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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3267
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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521.  g@me.(2003) 《ネタバレ》 とにかくドンデン返しの連続。 最後まで飽きさせないとも言えるし、やりすぎとも言える。 でも、ここまでひっくり返しまくれば、結局は元に戻る。 つまり、二人は離れ離れになる。 その締め方が巧い。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-14 02:35:56)《改行有》

522.  秋菊の物語 《ネタバレ》 人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。 夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。 本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。 人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。 組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-06 13:01:54)《改行有》

523.  Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン 《ネタバレ》 北朝鮮を支持する団体の幹部であった父と、日本で在日として生まれ育った娘。 二人の間には、思想という点で、どうしても埋められない溝があった。 それは、どんなに父娘が愛し合っていても、埋められない溝だ。 日本で北朝鮮の思想活動を人生を賭けて行ってきた父親だが、老齢になり活力も失われつつあった。 そんな父親に、娘が「韓国籍」を取ってもいいか、と質問するシーン。 娘に幸せになってもらいたいという思いが頭をもたげ、韓国籍になることを許す言葉をひねり出す。 北朝鮮の思想を生涯信じ続けてきた男としての父親と、愛する娘の幸せを願う父親とが交錯し、葛藤するシーンだ。 父親は誰だって、娘に幸せになってもらいたいと心の底から願っている。 だけど、どうしても譲歩できない部分がある。 そんな葛藤から意を決してひねり出した言葉が、娘に韓国籍になることを許す言葉だった。 娘を持つ父親なら、感情移入できる部分に違いない。 それと、本作は北朝鮮の風景や人間たちを映像に残しているという部分でも、非常に貴重な作品である。 ピョンヤンの映像を撮った監督の勇気に敬服する。 個々の人間がそれぞれに持つ思想や価値観。 それを上回るものは、親の子供に対する愛情であった。 あらゆる試練や苦難を乗り越えてきた一人の男の、死に瀕するまでの過程を描いたドキュメンタリーで、人間の生き様、人間の業というものを深く考えさせられる作品であった。[DVD(邦画)] 7点(2011-08-01 01:29:22)《改行有》

524.  からみ合い 《ネタバレ》 さすが小林正樹監督作品、重厚な味わいで内容も面白い。 美術や音楽も独自性に富んでおり、ストーリーとは別に、映画として、画として楽しめるのがまた良い。 小林正樹監督作品の『化石』と似たような設定で、大企業の経営者が不治の病に侵され、今までの人生を反芻し、余生をどうにか全うしようと苦悶する姿が主軸となっている。 その社長の死に臨み、その遺産を狙う人々。 さまざまな欲望と策略、そして嘘が複雑に“からみ合い”、醜悪な人間たちの内面を見せつけられた。 法律の知識を武器に暗躍する企業顧問弁護士、愛人のごとく体を武器にして遺産相続人に名乗りを挙げる社長秘書、必至に自分の立場を守ろうとする若き妻、そしてその妻の元愛人・・・と実に複雑巧みに人間がからみ合う。 ドロドロとした人間ドラマで、もう一度観たいとは思えない内容ながら、これまたハズレのない小林正樹作品に、どっぷり黒々酔いしれることのできた2時間弱だった。[ビデオ(邦画)] 7点(2011-07-28 23:00:15)《改行有》

525.  接吻 (2006) 社会的に不適合者だと常に感じ、いつも孤独を感じている。 そのような人間が自分をどう見つめているか。 それは、自分のことを不適合者だと思っていない人には知る由もないことであり、そこには大きな溝がある。 不適合者が抱える心の闇。 不適合者同士しか理解し合えないこと。 しかし、不適合者同士とは言え、他人である以上すべてを理解できるとは限らない。 そこにはおのずと限界もある。 「この人なら私を理解してくれる。この人のことなら理解できる」 そう思っても、ちょっとした考え方のズレが、決定的な絶望感と孤独感を創り上げてしまう。 愛し合っている男女の関係にも同様のことが言え得るのではないか? お互いのことを完全に理解し合っていると信じている男女が居たとしても、ちょっとした価値観のずれが深い絶望感をもたらす。 深い絆で結ばれた人間同士でさえも、ひょんなことから深い溝が生まれる。 人間の関係性の難しさ、そして完全に理解し合うということの不可能性を本作を観て、痛烈に感じさせられた。 最後になったが、小池栄子は女優としてのプロ根性を発揮し、迫真の演技で実に素晴らしかった。 ついでに巨乳も相変わらず素晴らしい。[DVD(邦画)] 7点(2011-07-17 02:40:07)《改行有》

526.  ざくろの色 色彩と構図だけで勝負したら、この映画の右に出る作品はないだろう。 台詞を排し、時折り入る語りも音声がしぼられており、色彩と構図をひたすら強調した演出も、さりげなく巧みである。 ソフィコ・チアウレリの美しさも鮮烈。 特に、白装束・白塗りの彼女は、神秘的なまでの美しさとオーラを放っている。 目じりが印象的な女優で、もっと沢山の作品で彼女の姿を拝みたかったものだ。 強いて苦言を呈すれば、映像的な美しさと物語としての面白さが両立していないところ。 だがこれは、究極的に色彩と構図に焦点をしぼった結果だとも言える。 それだけ、絵画的美しさに特化した、孤高の作品だった。[DVD(字幕)] 7点(2011-06-27 00:35:05)《改行有》

527.  ジャバウォッキー 《ネタバレ》 個人的にヤン・シュヴァンクマイエル作品の中でナンバー1な作品! とにかく気が狂いそうな悪夢的イマジネーションの世界爆発!! 迷路が出てきて、行き止まると猫が出てきてドボーン、そんでもって悪夢登場!って流れが何だかクセになるバッドテイスト。 果物が割れてウジが出てくるのには正直参ったが・・・汗[インターネット(字幕)] 7点(2011-06-17 00:45:52)(良:1票) 《改行有》

528.  不安 《ネタバレ》 不倫に関わる、ややもすると単純になりそうな話を、見事なまでにサスペンス風味満載に仕上げた作品で、いつ殺人が起るとも分からない雰囲気が全編に渡り漂っていて、緊張感を持ったまま最後まで観ることができた。 ロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バーグマンは実生活でも不倫関係にあったが、本作はその不倫関係をまるで鏡の様に映しこんだ内容である。 結果、ロッセリーニは、不倫というものを深くリアルに追究し過ぎ、本作をもってバーグマンとの不倫仲も終りを遂げる。 ロッセリーニが、自身のプライベートをさらけ出してでも撮ろうとしたその意気込みを評価したいが、その一方で、単にロッセリーニの女グセの悪さを見せられているだけの様な気がしなくもない。 不倫とはいかに不誠実で、リスクが高いか。 単純に言えば、そんなことを訴えている作品である。 そんな単純な題材を、ロッセリーニは独自のセンスで、サスペンス劇としても十分に楽しめる作品に仕上げてみせた。 ロッセリーニは、イタリア近代映画の草分け的存在の監督だけあって、その完成された演出手腕には、さすがの貫禄を感じた。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-12 01:21:37)《改行有》

529.  紅夢 中国製作映画としては、チェン・カイコーの『さらば、わが愛/覇王別姫』に匹敵する濃度を持った作品。 チャン・イーモウは、この頃、素晴らしい作品を撮った。 現在に関しては、敢えて語らず。 抜群の才能が、出世的野心と金によって摘まれることの損失の大きさ、本作を観てこれを感じずにはいられない。 主演のコン・リーは、完璧なまでの大陸美人。 チャイナ服をとっかえひっかえ着こなす。 そして、巨大なのに閉塞感たっぷりの大邸宅。 妾4人とは羨ましくもあるが、現代日本の感覚からすると、むしろ寂しい印象の方が勝るかも。 とにかく、あのお城の様な邸宅は冷たい感じがする。 大体、気味の悪い小屋が屋上にある時点で頂けない。 だが、中国ならではの文化、もちろん中国の中でも特殊な世界での文化だろうが、我々日本人からしたら、カルチャーショックの何物でもない。 同じアジア圏の私から見てもショックを受けたくらいなので、欧米人が本作を観たらどんな感想を持つんだろうか。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-05 01:52:59)《改行有》

530.  ピョンヤン・ダイアリー 1994-1997 オーストラリア人が北朝鮮を旅した際に、手持ちカメラでもって、北朝鮮の実態を映像におさめようと、旅先の日々を綴ったドキュメンタリー映画。 日本のニュース映像で垣間見る北朝鮮の映像は、非常に限定、いや、人為的に偏った映像であり、それが日本人の北朝鮮という国に対する偏見を生んでいる。 アメリカ傘下の日本では、北朝鮮の実態そのままをニュースで報じることは現実的には不可能である。 そんな中で、オーストラリア人が北朝鮮を旅して、監視付きながらも北朝鮮の映像を中立的立場で撮って見せた本作はとても価値があり、有意義なものであると私は感じた。同じ人間である以上、日本人も北朝鮮も平和を願っているという点では共通である。 勿論、できれば戦争は避けたいと北朝鮮人も思っている。 だが、アメリカが世界を牛耳る世の中で、アメリカにおんぶにだっこである日本が、北朝鮮を正しく理解できるはずもない。 それはアメリカに影響を受けた報道規制の中でしか、我々日本人は北朝鮮の思想や実際の姿をニュースで見ることしかできないからだ。 北朝鮮は小国ながら、社会主義国としての立場を貫こうと奮闘している。 こういった北朝鮮の真っ直ぐな姿勢を、もっと日本人は客観的に評価すべではないか? もちろん、北朝鮮の全てを肯定しろという意味ではない(飢餓問題など)。 報道規制されたマスコミの情報だけで、北朝鮮を悪い国だと決め付けている日本人、アメリカにぶら下がり安穏としてアイディンティティを持ち得ない日本人は、北朝鮮のこういった真っ直ぐな姿勢にもっと興味を持ち、理解する努力すべきなのではないかと思う。 アメリカに抑圧され、操作された日本報道文化の中で、どうしたら我々日本人が、同じアジアの国で自国のアイデンティティを貫いている北朝鮮を理解できるのか。 中立的な本作を観ていると、そういった疑問や不満がわいてくる。 念のために書いておくが、本作は決して北朝鮮寄りに創られたドキュメンタリー映画ではない。 オーストラリア人が、極めて中立的な立場で創り上げたドキュメンタリー映画である。 極めて客観的で中立的な本作を観るにつき、アメリカ式資本主義に対立する、社会主義国に関する日本人の理解の低さ、そしてマスコミ報道を丸ごと無意識に信じ込んでいる日本人の愚かさを感じずにはいられない。[DVD(字幕)] 7点(2011-05-31 03:21:42)《改行有》

531.  自由を我等に 《ネタバレ》 ルネ・クレール監督と言えば『巴里祭』や『巴里の屋根の下』をイメージする私としては、本作も妙にハッピーな雰囲気のお祭り騒ぎ的な作品なのでは?と想像していた。 ところが良い意味で予想を裏切った。 本作は社会を風刺しながら、楽しさも健在で、それでいて友情に重きを置いた人間ドラマでもあった。 ルネ・クレールがこんな作品を撮っていたとは知らず、ずっと軽い監督のイメージを持っていた私としては、新たな発見をした作品にもなった。 チャップリンが『モダン・タイムス』を撮る際に参考にしたと言われるだけあって、どこかそのドタバタぶりが、チャップリン映画に通ずるところがあった。 序盤の脱獄から、最後に二人で去っていくシーンまで、見事なまでの仕上がり具合。 ルネ・クレールの最高傑作。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-28 22:08:14)《改行有》

532.  ユダ(2004) 新宿歌舞伎町、お馴染みの区役所通り入り口にあるミスドから始まるドラマで、手持ちカメラの臨場感も手伝って、何かものすごく身近でリアルに体感できる序盤だった。 そういった一人称カメラワークから、徐々に離れていき、光石研が出てくる辺りで、少し自分自身の作品に対するノリみたいなものが薄れてくる。 ユダを演じたホモセクシャルの青年が、生理的に受け付けないという気分の悪さもあり、後半にいくにしたがって、置いてきぼりにされる。 だが、つまらないという一言ではくくれない、何か強烈なインパクトを残す作品だった。 瀬々敬久という言わば中堅どころの映画監督が、デジタルカメラ(DV)を駆使して、まるで学生の自主制作映画のような雰囲気でもって作品を撮っているということが、その一つの要因かもしれない。 良い意味での違和感というか、それなりの技量を持った監督が、現在のイメージからする素人っぽいDVを使って作品を創ったところが、本作の最大の特徴であるかもしれない。 かわいいコが沢山出てくるのも見所の一つ。 だけど、主演の女性は、微妙なライン。 だけど、微妙なラインだからこその、このリアルな雰囲気。 むしろ、彼女が演じたからこそ、余計にその気持ち悪いくらいの臨場感が生まれたとも言えよう。 そう考えると、知名度の高い光石研をキャスティングしたメリットってあったんだろうか。 光石研は嫌いな俳優ではないが、この作品の全体からすると、少し浮いていたように思う。[DVD(邦画)] 7点(2011-05-20 22:12:04)《改行有》

533.  いちごブロンド 《ネタバレ》 いちごブロンド。 実際はどんな髪色なんだろう。 モノクロなので、その辺は観る者の想像にお任せというところか。 とてもリズムの良い作品で、コメディ要素もあり、すんなり楽しめる。 大金持ちで美人の妻が居ても、夫は病気がちで、その妻も恐妻に成り果てている。 それに対し、質素な暮らしでも、夫婦ともに健康で、妻も優しく、夫婦が愛し合ってさえいたら、その方が幸せだということを、本作からメッセージとして感じることができた。 隠れた、アメリカ映画黄金時代の逸品である。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-17 19:35:54)《改行有》

534.  お葬式 《ネタバレ》 この映画は、山崎努と宮本信子が主役の夫婦を演じているが、実質的な主役は、大滝秀治であり、菅井きんである。 他の映画では端役を演じることの多い大滝秀治と菅井きん。 この映画でも端役ではあるのだが、その見せ場が素晴らしい。 まさに熟達した役者の演技を見せてくれた。 さて本作は、表題通り『お葬式』の内容を、3日間に分けて時間軸に従って忠実に描いている。 その中で、ちょっとしたブラックユーモアが散りばめられていて、監督である伊丹十三の器用さと職人芸を堪能できる。 しかし、宮本信子がやっぱり気に入らない。 監督の実際の妻だからという理由で、ここまで露出していいもんだろうか。 だって、華がないし、存在感も薄い。 そして、顔が私の好みじゃない。 お葬式の流れをかなり忠実に描いているので、一種の“お葬式マニュアル”として、特に、お葬式で挨拶をするのが苦手な人には、実用的で役に立つ作品である。 それと、晩年の藤原釜足、田中春男、吉川満子が出演しており、往年の日本映画ファンには嬉しいキャスティングも、本作の隠れた魅力の一つである。 [DVD(邦画)] 7点(2011-05-15 01:29:01)《改行有》

535.  愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン 《ネタバレ》 パートⅠが良かっただけに、どうなるものかと不安にかられつつ観ていたが、途中から予定調和な展開にがっかり。 全てが自分の予想通りの展開。 なんじゃこりゃ、ひでぇ勧善懲悪映画だなぁと、観る気力を失いつつあったところで・・・な、な、なんと、このラストの展開は凄い! 凄すぎる!! 数奇な人間の運命を、長い時間をかけてじっくりと描き、ラストで衝撃の展開へともっていった脚本は見事と言う他ない。 イヴ・モンタンの末期を、単なる孤独な哀しい老人として描くのではなく、若かりし頃の青春絵巻と、戦争にまつわる不運を下敷きにして、自分の唯一の血縁である甥っ子を幸せにしようと、泉を故意に枯れさせるが、その行為がかえって甥っ子を不幸のどん底に追い込むことになり、自分自身も自然に死んでしまうほどの悲しみを背負ってしまう。 まさに非業の死。 人は誰のためにどう生きるべきか? そこに答えはないが、人は運命にあがなえないということを、この作品は強く観る者に訴えかけてくる。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-14 01:49:00)《改行有》

536.  波止場(1954) 《ネタバレ》 若き日のマーロン・ブランドの熱演が光る秀作。 『ラストタンゴ・イン・パリ』の中年時代にもない、『ゴッドファーザー』の晩年の時にもない、若かりし頃ならではのマーロン・ブランドの魅力が画面いっぱいに広がる。 ギラギラしたような、まるで鋭利なナイフの様な凄み。 しかしながら、ラストのとってつけた様なハッピーエンドには不満。 ラストはハッピーエンドにせず、マーロン・ブランドが独りで自分なりの正義を押し通して力尽き、その姿をもって、ギャングたちの悪行を世に訴えるといったラストなら、更に感動も強くなったに違いない。 悪童には悪童なりの意地と正義があるはずだ。 それをもっと自然な流れで表現してほしかった。 そこがアメリカ映画の弱いところで、素晴らしい作品ながら、何でも尺の中でハッピーエンドにもっていこうとするアメリカ映画の欠点も、同時に露呈した作品であった様に思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-13 00:51:50)《改行有》

537.  愛と宿命の泉 PART I /フロレット家のジャン 男の仕事にかける執念と情熱、それを理解し支える家族。 それらを豊かな自然を背景に描いたヒューマンドラマの逸品。 年齢の割には老けきったイヴ・モンタンには、かなり驚いた。 最初、どれがイヴ・モンタンなのか分からなかった程だ。 少女マノンを演じた8歳の少女が実に美しい。 大人の奮闘する様子を、静かに陰から見つめるその横顔に、純粋なる美しさを感じる。 第二部へと続いていく本作だが、続きを観たいと思わせるラストの演出も巧みだ。[DVD(字幕)] 7点(2011-05-08 11:28:45)《改行有》

538.  湖のランスロ 《ネタバレ》 現代劇が主流のロベール・ブレッソンが、騎士道末期の時代を描いた、言わば異色作。 ブレッソンは現代劇にこそ、その真価を発揮すると個人的には思っているだけに、やや不安をおぼえながらの鑑賞だった。 騎士道という独特の世界を描いているので、ブレッソンらしさは多少薄くはなっているものの、その映像からくる静寂感と荘厳な感じは健在。 話は正直分かりづらく、入り込みにくい。 しかし、ブレッソンはそれを彼独自の映像感覚と映像的静寂感をもって見事に料理している。 それでも尚、ブレッソンはやはり現代劇に向いた監督だと私は思う。 ブレッソンが永らく映画化を望んでいた題材らしいが、観ているこちらはやや置いてきぼりにされる感は否めないところ。 ブレッソンの有名作品に比べると、本作は一段落ちると感じる。 それでも、ブレッソンが好きな人には、どうしても観てもらいたい作品であり、又、観るべき一本である。[DVD(字幕)] 7点(2011-05-07 01:17:29)《改行有》

539.  グランド・ホテル 《ネタバレ》 群像劇だが、多数の人生模様が比較的分かりやすく描かれている。 それぞれの登場人物達の人生は、作為的に描かれてはおらず、ただ運命に流されるままに描かれている。 人生のシナリオは、理論めいたものではなく、突然何かが起ったりする。 ご都合主義的に登場人物達の人生シナリオを描くのではなく、運命論的に自然に描いているのが素晴らしい。 男爵の死も唐突だ。 しかし、他人に殺されるという不可抗力に、それまでの人生のシナリオなど関係はないのだ。 死は突然やってくるし、幸せや不幸も突然やってくる。 そうした悲喜こもごもを、群像劇ながら分かりやすく描いている。 しかも、登場人物達の人生シナリオも自然に描かれており、名作に恥じない出色の味わいがある。 役者についてだが、グレタ・ガルボは勿論魅力的であったし、それに負けないくらい、いやそれ以上に、ジョーン・クロフォードが献身的で魅力的な女性を演じていた。 更に又、ジョン・バリモアの紳士然とした雰囲気は群を抜いていた。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-03 01:13:54)《改行有》

540.  現代性犯罪絶叫篇 理由なき暴行 《ネタバレ》 まず1960年代の新宿の風景を観ることができただけでも満足。 新宿にたむろする3人の青年。 お金もなく、女にももてず、将来の展望もない3人。 そんな3人が、6畳一間のボロアパートに住んでいる。 これだけの設定で既に面白いと予感した。 作品名や性描写などは過激な部分もあるが、それは一つの表現方法であって、あくまで本作が訴えたかったのは、やり場のない若者が鬱屈し、そしてその欲求のはけ口を見つけられないまま、性欲にはしる。 その結果、待っていたものは、社会により抹殺されるという結末。 なんという救いの無い話なんだろうか。 学生運動が盛んだった時代背景もあり、その学生運動にすら興味を持てない若者は、結局は社会の隅に追いやられ、行き場をなくす。 現代日本においても、不景気続きで、似たような窮地に追い込まれている若者も多いかもしれない。 そんな若者達が、どうしたらそんな境遇から自力で抜け出せるのか。 それを真剣に考えさせられた。 単なるポルノ的作品ではなく、社会派的な要素も持った作品で、新宿に当時、確かに存在したであろう、ジメジメとした実に陰鬱な世界をリアルに描いており、この時代の新宿に興味がある私にとっては、十分に楽しめる作品だった。[DVD(邦画)] 7点(2011-04-30 00:50:48)《改行有》

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