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21.  ザ・ビッグ・ワン 《ネタバレ》 こういう映画はセンスが必要で センスの無い人間が、単にシニカルなドキュメンタリー風に撮っただけなら こんなに面白くは成らないと思います。 彼独特のブラックジョーク、そして自分の立ち位置を見切ったが故の突撃嫌がらせ取材 そういう諸々でバラバラな事柄を、効果的に1本の映画として成立させている映像センス。 これがムーア氏を有名たらしめたファクターでしょう。 アポ無し取材にしても、相手がどういう対応に出るかで自分自身の出方も素早く変えながら それを映画のネタにしてしまう、こんな芸当は常人には出来ない事です。 最後の方でノコノコと出て来たナイキの社長などはまさにその良い例で 余裕コイて、「会う」などと言った馬鹿社長をとことんコキ降ろしてやろうと 僅かな時間でその対応を考え、友好的に接しながら、言質を引き出そうとする所などはまさに圧巻です。 案の定、この馬鹿社長は完全に晒し者に成りました。 ムーア氏の提案にも満足に答えられないばかりか 自分の隠して置きたい恥部(14歳発言や、フリント工場建設拒否、守銭奴ぶり)まで曝け出す破目に成った。 ムーア氏の映画はいつも同じです。 「大企業や金持ちは金を儲けるならその分を恵まれない人間(つまり貧乏人)に再分配しろ」 「政府や政治家は真実(本当の意図)を隠して世論を誘導するな」 「マイノリティー、社会的弱者を圧殺するな」 大まかに言えばこの3点の為に戦っている。 しかし、逆に言うとムーア氏の取材姿勢や映画が 大企業や米政府の民衆に対する、体の良いガス抜きに使われてしまっている事も事実です。 映画を見て感化され、人々が一大政治勢力を作ったという話はまだ聞きません。 逆に最終的にはそこまで行き着かなければ、彼の目的は成就しないでしょう。 民主党もダメ、共和党もダメ、アメリカの状況は今の日本にも良く似ています。 ココから先は「散々暴いてきたアメリカのダメダメな過去を未来に向け、どう正すのか?」 そこまで踏み込んだ形にしないといけないのかも知れません。 「この映画の収益の半分をフリントの恵まれない子供達に贈る」 これを本編では宣伝がましい事を一切せず、映画の最後の最後にサラリと言ってのける辺りに 彼のマイノリティー、とりわけ、社会的弱者に対する暖かさや信条が垣間見えています。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-29 20:29:20)《改行有》

22.  西部戦線異状なし(1930) 《ネタバレ》 先ほど見終わりました。 実は1979年版と間違えて借りてしまいました(笑) ですがこちらを見て良かったです。非常に良く出来た作品でした。 とても1930年に撮られた映画だとは思えません。 戦闘と砲爆、機関銃座のシーンで、次第に横に流れて行く長回しの映像表現は 今見ても非常に斬新で、まるで自分がその場で撃たれているかの様な錯覚を感じました。 特に砲弾が横に連爆して行くシーンなどは鳥肌が立ちました。 その他、敵兵が塹壕へ飛び込んで来たり タコツボを飛び越えて行くシーンなどは、下からのアングルが非常にリアルで 最後は銃剣でも間尺に合わず、シャベルを振り回して叩き合う白兵戦も圧巻です。 この辺りはまだ実戦経験者が多数居たはずですから、演技指導などをしていたのでしょうか。 この映画がハリウッド最初の戦争巨編であり、その後のアメリカにおける 戦争映画のバイブルと成っているというのもうなずけますね。 特に戦闘シーンの映像手法の全ての原点が この映画に詰まっていると言っても過言じゃないかと思います。 しかし、戦闘シーン以外の場面設定で有ったり 台詞回しや演出などには、所々やはり時代を感じさせるものが有り 誰が誰だかはっきり区別出来なかったり、いま1つシックリ来ない所が有ります。 ただ、古参兵のカチンスキーを初め、まわりの配役は中々良い味を出していて コミカルなシーンも有ったりと、ある程度感情移入出来る設定で それが為にカチンスキーの呆気ない死は 現実の戦争の悲惨さ、儚さを如実に表していると思います。 ただ、もう1つ物足りないと感じてしまうのは 撃たれて血飛沫が飛び散ったり、モ切れた手足が宙を飛んだり、ハラワタがはみ出てたりの リアルな現代風戦争映画のギミックに慣れてしまっているからかも知れません。 そういう部分を期待している人は見ない方が良いでしょう。 しかし、実際の戦争、時代的背景やその現実、という物を当て嵌めてみると 実際の第1次世界大戦から12年しか経っていないこの映画のほうが ある意味で相当リアルであるのかも知れません。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-02 00:20:08)《改行有》

23.  サロゲート 《ネタバレ》 みんなさん点数低いですねー^^; 確かに世界観が過去のSF映画に似てたりは有りますが 私はこの難しい題材を意欲的に、よくここまで作ったと感心しました。 遠隔操作で自分専用のロボットを操る社会。操る自分は自宅で寝て暮らし そのロボットが仕事をこなし、報酬を得て暮らす社会。 って、イヤーそれ、私の理想世界ですよ、いやホントに! そう出来たらと何度思ったか知れません(笑) 五感など、感覚器官の乏しいロボットを操るのは疲れる作業かも知れませんが この作品に出て来るロボットは人間と同じか、それ以上の感覚で操れるらしく みんながドップリとこの横着システムに嵌って生きている(いいなぁ。。。) つまり、この作品の主題というのは 「人間がロボット操る事で、その操っているはずの人間の方がロボット化してしまう」 これが全編、骨太なプロットに繋がっていると思いました。 あと、主演のブルースウィリス。 この人が主演だと妙に明るくって オラオラ感やドヤドヤ感が満載のストーリーに成るのが定番なのですが 今回はかなり陰影苦渋に満ちた、渋い役回りに徹していて アクション主体というよりも、謎解きに重き置く展開に成っています。 サロゲートという遠隔ロボットシステムは、人間に表面を小奇麗に繕える自由を与えたとも言えます。 しかし、逆に言えば、人間自体が家に閉じ篭り、サロゲートと自らの姿(実体)の違いを否応無く見せ付けられる。 そして、益々家に閉じ篭り、サロゲート(建前)を益々美化してゆく。 それが人々の至上の喜びとなる。 まあ、何でも度が過ぎると醜くなる物ですが この作品はそういう「醜さや、いかがわしさ」までしっかりと描いています。 そして、最後のカタストロフとその後の再生は 全く、壮観の一言に尽きます。 かなり面白かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-18 13:42:45)(良:1票) 《改行有》

24.  それでもボクはやってない この作品は裁判も含めた日本の司法制度という物の不備を描くだけでなく 人が人を裁くという正義や法律の原点原理が いかに不完全で嘘っぱちな物かを明らかしにた作品でしょう。 また、日本の場合、江戸時代からの大岡裁きとも言うべき 「まず、お上に対して恐れ入れ、罪を素直に認め、恐れ入るなら許してやる」 こういう封建的俗習に元付いた起訴便宜主義が、未だに当局側で罷り通っている。 逆に考えればこれは犯罪者側にとってはオイシイ話です。 軽微な犯罪なら、被害者に相応の示談金を払い 後は素直に「ハイハイ」と従っていれば、自動的に検パイ(検事裁量の起訴猶予)に成り、釈放だからです。 逆に、今回の主人公の様な冤罪被害者にとっては非常に不利です。 やってもいない犯罪を「やったと言え、やったと言えば許してやる」 と、言われて否認すれば、お上に楯突いた事となり、当局は何が何でも有罪に持ち込もうとする。 警察側の意図でワザとズサンな証拠集めと捜査が成され 有罪を前提とした誘導尋問や、証拠の歪曲が行われた後、検察が強引に起訴に足る証拠固めをする。 裁判所は裁判所で有罪に都合の良い証拠だけを、裁判官の独断で取り上げ それを合理的根拠として強引にコジ付け、有罪判決を下す 全てが可及的速やかに効率重視で、一方的に進められて行く。 これでは有罪率99.9%もうなずけます。話に成らないのです。 何故、欧州などの先進国には死刑制度が無い国が多いのか? つまり、人が人を裁くという行為がいかに不完全で理不尽な行為であるかを 裁判員や裁判官自身が認識し、だから死刑判決の様な重い責任は負えない。こういう事ではないでしょうか? そもそも、海外の裁判員制度は素人の国民でも裁判に参加させる事で 民意を判決に反映させる事が出来るという、公平原理の大儀名分からですが しかし内実は当局側の責任分担(責任逃れ)として作られた制度とも言えます。 翻って考えれば日本の様に死刑制度が有る国が 今までよくも無神経に、こんな司法制度を続けて来たものだと 再認識させられる作品でも有ります。 話は変わりますが電車内の痴漢被害は 「満員電車という、馬鹿馬鹿しい電車の乗り方を無くすだけで0に成る」とは思いませんか?? まあ、これも司法制度と同じく、効率重視の社会倫理の中では馬鹿げた方法だと 一笑に付されてしまうのでしょうけれど。[DVD(邦画)] 8点(2010-06-15 03:56:31)(良:3票) 《改行有》

25.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 良い作品ですね。 主人公のサリーはロシアから逃れた、元画家の偽札作りの名人で小悪党然とした男ですが 彼の特技は天性、人の本質を見抜く力が有り、それにより彼は生き延び様とする。 当時、写真はごく限られた上流階級にしか縁が無く、カメラ自体も超高価で 下層階級の人間は街で似顔絵を書く、似顔絵師という連中に似顔絵を描いて貰っていた。 つまり、そこまで考え抜いて、あえて危険を承知で伍長に 「絵を書いたのは私です」と、名乗り出る事で自分を特技を売り込んだ訳です。 目論見は図に当たり、単純な伍長はご満悦で自分の似顔絵を書かせ ウマイい具合にそこへ隊長まで通り掛かってお駄賃に食料を貰う事が出来た。 と、まあ、機を見るに敏と言いますか、実に抜け目の無い男なのです。 そんな男が移送先でバッタリと出会ったのが 以前贋札作りで逮捕された犯罪捜査局のヘルツォークと 共産主義者のブルガーという若者だった。 このヘルツォークも実はサリーと同じく、抜け目ない奴で たぶんサリーを知っていたからこそ ヒムラーにベルンハルト作戦(偽札作戦)を進言したのかも知れない。 実に食えない男です。 また、ブルガーはサリーと正反対な理想主義者です。 ある意味、死にたがっているとも言える程に現状に絶望している。 サリーが単純な小悪党に終らないのはその精神の根底に 「悪党に成り下がった現在の自分」と「ロシアで捨てたはずの理想や同胞意識をむき出しにした過去の自分」 の両方が有ったからでしょう。 彼が単なる小悪党ならブルガーをナチに売っています。 それをせずに極限状態の中で何度も危ない橋を渡りながら ブルガーや仲間達を庇ったのは、ブルガーの中に過去の自分を見たからであり 忘れ掛けていた同胞意識の目覚めと相まって、彼等を助ける事が目標に成った。 逆に言えばブルガー等を庇うサリーの立場をギリギリまで立てて 事を遂行しようとしたヘルツォークも、タダ者ではないと言えますね。 現に偽ポンド札の製作には大成功して、実際にトンでもない額が当時の市場に流れてしまいました。 サリーは戦後、マンマとヘルツォークから贋札を奪って逃げ失せますが 結局思い直して、カジノでわざと全部スッてしまう。この辺りはまあ、出来過ぎですな(笑) しかし、この手の映画の中では、実に小気味良く、しかしちゃんと内容有る作品に仕上がっています。[DVD(吹替)] 8点(2010-05-26 04:26:23)(良:1票) 《改行有》

26.  ワルキューレ 《ネタバレ》 この作戦の誤算は作戦参謀のシュタウフェンベルクが 戦略家では有ったけれども戦術家では無かった事でしょう。 シュタウフェンベルクは明らかに大局だけを見つつ、この綻びだらけのクーデター作戦を成就しようとしていた。 空白地帯と化している本拠ベルリンにおいて予備兵を総動員し、重要拠点を力ずくで押さえ込む。 あとは出たトコ勝負の時の勢いを借りて、強引に全てをひっくり返してまおう。 確かにその大局的視点においては非常に素晴らしいクーデター作戦でした。 もし、シュタウフェンベルクが少しでも局地的な観点から物事を見れる人間なら ヒトラーが死のうが生き様が、狼の巣から伸びる電話線を全て切ってしまったはずで それは1個小隊ほどの私兵が居れば可能だったはずです。 決行後は事の成否に関わらず、オルブリヒトが直ちに予備軍司令官フロムを拘束し、即時作戦の実行へ移る。 実行後、宣伝相のゲッべルスと宣伝省を真っ先に押さえたのちに 伝令部を制圧して情報統制を図り、その後SS本部、ゲシュタポなどを各個襲撃して行けばもしかするとこのクーデターは成功していたかも知れない。 特に通信兵大将のフェルギーベルに通信遮断を依頼する事自体が間違っています。 彼からは狼の巣から伸びる電話線の位置を聞き出せばあとは事が足りたはず。 また、ヒトラーは自分が反ナチス派から再三狙われている事は、以前から分かっていました。 いま味方としている側近の中にも自分のやり方に対し、迷いが有る事を見抜いていたのかも知れません。 そう考えるとヒトラーは反逆者を炙り出す為に ワザと彼等を泳がせてこのクーデターをを決行させる事で一挙に事態の収拾を図ったのではないか? 実はこの作品はそれも暗に匂わせた作りに成っています。 トレスコウが取りに行ったリキュールを「ココで飲みますか??」と、意味有り気に笑うブラント大佐。拳銃を卓上に出したまま、反逆者の事にも触れています。 別荘で新任の予備軍参謀長であるシュタウフェンベルクを呼び、ギロリと見据え「ワーグナーを知っているな」と、言うヒトラー 「生かす者と死すべき者を選び。。。」この辺りは相当にキワドイシーンです。。。 事実、このクーデター失敗以後は反体制派の大粛清が行われ、敗戦まで1度も暗殺計画は起こってません。 歴史的事実は事実として記録される以上に、深く暗く横たわっています。。。。[DVD(字幕)] 8点(2010-04-15 18:05:13)(良:1票) 《改行有》

27.  うる星やつら 完結篇 4以降の作品観てなかったんで最近借りて見ました。 原作を下敷きにして良く作ってあると思います。 何より声優さんがやはり最後と思うのでしょうかね。 他のシリーズより明らかにリキを入れて演技されてたのが印象的でした。 この作品を観ると「うる星」の原点が何処に有るのか良く分かります。 ココで止めてけば良かったんですが。。。 まあ、あの頃の人気を考えるとそうも行かなかったんでしょうけれど。 ともあれ漫画やTVシリーズ長く観てた人は1度観て損の無い作品なのでオマケで8点にします^^;[DVD(邦画)] 8点(2006-05-19 02:57:03)《改行有》

28.  砂の器 《ネタバレ》 いま観終わりました。素晴らしい作品ですね。 日本社会の暗部とでも言うのでしょうか。 この映画では「らい予防法」や日本におけるらい病患者の国家的な囲い込みについて何も描かれていません。 と、言うよりこの映画を作った製作者側が意図的に描かなかった。 1974年当時これを描けば即発禁に成ったでしょう。だからこういう手法を取ったと思われます、 明治以降この法律によってらい病が発覚した者は強制的に隔離所へ隔離され男性は強制断種(去勢) 女性はもし妊娠していた場合強制的に中絶させられました。 これは当時患者保護と国家保全の為の善意であるとされました。 また60年以上も前にハンセン病(らい病)特効薬(プロミン)が発見されて患者を隔離する必要すら無かったのに 日本政府はなんと平成8年(1996年)に到るまでまでこの「らい予防法」を撤廃しなかった。 それは明治以降行われてきた余りにも酷い隔離収容所の実体が戦後明るみに成るのを 厚生省を初めとした政府官僚が恐れたからです。 だから戦前からの患者がほぼ死に絶えてしまった1996年にやっと初めて実体が公に成った。 ですが明治期以降の酷い虐待が行われていた隔離所の具体的な実体については今となってはもう殆ど分かりません。 この映画に出て来る刑事や警察官は実に誠実で正義感に溢れています。 またらい病に苦しむ親子を助けた三木という警察官は非常に親切で面倒見が良い。 しかし裏を返せばこの警察官の善意により諸国を放浪していたらい病患者が囲い込まれ 強制的に惨い隔離所へ送り込まれたのです。 10歳の子供が自ら嘘を言い戸籍を消し生きている父親に会えなかったのはなぜか? 尋ねてきた警察官に別れて以来待ち望んでいた息子を知らないと言わざろえなかったのは何故か? それは戦後もらい予防法により患者の家族や親類に到るまで調べられもし発病の疑いが有れば 即隔離所へ送られていたからです。らい病の潜伏期間は長い人で数十年に及ぶので患者の家族や親類は回りの人間からはもちろんの事 当局による監視まで有ったそうです。 だから製作者側は殊更に正義の警察官を強調し警察官の行った善意で戦後体制を皮肉った。 映倫の許認可を出す人間はどういう気持ちでこの映画を見たのでしょう。 ともかくそれがこの映画におけるもう1つの真意でも有ります。 [DVD(吹替)] 8点(2006-04-19 23:52:50)(良:2票) 《改行有》

29.  田園に死す 《ネタバレ》 いま見終わりました。いつか見たいと思ってた映画だったですが。 私は小説の方はまったく読んでないんですが、この映画の本質はなんと言うんでしょうか 日本の山村には、古くから奇習や因習と共に外帯的に広がりの無さから  外から見ると相当おかしい倫理や常識が、実は今でも罷り通る地域が多数有ると聞いた事が有ります。 手塚治虫氏の著書に「奇子」という、近親相姦を題材にしたこの手の悪しき村社会を描いた漫画作品が有りますが つまり日本というのは戦後、外面だけは高度成長を果たし、小綺麗な町並みを手に入れたが 1皮剥けば寺山氏の描く魑魅魍魎が跋扈し、その歪を覆い隠しつつ履行する社会なのである。 と、そんな感じの風刺が数多く出てきます。まあ、それだけじゃ無いんですけどね。 また氏独特な田臭と言うんでしょうか。土臭い演出がより一層それを際立たせています。 その他、個性的な登場人物が多数出てきまして、その中でも一番印象に残ったのは 死神装束の噂婆さん達を、もっとも忌まわしく、象徴的に描いている事です。 実は彼女達こそ日本の古き因習の根源であり  しかしその一味でもある母を持つ寺山氏自身の弱点であり だがそこから遁れ様としても決して遁れられぬ宿命であり そしてこの映画唯一にして最大の矛盾点でも有る。こんな所でしょうか。 ラストで殺すはずだった母との食卓を現代の町並みと重ね合わせた事が 氏の苛立ちと葛藤を如実に表しています。 今と成ってはあの頃がそういう時代だったのか としか言えませんが ある意味、この作品も戦後史の1つなのかも知れません。 [DVD(邦画)] 8点(2006-04-12 21:23:34)《改行有》

30.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 チミノ映画の有る意味決定版ともいうべき作品です。 ただこの映画で一躍スターに踊り出たミッキーロークですが日本で起こした猫パンチ事件が。。。 (まあ、今から考えれば洒落と笑ってあげても良かったと思いますが某有名コメディアンの過剰反応にマスコミが乗ってしまいましたね^^;) さて、本編ですがこの映画はベトナム戦争以降、経済も治安もどん底でどうにも成らなかった アメリカの1時代を克明に描いています。 主人公はベトナム帰還兵のはみ出し刑事です。成績は優秀ですが犯人逮捕には手段を選ばない。 自分の周りに居る人間は手当たり次第に利用します。 チャイ二ーズマフィアの抗争が激化し彼にお鉢が回って来ると 事件現場で知り合ったテレビキャスターと強引にねんごろに成り彼女の家を捜査アジトにしたり 警察学校に通う新人を引き抜き潜入捜査させたりともう無茶苦茶です。 私生活では奥さんにキャスターとの浮気がバレて関係が最悪に成る。 その反動で主人公は事件に対し益々過激な捜査を行って行きます。 そしてマフィアの若きボスは報復として潜入捜査中の新人を殺し そして彼の奥さんをも殺します。 たまたま居合わせた彼の上司が走り去る犯人に向け発砲、犯人は脳味噌を飛び散らせて車ごと壁に激突して爆死しました。 しかし主人公は怒りに任せて炎上する車内へ突入しようとする。 驚いた上司は必死で止めました。 主人公「コイツに泥を吐かせるんだ!」 上司「よく見ろ!もう死んでるんだよ!死んでるんだ!」 我に返り髪を焦がしてその場にへたばる主人公、半泣きで彼を引っ張り出す上司。。。 このシーンが私は一番好きです。刹那的で破滅的な主人公を一番良く表した場面なので。 またこの役はやはりミッキーロークじゃないと出来ないなと感じたのも この場面が有ったからです。 主人公の上司はそういう彼をよく分かっていてその後必死で彼を諌めます。 だが彼は聞き入れません。刺し違える様にして若きマフィアのボスと対決して行く。 ともかくチミノの凄い所は見ている者グイグイと引き込んで行く感情の移入度でしょう。 主人公の行動と共に否応無く増して行く言い様の無い憎しみと刹那感。 そして際限の無い暴力の果てに待っている物は皮肉にもそれを利用し更に大きくなる巨悪だった。 チミノは本編の最期 そうやってあの頃のアメリカを締めくくっています。 [映画館(字幕)] 8点(2005-09-22 17:15:00)《改行有》

31.  ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 この映画って黒がぐっと締まってるとゆうか意図的にそうしてるのか知りませんが それが本当に独特の映像美を作り出してるんですよね。 今までのハリウッド映画に無い斬新で深みの有る切れる画像というのでしょうか ともかく出だしの戦闘ヘリが海岸線を編隊組んで飛んで行くシーンは圧巻で はっきり言ってこれ見るだけで7点ぐらいの点数に成るかも(チト甘いかな^^;) 話の筋とゆうか演出的な部分は極力省いた様な映画でして 要するにソマリア派兵で米軍がいかに酷い目に有ったかと言うお話で 相対する黒人ゲリラが粗末な武器で何人やられようとも蝗の様に少数の米軍を押し包み またブラックホ-クダウンの題名通り敵の真っ只中に墜落したヘリの米兵をまるで生贄にするかの如く ある種狂気に支配された。。。ウーン。。原始的な有り様というのでしょうか 狂信的な偶像崇拝の徒。。。そんな感じで米兵が次々血祭りに上げられます。 ともかく米軍は近代装備で少数精鋭主義とゆうのでしょうか。 一応役に立ってるんですがなにせ数に任せて攻めて来るゲリラが剽悍でまったく怯む事無く米軍を追い詰める。 この辺りは取らぬ狸で始めてしまった作戦の誤算と悲惨さがひしひしと感じられます。 またまるで劇中自分が戦っている兵士の1人に成ったかの様な不思議な感覚に襲われました。。。それぐらいリアリティーに拘った映画と言うんでしょうかね。 米軍が優勢に成るのは夜間の赤外線スコープを付けた時と 例の湾岸やイラク戦争でも活躍したとゆう30ミリ高速チェーンガンを搭載したアパッチヘリですか? あれで屋上に群がっているゲリラを掃射するシーンはスカッとすると同時にあーあー酷いなァと(笑) ともかくかなり近代戦の手法や効果とかも軍の協力で忠実に再現してる様な気がします。 その他、本部で身勝手な指示を出す指揮官には本当に怒りを覚えますし 市街地線の怖さとゆうか初めて実戦の前線に立った兵士の心理状態。。。 この辺がかなり上手く描かれています。 ただ1つチト気に成ったのが夜間戦闘のシーンで画面が真っ黒で何してるんだか分からない所が何箇所か有ってあれはチトいただけませんでしたが 戦争映画好きな人は見て損は無い1作です。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-01 02:49:48)《改行有》

32.  皇帝のいない八月 《ネタバレ》 この映画は多感な時に観たからでしょうか。相当印象に残っている映画で封切りの時に見てその後20年ぐらいした時にもう1度見ました。話は変わりますが私の年代ってシラケ世代とかって言葉で括られておりまして70年安保以後に青春時代(と言っても未だに実感は湧きませんが)を過ごし世の中に対して無関心で無気力なのがカッコ良いと言われてた時代でした。 この映画は一見右翼賛美の様に勘違いしますが 内容は極右思想に感化されクーデターにまで至る若い青年将校やそれに扇動されて行く兵士の狂気を描いています。 基本的に平和の尊さを~とゆうまあ、建前のみは従来の日本でよく作られる自虐戦争映画の手法を取っているかに見えますが ところがこの作品はそうじゃ無い。 それを覆すべく全編非常に刹那的に描かれていてしかも淡々とクーデターが進行して行く。 それがかなり怖かったですね。また吉永小百合が良かったです。女の情念を見事に演じていました。 またこの映画ではそれまで邦画では余り描かれて無かった政治的な謀略や 事後処理の悪しき裏工作などがもうこれでもかと言うぐらいにテンコ盛りに出て来ます。 反乱軍の首謀者である青年将校は特急桜(笑)を乗っ取り自分の意とする所を時々激しながらも陶々と乗客に語ります。 彼の言い分は確かに滑稽では有りますが 今と成っては作られた平和主義に浸りきった乗客達もかなり滑稽ですね。それを象徴的に描いている。 まあ、陳腐な手法や稚拙な演出なども確かに有りますが それまでの戦後の日本映画と言いますと文芸作品か戦争自虐作品しか作れなかった当時にあって これだけのメッセージ性を盛り込んだのはかなり画期的な事だったのではないかと思います。 また最後も非常に悲劇的で逆に当局のずるさと悪逆さを曝け出して 主人公達がそれにより昇華したかの様なラストでした。玉と砕けても全き瓦として。。。ですか。 いや、賛否有るかと思いますが私は嫌いでは無かったです。 少なくとも彼等は彼等自身で考えた理想を実現しようとして事を起こした。 それまでの旧軍酷悪に元付く自虐戦争映画と違うだけでこれだけ受ける印象が違うのかと思いました。 当時の不評もやはり時代が早すぎたとゆうかなんとゆうか。 作り方が偏屈だったからでしょうね。建前と本音の違う映画って事で。 ただ繰り返しますが私はこうゆう味付けは好きです(笑)[映画館(邦画)] 8点(2005-07-13 03:21:48)《改行有》

33.  機動警察パトレイバー 《ネタバレ》 2には書きましたがコッチには書いて無かったんで書きます。 この作品は結構原作を拾い集めたとゆうか良い意味で拡大解釈したと言うかそんな所が有る作品だと思います。2とはまったく対照的ですよね。正統派パトレイバーム-ビーとでも言いましょうか。 ともかく帆場って男は原作で数ぺージしか出て来ないんですがそれをよくココまで大きくしてキャスティング出来たと感心しました。 ただ1つ言えば他の方も書いてますが「帆場がなぜあそこまでの犯罪を自殺までして犯さなければ成らなかったのか?」って言う動機付けが全編通して見てもイマイチ見当たらないのです。 聖書になぞらえた謎解きが有りましたがあれだけでは全然弱い。 まあこれが10点付けれなかった理由でもあるのですが。 またこれも押井流なのですが「鳥」が所々で出て来ます。鳥は自由の象徴でありまた儚さの象徴でも有るのでしょう。そして主人公と重なり合うと言う事なのでしょうか。 主人公は絶対自我を持ったがゆえに社会から孤立しやがて壮大な犯罪を思い付く。 陳腐な非現実(現実)を大混乱に陥れる為 最後は自分を消し去る事で大犯罪を完結した。 ですが人間1人そこまで頑なに成れるものでしょうかね? 人生を否応無しに経て行けば色々アラが見えてしまうのが本当なんじゃないでしょうか? これは他者のみの事では無く自分の事もと言う意味ですが。 その部分がちと未消化のまま終わった所が惜しいと思いました。 [DVD(吹替)] 8点(2005-06-10 02:28:02)《改行有》

34.  東京ゴッドファーザーズ 《ネタバレ》 いま観終りました。いやー面白かったです。 確かに話は出来過ぎですが それは今監督も「百も承知でやってますから」 って言いそうなぐらい出来過ぎてました(笑) だからこれだけ面白かったとも言えますけどね。 基本的な話の筋は3人のホームレスが生まれたばかりの赤ん坊を拾う所から始まる笑いと涙の奇跡の物語ですが  その奇跡を取り除けば社会の底辺で生きる何の変哲も無いはみだし3人組の苦悩や 生きる事に対しての葛藤やそれぞれ過去などが様々な出来事を通して明らかに成って行きます。実際の所、こうゆう有る意味べたなコンセプトをココまで緻密に入念に描かれたアニメーションは今まで無かったのではないかと。そういう意味でも新鮮でしたね。 ストーリーはテンポ良く。小ネタは満載でクスグリ放題。 今氏が5年以上暖めてきたお話だけあって完成度はかなりのモノです。 声優もオカマの梅垣さんはもうキャラそのままですし 髭オヤジの江守さんも見事です。 更に女の子役の岡本綾がこれがまたかなり上手かったと思いました。 ともかく作画のクオリティー。声優陣のバイタリティー。そして脚本の面白さ。 近年の秀作だと思いました。1度見て損は無い作品です。[DVD(邦画)] 8点(2004-12-14 03:48:12)(良:2票) 《改行有》

35.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 いま見終わりました。素直に良い作品だと思います。 ただ他の人も書いていますが主人公は少し運が良過ぎですね。 それはともかくとしてこの手の映画は見続けるのが痛いです。 この映画もそうですが途中で吐き気を催すというか。。。 子供は見ない方が良いでしょう。 戦争と言う状況が進行し それが人種絶滅と重なった時にどうゆう過程を経て行くのか?それが克明に描かれています。 主人公は名の知られたピアニスト。家族と共に絶滅収容所に送られる寸前  友人に助けられて生き残ります。その後彼の同胞達は武装蜂起したりますが 彼は何とか生き残る道を選びます。 彼の友人が言います。「逃げ出すのは簡単だよ。しかしそれから生き延びるのは至難の技だ」と。 まさにその通りで彼は生き延びる為に様々な同胞達の善意に縋って 何が何でも生き延び様とします。何度も死に掛けますが それは信念などでは無く 死ぬ事への恐怖や人間の生存本能と言う物なのでしょうか。 ともかく彼の周りで味方が虫けらの様に殺されて行きます。 でも彼は戦いません。恐怖で震えながら割れたガラス越しからそれを見ている。 「無駄死にだ」とも言う。 有る意味卑怯とも取れる行動ですが 自分はどっちなのかと考えれば やはり彼の様に震えているだけでしょう。 つまり戦って死ぬのも人生なら 最後は敵であるナチス将校の哀れみや善意に縋って生き延びるのも人生だと思いました。 彼は敵である若い将校の前で堂々とピアノを弾きます。 悲しく激しく。そして若い将校も心を打たれて彼を助けてしまう。 やがてドイツは敗北します。若い将校はソ連軍に捕らえられ 彼もまた解放されたユダヤ人に「私は戦場でユダヤ人ピアニストを助けたんだ」 と命乞いをします。 この場面が戦争と人間(1個人)の関係を如実に表す場面でしょう。 素晴らしい着想だと思いました。 戦争はかくも愚かしいですが 私達の生きる現在でも適当な理由を付けて戦争を始めてしまう 愚かしい大国が現実に有る。過去に何も学ばずにです。 歴史は繰り返すしか無いのでしょうか?それを考えると少し鬱に成りますね。 そのぐらいリアリティーの有る映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2004-05-03 00:28:29)(良:2票) 《改行有》

36.  1984(1984) 《ネタバレ》 実はこれ結構自分の趣味な映画です^^; 暗い管理統制社会の恐怖と緊迫感が上手く描かれていて一服の清涼剤の様な恋愛との対比が見事でした。 ただ顔をねずみに齧らせる拷問とかは見る人によって不快感を催すと思いますが。。。前衛的な面は少ないですがやはり未来世紀ブラジルに強く影響を受けた作品です。8点(2004-02-01 02:05:01)《改行有》

37.  キャビン 《ネタバレ》 いま見終わりました。 基本B作ですが、色々と惜しい作品でも有ります。 私が一番違和感が有ったのは古き邪神の為の生贄システム??? の、バックボーン(成り立ち、経緯)が結局最後まで明らかにされず終いで終わった点です。 この部分が非常に気になりました。 僅かに「そうしなければ成らない動機」が曖昧に明かされているのみで 「キャビン」に格納されている伝説的な怪物(ゴ-スト、狼男、ゾンビ、その他色々)はどうやって作られたのか? 何故、彼等(システム側の人間)はあんなに楽しそうに人が殺されるのを見ているのか? その他、1つの手違いでシステムの全てが崩れ去るズサンなご都合主義 等々、見ている側には非常に違和感が有る。 但し、映画の筋立ては兎も角として 映画のコンセプトや演出、部分的なプロット(後半のキャビンの見せ方など)などはかなりイイ線言っていたと思いますし 特殊効果なども全く手を抜いて居ないので単純に残虐ホラー好きな人には 終盤が結構堪らない出来に仕上がっています。 特にエレベーターを効果的に使っていて、何となくあのカナダホラーの名作「キューブ」のオマージュっぽい所が私は好きですね。 ただ、繰り返しますが、基本的には残虐シーンをたくさん盛り込みたいが為 享楽主義、ご都合主義で作られた映画です。 まあ、見方によるでしょうが、こういう筋立てだと目先が変わりますので 余り違和感を感じないで見られる。。。。とも言えませんが(笑) それなりにカッチリと作られているとは思います。 もし、全体的なプロットがもっとカッチリ、しっかりと作られていていれば 8点でも低いぐらいの作品ですね。(まあでも、それを2時間にまとめるのは無理でしょうけど(笑)) 粗は多いですが、色々なホラー映画の要素を盛り込みつつ、ココまでの作品に仕上げて有るという点で 今回は限りなく6点に近い7点という事にします。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-14 19:18:13)《改行有》

38.  デイブレイカー 《ネタバレ》 いま観終りました。中々面白かったです。 ヴァンパイヤが人間に代わって支配する世界。 しかし、彼等は人間の血液無しには生きられず もし、血を飲まずに居れば理性を失い、非常に醜いサブサイダーという化け物に変異してしまう。 その為、ヴァンパイヤ達は人間を捕獲しては眠らせながら 巨大な吸血システムに組み込んで血液を生産し それを富裕層のヴァンパイヤを中心にして配給する。 しかし、よく考えると、ヴァンパイヤが忌み嫌って化け物扱いしているサブサイダーこそ 吸血鬼本来の強力な力を発揮出来るヴァンパイヤだという皮肉な側面も含まれていて 私はこの点をもし掘り下げてプロットとして盛り込まれていたら B級でもかなりの名作だったと思いました。 また、この映画には社会風刺も側面も有ると思います。 滑稽なのはヴァンパイヤのホームレスなども居て 「血を下さい」などとボードに書いて胸に下げて立っている。 つまり、人の生血(現金)を吸って生きるヴァンパイヤが、強欲と傲慢の象徴である新自由主義者であり 眠りながら血液(現金)を供給している人間達が、新自由主義に洗脳され、そのシステムへ強制的に取り込まれた哀れで従順な消費者。 そして貧しくて血(現金)の配給が受けられず、サブサイダーに変異寸前の下層階級が 新自由主義の負け組みである貧困層。 また、当然ですが血(現金)を全く飲めずに理性を失って変異したサブサイダーは ヴァンパイヤ(新自由主義者)に害を成す移民や異教徒の暴徒、反逆者であり ヴァンパイヤに捕獲されずに生き延びている人間たちは 新自由主義体制に反抗するレジスタンス と、いう感じでしょうか。 こういう色分けで見ると非常にシックリ来ますね。 それが作品を見ているうちに良く分かって来るので 途中からニヤニヤして見てしまいましたが この映画には他者を犠牲にして自分の欲望を満たそうとする米軍ソックリな兵士など そういう強者の傲慢(特にアメリカ社会的な)に対する強烈な社会風刺が含まれていて 実に小気味いいですね。 但し、最後の方で人間に戻った兵士の扱いに困って、あっさり殺してしまう所などはちょっと減点対象です。 そういう目の粗い所はちょっと見え隠れしますが、中々の意欲作で内容も私の好みだったので 今回は7点を献上します。 [DVD(吹替)] 7点(2011-11-27 21:51:58)《改行有》

39.  ザ・コーポレーション 先ほど観終わりました。良い作品だと思います。 しかし、基本的に社会ドキュメンタリーというよりは 特定のイデオロギーに元付く教化映画の様に思えて成りません。 昨今の企業、特に大企業は確かに傲慢です。酷いです。 しかし、それはこの映画で描かれている細かい具体的な事柄は兎も角 すでに世界中の多くの国民は認識していると思います。 この映画で描かれる主題を端的に言えば 「もはや市場原理、資本主義は腐り切って、人間に恩恵よりも、大きな害を及ぼす存在と成り果てている」 と、言う事です。 それは分っています。分っていてもどうする事も出来ないで居るのが今の社会なんです。 「明日から極悪な米メジャーの石油元売企業は全て解散せよ!!終わりだ!!」 と、言えばどうなるでしょうか?その翌日からライフライン(電気、水道、ガス)の全てが止まり、物流もストップし あっと言う間に世界は100年前に戻る事に成るでしょう。それを甘受出来ますか? この映画に出演している人々も、特定の企業の牛乳や洗剤なりは、或いは買わないのかも知れませんが 企業の作為や偽善で生み出した文明の果実を、全く齧らずに生活している訳ではないはずです。 つまり、もうそこで矛盾が生まれているし、極悪な特定の大企業を叩いたとしても、社会の本質は変わらないのです。 我々は文明の果実と言う甘い果物を、際限もなくばら撒いている列車に乗っている様なものです。 このままではいけないと思いつつも、100年前に暮らす人々から見れば 安楽で怠惰な甘い文明の果実をもはや、手放せないでいる。そのままで走っている。 つまり、この作品ではそういう部分の結論が出ていないのです。 「現代の資本主義が酷いのは分ったが、では資本主義に変わる新しい社会秩序とは何か?」 その新しい社会秩序なる物も現在の資本主義より もっと人々に大きな利益をもたらす存在に成り得ない限り、大多数を動かす事は難しいでしょう。 「人は利によって動く」何処の偉人も言わない言葉ですが、これが人間の本質を端的に表しています。 ですが、私はムーア氏(多分におこがましいですが)と同じく 無駄と分っていたとしても、自分の出来る範囲で 自分の信じる主義主張で、立ち上がろうと思っています。 それがいま必要な事だ、という事はこの映画を見て良く分かりました。[DVD(字幕)] 7点(2010-11-20 18:48:06)《改行有》

40.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 先ほど観終わりました。結構面白かったです。 ただ、ちょっとカタに嵌り過ぎているというか、原作が原作なので余り脱線も出来ないのでしょうけど 特に宇宙人の姿形などは、スピルバーグならではの もっと独特のギミックが有っても良かった様な気がします。 あと、主人公と家族は運が良過ぎると言うかなー 結局、家族全部が助かった辺りも(元妻の家族も含め) んー。。。。私はちょっと好きに成れませんでしたね。 今回は笑い無しの全編シリアスな展開で、そういう所もなんというか もっとあの宇宙人達がポカやらかすとか、地球人から見てアホ見たいな振る舞いをするとか そういう息を抜ける場所が欲しかったです。 モーとにかく、最初から最後まで悲惨で陰々滅々としていて、1つも良い事が無く 最後はエイリアンに仕返しするでも無く(まあ、ちょっとはしましたけどね)、微生物に勝手にやられて全滅してしまう。 なにもインデペンデンスデイ見たいに軽薄にしろと言っている訳ではなく もう少し、起承転結に含みを持たせた展開と結末が欲しかった気がします。 ただ、全体的な完成度はさすがに高い。なので7点にします。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-11 16:55:30)《改行有》

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