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プロフィール
コメント数 1637
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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521.  ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー 《ネタバレ》 主人公2人はイケてない扱いなのですが、そんなコトはありません。モリーの強烈な突破力の方に目がゆきがちですが、エイミーだって抜群に行動力のある勇敢な女性です。彼女ら2人を含め、登場人物はいずれも普通であれば学年に一人か二人レベルという少々エキセントリックでスーパーなレアキャラだらけで(教師も含めて)、この学年さぞかしファンキーで楽しかったであろうなあ、ということが想像されますし、中盤までのコメディ全振り展開もそこは終始とても勢いよく&底抜けに楽しく観切ることが出来ました。 また、アメリカの青春ものにありがちなイジの悪いだけの悪役、というのも出て来ません。青春って誰にとってもある部分で、痛みと喜びを併せ持つ学びの時期なのでしょうね。後半はそういった空気感を(ライトめではありますが)しっとりと醸しつつ、最後はまた爽快で痛快に締めてくれるのも(あくまでコメディ作品たる本作としては)中々に上々です。シンプルですが、青春映画としては間違いの無い良作かと。[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-13 13:08:21)(良:1票) 《改行有》

522.  四月の永い夢 《ネタバレ》 主人公に踏ん切りのつかない「過去」があるのだが、それが結局どういうことだったのかは詳細には明らかにならない(ある程度想像はつくものの)。その意味では通常の劇映画とはやや様相を異にする作品だが、とは言え本作はシンプルな「止まっていた時間が動き出す」映画である(一言で言えば再生、というか)。 人生とは失うこと、というのは、ある点では確かに正鵠を射た言葉であろう。私としてはむしろ、人生において失うコトと得るコトは表裏一体なのだ、と思っている。失うことを恐れてはいけない。例え失ったとしても、その分得たものを慈しみ、明日への糧にしてゆけばよいのだ、と。ある種、逆説的に前向きな言葉だとも思う。それも含めて、人生とは本質的に「変化」していくことだと思う。止まった時間が夢の如くに安らかであったとしても、人は必ず、いずれ時と共に変わってゆかなければならないのだ、と。 主演の朝倉あきという人は、非常に魅力的なキャラクター・個性を持っている女優だと率直に感じたが、本作ではそれを活かした実際の役づくりの中に、ほのかに、だがしっかりと、この役に求められる「厄介さ」を的確に表現しており、中々優れた仕事だったと思う。 ※どーでもいいことですが、部屋を間違えた場面、出てきたガラの悪いオッサンがその後何故か妙に頼りになったというシーンが、これも何故だか妙に印象に残っています。ああいう大人に、ワタシはなりたい。[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-06 12:01:38)《改行有》

523.  TAKING CHANCE 《ネタバレ》 劇映画ではあるが、内容的には一種のドキュメンタリに近い。米軍が戦死者を家族のもとに送り届けるとき、ひとりの軍人がその棺を最後まで護衛する任務を負う。本作はその道程を描いたロードムービーでもあり、更に言えば、映画は全体としてひとつの長い「葬礼」の様子を映し出しているとも言えるだろう。細部に到るまで、非常に厳粛な作品である。 軍事行動において、自軍の死者というものが不可避なものである以上、死というのはある種、兵士の任務の一部であるとも言える。自らに代わってその任務を果たした戦死者に対し、軍組織とその構成員たる軍人が最大の敬意を払うのは当然のことであろう。しかしこの映画ではそれに加えて、アメリカ社会そのものが戦死者に対して大いなる敬意を払っていることが、幾つかのエピソードを通して描き出されてゆく(本作は劇映画なのだから、これらの描写がどこまで真実に近いのかには議論の余地があるのかも知れないが、こんなことで嘘をついたトコロでそれこそ何の意味もないのだから、個人的にはこれは真実だと思うことにしたい)。 その敬意が結局のトコロ何に由来する・しないのかはとても複雑な事柄だろうと考えてもいるのだが、ひとつ言えるのは、アメリカ人にとって戦争とそれによって失われる命というのは、日本人である我々に比べてとても身近なことなのだろう、ということだ。そして、戦争(の善と悪)をあくまで自分ごととして捉える、ということ自体は、そうせざるを得ない社会の在り方自体が正しいのか、という論点はあるにせよ、実際に戦争が続く現在の世界のうちにおいては、それから目を背け続けるよりは遥かに適切な態度なのではないか、と、個人的には強く思う。[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-05 01:19:38)(良:1票) 《改行有》

524.  アストラル・アブノーマル鈴木さん 《ネタバレ》 かなり壮絶に奇を衒ってはいますケド、主人公は諸々非常に「平凡」な人物で、ただ自分が平凡であることを受け容れられない、という部分だけが凡人と異なるだけなのです。お話の中で多少グッと来たのが、ラス前の望月のシーン。非凡、とは正にこのことだと言わんばかりに炸裂する才能と、それが平凡でないことだけは一瞬にして理解できるだけの凡人のザマ。こんなトコロで『アマデウス』を彷彿とさせられる羽目になるとは全く思いも寄りませんでした(+谷のばらちゃんは流石のプロの仕事でしたね)。 正直、なにか奥深いテーマや価値ある人物像をこの映画から汲み取れた、ということはないのです。前述どおりに打ちのめされた主人公はラストには自分自身の平凡さを少しだけ受け容れつつある様に見えますが、それって映画に描くお話としてはちと後ろ向きすぎやしませんか?だから本作、私にはお話としてもこれまた「平凡」な仕上りだなあとも思われるのです。 ですので個人的には、好かったのはシュールコメディとしての出来の方だと思うのですね。結構全編に渡って(あくまで私は)笑い通しでしたが、圧巻は酔っ払いvs引き籠りの4分超ののたうち回りでした(「殴り合い」でも「取っ組み合い」でもなく、のたうち回り)。首を賭けてもイイですが、こんなシーン、絶対日本映画にしか出て来ないですよ。こういうシーンを観ると、この不思議で特殊でガラパゴスな国に生まれて本当に好かったと改めて思うのです。 役者の仕事も総じて味があってこれも好かったですが、松本穂香を褒めないワケにはいきますまい。目が据わってるのが中々素晴らしかったですね。綺麗な目なんですけど、底が見えないというか。[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-04 00:21:17)(良:1票) 《改行有》

525.  仮面/ペルソナ 《ネタバレ》 それでも終盤の前までは、それなりに理解はできた様な、というか。人間関係は多かれ少なかれ「与えること」と「与えられること」の相互作用である。言い換えれば、自己を「曝け出すこと」と他者を「受け容れること」のやり取り、とでも言うか。仮面を被り、黙して語らないのは、そのどちらをも(特に「曝け出すこと」を)拒絶するという行為に他ならない。と言うかソレは、他者が自分に「与える」のは勝手だが、それを受容もしないし、そして自らが「与える」ことは決してない、という態度でもって、あくまで他者に対して自分を優位に保ち続けよう、という行為の様にも思える。 そんなエリザベートを病身と看做す故に、むしろ明け透けに自分を曝け出してゆくアルマもまた、実は逆に「与える」ことで自分が優位に立っている気になっていた、様にも見える。そして、それが錯覚であったことに気づいたアルマの怒りと、それを嘲笑うかのようなエリザベートの笑いこそが、2人がその「仮面」を外した真実の一瞬でもあった様に感じられる。エリザベートはアルマの「仮面」を剥がすために全てを仕組んでいた様に見えたが、結果として自らも仮面の下の真の感情を垣間見せているのだ。率直にシーンの構造がややこしいとゆーか、否、奥深いとゆーか。 終盤はかなり抽象的な展開に陥り、結局全体を通してナニが言いたかったのか、ということまでは正直言って掴み切れなかった。「仮面」を被ることがもたらす安易な安らぎ、逆にそれを脱ぎ捨てることの困難さ…アルマは最後にエリザベートを否定し、自分がそうなることを拒絶するが、それがこの『仮面』という映画の結論か、その意図するところの真のテーマは何処に在るか…いずれ再見しよう。[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-03 00:13:09)《改行有》

526.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 09:51:33)

527.  転校生(1982) 《ネタバレ》 ジュブナイル・SF入れ替わりコメディ。だが、入れ替わって以降はひたすらドタバタしているだけという(何故か元に戻る方法を探したりもしないという)極めつけにシンプルなお話。加えて、そのコメディ要素にはちょいエロなものも多く(例え裸を隠したとしても)今だと確実にひと悶着ある系統のヤツだし、主演の子役2人の負担の大きさを考えても、これも今だと心の底から笑えるという人ばかりでもないよーにも思われる(人でなしの私は爆笑してますケド)。 しかし、それを差し引いても主演2人の頑張りは凄い。特に小林聡美はヤンチャでおバカな中坊ぶりが実に見事だったし、サービスカットだらけなのも含めてここには満点の評価を差し上げたい。尾美としのりも、この年頃の役者にとって一番やりたくないだろう演技をやり切っているサマには終盤は不覚にも少しホロリとしてしまいました。+1点しておきます。[DVD(邦画)] 7点(2020-11-22 22:03:33)《改行有》

528.  461個のおべんとう 《ネタバレ》 基本的な部分は極めてベタな話ではあるのですが、個人的には全然嫌いじゃないヤツです。ラストなんか、私も高校時代を思い出して「ああ、お袋の弁当旨かったなあ…」と少しホロリとしてしまいました。メインの部分は親子の映画、あるいは青春映画だと言えますが、同時に料理映画や音楽映画としての要素を多分に含んでおり、全体としての彩りの良さも観ていて中々快適です。ただし、親父の能天気なキャラそのまんまというか、とにかく為る様に為るさ!な非常に緩ーい話なので、あんまりアレコレ考えこまずに気楽に観るべき作品、だとは言えます。461個のおべんとうって結局何だったの?と訊かれたとしても、それはホラ、まあ、愛だよ、と言っちゃえばそれで本当に充分、という感じですかね。 いちおう、少しだけ気になった点を(備忘として)残しておくなら、親父の話が(思いのほか)わりかし整理されて終わるのに対し、息子の成長という部分のゴールは案外けっこう適当です(友達と喧嘩→仲直り、というひとつのベッタベタなシークエンスでまるっと誤魔化しちゃってる様にも見える、というか)。もうひとつ、前述の親父の能天気さ(からの全体の楽しい雰囲気)が演出の最大の勘所なのは重々承知なのですが、個人的にはいくらなんでもちょっと能天気すぎないかと。もうちょっと子育てについて思い悩むシーンがあったり、ある分野で成功している人ならなおさら仕事に対しては実は真剣に取り組む場面があったりした方が、キャラに深みが出た様にも思います。もう一点、3年間毎日お弁当つくりました!とはいっても、コレをやってるお母さんというのは世間にいくらでも居るハズです。ソレをお父さんがやると映画になっちゃう、とゆーのは、そもそも果たしてどうなのかと。 とは言え、重ねて本作、私は結構好きです。イノッチはこれ以上無いホドのハマリ役でした。[映画館(邦画)] 7点(2020-11-14 18:41:28)(良:1票) 《改行有》

529.  旅のおわり世界のはじまり 《ネタバレ》 いいねー海外!安直なようだけど、自分の「値踏み」をするのに海外行くってのは、確かに思ったよりも効果的なのですよね(自分がいつも頼ってるものに頼れない、という意味で)。そこも含めて、若い時分のこういうちょっと面倒な経験・仕事てのは、振り返ってみると自分の貴重な財産になっている、と私自身も実感しています。今作のそのメンドくさい感じの絶妙なコト!ちょっと色々あって自分も気分が乗らない、集中できない、チームの質も低くてその意味でも自分の力を出し切れない、中々に歯痒い状況です。 こういうトコロであくまで他人の所為にせず、自分が出来ることをしっかりやって、次に繋げられるか。その「一皮剥ける」様子を、あっちゃんはどのくらい魅せつけられてましたかね?個人的にはちょっと終盤の展開がご都合主義、かつ大仰なよーにも思いますが、序盤からの気分が乗らない(乗らないけどビジネスに明るく振る舞ってる)様子、終盤に炸裂する残念人間ぶり、からの「逆」落差のある爽やかなラスト、には一応の合格点をあげられる様に感じています。『愛の賛歌』も好かったかと。ナニはともあれ、人間まずは「感謝」。そのポジティブな気持ちを持って、日々を一歩一歩前に前に進んでいくに越したコトは無いよーにも思います。 全編ウズベキスタンロケで現地の人もしこたま出てくるのも物珍しいし興味深いしで、その意味でも観る価値のある映画です。日本人が率直にかなり「雑」な人間造形だったのに対し、ウズベクの人たちは割と結構イイ人たちのように描かれてますね(騙されたと思ってちょっとウズベク行ってみたくなっちゃう、とでもいうよーな)。[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-12 23:34:22)(良:1票) 《改行有》

530.  罪の声 《ネタバレ》 三十年以上前の事件を、二人の男が追ってゆく、その方法はシンプルな「聞き込み」。そしてその関係者たちというのは三十年も経っているのだから当然、みな老境に差し掛かっている。私がまず興味深かったのが、この場面で次から次へと登場する熟練のベテラン俳優たちの演技の味わい深さである。社会を震撼させた凶悪事件でありながらも、過ぎ去った過去をどこか懐かしみ愛おしむかの様な彼らの演技が醸すノスタルジックは個人的に実に面白く、前半はこれだけでかなりお腹一杯に観てゆくことができた(特に塩見三省なんか抜群に良かったですよね)。 もちろん、迷宮入りした事件を素人がチョロチョロ調べ直したトコロでこんなにあれよあれよと真相が判明していくワケないだろ!というのは突っ込みドコロではあるし、中盤である程度事件の全貌が見えてしまっているのも確かではあるが、後半はやや人間ドラマ的サスペンスとして十分に面白いトリックをいくつか仕掛けてあるし、その部分を若い主役二人の(こっちは)熱い演技で見事に成立させてゆくのも率直に中々素晴らしい。サスペンスとしては普通に十二分に面白く観れる作品だと思うし、まあまあオススメも出来るかと。[映画館(邦画)] 7点(2020-11-09 06:34:32)(良:1票) 《改行有》

531.  スラム砦の伝説 《ネタバレ》 これも映画館で観たのだけど、どうにもロシア語・ボイスオーバー版とゆーのが雰囲気も演技も音楽も全て台無しにしている気がして、結局あとでDVD調達して再見する羽目になったという。ただ、そーする価値は十二分にありましたですね。 いちおう、ストーリーは(裏では)しっかりと繋がっているものの、断片的に語られるのでそこまですんなり入ってくる訳でもない。ただ、じっくり観てゆけばある程度は伝わってくるというトコロで、この手のアート系な作品としてはある意味適切な分かり易さ(分かり難さ)具合と言えるかも知れない。なんとなく話が分かる様な分からない様な空気感の中で、より注意を払って観てゆくべきなのはやはり映像の方。オリエンタルで時代的で、ある部分は絢爛豪華であり、またある部分は素朴であり。背景となる自然の情景も荒涼としつつも広大で、そして何よりそんな中に人々は誰しも力強く描かれてゆく。あまり他では観たことの無い家畜の大群を使ったシーンやエスニックな踊りのシーン、同様に音楽も率直に実に素晴らしかったですね。映画としてのバランスの面は『ざくろの色』よりも良好かと思います。非常にコアなジャンル、グルジアン(ジョージアン)民俗的歴史映画として、すごく貴重で観る価値のある作品かと。[DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 00:49:41)《改行有》

532.  ジュリアン(2017) 《ネタバレ》 なんか勝手にヒューマンなヤツかと思って観に行ったら、完全にスリラーだった作品(残り15分で話が全然片付いてない辺りでアレ?と気付いた)。ただ、いったんスリラーだと解釈してしまえば実は全編通して素晴らしく不穏な緊迫感がモリモリで、率直にそこそこ優れた見応えがあった様にも思われる。とは言え、ヒューマンなヤツだと思って観てしまうと話が非常に単純で深みも無いのでイマイチかも。が重ねて、スリラーとしては中々に優秀かもと。アテが外れたワリには、意外と印象は悪くない。 そもそも、邦題や宣伝の感じほど息子のアレコレが主題な映画ではないのだよね(むしろ父ちゃんの悪い意味で抜群な存在感の方が、映画的なテーマには近いかもと)。個人的に、これも中々センスの感じられないクソ邦題だと思う(と思ったら英題も『JURIAN』なのね…原題は『Jusqu'a la garde(親権)』だけれども)。[映画館(字幕)] 7点(2020-10-24 00:14:21)《改行有》

533.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 2015-16シーズンの終了を以て、ウエスト・ハムは本拠地をロンドン・スタジアムに移転した、その最後の夏に旧スタジアムであるアプトン・パークで撮影した、という映画なのですね。結構やりたい放題に実際のスタジアムを使えているという点で、中々良い目の付けドコロです。他にも良い点として、フットボール・スタジアムを舞台にした種々のアクションは中々に斬新で目新しいモノであったり、展開運びのキレもテンポもわりかし良好だったり、ダイ・ハード的アクションの中規模作としてはこの部分には十分に合格点なクオリティをつくり込めていると思います。ただ一方で相当に突っ込みドコロが豊富な作品なのも端的に事実で、そこら辺に引っ掛かってしまうと映画全体としての評価は少し下がってゆくのかもと。個人的にも、良作ではあるがそれ以上ではない、という評価が適切なよーに思います。 細かい突っ込みドコロを拾ってゆくことは本レビューでは避けますが、良い点と悪い点を併せ持つという意味では、主演のバウティスタも正にその一つだと言えます。やはり、彼には「脳筋」なキャラの方が絶対に合っています(今作の様に色々と器用にこなしてゆくという主人公であれば、起用すべき適切な俳優が他にいくらでも居たハズかと)。とは言え中盤のワンシーン、キッチンでのマーティン・フォードとの壮絶な肉弾戦は実に見事でした。個人的にはアレが今作で一番ホットなシーンでしたかね(両者とも正に破格の筋肉量で、これでどっちかが凡人だと肉弾格闘としての勝負が成立しない、というレベルですよね)。[インターネット(字幕)] 7点(2020-10-21 23:57:52)《改行有》

534.  雨粒の小さな歴史 《ネタバレ》 物語自体は物哀しく、不幸に捻れた人間関係と残酷な運命に満ち満ちている。しかし、そこで奏でられる音楽はどれも暢気なまでにただ美しく、その中で人々は本当に楽しそうに歌い踊り、笑い合う。 その情景は、物語の雰囲気どおりの透き通った悲哀を確かに醸し出すと共に、その上に一筋の光明を投げかけるかの様だ。すなわち、それでも愛おしい一瞬がそこにも、その人生にも確実に在ったのだろう、という。 詩的で落ち着いた台詞回しには同時に「力」が感じられ、映画全体を一つの映像詩に纏め上げつつ、作品に得も言われぬ静かなパワーをもたらしている。意外なまでに、実に力強い印象。 ※監督の作品をいくつか観てきていますが、率直に好みの割れそうなつくり手だと感じますね。ズバリ、合わない人には合わなそう、てか。[インターネット(邦画)] 7点(2020-10-19 04:55:21)《改行有》

535.  テキサス・チェーンソー ビギニング 《ネタバレ》 前作は比較的バランスの取れた「一般向け」スラッシャーホラーでした。今作、つくり自体は前作を踏襲しており、一見似た様なA級娯楽作品に見えるのですが(ジョーダナ・ブリュースターとか出てるし)、メインの後半があまりにもグロ過ぎて、到底一般向けとは言えないレベルのマニアック作品になっています。まあ、また同じ内容の話ではあるので、ショック描写を尖鋭化するのは差別化という意味では正解だと思いますが、実際に興行的にはやや前作を下回る出来に終わっていますし、果たしてどうだったのかと(私自身はこっちのが好みですが)。 お話の方は確かにさほど出来も良くなく、割と最初に(ほぼ)全員とっ捕まって、ナアナアに逃げ出しかけたりもするものの、基本的には単なる拷問映画になってしまっています(要は、主役のハズのジョーダナ嬢の使い方が宜しくない、かと)。出来が良いのはグロ描写と、実質主役のリー・アーメイの胸糞悪さ加減ですかね(終盤ボコボコにされて今作で唯一スカッとさせてくれることも含めて)。ラストのこの手のでは少し珍しい全くの救いの無さも(まあこの後の話を先につくっちゃったのですから、展開としては当たり前ですが)、個人的には偶にはアリかと。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-13 03:06:44)《改行有》

536.  情炎の女サロメ 《ネタバレ》 映画全体のつくりがそこまで重厚長大というワケではないが、個々のシーンのつくり自体は非常にソリッドな史劇映画。とは言え、スペクタクルな場面が見せ場というワケでもなく、見どころは俳優陣の演技合戦というトコロ。 ヘロデ王&ヘロディア王妃には名優チャールズ・ロートン&ジュディス・アンダーソン。いずれも重厚で奥行きのある演技で、好色・狡猾・尊大・憎悪と恐怖、といった負の人間性を味わい深く醸し出す。洗礼者ヨハネ役のアラン・バデルは思ったよりも実は若造だが、民衆をアジる煽動者としての熱量のある演技はこれも中々(ただ、キリスト教の預言者としては若干ながら胡散臭い&存在感が重々しくない感じもする…カモ)。 そして肝心のリタ・ヘイワースだが、今作時点で35歳、と本来のサロメのキャラ的にはもう少し若い方が望ましい…のではないかとも思われるが、纏う色気はその分また抜群である。ただ、そもそもリタ嬢は別に若い頃からセクシー全開だったのだから、彼女だけに着目するなら10年前に撮っても好かった作品にも思われる(とは言えお蔭でカラー作品になっているのであり、色付きリタ嬢を楽しめるという意味ではこれも重畳ではある)。相手役スチュワート・グレンジャーも、それに十分値する爽やかイケメンでこれもグッド。 話も結構面白いですよ。見事に妖艶な「七つのヴェールの踊り」をクライマックスとするラストの盛り上がりも、率直に素晴らしい。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-09 07:05:18)(良:1票) 《改行有》

537.  ヴィナスの接吻 《ネタバレ》 ヴィナスの彫像にキスしたら、なんとホンモノになっちゃった!とゆーのからしても、非常に軽~いノリのラブコメ。しかし、何と言ってもこのヴィナスを演じるエヴァ・ガードナーがとんでもなく美人(完全に全盛期、なのですかね)。彼女のフワフワと浮世離れした「女神」ぶりも、これまた観ていて実に微笑ましい。その上に、名曲『スピーク・ロウ』の醸し出す極上のムードも絶品(いちおう、元はブロードウェイのミュージカルというコトで)。洗練された繊細な甘さを纏う、古き良き時代の「粋」な良品。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-07 22:55:48)

538.  イップ・マン外伝 マスターZ 《ネタバレ》 シナリオの方はややダメ気味かと。 ・少し一貫性を欠き、筋がチョロチョロと二転三転して勘所がよく分からない ・雰囲気の面でも、序盤のファミリーでコミカルな感じに比べ後半がだいぶん重いのが若干チグハグ ・豪華助演陣の使い方も(お話的には)なんか雑 しかし肝心のカンフーアクションの方は、CGとワイヤーと早回しをフル活用し、かつそれらを見事に融合させた迫力抜群な出来映えがカンフー新時代を拓けるという程のクオリティ(とにかく電光石火、かつかなり「痛そう」で実にグッド)。マックス・チャンは演技もカンフーも流石の素晴らしさだが、豪華助演陣も各々の見せ場はこれも納得の風格(トニーの鋭さ、ヨーの華麗さ、バウティスタの筋肉)。[映画館(字幕)] 7点(2020-09-27 20:25:25)《改行有》

539.  アポロンの地獄 《ネタバレ》 最初と最後に現代と繋がる部分は正直言ってよー分からんかった。だからその部分を置いて考えると、本質的にはド直球な「古典の映像化」である。勘所はその表現技法であろう。リアリティを無視した、お手製感満載のどこか適当で(小難しく言えば)非実在的・抽象的なそれは、ロケーションやセットには拘りつつも非常に「演劇的」というか、中々に面白い(非・通常映画的な)質感・空気感を醸成することに成功していた。演技面でも、やや大袈裟なそれは大いに舞台劇感を醸していたが、演技自体は確かに力強く、かつそれなりに上質であった様にも思われる。単純に傑作ギリシア悲劇の映画版として観るなら、意外とそこそこ楽しめるのではないか。[インターネット(字幕)] 7点(2020-09-22 19:47:24)

540.  大地の子守歌 《ネタバレ》 質感としては『はなれ瞽女おりん』なども想起される(原作小説も映画もほぼ同年代だが、いずれも本作が少しだけ先行だが)。やや後発ではあるが『おしん』などにも通じるそのテーマ面は、苦境にもめげず芯のある女性を描いてゆくという部分であろうか。ある種、この頃の日本人の心象風景の中でまだ尊ばれていた人物像が、今作のおりんにも反映されているということだろう。 かなり凄惨な場面もある中、おりんが逆境に屈しない様子に感情移入していく一方で、その外形上の強さ(強さと言うか、他人を拒絶する「壁」の高さ、と言うか)の中に垣間見える弱さ・脆さといった部分に、個人的にはより深く感じ入った。前述のとおり強い女性を描いているようで、他者と共生する術を持ち得なかったおりんには、私は人間と人間の運命の儚さ・残酷さの方をより強く感じ取るのである。 その「強さの中の弱さ」を見事に内包することも含め、原田美枝子の力強い演技は非常に素晴らしかったと思う。今作時点でまだ18歳、栴檀は双葉より芳し、とは斯くの如くか。[DVD(邦画)] 7点(2020-09-20 01:02:13)《改行有》

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