みんなのシネマレビュー |
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641. アジョシ 《ネタバレ》 韓国版レオンのような映画。 こーゆーシチュエーションぐっときます。 ありきたりだけど、世捨て人のような主人公が実は昔特殊部隊のトップだったみたいな設定大好きです。子供心をくすぐられます。私にとってこーゆー映画はヒーロー映画と同じです。 とは言え、内容は麻薬密売に臓器売買、それに少年少女を巻き込んでいるわけですから、暗く陰惨。人間の負の部分をこれでもかってくらい描ききっています。 主人公が愛する妻と、そのお腹に宿したまだ見ぬわが子を殺されるという過去を背負っているのがまた辛い。 少女も結局は母親を殺され、おそらくテシクはしばらく刑務所から帰ってこられないだろうから天涯孤独。 決してハッピーエンドとは言い難い結末ですが、少女が無事だったのは不幸中の幸い。 韓国映画はストーリーやディテールが雑なイメージがあったのですが、とても丁寧に作られていて大変見応えのある映画でした。 特にアクションはスピード感に加え韓国映画特有の痛さも表現されていて、一見の価値アリです。[DVD(吹替)] 7点(2021-03-28 15:48:03)(良:1票) 《改行有》 642. 彼岸島 デラックス 《ネタバレ》 これはもう完全に原作ファンのための映画。 登場人物たちの紹介など一切なし。導入部なんて存在しない。コミックスでいうなら中盤くらいをピックアップした作品。 なにしろケンも篤もすでに感染して吸血鬼化しちゃっているわけですから。ここまで『一見さんお断り』を貫くともう逆に清々しいくらいで 登場人物の中でひどかったのは明と雅。明は原作のイメージとかけ離れすぎ。雅はクラスに一人はいる厨二病の男の子にしか見えない。 とりあえず明の赤いマフラーみたいなのやめてほしい。オープニングバトルは顔色の悪いショッカーと戦う仮面ライダーかと思いましたよ。 でも私はこの作品好き。なぜならオニがたくさん出てくるから。 私が原作で一番好きだった『姫』が出てきたときにはテンション上がりまくりです。 この映画のベストシークエンスはずばり『姫』と遭遇してから逃げ切るまでの一連のシーンでしょう。 他にもオニがたくさん出てくるので退屈しません。 こーゆーネタ映画はこれで良いんだと思います。[DVD(邦画)] 7点(2021-03-23 04:41:41)《改行有》 643. 怪盗グルーのミニオン大脱走 《ネタバレ》 いつもに増してドタバタ感が強いシリーズ第4弾。『ミニオンズ』をスピンオフ作品として除くと、正確には第3弾? グルーとドルー、生き別れになっていた兄弟の再会。アグネスのユニコーン探し。ルーシーとマーゴの絆。ミニオンたちの造反。だいぶつめこみましたね。そのせいか、ちょっと散漫になっちゃった感じです。おかげで今回の敵ブラットの存在感が薄い薄い。 複数のエピソードを同時進行させたせいで、スピード感の割りにそれぞれの物語があまり進まず、テンポがよろしくない。やはりもう少しエピソードの数を絞ったほうが良いんじゃないでしょうか。1つ1つのエピソードを丁寧に作る。その中で小ネタを散りばめ笑いをとる。そんなスタンスのほうがこのシリーズには合っていると思います。そもそもががちゃがちゃしているシリーズなんだから、これ以上散らかす必要はないでしょう。 あと個人的にはまっとうな仕事をするグルーは魅力半減。グルーはいつも悪巧みをしているのが似合います。ミニオンたちのブーイングは気持ちがよくわかります。悪党なのに、アグネスたちやミニオンたちに優しい。このギャップが素敵だし笑えるのです。 そして今作ではミニオンたちが早々に離反しちゃうので、グルーファミリーとミニオンズたちの協力プレイがほとんど見られません。これはもったいない。一番楽しみにしている見所なのに。これはちょっと不満でしたね。 まあ、不満ばかり並べ立ててしまいましたが、エンターテイメント性は抜群で、1つの映画としては文句なしに面白い。 あくまでシリーズのファンとして、もう少しミニオンズとグルーの掛け合いを見たかったというだけです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-21 09:20:23)《改行有》 644. スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム 《ネタバレ》 アベンジャーズの中でのスパイダーマンは良い味出していたのですが、今作では今一歩という感じが否めません。 ラストこそ大活躍でそれなりにカタルシスを味わえましたが、全体を通してみるとちょっと精彩を欠いているような気がします。 序盤はベックばかりが目だって、スパイダーマンは完全なる脇役。『親愛なる隣人』も良いけど、ちょっと隣人すぎるな。 中盤から後半にかけてはひたすらボコボコ。アクションも恋愛も、何をやってもうまくいかない。 エンドロール後のオチは、アン・ハッピーエンドな終わり方で不愉快。ピーターあんなに頑張ったのにそりゃないぜって感じ。 ただ、アクションは流石のスピード感だし、映像の迫力と臨場感は文句のつけようがありません。 中盤から後半にかけては多少イライラしてしまったものの、やはり終始楽しんで見てしまったので、エンターテイメント作品としては合格ラインなんだと思います。 ヒーローものとしてはいまひとつといったところ。 ヒロインもいまひとつといったところ。 MJとメイおばさんだけは、サム・ライミ版のイメージとかけ離れすぎていていまだに慣れません。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-15 03:42:03)《改行有》 645. メン・イン・ブラック:インターナショナル 《ネタバレ》 このシリーズはどうしてもトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのコンビが刷り込まれているので、2人がいないのがちょっと残念ですが、これはこれで個人的には超アリな作品です。 そもそもこのシリーズの『宇宙人たちが地球のあっちこっちにしれっと溶け込んでいる』っていう設定がかなりツボなんです。 個性あふれる宇宙人たち。バリエーション豊かな武器やアイテムの数々。そういった見たいものを見せてくれている時点でこの映画は成功と言っていいんじゃないでしょーか。 ストーリーはみんなで超破壊兵器を奪い合うだけ。わかりやすい。つっこみどころ満載だって良いじゃない。そんな大味なところもこの映画の魅力の1つなのかもしれない。 クリス・ヘムズワースはアベンジャーズシリーズで結構好きになった俳優さん。ですがエージェントHは、あまり良いところがなかったですね。『お調子者。だけど切れ者。』だったらそのギャップにある種のカタルシスを感じるのですが、最初から最後までお調子者で終わっちゃった印象です。 テッサ・トンプソンはお世辞にも美人とは言えませんが、なんか人を惹きつける魅力があります。好奇心旺盛な新人エージェントMは、はまり役だったと思います。 大ボスの存在感の薄さと出番の少なさ。圧倒的存在感だった2人組の中ボスの最期のあっけなさ。ハイTの意外な正体がいまいちサプライズとして効いていない。なんとも盛り上がりそうで盛り上がりきれない部分がありますが、その一方でスピード感溢れる追いかけっこアクションなど見所も多い。CGを駆使したエンターテイメントSFとしては、十分合格ラインを超える出来栄えだと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-14 16:17:46)(良:1票) 《改行有》 646. キス&キル 《ネタバレ》 この一昔前のよくあるB級アクション大好き。 『実はスパイだったんです。』『凄腕の殺し屋だったんです。』とゆー何万回も作られてきたであろう設定が、いつまでも変わらず好き。そして何よりアシュトン・カッチャーがかっこいい。イケメンなのに、どこかずれている部分があって、そこがまた良い。 隣人や同僚や友人が突然襲ってくるっていうシチュエーションはあんまりないかもしれない。 みんな父親に雇われた潜伏スパイ。女友達いわく『この日のためにあんたの自慢話を3年間も我慢して聞いてたのよ』ってことは、3年前からみんな父親の雇われヒットマンだったってことかい?同時期にそれだけの人が移住してきたらさすがに変な気はしますが、細かいことは抜き。このノリと雰囲気を楽しみましょうという作品。 私はこの監督の作品とはことごとく相性が良いみたいです。ちょっと古風で野暮ったい作風がどーにも好き。 難を言うならば、アシュトン・カッチャー演じるスペンサーが、登場シーン以外あんまりぱっとしなかったのがもったいなかったかもしれませんね。 凄腕のエージェントならではの見せ場みたいなもんが随所にあって、ジェーンが夫のそんな隠れた一面に少しずつ新たな魅力を見出していくっていう展開ならより一層のめりこめたかも。 ラストはジェーンが主導権を握って、父親とスペンサーをしかりつけるようなオチが凄く好きです。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-27 03:50:29)(良:1票) 《改行有》 647. ヒックとドラゴン 《ネタバレ》 何者でもなかった自分が、何かをきっかけに特別な存在へと進化していく。こーゆー話大好きです。 アニメとしての映像美はもう素晴らしいの一言。特にトゥース(ナイト・フューリー)に乗って大空を翔ける疾走感、浮遊感は最高の映像体験。 また、ストーリーはわかりやすく面白く、テンポは速く、キャラクターも個性的。人間だけでなくドラゴンにも個性をしっかり持たせたのが良かったのかもしれません。 敵対関係にある者同士が、少しずつ歩み寄り友情を育んでいくってのは、いつの時代でも良いもんです。映画、物語には不変の良さが確かに存在するようです。 その姿を見たものは誰もいない。出会ったら逃げるしかない。伝説のドラゴン、ナイト・フューリー。それを最初に仕留めたのは、まさかの村の最弱キャラ。最強と最弱が心を通わせ、唯一無二のパートナーになっていく。そして最弱キャラは敵も味方もすべてを救う伝説の人物へと成長していく。なんとワクワクするストーリーなんでしょう。そう、王道です。ストーリーはまさに王道なのです。ですがこの作品が大ヒットしたってことは、今も昔も王道に勝るものは無いってことでしょう。 『仲間達が手の平を返したようにあっという間にヒックを慕う』『ヒック以外の人間が簡単にドラゴンに乗れてしまう。』『父親の二転三転する態度の無理矢理感』細かい点を挙げれば気になる点は多々あるのですが、細かいところを気にさせない爽快なエンターテイメントストーリー。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2021-01-31 22:26:21)(良:1票) 《改行有》 648. かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発 《ネタバレ》 これは粗筋を全くチェックせずに鑑賞。ジャケットの印象から、一番ほのぼの系かと思っていたら、一番シビアなスタートにびっくり。そして有村架純の主演作をはじめて拝見したわけですが、とても演技が上手なのにびっくり。そして駿也役の子の演技も良くて、日本の子役もうまくなったもんだとしみじみ。 ただ、ストーリーは面白いのですが、なんとなく晶と駿也のキャラクターにはあまり惹かれるものがなかったですね。特に駿也かな。前半はしっかりもの。後半は急に情緒不安定。なんか一貫性のない人物設定です。研修に行こうとする晶に、『戻ってくるよね。』と急に心配になる駿也。そこには晶を心の底から頼りにしている、一人のか弱い子供の姿が。そんな駿也が『晶ちゃんがいなくなれば良かったのに』って。いくら気持ちが高ぶっていても、そんなこと言うかな? 前2作に比べると、感動させよう、泣かせようというあざとさが垣間見えてしまう。それを感じながらも、駿也の作文朗読では泣かせられます。とは言え、その作文で結局晶のことには一切触れないというのはいかがなものか。そして晶と仲直りした駿也が、『晶ちゃんは晶ちゃんのままでいいよ。』って上から目線で言っちゃうのもなんか違う気がします。 駿也の晶に対する対応だけは気になる点が多々ありますが、それ以外は及第点。 家族の再生ムービーだけなら白けてしまいますが、しっかりお仕事ドラマとして完成されているため、作品全体が引き締まったものになっています。その辺りは高評価。 このシリーズは最後が必ずハッピーエンドになので、私とは相性が良い作品でした。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-01-28 14:47:11)(良:1票) 《改行有》 649. RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 ぎすぎすした空気。何か悪いことが起りそうな気しかしない、そんな張り詰めた雰囲気で物語はスタート。つかみとしては出だしは完璧だと思います。 大企業の肇は大規模なリストラを命じられ、同期の工場を閉鎖する。家族の仲は冷え切っていて、そんな折母が倒れる。同期も交通事故で死ぬ。そんな息が詰まりそうな日常。そこから徐々に物語はその路線を変更していく。鉄道が舞台なだけに。前半にやたら鉄道の分岐シーンが映し出されるのはある種のメタファーか。 肇は50歳ながら何でもできるスーパーマン。仕事は完璧。勤勉で努力家。どんなアクシデントにも臨機応変に対応し、お客さんファーストをつらぬく。こーゆー人間になりたいと思わせる、魅力的な人物です。脇を固める人たちも良い人ばかり。 雰囲気は穏やかながらも、アクシデントが多く、ストーリーは起伏があって飽きさせないように腐心されています。特に子供が列車を運転してしまう事故から謝罪会見までの流れはなかなか見事。『ハラハラ⇒感動』の流れがきれいにまとまっています。 新しさとは無縁の映画。 それに現状に満足している人の琴線には決して触れないであろう作品。 でも私はこーゆー王道でしっかり楽しませてくれる作品が好きです。[DVD(邦画)] 7点(2020-12-28 03:35:38)《改行有》 650. 塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 人さらいが母親のふりをして子供を育てる物語。はっきり言って凶悪犯罪ですが、そこはディズニー。うまいことライトでポップな感動エンタメムービーに仕上げています。 高評価のため期待値を上げての鑑賞。そのためか、面白かったのはその通りなのですが、『期待を超える』作品とまではいかず。 そもそもミュージカルが苦手な自分。特に序盤は歌ばかり歌ってあまり物語りが進まないので少々だるい。 フリンとラプンツェルが出会ってからは歌が減り、コメディテイストが強くなる。二人の掛け合いは面白く飽きません。 『恋愛は付き合うまでが面白い』と誰かが言っていましたが、この作品もまさに二人の心が寄り添うまでが面白いです。最初反発し合うのはもはやお約束ですね。 2人が城を目指し塔を出てからはコメディ要素に加え、アドベンチャー、そしてアクションの要素も加わり、面白さが加速。この辺から歌もあまり気にならなくなります。歌が物語に自然と溶け込んでいる感じがします。 スタビントン兄弟や城の兵士たちとのおっかけっこはスピード感があって、アトラクションのよう。アニメーションは文句なしのクオリティ。空飛ぶ灯篭が有名ですが、私はラプンツェルの髪が光る映像の美しさに圧倒されました。あの髪の質感と光の表現力はもう髪だけに神の領域かと・・・。 終盤、ラプンツェルが突然過去の記憶を思い出すのはあまりにも都合良すぎ。そこは大事なところなので、もう少し説得力のあるエピソードを用意して欲しいところです。 瀕死のフリン・ライダーがラプンツェルの髪を切るシーンは感動の名シーン。これは子供向けだと馬鹿にできないと思いました。 まさかこのままフリンが死んでしまったら、21世紀になってディズニーも随分と変わったもんだ思ったのですが、そこはディズニー。ファンタジーパワーで当然復活。悪だけが滅び、お約束のハッピーエンドが待っているのでした。 ただ、ヒロインはラプンツェルですが、ヒーローはマキシマスかも・・・[ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-12-23 14:32:35)(良:1票) 《改行有》 651. トラッシュ! この街が輝く日まで 《ネタバレ》 思っていたよりサスペンスアクション。大物政治家の献金リスト。裏金。その隠し場所が示されたヒントと財布。ゴミ捨て場で暮らす少年達と国家権力の攻防。 正直よくあるプロットではありますが、その舞台はあまりなじみのない世界の話で、大変興味深く鑑賞。 ブラジルの警察の腐敗ぶりというか横暴は結構凄くて、見るに耐えないとはまさにこのことです。 少年達が力を合わせて頑張るアドベンチャーはわくわくするものです。私もこの手のジャンルは結構好き。ただラファエルが警察に痛めつけられるシーンはちょっと目を背けたくなります。 少年達の置かれている環境があまりに苛酷過ぎて、最初のうちはあまり映画を楽しむ心の余裕がありません。 その分ラストはわかりやすいハッピーエンドで、後味爽やかなのが良かったです。 まともな教育を受けていなさそうなのに、少年達がちょっと知恵がまわりすぎる気がしましたが、そうでないと警察とはわたりあえないので仕方ありませんね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-12-18 09:41:43)(良:1票) 《改行有》 652. ゾンビーバー 《ネタバレ》 もっとダメダメな映画かと思っていたのですが、意外にイケる作品。 テンポ良し、リアクション良し。おバカ映画のノリと、ホラーとコメディのバランスが程良い感じです。 確かにゾンビーバーのクオリティはひどい。ですがこれはもしかすると確信犯的なものかもしれません。こんな低クオリティの人形劇のようなビーバーを、ちょっとでも怖いと思ってしまったのは私だけでしょうか。『音』の使い方が効果的で、恐怖演出、バカにしたものじゃないと思います。 更にはビーバーに噛まれた人もゾンビーバーになってしまう王道展開。こんなありきたりムービー大好きです。 てっきり主人公かと思っていたジェンは、あっさりゾンビーバーに。 一番偏差値低そうな、明らかに殺され要員兼お色気要員の女の子がまさかのファイナルガール。セオリーの外し方が何気にうまいです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-12-08 11:59:51)(良:1票) 《改行有》 653. 僕と世界の方程式 《ネタバレ》 自閉症って言ってもいろんなタイプがあるんですね。 ルークみたいにどこに行っても疎まれるタイプもいれば、ネイサンのように人によっては受け入れられるタイプもいる。劇中ではルークに救いの手が差し伸べられなかったのが辛いのですが、これが世界の真実なのかもしれません。 映画としては『天才型』あるいは『サクセスストーリー』のようなものを期待していたのですが、実際は『自閉症』とその家族、友人をとりまく人間ドラマ。スカッと爽快感のある映画ではありませんでした。いや、自閉症スペクトラムのネイサンが、2人の女の子から好意を寄せられている時点で、ある意味リア充的サクセスストーリーなのか。 数学オンリー、自分オンリーだったネイサンが、他者との関わりを通し、少しずつ他人のことを考え始める。母親が本当に大変そうで、かつ不憫で、いたたまれない気持ちでいっぱいだったのですが、最後はネイサンと心を通わせることができて本当に良かったです。 ルークと違い、ネイサンは周りの人には恵まれていたと思います。 個人的にはネイサンが数学オリンピックで活躍する姿を見てみたかったです。 劇中そういったシーンはほとんどなく、唯一と言っていいのは合宿中のワンシーン。先生に指名されたネイサンがみんなの前で問題の解説を行う。ここは少し盛り上がるシーン。今まで他者から疎まれ、イジメに近い扱いを受けていたネイサンが、みんなから拍手をもらう瞬間。気分が高揚します。ですがこれ以降、類似シーンはまるでなく、ネイサンが数学よりもっと大切なものを遂に見つけるという流れで幕を閉じます。できれば、ネイサンが周りの人たちから頼りにされるような、そんな人物になる姿を見てみたかったものです。[DVD(字幕)] 7点(2020-12-01 10:30:06)《改行有》 654. メン・イン・ブラック3 《ネタバレ》 タイムパラドックスってなにー?整合性ってなにー?みたいな細かいことは全部抜き。このノリを楽しみましょうってスタンスは好き。ここまで適当な設定だったら逆に清々しいです。おかげさまでお気楽に楽しむことができました。 ノリ良し。テンポ良し。ギミック良し。キャラ良し。トーク良し。ヴィジュアル良し。どれをとってもエンターテイメントになっていて楽しい。 1作目は衝撃的な面白さで、それには敵いませんが、これはこれで全然イケてます。 最後の最後でまさかの感動エピソード。これは嬉しいサプライズ。まさかこのシリーズでほろりとさせられるとは思いませんでした。なんというか、ギャップにしてやられた感じです。KとOがJに真相を話せなかった理由。それはJを思いやってのことだったのですね。ですがKとOがくっつかなかった理由にはなっていない気がするのですが。なんか見落としてんのかな? アニマル・ボリスは良いキャラでしたが、ちょっと引き出しが少なかったですね。 登場シーンはインパクトあって良かったのですが、そこで全部の引き出し出しちゃって、他になんかほしかったかもです。個人的にはやや期待はずれキャラでした。 でもそんなとこも含めて、総合的に見ても良くできたエンターテイメントムービーだと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-11-29 18:46:20)《改行有》 655. シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 一風変わったPOV方式のモキュメンタリー作品。手ブレは全然平気だし、個人的に好きな手法なので予想していたより楽しめました。『クローバーフィールド』やら『REC』やらのコメディバージョンですね。 がっつりフィクションなのにノンフィクションみたいなノリが好きなのかもしれないです。 あまり期待はしていなかったのですが、随所に妙な作りこみやこだわりが感じられる良作。しっかり人も殺しまくっているわけですが、徹底して陰惨なイメージにならないように工夫されています。大動脈を噛んじゃって慌てるシーンなんかは、ホラーというよりもはやコメディ。 こーゆーテイストの作品にしてはCGもよく出来ています。コウモリバトルや狼男の変身のクオリティはなかなか。 その一方で、『ヴァンパイア』『バンシー』『ゾンビ』の合同パーティーでの仮装大会みたいな手作り感。この安っぽい感じも好き。 これといった本筋にあたるストーリーはないんですが、1つ1つのエピソードはしっかりストーリー性があって面白い。 ヴァンパイアだけかと思ったら、ゾンビやら狼男なんかも出てきて、しかも狼男の生き方の断片も見せてくれる盛り沢山な内容。以前人間だった友人同士が、最後ヴァンパイアと狼男になっちゃって、両種族の架け橋みたいになっちゃう良い話的展開にセンスを感じます。 やたら良いように使われていた使い魔のおばさんも、しっかりヴァンパイアにしてもらえて嬉しそう。 こーゆー作品で、みんなハッピーになって幕を閉じるってのはなかなかないかも。 掘り出し物と言って良い作品。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-11-25 10:31:49)(良:1票) 《改行有》 656. 怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 ミニオンズが見たくて鑑賞。 ミニオンズは予想通りかわいくて面白いキャラクター。いつも前向きで細かいことは気にしない感じが良い。失敗もするけれど、一生懸命に仕事している姿が健気でかわいい。 ただそれに負けず劣らず、アニメ本編も大変良い出来でした。 主人公のグルーは大物ぶっているけれど性格は小悪党。そして嫌な奴。自分の事しか考えておらず、人の迷惑を顧みない。 そんなグルーが身寄りの無い3人の女の子との交流を通して、少しずつ優しい人間へと変わっていく。子供向けアニメならではの道徳心あふれるストーリー。3人の女の子がまたかわいくて癒されます。 何千と作られてきたであろうプロットやストーリーでも、調理の仕方やキャラクターの魅力で、いくらでも面白いものはできるという見本のような作品。アニメ、そして映画の新しい可能性を見せてくれる作品です。 10年も前の作品ですが、映像、アニメーションは素晴らしいの一言。とりわけジェット・コースターの迫力がやばい。 ヴェクターの基地、個性溢れる武器、重力を無視する薬、指人形つきの絵本など、作中に出てくるアイテムはどれもユニークなものばかり。 最後はハッピーエンドですっきり、と言いたいところですが、結局経済的利益は全く無かったようで、ただでさえ借金があるのにこれからの生活は大丈夫なのだろうかと考えてしまう自分は嫌な大人です。 そもそも月を手に入れることで、どんな利益が得られるのかという邪心がジャマをして、物語に入り込むまで少々時間がかかったのであります。はあ、大人になるとつい余計な事ばかり考えてしまいますね。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-11-16 04:08:32)《改行有》 657. ウィッチマウンテン/地図から消された山 《ネタバレ》 こーゆー映画大好きです。 途中なぜかだれてしまったときがありましたが、全体的にテンポが良く、スピード感があります。 ストーリーも単純明快で◎。宇宙人の兄妹を二人の地球人が助ける話ですね。 兄妹二人は、両親が地球で行っていた植物再生の研究結果をGET。その後自分達の星に帰るだけ。ですが兄妹をつけねらう母星からの暗殺者。更にはアメリカの政府関係者も兄妹を狙っている。四面楚歌の中、暗殺者やアメリカ政府から逃げつつ、宇宙船を取り返し母星に帰れるのか。ってな感じの、平凡ストーリー。真新しいものは一切ありません。そこであえて言いたいのです。だから良い。動機やストーリーがはっきりしていると、余計なことごちゃごちゃ考えずに気楽に見られる良さがあります。 もちろん、つっこみどころは山ほどあります。ですが、こーゆー映画は、あえて矛盾をつっこまない。効率やら能率やらを考えない。ただ楽しむ。それこそ映像だったり、アクションだったり、コメディ劇だったり、楽しむ要素はいくらでもあるわけです。 ドウェイン・ジョンソンは『センター・オブ・ジ・アース2』でも似たような役柄でしたね。この人が子供とからむとやけに面白い。それに温かい気持ちにさせてくれます。 最後はディズニー映画らしく気持ちの良いハッピーエンド。休日に見るのにぴったりの作品でした。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-11-16 02:34:40)《改行有》 658. 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 《ネタバレ》 全く新しい目線と言っても過言ではないほど新しい、『傍聴人目線』の裁判コメディ。 そもそもオープニングのザリガニ裁判のセンスが素晴らしくて、掴みが完璧。私もがっちり心を掴まれてしまい、最後まで興味深く鑑賞させていただきました。 終始ゆるいノリとテンポ。ですが不思議と飽きない。 前半はいろんな裁判、いろんな裁判官を紹介してくれるのが面白い。こちらも設楽と一緒に裁判所ツアーをしている気分になります。 後半は一転。ドラマチックな展開に。 きっかけはマリリン(片瀬那奈)のきつい一言。裁判所に来るのをやめた南波さん(設楽)を連れ戻そうと、傍聴人仲間がひとつの裁判を紹介します。ここから徹底して第三者の立ち位置だった視点から、被告側、当事者側の視点へと物語の方向性が変化していきます。そう、被告を助けるために、傍聴人としてできる最大限のサポートをしていくわけです。ここで描かれる様々な裏工作が地味に面白い。 とまあ、この作品はゆるいなかにも起承転結がしっかり描かれていて見やすいのです。 つまり題材は非常にマニアックながらも、ドラマの作りとしては王道。誰が見ても楽しめる良質なコメディムービーとなっています。 残念だったのは極端にデフォルメ化された人物が多数登場したこと。その最たるものが日村のシーン。この辺りは面白いドラマにしようという勢作サイドの心意気が裏目に出てしまった気がします。[DVD(邦画)] 7点(2020-11-09 11:03:19)《改行有》 659. 2012(2009) 《ネタバレ》 その映像体験は一見の価値アリ。 私は当時映画館に行っていないので、今回ブルーレイでの鑑賞です。テレビは49インチ? アバターと比較されることが多いようですが、私は3D比較ができませんので、2D比較で。 序盤に関して言えば、『2012』は衝撃的でした。地球の崩壊が始まってからリムジンで、そして小型機で脱出する一連のシークエンスは、もうすごい臨場感と迫力で圧倒されっぱなしでした。揶揄ではなく、もはや尊敬の念を込めて、これは極上のアトラクションムービーです。 ただ私は『終末もの』というのがどうも苦手でして。そりゃあいつかは起きることでしょうけど、今ではないでしょうし。どうにも現実感が湧きません。もちろんバリバリのフィクションなのは百も承知なのですが、モンスターやらヒーローやらゾンビやらロボットやらが出ない映画には、どうしてもリアルを求めてしまう自分がいます。 また、どう頑張ってもハッピーエンドにはなりようがありません。ひたすら崩壊し続けていく世界を2時間以上も見続けるってのは、なかなか辛いものがあります。 終盤ゲートが閉じなくて、ジャクソンが身の危険を顧みず決死のダイブ。ミッションは無事成功。箱舟は危機を脱し、人々は喜びに湧きます。それは良いです。ですがその直後ジャクソンが生還するのを、みんなが固唾を呑んで見守るそのシチュエーションの意味がわからないのです。そして無事戻ってきたときの大歓声。なんで?この人たちの強引な密航がすべての原因でしょう?そのせいで何万人という人の命が危険に晒されたわけですよね?感動ポイントがまるでずれていて、終盤はまるで気持ちがついていきませんでした。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-11-08 23:41:27)(良:2票) 《改行有》 660. 13日の金曜日PART6/ジェイソンは生きていた! 《ネタバレ》 いや、ジェイソンはしっかり死んでいたんですけどね。余計なことして生き返らせちゃったんですよね。まじでいらんことすんなよってストーリーです。 こちらはPART4からの正統な流れを汲む続編っぽい感じですね。 事の発端はトミー君の自己満足。土葬ではなく火葬にしたいと我儘を言うトミー君のせいで大勢が犠牲になります。なのにトミー君は『忠告してやっている』『助けてやっている』と口には出さずとも終始そんな上から目線の立ち振る舞いで、なんだか共感しづらい主人公。警察は警察であまりにも話を聞かないのでそこもイライラ。こーゆーB級ホラーで登場人物がアホだったり自業自得だったりするのはもはやお約束ではありますが、今作は特にひどい。 怯える子供を励ます善良なキャンプ指導員のお姉さま方。今作ではしっかり指導員としての仕事もこなしています。そんな好感の持てる若き指導員のみなさま、及び娘思いの父親であり保安官、次々と悲惨な殺され方をしちゃって本当にかわいそうです。 その一方で、静かに眠っていたジェイソンを叩き起こした一級戦犯のトミー君はヒーロー扱い。 そんな理不尽なところも含めて、うん、面白かったです。 どーでもいいですが、久しぶりにサービスカットはほぼ皆無となっております。[DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 18:08:03)《改行有》
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