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コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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21.  原爆の子 《ネタバレ》 原爆は日本人全体の奥深いところに傷を付けたのだと思います。この映画は原爆によって直接もたらされた悲劇ではなく、終戦後も続いてゆく悲劇を描いています。親を失った子供、後遺症によって命を奪われようとしている子供、生活の全てが破壊され、何もかも失い、僅かな希望だけを頼りに生きる老人。原爆によって破壊された広島の街は、現実にフィルムに焼付けられた廃墟と瓦礫と、そして復興の兆しを見せる世界。悲劇に対比するように、原爆とは無関係な世界を生きているような人々の姿も焼付けられてゆきます。しかし、目を背けてもその傷が消える事はありません。この映画が撮影された終戦7年後と違い、今は61年もの歳月が経過し、その傷は消え去ったようにも見えますが、実のところ永遠に消える事はないのだと思います。その悲劇の上に今の生活が成り立っているということ、それを忘れる事で悲劇は繰り返されることを、この映画は力強く示しています。飛行機の音に不安げに空を見上げるラストシーンは、その不安が的中しなかった訳ではなく、今もまだずっと続いているものなのですね。[DVD(邦画)] 8点(2006-08-15 00:41:34)(良:2票)

22.  山の音 《ネタバレ》 えええ?それで終わり?みたいな。しょーもない男をしょーもないままに放置して終わってしまう物語に、カタルシスなーし!ってそういう映画じゃないのは判ってはいるんですけど・・・。どうも物語全体がネチネチしていてトゲトゲしていて、見ていてイライラしてしまいます。エゴ剥き出しの世界の中で、じっと原節子だけが耐えている図、っていうのが昼メロを見ているような感じ。そう感じたのが実のところ術中にハマっているのかもしれませんが、こういう映画は苦手です。とーちゃんが息子をキチンと戒めるシーンさえあればなぁ・・・。[DVD(邦画)] 5点(2006-08-10 01:09:20)

23.  めし 《ネタバレ》 これまで小津作品ばっかり見てたので、カリカリしていて爆発しそうな原節子、っていうのにドキドキ。なんでもにこにことやり過ごしてしまうイメージがありましたからね。「めし」、つまりご飯を摂る事って、生きてる限り、毎日毎日、日常の中で必ず必要な作業なのですが、当たり前にそれが出てくるのを待っている立場と、それを用意することを日々の仕事としてこなしてゆかなければならない立場とでは、捉え方が全然違うんですよね。ただ出てくるのを待ってる方は、その作業が実は結構な重荷だなんて考えてもいない人が多いのかも。出てくるのが当然で、感謝しなければならない理由もない、なんて。誰からも感謝されず、世間に取り残され、日常の中に埋没するって状態が不安で、だけど、夫婦が夫婦としてひとつである事で、家と外との繋がりが生まれて、そこに幸せも生まれるんだよ・・・ってのはさすがに今の時代にはちょっと考え方が古くなってるワケで、今はもっと価値観は多様化してます。今となっては幸せのひとつのカタチ。でも、戦後6年のこの時代には、ゆき過ぎた自由思想に対する歯止めも必要だったのでしょうね。奔放な姪の存在が、それを表しています。なんだかんだ言っても夫婦って結局は他人同士だった二人がなんとか上手く一緒に暮らしてくモンなんだよ、ってくらいの受け止め方でいいのかな。それにしても画面にネコを出されてしまうと、こちらの意識が全部ネコに行っちゃうので困りものです。原節子と家を結びつける象徴的存在ではありましたが。[DVD(邦画)] 7点(2006-08-08 00:48:45)

24.  早春(1956) 他の小津作品と違って、登場人物ひとりひとりの繋がりが希薄で、それぞれが個として孤立していて、お互いの摩擦の中で生きているような感じがしました。愛で繋がっている、というような夢物語はなくて、打算的なものの中から価値を見出してゆくような、結構厳しい物語。ちょいとした笑いもありますが、ひとつひとつが重たい映画でした。達観した世代、そこに近付きつつある、行く末が見え始めている世代、そしてこれからまだまだ未来が見えない世代、未来が閉ざされてしまった人。先人達や周囲から距離を置きながら学び、あくまで個として自分を見つめてゆく。それを描く視点は至極客観的で冷静。不倫はいけないと、みんなが金魚に人の道を糾そうとした事に対しても、それが嫉妬心から来る、褒められたものではない行為だとハッキリ言わせてますしね。正直なところ、見ていて息が詰まりそうな苦しい映画ではありました。そんな中、これまで見てきた小津作品の中にあって、トラックの荷台から捉えたショットのスピード感とコミカルさは、ちょっと意外でした。[DVD(邦画)] 6点(2006-07-20 00:55:06)(良:2票)

25.  空の大怪獣ラドン 《ネタバレ》 畳の似合うウゴウゴしたメガヌロンの愛らしいこと。昔は恐かったんですけどね。だけど、今見ると結構退屈。前半の殺人事件から炭坑内の探索、メガヌロン登場あたりまではワクワクするんですけど、メガヌロンを追うあたりからなんだか状況を描くばかりになってきて、物語を引っ張ってゆくキャラクターが不在の状態になっちゃう。ラドン登場以降はドラマが全くなくなって伏線放り投げっ放し。怪獣描写によってドラマが停滞するっていうのは怪獣映画の定番弱点ではありますが、それにしても炭坑の人々や警察から視点がラドンに移ってそのまま終わっちゃう、っていうのはなんだか釈然としません。ラドン、キャラ的に弱いですしね(その後はいっつも脇役)。だけど風によって破壊されてゆく街のミニチュアワークは本当に見事。ああいう、細部まで作りこまれたミニチュアは匠の世界ですね。それを見せるテクニックもいいですし。最近の日本の特撮映画は作り込みが弱いせいか、CGを使ってもマッチングが難しいせいか、地面をきっちり捉えてる映像が少なくて、地に足の着いてない、腰の据わってない特撮が多かったりしますが、地べたからきっちり捉えた特撮映像、ってのがやっぱり気持ちいいと思います。[DVD(邦画)] 6点(2006-07-17 22:03:23)

26.  彼岸花 《ネタバレ》 「親の心、子知らず」「親はなくとも子は育つ」そんな映画。自分の意思とは別のところで大人となり巣立ってゆく娘への複雑な想いを、情感とユーモアを交えて描いてゆきます。佐分利信が頑固親父でありながら、気が付けば周囲の女性達に振り回されっ放しなのが可笑しくもあり、哀しくもあり。祇園の母娘なんぞ、耳に心地良い関西弁で最高ですなぁ。さて、小津作品で毎回反復される「画面奥に切り取られた空間を横移動する人」「椅子のある空間、ない空間」が今回も当然の事ながら登場するのですが、も、もしかしてそれって結構深い意味があるのでは?なんて今になって気付き始めたり。「画面奥に~」は家に対する外側、つまり社会の象徴、「椅子」は畳の床続きの状態が、人と共有される事で家族を象徴する空間なのに対して、一人で腰掛ける状態である事で個人を象徴してるとか? うう~ん。漫然と映画を見ていないで、もっとアタマ使って見ないとあきまへんなぁ。それはともかくとして、この映画は時代と共に変わりゆく意識を描いておりますが、今は逆にこの頃の意識に立ち返る必要も出てきているんじゃない?という世の中でして、個人主義も行き過ぎると大切なものまで失いかねないのではないかなぁ、と同窓会の面々の表情を見ながら思うのでありました。[DVD(邦画)] 8点(2006-07-11 01:17:15)

27.  お早よう 《ネタバレ》 ご近所付き合いの煩わしさを描く、軽快で楽しい作品でした。土手っぺり、高圧線鉄塔の下、同じデザインの平屋が並んだ空間(この時点でここに住む人々の生活水準が決して高くはないのが判ります)で繰り広げられるご近所バトルは、個性的な面々のやりとりによって大いに笑いを誘います。挨拶、無駄話が円滑に人間関係を保つためのコミュニケーションの手段、っていう映画なのですが、おならすらもそのひとつとして扱われているのが可笑しくて仕方ありません。杉村春子のハイパー毒舌に負けてないどころか一枚上手なおばあちゃんの超サイヤ毒舌最高。ピッと高音のおならをする「アイラブユー!」の弟最高。お腹の中じゃお互い何考えてるか判らないけれど、とりあえず挨拶ちゃんとしてれば世の中生きやすいのよ、という小津監督のシニカルな正論がカラリ清々しい映画にしています。さんざん意味のない会話の意味を描いておいて、最後に佐田啓二が久我美子にお天気の話題を始めるものだから大笑い。これまで見た小津作品の中では、これがいちばん好きかも。馬鹿馬鹿しい部分が多くて。[DVD(邦画)] 9点(2006-07-09 00:22:49)(良:2票)

28.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》 早くものちの怪獣映画が抱える様々な問題点をいっぱい露呈してしまった、いわば怪獣プロレスものの原点と言えるかも。始めに怪獣ありきな設定は無茶なドラマ展開を生み、荒唐無稽さとシリアスさの不調和は苦笑を生み、怪獣同士がドタバタとプロレスを始めると同時に人間のドラマはパタッと停止し、怪獣にケリを付けるのとドラマにケリを付けるのとどっち付かずでどちらも中途半端になるという。怪獣と人間とをひとつの物語の中に調和させる事がいかに困難か(というか無茶な事なのか)が、2作目でハッキリしてしまい、以降の怪獣映画はずーっとその水と油の如き関係から抜け出せないままに続いてきている気がします。この映画自体の欠点としては、やっぱり前作にあった戦争の影を一切排除して、ゴジラというキャラクターのみを切り取った続編になっているところでしょう。ただ出てくるだけで、ゴジラなーんにも背負ってませんからねぇ。あと志村喬がなんのために出てきたのか意味不明だったり、一体誰が撮ったのよ?みたいなショット満載な前作の映像を記録フィルム扱いしたり、登場人物の行動に意味のないところが多かったり、ゴジラが首が長くてひょろんとしていてガッパみたいだったり(ガッパの方が後ですが)。通常は高速度撮影で重量感を出す怪獣映画の特撮シーンが、この映画では逆にコマ落としになっていてコメディか?みたいな可笑しさがあるのは意図しての事なのでしょうか? ゴジラとこってり戦ったハズのアンギラスの出番が、チャチャチャッと片付いてしまったような感じでアンギラス可哀想・・・。[DVD(邦画)] 4点(2006-07-08 23:46:07)(良:1票)

29.  お茶漬の味 《ネタバレ》 育った環境も価値観も違う他人同士が一緒に暮らす、夫婦というものをコミカルに描いた映画でした。この映画の場合、見合い結婚によって夫婦となったがゆえに、愛情もきちんと育っていないように思えますが、たとえ恋愛結婚であっても時を経ればお互いの欠点や相容れない価値観に倦怠感を覚えるもの。そんな夫婦の冷めた関係に、ストレートに夫婦ってこの程度のもので結ばれていれば十分でしょ?と答えを投げかけてきます。これまでに見た小津作品と違って、家族がその関係を維持できなくなってゆく物語ではなくて、なんとなく未来に向って関係を築いてゆく、って物語。その違いはやはり血の繋がりの有無なのでしょう。夫婦には子供もおらず、血縁の絆と言えば、勝手気ままな姉妹や姪っ子の存在ばかり。でも、血縁に縛られたところから一歩抜け出して、新しい絆を作ってゆきましょう、と捉えると、これまでに見た小津監督に感じたシニカルな家族感と共通しているとも言えます。もっとも、この映画の楽しさ、良さは佐分利信のような心の広さがあればこそ、ですけどね。近頃の若い人達は、どうも自分の価値観をキャンキャンと犬が吠えるが如く押し付けあってるようなところが感じられていけないねぇ。とワザとじじぃ臭い事を書いてみる、と。[DVD(邦画)] 8点(2006-07-08 15:48:34)

30.  東京暮色 《ネタバレ》 「東急東横店、今と変わってない!全線座懐かし~!大崎広小路が田舎っぽい!」と地元近辺の昔が出てきてワクワクしたりしましたが、映画は重いですよ・・・。しかしね、ヘンな映画だと思ったんです。この映画、誰が主役なの?って。おなじみの笠智衆と原節子の二人はそんなに出番がなくて、出ていった妻の生活を結構長く捉えていたり、主役なのかな?と思われた、いちばん出番の長い明子が途中で死んでしまったり。最後まで見終わって、初めて気付きました。あ、これは家族(と言うか、かつて家族を形成していた人達)単位で主役なのね、と。小津監督の作品は毎回壊れてゆく家族の姿を捉えていますが、今回は既にかなり壊れていて、そこからの再生ではなくて、更に壊れてゆくという。家族という1つの塊を構成しているのが、実のところバラバラな個人の集合体でしかなくて、それぞれが理解や信頼とは遠いところで生き、そして繋がりが絶たれてゆく。家族がじんわりと死んでゆく様を見せられるようで、どうも小津監督作品に私は毎回無常感ばかりを抱いてしまいます。人の優しさや素晴らしさよりも、人のエゴ、醜さ、弱さばかりを小津作品から感じている私は、なんか根本的に間違ってるんでしょうか? それにしても姉妹の相手の男はどちらもペランペランのしょーもない男で、思いっきりケツ蹴っ飛ばしてやりたくなりましたわ。[DVD(邦画)] 7点(2006-07-07 22:32:26)

31.  東京物語 《ネタバレ》 立て続けに小津作品を見て思ったのは、小津監督ってシニカルな厭世主義者だったのかもしれない、ということ。いつも家族を描いていながら「家族っていいね」っていう物語ではなくて、家族なんて壊れてくモノなんだよ、アテにならないモノなんだよ、時間ってヤツは残酷なモンなんだよ、っていうシビアな展開ばっかり。この映画では、父母の存在を疎んじて押し付け合う、モロにイヤな家族の存在が描かれて、なんとも両親が可哀想になってきます。むしろ他人の方がよっぽどアテになる状態。だけど、両親は自分の子ではない紀子に感謝していたけれど、紀子ってそんなに重要な位置にいなかった感じがして、むしろ尾道で一人両親を支えていた京子の存在が本来は重要だったんじゃない? なのに子供達よりずっと紀子の方がアテになるみたいな事を言っちゃったら、京子の立場ってどうなのよ?と現在京子と同じ立場にいる私は思ってしまうのでした。その事もあり、トゲトゲした部分の多い映画でもあり、なのでちょっと他の作品に比べると好きになれませんでした。[DVD(邦画)] 7点(2006-07-07 01:22:24)(良:3票)

32.  麦秋(1951) 《ネタバレ》 すいません、下世話なレビューになります。まずビックリしちゃったのが、この前に見た「晩春」では原節子と笠智衆が親子だったのに、この映画では兄妹だって事。調べてみたら「晩春」の時は29歳と45歳、この映画の時で31歳と47歳。まだ親子よりは兄妹の方が自然な年齢差ですか。つーか、笠智衆の幅の広さったらないですねぇ。もう1つ気になったのが900円のケーキ。昭和26年当時で900円って、どんな高価なモンだろ?と調べてみたら、大体今の10~15分の1の物価ですね(ビールやタバコなどの嗜好品はもっと高かったようですが)。って事は今だと9000~13000円くらいのケーキ。確かに貰ったら食べるけど、自分からは買わないわぁ。さて、この映画も「晩春」同様、家族の変容を描いています。子供の成長と共に家族が解体されてゆくという状態を切なく描いていて、クールな印象を受けます。家族は変わってしまったけれど、これから新しい幸せのカタチが生まれてゆくんだよ、って訳ではなく(その後の生活が描かれるのはおじいちゃん、おばあちゃんだけだし)、変化を受け入れなくちゃならない厳しさを感じます。戦争によって家族の形を変えざるを得なかった当時を反映しているようでもあり、アメリカ文化の流入によって変化してゆく時代を受け入れてゆかなければならない事を描いているようでもあり。ただ家族の風景を情感豊かに描くだけではなくて、意外に小津監督ってリアリスト? コミカルなエピソードや、バックに花咲かせてそうな原節子の美しさに目を奪われつつも、人がフレームアウトした後、なおしばし誰もいない家の中を映し続けるカット尻の連続に、人のいない家の淋しさが象徴されているような気がしました。[DVD(邦画)] 8点(2006-07-06 01:02:37)

33.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 小さい頃、何度かテレビで見たはずですが、覚えていたのはゴジラの出てくるシーンばかりでした(それと、魚の骨と)。メガヌロンはいつ出てくるんだっけ?とか記憶をごちゃつかせつつ(そりゃ「ラドン」だ)、数十年ぶりにじっくりと対面。ワイプとオーバーラップによるやたら落ち着きのない前半の展開と、稚拙な演技の連続は時代を差し引いてもどうなんでしょ?と思いましたが(あと、ギニョールのゴジラがやたらキュートだ)、やがてゴジラのもたらす災いと共に浮かび上がる日本人としての自我に胸が締め付けられる思いがしました。ゴジラは人の邪悪な行為によって生みだされる悪の化身。そして、それを抑圧させるために更なる力を行使しなければならない、終わりなき悲劇の連鎖。被爆国であり、大空襲による破壊を経験した日本人ゆえに生まれた怪物だった訳です。民話性までもが絡んだ、日本の土の匂いのする破壊神。芹沢教授の、連鎖を食い止めるための決意は、当時の日本人の悲痛な思いを反映していました。見終わって、その後のゴジラと怪獣映画を回顧して、どうにも暗い気持ちになりました。この作品を神格化してもゴジラを神聖なものとして扱うのは違うんじゃない?という思い、この作品の精神を辛うじて継承した作品は事もあろうにライバルである「ガメラ 大怪獣空中決戦」ただ一作だったという感じ、そして、これを越える怪獣映画が以降作られていないという現実。亜流ゆえに自由を与えられたガメラと違って、常にここを起点としているゴジラの辿った道の、なんと情けないことか・・・。当時と違って今、日本人は戦争の傷も知らず、原水爆の被害も忘れ、だから現在においてはこの映画の精神も通用しないのでしょうか? そんな事はないでしょう。だって、戦争は今もなお過去の出来事ではなく現実なのですから。[DVD(邦画)] 9点(2006-06-30 22:01:25)(良:1票)

34.  泥棒成金 映画のイイところの一つに、ほんの2時間かそこらで別世界へトリップできる、っていうのがあります。この映画の南仏の風景、暮らし、リゾート気分、ステキやね~ほわわ~ってカンジ(タイトルバックからしてフランスへの旅を謳ってますしね)。異国情緒たっぷりな世界を彩りにグレース・ケリーがカッコよく描かれてて、あー、この映画ってば、コレのためだけにあるようなものなんだねぇ、って。カーチェイスもなんとなくのどかだし、犯人がワリと早くから読めちゃうような程度のサスペンスだけれども、ヘンにタイトなサスペンスやバイオレンスが展開しても、せっかくのリゾート気分が汚れちゃうだけですしね。グレースがケイリーの正体を追求するシーンですら2シーターのオープンカーに座って、海を見下ろす丘の上でお弁当(焼いたチキンに塩)広げて。1時間46分で南仏旅行気分を味わう映画でございました。ただ、卵にあんなコトしちゃいけません。美味しいのに、卵。[DVD(字幕)] 7点(2005-12-07 01:25:14)(良:1票)

35.  パリの恋人 なんかとっても好きかも。終始ワクワクウキウキしちゃって。本屋さんオードリーはかわいいし、モデルオードリーは美しいし、アステアはこの時点でもう結構なトシながらも相変わらずスマートでカッコイイし、パリのロケはパリ全体を巨大なセットみたいに捉えていて夢のように描いてるし、クラシカルなミュージカルとモダンアートとが1つの映画の中で共存しててオシャレだし。教会のシーンでの過剰に解放された露出とソフトフォーカスが同じスタンリー・ドーネン作品の「ラッキーレディ」のソレを思い起こさせて嬉しくて、すっかり幸せな気分になっちゃって、ああ、なんか私にはドーネンの波長がしっくりくるのかなぁ、なんて。アステア噴水や「ローマの休日」から引き継がれた必殺技オードリークラッシュで存分に笑わせてもくれて、余計な事を考えずに純粋に雰囲気に酔える、楽しいひとときを過ごせた映画でした。スワンダフル![DVD(字幕)] 9点(2005-12-04 00:35:39)

36.  麗しのサブリナ ボガートとホールデンのお尻をめぐってのコントシーンなんて、最高じゃないですか。ボガートなんかマジメな表情でコントしてくれるから、もう可笑しくて。映画ファンを公言しつつも不勉強な私は、この映画をつい最近やっとちゃんと見たのですが、もっとマジメな恋愛ドラマだと思ってました。実際はカル~いノリで笑わせてくれる映画だったのね。ただただヘップバーンの美しさや、ボガート、ホールデンという名優のすっとぼけた演技を楽しんでいれば、それだけで十分な映画、他にはなんにもいらないや。後半、黒で統一されたファッションのヘップバーンを見て「サブリナパンツはいてる」と思った次の瞬間、「違う違う、サブリナパンツをはいてるんじゃなくって、あれこそがサブリナパンツの語源」と自分にツッコミ。そういえば亡き母が、ヘップバーンカットもサブリナパンツも日本で流行る前にいち早く取り入れたと自慢してたなぁ、なんて思い出した夜でした。でも、かーちゃん、あなたは典型的な昔の日本人体形でしたよ・・・。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-03 00:49:41)

37.  南太平洋(1958) 《ネタバレ》 確か、この映画は自分で2枚チケットを買って、ミュージカル好きだった母と見に行ったんですよね。今にして思えば結構媚びた息子だったんだなぁ。さて、「南太平洋」、ミュージカルの楽しさと物語の深刻さのバランスが、あらら?って感じで取れてないよーな映画ではありました。ミッチー・ゲイナーの初登場シーンなんか、とっても楽しい雰囲気で、わくわくするような絢爛たる物語が展開するかと思いきや、何やら過去を引きずるラブストーリーと物語全編を覆う戦争の影。悲劇的エピソードの末の、ほんのさりげないハッピーエンド。あのテーブルの下の握手はこの映画を見てから30年近くが経過した今もはっきり覚えているくらい印象的でしたが、映画全体としては、当時の私にはちょっと重さについてゆけませんでした。とは言え、70ミリ(ちっちゃなスクリーンの70ミリでしたが)の画面に描かれた、南洋をバックにしてのミュージカルシーンの美しさはやはり今となっては貴重な映像。もっとも、ミュージカルって主役の人がずっと歌うモノだと思ってたんで、幅広なオバちゃんがどアップで歌い出した時には「えええ~?」って感じでしたね。若さゆえの無知ではありました。6点(2004-07-24 03:07:48)

38.  雨に唄えば 初見での点数です。この映画を映画館で見た時には、意外に楽しめない、主人公達のクライマックスでの作戦は姑息な感じがしてイヤ、なんて思いました。でも、その後ミュージカルをいっぱい見て(ビデオやDVDでばかりですが)、どんどんミュージカル映画の見方が変わってきているので、この映画も再見すれば、評価は違ってくる可能性が高いかな、と。でも、今はまだ、この点。6点(2003-11-26 11:01:01)

39.  地上より永遠に(1953) 「パール・ハーバー」の元ネタみたいな映画ですが、数億倍マシな映画となっております。単純に人が死んで悲しいとか、誰それが悪いとかじゃなくって、戦争を背景に、様々な人の様々な感情が生み出す悲劇を描いています。でもラストシーンは、「男ってバカ」って結論に達したような・・・。6点(2003-11-22 21:19:29)

40.  波止場(1954) ブランドの苦悩をちっとも理解できず、この映画のどこをどう読み取ればいいの?と途方に暮れた昔。映画って、やっぱり普遍性を持ったものじゃなくて、時代時代を映してるんだなぁ、と自分の無理解を転嫁してみせる私なのでした。って言っても、今の日本を生きる人間が、昔のアメリカ人の映画を無理に理解しようとしても仕方ないですしね・・・。5点(2003-11-22 21:09:51)

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