みんなのシネマレビュー |
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581. ダラス・バイヤーズクラブ 《ネタバレ》 実話とは知らずに鑑賞。 エイズが判明。余命30日。エイズ治療薬AZT。まだ臨床実験の段階で処方されず。違法に手に入れるも、薬は効かず病状は悪化。ワラにもすがる思いでメキシコの医師を訪問。免疫機能を向上させる毒性の低い薬。ただし未承認。ウイルス除去はできずとも、病状は緩和。病気を治すのではなく、病気と共に生きていくことを決意。自分を助けてくれた薬の販売を企画。『ダラス・バイヤーズ・クラブ』設立。ロン・ウッドリーフが仕入れてくる未承認の薬を求めて集まる人々。黙っていない国家権力と製薬会社。捜査のメスが入り、摘発・・・。 という膨大なストーリーを2時間に凝縮した本作。更には医師との恋愛、患者仲間でもありビジネスパートナーでもある友人との友情、死別までも盛り込んだ内容。 当然後半になるにつれストーリー展開は駆け足になり、説明不足な部分は出てきます。 実話だから仕方ないのですが、本当に人の命を助けてくれる薬が、FDAと製薬会社の癒着により、臨床実験すらされず、人の命が軽んじられる現実が腹立たしい。しかもその事実を隠し、自分たちは正義だと謳っている病院と製薬会社はタチの悪さを通り越して存在そのものが非人道的。もちろん、この映画で述べられていることを鵜呑みにしたらの話ですが。 勉強になる映画ではありますが、個人的には鑑賞後の後味があまりよろしくないので、好きなタイプの映画ではありません。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-21 14:42:51)(良:1票) 《改行有》 582. 孫文の義士団 《ネタバレ》 ちょっと長いです。 かの有名な辛亥革命の前日譚。革命の指導者孫文来航。その目的は革命の打ち合わせ。清朝は孫文抹殺のため、暗殺部隊を送り込む。革命家達は孫文を守るため、影武者をたてる。ざっと言うとそんなストーリー。 未来の中国のため。父の無念を晴らすため。別れた妻と娘の生活を守るため。恩義を感じる者。ただ頼まれただけの者。それぞれの個人的な目的がちょっとリアル。 ただそこをリアルに描こうとしすぎて、前半が長く、重い雰囲気になってしまいました。 写真館の娘と婚約した青年をはじめとして、誰も彼も死亡フラグたちまくり。実際、そのほとんどが帰らぬ人となってしまう。 アクションは文句なしに素晴らしかったです。それぞれが抱える人間ドラマが、アクションの緊張感をより一層高めます。孫文が来てからのラスト40分の攻防は、手に汗握ります。有能で善良な人間が次々と命を散らしていきます。一般的なカンフーエンターテイメントとは、やっぱ違います。歴史ものや戦争ものは、内容が重くてちょっと苦手です。[DVD(字幕)] 6点(2020-05-21 00:21:51)《改行有》 583. おと・な・り 《ネタバレ》 どーにもこーにも退屈しちゃいまして、映画の良し悪しに関わらず高い点数はつけられません。 V6の岡田君演じる野島聡は良かったのですが、女優さんのほうを特別かわいいとか、きれいだとか思えなくて。もちろんこれは、演技や演出の問題ではありません。私の好みの問題です。 ですがレビューというものが、主観に基づいた感想を書くものだとすれば、『ヒロインにそこまで魅力を感じなかったので、物語に入り込めなかった』という自分の気持ちを大事にしたいです。 最後のほうまで、お互い何者かわからないっていうシチュエーションは好きなんですけどね。 そのまま知らずに終わるっていうのはよくあるパターンですが、これはちゃんと知り合いますね。エンドロールでは知り合った後の後日談まであります。しかも二人がそれぞれ海外から帰ってきた後の話。会話だけで、二人が一緒に暮らし始めたことがわかります。その会話の微笑ましいこと。なんだか幸せな気分になりました。 かと言って、『じゃあ良い映画じゃないか。』と聞かれれば『Yes』なんですが、『面白い?』って尋ねられると、う~んって感じなんですよね。 主演の2人のファンの方であれば、きっとはまる作品だと思います。 私にはちょっと淡々としすぎていました。 あと、茜の登場シーンが印象最悪でイライラしました。実は良いやつってのがわかったとしても、こんな非常識な人間は嫌です。[DVD(字幕)] 5点(2020-05-20 21:48:24)《改行有》 584. 天才スピヴェット 《ネタバレ》 田舎の隠れた天才少年。その才能に気付いた大人たちの協力を得て、世の中にその存在が明らかになってゆく。そんなありふれたサクセスストーリーを期待すると、がっかりしちゃうような映画。 この映画って、T・Sの天才っぷりは、味付けのひとつにすぎないようです。 この映画にとって大事なのは、T・Sとその家族の在り方。典型的な家族愛ムービーだと思います。 『自分は家族にとって不必要なのでは』達観しているT・Sは、何となくそんな空気を感じています。そしてそれは、双子の弟の死をもって、より深くT・Sの心に影を落とします。 父親に水路の模型を見せて説明するT・S。自分のレポートが掲載された雑誌を先生に見せるT・S。だけど誰も認めてくれない。 『ここにいたら僕はぐるぐるまわるコウモリと同じになってしまう。』意を決したT・Sは、ベアード賞を受賞するため、単身スミソニアン協会へと赴くのでした。 ですがベアード賞が欲しいわけではありません。ベアード賞の授賞式に出ることで、自分のことも他の兄弟と同じように愛して欲しい。ただそれだけなんです。いや、もっと言うなら少しでもいいから気にかけてほしかっただけなのかも。 家を出て行く自分を見つけたはずの父の車が通り過ぎていく。家に電話をかけると皆が心配してくれることを妄想する。妄想の中の家族の言葉は、T・Sの願望があふれています。どちらも大事なシーンです。 そして遂に母から、『まだいる?帰りたい?』と尋ねられ、『帰ろう』と答えます。ついに成就するT・Sの願い。 賞が欲しかったんじゃない。世界に認めて欲しかったんじゃない。ただ家族に愛されたかっただけ。そして弟が死んだことを、『あなたのせいじゃないよ。』と家族に言ってほしかっただけ。 私は賞を取って世界から絶賛されるようなサクセスストーリーを見たかっただけ。需要と供給が一致しなかっただけ。 最後に父親も迎えに来てくれたのは嬉しかったですけどね。そのときの父のセリフは面白い。 喧嘩をすると外で食事を取る父。でもちゃっかり赤ちゃんを授かっているラストシーンに、この家族の愛を感じます。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2020-05-20 00:13:30)《改行有》 585. はじまりのうた 《ネタバレ》 マーク・ラファロ演じるダンに、最初のうちは全然共感できなくてイライラ。 でも中盤くらいでそんな自分を反省。断片的な情報だけで、ダメ人間と決め付けたらいかんなと、猛省した次第です。 ダメ親父かと思いきや、ダメだったのは奥さんのほうでした。ダンはむしろ被害者。精神的ショックが大きすぎて仕事が上手くいかなくなってしまったのでしょうか。だとしたら本当にかわいそう。なのにダンが家を追い出されていて・・・ そんなダンがグレタと出会う。再起を図る。 グレタはグレタで彼氏の裏切りにあい、傷心中。そんなときにダンに出会い、音楽に打ち込める環境と出会えたのは幸福な偶然。 人生真面目に誠実に生きていたって、上手くいかないときは誰しもあります。むしろ、真剣に生きているからこそ、壁にぶちあたったり、心が病んだりするのかもしれないです。 でも、真面目に生きていれば、同じくらい幸福だって訪れるんだ。そんな希望を感じさせてくれるサクセスストーリー。 人の優しさを肌で感じさせてくれるハートフルなドラマ。 ラッパーとして成功した黒人が、グレタに言ったセリフ。 『2年ほど不運が続いただけで、みんなあいつへのリスペクトを忘れてしまった。あいつは凄いやつなんだ。』 このセリフがぐっときます。勇気をもらえます。 この映画を見た後、今日一日の仕事は大変充実していました。やりがいのある仕事をしているだけで自分は幸せなんだと再認識。終盤の盛り上がり、もう一声ほしいところではありますが、概ね満足。 この大変な時期だからこそ、多くの人に見てもらいたい映画です。 『今、私達は不運なだけなんです。』[DVD(字幕)] 8点(2020-05-19 00:03:29)(良:1票) 《改行有》 586. インド・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ゾンビランド』『ロンドンゾンビ紀行』などと同じテイストのゾンビコメディ。 いまや本格的なゾンビ映画は、ゾンビがみんな走りますから。のろのろゾンビを見たい場合はゾンビコメディを見るしかなくなってきましたね。上記3作品が好きな方は、本作もそこそこ楽しめるのではないでしょうか。 『掛け算九九で感染確認』『コカインの副作用で動作停止』など、他のゾンビ映画では見られないネタが結構面白い。一見の価値はあるかもしれません。 注意点としては、こちらの作品はゾンビが出てくるまで結構時間を要します。気長に待ちましょう。 もうひとつ。上記3作品と違い、こちらは舞台が島。私はシティゾンビが好きなので、『島』っていうのは物足りなく感じます。文明や日常がゾンビによって崩れていくのが何より好きなのですが、この作品ではそーゆー終末感みたいなものは描かれません。 グロと笑いとサバイバル。それだけです。1980年代のゾンビものに近いかも。きっと低予算なんでしょう。 本当に低予算ムービーだとしたら、ゾンビのメイクは結構頑張っているほうです。ゾンビ役のみなさんも迫真の演技。ご苦労様です。 キャラも良かったと思います。 ボリスとニコラス。武闘派兼つっこみ。かっこいい二人です。 ハルディク、ラヴ、バニー。馬鹿兼ボケ。どーしようもない3人です。馬鹿っぷりが度を越えているときがあるため、イライラすることもあります。 ルナ。ヒロイン。なんかエロいです。 以上、インド発、佳作ゾンビムービーでした。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-18 04:05:33)(良:1票) 《改行有》 587. マイティ・ソー/バトルロイヤル 《ネタバレ》 わかりやすくて面白い。 こーゆーシリーズで、やれ精神論とか、やれ幻覚とか持ち出されるのは好きじゃない。ソーも、ハルクも、ヘラも、バルキリーも、スルトでさえも、物理攻撃のみ。いいねいいね。 更には、冒頭でストレンジと絡んだり、ハルクが参戦したりと、シリーズものならではの楽しさがあります。せっかくなら、ストレンジがそのまま参戦してくれたらバトルの幅が広がってより面白かったかも。 さて、今作、仲間が次々死んじゃいます。ムジョルニアは破壊されちゃうし、目もアスガルドも髪の毛もなくなっちゃうし、決して楽しいストーリーではありません。そんな中、ストレンジやハルク、そしてロキとのやりとりによるコメディタッチな演出が、雰囲気を明るくします。ちょっとお馬鹿なノリつっこみの数々が、いちいち笑えます。これぞエンターテイメント作品です。 更にはアクション。『ヘラvsアスガルド』『覚醒ソーvs骸骨兵』など、無双シリーズのような爽快なアクションが楽しい。タイマンでいけば『ソーvsハルク』が良いですね。こいつは面白い。ですがちょっと寄り道に時間をかけすぎてしまったきらいがあります。そのせいか、せっかくインパクトある登場をしたヘラの存在感が後半にいくに連れてちょっと薄くなってしまったような・・・。 『とっても危険でやばいやつ』って感じで登場。満を持す感じ。いきなりソーのムジョルニアを破壊しちゃうし、こいつはスゲーぜって期待していたのに、結局剣をびゅんびゅん飛ばすだけの人で終わってしまった。それはそれでスピード感あるアクションで、嫌いではないですけどね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-18 00:00:05)(良:2票) 《改行有》 588. アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 《ネタバレ》 前半、中盤の面白さは全シリーズの中でも最高クラス。 アントマンがいないのが少し残念。キャプテン・アメリカがいつものコスチュームでないのが残念。盾もあの丸い盾で闘ってほしいところです。ヴィジョンはかなり強いはずなのに、全然活躍の機会がなく残念。ハルクに変身しないのはすごく残念。本当に序盤にちょっと出るくらい。ハルクが暴れまわってくれないと、アベンジャーズ見た気になりません。 ただそれ以外のアクションシーンは素晴らしいの一言。 今作は敵が魅力的な強キャラ揃い。特に序盤、『ストレンジ、ウォン、アイアンマン、スパイダーマン』の4人とたった2人で互角以上の戦いを繰り広げ、ストレンジを拉致する圧巻の戦いぶり。ブラボーです。 そもそもアベンジャーズ最強の『ソー兄弟+ハルク』がフルボッコされるオープニングで、他のメンバーは太刀打ちできないんじゃないかと心配になるくらいです。 毛並みも違えばフィールドも違うガーディアンズ・オブ・ギャラクシーがどう絡むのか、これも楽しみにしていた1つです。結構自然に絡んできましたね。ウィンター・ソルジャーとロケットの共闘が見られたり、楽しいことこの上ないです。 で、そういった点もすべてひっくるめての評価です。 これはダメでしょう。 まずこの作品で完結させていないのがダメ。 続くにしても、このバッド・エンドは本当にダメ。 アベンジャーズはお祭りエンターテイメント。楽しませてくれなきゃ。 見終わった後の喪失感、がっかり感。カタルシスとは程遠い。アベンジャーズ見終わって、まさかこんなもやもやした気分が残るなんて、思いもしませんでしたよ。 ロキ、ガモーラ、ヴィジョン、悲しいことがたくさんあっても、最後がハッピーエンドなら報われる。 アベンジャーズに絶望感なんていらんのです。 ヒーローなら最後にちゃんと希望を残しなさい。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2020-05-17 17:28:16)(良:1票) 《改行有》 589. サマーウォーズ 《ネタバレ》 私は化石のような人間なので、そもそも『ネットもの』っていうジャンルが苦手。SNSもオンラインゲームもやらないしね。仕事でワード、エクセル、ネットを使うぐらいです。ですから、こーゆー作品とは、はっきり言って相性はよくありません。 ただ、サマーウォーズはそんな石器時代代表のような私にも、ジェスチャーでわかりやすく伝えてくれるような親切さを感じます。 現在の状況を、アニメーションでデフォルメ化して表現。ただ、その表現の仕方、デフォルメ化はあまりにもマンガチックで子供じみています。まるで『ウホウホ、これだったらわかるかい、ウホウホ』と、ちょっと馬鹿にされているようにも感じてしまい・・・難しいですね。 登場人物は一昔前のステレオタイプな人たちばかり。演出もちょっと古臭い。 こーゆーのに懐かしさを感じ、味わい深いと思うことは確かにあります。ですがこの作品は古いうえにちょっと感情表現過剰な気がしました。 世界の危機だっていうのに、ちゃんと状況を説明しない主人公。だから氷を持っていかれちゃったりするんですよ。ヒロインも侘助にもっとちゃんと説明しなきゃ。そんな主人公とヒロインにイライラ。 主人公がパスワードを解くシーン。キング・カズマのバトルシーン。夏希の花札バトル。それぞれ盛り上がるシーンがあります。ですから最後まで退屈することはないです。ハッピーエンドだし。もうちょっと感動したり、カタルシスを感じたかったりしたのですが、その辺は今一歩といった印象です。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2020-05-17 14:20:39)《改行有》 590. ビッグ・バグズ・パニック 《ネタバレ》 ちょっと変わった出だし。 突然大きな音が鳴り響き、気付けばみんな繭の中。 大きな虫がガサゴソガサゴソ。 なぜこうなったのか?虫たちはどこから来たのか?警察、軍、国は何をしているのか?主人公だけなぜ目が覚めたのか? 肝心な部分の説明、一切なしです。この潔さ、嫌いではありません。 もともと、こーゆーノリのB級モンスター映画は大好きです。昆虫が大きくなるだけでわくわくするってもんです。 炎のCGはお世辞にも良いとは言えませんが、虫のCGはとてもよく出来ています。こんなB級作品で本格的な巨大昆虫に遭遇できるなんて、期待していなかったぶん、嬉しい誤算です。 虫に刺された人間が、虫より恐ろしいクリーチャーに変身しちゃうってのも好きなテイスト。 そんな私好みの映像作品であっても、気に入らない点はあります。 例えば。『不必要な言い争い。しかも大声』『馬鹿すぎる行動』などのB級あるある。その中でも一番意味不明なのが、繭に入っている人たちを助け出さないこと。結構簡単に助け出せるのに、なぜか数人助け出したら、あとは放置。いやいや、そんな馬鹿な。 また、パニックムービーの醍醐味と言えば、まさにパニックになるそのプロセスにあると思うのです。 その一番の見せ場が、本作では全カット。気付けばみーんな繭の中。そのシチュエーションは面白いけれど、逃げ惑う人たちを見られないのは物足りないです。こーゆーシナリオにしたのって、もしかして予算の都合でしょうか?[DVD(字幕)] 6点(2020-05-17 03:23:35)(良:2票) 《改行有》 591. モンスターVSエイリアン 《ネタバレ》 アニメは好きだし、こーゆープロットも好き。なのになぜか途中で眠くなってしまい中断。翌朝続きを鑑賞。また眠くなっちゃいましたが、今度は最後まで見ました。 モンスターの面々は良かったのに、エイリアン側がいまいちだったので、気分がそこまで盛り上がらなかったのかもしれませんね。 モンスターは個性がはっきりしていて良かったです。 パワー全開の主人公。メカニック担当のコックローチ博士。ムードメーカーの半漁人。不死身のスライム。超巨大なムシザウルス。 この個性豊かなモンスターたちの大きさが同じくらいで、エイリアンの大きさも同じくらいで、お互いの特技を活かしたパーティーバトルを見てみたかった。 そもそも最大の見せ場のバトルで、相手が巨大ロボットってのがちょっと期待と違うのです。しかも体のサイズが違うことから、メインのバトルはほとんど主人公一人で請け負っちゃうことになっちゃって。せっかくの個性豊かなメンバーが活かしきれていませんね。 とは言え、モンスターたちはお人好しばかりで、心温まる映画であるのは確か。 私はちょっとはまりませんでしたが、悪くは無い作品だと思います。[DVD(吹替)] 5点(2020-05-16 00:58:46)《改行有》 592. インターンシップ 《ネタバレ》 お仕事ドラマが好き。グーグルのオフィスが気になる。以上の理由で鑑賞。 ニックはともかく、ビリーが苦手。 他のインターンシップの学生に比べ、あまりに無知な2人。後がない、必死さが伝わってくるならまだしも、ちょっとミーハーな気分の二人に引き気味。これはちょっと苦手なスタイルな作品だと思ったのが前半。特にファーストチャレンジのバグ発見で、何も知らないくせに適当なことを言いまくる二人がチームメイトにだまされて追い出されちゃうエピソードは痛々しすぎて見ていられない。まあ、この時点では2人が嫌いだったので同情はしませんでしたが。 ハリーポッターのクディッチで、チームがまとまりだすのは急すぎで不自然。 アプリ開発で再び無知をさらす二人。なんの力にもならないどころか、チャレンジに真剣に取り組んでいるチームメイトを飲みに連れ出そうとするところでは見るのをやめようと思ったくらいです。 そんな感じで中盤くらいまではまるで良いところがないのですが、ここから盛り返します。 ターニングポイントはアプリのアイデアをニックが思いつくシーン。酔っているかどうかを確認するクイズアプリ。単純ながら良いですね。 更にはニックとビリーが頑張って勉強しているシーンが矢継ぎ早に映し出され、二人への好感度は急上昇。 実は二人のインターンシップ採用に決定票を入れていたチェティ。意外な人が実は偉い人など、お約束満載の王道ストーリーに気分を良くし、中盤以降は結構楽しく見られました。 それにしてもグーグルは良い職場だなー。うらやましいです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-14 12:55:42)《改行有》 593. レッド・ファミリー 《ネタバレ》 どこにでもいそうな仲の良い家族。はたしてその正体は・・・!北朝鮮から送り込まれたスパイだった。 家族は世を忍ぶ仮の姿。そんなドタバタコメディ・・・じゃない。どたばたしていない。楽しそうじゃない。なんかこえーよ。これは、私にとってはコメディ映画ではなかったです。 コメディっぽい演出があったとしても、設定そのものが悲惨な現実なので、笑うに笑えない。コメディとして見ることはできませんね。 唯一笑えたのはお隣の家族のある一幕。『なあ、ニュースを見ないと世の中の動きがわからないだろう。』『あんたが心配しなくても世の中はちゃんと動いてるってー』いや、そうだけど・・・!なんか自分のことを言われているようでした。 それはともかく、私が一番気になっていたのは、この映画の着地点。 漠然と、ハッピーに幕を閉じるのかと思っちゃっていたので。でもこの状況からどうやって?みんな故郷の家族と会えるのか? ところが物語が終わりに近づくにつれて、どうもこれは悲劇ありきのバッドエンドムービーなんじゃないかと思い始め、物語は本当にそのとおり動いていくのでした・・・。 あーあ。こーゆー終わりに向けて状況が悪くなるばかりのストーリーって苦手なんですよねー。エンターテイメント作品だと思って見てしまったのがそもそもの失敗。 韓国の女性にスパイだとばれてしまった男は放置のまま物語が終わっちゃうのも気になるし。 極めつけは、ミンジ。彼女が生き残っているのはだめじゃないかな。最後の船のシーンで、銃声響かせて終われば良かったのに。最後の最後でテーマがぶれちゃってませんか。それにミンジがなぜ生き残っているのか、その説明をすべて省略するのは反則ではないだろうか。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2020-05-14 12:00:54)《改行有》 594. ワン チャンス 《ネタバレ》 事故に病気にイジメと、かなり紆余曲折なサクセスストーリー。更には前半の別の女の子とのエピソード。ちょっとくどい結婚のくだりなど、寄り道多め。うーん、実話を元にしているから仕方がないのかぁ。 いじめっ子にはだいぶイライラしました。終盤で父親がいじめっ子を高く評価しているのもむかつきました。これって感情移入しちゃってるってことですね。でも主人公のポールにも、そのふがいなさにさすがにイライラすることがありました。中盤くらいまでは応援していたはずなのに。夢に一途。女性に一途。良い人間だーと思ってました。 やっぱあれだね。奥さんが仕事で帰ってきたシーンで、家事もせずソファでごろごろ。ここで間違いなく1回は幻滅しています。しかも1年以上そんな生活っていうじゃありませんか。税金滞納、借金生活。奥さんかわいそう。結婚していないなら挫折してもいいけどね。結婚していたらだめでしょう。 これは、もう、ちょっとないなあ・・・・と思っていたところにゴッド・タレント。ゴッド・タレントはずるいわ。あれ、みんなが立ち上がって拍手するとき絶対感動するもん。あれは反則ですわ。 いじめっ子も、ポールの父から鉄拳制裁。すっきりします。 ゆるやかに蓄積された不快指数がまとめて払拭されるラスト、そして最後はセレブの仲間入り。若いときに頑張った貯金が、ちょっと時間はかかったけれど、こうやって報われる日がくるのだと思うと、うん、未来に希望が持てますね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-14 06:27:21)(良:1票) 《改行有》 595. ブラックパンサー 《ネタバレ》 ラストの『ブラックパンサーVSキルモンガー』は、なんか仮面ライダーみたい。 それはともかく、この作品に出てくる脇キャラ、良いです。ナキア、妹、女戦士が特に良い。ブラックパンサーそのものがアベンジャーズのなかではちょっと脇役っぽいのに、それを主人公にする物語なんて最高です。脇役好きの私にとっては嬉しい限りです。 みんな使っている武器が違うのも個性があってgood!多種多様な攻撃パターンが見られて楽しい。特に、ナキアと妹が、キルモンガーと闘うときに使っていた武器がかなりかっちょいい。 外見は発展途上国で農業国。しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。先進国も真っ青の、超ハイテク技術国家なのでした。でも王位継承はタイマンで決めるっていう超アナログ。絶妙なアンバランス加減が嫌いではないなー。 とゆーことで、キャラ良し、ギミック良し、舞台設定良しと、なかなかポイント高い作品なんですが、如何せんストーリーがつまらない。ユリシーズ・クロウとバトっているときが一番楽しかったかなー。この人ってエンド・オブ・ゲームで腕チョンパされた人だったんですね。全然気付きませんでした。 うーん、内戦ものってのは、気分的に盛り上がらないものですね。勝っても負けても溝が残っちゃうだろうし。どうも『内輪もめ』と『エンターテイメント』は相性があまり良くないみたいです。もうちっとだけ、気楽にスカっとできるイケイケアクションムービーだったら良かったと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 23:38:35)(良:1票) 《改行有》 596. アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 優しさと可笑しさに包まれた映画。ただ優しすぎて、タイムトラベル設定がなければ、何も見所がないかもしれません。 当初の予想とは違い、思っていたより長い年月の作品。エピソードが多くて、ちょっと散漫になっちゃったかな。個人的にはラブコメ1本で見せてくれたほうが気分が乗れます。もちろん、この映画が面白い作品であることは間違いありません。 やたらとひねった設定にされがちなタイムトラベルもの。オチも悲恋だったり切ないものが多い気がします。そんななか、ある意味革命的なこの作品。ひねりなし。深い考証もなし。 ルール①『タイムトラベルは過去に戻れるだけ。未来には行けない。』 ルール②『過去に戻って過去を改変したのち、過去に戻る前の現在の時間のところには帰ってこれる。』 ルール③『子供が生まれてから過去に戻っちゃうと子供が別人になってしまう。』 ルール④『手をつなぐと自分以外の人を過去に連れて行くこともできる。』 わかりやすい。そしてこの超便利な能力でやることが、父親は読書で、息子は彼女ゲット、なんとも平和なお話。 ただねえ、その彼女がレイチェル・マクアダムスだからたまらないですね。この女優さん大好きです。 失敗したらタイムトラベル。小さな修正繰り返し、ちょっとだけ良い未来にしていって、最後はメアリーを見事ゲット。メアリー、あなた騙されてますよー、って教えてあげたい。でもこの恋愛パートは凄く面白くて見入っちゃいました。 後半は、もしかすると今までの幸せが全部なくなっちゃうような嫌などんでん返しにびびりながら鑑賞。妹のくだりや父親のガンは特にドキドキしましたが、主人公が家族のために自己犠牲も厭わないような高尚な人物ではなく、奥さんと子供を優先する凡人で本当に良かった。 ルール③で子供をとるか父親をとるかの2拓を迫られるシーンで、最後に父親に会いに行くシーンは感動。 ただ、過去に戻って父親と会った後、その父親と一緒に更に過去に戻るシーンはちょっとやりすぎな気も・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 13:21:11)(良:1票) 《改行有》 597. 9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 『9』がわけのわからんマシンを起動させなければ、『1』も『2』も『5』も『6』も『8』も死ぬことはなかった。なのにハッピーエンドみたいな終わりかた。『僕たちがここを守っていくんだ』というよくわからないラストのセリフ。 『9』がみんなの救世主ならまだしも、今回のパニックの原因作ったのはコイツ。なのになぜか劇中では主人公扱いされる主人公。決死の覚悟で望む『9』に、『7』の『あなたがいてくれないと・・・!』のセリフに、『そうか?』とつっこまずにはいられない。 どうもこの作品、私とは感性が合わないみたいです。 武闘派が『7』と『8』の2人だけってのも物足りない。 『個性的な武器、技、特殊能力』『9人揃ったとき、真の力が解放される』そーゆー王道的なノリがあってもいいんじゃないだろうか。これではあまりに中途半端なアクションアニメ。 アニメーションは凄く良かったです。スピード感、臨場感、申し分なし。アニメでしか表現できないアングルがたくさんあるのが楽しい。 やっぱシナリオかな。 『深みのあるストーリー。衝撃的なオチ』 『カラッと単純明快、勧善懲悪エンターテイメントムービー』 どちらかに集中してくれれば良かったように思います。中途半端は良くないですね。 おいしいところ取りしようとして、『二兎追うものは一兎も得ず』みたいな作品になっちゃいました。[DVD(吹替)] 5点(2020-05-11 14:52:27)《改行有》 598. ドリアン・グレイ(2009) 《ネタバレ》 有名なゴシックホラー作品。原作を読んだことはないのですが、マンガや別の映画でドリアン・グレイを見かけたことがあり、興味本位で見てみることに。まあ、終始乱痴気騒ぎをしているような内容で、決して面白いもんではなかったです。 『なぜドリアン・グレイは絵に自分の魂を封じ込めようとしたのか。また、その方法は』 映画を見る前、気になっていたのはそーゆー部分。これが映画では明らかにされません。そこが知りたかったのに。残念。 なぜかドリアン・グレイの代わりに肖像画が歳をとっていく。ドリアン・グレイが怪我をしても、代わりに肖像画が怪我をする。でもそれだけではなくて、ドリアン・グレイの心が欲にまみれていくと、肖像画が醜くなっていくみたいですね。まるでドリアン・グレイの心を映す鏡のような役割でした。 でもねえ、自主的に動いたのならまだしも、ヘンリーにたぶらかされたのが主な原因なので、終始気が乗らなかったです。どうせ悲劇で終わるに決まっているしね。 ベン・バーンズの美しさに対し、女優陣はいまいち。シビルとの破局があっという間。などなど、いまいちな箇所も多々あり。 ネットで原作のあらすじを読んでみたら、原作のほうがはるかに面白そう。映画はドリアンがただ周囲に流されるだけの人物になってしまって、原作の良さがまったく出ていない気がしました。[DVD(字幕)] 5点(2020-05-11 12:07:35)《改行有》 599. マラヴィータ 《ネタバレ》 『ただ者ではない一家』っていう設定が好き。父親はもちろん、母、娘、息子に至るまで普通じゃないのが面白い。こーゆー家族はクール。かっこいいとすら思っちゃう。全然タイプは違うかもしれませんが、なんとなく『アダムス・ファミリー』を思い出しちゃいます。一筋縄ではいかないっていう雰囲気が似ている。気がする。懐かしい。 娘と息子の学校での過激な活躍、良いですね。旦那にクギを刺しながら、スーパーを爆破しちゃう母親もかなり良い。前半~中盤にかけては文句なしの面白さ。 中盤くらいからかな、各エピソードや演出がちょっと間延びしたように感じ始めたのは。 ベルの恋愛、これがまずテンポを悪くしていてマイナス。父親の執筆活動、これもテンポを悪くしている一因だし、結局何の意味があったかよくわからないです。結果、2時間近い尺に。これが冗長に感じられてしまったことはマイナスでしょう。 で、決定的にまずかったのがラストの粛清バトル。これが盛り上がりに欠けてしまったこと。ここが最大の見せ場であるはずなのに、淡々と終わってしまった。 『ただ者ではないマフィア一家』と『マフィアの殺し屋たち』の全面対決。こちらは否が応にも期待値を上げられているわけです。その期待に対するシナリオがこれじゃあ物足りませんぜ。 第一、一般人にはめちゃくちゃやってた父と母。この2人が最終決戦でたいした活躍をしないってのが気に入らない。そこが本当に不満。 でも面白いシチュエーションの映画で、それなりに楽しませてはもらいました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-10 23:00:06)《改行有》 600. 14才のハラワタ 《ネタバレ》 この作品は、『あるある的面白さ』と『さりげない優しさで包まれる心地よさ』を体感できる作品だと思います。 原田ワタルを演じた女の子、自然体で大変良かったです。この女の子や監督さんのように、まだまだ世に出ていない才能っていっぱいあるんだろうなと感じます。 ラブストーリーでもなければ、サスペンスでもない。14才の日常を描いただけの作品。でもそんな日常の中に、大なり小なり事件は起こっている。『成績1位と2位のクラスメートの関係』『小学生の心ない意地悪』『塾長とアルバイト学生のいざこざ』『両親の別居』。過剰な演出はほとんどなく、どれも実際にありそうな範囲で描かれます。 だから、逆になぜこの作品を面白いと感じるのか、実際のところ全然わからないのです。でも、見ていて飽きない。なんかずっと見てしまう。なんか、漠然とした心地よさみたいなもんを感じるのです。 心地よさを感じる理由の一つに、情景描写の上手さはあるかもしれないです。情景描写と人物の感情がきれいにリンクしていて、手にとるように人の気持ちがわかってしまう。 もうひとつ、面白かったのが学習塾。学校を取り上げる作品は数あれど、学習塾の様子をこんな細かく映す映画はあんまりない。しかも個別指導塾。『先生が次々変わる』『座席がかぶっている』『保護者が来たらお菓子を隠す』などなど、ディテールが超リアル。監督さんはもしかして個別指導塾で働いたことがあるんじゃ? ただその結果『私成績下から10番目くらいだった』『原田さんって塾通っているのになんで?』『なんでだろ~ね~』ってとこまでリアルに表現しちゃうと、個別指導塾にとってはなかなか痛い逆プロモーションビデオになっちゃってますね。[DVD(邦画)] 7点(2020-05-10 01:47:50)(良:2票) 《改行有》
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