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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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641.  ゲットバック 人質奪還 いかにも三流映画っぽいアクション映画ですが、いや、これが面白いんですホント。四流鑑賞者の私が言うんだから間違いありません。 幼い娘と二人で暮らす主人公、彼らの家にある日、謎の闖入者たちが! って、これが別にナゾでも何でもなくって、早速トホホな展開になりかかるのだけれど、むしろそこから新たなナゾが主人公を襲うんですな。主人公には娘がいるけど、そういや彼の妻はどうしたんだろう、という点もそのナゾに絡んで、徐々に真相が明らかになってくる。アクション主体で観る者を楽しませつつ、あわてず騒がず徐々に真相を明らかにしていくのが、心憎いではありませんか。 アクションの方も、さすが、(知名度は低くとも)動ける俳優は、一味違います。まともにアクションのできない有名俳優を主演にしてカット割りまくり何やってるのかイマイチわからんアクション映画ってのも時々ありますけれど、本作は動けるオトコがしっかり動きまくってみせ、ショットをぶつ切りにすることなく、一連の肉弾戦を「動き」としてしっかり見せてくれます。 何がどう「人質」で、何がどう「奪還」なんだ、という疑問はさておき、「父と娘」というテーマを軸に、格闘また格闘、最後まで物語はスリリングに展開してゆく。 うん、気に入ったよ![CS・衛星(吹替)] 8点(2019-11-14 20:44:54)《改行有》

642.  鉄道員(1956) 《ネタバレ》 頑固で酒飲みの機関車運転士とその家族の物語。例によって例のごとく、長男や長女とは折り合いが悪く、いかにもといったホームドラマですが、それでもぐいぐい引き込まれるのはやはり、登場人物たちの表情が実にうまく捉えられているからでしょう。物語は幼い次男の視点を中心に描かれますが、彼の屈託のない表情はもちろんのこと、それぞれがそれぞれの表情で、絶妙に物語を彩っています。 ホームドラマながら、一応は「鉄道」ネタなので、鉄チャンが喜びそうな走行シーンもちゃんとあって、そこに不意に発生する人身事故が、なかなかに衝撃的です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-11-10 10:24:32)《改行有》

643.  野火(2014) 中学に入る前後くらいの頃に、世の中に文庫本なる廉価なものがあるのを知って途轍もなく世界が広がったような気がしたものですが、当時読んだ2つの戦争文学が妙に心に引っかかってて、というか、それらの小説の主人公・「田村一等兵」と「木谷一等兵」の存在が、妙に心に引っかかったのでした。おそらくそれは、彼らの存在が、人間が生きていく上で受けねばならぬ束縛、不自由さみたいな、普遍的なものを反映しているように感じられたから、かも知れません。後者は勿論「真空地帯」の「木谷」であって、彼は軍隊組織の中で抜き差しならない立場に置かれている訳ですが、一方、本作の主人公である前者の「田村」は、戦場で極度の飢餓状態に追い込まれており、いわば人間が肉体を持つが故に束縛された不自由な状態となっています。 そういえばこの「野火」という小説の中では人肉食がテーマの一つとなってますが、手榴弾で負傷した木谷が自分の肉片を口にし、その行為は明らかに自分の自由だ、なんて言う場面があって(映画ではかなりアッサリと描かれてます)、このエピソードが何だか作者の主張を無理矢理に挿入したみたいな違和感を昔から感じていたのでした。が、確かにこれもまた「自由」の問題であって。小説の木谷は、肉体の束縛だけでなく、神の視線という束縛、いやむしろ、「神の視線を意識している自分自身」にこそ、束縛されているのかのような。 というような観念的な部分は、映画の中で語ろうとすれば、独白に頼らざるを得なくなっちゃうので、本作では直接には描かれません。途中、他の兵士から「お前は自由だ」なんて言われる場面こそあるものの、この作品における木谷には自由など持ち合わせておらず、未知の島を彷徨う自由、死を身近に感じる自由なんてものもない。 死は恐怖。肉体という厄介なものを抱えた人間は、それ故に飢餓に苦しみ、またそれが故に敵の攻撃で肉体を損壊させ、のたうち回る。 そういう恐怖が、この映画では徹底して描かれています。映画前半で目を引いた花の「赤さ」が、終盤、友軍兵士の血に染まった舌の「赤さ」として再現し、我々の目に突き刺さってくる。この何という恐ろしさ。 そういう視覚的な怖さの一方で、劇中のセリフは抑制され、主人公の内面は封印されていますが、奇怪なラストで彼の内面が一気に噴出して、ドキリとさせられます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-10-26 12:14:29)《改行有》

644.  遥かなる大地へ 一見、文芸大作風の佇まいではありますが、それにしては、しがない小作農の倅である主人公が、妙にムキムキ過ぎて、なんでこんなにムキムキなのかというとそれは主人公を演じているのがトム・クルーズだからであって、結局、中盤は賭けボクシングのシーンが長々と続くことになり、文芸大作らしからぬ格闘アクション映画へと変貌する、という寸法。うん、こうでなくては! 伏線というか、同じモチーフが映画に何度か登場してて、それは例えば、人の死?に伴いカメラが上昇するシーンとか、手際よく洗濯するシーンとか、そういうヤツですけれども、そのセンで行くと、「トム・クルーズの股間をニコール・キッドマンが覗き込むシーン」ってのも、映画のどこかにきっと繋がっているハズ、なワケです。きっと、あの股間に置かれた鉢の下には、「荒野に突き立つ旗」か何かが、あったのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-23 20:25:21)(笑:1票) 《改行有》

645.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 警察署というところは、警察官やら、事件の被害者やら、捕まった容疑者やら、その他無関係のよくわからない人やら、とにかく得体の知れない人々がうごめく場所だと相場が決まっていて、このシリーズでも背景にやたらとそういう大量の「よくわからない人々」が映っていて画面を賑やかしておりますけれども、この第3作。なにせ、「警察署の引越し」が描かれる訳ですから、さらに輪をかけて、画面が賑やか、慌ただしい。こういうところからして「テレビではできないこと、映画でしかできないこと」を感じさせてくれます。 と言っても、我々も「引越しシーン」をこの映画に期待して観てる訳ではもちろん無いのですが、物語の方もちゃんと大事件に発展していって、クライマックスでは、新庁舎のセキュリティが暴走し、建物が要塞と化してしまう。いったいどこでどうやって、こんな撮影したんだろう、そんなこと思うだけでもううれしくなってきちゃいます。 登場人物も賑やかで、これまでのシリーズから、そこまでやるかと言いたくなるくらい、出演者が大量動員されていて、おかげで過去の作品を観てない人には意味不明の部分が多々出てきてしまう、という弊害もあるのですが、ま、これは一種のお祭りですから。 という訳で、私は結構楽しんだんですけど、なんだかあまり、評判よくないみたいですねえ・・・?[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-10-09 22:26:17)《改行有》

646.  情婦 《ネタバレ》 主人公の弁護士が裁判のあと、この事件が「too neatで、too tidyで、まったくもってtoo symetricalだ」とかボヤいてて、ちょっと意味がわかりませんが(笑)、私のこの映画に対する感想がまさにコレ。だもんで、なんとなくニガテな映画だったんですけれどね。オチもこれ、予想通りというか、いかにも教科書的なオチなもんで、neat and tidyだなあ、と。 ただ、今回久しぶりに観てみると、くそ~これやっぱり面白いなあ、と思っちゃう。冒頭の10分ほど、主人公の弁護士のどうでもいいやりとりが続く中で彼の偏屈ぶりが描写されるのですが、そのやりとりに、物語と何の関係もない「階段の昇降機」を絡めてきて、妙に動きのある場面に変えてしまう。 オチがさほど意外じゃない、と言っても、それは一つには、判決の瞬間のマレーネ・ディートリヒの表情に微妙な含みがあってちゃんとヒントになってるからで、この彼女の表情のもつ二面性、二重性が、映画全体を象徴しており効果を上げています。 舞台となっている法廷内の比較的大きな空間の描写。これも物語に動きを与えていて、映画を魅力的にしています。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-07 21:52:36)《改行有》

647.  小人の饗宴 登場するのはいわゆるミゼットな人ばかり、という奇妙な映画。彼らが入っている施設に対して反旗を翻し、クルマやバイクを持ち出したり投石したり、やりたい放題の乱暴狼藉を繰り返す。 設定からは何らかの寓話かと思わせるものの、「普通ではない」状況・映像のインパクトが勝っていて、単なる“喩え話”の枠に収まらない、エゲツないまでのパワーを感じさせます。設定のエキセントリックさに負けじと、内容もストーリー的なまとまりなんぞそっちのけ、ひたすら乱痴気騒ぎが描かれて、ほんとにエゲツない。 でもやっぱり個々のシーンは寓話的。仲間の死体をつつくニワトリのグロテスクさ。暴動で持ち出されたクルマが円を描きながら庭をグルグル回り続ける様は、無軌道なようでいて、どこにも行きつくことのないアテの無い様を描いているかのような。 ラストはどういうわけかラクダが登場し、それを見ながら登場人物の一人が甲高い独特の声で際限なく笑い続ける。もしかして監督の指示でエンドレスで笑い続けさせられているのでしょうか。ホントに延々と笑い続けるのですが、人間の体はそんなに長く笑い続けるようにはできていない訳で、やがで咳込んでムセ始めてしまうのですが、それでも(監督のカットの声がかからないから?)笑い続け、ムセ続ける。笑いなんか、自由なんか、永久に続くことなんて絶対無いんだよね・・・と見てて妙にシンミリしてしまう。その光景はあくまでアブノーマルなんですけれども。[DVD(字幕)] 8点(2019-09-28 00:50:43)《改行有》

648.  レッドタートル ある島の物語 「セリフ無し」ってのが、挑戦的なようでもあり、映画の宣伝用のギミックのようでもあり、では実際のところどうなのかというと、やっぱりこれは、セリフ無しでならではの世界、ですね。セリフが無いことによる距離感が、このファンタジー世界をむしろ支えていて、また何事も断定することなく「解釈のブレ」も許容している。セリフが無いからこそ受け止めやすく、これ、もしもセリフ入りだと逆にちょっとキツかったりして。 登場人物の顔は極端に簡略化されて(目はただの点で、白目もない)表情が奪われており、その分、全身の動きが精密なアニメーションによって描きこまれています。 物語は、ツルの恩返しならぬカメの恩返し、みたいなところがありますが、別に「恩返し」という訳でもないし、上述のように映画の中では何も断定していない分、色々な受け止め方ができると思います。私は、手塚治虫の「火の鳥」の世界観に似たものを、ここに感じました。 あのカニたちは、男が島に流れ着くずっとまえからそこにいて、この先も未来永劫、ここに住み続けるんですよね、きっと。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2019-09-15 10:09:37)(良:2票) 《改行有》

649.  日本暴力団 組長 もはやタイトルを見ても、ヤクザ映画であること以外は何もわかりませんけれども。関東進出を狙う関西の巨大組織と、関東連合会とが対立する中、横浜を舞台に、しがない弱小組織たちが代理戦争を繰り広げるオハナシ。 刑期を終え出所した主人公・鶴田浩二、彼が所属する浜中組は、件の関西大手組織・淡野組と手を組んでいたが、代理戦争が激化する中で組長が襲われ、組長は淡野組と手を切るように主人公に遺言を残す。この辺りのゴタゴタの中、準主役かと思われた菅原文太が早々に死んじゃうんですが、その代わり、淡野組が次のパートナーに選んだ狂犬のごときゴロツキ軍団、あるいは関東連合会が送り込んだヒットマンが、物語に絡んできて、なかなか巧みなストーリー構成となっています。代理戦争を演じざるを得ない、吹けば飛ぶような存在の彼ら。特にヒットマンとその妻のエピソードが、印象的です。もちろんゴロツキの首領・若山富三郎も存在感を見せつけてくれますけれども。 まだ60年代の作品で、鶴田浩二の品の良さ、ってのは確かにあるんですが、そういう任侠テイストの一方で、後の実録路線を彷彿とさせるドキュメンタリタッチの部分もあって。だから、一種の「滅びの美学」ではあるのですが、キレイな「滅び」じゃなくって、もはや「破滅」の美学ですね。そういう、痛みを伴って心にしみてくるような泥臭さが、ここにはすでに兆しています。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-09-01 21:04:45)《改行有》

650.  交渉人 真下正義 「踊る大捜査線」の本シリーズ2作に続く、スピンオフですが、前作2作では舞台としてお台場が想定されていたのに対し、こちらは東京都心部そのものが舞台。犯人に操られた試験車両が、地下鉄の路線を暴走する(この試験車両の風貌を見てると、なんでラピートがこんなところを走ってるの?とか思っちゃうのですが)。その謎の犯人に立ち向かうは、交渉人サンタマリア。 という訳で、パニック映画の要素を取り込んでいて、よくこんな撮影をやったもんだ、と感心させられます。地下鉄の構内・線路のさまざまな光景が登場し、エキストラもタップリ動員して、圧巻です。 主人公のサンタマリアは犯人との交渉役なもんで、基本的にはコントロール室で犯人とボソボソしゃべるだけですが、代わりに寺島進が街に出て暴走し、笑いとスリルを提供してくれます。 ヒッチコックを模倣したような後半の展開の先には、楽しくもバカバカしい顛末があり、しかしここでようやく主人公も、事件が起きている「現場」へと向かうことになる。少し苦味のある、大団円。 前2作よりも、楽しめました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-08-15 18:38:09)《改行有》

651.  ブレイクアウト(1975) 冴えないオッサンの見本みたいなロバート・デュバルが刑務所に入れられたもんで、その脱獄を我らがブロンソンが請け負う、というオハナシ。特に難攻不落の刑務所という訳でもなく、田舎のノンビリとした雰囲気です。一応、デュバルが刑務所に放り込まれた経緯にはウラがあって、それなりに危険なミッションなのですが、あくまでノンビリ。 で、最初に立てた作戦はというと、ランディ・クエイドが女装して刑務所に入り込み、ロバート・デュバルと接触しよう、なんていう、ほぼあり得ない作戦。そりゃ無理でしょ。とは言えこの頃のランディはまだちょっと、デニス・クエイドの面影(?)もありますが、それでも無理です無理。やる気あるのかよ。 で、あえなく失敗した後、ようやく本気の作戦になるのですが、これもまあ、ノンビリしてます。ノンビリはしてるけれど、ヘリを使った大胆な作戦。ブロンソンの操縦がヘタクソなもんで、大胆さもひとしお。それにしても、自動車、ヘリ、飛行機が並んで走るシーンが妙にカッチョいい。 この映画を見てよくわかるのは、田舎の刑務所をノンビリ脱獄するには、缶ビールが必須! ってことですな。一緒に呑みたくなること請け合い。[DVD(字幕)] 8点(2019-08-15 17:14:50)《改行有》

652.  片腕マシンガール 「プラネット・テラー」は片足マシンガールだったけど、こちらは失った片腕にマシンガン取り付けて。 で、どうなるかといえば、マシンガンをチェーンソーに付け替えたら、アッという間に「キャプテンスーパーマーケット」に早変わり。 女子高生が制服のまま戦うカッコよさ、ってのは「キル・ビル」を思い出すけれど、栗山千明がふりまわしてた鉄球よりもさらに凶悪な武器を、本作では主人公ではなく敵役のヤクザの親分が振り回してます。これ、いわゆるアレですよ、「空とぶギロチン」です。 で、親分の奥さんは奥さんで、さらにさらに凶悪な殺人兵器・ドリルブラを披露してくれるのですが、見ててふと、「鉄男」のドリル〇〇〇を思い出してしまいました。 結局、本作には一番近いのは一体何なのか、ってことになりますが、ずいぶん昔、ワハハ本舗か何かのネタで「手首切って噴き出る血で水芸」ってのがありませんでしたっけか。そういうイメージです。まあ、噴き出ること噴き出ること。豪快に血をぶちまけてます。 ここまでくると、もはや「痛そう」ってのは、無いんですね。花火みたいなもんです。もちろん血が噴き出た本人は悲鳴を上げるけれど、花火には「音」も必要ですから。「音」があるから、花火は一層の迫力が出るんです。 という訳で、過去のいろんなモノをちょっとずつパクって、残酷描写で味付けしてみました、というような作品ではあるのですが、でも、決してそれだけにとどまらないのです。いちいちアクションがズバリとキマって、いちいち見得を切って、とにかく、カッコいい。異常なほどに、カッコいい。いや、異常なのは残酷描写の方ですが。でも、せっかくなら、眉をひそめずに映画を楽しむよりは、眉をひそめて楽しんだ方が、より楽しいでしょう、と。 いや、本当にそうだと思います。こんな映画でまさかと思うほど楽しんで、まさかと思うほど映画が短く感じらえ、まさかと思うほど、充実したのでした。やっぱり一番近いのは、昭和のダサカッコよさ、じゃないでしょうか、これは。[DVD(邦画)] 8点(2019-08-04 17:43:33)(良:1票) 《改行有》

653.  緋牡丹博徒 鉄火場列伝 これまた、人物配置が実にお見事で、印象的な登場人物たちを巧みに絡み合わせて、そりゃもう面白くならない訳がない、というもの。 緋牡丹お竜を取り巻くは、カタギになって藍の小作人たちの権利を守る労働組合委員長(?)になった待田京介。少女を連れた渡世人・鶴田浩二。敵役もそれぞれにワルさの度合いが異なりそれぞれに魅力的だけど、何と言ってもアヤシイのが、ピストル片手に上から下まで真っ白のスーツ姿の丹波哲郎。もうちょっと足が長くてスマートだったらもっとサマになってたんですけどね。こういった個性的で魅力的な登場人物たちが惜しげもなく投入され、物語の中に的確にハメこまれて、これじゃもう、熊虎親分の出番は無いでしょ、と言いたくなるくらいなのですが、そうはいくかと熊虎親分もとってつけたような大活躍を見せてくれます。 ここまでくると、もし登場人物を誰かひとり削らないといけないとしたら、緋牡丹お竜を削るしかないんじゃないか、と。 いや、もちろん彼女にも見せ場は準備されていて、カタギの立場を貫こうとする待田京介との関係とか、賭場シーンで見得を切って見せるところとか、いろいろあるんですけどね。しかしクライマックスの立ち回りにおける彼女の活躍もやや抑え気味。祭りの終わった阿波の地から、静かに姿を消していく。そんな印象です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-07-23 20:41:02)《改行有》

654.  顔のない天使 《ネタバレ》 この映画、何と言っても、海辺の小さな町のロケーションが、いいですよね。途中、主人公の少年が「ご褒美」として水上艇での遊覧飛行に乗せてもらえる場面、メル・ギブソン演じる元教師は他者と距離を置いて半・隠遁生活をしているハズなのに、このパイロットとはどういう関係なんだ?そもそもコイツ誰なんだ、こんなシーン必要なのか?ってなトコロですが、それでもこの飛行シーンを入れざるを得ない、この空撮を我々に見せざるを得ない、そんな美しさが、あります。これ以外にも魅力的な光景が多く登場し、決して「奇観」というようなものではないけれど、我々の目を楽しませてくれます。 あと、この物語の中でメル・ギブソンがシャイロック役を長々と演じてみせる必要があったのか、と言えば、これはもう単に「やりたかったから、やってみました」というだけなんじゃないでしょうか。せっかくの初監督作品ですから。90年の『ハムレット』で主演して、意外に真っ当にシェイクスピア劇を演じてましたけど、何となく青白いイメージがあるハムレット役に彼がマッチしているかと言えばそうとも言えない訳で、この物語の流れの中で浮こうが何だろうが、アクの強さでもってシェイクスピア劇を押し切っています。 さてオハナシはと言うと、かつて負った右半身の大火傷の痛々しい跡を残し、町民との交流を経って生活する元教師と、ステップファミリーで家族になじめない少年との交流の物語、なんですけれども、ハテどうしてこんなに見事に右側だけ火傷してて、左側は無事なんだろう、「他者に受け入れられない存在」というなら、いささか中途半端な設定にも思えるところですが、物語を追っていくと、なるほどこれは、「二面性」を象徴するもの、いや正確に言うと、「彼には二面性があるのではないかという疑惑」につながるもの、なんですね。しかし、物語がそういう要素を孕んでいるもんで、作品において、少年側から描く部分と元教師側から描く部分とをどういう按配とするかは、難しいものがあります。正直、さらに視点を少年側に寄せて、元教師を謎めいた存在にしてもよかったか、とは思いますが(例えば模擬試験後に二人が別れるシーン、家の中からではなく外から撮影するべきところでは・・・とか言うのは、発想がベタですかねえ?)。 少年は無事に受験を突破するも、元教師はひっそりと姿を消す。ってコレ、「泣いた赤鬼」じゃないですか(笑)。ただし本作の場合は、後日談を引っ付けて、一見、蛇足っぽいけど、それでも我々をホッとさせてくれます。少年の実の父親がもはやこの世にいない、だからこそ、父親代わりの元教師が、ここにいて欲しいんですね。 それにしてもこのメル・ギブソンが演じている元教師、本来の担当教科は一体、何だったんでしょうか。まさにデキスギ君ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-14 11:56:17)《改行有》

655.  アサインメント これがまた予想外の面白さ。 どういうオハナシかを書こうとすると、それだけで前半のネタバレになっちゃうので書きづらい。ってのがすでにうれしいではないですか。最初、見てて「アレ?」と思わせ、ああそういうことかと気づいた時にはもう、やめられない。 一応、実際のテロリストを描いた作品、ってコトらしいけど、たぶん9割9分まで創作なんでしょう、きっと。深刻そうなテーマと見せて、ここぞというところではしっかり、エンタメ作品らしいアクションを展開してくれる、サスペンスを展開してくれる、まあ、この図々しいことといったら。 正直、このオナハシを最後どう締めくくるかについては、あまりいいアイデアが見つからなかったのかもしれません、ちょっと駆け足かつグダグダな感じもありますが。でもそれを差し引いても、充分楽しめました。 それにしてもⅮ・サザーランド。ホントこのヒト、とことん悪そうな顔してて、かえって愛嬌がありますねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-08 21:14:56)《改行有》

656.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 フランスのレジスタンスを描いた作品ですが、地味系スパイ映画、といった感じ、そして何ともやり切れない虚しさ。 『史上最大の作戦』なんかを観てるとレジスタンス大活躍、なんですが、本作はまだそこに至らないホントの地下活動。リノ・ヴァンチュラが収容所で脱走とレジスタンスへの参加を持ちかけられるところから始まるけれど、劇中で最初に描かれるレジスタンス活動が、密告者である仲間の粛清である、ってのがまずやり切れない。これが現実。 そんな中で、シモーヌ・シニョレ演じる女性活動家の存在が、レジスタンス仲間にとって、また観てる我々にとっても、希望となるのですが、彼女にもどうにもならないことだってある。 彼女が最期にみせる曖昧な表情が、安易な納得感を拒絶し、誰もが等しく消耗品とならざるを得ない現実の厳しさと矛盾を、我々に突きつけます。 曇天の下、ひたすら閉塞感がたちこめて、そのまま終わってしまう。レジスタンス活動が最後にどう報われたか、なんて、テロップですらも示さないんです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-07 08:50:53)《改行有》

657.  イコライザー 《ネタバレ》 ガッツ石松は10人近いコワモテに取り囲まれるも全員を叩きのめし、警察で調書にサインしろと言われて「ガッツ石松」と書いた、という伝説がありますが、そのガッツと同じくらい強いこの主人公を、デンゼル・ワシントンが演じてます。さあ、それだけの動きができるか、といったところですが、本作ではむしろ彼の、堂々とした姿、動じない態度が、この主人公の強さを印象づけてます。 普段はホームセンターの従業員で、いわば彼の昼の顔。しかし彼にはガッツ並みに強いという別の顔、夜の顔がある。そのはざまの、黄昏時に佇む彼の姿が印象的。 彼が知り合った娼婦(クロエ・グレース・モレッツ)も、夜の世界の存在なんですけれども、ラストで彼女は昼の姿を、彼に、そして我々に見せる。ものすごーくホッとするシーンなんですね。そして主人公も、昼の世界へと消え去っていく。[CS・衛星(吹替)] 8点(2019-06-30 16:58:21)《改行有》

658.  エクスポーズ 暗闇の迷宮 同僚を殺害された刑事の捜査のオハナシと、幻想世界を目撃する女性のオナハシが、交互に描かれて、両者は互いに関連しあっているのですが、映画の中で描かれる範囲においてはなかなか交わらない。で、実は、両方のオハナシの間には、ある残酷で醜悪な現実が横たわっていた、ということが示されて物語はいったん、幕を閉じます。 2つの物語は、英語の世界、スペイン語の世界として断絶され、互いに相手を受け入れることを拒絶する。そしてそれぞれの物語の中ではいくつかのエピソードが織り込まれ、「醜悪な現実」の一端が顔を覗かせてもいるのですが、それにしても、このラストの、残酷なこと。 「映画を観終わってスッキリしないと気が済まない」という人には到底オススメできませんが、この観終わっての余韻、かなりのものがあります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-02 09:24:58)《改行有》

659.  仁義 《ネタバレ》 片や、刑務所長から何やら良からぬコトを吹き込まれて出所する男がいて、片や、何やら良からぬコトをして捕まり護送中に逃亡する男がいて。で、その二人が出会って意気投合、と言うにはあまりに静かな出会いなんですけれども、ここでアラン・ドロンがタバコとライターを投げてよこすシーンが、闇雲にカッコいい。まるで相手の手元に吸い込まれるように投げ渡されるもんだから、この後じゃ、そりゃ拳銃だって何だって簡単に投げ渡そうってなもの。 後半はこの二人にイブ・モンタンも加わって、何をするかと思えばコソ泥なんですけれど、ただでもセリフが抑えられたこの映画の中で、さらにセリフが無くなって、ただその宝石泥棒の一部始終が、静かに、緻密に描かれていきます。 突如、警報が鳴り響き、計画は一巻の終わり。逃げ行く彼らの背景には、風の音。シビれますね~。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-13 15:11:45)《改行有》

660.  山猫 観てて、「斜陽」という言葉が脳裏に浮かびます。時代の流れの中で徐々に滅びゆくものたちの、最後の輝き。。バート・ランカスターはガッシリしてるし、アラン・ドロンは若々しいし、クラウディア・カルディナーレはキャピキャピしてるんだけど、ここに描かれている「旧時代の貴族社会」そのものが年老いてて、もう、先は無いんだなあ、という想いが湧いてきます。 そもそも舞台がシチリア島で、屋内には確かに豪奢な貴族社会があるけれど、一歩外に出て見りゃ、ハッキリ言って、 ド田舎 なワケです。しかしそのド田舎にも、時代の移り変わりの不穏な動きが、徐々に伝わってくる。こんなところに兵士の死体が。 映画後半に展開される舞踏会。貴族らしい豪華さはあるけれど、何やら老朽感めいたものも散見されます。冒頭の昼のシーンでは窓が開けられカーテンが優雅に揺れていたけれど、夜の舞踏会では窓が閉められ、その中でバート・ランカスターやアラン・ドロンが汗だくになっている。その姿が、何やら病人めいたものすらも感じさせて、あーこりゃもう先は長くないなあ、と。 ラストで去り行くバート・ランカスターの姿が何とも寂しくって、本作と言い、『カサンドラ・クロス』と言い、こういうのが似合う人ですなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-07 09:15:48)《改行有》

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