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41.  江分利満氏の優雅な生活  主人公の奥さんに対する口調が高圧的で、そういえば自分の父も母に対してあのような口ぶりだったなと懐かしさを感じつつ観ていました。  ほとんど小林桂樹のナレーションでとぎれる事なくエピソードが紹介され、クライマックスとか物語としての起承転結もほとんどなく話は進むので、観る者によっては、退屈な映画となるかも知れませんが、自分は、昔の映画はなぜかいつも襟を正して最後まで気を抜けず観てしまいます。  前から何故だろうと思っていましたが、この映画を観てなんとなくその理由のようなものが分かりました。  昔の映画からは、面白くても面白くなくても、おかしくても悲しくても「真面目さ、ひたむきさ」がひしひしと伝わってくるからです。だから実際はソファーに座ってリラクックスして観ているのだけれど、心の中で時には正座して手を膝の上に置いたりしてます。この映画の原作も含め山口瞳氏の小説は市井の人々に向けた暖かい視線をひしと感じるので、悲しいエピソードも庶民の切ない話として、素直にまたしんみりと受け止めることができますし、また小林桂樹が33歳くらいの役であっても「ちょっと辛いんじゃないの?」とつぶやきつつもそれがミスマッチだとは思えず、むしろミスマッチの小林桂樹が適役と感じました。それは奥さん役の新珠三千代さんも同様ですが・・・ [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-05-31 22:46:41)(良:1票) 《改行有》

42.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》  松子の境遇は、本当に不条理に満ちていて、この感想は映画を観てから一日おいて書いているのだけれども、いまだに松子が緊張するときの顔の表情が思い浮かんできて、 愛おしさと胸苦しさを覚えます。それほど、松子役の中谷美紀が素晴らしかった。  ストーリーは薄幸な女性の転落のきっかけから死に至るまでのお話し。男運に恵まれず、巡り会うたびにどんどん転落していくのだけれど、それでも松子はひたむきに人を 信じて愛することを選択するといった、ある種マリア的とも思えるような位置づけを十分意識したシナリオでした。このように書くとよくある映画のようですが、ミュージカル仕立てでテンポが良く、個性的なキャラクター・俳優が小気味よく出演し、所々でコミカルな部分もあり、十分楽しめますが、自分には「楽しい」というよりも、やはりテーマが重いだけに「良くできた映画」だなという感じがします。 「薄幸の女性・人を殺める・ミュージカル」ということであれば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を私は思い浮かべてしまいましたが、別に比べる必要はないのでしょうけど、私は「救い」という点で「松子の生涯」の方がいいなあと思います。  ただ、映画のラストで、松子の魂が家に帰るという帰結はよくわかるのですが、そのシーンが長すぎる。欲を言えば、他の終わらせかたもできたのではなかったかなと思った点が残念。ただ映画館で観ていれば、もっとジーンときてやや長めのラスト部分で、目がウルウル状態で逆に満足だったかも知れませんが・・・ [DVD(邦画)] 7点(2008-04-13 17:10:22)《改行有》

43.  シン・シティ  斬新なモノクロと赤と蛍光色の映像、夜の街を舞台としていくつかのオムニバス がシンクロしてラストシーンに繋がっていく。  非常に刺激的な映像と内容なんだけど、顰蹙を買うのを承知で言わせていただく のであれば、殺戮の場面の数々で吹き出してしまいました。  悪役の皆様方が殺されてしまうその有り様があまりにもお間抜けで、観る者にもあまり罪悪感を抱かせることのないような仕上がりになってます。  そのあたりがキル・ビルやパルプ・フィクションを観た時の印象に似てなくはないけれど、やっぱり個性的なメンバーと黒と赤のコントラスト、その映像をベースの効いた音楽でエンターテイメント的に盛り上げています。あまり難しいことを考える事なく流れに身を任せて観た自分には、結構いけてる面白い映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-06 20:36:51)《改行有》

44.  砂漠のライオン 《ネタバレ》  2時間半を超えた長尺物でスペクタクル巨編でしたが、思ったより時間が短く感じました。ひとつには、なんといってもこの物語がオマー・ムクターという実在する人物の 半生(翻れば敵対役のグラツィアーニ将軍)に基づいているとう点、次に「拡大解釈しヒーロー扱いするハリウッド映画特有の部分」を抑えているという点、そしてその役をアンソニークイン・オリバーリードという味のある実力俳優が演技しているという点が素晴らしく、観る者のツボにはまります。(特にアンソニー・クインが捕まり、オリバー・リード扮する将軍の執務室で会う場面は味があります。)  タイトルの「砂漠のライオン」の如く、プライドを持って気高く戦い、そして孤高の ままに死んでいく、そして途中にありがちな恋愛・ロマンスシーンを一切省いた骨太の 映画です。  それにしても、リビアといえば社会主義の国で最近まで西側諸国と険悪な状態であった国で、当時もあのカダフィ大佐が政権を握っておりアメリカとリビアは最悪の関係状態にあったのですが、どのような意図があって制作・上映したのでしょうか、興味の湧くところではあります。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-02 13:25:02)《改行有》

45.  キサラギ 《ネタバレ》 この種の映画は、古くは「12人の怒れる男」、また邦画ではそのパロディー版とも言える「12人の優しい日本人」等で観ているので、目新し感はなく、やはり脚本の善し悪しとキャスティングが気になる所。若い2人の演技・しゃべりは少しやかまし感はあるけれど、香川照之はよいキャラしてました。画面に出るだけで何かやってくれそう感があります。小気味よいストーリもそれなりに楽しめて、出演者全員がキサラギと生前に何らかの関係があったりする所はおもしろかった。だけど改めて振り返ってみるとやはり先が読めてしまって、多少の意外感はあるけれど観ている最中に大きな驚き・ワクワク感を誘発するものではなく、その点が少し残念。 [DVD(吹替)] 7点(2008-02-10 20:54:07)《改行有》

46.  ポストマン・ブルース 《ネタバレ》 いつか観たいなと思っていながら機会に恵まれず、やっと観ることができました。 コメディー・パロディー・アクション等々いろいろな要素が詰まっていて軽快で楽しくそして最後はじんわりとした映画でした。 警察の思い込みに端を発し、主人公を中心に展開する日常の中の非日常的な出来事がおかしく、またユニークなキャラの面々を取り巻くエピソードも秀逸です。 特にストーリーの中盤からテンポが上がる中で「このように展開してしまって、映画の落としどころはどうなる・・・」と一人でどきどきして、久し振りにエンディングを期待させる邦画に出会いました。 緑の制服と赤のマフラーそして堤真一の笑顔、遠山景織子の清楚な眼差しが印象に残 ってます。このような映画はミニシアター系の劇場で観るともっとその価値を感じることができたかもと思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-13 20:41:39)《改行有》

47.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 アラン・パーカーの映画は「ミッドナイト・エクスプレス」・「バーディー」といった重たい、社会派が多いという認識があり、それでも例えば「ミッドナイト・・・」は、そのラストは脱獄に成功するといったような「前向きな結末」であったような覚えがありますが、この映画の結末は救いようがない、というかハンマーで頭を殴られた感じで終了する。観ているときよりもむしろ終わってからいろいろなことを考える、気持ちを整理させる必要がある映画です。 映画は「死刑制度」の是非と「冤罪」に関してデビッド・ゲイルが行った出来事を雑誌記者へ口述することで展開していくが、結末から「誰が」もしくは「誰たち」が殺人を首謀したしたかという事が大きな謎となって残り、またその謎がある程度観る者が推理できるのだけれど、正解は一通りではないことを知って、この映画のシナリオの「妙(みょう)に」魅入ってしまいます。 更に、この映画は「死刑制度」・「冤罪」を問題提起したのではなく、それ以上に「人間の弱さ」と「理解しがたい複雑さ」といった「人の心」の部分について表現したかったのではないかと思いました。もし、デビッド・ゲイルが「死刑制度反対論者」として自分の信念を貫くのであれば刑が執行された後「冤罪」と社会が認識するに足る種明かしをした所でお終いのはず。すべてのことを告白するようなことはしなかったのではないかと思ってしまう。しかも特定の個人に対して・・・。そこが人の心の弱さであり不可解さ、複雑さであると思います。 しばらくして、また観てみると違った思いが湧くのかもしれませんが。デビット・ゲイルの切なげな眼差しと顧問弁護士の狡猾そうな油断ならない眼差しが印象に残り、後を引きそうです・・・ [DVD(字幕)] 7点(2007-12-02 11:56:12)(良:2票) 《改行有》

48.  大統領の理髪師 《ネタバレ》  映画で描かれている韓国の時代背景を大まかにしか知りませんが、ともすれば暗くなりがちな話を、面白いエピソードを交えながら、ソン・ガンホが床屋の親爺さんを上手く演じていました。いつも、時代の波に翻弄されるのは市井に生きる人々で、その暮らし振りを、自然にまた身近な感覚で描いているから、映画の中で主人公他がいろいろ理不尽な目に遭っても、嘘臭くなく、感情移入しやすくなる。なんといったら良いのでしょう、背伸びしなくても観ることができる、親近感の持てる映画でした。なお息子の病気が治るのは現実にはないのでしょうが、でも映画だからそれは有り得る話で、この映画のメインテーマは、市井に生きる喜怒哀楽を描くことにあり、やはりエンディングはこのように「ほんのりハッピー」でなくちゃと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-04 19:55:22)《改行有》

49.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》  面白かったです。バラバラの家族が出発するときにギアの入らないバスを押して乗り込む様は「家族」・「絆」・「一体感」を象徴しているのでしょう。  特に最後のオリーブちゃんの踊りが良かったです。あのおじいちゃんに教わった踊りですから・・・妙に納得してしまいました。おじいちゃんは映画の中盤で死んでしまうのだけど、最後の最後に来て存在感大です。  ミス・コンではうまくいかなかったし、家族みんなそれぞれ願望が達せられないまま エンディングを迎えるのだけれど、それでも家族みんなが何か(自分は家族の大切さだと思う。)掴んで軽やかにバスを押して乗り込む様はハッピー・エンディングであり、観ていて爽やかな気分になりました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-31 22:01:27)《改行有》

50.  ワンダーランド駅で しゃれた映画ですよね。ボサノバと海の景色や水族館。主人公2人を取り巻く恋愛と出来事がテンポ良く進んで行って、このまま2人は出会うことがなく終わるのかなと思ったら鮮やかに小粋な出会いが待っていて、いい意味で裏切られたというか心温まる感じ でした。 女性が混雑した電車の中でめまいを起こしたり、担当の患者に一杯誘われて夜勤明けのバーで口説かれている中、周りを見渡して猛烈な孤独感を抱いて泣き出しそうになる場面など、本当にキュートな心の中を描いていて秀逸です。 観ていて心が浄化されるような、心地よく癒されていくような映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-16 16:55:14)《改行有》

51.  復讐者に憐れみを 《ネタバレ》 臓器売買詐欺にひっかかり、資金稼ぎの誘拐が成功しそうになった所で、歯車が狂い新たな復讐劇を呼んでしまう。見終わってみると古くは「死刑台のエレベーター」や「ファーゴ」に似ているなあと思いつつ、それにしてもすごい映画を撮ったものです。  全く救いのないストーリー展開の中で、2つの復讐が淡々と、そしてショッキングに進んでいく。なんといったらよいのかこの映画の救いのなさとインパクトの強さに脱帽です。ちょっと前に、韓国映画で「殺人の追憶」を観て、しばらくイメージが頭から離れず宿酔状態でしたが、この映画も尾を引きそうです・・・ それから、ソン・ガンホは要注意、いい役者ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-15 18:21:04)《改行有》

52.  ユナイテッド93  その日は残業を終えて帰ってきて、妻が見ていたテレビを何気なく見ると丁度「ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだ映像」を流しており、「リアルな映画だね」「いや、さっき起こった事なの」、しばらく本当に信じることができず繰り返すニュースを呆然と見てました。 この映画は、当日起こった出来事が、ぐいぐいと緊迫感をもって展開します、とても2時間が早く感じましたし、急展開のラストとその後のテロップ、エンドロール・・・しばらく固まってました。  しかし誤解を恐れずに言うとこの映画で、事件があった事実を除き、監督が伝えたい 映画ならではのメッセージ、感じ入る部分が掴めないのは私だけでしょうか? また機内で起きたことが克明に伝えられていて、これは乗客者から家族への電話等の事実を参考にしているのでしょうけど、本当にすべてを伝えきっているのか・・・というようなこと感じてしまうのは私だけでしょうか?「衝撃の事実であることは間違いない、その事を胸に刻むことは重要なこと。しかし、全員が死亡しかつ飛行機という閉ざされた空間の中で発生した事実を伝えきる事は不可能。御遺族がこの映画をどう感じるだろうか。」などということをどうしても考えてしまう。 ユナイテッド93号のブラックボックスも明らかにされていないわけだし、衝突まである一定の推測に従ってストーリーを進めていくのだけれど、この事件の重さからして、本当に推測でしかもカメラは臨場感ある撮り方をして良いのかなという気がしてなりません。管制官や空軍等のやりとりは非常にリアルでついつい引き込まれましたが・・・ [DVD(字幕)] 7点(2007-07-14 21:18:41)《改行有》

53.  コールド マウンテン 《ネタバレ》 話の本筋は「互いに一目惚れした者同士が南北戦争により引き裂かれたけれど、互いに強い気持ちを持ち続けて故郷で再会を果たすというもの」で、結構引き込まれるように見ました。故郷に帰る者の様々な出会い、待っている者を取り巻く様々な出来事がうまく繋がっていて、ラストに至るまで、当然こうなるよなと思いながら、でもこう終わらなくてはという感じの映画です。ニコール・キッドマンが貧しい暮らしの中、ひもじさを隠す振りをするシーンを見て「風と共に去りぬ」のビビアン・リーが重なってしまったり、レネー・ゼルウィガーもいつもと同じしゃべり・演技で良い味を出していたりと、キャストも良かったし、「時間を損することない映画」でした。自分としては、それぞれの登場人物がさまざまなシチュエーションで過ごす夜、例えば恋人ことを思いながら切なく過ごす夜、未亡人となった女性が人のぬくもりを求めて男性に添い寝しながら涙を流す夜、脱走兵が見つかって撃たれる夜、等々・・が結構見所でもあり、ポイントではないかと思ったりします。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-07 16:42:55)《改行有》

54.  タイタンの戦い(1981) 《ネタバレ》  神様の身勝手な行動がなければ、そもそも、主人公も存在せずこの映画が成り立たないので、ストーリーに関してあれやこれやコメントすることはありません。同じギリシャ神話の神々が出てくる話であれば「アルゴ探検隊の大冒険」の方がまだしっかりしています。  そんな事より、なんといっても、この映画の売りは、ハリーハウゼンの「ストップモーションアニメ」です。クラーケン(海の大怪獣)や蛇女ゴーゴン等、好きな人にはたまらないキャラクターが続々としかも突然登場して来るし、現在のCGにはない動きに愛嬌と味わいがあります。このようなファンタジー映画は長年受け継がれていくべきものだと思います。  [DVD(字幕)] 7点(2007-03-25 14:15:32)《改行有》

55.  忘れられない人 《ネタバレ》  いい映画でした。彼女のことをあのように大切に、ひたむきに想うことができるのは アダムの生い立ちと病気のせいなのでしょう。 きっと彼は毎晩彼女を影ながら見守っていただけではなく、同じ勤め先で、彼女の気がつかない所で、彼女が話すことを聞いたり笑ったりしている所や、勤めぶりを見ていたはず。   今の自分のままで彼女を想い続けていたいから心臓移植も拒否して、またやっと幸せを掴んだ彼女もそのような彼をあるがままに受け入れて、もしかしたら訪れるかも知れない終わりと不安を予感しながら、それでもアダムに会うと愛しい想いで一杯で同じ時を過ごして・・・ 愛し愛されることはこんなにも理屈抜きでピュアで美しいものでしょうか。 おとぎ話ですけど、きれいで素敵な映画です。 本来ならあり得ない彼女のいろいろなリアクションも気にならず、それよりも映画が進むにつれて、アダムと同じ時を過ごすようになった彼女の顔・姿がチャーミングに見えてきたのは自分だけでしょうか? またいつか見直したい映画のひとつです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-11 01:25:30)《改行有》

56.  父の祈りを 《ネタバレ》 IRAの爆破テロに絡んだ冤罪物で、無罪になるまでの過程を父と息子の絆を軸に、後半のクライマックスまで一気に吸い込まれるように見ました。  息子は罪を着せられて、その関係者ということで父も叔母とその家族も有罪判決を受けてしまう。  例えばこの話に似たような筋書きは「ミッドナイト・エクスプレス」でもあったし(あの話も確か実話を基にしていた)、「日本の黒い夏」(松本サリンが題材です)でもあったけれど、今回の話は民族間の対立・国の威信をかけたテロの犯人探しが背景にあり、スケールも大きく、気持ちも入って見ることができました。  特に後半、それまで自堕落で生きる目的も待たなかった主人公が、父の獄中での死を機会に冤罪を晴らすべく弁護士とともに立ち向かっていく、無罪判決が出たときにそれまでの苦しかった思いを逞しく宣言する場面まで息もつかせぬペースで盛り上がりを見せ、やはりこのような映画に代表される冤罪・法廷物はなかなか見応えがあります。  また、父が獄中で肺気腫を悪化させ他界した後、夜中に獄中の仲間が紙を燃やして窓から外へ投げ捨てる、その弔い火の舞い落ちるシーンが美しく印象的であり、映像的にも好感の持てるカットもあり、ストーリーは直球・正当派だけれど、それだけではない深みのある映画でした。  (父親役の俳優さんは「ブラス」という映画でも肺を痛めていた役柄であったことを鑑賞中に思い出しました。なかなか味のある役者さんですよね。) [DVD(字幕)] 7点(2007-01-14 00:11:37)(良:1票) 《改行有》

57.  人間失格 《ネタバレ》 あまりにも有名で、原作を何度も読んでいるので、なぜ主人公や登場人物がそのような行動をするのか、心の中でどうつぶやいているのか、次はどうなるのかがわかっているため、まっさらな感覚できちんと受け止めることができず大変残念。原作を知らずに観たらどんな映画として受け止めることができたのでしょう。そんな自分ですが、それでもこの映画はもっと生々しく、陰鬱としたシーンがあるべきではと強く思います。何故なら太宰治の文学の根底にあるのは「苦悩」であり、主人公の苦悩と苦悩するが為の無垢さは、主人公の気持ちを勝手に踏みにじる周りの者の仕打ちや、人としての必然的なエゴをしっかり描くことにより鮮明になると思うからです。かなり欲張った意見かも知れないけれど。[DVD(邦画)] 6点(2010-10-24 21:57:09)

58.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 極限の状態時代に生きた、空想好きな少女の現実逃避をファンタジックに映像化したと解しても、すごくやるせない悲しい映画。上映の予告編では「ブラック・ファンタジー」とか銘打っていたけど「ブラック」ではなくて「ミゼリー(悲しみ)」や「トラジティー(悲劇)」であると思う。また、現実にフランコ政権の時には殺戮を繰り返していたのだから「ファンタジー」というよりも「ファクト」「ヒストリー」とするべきだろう。それほど、最後の主人公が血に染まって死んでいくシーンは、大尉は当然だろうが主人公の母にさえ憎しみを感じてしまうほど、悲しく切なすぎる。これから観る人も、単にファンタジックなものを期待しているのならその見込み違いに大いに後悔するだろうし、それほど観終わった後が重たい作品だった。未だに女性のハミングする歌声が頭から離れない。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-24 21:40:48)

59.  イン・ハー・シューズ 《ネタバレ》 キャメロン・ディアスがでるので、少しくだけた恋愛物かな、と思っていたら、かな り真面目なお話しで、なかなか引き込まれました。ただ、タイトルは「インハーシューズ」で「彼女の立場」というか「彼女自身」という感じの意味だと思われ、要は「自分自身の行き方を見つける」ということが主題と思うのだけれど、主演が駄目な妹(キャメロン・ディアス)だったからでしょうか、いつのまにか「姉妹同士の和解」がメインになってしまったような気がする。そして最後の方で、「二人は一心同体だから。一緒にいなきゃ。」という理由で姉が折れて妹を許すわけだけれど、それってかなり安易で「いただけないなあ」と思う。そんなわけで少し残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-11-29 12:02:33)《改行有》

60.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 映画館で観なくて良かった。「印象に残る映画」であることは間違いないのですが、ブレアフィッチ・プロジェクトと手法もコンセプトもそっくり。カメラのブレと、全貌がはっきりしないモンスター(多分蛸の怪獣?)、アメリカ軍との戦いがどうなったかわからない結末。この映画の狙いはよくわかりますが、少しはエンターテインメント部分も期待していたので、すべての面で「もうちょっと観せてよ」とフラストレーションが溜まる映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2009-02-14 11:42:44)

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