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プロフィール
コメント数 885
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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421.  KUBO/クボ 二本の弦の秘密 《ネタバレ》 CG全盛の時代に敢えてストップモーション撮影した姿勢と労力に敬意を表する。同時に日本の伝統文化を徹底的に研究し、美意識と心情を余すことなく汲み取っている(時代考証に詰めの甘さがあるが、ファンタジーとして目を瞑ろう)。世界観の作り込みでは完成度が高いが、全体のストーリーが弱く、序盤で村が滅ぼされる割に村人全員が生きていたり、仲間のサルとクワガタの正体も途中で予想できたり、(上映時間的に仕方ないが)伝説の武具も簡単に見つかってしまったりと、枚挙に暇がない。"物語"に対する考察と家族に関する個々のエピソードがすこぶる良かっただけにそこが気になってしまった。[地上波(字幕)] 6点(2020-08-14 12:16:58)

422.  シャイニング(1980) かつて143分版を見たことがあるが、テレビで再視聴。バッサリカットされているが、冗長的な部分が抑えられて却って見やすい。ホラーと謳われながら、思ったほど恐くは感じられなかったが、一方で演出と映像に狂気とも言える拘りを見せており、芸術的な領域にまで高めているのが名作と言われる要因か。随所に挟み込まれるペンデレツキの楽曲が効果的。たとえ親しい家族だとしても、人間何事も距離を置くのが肝心だ。[地上波(字幕)] 6点(2020-07-08 22:37:31)

423.  名探偵ピカチュウ ポケモンを知らなくても映画としての水準は保っているため気軽に楽しめるが、キャラ映画として振っている要素が強いため、ポケモンに思い入れがあるか否かで評価が変わってくる。ただ、製作スタッフのポケモンに対する愛情が本物であるということは伝わるし(特にエンドクレジット)、元の造形を崩さずに現実世界に上手く溶け込んでいる辺り、それが見て取れる。ポケモンから離れて堅実に生きていた主人公が、かつてポケモンに触れていた当時の子供たちと重ねている部分からして目配せしている。ストーリーに対する練り込み不足はあるが、童心に帰れるという意味ではよく出来た作品だったと思う。[地上波(吹替)] 6点(2020-05-28 13:44:37)

424.  ある過去の行方 《ネタバレ》 二番目の夫が始末をつけるために元妻のいるフランスに到着する冒頭からの演出、 お互いに何を喋っているのか、その空白が不穏な空気と意識のズレを作り出す。 根幹となるのは三番目の夫となる男の前妻が何故自殺未遂を図ったのか。 その過去を調べれば調べるほど、全員が不幸になっていくスパイラルに陥るのは、他のファルハディ映画と同じ。 過去と未練に縛られて誰もが面倒臭くて被害者意識が強い。 酔っているとさえ思えてくる、演出上の作為が透けて見えてしまうのは欠点か。 フランスが舞台なのだから、もっと自由に撮れば良いのに。監督は本当に生真面目なのだろう。[DVD(字幕)] 6点(2020-05-19 01:04:09)《改行有》

425.  セールスマン 《ネタバレ》 性暴力を描いた作品。だが、アスガー・ファルハディ監督だけあって、そういう描写は一切描かず、悲惨な状況に滅入る暇もなく、病院のシーンに切り替える。直接的な表現も用いらず、常に台詞が遠回し。確かに力量は高いと言えるが、正しくは"描きたくても描けない"のだ。一見、西洋化が進んでいるようで、イスラム教国家イランならではのしがらみが全編を支配する。恥の観念が強く、被害を公にされることを恐れる女性の立場の低さや貧困が表面では浮かばないように描いているし、劇中劇でも検閲が入る。常に息苦しく緩慢な展開が続く。終盤で犯人が見つかったときから物語は急変する。夫は加害者の老人の家庭を破壊するような方法で復讐をしようとするが、病気持ちの老人の容態が急変したタイミングで家族が駆けつけてくる。幸福な家庭を持つ老人と泣き叫ぶ家族により、完遂しようにもできない宙ぶらりん状態。皮肉にも復讐を望まぬ妻との関係に亀裂が広がっていく。何て後味が悪いのか。あのとき~していればの後悔が、劇中劇の『セールスマンの死』とリンクする。この作品も非情な資本主義に呑まれていく男の悲劇を描いていた。そのアメリカ的資本主義にイラン社会がついていけていない不安と苛立ちが付きまとう。[インターネット(字幕)] 6点(2020-05-19 00:36:41)

426.  太陽がいっぱい 先にリメイク視聴済。緊迫感あふれるサスペンスより、犯罪青春映画という側面が強い。台詞が少ない分、アラン・ドロンの抱えている灼けるような野心と月夜のような深い闇が際立つ。陽を浴びる側になった青年に訪れる、まさかの呆気ない幕切れが鮮烈。[DVD(字幕)] 6点(2020-04-28 18:27:14)

427.  コンテイジョン 《ネタバレ》 新型コロナウィルスが猛威を振るわなければ、ずっと見ることがなかっただろう。淡々と山場も情緒的なシーンも排除され、次々と増えていく感染者と死者、その恐怖に暴力と混沌が拡散していく。描かれていることはまるで現代を予言しているような不気味さ。主役級のスター俳優もあっさり殺し、リアリティに寄与している。今日、ツイッターを始めとするSNSを俯瞰すれば、怒りと鬱屈で無知な人々を扇動し、世論誘導させようとする目論見もあれば、だからといって政府の対応に不満だらけの日々を過ごしているのも事実。映画は一旦終息して、感染源の遠因は他でもない人間という因果応報な終わり方だが、現実はもっと酷く無関心だ。いつの時代も、パンデミック→大恐慌→戦争がセットである以上、歴史の転換点を体験しているわけであり、コロナ終息で本作をひとときの流行で終わらせるものではない。そこに都合よく作られた人間の業が垣間見える。[インターネット(字幕)] 6点(2020-04-27 23:31:57)(良:1票)

428.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 10年ぶりに監督も脚本も主演4人も続投で、さらにスケールアップ! と思いきや、そこまで肩肘を張らず、いつも通りゆる~いサバイバルライフを可笑しみたっぷりに描き出す。『リトル・ミス・サンシャイン』の頃から体型に片鱗のあったアビゲイル・プレスリンの変貌ぶりをよそに、10年前から全く変わっていないジェシー・アイゼンバーグの対比が面白い。ゾンビは出てもあくまで背景に過ぎず、ファミリー崩壊の危機も最後は大団円に終わる安心感。一見、変化していないように見えるが、その面白さを維持させるのが難しいからこそ、如何にマンネリに陥らせないか。途中からキャラの被る二人組が登場したり、死んだと思ったアホの子がなんと生きていたり、誕生日プレゼントの使い方もそうで、あらゆる小ネタも演出もスマートに決めていく。キャリアを重ねた彼らが成せる業だろう。難しいと思うが、10年後に3作目は如何ですか?[DVD(字幕)] 6点(2020-03-26 23:05:42)

429.  1917 命をかけた伝令 アカデミー賞大本命と謳われながら期待しなかった。案の定、ワンカット風撮影が売りで、それ以上の驚きは感じられなかった。確かに綿密に計算され尽くしたワンカット風の演出に、制作陣の執念深さ、圧倒的な力量と労力は伝わってきた。だが、その凄さが面白さや感動に繋がるかは別の話。技巧を優先させすぎて、登場人物に血が通っていないように感じられるのは何故だろう? どこかビデオゲームを見せられているようで中途半端にドラマを挿入するから違和感がある。オスカーに受けそうなベタベタな戦争ものなら尚更。一応、最後まで見ることができたので悪くない映画だと思うが、作品賞を取れない理由が分かる気がした。「新鮮味がなさすぎる」。[映画館(字幕)] 6点(2020-02-17 19:34:29)(良:1票)

430.  三度目の殺人 《ネタバレ》 是枝監督らしからぬ法廷ミステリで且つ、オリジナル脚本で勝負しているのは評価できるし、完成度は決して低くない。明確な答えのないモヤモヤ感のまま、日本の司法制度に問題提議を掲げているという意味では理にかなっているとも言える。だがやはり、複数のキーワードの表面を触れただけで終わり、登場人物が深く掘り下げられていない気がする。被害者の社長による実娘への性的虐待を見かねた前科者が再度殺人を犯し、それが公になることを恐れ、彼女を守るために自ら死刑になることを選んだというのが一般の解釈だ。メディアでは一方的に悪のレッテルを貼り、世間はそれに追従する。しかし、真実なんて掴みどころがなくて、たとえ偏ったものでも提示された情報でしか判断できないところに、人間の脆さとリンクする。殺人犯の真意など100%誰も分からない。それは理解している。ショッキングな描写や過剰演出に頼らない作風の限界かもしれないが、もっと深みを描けなければ「それで?」で終わってしまうのだ。[地上波(邦画)] 6点(2019-11-14 07:51:42)

431.  ブラック・クランズマン 《ネタバレ》 スパイク・リー監督の映画はこれが初めて。きっかけはアカデミー作品賞の『グリーンブック』への抗議だった。そう、『グリーンブック』での人種差別の描き方や融和ムードを盛り上げる演出について違和感を持っていただけに、本作が如何に反骨精神バリバリの怒りの映画であることがよく分かる。その描写には妥協がなく、KKKを愚かに滑稽に描いているからこそ、金も取り柄も何もない人たちが見下す相手を攻撃して安心しようと団結する。その姿には心の余裕もなく、日本では"ネトウヨ"が代表するように世界中どこも同じなんだなと痛感する。しかしながら、その政治的主張があまりに強すぎて、映画のバランスを崩壊させてでも優先した記録映像は蛇足。本編だけでも十分伝わってきてると思うのだが、こうでもしないと現地には伝わらないアメリカの病理を垣間見た。[DVD(字幕)] 6点(2019-10-22 01:00:52)

432.  海よりもまだ深く 《ネタバレ》 他の是枝作品に比べればやや質が落ちる程度だけど、淡々としながらも何となく最後まで見てしまう。昭和のような家庭像は崩壊し、個人主義が強くなっていくシビアな現代社会の中で、糸が切れかけの凧のような関係の家族の形を見つめ直す。夢ばかり見てセコいことばかりしているダメンズに、どこか達観している母、愛想を尽かした元妻、双方で惑う息子が台風で一夜を過ごす窮屈で微妙な空気感。それぞれが互いの本音に向き合い、現状を受け入れていく。幸せになるには何かを諦めるしかない。状況が改善されるわけもなく、いつか彼は一人ぼっちになっていくだろう。だが自分で選んだ人生であり、どうにもならないことだってある。そういう哀愁を漂わせながらも、少しだけ前向きになれるようなラストだった。[地上波(邦画)] 6点(2019-10-12 21:15:37)

433.  スパイダーマン:ホームカミング 《ネタバレ》 今までのスパイダーマンと違い、版権問題をクリアしてアベンジャーズと関わったこと、 そして未熟で無力なりに一人前になろうともがくピーターの青春物語が強化されたことが大きい。 功名心から正義を貫こうとして、結果的に大きな事故を招いてスタークを失望させ、 学校とヒーロー業を両立できず、片思いを失ってしまう苦みと切なさが残る。 家族のために犯罪に手を染めるマイケル・キートンを配役するセルフパロディが心憎く、 貧困と格差の問題をするりと潜り込ませる。 ディズニーに買収されたことが大きいのか、異人種間の恋愛と夫婦が珍しくなく時代の流れを感じた。 スタークからの再スカウトを断り、地に足をついて"親愛なる隣人"として歩み出したのはスパイダーマンらしい。[地上波(吹替)] 6点(2019-07-08 21:55:56)《改行有》

434.  立ち去った女 《ネタバレ》 4時間に及ぶ上映時間に、コントラストの強い鮮明なモノクロ映像を固定カメラの長回しで綴る。敢えて劇的な展開を排除し、ゆったりとしたテンポで下手したら何も起こらないまま終わるため、この地点でハリウッドのフォーマットに毒されている人は脱落するだろう。同監督の作品でも5時間~10時間は当たり前で長編ではかなり短い方だが、必要以上の情報量を制限した平易な作りが観る者に思考の余裕を与え、ホラシアの行く末を見届ける。弱き貧者たちに無償の施しを与え、情報源から復讐のチャンスを伺う様はさしずめ『親切なクムジャさん』に近いものを感じる。しかし前述した通り、復讐劇の顛末はあっけない形で幕を閉じ、貧者たちも住む場所を失う。そう、フィリピンの非情な格差社会への怒りと、神なき世界でも失わない人間の尊厳がテーマなのだろう。冒頭と終盤に朗読シーンがあり、ペドラは良心の呵責から声を詰まらせ、ホラシアはその先の希望を求めて去っていく。息子が見つかるとは限らない。地面に散らばった捜索届のように、行き場のない想いを抱えながらも、それでも人生は続く。その失われた時間が重くのしかかる228分。不条理でどうしようもない虚しさが募る一方、貧者との交流を見る限り決して絶望ではないだろう。[DVD(字幕)] 6点(2019-05-16 19:22:46)(良:1票)

435.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 クイーンはよく知らない。 フレディ・マーキュリーがペルシャ系がルーツであることも最近知ったばかりだ。 そのため純粋に映画として見ると、彼の栄光と挫折、愛と孤独という在り来たりなストーリーには何かしらの捻りがなく、 演出も予想通りの陳腐さである。 そのマイナスポイントを誰もが聴いたことのある有名な楽曲とラミ・マレックら俳優陣の頑張りで大幅にカバーする。 7割方はこれらとライブ・エイドの再現による勝利だろう。 もっとも本物の歌唱力までは真似できず口パクで、エンドロールに本人たちの映像を流すあたり、 トップクラスのモノマネ大会に終始している感は拭えず。 数十年後も残る名作になるかひとときの熱狂で終わるかはこれからだろう。 クイーンを大まかに知れる分には悪くないかもしれないけれど。[映画館(字幕)] 6点(2019-04-23 00:30:36)(良:1票) 《改行有》

436.  グリーンブック 「これが作品賞?」というのが正直な感想。130分間退屈なく見れて、『最強のふたり』を彷彿とさせるユーモラスなフィールグッドムービーなので、映画をあまり見ていない方にも薦められるが、やはり白人特有の上から目線の綺麗事、一時的な融和アピールにしか見えず、作品にあまりのめり込めない自分がいた。イタリア系だからと同じ白人から差別される用心棒と、黒人コミュニティから外れたピアニストのはぐれ者同士の話なので事情はもっと複雑だろう。とは言え、そこまで踏み込まず、ただの"良い話"で終わっている。予定調和の中に新しい驚きがないのが大きく、ただただ浅いなって。ヴィゴ・モ―テンセンもマハ―シャラ・アリも正反対ながらも素晴らしい快演で異論はないが、全体の完成度の高さでは『ROMA/ローマ』に作品賞を与えるべきだったし、13年前の『クラッシュ』同様、単に変革リスクから逃げたミステイクとしか言いようがない。[映画館(字幕)] 6点(2019-04-23 00:25:11)(良:2票)

437.  ロストックの長い夜 1992年旧東ドイツのロストックに起きた難民襲撃事件前後を三人の視点で描く。日本ではソフト化されず、映画祭で上映されたのみだが、ネットフリックスで視聴可能な辺り、その恩恵は非常に大きい。監督のブルハン・クルバニはアフガニスタン難民の二世で、ドイツの若者として生きながらも難民としての苦難も経験しており、彼ならではの題材だろう。仕事にあぶれ鬱屈した日々を送るネオナチの青年と、保身と倫理の狭間で揺れ動きうろつくばかりの市会議員の父親、生命の危険から退去するか葛藤するベトナム難民の娘を中心に多角的に描くも、移民反対の理由にもっと踏み込まないと如何に深刻でも「嫌な事件だった」で終わってしまう。さらには終盤の"ある演出"が過剰で安直さに拍車をかける。惨状を伝える映画として、一定のトーンで描いてほしかった。無学の者が大衆迎合の意見に飲み込まれて暴走するさまはいつの時代も同じ。[インターネット(字幕)] 6点(2019-01-04 19:13:15)

438.  荒野の七人 『七人の侍』と比べられるのは仕方ないが、舞台設定を中世の日本から南北戦争後のアメリカに上手く落とし込んだものだと思う。躍動感あふれる有名なテーマ曲は言うまでもなく、文化や精神性の違いからくるエピソードの数々も興味深い。メイン7人がオリジナルに迫れていないとしても十分魅力的だった。[地上波(吹替)] 6点(2019-01-03 15:56:05)

439.  ビューティフル・デイ 《ネタバレ》 いくらでも娯楽活劇に出来るプロットに状況説明も格闘シーンもあえて排除し、希死念慮を持った男の孤独をより一層強調する演出はレフン監督の『ドライヴ』を想起させる。父親からの虐待と従軍経験の絶えないフラッシュバックで、死にたくても死ねないのは介護しなければならない母親で繋ぎ止めているだけで、少女を救ったことからその日常が破壊される。生と死の狭間で揺れ動く男の心境にシンクロするように絶えず流れるジョニー・グリーンウッドの重層的なスコアが効果を上げ、特に湖の水葬シーンには美しさすら感じた。再び少女を救い出すも、彼女にはもう帰る場所がないし人を殺している。"救うことができなかった"自分に絶望して死んだって周囲は何も変わらないのではないか。だが、少女の一言に彼は微かな光を見出す。「明日はいい日よ」。決して明るい未来ではないかもしれないが、再生へ向けて不思議な余韻を残すエンディング。多くを語らない男の人生をホアキン・フェニックスの熱演で説得力のあるものにさせており、カンヌ男優賞は納得。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-01-02 08:54:28)(良:1票)

440.  女は二度決断する 《ネタバレ》 虚無の物語。ダイアン・クルーガーの熱演を以って、淡々とした物語を引っ張っていく。主人公が薬物やタトゥーに手を出す、純粋な善人ではないグレーな存在だからこそ、優柔不断からのあの決断に至ったのだろう。たとえネオナチの若い夫婦が有罪で終身刑になろうが、自らの手で復讐しようが、残された彼女には悲しみや苦痛が和らぐことがない。復讐が虚しいことは分かっている。けれど、もう心も思考も完全に擦り切れて、その後の人生も闘えなくなってしまった。どこに希望があるの? 当事者でないと分からないけどそう思えた。「ヘイトクライムはやめよう」と呼びかけても、完全にキャパシティが超過して疲弊しきった現在のドイツと重なる。[DVD(字幕)] 6点(2019-01-01 12:46:45)

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