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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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581.  ウェス・クレイヴンズ ウィッシュマスター こんなタイトルですが、別にウェス・クレイヴンが監督してるわけでもなく、製作総指揮の座にちゃっかり収まって、登場する脇役の俳優陣もフレディだのジェイソン(の中身)だのキャンディマンだの、なんだかまるで、内輪で盛り上がって勢いだけで作っちゃったんじゃないの?ってな感じの作品で。 だもんで(かどうかは知らんけど)ちっともコワくないホラー映画。冒頭からなかなかの残酷シーンを展開してくれるけど、それがキモチ悪いながらもどこかユーモラスで。コワくない代わりにビックリさせるシーンは何度か挿入され、これも、「いかにも」なコケオドシなので、思わず苦笑しちゃう。そしてヒロインはと言うと、ホラーの主演女優たるもの、叫んでナンボでしょ、とばかり、しつこいくらいに叫びまくる。 と言うわけで、若干パロディじみたところのあるホラー映画、なのですが、たったらそれなりに楽しめるのかと言うとイマイチ面白くなかったりして、一体、何でしょうね。やっぱりこの、「願いを聴いてくれる魑魅魍魎」、っていう設定が、あまりに童話か何か、っぽ過ぎて、ちょっとついて行けない、というか。 ストーリー運びも、ちょっと、雑。[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-26 23:19:45)《改行有》

582.  フォー・クリスマス 中年太り気味の冴えない男が美人に言い寄ろうとして、当然のように撃沈、と思いきや、あれよあれよといううちに、何だかよろしくやっちゃって、ええい、くそー、と。 タイトル出るまでにもう映画が終わっちゃったみたいな感じでですが、ここからが本筋。要するにこういう、テキトーな男女が、ひょんなことからクリスマスを互いの家族と過ごすことになる。と言ってもどちらの親も別れてるもんだから、都合、四カ所、回らないといけない。だもんで、フォー・クリスマス。 で、二人とも、ロクな家族じゃないもんだから、訪問する先々で、ドタバタの大騒動。確かに、三角締めやらムーンサルトプレスやらをキメてくる兄弟なんて、誰しも持ちたくない、いや、少なくとも恋人には見せたくないもの。 そんなわけで、ちょっとオムニバスっぽい構成のドタバタコメディで、他愛ない内容ではあるんですけどね。一応は、騒動を通じての二人の変化も描こうとはしているけれど、ほぼ、心に引っかかるもののない表面的なもので、正直、どうっちゅうことのないオハナシ。 ただ、そのドタバタぶりが、かなりおバカな領域に達していて、だいぶ羽目を外しているのには、見てて、苦笑混じりの笑みがこぼれてしまいます。二組の両親をそれそれ演じているのが意外な大御所たちなのも、ちょっとした驚き。 ま、クリスマスですから、あまり目くじら立てないことにして・・・と言おうと思ったけど、妙にクリスマス「らしくない」映画でした。[インターネット(字幕)] 6点(2021-04-25 23:08:48)《改行有》

583.  ヘイトフル・エイト 毒殺モノで、タイトルが「ヘイトフル・エイト」。日本語に直すと、「八つ墓村」、ですかね。なんでやねん。 雪に閉ざされた一軒家に集うは、一癖も二癖も、いや何癖もありそうな連中。だけどそこに至るまでに、まず雪道を行く馬車に登場人物たちの一部が集まってくるところから描かれて、「リンカーンの手紙」なんていうギミックがここで提示されたりもするけれど、それより何より、登場人物たちのいかがわしさと荒々しさ、そして一帯の雪深さが、強く印象づけられます。 寒さ、ってのは、屋内シーンに入ってからも、吐く息の白さから伺うことができます。 一軒家で繰り広げられる不穏なやりとり。登場人物に当てられる照明も、何だかアヤしくって。 結局、見ていくと、これはやっぱり八つ墓村じゃないのか、という気もしてくるのだけど(どこが?というのは書かないことにしますが)、それはともかく、章立ての構成の利点も活かしてストーリーを不用意に複雑にすることを避けつつ、容赦ない殺し合いを展開させて、我々を唖然とさせつつ、最後のアッサリ感がなかなかシャレてるな、とも思わせて。さらに唖然ともしますけれども。[インターネット(字幕)] 8点(2021-04-25 15:37:26)《改行有》

584.  静かなる男 私がこの作品に10点をつけない理由があるとしたら、「↓すでに何人も10点つけてるから、もういいか」ぐらいのもんで。いやホントにこの作品、見終わって何ともうれしくなり、何ともしみじみしちゃう。また10点を増やしちゃいますけど、勘弁してください。 アメリカから故郷のアイルランドの小さな村に帰ってきたジョン・ウェイン、これが実にイイ男。知り合ったモーリン・オハラは気の強いところもあるけれど、お互い憎からず、というわけでトントン拍子に結婚へと向かいたいところ、しかし彼女の兄が偏屈者で、ジョン・ウェインを滅法、嫌ってて。 そういう、人間関係やら、田舎らしい因習やら、主人公の過去やらが、物語に起伏を生じさせるのだけど、全体的な基調はおおらかで、なんと言ってもユーモラス。彼らを取り巻く面々のやることなすこと、とにかく可笑しくて、あともう少し誇張してやれば、ショートコントのネタにも使えそうな。 豊かな自然も見どころだけど、馬のレースなんかのアクションも交えたり。 見てると、ほとんどお膳立ては整っていて、義兄弟同士が殴りあえば解決しそうな雰囲気が漂っているのだけど、そこになかなか踏み込めないのが人間。人間だけが、最後の障壁。しかしもう、行くしかないよね。というわけで、あとはもう、盛大に殴り合い、盛大に馬鹿騒ぎ。この肯定感が、たまりません。[インターネット(吹替)] 10点(2021-04-25 14:58:05)《改行有》

585.  犬鳴村 犬鳴村の都市伝説がどういうものなのか、まったく知っていなかったもんで、大阪の犬鳴山温泉のことだろうか、くらいにしか思ってなかったんですけど、何にせよ、都市伝説における「都市伝説らしさ」ってのは、話が中途半端で完結せず、背景もはっきりせず、とにかくモヤッとした感じ、にある訳で。こうやって物語化して、細かいところまで盛り込んでしまうと、都市伝説らしいコワさ、ってのは薄れる方向に向かってしまう。 んだけど、いや、コレ、面白かったです。 見せ方がうまいですね。背景にチラリとオバケを見せる、という手法それ一辺倒でもないし、「何だろう?」と思ってたら突然ワッとくる驚き、それ一辺倒でもない。 ビデオカメラとか、電話ボックスだとかいうアイテムを交えつつ、話を繋いでいく。そこには繋がりの悪い部分(どういうことよ?という部分)もあるけれど、それを強引に押し切ることで、上りあれば下りあり、物語に推進力が生まれ、気が付いたらオハナシはグルリと環をなしている、という仕掛け。すばらしい。 ホラーに対し変に納得したり感心したりするのも、イカンことなのかも知れませんが。[地上波(邦画)] 7点(2021-04-18 16:50:12)《改行有》

586.  エレファント・マン 特異な容貌故に見世物にされてきた青年、その彼をこうやって商業映画の題材として描く、という事自体に、メタな要素を感じざるを得ないのだけど、それを意識しつつも、どうもこの映画には、以前から醒めた印象しか持ち得ないのです。今回久しぶりに見ても、それは変わりませんでした。 結局のところこれは、メーキャップ技術の限界を示した映画、としか思えなくて。 微妙な、デリケートな問題、であるが故に、その「作り物」感が、まずもって、気持ちを門前払いしてしまう。 かつて初めて見た頃と違って、今ではネットで調べれば、モデルとなった男性の実際の写真を簡単に見ることができ、確かに、似せようと努力していることはわかるのですが。 ストーリーも人物描写もシンプルで類型的なものとし、あの神秘性を感じさせるマスクも勿体ぶらずに脱がせて素顔(のメーキャップ姿)を画面にさらけ出させて、この「作為の無さ」という作為が、ドキリとさせる面も、これまた確かにあるのですが。 しかし、結局のところ、メーキャップでは描き切れない以上、違和感を拭いきれない以上、その姿はやはり、あのマスクの向こうの神秘に、封印するしかなかったんじゃないか、と思えてしまうのです。 ところでこの映画のテーマ曲、聞くとどうにも、童謡の「叱られて」を思い出してしまうのですが。[インターネット(字幕)] 4点(2021-04-17 15:04:21)《改行有》

587.  血みどろの入江 このタイトルから何を想像すればよいのか、「血みどろ」はいいとしても、何で「入江」なのか? 要するに、遺産相続に絡んだ殺人劇で、その遺された不動産資産というのが、入江だった、というそれだけの話。 しかし、それだけと言うには、あまりに人が死に過ぎ、死体が登場し過ぎるのが、本作の特徴です。冒頭、ロマンチックな音楽が流れる中で、唐突に行われる殺人劇。念の入ったカメラが、いかにも「これは只者じゃないな」と思わるのですが、中盤以降、ひたすら繰り返される殺人と死体の描写は、かなーり残酷趣味の方に主眼が置かれてます。突き刺さり感というか、めり込み感というか、まあ、特殊効果はあくまで当時のもの、とは言え、やってることはなかなかエゲツないです。死体に纏いつくタコ。 という、殺し合いのデスゲームが展開され、もはや誰が勝利を収めようとどうでもよくなってくるのですが、この陰惨な雰囲気が、ラストで一変して、これって実はブラックユーモアなんだよ、と言わんばかり。 いまさら、そんなこと、言われてもねえ。あはは。 という、ちょびっと上級者コース(?)、みたいな作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-17 14:24:54)《改行有》

588.  野良猫ロック 暴走集団’71 シリーズ第5作、この最終作に至っても結局、何がノラ猫で何がロックなのか、分からなかったけど、まあ、そんなことはおいといて。 公開日の関係でタイトルには「'71」が入っているとは言え、映画の最後には「1970.12.23」という日付が入っていて、1970年という年の中を、5本が走り抜けたこのシリーズ。最終作は残念ながら(?)第2作目と同じく藤田敏八がメガフォンをとっていて、同一シリーズとは言え、第1,3,4作の長谷部監督作と第2,5作の藤田監督作とは、テイストが異なります。前者が「若者vs若者」の衝突であるのに対し、後者は若者が社会と対立、挑戦するような内容、いわば「若者vs大人」の構図。女性よりも男性の方が映画の中心にいて、特にこの第5作では、これまで中心にいた梶芽衣子の存在も影が薄くなり、いかにもビンボー臭い容貌の原田芳雄が、映画の真ん中に腰を据えている。むむむ。やっぱり、一体何がノラ猫で何がロックなんなんだ、と。 と言う訳で、ロックというより、だいぶフォークのニオイがする作品となっています。一応、ザ・モップスとかいうバンドで、モップ頭で歌う鈴木ヒロミツなんかも登場して、ロックに詳しいヒトにはもしかしたらタマランのかも知れませんが、私は疎いのでよくわかりません。むしろマチャアキが歌ってるシーンもあったりするもんだから、どちらかというと、漂っているのは昭和歌謡ムード。あと、乱交チックな場面を挿入して、多少アナーキーなところも見せたりしてます。これが、ロック? で、それが終盤には、銃やらダイナマイトやらでの闘争に発展。その舞台となっている背景のセットを見ても、いかにもマカロニウェスタンな世界。なんじゃ、こりゃ。 このぶっ飛び具合が、何となくハリキリ過ぎの作為めいたものを感じたりもするのですが、それもまた、今の観点でのうがった見方なのかも知れませぬ。この勢い。華々しい、シリーズの幕引きでした。[インターネット(邦画)] 6点(2021-04-17 09:36:57)《改行有》

589.  斬、 池松壮亮演じる主人公も、塚本監督演じる浪人風の男も、どちらも剣の腕前は超一流、滅法強い。後者は、普段は穏やかで冷静ながらも、いざ剣を抜くべき時には剣を抜く、実に頼もしい男。であるのに対し、前者の主人公はと言うと、人に向けては頑なに剣を抜こうとしない、過剰なまでの煮え切らなさが、何とももどかしい。 しかし、結局は、二人が剣を持ち、そして強すぎるが故に、理不尽な戦いに向かわざるを得なくなる。それは、この二人だけではなく、主人公の弟分にも当てはまるかもしれない。 という筋立てに対し、登場人物たちが現代的な台詞回しで話すのを聞いていると、これは一種の寓話なんだろう、と思えてきます。国家が武力を持つが故に、戦争が起こって悲劇を迎えざるを得ない、ということ。 それが頭に浮かんだ瞬間、若干、鼻白んでしまうのも事実なのですが、しかし。 冒頭の刀鍛冶のシーンに始まって、劇中、刀を抜く、或いは鞘に収める音を克明に捉えてみせる、剣のイメージ。肉体損壊を伴う、凄惨な殺傷の描写。といったものが、山奥の静かな村で展開される、その様は、寓話であるか否か以前に、充分に我々に迫ってくるものを感じさせます。 そして、虚構の世界であるが故に、登場人物の死は、多かれ少なかれ、その本人の存在感を彩るものとなるのだけど、逆に言えば、映画の中で死なないことほど、むごい罰は、無いのかもしれません。 80分ばかりの短い作品ですが、濃密な世界でした。[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-14 07:21:27)《改行有》

590.  ビルとテッドの大冒険 本人たちのためにも、この二人はやはり落第させた方がいいと思いました、ハイ。 時空を飛びすぎ、飛びまくりすぎ、一本の映画の中でこれだけ、色んな国の色んな時代の色んな人物の色んな姿を登場させる、ってのも、恐らくは相当、手間なワケで、そういう意味ではずいぶん贅沢な映画なんですが、見終わって、ちっとも贅沢をした気分にならないのは、これはどうしたことなんだろう???[インターネット(吹替)] 7点(2021-04-12 22:36:57)《改行有》

591.  野良猫ロック マシン・アニマル 《ネタバレ》 最初こそ多少のいざこざはあれど、「米軍脱走兵を匿い、海外へ逃がす」という目的のもと、たちまち梶芽衣子と藤竜也が共闘モードに入るもんで、この第四作、内容的にはかなりスッキリしています。ちょっと拍子抜けするくらいに。 最初に少しいざこざを交えることで、それに対する和解が、一気に親密度合いを深める、というわけですな。 仲間が集まりワイワイやってる、それを見守る各リーダー格の藤竜也と梶芽衣子が、何だか、デカイ子供たちを見守るパパとママみたいに見えてくる。 実際はそこに、LSDの取引などといったアブナイ話も絡んで、そこは本シリーズのアナーキーな持ち味でもありますが。 一方で油断ならないのが、郷鍈治率いるバイク軍団。そうか、リーダーはサイドカーに乗るものなのか。じゃあゴレンジャーのリーダーは実はキレンジャーだったのか。 彼には何やら過去があり、彼の背後には車椅子の范文雀がいて。紫色の部屋で、いつもオルガン演奏によるバッハの「フーガの技法」を聴いてるのが、なんかコワい。 やがて梶・藤と郷との抗争に発展した事態は、急転直下、すべてが徒労に終わるという虚しさに溢れた顛末を迎えることになるのですが、どこか、全てをやり切ったという清々しさみたいなものも感じないでは無く。 これまでの四作中、三作を長谷部安春が演出していて、細かいショットをチカチカとサブリミナル的に切り替える実験的な手法はここでも健在。とんでもない場所をバイクで突っ切ったりするアクションも、第一作のノリを感じさせます。 違うのは、藤竜也にヒゲが無い、ってことだけど、ヒゲが無くても、カッコいいねえ。[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-11 22:42:46)《改行有》

592.  トラック野郎 御意見無用 シリーズ第一作からもう、全開モード。むしろ、まだ誰も何も期待してない分、自由奔放なのが第一作の強み、なのかも知れませぬ。 内容は盛り沢山、マドンナに対する一目惚れは勿論のこと、花束のエピソード、ライバルとの対決エピソード、捨て子のエピソード、ジョナサンの隠された過去の話・・・。そうそう、桃次郎とジョナサンとの喧嘩のエピソードもあって、もはや愛川キンキンが何に対して怒ってるのかもよくワカランのだけど、二人が波打ち際で水を掛け合えば、すべてが水に流され、ああ、二人ともバカだなあ、イイなあ、と思えてきます。 このおバカな主人公を演じる文太さん、一見荒削りに見えながらも、ときに絶妙の間で笑いをとってみせ、なかなかの喜劇俳優ぶり。 投入された脈絡のないエピソードが、見事なまでに、落ち着くべきところに落ち着き、サバサバしているのかと思ったら妙なところで泣き出したりするマドンナ中島ゆたかの破綻寸前のキャラクターが、彼女の抱えた苦悩の目眩ましになっていて、その苦悩が明らかになったとき、桃次郎の侠気が炸裂、怒濤の爆走クライマックスへ。  と言ってもアメリカ映画のカーアクションみたいに派手なことは出来ませんが、木の枝がトラックに激突し、泥水が(バケツでかけたように)飛び散り、気分だけは負けてません。 バカだから、カッコいい。それがこのシリーズの持ち味ですね。[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-11 12:38:37)《改行有》

593.  ザ・ハリケーン(1999) 実際の事件、実在の人物を扱っているのが、難しいところでもあって。テーマとしては、人種差別の問題が存在していて、社会全体、いや歴史まで含んだ問題なんだけど、この映画の中ではそれが、特定の人達の仕組んだ陰謀劇、みたいにになってしまう。主人公を少年時代から目の敵のように扱うその偏執的な姿は、この物語を個別の特異的な事件としてしか描いていないようにも感じられてしまうのですが。 一方で、もう一人の主人公たる少年を、この物語に配置したのは、過去と現在とを思わぬ形で繋ぎ、決して自分たちと無関係の遠い世界の話ではないのだ、ということを感じさせ、我々をハッとさせるものが、あります。ただ、彼を二人の主人公を支える三人の男女、彼らの描き方は「善人」として、いくらなんでも形式化され過ぎていて、浅いと感じざるを得ません。国外の「カナダ人」として設定したのは、皮肉を効かせたところかもしれませんが。 最後に登場する判事が『夜の大捜査線』のロッド・スタイガー、ってのも、ちょっと狙い過ぎですかね、ノーマン・ジュイソン監督。 と、引っかかるところはあれど、やはり圧倒されるのは、長年にわたる主人公の苦しみを演じきった、デンゼル・ワシントンのその姿。ボクシングシーンにおける見事な肉体とファイトシーン。抑制された絶望感が、ときに焦燥感を伴って露わとなるときの、ひりつくような感じ。そして苦闘の年月を問答無用に感じさせる、風貌の変化。 圧巻です。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-11 11:53:21)《改行有》

594.  スーパーガール 監督は「ヤノット・シュワルツという人」だと、かつては認識してたのですが、フランスの人らしいので、確かに妙な表記だったのかな、と。ジョーズの続編だの、スーパーマンの姉妹作だの、便乗作品で起用されては、そこそこの仕上がりにしてしまう、きっと器用貧乏みたいなヒトなんでしょう。 本作も、女性版スーパーマンがミニスカートを穿いているという、ミニスカポリス的発想のイロモノ企画であるように思われてしまうのですが、そのミニスカスーパーガールをまずは湖の上で自由に飛翔させてみせ、お見事としか言いようがありません。ドナーの第一作に対して感じたのと同種の驚きを、ここで再び味わうことができます。このシーンを超える場面はその後出てきませんが(笑)。 スペクタクル要素はあまり出てなくって、片田舎の町での、大騒動と中騒動の間くらい、といった感じ。その意味ではスーパーマン第二作をさらにマイルドにしたような。 天敵たるレックス・ルーサー(じゃないけど)の役はフェイ・ダナウェイ。まさに大女優の風格で、「フェイ・ダナウェイ専用照明」みたいなのが当てられ続け、こういったあたりの演出にはちょっと古風なものを感じます。 いや、ダサい男を取り合うだけのクダラないオハナシ、といえばそうなんですが、学園モノの気楽さと、様々な特殊効果の楽しさ、パロディ的のものも含めて二番煎じを逆手にとって笑いに繫げるような割り切り(男を乗せたカートごと飛ぶシーンの、あのカートのデザインのシュールさ)、全編通じ、サービス精神には事欠きません。 テーマ曲は、あの派手なスーパーマンのテーマには被らないように、ということなのか、ちょっと落ち着いた感じのメロディが選ばれ、これは今でもお馴染みのもの。特にエンドタイトルでは、ゴールドスミス節が炸裂した、聴きごたえのある音楽が展開されます。[インターネット(字幕)] 8点(2021-04-11 11:05:11)(良:2票) 《改行有》

595.  フランティック 公開当時、本作について「医者のくせにフランス語が何一つわからないなんておかしい」と批判する記事を読んだ記憶があり、それがおかしなことなのかどうか私にはわかりませんけれども。 ただ、映画にツッコミを入れること自体は私も嫌いではないですが、あくまでそれは、そこに「思わぬものを見た」からであって、だから作品自体がダメだとは、できれば言いたくない(たまに言っちゃうけど)。映画の中の矛盾は、しばしば映画の作為でもあるのだから。 その意味で、本作は、言葉の違う異国で、何の前触れもなく、まるで神隠しのように妻が失踪してしまい、取り付く島がない、というオハナシ。それで十分。もし問題があるとしたら、所詮、英語はどこでもある程度通じちゃうので、まだまだ主人公の孤立感としては甘いんじゃないか、とか(英語の苦手な人間のヒガミですスミマセン)。主人公が医者にしてはやたらガタイが良く、やや過剰な手ぶり身ぶりをやってみせ、これでは医者じゃなくってハリソン・フォードそのものじゃないか、とか。 でも何の特徴もない主人公よりは、この方が、いい。ハリソン・フォードもこの頃は、ピーター・ウィアー作品に続けて出演してクセのある役をやったりして、模索していた時期かもしれない。 で、彼の演じる主人公のもとから妻が忽然と消え、何をどうしてよいのやら、主人公も、それを見てる我々も、全くわからない、という魅惑的な謎。 試行錯誤が続くようで、意外にトントン拍子に謎に迫っているようでもあり、このあたりが、ジックリ感とサスペンス感の、さじ加減。映画の進行はやや地味なところもありますが、その中に、屋根の上という不安定な舞台を取り入れ、アクセントをつけています。さしずめ、「巴里の屋根の上」といったところでしょうか。屋根の斜面を自由落下のごとく無制御に滑り落ちる、品物の数々。どこまでが演出かわからない、映画の外にまで滲み出てくるような不安定感。 オハナシ自体は何だか、最後まで、大したことないような気もするのですが(笑)、ラストではちゃんと余韻を残していて。多少地味ですが、サスペンスの佳品、と言ってよいのではないでしょうか。[インターネット(字幕)] 8点(2021-04-11 10:10:11)《改行有》

596.  アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス 主演はアーノルド・ストロングという、聞いたことはないけど見たことがあるムキムキ男。彼の演じるヘラクレスが、神話世界からニューヨークにやってきて騒動を巻き起こす。というオハナシですが、登場する「神々の国」ってのが、背景の木の葉も緑も何だか薄汚く、手入れも行き届いていない感じ、やたら貧相。 それどころか、近くに車道があるらしく、クルマの走る音やら、クラクションの音やら、一体どれだけ近所でロケしてるんだよ、と。 その後も、微笑ましくもクダラないエピソードの数々が、キレの悪いションベンのように続くのですが(ギャングみたいな連中が追いかけてくるシーンで一人コケた奴がいるにもかかわらずそのまま撮り直さないなど、撮影の手抜きも続くのですが)、しかし、考えようによってはコレ、後のシュワ自身の『ツインズ』の先駆けのようでもあり、また『星の王子ニューヨークへ行く』の元ネタのようにも思えてきて。 さらにはヘラクレスが街なかを馬車で疾走するシーンなどは、荒唐無稽さと無許可撮影っぽさが相俟って、ファンタジーへと昇華されており、これを表現するにはなんと言ったらいいのか、私の頭には「トロマ的」という言葉しか思い浮かびません。 最後のは褒め言葉になってないですね。でも、ちょっと時代を先取りしています。 とにかく、制作費はないけど夢がある、そして最後はちょっとしんみりもさせられて。陽気な音楽が、さらにその感情を揺さぶります。 いや、イイ作品だと思いますよ、コレ。暖かい気持ち(と少しの忍耐)で見守りたくなる映画です。 もしこの作品がそこそこヒットしてシリーズ化されちゃったりなんかしたら、ヘラクレスは回を追うごとに活躍の場をひろげ、4,5作目あたりではついに、知事になっちゃったりなんかして。 その場合、シュワが実際に大スターになって、さらに知事にまでなることは、なかったでしょうけど。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-11 09:21:03)《改行有》

597.  黄金の犬 所持するマイクロフィルムのために悪徳政治家の手先に追われる男一匹と、家から遠く離れた北海道で飼い主からはぐれた犬一匹との、逃避行。 単に可愛いはぐれ犬を夏八木勲が拾った、みたいな感じになっちゃってるのがちょっと弱い気がして、彼が犬に惹かれたことの動機付けがもう少しあってもよさそうだけど。ただ結果的に、犬が彼を鼓舞することになる、というエピソードは準備されてませす。 彼らを狙う狂犬のような男が地井武男。主人公の犬よりも獣っぽい役どころ、確かに地井さん、目付きは鋭いのですが、顔立ちが整ってて、狂気までは感じさせず、迫力不足に思えます。こういうのは安っぽい映画ほど得意なところで、メイクで顔に傷痕のひとつでも描き込んで、迫力を補うもんです。 そして事件の真相に迫る型破りな刑事が、鶴田浩二。すぐに手錠を持ち出したりして破天荒さをアピールしますが、これこそ「人の良さそうな眼鏡のオジサン」にしか見えない悲しさ。もう少し落ち着いたキャラに変更してもよかったのでは。 で、それらの登場人物たちが日本各地を転々とする、その割には、妙に易々と互いに出会っちゃう。これを安易に「ご都合主義」とは言いたくないけど、でも、ここまで簡単に出会えちゃうと、スケール感を損なってる気がして(地井さん、アナタのことですよ!)。 しかし、銃撃戦あり、カーアクションあり、海上保安庁の協力あり、犬とアザラシの死闘(?)あり、そういった点での見せ場は多く盛り込まれて、映画を盛り上げます。銃で撃たれりゃ噴き出す血ノリの量も通常の2、3倍。森田健作など、どこからそんなに湧き出るのか、という血の量に、仕込まれた火薬の煙がまるで湯気を上げているようで、まさにこれぞ熱血漢。 あと、サービスとして、一番星桃次郎とおぼしき人物まで特別出演。チョイ役なので実現しなかったけど、もしも彼が島田陽子に出会ってたら、また例によって彼女の周りにお星サマがキラキラきらめいていたんだろうか。[インターネット(邦画)] 6点(2021-04-10 13:25:20)《改行有》

598.  ヌードの夜 《ネタバレ》 この映画、カッコいいねえ。ダサくて不器用で、カッコいい。演出にはさすがにちょっとキザなところもあるかもしれないけれど。 何でも代行屋、なんていうのがマンガ的で、その主人公を、マンガのダメキャラを体現したような竹中直人が演じてる。その彼がある事件に巻き込まれる、ハードボイルド。 彼が不器用なのは勿論のこと、ミステリアスに思われた余貴美子も不器用なら、狂犬のような椎名桔平、彼こそが最も不器用な人間かもしれない。 何が現実で何が非現実なのか、ラストに示されるのは、ある一つの答え、なのかもしれないけれど、何か掴み所のない、モヤモヤしたものが残ります。 今となってみれば、まるですべてが夢の中であったかのような。[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-09 06:38:03)《改行有》

599.  血ぬられた墓標 200年前に魔女裁判みたいなのがあって、裏面にトゲトゲがついたマスクを顔面に打ちつけられる、というショック描写で作品の幕が開きます。 で、それから長い年月が経ったある日。彼女の墓を訪れた者が、彼女を蘇らせてしまう。 昔話じみた陰鬱な屋内セットでの撮影で、怪談テイストばりばり、といった印象ですが、物語は意外に入り組んだ感もあって、ちょっとミステリっぽい雰囲気もあります。もちろん、あくまで怪談なので、合理的な解決があるわけでもなんでもないんですが、なんとなく、何かが隠されているような、パズルのピースが欠けているような、モヤモヤとしたものがあって。 ストレートな恐怖を求める向きには、ちょっとモタつくように感じられるかもしれないけれど、得体のしれないヤな雰囲気が、作品全体を覆いつくしています。 冒頭だけじゃなく、生きたまま人間が焼け焦げていく描写など、残酷趣味は映画の古さを感じさせません。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-08 22:47:54)《改行有》

600.  バタリアン2 どこやらの小さな町で、化学物質によって死人が蘇り、解体されようがどうされようが、意にも介さず脳ミソ求めて大暴れ。 という基本は前作そのまんまで、ゾンビキャラクターのユニークさ、という点ではやや見劣りするようにも思われますが、それでも、首だけゾンビのすました表情など、気味悪くも愛嬌があって、この続編の方もなかなか魅力的。 前作の演出があまりにテキトーで素人じみていたに対し、こちらは、だいぶサマになってます。 前作を踏襲はしてるけど、少年を主人公にしたことで、ちょっと冒険譚みたいな要素が加わり、前作にはなかったテイストも感じさせますが、それより何より、あのポンコツ医師の、なんと良い味出してること。アメリカ映画の中でドクターと呼ばれるヒトにはだいたいこうイメージがあるのだけど、アメリカではコレが普通なのか???[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-08 07:22:35)《改行有》

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