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プロフィール
コメント数 270
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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21.  キングダム(2019) 原作は未読だが、TVシリーズは鑑賞済。 細かい変更や省略はあるものの、ほぼTVシリーズ(第1シーズン前半)の流れに忠実なストーリーであり、 「アニメ(漫画)を実写化した」以外のオリジナル要素は見当たらない。 また、生活感の薄い衣装や「なんとなくCG」といった背景のせいか、原作がもつ世界観がわざとらしくなってしまい、期待したよりも面白く感じられなかった。 ワイヤーアクションも頑張っていたとは思うが、アニメの方が躍動感があるのは当たり前で、この点でも実写化の限界を感じた。 とはいえ、本作の秀逸な点はひとえにキャスティングにあると言ってもよく、キャラクターのイメージを毀損しないように、 キャスティングに力を入れたことは高評価。 特に政の異母弟・成蟜に至っては、そのキャラクター造形の忠実さは特筆すべきレベルだった。 しかし繰り返すようだが、その分TVシリーズの世界観を逸脱するものはなく、アニメーション表現の自由さの方に軍配が上がった印象は最後まで 拭えなかった。 その意味では、本作は、原作やTVシリーズを観る前に鑑賞した方がよいのかも知れない。[インターネット(邦画)] 6点(2021-01-25 16:30:23)《改行有》

22.  #生きている 《ネタバレ》 近年は韓国のゾンビ映画のクォリティが高まっており、本作も期待を裏切らない出来だった。 本作の主人公はまさしく現代の若者らしく、スマホを駆使しネットゲームにハマっているような青年だ。 そんな彼が自宅でひとり目を覚ました時、外の世界では…… というゾンビものとしてはベタな導入から入るのは悪くない展開。 特に最初に遭遇した隣人が、主人公の目の前で転化するシーンは秀逸だった。 ところどころで挿入される、スマホを窓から出して電波を拾おうとするシーンや、ドローンの活用なども、実際にありそうで面白い。 もし、現代の集合団地でゾンビ感染が発生したらどうなるか…… テレビでののんきな報道や、スマホでの情報集め、やがて水道も止まり、食糧と水の確保が困難になる…… といったシミュレーションとしての楽しみ方もできる。 本作ではこの団地エリア外の状況はあえて映さず、ひたすら主人公達の焦りや恐怖を共有しやすくなっているところもいい。 この主人公は何度が生きることを諦めようとするが、たまたま向かいの棟に住む女性と知り合い、それ以降はバディものへと展開していく。 そして最後まで生きようと行動を起こす中で、予想外の出来事に出会いつつ、意外な形でハッピーエンドに繋がっていく…… そのきっかけがSNSでの投稿だったというところも現代風で面白い。 ゾンビ映画の新境地を開いたとは言えないまでも、ゾンビ映画ファンの心はしっかりつかめるレベルにはなっていると思います。[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-06 13:11:23)《改行有》

23.  ミッドナイト・スカイ 《ネタバレ》 ジョージ・クルーニーが監督・主演のSF大作なのに、ロードショー上映はなく、Netflix単独配信という作品。 出演キャストこそ少人数であるものの、宇宙船や北極基地の描写は本格的であり、内容以上にNetflixの資金力に感嘆した次第。 地球が終末を迎え、その地球に帰還途中の宇宙船クルーにその事を伝えようとするある老人科学者……一言で言えば、そういうプロットなのだが、 地球がなぜ滅亡したのか、各地がどのような状況になっているのかの説明は一切省くという思い切りの良さを見せており、鑑賞後、この作品は主人公の内面(文字通り内面の視覚化ともいえようか)を描写しようとしたヒューマンドラマであったことに気づくのである。 ただ、人類が居住可能であることがわかった木星の衛星の描写や、宇宙船のデザイン等は美しく、船外活動中のアクシデントでは、無重力状態での人体ダメージを表現するなど、印象に残るシーンも多い。 一方で、あまりに状況や登場人物のつながりを語らないため、想像で補うべきことも多く、見終わった後にいろいろ考えてしまうところや、最後に科学者と宇宙船クルーとの関係がわかるのだが、この辺りはご都合主義とも受け取られかねず、評価は分かれるかもしれない。 とはいえ、終末ものや、SFが好きな人は観て損はないと思える作品。[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-04 15:57:51)(良:1票) 《改行有》

24.  ソウル・ステーション パンデミック 《ネタバレ》 話題作だった「新感染・ファイナルエクスプレス」の前日譚で同監督とのことで興味を引き鑑賞。 ゾンビものでアニメは初めてだったが、ゾンビの描写も雰囲気はよく出ていて、違和感は感じなかった。 特に「最初の1人」が感染し、人びとが戸惑いながら訳も分からず逃げ惑い、ついには爆発的な感染拡大に至る…… というゾンビドラマお決まりの流れを楽しむことができた。 本作の特徴は、アニメ作品であることに加え、ソウル駅で寝泊まりするホームレス、主人公の元風俗嬢とその父(終盤に一捻りあるが)、そしてヒモ男といった、やむを得なく社会の底辺にいる人びとをメインに描写していることであり、なおかつバッドエンドともいえるラストまで救いがなく、画面には終始悲しさと切なさが漂う。 ひとたび災害に出会うと、社会的弱者が真っ先に被害を受けるという構造を問題提起しているようにも思えた。 ともあれゾンビ映画が好きならば、観て損はないと思える作品だった。[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-04 15:15:53)《改行有》

25.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 全編「ワンカット撮り」(実際はワンカット風)と話題になった戦争映画。 サム・メンデスのその発想をほぼ実現した意欲作だが、内容うんぬんよりも「どうやって撮影したのだろう」との印象が残る作品。 例えて言えば、主人公達の周囲を飛び回るハエのような視点で、常にカメラは主人公を捉えている。 そのため、観客はそのハエのような視点で戦場での一コマを目撃することになる。 したがって、ドローンカメラのような技術を用いなければ難しい撮影に思える。 飛行機の墜落場面は恐らくCGと実写の融合と思われるが、そういった裏話の方が気になる映画。 こういった手法では、①時折それなりのイベントが発生しないと退屈な画になる、②カット割りがないため、画角決めの自由度に制限がある、といった欠点が発生するが、本作は残念ながらそうした欠点をカバーする以上の出来ばえには見えなかった。[インターネット(字幕)] 6点(2020-12-25 15:45:22)《改行有》

26.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 かつて釧路に住んでいたこともあり、昭和の釧路(幣舞橋)の街並みや、根室、養老牛温泉などが懐かしく、嬉しかった。 また、当時全道の祭りを巡業していた「オートバイサーカス」が登場するのも懐かしい。 と、本筋以外のところが目についた本作だが、中原理恵が演じる今回のマドンナ・風子もなかなか印象的だった。 寅さんに懐いてついて行こうとするも、寅さんに諭されて根室の理容室で働く風子だが、オートバイサーカスのトニー(渡瀬恒彦)に 惹かれて東京までついて行き、同棲してしまう。 体調をくずし、寅さんにとらやに連れて行かれ、寅さんいつもの「ここにいつまで居たっていいんだよ」が炸裂するも、風子はトニーに会いに行くという。 ここでの寅さんと風子とのやりとりは切ない。 あんな渡世人と一緒にいたって幸せにはなれないぞ…… 自分だって渡世人だって言ってるじゃない…… 冒頭で昔の舎弟・登に出会い、説教するシーンも含め、寅さんの渡世人稼業の切なさが全編に渡って伝わってくる。 ただし、最後の着ぐるみの熊はよくないねぇ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-25 14:49:43)《改行有》

27.  TENET テネット ノーラン監督らしく、どの作品も既視感のない、つまり新しい映画体験をさせてくれるという意味では、 本作も期待どおり(以上)だった。 普通に考えたら、1回観てもよくわからないような難解な映画は興行的には成功しづらいところだが、 本作はコロナによる自粛明けということもあり、新作の娯楽大作に飢えている私たちのニーズにマッチしていたし、 ノーラン印がついているし、眼前に展開されるアクションはスリリングで楽しいわけだから、難解とはいえ苦痛ではない、 ということも相まって、日本ではヒットしているようだ。 かくいう私も脳みそをフル稼働しながら観ていたが、終始「わかったような、わからなかったような」感じで、 致命的だったのは、ラスト近くでついにお手洗いを我慢できず席を立ってしまい、戻ってきたらエンドロールになっていたという、 全く笑えない失態を犯してしまったため、最後の5分間の出来事を連れに聞くしかなかったという体たらく(汗) 仕方ないので、もう一度、せっかくなのでIMAXで鑑賞しようと思います。[映画館(字幕)] 7点(2020-10-12 15:43:39)《改行有》

28.  ミッドウェイ(2019) 《ネタバレ》 一言でいうと、太平洋戦争の転機とも言われる「ミッドウェイ海戦」を、あのディザスタームービーの巨匠ローランド・エメリッヒが、最新のVFX技術を投入して、アメリカ側の視点で製作した戦争映画だ。 前半は真珠湾攻撃の描写から始まっているだけに、物語の基調はどこまでいっても「リメンバー・パールハーバー」であり、その後の ドゥーリットル爆撃にしても、ミッドウェイ海戦にしても憎き日本軍への報復戦がメインであるため、日本人としては(史実とはいえ)「アメリカにやっつけられる映画」なので、面白いわけがない。(当たり前だが、アメリカ人が観たら痛快この上ないだろう) とはいえ、山本司令官や南雲長官など帝国海軍の主要人物は日本の名だたる俳優がキャスティングされており、今までの(米製作の)太平洋戦争ものよりは 双方向に配慮したつくりにはなっている。 何よりエメリッヒ監督ということもあり、空母や艦上機の描き方には手抜きはなく、第二次大戦時に主流になったといわれる航空機の活躍をスクリーンに見事なまでに再現しているところは期待どおりの見応えがあった。 また、ミッドウェイの大きな勝因が、暗号解読による諜報戦であったこと、そして本作の主人公達が活躍する「米雷撃隊」の勇気ある戦いにあったことが 本作ではフォーカスされており、その辺も史実どおりなのだろう。(だから観ていて面白くないわけだが) この戦いで、日本は貴重な主力空母4隻と日中戦争以来の熟練パイロットを数多く失い、敗戦の遠因になったことを考えると、複雑な気持ちになる。 できればイーストウッドの「硫黄島」のように、日米両方の視点から製作してほしかったといえば贅沢な望みだろうか。[映画館(字幕)] 6点(2020-09-28 15:49:10)《改行有》

29.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 《ネタバレ》 いつも思うのだが、寅さんは余所の人(特に困っている人)にはすごく優しいし、気を遣うのに、 とらやの面々を始めとした「身内」には手のひらを返したようにわがままだし、厳しく当たる人だ。 今作では、沖縄で療養中のリリーと半同居生活をすることになった寅さんが、ふとしたことから痴話げんかになり、 ついリリーに憎まれ口を叩き、リリーのちゃぶ台返しにあってしまう。 ここまで寅さんの「身内エリア」に入り、寅さんと対等にやりあったマドンナはリリーが初めてではないだろうか。 ここに至って、リリーは寅さんの「身内」になることの難しさを知り、終盤の寅さんのプロポーズを冗談と笑い飛ばしたのだ。 ※ちなみにこのシーンは前作「相合い傘」でのリリーが示した本音に対して寅さんが笑い飛ばしたのと対をなしている。 ラストシーンの爽やかさは、こうした二人のすれ違いを経て、一番いい距離感を表現していたからなのだろう。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-23 14:48:14)(良:2票) 《改行有》

30.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 原作未読。 観る前は、数学の天才が計算(資源や技術、物量など)によって日本の敗戦を証明し、戦争を未然に防ごうとする話だと勘違いしていた。(その方が面白かったかもしれない) 実際には、戦前期における次期建造艦をめぐる海軍内の主導権争いに、菅野演じる主人公が巻き込まれてしまう話であり、戦艦大和の建造をめぐる サイドストーリーとしては面白く鑑賞できた とはいえ巨大戦艦を建造することで、日本が戦争に突き進むことに直結する……だから、それを阻止することが平和に繋がる…… との仮想ロジックだけで、この主人公が周囲の無理解や困難を乗り越え、短期間で大和の建造費見積もりの虚偽を暴くというには、動機が弱すぎる印象を受けた。 一方で、主人公はお約束どおり困難を乗り越え、ギリギリのところで目的を達成する場面は痛快ではあるものの、本当の見せ場をその後に置いている ところに本作のユニークさがある。 結局は史実どおり大和は建造されてしまうわけだが、終盤の主人公はある意味で田中泯ではないかと思えるほど、本作の主題にかかわる重要な役割を演じている。 「なぜ大和は建造されなくてはならなかったのか……」全ては後付の論理であるものの、この終盤における田中の語りは現代に生きる私たちに訴えかけるものがある。 冒頭の大和沈没シーンは山崎監督らしく最新のVFXによりかつてない再現度を実現しているし、戦争映画の幅を広げた意味でも一定のクォリティをもった作品だと思う。[インターネット(邦画)] 7点(2020-09-23 12:09:39)《改行有》

31.  あゝひめゆりの塔 《ネタバレ》 現在から見れば、演出や特殊効果、セット、音楽など全てにわたって時代的な拙さが目につき、映画としての完成度は決して高くないものの、あの沖縄戦の悲劇の象徴である「ひめゆり部隊」が辿った運命を多くの人に知らしめるという点では、当時の青春スターである吉永小百合が主役という意味は決して少なくないものがあっただろう。 平和下であれば、現在の若者と変わらず青春を謳歌したであろう女学生たちが、戦争という個人では如何ともし難い状況下で、次々に犠牲になっていった歴史は何度見ても心が痛む。 冒頭の現代のダンスホールのシーンや、沖縄戦を前にした運動会での普通の青春映画のようなシーンなどは、その意味でも効果的に配されている。 やがて戦雲が立ち込め、従軍看護助手として一転過酷な任務に従事しゆく中でも、若い女性が集まれば異性の話で心をときめかせることもあったであろうし、水浴びのシーンが象徴するような友達との無邪気で楽しい時間もあっただろう。 しかし、最後はその学友たちとも離ればなれになり、本島南部のガマで大半が悲劇の最期を遂げるという救いのないラストが意味する事も大きい。 ラストにテロップで流されたとおり、未来ある学徒まで戦場に駆り出し、最期は自決に追い込んだという、人類史上稀にみる愚行がわが国で行われたという事実を忘れてはならないと思わせる作品だった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-20 13:43:43)(良:1票) 《改行有》

32.  殺人の追憶 《ネタバレ》 「パラサイト」が面白かったので、ポン・ジュノ監督作に興味がわいて鑑賞。 田舎町で、次々に発生する女性猟奇殺人事件を追う、ソン・ガンホ演じる地元刑事と、ソウルから来たイケメン刑事。 ソン・ガンホと跳び蹴り刑事は状況証拠から容疑者を挙げると、拷問で自白をとる昔ながらのスタイル。 イケメン刑事は二人と距離を置きながら、科学的な捜査を重視する。 ここまではわかりやすい構図だ。 しかし、狡猾な犯人はなかなかしっぽを出さず、イケメン刑事がやっと有力な容疑者にたどり着くも、決定的な証拠を掴むことができない。 そして終盤、DNA鑑定によっても特定できないことが判明すると、このイケメン刑事は暴走してしまう。 「パラサイト」での展開の妙は今作でも同様で、次から次に展開するストーリーは、核心に近づくように見えて、また遠ざかる。 なかなか次の展開が読めないところが、人によっては高評価と低評価にはっきり分かれるところだ。 最後はどう決着をつけるのか、と考えながら観ていると、思いもかけない形で観客は放り出されるところも、評価が分かれるところ。 個人的には、連続殺人事件が発生しているにも関わらず、若い女性が夜に一人歩きをしているという、あまりの緊張感のなさで興冷めしてしまうが、 全体を流れる陰鬱でもの悲しい印象だけが、なぜか余韻として残り続ける不思議さをもつ作品だった。[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-17 17:17:06)《改行有》

33.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 観終わって、さすがはアカデミー「作品賞」と感心した。 まずは何と言っても展開の妙が秀逸で、次から次へと展開するストーリーに目が離せない。 具体的には下記のとおり、起承転結において物語の中心となる「転」が文字通り「二転三転」する面白さが印象的。 <以下激しくネタバレ> (起)半地下に住む4人家族の紹介 (承)4人家族が次々に金持ち一家に寄生していく (転①)お手伝いおばさんにより地下室の秘密が明かされ、4人家族の形勢が逆転する (転②)4人家族(のうち3人)が金持ち一家から脱出するも、半地下の家が大雨で浸水してしまう (転③)金持ち一家のガーデンパーティーでの大混乱と意図しなかった殺害 (結)父の行方の謎と、息子の独白によるエンディング そもそもこの4人家族の技能はそれぞれ抜きんでたものがあり、普通に働けばそれなりの暮らしができるはずだし、結果的にお手伝いさんを殺害した形になったお母さんが無罪放免になるのもいかがなものか、とツッコみたくもなるのだが、息子が冒頭で友達からもらった石が大きな伏線になっていたり、「地下」「臭い」といった社会的ヒエラルキーを象徴する言葉がキーワードになっていたり、意外と作りが細かく、そうしたツッコミは無粋と思わせてしまう力を感じた。 さらにその底流には、努力だけではいかんともしがたい格差社会で生きざるを得ない庶民の悲哀が織り込まれており、面白さの中にも静かな余韻が残る佳作だった。[インターネット(字幕)] 8点(2020-08-12 16:14:03)《改行有》

34.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 往年の名作を遅ればせながら初鑑賞。 近年のCG満載のディザスター・ムービーを見慣れた目で観ても、十分に見応えがあった。 序盤では主要人物のキャラクターをひととおり観客に紹介したところで、転覆事故が発生するタイミングは絶妙な流れで、 その後の脱出劇を含め、最後までダレ場が一切なく作品世界に引き込まれる。 この主要人物達のキャラクター造形や男女・年代構成もよく練られており、知らないうちに感情移入している自分に気づく。 カメラはひたすらこのグループを追い続けており、全体の状況がどうなっているかわからないまま、観客もこの脱出劇に嫌が応にも釘付けにされる仕組みは、後年の「CUBE」などにも引き継がれている手法だ。 なぜか女性がホットパンツや文字通りパンツ姿で、惜しげもなく脚線美をさらしながらの脱出劇というのも、後年のパニックムービーのスタンダードとして定着している。 天地が逆さまになっているセットや、水中の撮影、リアルな衣装の汚れ具合等も含め、撮影現場に注がれたエネルギーは近年の作品の比ではないことも容易に想像できる。 名優ジーン・ハックマン演じるスコット牧師の「神は人々を守らない」「神は自分自身の中にいる」との信条も新鮮であり、運命は自らが切り開くべき、との 主張を身で表したような勇気ある行動により、最後は観客自身も何ものかから解放されていくようなラストは映画史に残る名シーン。[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-07 11:56:19)(良:1票) 《改行有》

35.  男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 《ネタバレ》 シリーズ中でも名作の呼び声が高い本作だが、まずプロット自体がいつもと少し違う特徴をもっている。 著名な日本画家を演じる宇野重吉は、マドンナ以外のプレーヤーとしては今回は重要な役どころで登場する。(本作では貴重な親子共演も果たしている) その演技は聞きしに勝る名演技だった。特に冒頭、飲み屋で無銭飲食をし、寅さんが「とらや」に連れてくる場面では、おばちゃんの言うとおり「ルンペン」にしか見えない立ち振る舞いだったが、故郷である播州・龍野で寅次郎と再会した時には、一流芸術家のオーラを身にまとっている……といった名優の変幻自在の演技ぶりを堪能できる。 この龍野で出会う芸者・ぼたんが今回のマドンナなのだが、通常は寅さんが一方的に意識をして舞い上がってしまうところ、今回は恋愛感情を感じさせるシーンは特段見られず、いつもの「困っている人を放っておけない」寅さんの気性が炸裂して、ラストの展開まで行ってしまうし、「お前と所帯を持とうと思って来たんだよ」と言いつつ、二人が今後どうなってしまうのかは(本作だけを観れば)オブラートに包んで大団円となっている。 つまり、シリーズ中の1作ではあるものの、本作については「単体の作品」として起承転結が成立しており、実力派俳優たちの名演と共に、人情味あふれる爽やかなラストで終わるため、評価が高いのだと思われる。 確かに、寅さんが本当に所帯を持つなら、ぼたんのような天真爛漫な女性か、リリーのような気が強い女性が相性がよいのでは……と思い始めた作品。[インターネット(邦画)] 7点(2020-08-03 14:24:44)《改行有》

36.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 シリーズ第7作は文字通り、空中でのミッションてんこ盛り。 冒頭のドゥエインとステイサムという2大ハゲらっちょによる肉弾戦にはテンションが上がった。 その後のストーリーはあってないようなもの。どうぞツッコんでくださいと言わんばかりの展開だ。 前作の「戦車チェイス」やレティの「空中キャッチ」を観た後では、もはやどんな無茶も受入可能になっている不思議な映画。 むしろ、そのハチャメチャをポップコーンを頬張りながら楽しむのが本作を観る作法のように思える。 とにかく普通の映画のクライマックスを3つ位放り込んで、これでどうだ!と言わんばかりの超絶アクションを理屈抜きで楽しめたのは事実。 劇中ドミニクが「俺たちはドライバーであって、殺人者ではない」と言っているとおり、どんな無茶なアクションでも、車から離れていないところが本作の矜持といえる。 弟の復讐に燃え、超人的な破壊力でドム達を追跡するステイサムだが、結局復讐を果たせたのはハンだけで(しかも第3作で既に終了している)、あとのメンバーは皆被害なしなのが面白い。 本作が遺作となったポール・ウォーカーだが、ラスト近くの浜辺のシーンはあきらかに代役だし、ラストの併走シーンはモロ違和感のあるCGだったのはすぐにわかった。 もしポールが生きていたら、どんなラストシーンだったのか……とも思った。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-01 15:23:15)《改行有》

37.  男はつらいよ 寅次郎恋やつれ 《ネタバレ》 シリーズ第13作 吉永小百合は2回目のマドンナとして登場。 ここまで来ると、もはや偉大なるマンネリズムの域に達しているというか、ある種「水戸黄門」のような「様式美」ともいえる基本フォーマットが 確立されており、公開当時はお盆や正月になると「寅さんにまつわる一悶着」を安心して見物することが国民的風物詩だったと想像できる。 だから寅さんは決して結婚はできないのだ(笑) とはいえ、本作の冒頭では、その寅次郎が珍しく身を固めようと考え、心を寄せる島根県温泉津の女性の存在をとらやの面々に告白するところから始まる。 しかし行方知れずだった夫が突然戻ってきて……という、いきなりの失恋から始まるという本作の展開は、ちょっと捻りが入っている。 そして、歌子さんとのまさかの再会。 ここから悩める人を放ってはおけない寅さんの本領が発揮されていく。 結果的には、寅さんの包容力と(後先を考えない)行動力が父娘の関係を取り戻し、歌子が新しいスタートを切るきっかけになっていくのが不思議だ。 その陰でさくらの細やかな気遣いが人知れず助けになっているところも見逃せない。 そのさくらが「お兄ちゃんは歌子さんが幸せになるのを望んでいるんじゃない、ただ近くにいてほしいと思っているだけなのよ(趣意)」と言い放つシーンは、寅さんのマドンナに対するスタンスが図星に言い当てられたようで、印象に残った。 ラストは、その歌子が赴任した大島を訪ねたかと思わせながら、ふっきれたように冒頭に振られた女性に挨拶に行くところが心地よい。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-06-29 18:02:09)《改行有》

38.  エンド・オブ・キングダム 《ネタバレ》 「フォールン」シリーズ第2弾。 凄腕の米シークレットサービス、マイク・バニングが舞台をホワイトハウスからロンドン市街に移し、今回も大暴れ。 今回は朝鮮半島のテロ国家に代わり、イスラム圏の武器商人一族を中心としたテロ組織が相手だ。 それにしても、こんな脚本でイギリスは怒らなかったのかと思うくらい、ゆるゆるの警察や諜報組織のため、敵のトンデモなテロ攻撃(6か国の首脳を同時に殺害しようとするなど)を易々と許してしまう展開に、興ざめした。(よく見たら米英共同製作だったみたいだが) スターウォーズの「オーダー66」じゃないが、味方の中に敵があんなに紛れていたら、さすがのジェダイといえども全滅は免れなかった訳で。 ていうか、中東とかならともかく、G8の先進国の首都で、あれだけの緻密かつ大規模なテロ活動を数年掛けて準備しつつ、情報が全く漏れないなんて万が一にもありえない。 今回も元特殊部隊というバニングの能力が炸裂し、不可能と思える状況から大統領を救うわけだが、二人が生還することは最初から分かっているので、リアリティなど気にしないで、スティーブン・セガールの「沈黙」シリーズを観るが如く、安心しながら無敵アクションを楽しめばよいのかもしれないが。 特にバニングの容赦ない攻撃や、最後のトランブル副大統領による敵アジトの殲滅シークエンスは、「アメリカを敵に回せば最後は必ず後悔するぞ」という、おぞましい「アメリカファースト」主義が見え隠れしており、現在の某大頭領が観たらとっても喜ぶのでは、とか思ったりした次第。[CS・衛星(吹替)] 5点(2020-06-22 14:28:26)《改行有》

39.  ワイルド・スピード/EURO MISSION 《ネタバレ》 1作目から順に鑑賞。 ドミニクファミリーとしては前作のまま終わっていたらメデタシなところ、ホブスが捜査協力を依頼するには「レティが生きていた?」くらいの動機付けは必要なわけで、そこはすんなり入れたし、最後まで観れば、やっぱり彼らもホームに帰りたかった、というのも理解できる。 そういう意味では、1作目から観ていないとイマイチ入り込めないストーリーかもしれない。(最後は3作目TOKYO DRIFTにもつながるし) それにしても、前作「MEGA MAX」から普通のハリウッドアクション娯楽大作になっちゃった感じの本シリーズだが、本作に至ってはほとんど「ミッションインポッシブル」なみのミッションとアクションが展開され、そもそもこの人たち単なる車好きの強盗集団だったよな……、なんて考えながら、国際犯罪組織のプロを相手にした格闘や銃撃戦を観ていると、そんなことどうでも良くなったし、ヴィン・ディーゼルがブルース・ウィリスに見えてきたのもご愛敬。 とはいえ、F1みたいな装甲車でどんどん車を跳ね上げたり、クライマックスではいよいよ戦車も登場してのカーアクションは新しい発想で見応えがあった。 また、ストリートレースというお約束も忘れずに挿入されている。 ラストには3人目のハゲも登場し、次回作への期待も高まった。 ここまで来たらハゲ3人による三つどもえが観たい。(さらにブルース・ウィリスが加わればパーフェクトだ) 気がつけば、シリーズのファンになっている自分に気づき、まんまとやられた感じがする作品だった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-17 11:39:29)《改行有》

40.  男はつらいよ 寅次郎忘れな草 《ネタバレ》 第1作から順に観てきて、初鑑賞となる第11作。 今回のマドンナ「リリー」はこれまでとは一線を画す異色のキャラクターだが、その分印象深い回となっている。 場末のキャバレーを巡業する歌手で、煙草も吸えば酒も飲む。 当時はこうした女性が世に増えてきた時代だったと思う。 網走の船着き場で寅さんと出会い、お互いの境遇を語り合う、その目の前では、母子が父の出漁を見送る。 自由奔放ながらそれぞれの寂しさを抱える二人が共鳴する名シーンだと思う。 また、リリーが実の母から金を無心され暴言を言い放つシーン、寅さんがリリーの住んでいたアパートを訪ねるシーンなど、多くを語らずとも情感を物語ってくれる名シーンが多い。 結局は歌手をやめ、新しく世帯をもった旦那にも「一番好きなのは寅さんだった」と言って憚らないリリー。それをとまどいながら聞くさくらの表情も印象的。 リリーは今後の回にも度々登場するようなので、楽しみにしたい。 全編通して自分自身が幼少期だったの頃の記憶と、ところどころに映る街の背景が重なり、なんともいえない懐かしさがこみ上げてくる作品だった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-06-15 14:01:20)《改行有》

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