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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 681
性別 男性
年齢 58歳
自己紹介 点数基準
芸術点、技術点、俳優点、個人的感情移入度の4要素の比重で決めています。
芸術点とは、主に脚本、演出が映画の各要素、美術、音楽、などをどれだけ高次元でまとめ上げたか
技術点とは、撮影技術、特殊効果、音響効果など、技術的な部分のレベル、完成度。
俳優点とは、出演俳優の演技、存在感、作品とのマッチングなど。
個人的感情移入度とは、作品テーマや登場人物などが自分自身の価値観や好みに対してどの程度影響するか。
これらの比重を勘案して点数を出しています。
有る項目が0点に近くても、別の項目が突出して良ければ点数は上がります。
映画としての及第ラインは6点です。それ以下は落第点、マイナス評価です。

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21.  レッド・サン 《ネタバレ》 本作は日本側が企画段階から参加しているので、良くある欧米映画にある珍妙な日本描写はありません。 北米大陸を旅する日本全権一行の姿、立ち居振る舞い、着物や所作、ディティールに至るまで、我々日本人が時代劇で親しんでいるそのままが再現されています(勿論それが史実と合致するかは別問題ですが)。 しかしそうであるが故に、「日本文明」と「西欧文明」の大きな違いというものが鮮明に描写されているように感じます。 おそらく本作を鑑賞した米国人はじめ西欧の人々は、あけすけで、表情豊か、率直でわかりやすく、自分たちのカルチャーそのもののメンタリティを持つブロンソンやドロン達には素直に感情移入出来たと思います。 しかし全く異なるルーツを持つ日本人からすると、一見無愛想、無表情で何を考えているかわからないような、三船敏郎演じるサムライにもその、うちに秘めたほとばしるような感情、情念を感じることが出来ます。 そういう部分は欧米の鑑賞者に理解させるのは難しいのかもしれません。 本作は単なる東洋趣味の物珍しさばかりを追求したゲテモノ映画では無いのですが、本作が公開された1971年当時、そろそろ日本の経済力が米国で存在感を増し始めていた頃。 これを全く異なるルーツを持ちながらも、同じ「人間」としての共通点を見いだすきっかけとして鑑賞した人々がどれ程居るのだろうか、と考えてしまいます。 この後80年代に向かって日本は現在の中国の如く世界を経済で支配するが如く席巻していくわけですが、その端緒、西欧人の日本に向ける微妙、複雑な目線を感じさせる興味深い作品だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-09 13:18:33)《改行有》

22.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 本作の魅力はふたつあると思いました。ひとつは新しい次元に達したVFXの迫力。「クローバーフィールド」でも感じたのですが、これみよがしなCGでごり押しするのではなく、観客がスクリーンの向こう側にいるような錯覚を覚えるほどの"ライブ感"の演出がこの監督は非常にうまい。本作でも従来のCG臭い映像からまた新しい次元に脱皮したような、まるで2300年の未来世界がまさにそこにあって、映画クルーがその場でロケーションをしているような”空気感”、”スケール感”、”ライブ感”、その説得力は圧倒的なものがありました。これを劇場の大スクリーンで体感するだけでも価値があると思います。 もうひとつはオリジナルからのファンが本作を観てどう思うのか賛否両論なのではと想像しますが、カークとスポックそれぞれの生い立ちと出会い、そして友情が生まれるまでのドラマです。 今は亡き宇宙艦隊の優秀な艦長を父に持ち、溢れる才能と生きるエネルギーをもてあます若きカークと、バルカン人の父と地球人の母との間に生まれたスポック。特にスポックはその生い立ち、論理的思考一辺倒のバルカン人と感情・情緒に左右される地球人というふたつの性質を併せ持った自身の苦悩が丁寧に描かれます。 僕はスポックという人物がこのような複雑な生い立ちを持っているということを知らなかったので非常に新鮮でした。もともとのスタートレックの設定にあったものなのかどうかはわかりませんが、彼がそのようなふたつの血を受け継いだことで、スポックという人物に深みが増したように思います。演じるザカリー・クイントは大変好演したと思います。[映画館(吹替)] 8点(2010-12-09 13:16:47)《改行有》

23.  イントゥ・ザ・ワイルド 《ネタバレ》 彼は現代文明における価値観、その意味を、自分の剥き出しの魂でもう一度再確認したいという思いで旅に出たのだろうと思う。 しかしそれは彼に限らず若い頃に多くの人が通る道でもある。 たまたま彼が不幸にも遭難死してしまい、その足跡が手記に残されていたところから多くの人々にその存在を知られることになった。 「現代社会の価値観を否定と言いながら結局はその社会に甘えた身勝手な自分探しの旅」という批判も確かにある。 しかし僕はこんな生き方もあって良いと思う。 もし彼が遭難せずに生還したら、どうだっただろう。きっと彼はやがてこの世の中と折り合いを付け、彼なりの人生を歩んでいったのかもしれない。 この作品が高い評価を受け、原作がベストセラーになっているというのは、彼の生き方に自分を重ねたり、憧れを感じる人々が多いということなのではないだろうか。 かくいう自分も彼ほどの行動力も思慮も無いのだが、魂を揺さぶられるような感動を覚えた。[DVD(吹替)] 8点(2010-12-09 13:11:50)《改行有》

24.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 イーストウッドは本作で俳優業を引退すると語っていますが、それは非常に残念なことではあるけれども、しかし引退作としてはこれ以上ないほどの素晴らしい作品だったと思います。 本作は多民族国家米国の現実と、共生、戦争、赦し、戦うこと、生きること、死ぬこと、様々なテーマが重層的に描かれており、人々は作品のそこここに自分なりに琴線に触れる部分や共感する部分をみつけることになると思います。 それを80年近くの人生を生きてきたイーストウッドが暖かい目線で包み込んでいきます。 「荒野のガンマン」「ダーティハリー」と悪党を問答無用に鉛玉で倒してきたイーストウッドのキャラクターが、本作にいたって大きく成長し、新しい次元に到達したような感慨を憶えます。 彼の監督作品、特に「許されざる者」など90年代以降のものは、プロットだけ辿れば激しく荒々しいものなのですが、しかし実際の作品中に流れるのはとても穏やかで静かです。 そして彼の作品が独特なのは、多くのハリウッド欧米系作品が「生きること」を大きなテーマにしていることに対して「死ぬこと」「死に様」を要に持ってきているところだと思います。 本作の主人公ウォルトの「死に様」を、僕は大変羨ましく思いました。 ウォルトは自分なりの「義」を最期まで貫き通しました。たとてそれが不器用ではあってもそれが彼の人生だったのです。 ハリウッド作品にありがちなご都合主義や楽天的ラストを拒否しながらも鑑賞後に決して後味を悪くさせない、イーストウッドの作品。 スクリーンの向こうに生きる登場人物の、エンドロールのその先に続いていくであろう彼らの人生に思いを馳せたくなるのです。[映画館(字幕)] 9点(2010-12-09 13:09:01)(良:1票) 《改行有》

25.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 本作が高評価であった理由のひとつに舞台がインド、オールロケでスラムで生きる子供達の過酷な現実を鮮烈に描写していること、インドの暑さ、湿気、臭い、体臭、そんなものまで漂ってきそうな生々しさが非常に新鮮だったのだと思います。 連想するのが「シティ・オブ・ゴット」です。これはブラジルのスラム街でたくましく生きる子供達の生き様をオブラートにくるむことなくリアルに描いた作品でした。それのインド版というところでしょうか。 で、鑑賞前に非常に高い評価を知ってしまったのでどうしても期待が高くなってしまったのですが、結論から言うと、思ったほどではなかったかなというのが正直なところです。 基本的には社会の底辺にいた若者が自らの才覚と運命の導きによって一攫千金を得るという大筋に様々なドラマの枝葉がついているというのは、舞台がインドでなければならないとう必然性もそれ程感じません。 ただ、そんな特別新味のないストーリーでも、ダニー・ボイルの手で映像化されると此程までにスタイリッシュで、何処を切り取っても隙のない世界観が出来上がってしまうのは敬服するほか有りません。 本作は低予算ということで、ギャラの高いスターも出ていないしVFXや金のかかる派手なアクションも無いのですが、1カット1カットに非常に手間を掛け吟味に吟味を重ねて編集しているのがよくわかります。こういうところは最近好調な邦画と比べても、別次元のクオリティと言わざるを得ないと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2010-12-09 13:05:43)《改行有》

26.  おくりびと 《ネタバレ》 ひと言で言って多くの映画賞を受賞したということに充分納得できるものでした。 「納棺師」という人々に馴染みのないテーマを、誠実に、地味に埋もれることなく、かつ観客に媚びることなく、エンタテイメントとしてのツボはしっかり押さえた脚本、抑制された演出が光ります。 キャスティングも本木雅弘、広末涼子は言わずと知れたスターですが、脇を固める山崎努、余貴美子など実力派が大変良い味を出しています。 特に銭湯のおかみ吉行和子、常連客の笹野高史が本当に素晴らしい。 本作は脇役の存在感が非常に活かされた作品だったと思います。 それから、音楽は宮崎駿作品でお馴染みの久石譲。僕は彼の音楽は宮崎作品以外ではあまりに叙情的というか大袈裟に感じて好きになれなかったのですが、本作ではチェロの旋律がピッタリとはまっています。 大部分の人は、普段死、自分の人生の終わりを意識してなど生活しないでしょう。 しかし生きとし生けるもの、必ず平等に訪れるのが死というもの。 人生の終わりは人それぞれ。多くの人に看取られる最期が有れば、腐乱するまで誰にも見つからない寂しい最期もある。 遠くない将来に訪れる両親との別れ、そしていつかくる自分のこの世との別れ。色々と考えさせられる作品でした。[映画館(邦画)] 9点(2010-12-09 13:02:24)《改行有》

27.  ハプニング 《ネタバレ》 ある日突然人々が集団自殺を始めてしまう冒頭は戦慄を感じるが、その後の展開の妙な「間」(シャマラン節ともいえるが)と、今ひとつ説得力に欠ける主人公達の行動に疑問符が大きくなっていく。主人公だけでなく、登場する人々が何か皆言動がおかしくぎこちない。これはわざと「外して」不安感を煽ろうとしているのか、そもそも脚本が悪いのか考えてしまう。 また、人々を自殺に追いやった原因が植物による防衛本能であるということがわかっているのにわざわざ野原を選んで逃げてしまうのもよくわからない。 まあそれでもこういう作品はオチさえ意表を突きさえすれば評価も上がるのだが、「ええっ、もう終わり?」とひとりで観ていて声に出してしまったほどあっけない。 一体シャマランはどうしてしまったのか。マーク・ウォルバーグなどの一線級の俳優も出演しているが、彼には気の毒に思えるほど限りなくB級な作品。 今作もかなりの低予算を感じさせるのだが、この出来では・・・今後資金を出すスタジオが現れるか心配になってしまう。[DVD(吹替)] 4点(2010-12-09 13:00:59)《改行有》

28.  イーグル・アイ 《ネタバレ》 現代はユビキダス社会などと言われているが、その行き着く先を暗示させるような内容。 着眼点はなかなか面白いと思うのだが、いかんせん時代設定を今現在に持ってきたので無理がある。 いくら監視カメラから自動車からインフラからあらゆる機器がネットワークで繋がっているとはいえ、目的のためにタイミング良くそれらを自由自在に操ってしまうのはフィクションとはいえ現実感を失わせる。 また、FBI捜査官に性格俳優ビリー・ボブ・ソーントンも出演しているがちょっともったいない。[DVD(吹替)] 6点(2010-12-09 12:59:43)《改行有》

29.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 予告編からも話題になっていたが血みどろのアクションシーンは興行に気を遣ったハリウッド的なオブラートは一切無く、これが戦場の現実なのだと言いたいのか、銃弾に引き裂かれた人間が風船か豆腐のように画面一杯に肉片血しぶき飛び散る描写が延々と続く。 現実はもっと悲惨なのだろうが、ここまで徹底的な描写をするのは、悪趣味というよりはある意味潔いとさえ思える。この描き方に嫌悪するか、人が死ぬとはこういうことなのだと認識するか、人によってまた評価の分かれるところだろう。 しかし実のところミャンマー軍事政権という叩きやすい実在の国を悪役を仕立て上げ(これがハリウッドが昔からやる独善的で無神経なところだ)、ランボーがかいま見せる暖かい人間性や一見反戦とも取れる描写を言い訳にしつつ、本音の所は派手な戦争アクションをやりたかっただけなのではと思われてしまうところがこのシリーズの限界を感じる部分である。[DVD(吹替)] 4点(2010-12-09 12:57:16)《改行有》

30.  ハンコック 《ネタバレ》 どこかで見たプロットだと思ったらピクサーの「Mr.インクレディブル」そのものだった。米国民が大好きなスーパーヒーローももはや単純な勧善懲悪で描くことは出来なくなったということなのだろう。しかしそんな主人公の心情もなんとなく薄っぺらい。また途中から彼をなきものにしようとする謎の組織(説明不足で意味不明)、大昔からの同種族であるというスーパーウーマンな女性があらわれて、これまたどこかで見た話だと思ったらそのまま「ハイランダー」ではないか。またあちこちのシーンに往年のSF映画のリスペクトと思われる箇所も散見されるがなんだかなあ。 続編に期待を持たせる中途半端な終わり方ももの悲しい。W・スミスももう少し作品選びを慎重にすべきだと思うのであった。[DVD(吹替)] 5点(2010-12-09 12:55:45)《改行有》

31.  告発のとき 《ネタバレ》 最初は軍上層部の暗部やもっと大きな政治的組織的矛盾を告発するような内容かと思ったのだが、一兵士、戦場に送り込まれるひとりの若者が戦場の狂気に飲み込まれ異常な結末を迎えてしまうというある意味パーソナルな内容であった。語り口は淡々としていてセンチメンタルに流れず、トミー・リー・ジョーンズの” オヤジ”らしい無骨な人間造形は国や人種を越え琴線に触れるところがあるのではないだろうか。とても素晴らしい。またハギスならではのしっかりした構成力には感心せざるを得ない。 しかしその状況がいかに理不尽で人間性を失わせてしまうということと、戦争の非人間性を告発するという意味に於いて説得力を持ったとしても、それがアメリカ兵であるという時点でどうしても、軍事国家ジャイアン米国の独善的な自惚れと見られてしまうのが悲しいところ。イラク戦争の大儀が大きく疑われる昨今に於いては尚更である。[DVD(吹替)] 7点(2010-12-09 12:53:58)(良:1票) 《改行有》

32.  クライマーズ・ハイ(2008) タイトルの「クライマーズ・ハイ」という言葉が、日航機墜落という異常事態でデスクを任された主人公の心情とリンクしているということなのだろうが、おそらく原作で言わんとしていることがかなり端折られている印象なのでなかなか伝わらないこと、前後編にわかれてじっくり描かれたTVドラマ版に比べると残念ながら力不足が否めない。主演の堤真一はどうしても鈴木オートのオヤジの印象があり、また演技もさして変化が感じられず残念。 とはいえどういう形であれ組織に属して働いた人間であれば主人公悠木だけでなく、彼の同僚や部下、対立する他部署、上司、など誰かしらに感情移入することができると思う。そういった組織内の人間模様が実に鮮やかに描かれていてこの部分は秀逸だと思う。元サラリーマンだが今はひとり自営の自分から観ると、時には怒鳴りあい殴り合いをするほどに情熱をぶつけ合える職場にはある種嫉妬に近いほどの感情を覚える。[DVD(邦画)] 7点(2010-12-09 12:52:02)《改行有》

33.  インセプション 《ネタバレ》 夢の世界が何層にも別れていて夢の中の夢と深くなるにつれて非現実的で体感時間が長くなるというアイデアは面白い。その層を上下しながら進む物語はコブ自身の妻との葛藤も絡んでいて一筋縄ではない。 コブがつくったという3層目のビルが乱立する世界は自分の夢に見た世界と似ていてゾッとさせられた。 ただ、それ以外の部分は少し物足りなさが残った。折角の非現実世界なのにハリウッドお得意の銃撃戦ばかりでは芸がない。もっと不条理で想像力を刺激されるようなアイデアやビジュアルが欲しかった。確かに街が裏返ったり突然列車が現れたりなど驚かせるところはあるが。。。欧州出身監督でリメイクされたらだったらもっと違った風味の作品に仕上がるかも。ジャン=ピエール・ジュネあたりが監督したら非常に面白い作品になるかも知れない・・・。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-08 02:07:47)《改行有》

34.  月に囚われた男 ストーリーなど詳細を全く知らないまま鑑賞したのだが、それも奏功したか非常に面白かった。 ハヤカワSF文庫の良質なSF短編を読んでいるような興奮と充実感を味わえる。 全体としては低予算で、CG全盛の昨今ミニチュア特撮もうまく利用した月面シーンや、出演者も実質サム・ロックウェルひとりだけという制約された条件なのに脚本・演出次第でここまで面白くなるのかという見事な例だと思う。 このような作品を鑑賞していつもおもうのだが、予算の制約が大きい邦画界もこういう良品を見習って欲しい。プロダクション、TV局や広告代理店主導の売らんかなマーケティングの安っぽい「○○ザ・ムービー」のようなものよりも、工夫とアイデアを凝らした本作のような小品に活路があると思うのだが。[DVD(吹替)] 8点(2010-12-08 02:04:09)(良:2票) 《改行有》

35.  SPACE BATTLESHIP ヤマト 《ネタバレ》 期待したほど心を動かされませんでした。オリジナルでは古代や森雪以外にも沖田、島、真田、相原、徳川、それぞれの生い立ちやエピソードが丁寧に盛り込まれていて、滅亡の淵にある地球に家族や様々な想い出を残して宇宙の果てまで来ているという、切実な気持ちが伝わって物語に厚みが増したし、感情移入することが出来ました。ところが本作は2時間という時間的な縛りがあるにせよ、そのあたりの人間模様が「地球との最後の通信」シーンでさらっと触れられる程度でいかにも弱い。輪をかけて乗組員達に人類の命運を背負っているという切迫感や緊張感が感じられないので何か嘘くさく見えるんです。この部分の描き方が浅いと、ガミラスとの死闘で次々失われていく乗組員達の命がとても軽く見えてしまう。原因は多分に演出脚本の力不足であると思いますが、出演者が皆平和な時代に育ったために醸し出される体躯の貧弱さや所作のためかもしれません。 邦画が挑んだ本格的SFアドベンチャーとしては良くも悪くも力を出し切った作品なのだろうと思いますし、邦画もここまで来たかと思うと同時に世界との差を痛感せ ざるを得ない部分も多々ありました。映画は総合芸術なので、何処かが欠けてもアンバランスな作品 となってしまいます。特にSF作品ではそのハードルが高いと思います。嘘の世界をホンモノのように見せるのはかなりの力量が必要なのです。[映画館(邦画)] 6点(2010-12-08 01:53:32)(良:3票) 《改行有》

36.  フライボーイズ トニー・ビル監督の経歴をみたら、「スティング」で製作をつとめていた。 「スティング」を監督したジョージ・ロイ・ヒルといえば飛行機映画の名作「華麗なるヒコーキ野郎」がある。時代設定もほぼ同じ。当然意識していたはず。 ヒルはパイロット出身だったが、ビルも同じくパイロットで複葉機マニアだというだけあって、レプリカで実機を作ってしまうほどメカニカルな面のこだわりはすごい。 しかし本作の一番の売りである複葉機同士の空中戦などではCG頼みになり、カメラワークがダイナミックであるほど「CG臭」が漂って微妙に安っぽさを醸し出してしまう。このあたりは「華麗なる~」での美しい空撮映像には逆にかなわないという皮肉な結果になっている。 ストーリーはいままでの娯楽映画、青春映画に使われてきたどこか既視感のあるシチュエーションが幕の内弁当のよろしくてんこ盛りで、スタジオ関係者はそろばんはじきやすいだろうが、目新しさはない。 まあ監督が本当にやりたかったのは複葉機が宙を舞う空中戦であり、その他の要素は添え物なのかもしれないのだが、上記のように肝心の航空アクションが微妙になってしまったため、飛行機マニアにもドラマを観に来た客にも中途半端な印象を残す作品となってしまった。[DVD(字幕)] 6点(2008-04-08 19:18:40)《改行有》

37.  クローバーフィールド/HAKAISHA 得体の知れない何かが突然平凡な日常を破壊し、平和な世界が一転地獄絵図と化す。視点はあくまでも主観から外れないので、主人公と一緒になって訳のわからないまま逃げまどうことになる。情報が著しく制限された中で体験する恐怖。僕はリアルな悪夢をよく観るのですが、この作品の世界観がまさに悪夢の再現そのもので、「鑑賞する」というよりは「体験する」映画という新しいジャンルを成功させたエポックな作品だと思います。背景には911同時多発テロをはじめとする報道映像の氾濫があるのではないでしょうか。映画とは完璧に制御されたキャメラ(神の視点)の向こうにだけあるもの、という従来の映画のセオリーを打ち破ったもので、これは1999年の「ブレアウィッチ~」のアプローチの仕方と似てはいますが、本作は遙かに成功した作品といえると思います。[映画館(字幕)] 10点(2008-04-07 09:28:22)

38.  キサラギ 《ネタバレ》 やたらに評判が良いので観てみた。 たった一室で繰り広げられる物語という難しいシチュエーションにもかかわらず非常に脚本が練られており、役者の演技も生き生きとしてテンポも良く、一気に最後まで観ることが出来た。密室劇故映像的なダイナミズムには欠けるものの、乏しい予算でハリウッド的大作の後追いをするよりも潔い。邦画関係者の皆さんはホンがどれだけ大事かということを本作を観てあらためて再認識されたことだと思う。[DVD(邦画)] 7点(2008-03-17 14:43:51)《改行有》

39.  インベージョン 《ネタバレ》 うん、どこかで見たテーマだ。ジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』、2度映画化された「ボディスナッチャー」のリメイクであるらしい。オリジナルは未見。 主人公キャロルを演じるN・キッドマンは、一緒に借りた映画「ブレイブワン」の主人公エリカと同じくひとり危機に立ち向かう大人の女性。年齢は若干ジョディ・フォスターが上だが、こういう40代の女性が活躍できるテーマが成立するハリウッド映画は邦画よりも大人と言うことか。もし邦画で同じテーマを扱うとしたらひよっこアイドルの20代女優を使うだろう。 フォスターと比べてしまったが、キッドマンは人形のような美しさに助けられてはいるものの、フォスターほどの生々しさはない。熱演ではあるが、どこか醒めた空気が漂うのは気のせいか、もしかしたら彼女が本作に乗り気では無かったのだろうか。(メイキングで「監督は情熱的だけどデリカシーがないって言ってたっけ (笑)) ダニエル・クレイグも小粒な本作にはちょっともったいないかもしれない。 物語は「ヒドゥン」や「ゾンビ」的な要素もあるが、エイリアンに乗っ取られてはいても無表情になるだけで余りインパクトがない。原作が古いというのもあるが、もはやこういうテーマは飽きられており、随所に今日的要素を入れ込もうとはしているが無理矢理感が漂う。[DVD(吹替)] 5点(2008-03-17 14:33:36)(良:1票) 《改行有》

40.  ブレイブ ワン 《ネタバレ》 過酷な運命に翻弄され苦悩しながらも危機を力強く乗り越えていく、という女性を彼女は良く演じるが、そういう役柄は本当にはまり役だと思う。 彼女は笑顔よりも苦悩する表情の方が美しい。 最愛の婚約者を殺され、警察も頼りにならないと悟った彼女が違法に銃を手に入れ、夜な夜な処刑人として無法者達に制裁を加えていく心情の変化が非常に丁寧に脚本に織り込まれており、ジョディ・フォスターの演技力にも助けられ最後まで一気に鑑賞できた。 しかし、あとで振り返ってみればわだかまりが残るのも事実。心情的には理解できても違法な行為である彼女の行動を正当化し、美しく際だたせるためには、悪党を単純化して記号化してしまわなければならないが、引き替えに作品の世界観、奥行きが失われる。この種の作品の限界だろうか。[DVD(吹替)] 7点(2008-03-17 14:28:49)《改行有》

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