みんなのシネマレビュー |
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41. グラン・トリノ イーストウッドに、人の生き様を見せる映画を撮らせたら右に出るものはいないと思う。 この、ミリオンダラーベイビーを見た際に感じた思いが、この作品で確信となった。 イーストウッドは、どうすれば観客の胸を打つかという見せ方を知り尽くしている。 言葉にしなくても突き刺さる凄惨な事実。 ラストシーンの、言葉では表せない格好良さ。 言葉での説明が無くても"見せ方"が上手ければ、そんなことは問題ではない。 そういうことを改めて深く思い知らされた。 見せ方を知り尽くしているのは、勿論今までの経験に基づいたものだと思う。映画人として、人間としての70年以上の積み重ねが、今のイーストウッドを作っているのだから。 映画界の生きる巨匠。 願わくば、これからもずっと、彼の作った作品を見たいと思う。[映画館(字幕)] 8点(2011-01-27 16:23:57)(良:1票) 《改行有》 42. ベンジャミン・バトン/数奇な人生 この映画のテーマは"人の死"であることに、見終わってから気付いた。 ベンジャミンの周りの人々はみな老いて死んでいく。何故って?それは人間だから。そんな普遍的かつ語りづらいテーマを、ファンタジーというオブラートに包んで上手く表現したなぁ…という感じ。 デビッド・フィンチャーは、鬼才と称されるだけあって、今までは理解し難い映画ばかり作ってきたのだと思う。(全て見てきたわけではないので断言はできないが) が、この作品はフィンチャー作品の中ではとても理解しやすく、万人受けする作品に仕上がっている。 3時間弱という上映時間を長く感じさせない演出も、流石といったところ。 男女の愛であったり、家族愛であったり、"老い"であったり…と、この映画に散りばめられたテーマは多い。誰もが、どこかで共感できる部分を見つけられるだろうし、見終わった後には、それぞれ自分が見つけたテーマについて考えさせられると思う。 特殊メイクで老人になったブラピが見えるのも、この映画の話題性の一つかも。 是非、3時間彼と一緒に、1人の男の人生の軌跡を辿ってみて欲しい。[映画館(字幕)] 8点(2011-01-27 16:21:47)(良:1票) 《改行有》 43. 永遠のこどもたち 圧倒的に悲しい。この言葉は、"パンズラビリンス"のときにも使ったかもしれないが、そのパンズ~の監督が製作したこの作品も、パンズ同様悲しい話だった。 劇場に足を運ぶ前、この作品のレビューを事前にチェックしていたときに、"理解することの難しさを描いている"というものがあったのだが、まさにその通りだと思った。 子どもを理解すること、子どもと接することの難しさ故に起きた悲劇を描いている。 その悲劇に、過去の悲劇や霊的な現象などをうまく絡めながら、ホラーテイストに仕上げたのはよかったと思う。 ただ、普通のホラーだと思って見に行った人は、求めていたものとの違いに落胆するかもしれないが。そのあたりが、個人的にはM.N.シャラマンの"ヴィレッジ"に似ているなあと感じた。 伏線の張り方も絶妙。 一見特別な意味がないように思えるシーン、台詞にも意味が隠されている。 驚かされたり、アンハッピーエンドでも良い方には是非見て欲しい。 人によっては、ラストはハッピーエンドだと言う人もいるかもしれないが。 見る人の数だけ物語があるのだから。[映画館(字幕)] 8点(2011-01-27 16:16:51)(良:1票) 《改行有》 44. インファナル・アフェア この映画は凄い。 散々語り尽くされてきて今更だと思うが、遅ればせながらこの作品を見て、凄い映画だと思った。 主役の2人の迫真の演技もだが、各場面に張られた伏線の巧妙さ。 次にどうなるか予想がつかない"見せ方"の上手さ。 そして、この緊迫感の中でも決しておろそかになっていない人物描写。 ネタバレになるのであまり語れないが、一見の価値はある作品だと思う。[DVD(字幕)] 8点(2011-01-27 16:01:16)(良:1票) 《改行有》 45. ザ・マジックアワー TV番組の宣伝で、三谷監督が「最高傑作です。」と言っていたが、まさに映画の三谷作品では最高傑作といえるだろう。 前作"有頂天ホテル"も大好きだが、有頂天ホテルは人物像の描写よりも、シチュエーションを重視していたような気がする。 それはそれで、場面ごとに笑えてよかったのだが、今回は前作よりもさらに深い人物描写がされていて、ストーリーに重みが増していた気がした。 加えて今作は、マフィアが絡んでくるので、今までの映画の三谷作品にはなかった緊迫感"生きるか死ぬか"があり、観客も手に汗握りながら見ることができると思う。 もちろん、ギャング映画ではないので、バタバタと人が死んでいく…なんていうことはないのだが。 設定としては、三谷監督お得意の"勘違いから巻き起こる喜劇"なのだが、今作ではあまり笑わせよう、笑わせようとはせず、人間の汚い部分や、どうしようもない性を描いていたように思う。 だけど、それでも人間という生き物が愛おしいという、監督の思いが伝わってきた。ラストはそんな監督の優しさにあふれたものになっている。 全編を通して、三谷監督の日本映画への愛情が伝わってきて、昔からの映画ファンの方にも見て欲しいなと思った。 可笑しくて笑って、そして人間ドラマに少し涙させられて。 笑いと感動のバランスが絶妙の、老若男女誰にでもすすめられる映画だと思う。 役者たちもいい仕事をしていたと言えるだろう。特に主演の佐藤浩市は、絶妙な演技を見せてくれた。 監督も言っていたが、彼の新しい引き出しを開けたのではないだろうか。 余談だが、各所で出てくる豪華キャストをチェックするのも楽しみの1つ。前作"有頂天ホテル"からのキャラもいたりと、サービス精神旺盛だった。[映画館(邦画)] 8点(2011-01-27 15:35:03)《改行有》 46. きみの友だち 癒される映画。時系列が少しややこしいが、注意深く見ていれば問題ない。短編集を原作としているのに、上手く見せているなぁ…と。重松清作品の「どこか現実的ではない青春」という雰囲気を映画で表現できる手腕が凄い。キャラクターの性格と、演じる俳優(子役)の見た目というか雰囲気がマッチしていたのが良かった。すべての主要キャラの性格と見た目がマッチしていたように思う。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-26 21:28:33) 47. ゆれる まず、映像が美しい。 この映像、演出は女性監督だから撮れたものだと思う。 オダギリジョーは本当に役にハマっていて、違和感がなかった。 1つの事件から起こる、人間の心の曖昧な部分をよく描いている映画だと思う。 [DVD(邦画)] 8点(2011-01-21 21:44:28)《改行有》 48. 十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 正統派時代劇という感じ。三池らしさが無いと言われるが、岸辺一徳さんのシーンや不死身の伊勢谷くんのシーンは三池らしさではないのか。入れない方が作品として収まりが良いところをあえて入れてくるのが三池。 刺客に暗殺されるほどの悪者で無いと納得できない殿役を演じた稲垣吾郎は、残酷性と幼稚さを兼ね備えた殿役を怪演。 殿様という育ちの良さと幼稚さ故の残酷性は彼のキャラクターだからこそ出せたものではないか。 殺陣は松方弘樹が抜群に上手い。この殺陣を見るために劇場に足を運ぶ価値はある。他の人も上手い人ばかりだった。 個人的には、色物も出来る古田新太がもう少しオイシく使われていたらよかったのにと少し残念。[映画館(邦画)] 8点(2011-01-21 21:30:59)(良:1票) 《改行有》 49. 歩いても 歩いても 癒される。家族っていいなぁと改めて思わされた映画。空気感が良く、自然。登場人物の感情の振れ幅も自然な範囲。特に何かが起こるわけではないが、それがいい。こういう作品は日本人だからこそ楽しめるのだと思う。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-21 21:17:49) 50. アフガン零年 重い。ずっしりとくる。押し付けがましくない問題提起というか、私たちの知らないアフガニスタンでのターリバーン政権の暴挙が描かれている。 見せ方が上手く惹き付けられて、どんどんのめりこんでいくが最後に残るのは悲しみだけ。現実として、いくら伝えたいことがあっても、映画として“上手”じゃないと見てもらえない。そういう意味では、成功例だと思う。この作品を見て、どうするか。自分はターリバーン政権やアフガニスタン紛争について調べ、いかに自分が無知・無関心であったかを知った…。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-21 21:10:18) 51. THE 有頂天ホテル 三谷幸喜は凄い。 この映画を2度見たが、2回とも笑ってそして泣かされた。 豪華なキャストが繰り広げる、少しおかしな物語。キャラクターに愛おしみが湧いてくるあたりは流石。 劇中の時間と実際に流れている時間が同じなのも注目すべきポイント。 [映画館(邦画)] 8点(2011-01-21 20:48:47)《改行有》 52. 黄泉がえり 映画をまともに見始めた時期だったので、思い出補正がかかった感想。 大好きな映画。当時映画館に4回通った。 よみがえった人々のそれぞれの苦悩や喜びがよく描かれていると思う。 キャラクターごとのサブストーリーがよい。 ラストには監督の優しさが出ていると思う。 [映画館(邦画)] 8点(2011-01-21 20:38:13)《改行有》 53. Vフォー・ヴェンデッタ 2013年12月にCS(字幕)で2回目の鑑賞。 アクション・SF・ラブストーリー・哲学…と、全部詰め込みながら成立していて凄いなぁ…と思い、当時放送されていた「安堂ロイド」が目指していたができなかった形がこれか、と。安堂ロイドもアクション+SF+恋愛を描きたかったようだが、上手くいかなかった。 好きな映画なので思い出補正がかかっているかと思ったが、充分楽しめたのでよかった。また数年後に見たい。 【公開当時に映画館で見た際のレビュー↓】 ヴィジュアルを楽しむ映画。 まず映像が美しいし、演出がとても洒落ている。 この鮮烈な映像を見るだけでも価値があると思う。 ただ、大画面じゃないといまいち迫力にかけるかも。[映画館(字幕)] 8点(2011-01-21 20:28:37)《改行有》 54. ティム・バートンのコープスブライド ナイトメアービフォア~は超えられなかったが、この作品はこの作品でよい。 ミュージカル形式にしたのも挑戦的で面白かった。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-21 20:22:21)《改行有》 55. フランキー・ワイルドの素晴らしき世界 映像が美しく、ドラッグをモチーフにした映画にしてはドロドロしてなかったのが良い。 演出がよく、ドキュメンタリーのように見せているが、観客へのサプライズもあったのは良かった。 ジャンキー作品としてではなく、1人のDJの物語として多くの人に見て欲しい作品。 [DVD(字幕)] 8点(2011-01-21 20:18:37)《改行有》 56. 長い散歩 老人と子供という組み合わせは反則だと思う。 終始泣きっぱなしだった。台詞があまり多くないのも、日本映画らしくてよい。 何が正しくて、何が間違っているのかを考えさせられたが、映画の中で問題が解決するわけではないので提起された問題は観客の心に残ったままになる。 ただ泣いてスッキリすることを目的にこの映画を見るのは向かないかもしれない。 最初は子役が可愛すぎると思ったが、途中から冷たい表情も見せるようになったので 彼女でよかったと思った。 [DVD(邦画)] 8点(2011-01-21 20:09:39)《改行有》 57. 映画ドラえもん のび太の恐竜2006 リメイク前の作品を知っていたので、リメイクのこの作品も絶対見ようと思っていた。 ドラえもんも、某クレヨンしんちゃんみたく映画になったら気合いが入るようで、カメラワークなどに工夫がみられた。 ストーリーも良いのだが、個人的に評価したいのはピー助の声をあてている神木隆之介くん。『ピー』という台詞だけにも関わらずとても上手だった。この演技で感動も増した。 子供だけではなく、大人も楽しめるドラえもんだと思う。[映画館(邦画)] 8点(2011-01-21 20:08:26)(良:1票) 《改行有》 58. シッコ アメリカの医療制度の問題を鋭く描いている。 マイケルムーアの作品は、大げさに誇張しているところもあるとは思うが、それを除いても今のアメリカが問題だということがこの映画でわかる。 誇張したり簡略化して描いている分、わかりやすくて(監督に言わせればアメリカ人のために単純化しているのだろうが)見る人を選ばない。 これからもこの、アメリカを愛しているが故に今のアメリカが許せない、マイケルムーア監督の作品に期待したいと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-21 19:57:39)《改行有》 59. ローズマリーの赤ちゃん 《ネタバレ》 ひたすら怖い。 最初から流れている不気味な音楽が、怖さを煽る。 人によって解釈は違ってくる映画だとは思うが、エイリアンも殺人も無く ここまで観客を怖がらせることができる映画はこの映画以外無いと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-01-21 19:44:35)《改行有》 60. TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 役者の演技レベルにはバラツキあり。メイン4人の中で上手いの下手のと半々ぐらい。 キャストが豪華なのであまり期待せず観に行ったが、クドカン脚本の過去の映画作品と比べると誰でも楽しめる良作だった。 ドラマは良いけど映画は微妙…というクドカンへの評価を変えさせられた作品。[映画館(邦画)] 7点(2016-07-10 07:24:08)《改行有》
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