だ。 くだらないとしか書きようがないイタズラでグイグイ引っ張っていって、中盤で爆破! 中盤で爆破クライマックスしてしまう。子供心、フランス映画のセンスに慄然とした瞬間である。 このシーンの笑って良いのかいけないのか分からない、ギャグの調合具合に初見では凍り付いた。そのあとプププだ。「ありましたー!」ボーン!である。あの骨の有り様はドリフだ、これの根底にあるのははドリフだたぶん。 この後カンニング作戦と相成るが、実は中盤までの流れが美しすぎてこの部分が後日談のようになってしまっている。やっぱりハリウッドの方が構成が巧いんじゃないかって思った。 とはいえ、頭空っぽにして観られる非アメリカ映画としてかなり貴重だ。もう一度12チャンで昼間にでも放映してほしい。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-15 21:59:11)《改行有》

357.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 なかなかおもしろいと思う。 世界観とか美術はそんなに悪くないんじゃないだろうか。グロテスクな見せ方はたぶん今見ても気持ち悪いんだと思うけど、スパイスとしては悪くなんじゃないだろうか。 SF的な設定としても結構細かいところがあったりして、オっと思わせるけど、そんなどうでもいいようなことに細かい時間を積み重ねるから尺が足りなくなるんじゃないか?原作にある程度親しみがないとゾッコン惚れ込むということは難しいかもしれない。 とはいえ、大学生がどうしようもなく暇なときに、何となくテレビつけたらやってた的なシチュエーションで見たとしたら1000円拾って届けでたら、半年後もらえた位の幸運では。 話自体は作りかけ、という気がする。というか投げちゃったとかそんな感じか。画的にはリンチでいいのかもしれないけど、言われてみるとなるほど、バーホーベンというのもアリだと思った。なるほど、こういう映画って確かにバーホーベンだ。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-10 23:14:49)《改行有》

358.  ダーティファイター/燃えよ鉄拳 《ネタバレ》 この緩さ、たまらん。子供の頃、テレビでやっていると必ずかじりついた。 前作同様の強いけど弱い男とそれを支える仲間、とあの猿。ほんとに心が温まる。 ファイロを執拗に追いかける弱すぎる暴走族は、今度も感心するほど弱いが、彼らもこの映画の良さを十分に引き出すスパイスだ。彼らが出てくるだけで笑ってしまう。吹き替え台詞のセンスも抜群で、実に良い。 宿敵との心温まる交流や、イーストウッドの存在を食ってしまいかねないオランウータンの活躍、痛くなさそうなパンチなど、完璧にお約束なのに高度に完成されているためとにかく味がある。こういうキャラたちの作用で、主人公の生き様のようなものが実にすがすがしくあこがれの対象に昇華する。 最後は何となく胸が切なくなるおとぎ話のような話だが、こういう映画を同年イーストウッド自身が撮っている。ブロンコビリーでは、なんとなく同じような話でいてダーティファイターの主役像とは違う人生に破れかけたキャラを切なく演じる。 こういう変な味わいだが心が優しくなれる映画がテレビで放映され、偶然それを観られたときは本当にうれしくなってしまう。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-09 00:01:02)《改行有》

359.  エイリアン・ネイション 《ネタバレ》 なかなかおもしろい。他人に勧められなくもない。 何だろう。このテレ朝感。テレ東とも違う、ふざけている感じが一切しないテレビ放映選択眼は。つまりはストレートに映画的で、面白い。ということになるのか。20年前の映画であり、同時代のB級SF映画としては有名どころで「ヒドゥン」「ロボコップ」があげられる。 「ヒドゥン」はファンタスティック映画祭でグランプリを獲る。その後アーあの名作ねとすぐ出てくる映画となり、「ロボコップ」はシリーズ化され長く親しまれている。一方で同様の完成度を誇る本作も、アメリカでは人気でテレビシリーズまで作られていたよう(淀長氏による)。 この時代の突発的Bムービーの質には驚かされる。どこかふざけた感じと末世感がうまく混ざり合うことで何となく脳内にほんとにあるかも、と一瞬でも思わせる技巧に富んでいる。そのあたりの味わいがこの時代の映画の持つオリジナリティかもしれない。 3作すべて刑事(一つは巡査だが)物だが、上記2作がヒーローとしてかっこよさを押し出しているが、本作はどこか不細工でユーモラスな設定となっており、ストーリーの流れもバディものの基本を忠実に踏襲している。刑事物としての設定も芸が細かいところがあり、なるほどちゃんと作り込まれているなという雰囲気がいい。気楽にみられる3作だが、エイリアンネイションはさらに気楽にみることができる映画で、テレビ放映されていれば必ず見てしまうものの一つだった。 テレ東あたりでまたリピートされればインターネットでも流しながらぼーっと楽しんでしまうんだろう。テレ東が12チャンでなくなってから久しいが、それでもテレ東は12チャンといってしまう。同時に10チャンは10チャンであり、その思考回路は常にこうしたB旧映画や西部劇とリンクしているのである。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-03 18:01:17)《改行有》

360.  ダイアリー・オブ・ザ・デッド なかなか面白い。ロメロの監督作品がどこかセンス的にずれた方向に行きそうになっていた前作からかなり本人の有り様に近づいたという感覚を受ける。 80年代的な末世感を2000年以降に作り出すのは容易ではない。現在の末世感の無さの大きな要因の一つである、2000という数字を超えた時間軸的な不可逆的変位と、ネットの一般的道具化による(不完全、不明瞭、恣意、怪しさは成り立ちとして不可避的包含要素ではあるが)有り得ないものに対する証明の容易さという二つの障壁がある。しかしそれを、障壁それ自身を使うことによってうやむやにしてみせる事に何とか成功している。 ゾンビ映画にあった、1999年に向かってこういう事が起こりうるんではないだろうか?と映画を見ている2時間の間に一瞬でもそう思わせることに成功させていた時代性は今は存在しないが、終わることではなく何が始まるかよくわからないという漠然とした不安と、ネットというものが生活に必要以上に入りすぎてしまっていることを上手に使った設定は、そこを過剰に意識させない方向に誘導する。このことで効果的に適度な恐怖を味わえた。 主観映像の手法を採ってはいるが、かなり映画的な見せ方で構成されて音楽まで入ってしまう。こういう形でブラッシュアップしてきたというのは、この表現方法がこの方向にこなれたと見るか、味を薄くしたと見るかは微妙なところで、結果として見づらい映画になってしまえば主観映像としての演出を抑制した方が良かったと思ってしまうだけに、この映画のさじ加減は巧妙なのかもしれない。 キャラの立ち方や、世界観の構成の仕方はさすがに面白い。わざとらしいし嘘くさすぎる設定も話の面白さで鑑賞中に忘れることが出来るし、前作よりは楽しめるように思う。またグロテスクな表現も、リアルさが抑えてあるため恐怖そのものに意識を集中できる。 時々、普段は普通の人だがその手の映画で属性がむき出しになってしまう人がいる。そういったごく少数のスナッフを見たい的な願望を抑えられない人を、見透かすような残酷でしかない描写があまりない。そういった面でもゾンビ映画としてだけではない軽めの恐怖映画ベンダとしての手練手管が実に手堅く、安心して恐がれる良くできた映画だ。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-10-18 19:01:21)《改行有》

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