みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194

481.  CURE キュア 《ネタバレ》 一連のオウム真理教事件が作品にそのまま投影されている訳ではないにしても、やはり「オウム後」の作品、ということではあるのかなあ、と。 普通に暮らしている(のであろう)一般人が、ある日突然、身近な人間を殺害する。続発する類似事件の要には、得体の知れない一人の若者がいて・・・となると、この若者が周囲の人間をコントロールして、自らが望まない殺人へと駆り立てる、ということのようではあるのですが、どうもそう簡単には割り切れない。若者にコントロールされるというより、日頃は表に出さないが実は心の底に抱えている鬱屈が、若者と接することで表に出てきただけ、という風にも感じられてきます。そういう、各人の心の暗部みたいなものが、孤立して存在しているようで、実は「この時代」というものを介して、互いに繋がっているような。 若者は、警察のお偉いさんに、あんた誰?という言葉を繰り返し投げつける。いや、名前はわかってる、そうじゃなくって、アンタは何者なんだよ、と言うのはつまり、若者が心に入り込めない相手、逆に言えば、時代が共有する暗部に無頓着で、何も気づかず能天気に生きている人。 たまたま、若者に形を変えて現れた「それ」は、若者が退場したとて解決する訳でもなく、形を変えてこの社会に残っていく。 一種の喩え話のような、寓意性を多分に感じさせる作品ですが、具体的に何が何の比喩になっている、というよりもまず、次々に現れる不気味なイメージが、ちゃんと「ホラー」として機能しています。正体が掴めそうで掴みきれない、何か。 水とか、ライターの炎とかいった、根源的なイメージはある種、「お約束」みたいなところがありますが、それにしてもまあ、この映画に出てくる建物のボロいことボロいこと、特に病院の建物はどうしてこんなに汚いイメージなんでしょうか(笑)。いや、実に見事なキタナさ、です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-03-30 04:37:48)《改行有》

482.  透明人間現わる 現れないのが透明人間、と、かのピンク・レディーもおっしゃってる訳ですが(いや、阿久悠か)、その「現れないもの」をどうやって表現するか、が映画の見どころ、見せどころ。 そりゃまあ、今の映画がコレと同じことをやっても厳しいものがあって、透明人間が服を脱いでいく場面の、これでもかという合成映像感など、ちょっと目のやり場に困ってしまいます。しかしこれ、昭和24年の作品。映画のクラシカルな雰囲気の中では、こういう手作り感も悪くないもんです。それよりも、戦後早くもこんな特撮映画に取り組んでいることにも驚かされるし、単に「チャチだ」と笑っていられないような、手の込んだ特殊効果にも驚かされます。 透明猫をカメラが追いかける。何もない空間を追いかけてるだけなんですけどね。しかしいかにも、ソレっぽい。姿は見えなくとも、ピアノの鍵盤が押され、モノが倒される。何もいないかと思いきや、足跡だけが点々とついていき、それをカメラが追いかけていく、摩訶不思議な感覚とスピード感。畳みかける演出が、見えないものを見せる。いや、「見せる」以上の、臨場感。 透明人間がタバコを吸えば、周囲に煙が充満し---あれ、そしたら煙が気道の形に浮かび上がるんじゃなかったっけ?(by H.G.ウェルズ)---とにかく、「姿が見えないからこその存在感」みたいなものがあるんですね。 透明人間がモノを持ち上げ、振り回す。ヒモで吊り下げて撮影しているんだろう、とは思うものの、とてもそうは見えない俊敏な動き。いったいどうやって撮影したのか? そういう、見えないものをどうやって表現するか、に対する拘りが、結果的にこの作品を「見せる映画」にしていて、どこかサイレント映画の雰囲気を漂わせています。透明人間が登場していないシーンにすら、そういう雰囲気があって。 どういう訳か、あの隠し戸棚みたいなヤツが、妙に印象的でした。[インターネット(邦画)] 8点(2024-03-24 07:03:52)《改行有》

483.  クライ・マッチョ 『グラン・トリノ』を見た時の感動、というのは、これがきっと最後の監督・主演作になるだろう、という予感ゆえに感動したのか、それとも感動したがゆえにそのような予感がしたのか。今となっては渾然となってよくわからないのですが、はっきりしているのは、その予感は外れて、間遠になったとは言えその後も、現時点で2本、監督・主演の兼業をこなしている、ということで。なんという映画への情熱とバイタリティ。老人、おそるべし。 この主人公は、煮ても焼いても食えない奴だ、と思ったら、自分で主演やるんですかねえ。頑固者のイメージ。それが、自らの老いた姿とともに、映画の中に焼き付けられています。今回の主人公も、推定年齢200歳くらい(?)のジジイ。カウボーイの生き残り。かつて南北戦争でも戦ったことがある、と言われても驚かないような、そんな人。 この物語の主人公がこれほど年老いている必然性があるのか、と言われるとよくわからないけれど、とにかく、イーストウッドは「今の自分」をさらけだし、「今の自分」を主人公に重ね合わせる。御年、90歳。乗ってたクルマが不調で、車体の下をのぞき込む、そんな仕草だけでも、ゴクロウサマと言いたくなる、そんな光景となっています。 しかししかし、映画たるもの、カメラがあれば、肉体の衰えなど乗り越えた動きのあるシーンも作り出すことができる。ニワトリを追いかけるシーンの張り切りぶりなどは、映画に動きを与えるとともに、どことなくユーモラス。 少年と旅をするロードムービー、のようでいて、実はそんなに旅をしていないような気もするのですが、イーストウッドはとにかく、若い人に何かを伝えたがっている、という雰囲気が伝わってきます。何を伝えたがっているのかというと、このマッチョ教の教祖のような人が、今さらになってではありますが、マッチョだけじゃいかんのよ、と。 というか、チキン(臆病)もマッチョも、紙一重。大事なのは、勇気を持つこと。 などと言ってしまうと安っぽくなるけれど、だからこそ、言うのではなく、それを映画で表現してみせる。体現してみせる。 イーストウッドは例によってカウボーイハットを目深にかぶり、陰になった目元がよく見えないのだけど、帽子を脱いでその目元が露わになると、妙に可愛らしい瞳がそこにあって。 ジイサン、すっかり丸くなった・・・のかねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-03-16 04:54:32)(良:1票) 《改行有》

484.  西部無法伝 《ネタバレ》 これは意外な拾い物、実に楽しい映画。 「奴隷制」、というか、さらにひろげれば「人種差別」というものを、気持ちよく笑い飛ばしてて、イヤミを感じさせません。もちろん今の目で見れば、踏み込みが足りないとかいう批判もありうるかも知れないけれど、後からだったら何でも言える訳で。白人・黒人のコンビによるバディ・ムービーとして、しっかり楽しめる娯楽作品になっています。 80年代になってエディ・マーフィーが登場し、白人と対等、あるいはさらに主導権を握るくらいになってくるけれど、エディ・マーフィーはあくまでエディ・マーフィー本人でしかなく、一種の特殊解でしかなかったような印象も。一方、この『西部無法伝』のコンビの片割れを演じる黒人俳優も、黒人を代表する存在とまでは言えないけれど、軽口を叩きつついわば白人と黒人との間のつなぎ役となり、しかもやっぱり両者の間には埋めきれない溝があることもラストで示して見せる。いや、埋められない溝を埋めるためには、まず溝の存在を認識しなきゃいけない、ということか。この役をサラリとイヤミなく演じたこの俳優、誰なんだろう、冒頭のクレジットには「Lou Gossett」と出ていたけど、ルイス・ゴセット・ジュニアと関係があるのかないのか・・・『愛と青春の旅だち』の時のイメージが強く、とても本人とは思えないけれど、と思いながら見てたんですが、どうも本人らしい。ちょっとビックリ。 で、主人公2人組にさらに絡んでくる女性(スーザン・クラーク)。これがまた、見るからにズルそうな顔をしていて、ホラやっぱり、という展開。人種差別反対だけでなくウーマンリブ的な要素も入れてやろう、と欲張った訳ではないのでしょうが(でもその影響は多少はあるのかもしれない)、作品にさらにコミカルな要素が加わります。 物語はスピーディに展開し、あくまで軽いノリですが、見せ方が上手いこともあって語り口が一本調子にならず、楽しい作品に仕上がっています。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-01-02 07:46:04)《改行有》

485.  キックボクサー いや、ヒドい作品だ、ってのは、わかってるんですよ。というか、こないだ見た際には、あれ、ここまでヒドかったっけ、とちょっと驚きました。 そういや、TVジョッキーのガンバルマンのコーナーで、この映画もシーンに倣ってたけし軍団の面々がロープで股割きやらされてたよなあ。とか、どうでもいい記憶が、蘇りつつ。 いかにも80年代低予算映画のノリ。音楽もチープで、わざとやってるんじゃないか、と思えてくるぐらい。いや、当時はこれがフツーだったのであって、今見ると改めて、いやあ、ヒドい。 達人に弟子入りしたらあっという間に強くなる、というストーリー展開がこれまた安直、なのでは無くって、そういう安直な『ベスト・キッド』をパクろうというのが、実に安直。まさに安直の二乗。 若き日のジャン=クロード・ヴァン・ダムが初々しい、というより完全にイモ演技。驚いた際の演技なんて、完全にコメディ映画のソレ。この人もしかして、バックトゥザフューチャーのマイケルJフォックスを見て演技の勉強をしたんじゃなかろうか、と思えてくるぐらい。まあ、それでもいいんですけど。 しかししかし。 チープな作品ながらも、ちゃんと(本当にタイなのかどうかは知らんが)タイっぽい場所でロケ撮影してる。これは、素晴らしい。もっとも、最初の方、公園でキックボクシングの練習をする場面なんぞ、いやさすがにもうちょっとちゃんとした撮影場所なかったものかと思えてきます。まあ、主人公兄弟がまだ気を抜いている、ということを表現したかったのかも知れませんけれども、しかし何だか、「ではこの辺りでお弁当にしましょうか」というノリで「ではこの辺りで撮っときますか」と手っ取り早く撮影したかのような。でも多くのシーンは、ロケの効果がしっかり出てます。特にあの、寺院跡みたいな場所。なーんか、エキゾチシズムを感じさせるだけではなく、ああ、この国では遠い過去から戦士たちが戦ってきた歴史があって、その無数の戦いの上に今、この主人公が居るんだな、と。 でもって、クライマックスの試合における、ヴァン・ダムの肉体美。実に実にお見事。スローが多用されている分、スピード感は損なわれがちだけど、それを補って余りあります。スロー映像に耐える、この筋肉。スロー映像の中で、松明の炎も幻想的に揺らめいて。 まさかまさか、こんなチープな映画に、神が舞い降りた瞬間かと。 ところでヴァン・ダム、ダンスが上手いですね。いえ、お世辞ではありません。イヤミです。[インターネット(字幕)] 8点(2023-12-24 19:01:56)《改行有》

486.  ミッドナイト・ミート・トレイン かつてクライヴ・バーカーの「ミッドナイト・ミート・トレイン」を読んだ際に、「こりゃ、“やみくろ”だな」と思った―――のか、それとも「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだ時にミッドナイト・ミート・トレインを思い出したのか、読んだ順番が定かでなくなってきているのだけど―――いずれにせよ、どういう訳か私の中ではこの二つのイメージが妙な具合に結びついてしまってます。 では、この映画化作品は、と言うと。 特にそういうことは感じなかったですね。というのもやはり、短編小説を長編映画に膨らませている、というのもあって、一応、そういうアヤしいヤツも登場はするけれど、それよりも、そこに至るまでのサスペンス色が強くって、小説とは印象が異なります。日常から、徐々に謎めいた世界の「真相」へと近づいていく過程。しかしやっぱりそこでは、あの薄暗い「地下鉄」という舞台が実に効果的に効いていて、原作の持ち味、というべきでしょうか。 映画の中では、だいぶ悪趣味な描写も見られますが、これもまたホラー映画らしい味付け。一種のスパイス。そういうスプラッタ描写を散りばめつつ、スピード感あるクライマックスへ。 それなりに一般性には欠けるので誰にでも勧めたくなる映画ではありませんが、個人的には満足度の高い一本です。[インターネット(字幕)] 8点(2023-10-14 02:16:13)《改行有》

487.  ザ・ブルード/怒りのメタファー 「何のこっちゃ」な邦題ですが、映画を見ればこれが意外に「どストライク」な邦題であったことに気づきます。 映画の内容の方も、あくまでホラーでありファンタジーなので、こういう事が実際に起こり得るかどうかは問わないことにし、細かい部分まで納得のいく説明がなされているかも問わないことにすると―――そういう事を問うのは元々、野暮というものだけど―――「何のこっちゃ」な展開かと思いきや、最後まで見ると、邦題のコンセプトに沿ってそれなりにまとまった内容であり設定であったことがわかります。 にも拘らずこの作品には、気持ち悪さ、落ち着かさなさ、といったものが横溢しています。何とも言えぬ、割り切れなさ。 前触れなく、突然、映画に登場する襲撃者。映画の中でその正体は明かされるものの、この最初に登場した時の「いる訳のないものがいた」「見てはいけないものを見てしまった」という感覚、これがずっと尾を引いて、最後まで何とも言えぬヤな感じが続きます。確かに、「怒り」の象徴としてこの異形のものたちは存在するのだけど、そういう可視化された「怒り」の裏には、可視化しきれない人間関係のドロドロしたものが渦巻いている。もっとも近接した人間関係である家族、その家族の中にすらドロドロが渦巻いている、という落ち着かなさ。わかっちゃあいるんだけど、それをこうやって映画で突きつけられると・・・。 音楽はハワード・ショア。まだキャリア初期の仕事だと思いますが、これまたなかなかに落ち着かない音楽を響かせて、ヤな感じをしっかり増幅してくれます。[インターネット(字幕)] 8点(2023-09-02 13:17:54)《改行有》

488.  リトルトウキョー殺人課 監督のマーク・L・レスターは、みんなの大好きな『コマンドー』の監督さんなので、大抵のことは大目に見なければいけません。 しかしこの、「さあ今から間違ったニッポン文化を描きますよ」と宣言してるようなヤバそうなタイトル、どうなることかとヒヤヒヤする訳ですが、さすがは『コマンドー』の監督。やっぱり面白い。むしろ、面白い。 そもそも、舞台はあくまで日本ではなくリトルトーキョー、ですから、描写が全部間違ってるのか、それとも一部は正しいのか、私にはわかりません(全部正しいということはまさか無いと思うが)。わかりませんが、もし実在するのなら一度は入ってみたい、盆栽クラブ。 この作品が現地の日系人に対する偏見を助長していないこと、みんな笑ってスルーしてくれること、それだけを願っております・・・。 さて、主演がドルフ・ラングレンで、相棒がブルース・リーの息子。武士道に生きる白人と、あくまでアメリカ的な感覚を持つ日系人、という組み合わせが設定の妙で、ある意味、互いに何のチェック機能を果たしていない(笑)。もはや日本文化の描写は間違え放題。ドルフ・ラングレンが再三披露する二ホン語は流暢過ぎて、ネイティブの我々にもほとんど聞き取れません。 でもって、わずか79分という尺に、無理やりアクションを詰め込んで、まさに無類のスピード感。ストーリーなんぞ無いのに有るかのように感じさせる、あるいは、ストーリーが無いことに気づかれる前にさっさと映画を終わってしまう、見事な手腕と言えましょう。 クライマックスで日の丸に「闘魂」と書かれたハチマキ姿になるドルフ・ラングレン。ここまでせっかくムキムキで強そうだったのに、ハチマキ姿になった途端、何だかラルフ・マッチオの霊が乗り移ったように弱そうに見えてしまうのが、残念でした。どうでもいいけど。 ケイリー=ヒロユキ・タガワのイッちゃってるような表情は、インパクトありまくりでした。[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-14 09:16:40)《改行有》

489.  スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火 世に数多ある超常現象ネタの中では、比較的人口に膾炙している部類のものでありながら、お世辞にも人気があるとは言い難い、この「人体自然発火現象」というヤツ。このネタで映画が一本撮れると考えるのが、さすがトビー・フーパーであり、本当に撮ってしまうのがこれまたさすがトビー・フーパー。誰も止めなかったんでしょうか、というのは、言いっこなし。 見てるとやっぱりグダグダで、ほら言わんこっちゃない、と思うのですが、見てるうちにどんどんテンションが上がってくる。なんだかわからんが、テンションが上がっていることだけは間違いない。やっぱり彼は、「悪魔のいけにえ」の監督であり、「悪魔のいけにえ2」の監督なんだなあ、と。たぶん彼自身が内なる炎で、自然発火寸前なんでしょう(ジョン・ランディスはとうとう劇中で発火してしまいましたが)。 体制への怒りなのか、周囲の無理解への怒りなのか、とにかくその怒りを主人公に託し、炎として可視化しまくる。なんだかやっぱりよくわからんが大変に盛り上がる映画でした。で、誰か止めろよ。[インターネット(字幕)] 8点(2023-07-16 06:59:33)《改行有》

490.  花嫁の父 《ネタバレ》 娘を嫁に送り出す父の姿。と言っても小津作品とは違い、ややコミカルにデフォルメされて描かれてますが、さだまさしの「親父の一番長い日」ほど極端ではありません。 ところどころでクスリと失笑まじりの笑いを引きおこす親父の姿、しかしあの悪夢にうなされる場面なんてのは、笑えるシーンではあるのですが、なかなかの恐怖も味わわせてくれます。かなり、コワいです。 やがて結婚式となり、人々が集まってきて、群衆シーンと言う程では無いにしても、画面に動きが出てくる。で、式が終わってみんないなくなり、しみじみ。 ってのは、いつの時代もどこの国でも、同じなんですねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-24 06:43:31)《改行有》

491.  カナディアン・エクスプレス 《ネタバレ》 これも初めて見たのはいつだったか、「列車モノにハズレなし」「ハイアムズ作品だから悪くないでしょ」などという妙な期待を持ちながら見て、それなりに裏切られたという思いはあったのですが、それから幾年。ふと、「今なら楽しめる」ような気がして、随分久しぶりに見ました。うん、やっぱりこれ、面白いではないですか。多少、地味ですけどね。それもまた良し。 列車モノとはいっても、暴走するワケではないんで、あまり派手なシーンを期待してはいけません。しかし、空撮シーンはやっぱり、いいですねー。なかなかにとんでもない大自然の中を走る列車、青春18きっぷでも持ってこういう路線に乗ってみたいとか思うのですが、その密閉空間を舞台にしたサスペンス。刺客はどこにいるのか、そもそも誰が刺客で、誰が刺客でないのか。ある程度セコくもワクワクする駆け引きの果てに、最後はお約束のごとく、列車の屋根での攻防戦。周りは嬉しくなるような大自然、それを空からカメラが捉える。 やたら飄々としたジーン・ハックマンが、本当にこの役にピタリとはまっているかというと、ちと怪しいけれど、そこに映画の意外な魅力が生まれているのもまた事実。[インターネット(字幕)] 8点(2023-06-17 02:51:35)《改行有》

492.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 これは、「アラン・スミシー監督」の実質的なデビュー作、と言っていいんですかね。ダメか。 リチャード・ウィドマーク演じる主人公の保安官が、とにかく周りから嫌われまくってて、もうほとんど笑っちゃうくらいに嫌われてるんですが、なにせこんな怖い顔だから、それも仕方がないのです。また、多少の誤解もあるとは言え、もちろん本人も悪い。やたら短気だし。顔は怖いし。 という嫌われ者なもんで、映画が始まって間もなく、襲撃を受けてしまう。この夜の馬小屋の場面、二階の暗闇から襲撃者の声だけが聞こえてくる不気味さが印象的です。 はたまた、若造の襲撃に始まりクライマックスへと繋がっていく終盤の一連の流れ。ドア越しの銃撃がバイオレンスを感じさせ、さらにクライマックスの追跡などは、ダーティ・ハリーの執念なども思い起こさせます。ダーティ・ハリーと本作との間に何か関係があるのかどうかはさておき。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-28 08:37:33)《改行有》

493.  燃える平原児 《ネタバレ》 エルヴィス・プレスリーが、白人を父、先住民を母に持つ主人公を演じた西部劇。これを見ても、何ゆえエルヴィス・プレスリーがあんなに大スターとしてもてはやされていたのやら、さっぱりわかりませんが、それは必ずしも悪い意味ではなく、あくまでこの大作とは言えない西部劇の出演者の一人として、複雑な境遇の青年の役を好演しています。一応はファンサービスなのか、歌声も披露しており、言われてみれば、スターらしい色気が無くも無いような気もしてきますが、おそらく気のせいでしょう。ということで。 この作品、何ともまあ、救いのないオハナシでして。主人公一家の周りでは、白人と先住民たちが、ひたすら対立しまくっていて、襲撃シーンなどもなかなか容赦のない描写。この一家はその家族構成ゆえ、できればこの対立に巻き込まれたくない。だけどそれを周りが許す訳もなく。そして周りが許さなければ、この一家を軸とした新たな対立の種が生まれてしまうことに。 最後まで何も解決することはなく、ラストシーンの別れが対立の終着点として描かれるこの悲劇、それをアクションを交えつつテンポよく描いていく手際の良さ。スターが主演だろうと何だろうと、B級西部劇の香りがいたします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-07 07:45:13)《改行有》

494.  メトロポリス(2001) 《ネタバレ》 終盤のカタストロフィ、結局は物語をここに持っていくのであれば、何もこんな込み入ったオハナシにしなくても、と思わなくもないけれど、一方では、収斂する物語の快感、というのもある訳で、やっぱり引きこまれてしまいます。 もちろん引き込まれる理由というのは、中盤に盛り込まれた雑多なエピソード(例えばロボットたちと人間との関係)がクライマックスに向けて収斂していく過程、にもあるとは言え、やはり最大はこの、緻密を極めたアニメーション、その細部へのこだわり。CGもかなり使われているけれど、CG部分に負けないだけの驚くべきアニメ表現がこれでもかと詰め込まれていて、CG部分が浮いて見えちゃうようなことは全くありません。 ケンイチくんは昭和感丸出しのキャラで、こんなクリクリ目玉の少年はもはや、ビッグボーイの看板くらいでしかお目にかかりません。ティマちゃんは、普通の美少女キャラとは一線を画したようなところがありますが、イヤミなほど足がスラリとしてます。ケンイチくんの昭和な足とは全く違う。しかし一部の作画では、さすがに足が長すぎる気もしましたが、どうでしょうか。 それはともかく。終盤、「私は誰?」と問うていたティマに対し、残酷な答えが突きつけられ、内側がむき出しとなっていく彼女の要望にもそれが表れるのですが、結局彼女はその問いを最後まで抱いたまま、彼女を救おうとするケンイチの手を離れ、墜落していく。自分は誰なのか、という問いへの答えが得られることは決してないのですが、その問いを抱えている者こそが、すなわち人間なのではないか、と。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-05-06 08:44:39)《改行有》

495.  牛泥棒 《ネタバレ》 これは怖い。もはや、一種のホラー映画です。 なにゆえ怖いかと言うと、作品の主要な部分を占める一連のシーンが、夜だから、ですね。人の理性を狂わせる闇。何が起きるかわからない、何が起きてもおかしくない、不穏な時間の流れ。モノクロ映像が不気味な迫力を醸し出しています。 本来ならヒーロー役であるところのヘンリー・フォンダ、後の某作品で他の11人の陪審員に立ち向かって見せたヘンリー・フォンダなら、この事態を何とかしてくれるんじゃないか、とつい思っちゃうのですが、彼の正義感もここでは無力。彼の存在が一抹の希望を抱かせるけれど、その対比によって、絶望の闇はさらに深くなる。 では彼は一体、この作品に何のために登場したのか、何のために彼に相棒がいたのか、というと、相棒へ読み聞かせるという名目で、「手紙を読みあげる」ためにこそ、この主人公は存在したのだ、というラスト。 ただ、この手紙、人の心を動かすどれほどの内容が書かれていたのだろうか、と作品自身がだいぶハードルを上げてしまったので、正直、割とフツーの内容だったかな、と思わなくもないのですが(ゴメン)、映画を貫く緊迫感と迫力は、それを補って余りあると思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-04-15 11:41:20)(良:1票) 《改行有》

496.  パラサイト 《ネタバレ》 要するにこの映画が何を言っているかというと、生徒から見たら学校の先生ってのはホント、得体の知れない人たちだ、ということでして。何せ学校の先生ってのは、いつ何をキッカケに怒り出すやら、訳がわからんもんね。どうやら先生たちのみに通じる価値観みたいなものがあるらしい。いやあくまで「生徒から見たら」、って事ですけれども。 特に体育教師ってのは、得体が知れない。ましてやその教師がターミネーターそっくりだったりなんかしたら、もう。。。 不良生徒からすれば、先生たちは勿論の事、他の生徒たちだって充分、得体が知れない。信用できるのは、一緒にヤクをやる、仲間だけ。この映画、そういうオハナシ。 しかしさらに映画の先を見ていくと、一緒にヤクをやってる連中だって結局、信用できないことがわかってくる。よくできたオハナシです。いや、映画の製作者にそういう意図があったかどうかは知りませんが、よくできた映画は結果的によくできたオハナシになる、ということですね。 走って逃げろと教師に言われたイライジャ・ウッドは、クライマックスにおいて走って逃げることになる。「攻撃は最大の防御」か、それとも「防御は最大の攻撃」か。 『スクリーム』みたいな一種のパロディというか(同じ脚本家ですしね)、作品自身のジャンルに対する自己言及が取り入れられていて、「盗まれた町」が再三、言及されるのですが、登場人物たちは『遊星からの物体X』のことをもっと気にしなくてよいのだろうか?と心配になってくる。案の定、クライマックスには『物体X』的な危機が待ち受けるのですが、ああいうハリボテではなく、ちゃんと動くヤツが襲ってくるのが嬉しいではありませんか。クライマックスにおけるプールを舞台とした一連のシーンは、出色だと思います。この作品、前回観たのはずいぶん前ですが、このシーンは強く印象に残ってて、また嬉しくなっちゃいました。[インターネット(字幕)] 8点(2023-03-19 17:30:32)《改行有》

497.  明日なき追撃 《ネタバレ》 主演のカーク・ダグラスが製作・監督を務めた意欲作、とは言ってもヒーローものの超大作を目指すでもなく(ジョン・ウェインとの違い)、皮肉が効いたイキな小品に仕上がってます。小品とは言え、機関車を使ったちょいとスペクタクルなシーンもあり。 まず冒頭のタイトル前の夜のシーン、思わせぶりに、セリフを最小限に絞り、ツカミは上々。 ブルース・ダーンが酒場で銃撃する場面なども、ほとんど表情を変えない彼の顔と、テーブルを銃弾が突き抜けるアップの映像とを交互に描くスタイリッシュな演出で、こういうのもなかなか気が利いてます。 その後、「ちょっとした場面」が描かれます。酒場の誰もがブルース・ダーンに恐れをなして何も言わずに黙り込む中、ワンちゃんだけが彼に吠え掛かるのですが、彼がエサを投げると、たちまちエサに夢中に食らいつく。これだけだったら、ユーモラスな1シーンの挿入、に過ぎないのですが、その後の映画の展開を見ていると、実はこの作品を象徴するシーンであったりもします・・・・ 映画は中盤に、カーク・ダグラスが演説する夜のシーンを長くとり、その後はブルース・ダーンを護送する機関車のシーンからクライマックスへ。映画が描くシチュエーションを、欲張らずに数を絞って、じっくり描く。こういうのも、シャレてます。詰め込まないで、しっかり、じっくり描く。何かが起こりそうな雰囲気が、徐々に高まっていく。 クライマックスでは機関車を舞台にしたアクションで盛り上げて、見どころも充分、だけどラストで変化球も見せ、いやあ、なかなか心憎い作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-03-11 05:32:04)《改行有》

498.  網走番外地 大雪原の対決 前作の「南国の対決」から、帰ってきました北海道。雪また雪の真っ白な世界、ロケ撮影も大変でしょう。雪に足が取られたのか、カメラが猛烈にガタつく場面もあって、さすがに今の撮影は失敗じゃないの、と思ったりもするけれど、そういう作品の傷のような荒々しさも含めて、これぞ大雪原の対決だなあ、と。 冒頭の刑務所の場面から始まって、あれやこれやと行き当たりばったり、適当なストーリーのようでありながら、意外なまとまりを見せて、ちゃんと内田良平との対決に始まり対決に終わる、脚本の妙。そこに、ニセ鬼寅親分のエピソードも加わって、今回はアラカン大活躍です。クライマックスは、銃撃戦を繰り広げつつドスも振り回し、西部劇と任侠映画が同時に楽しめる親切設計。 油井に組まれた櫓が一気に燃え上がる場面なども、壮観でした。ダイナミックな作品です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-02-19 12:30:12)《改行有》

499.  人生劇場 飛車角 いや素晴らしい。この映画に減点要素があるとしたら、鶴田浩二の髪型が何となく変、ってことくらいじゃないでしょうか。 任侠映画の嚆矢とも言われる作品ですが、東映時代劇路線からの橋渡しのような作品でもあり、趣きがあります。暗めの映像、雨や雪、岩に砕ける波。そして随所で用いられるクレーン撮影、画面がビシっとキマります。 さらには何と言っても印象的な、鶴田浩二の横顔。やっぱり髪型が何となく変。ってのはどうでもよくって、耐える男の横顔が、いい。 健さんが若い。後の作品のような寡黙な役どころではなく、一本気の若者を熱演して、健さんらしからぬあんなことまで・・・。 月形龍之介がまた、いいんです。元・侠客の吉良常。定年後のサラリーマンみたいですが。飛車角の漢気に惚れる彼もまた、充分に惚れられる存在となっています。 ラストの坂は、任侠映画屈指の名シーンでもあり、任侠映画の型がまだなかった初期作品ならでは、とも言えそうです。[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-12 10:13:59)《改行有》

500.  追われる男 主人公役がジェームズ・キャグニーで、対する悪党の役はと言うと、こちらもキャグニー? では無くって、よく見るとボーグナインなのでした。そっくりさんとまでは言わないけど、タイプ的には同路線の顔立ち。ワルそうだけと愛嬌があります。 それにしても、これまた面白い西部劇。ストーリーは結構、適当というか、行き当たりばったりというか、白々しくも強引に進んでいくのがまず楽しい。そもそも冒頭、列車強盗に間違えられるくだりなど、ほとんどコメディかと思ってしまうのですが、その後、自警団に襲撃され、主人公と一緒に居た青年は銃撃で生死を彷徨った挙句、重い障がいを負ってしまう、という、笑うに笑えぬ深刻な展開。この振れ幅の大きさが、物語を推し進め、一方ではちゃんと、主人公と青年の関係をここに織り込んでいたり、無法者の跋扈する西部の町、横行するリンチ、などといった物語の軸を織り込んでいたり。 だから、物語は変化に富んでいて、やや暴走気味ではあるけれど、散漫な印象はなく、納得感があります。B級納得感とでも言いましょうか。 何がどう「追われる男」なのかはよくわからん邦題ですが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-02-12 08:56:28)《改行有》

030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53619.33%
663116.30%
7122131.55%
888522.87%
93749.66%
101012.61%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS