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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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661.  ゴーストバスターズ/アフターライフ 《ネタバレ》 あのゴーストバスターズが帰ってきた!1980年代に大ヒットを飛ばしたエンタメ・コメディの約30年ぶりとなる続編(と思ったら2、3年前にも続編が制作されてたみたいですけど、そちらは未見)。しかも監督は、初代監督のアイバン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン。親父の映画の続編を作るってどういう気持ちなんでしょうね。とは言え、軽いタッチのコメディ映画で一世を風靡した親父と違い、息子はデビュー以来一貫してヒューマン・ドラマでならした監督さん。確かに悪くはないんですけど、肝心の幽霊退治のシーンよりもなんだか人間ドラマの方が分厚くなり過ぎな印象を受けてしまいました。金銭的にも精神的にも追い詰められて田舎のボロ屋へと越してきたシングルマザー、それでも前向きに頑張ろうとする2人の子供たち、彼らと偶然出会う人付き合いの苦手な中学教師……。もうこれだけで別のお話になりそうな(笑)。しかもそこに現在落ちぶれてしまったバスターズたちの過去の仲違いや主人公の母親と祖父との確執なんかも絡んできて、けっこう深刻。この主人公たちの幾分か重いドラマと軽いノリのアクションシーンが巧く噛み合っておらず、全体的に纏まりに欠けているような感想を抱いてしまう。ゴーストバスターズはもっと軽~いノリで楽しみたかったです。全体的な完成度は高いとは思うんですけど、自分が求めていたものとはちょっと違う内容でございました。[DVD(字幕)] 6点(2023-04-10 09:39:52)

662.  バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 《ネタバレ》 ハリウッドで過去に何度も映画化された超有名ゲームを今回キャストを一新して新たに制作したエンタメ・ホラー。監督は、『海底47m』や『ストレンジャー/地獄からの訪問者』でスマッシュヒットを飛ばしたエンタメ映画界の俊英、ヨハネス・ロバーツ。当方、若いころに初代プレステで1と2を散々やりまくったドンピシャ世代。とにかく1を最初にプレイした時の衝撃は今でも憶えています。それまでスーパーファミコンの2D横スクロールやマップをカクカク移動するRPGしかやったことのない自分にとっては、「もはやこれって映画じゃん!すっげーー!ゲームはここまで進化したのか…」と夢中になってプレイしました。そんな自分にとっては、シリーズを大いにリスペクトした名シーンの数々にテンション上がりまくり!特に最初に出会うゾンビが血だらけの顔でこちらに振り返るシーンには拍手しそうになっちゃいましたわ。なっつかしーー!ただ、お話としてはごく普通。決して悪くはないんだけど、なんだろう、この最後まで付きまとう物足りない感。いまいち印象に残るキャラやエピソードもなく上記ゲームを再現したシーン以外に特に心に残る映像もなく、全体的にこじんまりと纏まっちゃった感が強いです。普通に面白かったんですけど、一週間後には全部忘れちゃいそうな内容でした。これに比べると、ミラ・ジョボビッチ主演、ポール・W・S・アンダーソンが監督した初代映画化作品の方が物語としてはだいぶ大味だったものの、印象に残り度で言えばあちらの方が上なんですよね~。ここらへん、映画って何が正解なのか分からなくなっちゃいますね。とはいえ、暇潰しで観る分にはそこそこ楽しめると思います![DVD(字幕)] 6点(2023-04-10 09:04:21)

663.  ハウス・オブ・グッチ 《ネタバレ》 世界的な高級ブランド、「GUCCI(グッチ)」。その創業者であるグッチ一族の内紛とその過程の中で起きた3代目社長マウリツィオ暗殺事件を赤裸々に描いたサスペンス・ドラマ。主役であるマウリツィオを演じたのは若手実力派俳優アダム・ドライバー、彼の妻役には最近俳優業にも進出し始めた世界的アーティスト、レディー・ガガ。他にもアル・パチーノやジェレミー・アイアンズ、ジャレット・レトといった超豪華な面々が脇を固めております。監督は名匠の名をほしいままにする、リドリー・スコット。長いキャリアに裏打ちされたであろう、この監督のもはや匠の技と言ってもいい演出の冴えはやはり抜群の安定感。ただ事実を時系列順に追っただけなのに、最後まで淡々と見せ切ったところは称賛に値すると思います。登場人物も多岐にわたり、分かりにくい株取引の世界もちゃんと素人にも理解できるように整理して描いているところも好感持てます。何より、アル・パチーノをはじめとする役者陣の華のある演技合戦!新旧実力派が織り成す、まるでシェイクスピアの舞台劇を観ているかのような重厚なやり取りは見応え充分でした。ただ、内容の方は……、いたって普通。リドリー・スコットって良くも悪くも職人気質なのよね。どの作品もある一定のクオリティは保証されてるんだけど、どれも魂を震わせるような深いものはありません。「グッチという世界的ブランドにこんなことがあったんだ、凄いなぁ」とは思うものの、もう一度観たい、映画として手元に残しておきたいと思うほどの名作ではない。それが自分の正直な感想です。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-22 08:53:54)

664.  アダムス・ファミリー(2019) 《ネタバレ》 アメリカで古くから親しまれてきたホラーコメディ漫画『アダムス・ファミリー』を豪華声優陣を揃えて映像化したフルCGアニメ。いまだ根強い人気を誇るだけあって独特の世界観と個性豊かなキャラクターはすこぶる魅力的。おどろどろしい雰囲気なのにどこかコミカルなのもこの作品ならではで、ティム・バートン好きな自分としてはけっこうツボでした。今回悪役として登場した、髪の毛盛り過ぎセレブおばさんも負けず劣らずキャラ立ちしているのも良かったです。ただ、さすがにお話が空気すぎる!余りにも中身がなさ過ぎて心に残るものが何もないまま、さらさらっと終わっちゃいました。このオーソドックスでベタベタな物語の中に、もう少しぴりりとした隠し味が欲しかったかな。この監督の前作が『ソーセージ・パーティー』という毒の塊のようなアニメだったので、その10分の1でも盛り込んで欲しかったところ。ここらへん、ティム・バートンはやはり偉大だなぁと再確認しちゃいました。結論。可もなく不可もなくなごく普通の家族向けアニメ。でも、声優陣も豪華だし、アニメとしてもちゃんとクオリティは高いし、暇つぶしで観るぶんには充分楽しめると思います!![DVD(字幕)] 6点(2023-03-22 08:04:28)

665.  アイス・ロード 《ネタバレ》 炭鉱事故により地下に閉じ込められた作業員を救うため、重い重機を載せたトラックで氷の張った湖上の道、通称〝アイスロード〟を疾走するドライバーたちを描いたサスペンス・アクション。今やすっかりアクション俳優として定着したリーアム・ニーソン主演ということで今回鑑賞。まあ普通に面白かったんですけど、何だろう、この今一つ物足りない感。いつ割れてもおかしくない脆い氷上をいかにも重そうなトラックでいくシーンとかけっこう緊迫感もあって、誰が裏切り者か分からない脚本もそこそこよく出来ていたとは思うんですけどね。クライマックス、もう少し盛り上げてほしかったような気がしなくもない。あまりにも優等生的に纏められていて、この作品ならではというもっと突き抜けたものが欲しかったところ。まぁでも暇潰しで観る分にはそこそこ楽しめると思います。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-02 08:34:35)

666.  LOU/ルー 《ネタバレ》 最愛の一人娘を女手一つで育てるシングルマザー、ハンナ。夫である元海兵隊員は戦場の苦しい記憶から心を病んでしまい、2人に暴力を振るうようになったのだ。彼から逃れるため、人里離れた山の中に建つ一軒家を格安で借りた彼女は娘とともにひっそりと暮らしている。大家である初老の女性ルーは偏屈な気難し屋で、ここからそう遠くない家に愛犬と一緒に暮らしている。何かと嫌味を言うルーを疎ましく思っていたハンナだが、娘のヴィーは何故かそんなルーに懐いている。世間の目から逃れるように密やかに暮らしていたそんな親子をある日、悲劇が襲う。激しい嵐が島に上陸した夜、行方不明となっていた元夫が再び2人の前に現れたのだ――。家に忍び込み、やすやすと娘をさらってしまった彼。暴風のため電話は全て不通。なす術もない彼女は、藁をも縋る思いでルーの家へと走るのだった。彼女の話を全て聞いたルーは、さも当然のように銃を手に取ると、暴風が吹き荒れる森へと向かう。さらには様々なサバイバル術を駆使し、執拗に元夫の後を追い始めるのだった。動揺しつつも彼女の後に続くハンナ。果たしてルーは何者なのか?娘をさらった元夫を追って、謎めいた初老の女性とともに嵐が吹き荒れる森を彷徨う母親を描いたサバイバル・アクション。そんな最強おばあちゃんを演じるのは、実力派女優アリソン・ジャネイ。こーゆー設定の映画ってだいたい主人公を助けてくれるのは引退したじいさんというのがセオリー。メル・ギブソンやシルベスター・スタローン辺りがやっていそうな内容なのだけど、本作ではそれが本来弱い存在のはずのおばあちゃんなのがミソ。ジジイがめちゃめちゃ強かった!というのはこれまでさんざん観て来ましたが、ババアがめちゃめちゃ強かった!というのは新しいですね(笑)。屈強な男どもがいるところへとよぼよぼのフリしながら近づいてゆき、スキを突いてボコボコにするシーンはけっこう斬新でした。ただ後半、その設定が巧く活かされていなかったのが残念。もうちょっとこのお婆さんという設定を巧く使ってほしかった。クライマックスもなんか感動モノへと無理やり持っていった感が強く、いまいち盛り上がりに欠けたまま終わっちゃいました。ここは潔くエンタメに振り切ってほしかったところ。とは言え、アリソン・ジャネイの鬼気迫るような演技は凄まじく、嵐が吹き荒れる中を執拗に男の後を追う彼女は迫力満点!次第にそんな彼女へと心を許してゆくシングルマザーの心情も丁寧に描かれていたし、ぼちぼち面白かったです。[インターネット(字幕)] 6点(2023-01-30 07:38:33)

667.  アナザーラウンド 《ネタバレ》 「血中のアルコール濃度を常に0.05%に保つと生活や仕事の効率が高まる」という説を実際に実行した4人の男たちの顛末をほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマンドラマ。この監督の前作『偽りなき者』が印象深かったのとアカデミー外国語映画賞に輝いたということで今回鑑賞してみました。確かに、こんな地味な登場人物たちが織りなす地味な物語でテーマだって地味なのに最後まで淡々と見せ切る演出は巧み。マッツ・ミケルセン演じる主人公が酒の力を借りて次第に生きる活力を取り戻してゆく姿はリアリティ抜群で、彼が調子に乗ってどんどんと酒の量を増やしてゆくところはアルコール中毒者の生成過程を見ているようでひやひやさせられちゃいますね。ただ、観終わってこの作品の描きたかったテーマが「お酒は楽しく適量を」くらいしか伝わってこず、自分はそこまで得るものはなかったです。[DVD(字幕)] 6点(2023-01-27 11:07:43)

668.  トロール 《ネタバレ》 北欧の神話や民間伝承に登場する恐ろしき怪物、トロール。人間などひょいと摘まみ上げて食べてしまうそんなモンスターが、山地開発をきっかけに現代に蘇ってしまった!前例のない驚くべき事態に人々は右往左往するばかり。政府や軍幹部、そして怪物を調査する古生物学者は果たしてこの危機を乗り越えられるのか?という、極めてシンプルなモンスターパニック映画。まぁバカバカしいっちゃバカバカしいんですけど、それでもCGで描かれたトロールの造形はけっこうお金がかかっていて暇潰しで見る分にはそこそこ楽しめました。このトロール君の見た目が何処か間抜けで、こいつが都会を破壊しながら練り歩くシーンは大真面目に作ってある分、なんか笑けてきちゃうのが本作のミソ。ただ、お話の方ももっとおバカに振り切っても良かったんじゃないかな。ところどころクスリとさせられるものの、中盤からはいまいち盛り上がりに欠けたまま終わっちゃいました。同じくノルウェー&トロールで言えば、今やハリウッドの第一線で活躍するアンドレ・ウーヴレダル監督の知る人ぞ知るカルト作『トロールハンター』があるけど、笑いも物語もあちらの方が一枚上手でしたね。以下余談。いかつい軍幹部がオタクっぽい首相補佐官に軍歴を聞いたところ、「あるよ。コールオブデューティだ」って答えたところが個人的にツボでした。[インターネット(字幕)] 6点(2023-01-23 06:15:25)

669.  ディープエンド・オブ・オーシャン 《ネタバレ》 3人の可愛い子供たちに恵まれ、現在子育て真っ最中の専業主婦ベス。手のかかることも多いが、優しい夫にも助けられ幸せいっぱいの充実した毎日を送っていた。そんな彼女をある日、悲劇が襲う。子供たちを連れて高校の同窓会に出席した際、ちょっと目を離したすきに3歳になる次男ベンが迷子となってしまったのだ。当初はすぐに見つかると思っていたベスだったが、何処をどう捜してもベンの姿は見つからない。友人たちの助けでテレビでの公開捜査に踏み切るも何の手がかりも得られることなく、時間だけが空しく過ぎてゆく。罪悪感と喪失感からふとした瞬間に半狂乱となるベス。次第に険悪となってゆく家族。失踪から1年が過ぎたころ、ベスは残された子供たちのため気持ちに区切りをつけることを決意するのだった――。9年後、成長した長男や長女とともに穏やかな日々を過ごしていたベス。それでもベンのことを1日たりとも忘れたことはなかった。そんなある日、ベスはたまたま近所の少年を目にした瞬間、雷に打たれたような衝撃を受けるのだった。その男の子は自分が思い描いていた成長したベンと瓜二つだったのだ。果たして彼は本当に9年前にいなくなった我が子なのか?警察とともに少年のことを調べ始めたベスはやがて衝撃の事実に辿り着く……。失踪した我が子を巡って人生を翻弄される母親の苦悩を描いたヒューマン・ドラマ。非常に丁寧に描かれた作品で、冒頭から流れるように続く子供失踪までの過程にまず惹き込まれました。その後、3歳の子供がいなくなってからの母親の苦悩はとてもリアルで、ミシェル・ファイファーの抑えた熱演の力もあり、見ていて痛々しいくらい。夫や残された長男の苦しみなども抜かりなく描かれており、この監督の演出力の高さは相当なもの。特に、自分のせいで弟が居なくなってしまったと自らを責める一方、弟一辺倒で自分を二の次にする母親に反発する長男の哀しみはダイレクトに伝わってきました。ただ、これはきっと意図してのことだと思うのですが、良くも悪くも軽いんですよね、この作品。心に重くのしかかってきそうなシーンもそうなる直前くらいにすぐ別の場面へと移行する。最後まで流れるようにテンポよく進んでゆく。きっとそれがこの作品の美点だと思うのですが、自分はもう少し魂を震わすような圧倒的な現実を見せつけるような物語が好みですかね。それは失踪したかもしれない次男が9年後近所で見つかるシーンで顕著になります。真相はネタバレになるので避けますが、いや、さすがに偶然が過ぎるんじゃないですか。そこの部分もちょっと引っかかってしまって、僕はどうにも物語に入り込めず。途中からほとんど出てこなくなる妹の存在も気になりました。と言ったわけで完成度は確かに高いとは思うのですが、好みの問題もあり自分はそこまで嵌まれませんでした。[DVD(字幕)] 6点(2023-01-19 07:30:22)

670.  ハリガン氏の電話 《ネタバレ》 アメリカ、メイン州のとある寂れた地方都市。母を失くし、父親と慎ましく暮らす少年クレイグはある日、近所の豪邸で独りで暮らす今は引退した大富豪ジョン・ハリガン氏からあるアルバイトを持ちかけられる。それは週3日、彼の豪邸で目が悪い氏に代わって本を読み聞かせること。少しでも生活の足しにしようと、クレイグはすぐにその提案を受け入れるのだった。『チャタレイ夫人の恋人』『闇の奥』『罪と罰』。世界の様々な名作を読み聞かせる時給5ドルのバイトはそれから何年も続き、これまで休んだのはたった1回だけ。クレイグは、偏屈で傲慢、現役時代は商売敵や部下を徹底的にやり込んだというハリガン氏のことを嫌いではなく、本を読むことも楽しみの一つとなっていた。そして高校生となった彼は、これまでの恩を返そうと一台のアイフォンを買い、彼にプレゼントする。情報は新聞で充分と言い張っていたハリガン氏に、クレイグは丁寧に使い方を教えてあげるのだった。だが、それからすぐハリガン氏は急な病でこの世を去ってしまう――。突然のことに、哀しみに打ちひしがれるクレイグ。最後のお別れの日、クレイグは彼にプレゼントしたアイフォンを密かに棺桶へとしのばせるのだった。そのまま埋葬されるハリガン氏。ところが数日後、彼の携帯に有り得ないメッセージが表示される。なんとハリガン氏からメールが届けられたというのだ。いったいこれはどういうことなのか?不審に思いながらも、クレイグは彼とのメールのやり取りを重ね……。スティーブン・キングの短編小説を元にしたという本作、監督がヒューマン・ドラマの佳品を多く手掛けてきたジョン・リー・ハンコックということで今回鑑賞してみました。冒頭から丁寧に描かれる、この孤独な老人と素直で純朴な少年とのドラマにすぐ惹き込まれました。冷酷に厳しく当たるのでもなく、過度に干渉するでもない、この2人の友情がなんとも心地良いですね。朗読に選ばれる本のチョイスもいいセンスしてるし、前半は一人の少年の成長物語として非常に良く出来ている。ただ、問題は後半部分。ハリガン氏が亡くなってから、急にミステリー的な要素が増え、さらには死者からのメッセージというホラー要素まで加わります。この唐突な急展開はかなり問題で、明らかに物語のバランスが崩れてしまってます。挙句、ここまで引っ張っておきながら、最後のオチがかなり投げっぱなしのまま終わるのはいかがなものか。てっきり僕は、主人公が最後に棺桶に入れた携帯をあの怪しい庭師が盗っていて、メールのやり取りも殺人もきっとあいつが陰でやっていたんだと踏んでました。でもそれだと遺言書の文言や墓の中から聞こえてきた着信音だとかの説明がつかないから、きっとラストで驚きの種明かしが待ってるんだろうなと思っていたのに、これではとんだ肩透かし。前半はすこぶる良かっただけに、なんとも勿体ない作品でありました。[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-27 05:55:56)

671.  ラビリンス/魔王の迷宮 《ネタバレ》 ゴブリンの王にさらわれた弟を救い出すため、異世界を旅する少女を描いた冒険ファンタジー。パペットや合成を駆使した特撮映像は今見てもそんなに違和感ないですが、やはり時代を感じさせますなぁ~。それでも小人たちの表情豊かな演技はワクワクさせられちゃいますね。まるで生きているみたいなリアルさで、CGがない時代にここまで造り込めたのは凄い。この独創的な世界観はけっこう好みでした。ゴブリン王を演じたデビッド・ボウイもやっぱカッコいい!!とはいえ、さすがに中身がなさ過ぎますかね、これ。始まり方もフワフワしてたし、中盤の展開もフワフワしてたし、終わり方も結局夢オチ?みたいでフワフワしてたし……。全体的にすっごいフワフワした映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2022-12-27 04:11:15)

672.  クライ・マッチョ 《ネタバレ》 彼の名は、マイク・マイロ。かつて超一流のロデオ・スターとして一世を風靡したものの、落馬事故をきっかけに引退を余儀なくされた哀しい男だ。以来、酒に溺れて生活は荒廃、家族も次々と離れていき、今や一人切りの孤独な老後を過ごしている。そんな侘しい生活を送っていた彼の元にある日、かつて自分の雇い主だった牧場主が訪ねてくる。「今からメキシコに向かい、元妻のところで暮らしている俺の息子を連れ戻してくれないか?」――。藪から棒にそう告げる牧場主。詳しく話を聞いてみると、13歳の息子は実の母親から虐待を受けていて今すぐにでも連れ戻しに行きたいが、自分がメキシコへと入国すれば逮捕されるらしい。かつてどん底だった自分を救ってくれた恩もあり、マイクは仕方なく依頼を引き受けることに。使い込んだオンボロ車でメキシコ国境を越えたマイク。教えてもらった地で、彼はすぐにスラムで違法な闘鶏賭博に入れ込む息子ラフォと出会う。突然の提案に当初は反発していたラフォだったが、元カウボーイだというマイクの人柄にほだされ、新天地アメリカへと向かうことを決意するのだった。たった一人の相棒である鶏のマッチョとともに……。落ちぶれたロデオスターと孤独な少年、そして一匹の鶏との逃避行を終始淡々と見つめたロードムービー。齢90になる、もはやハリウッドの生ける伝説クリント・イーストウッドの最新作ということで今回鑑賞。これまでの長いキャリアに裏打ちされたであろう熟達の演出はもはや世界遺産クラス。無駄を削ぎ落したシンプルな脚本、ちょっとした登場人物に至るまでちゃんと個性豊かに描き分ける巧みな演出、警察やギャングに追われながら国境を目指す2人の緊迫感溢れる逃走劇。どれもこれも安定の面白さで、最後まで楽しんで観ることが出来ました。メキシコの雄大な大自然の映像も終始美しく、のどかなメキシコの田舎町という雰囲気も渋い。ただ、最大の問題はキャスティング。やはり90歳を過ぎたイーストウッドが主演というのは無理があったのでは。もう歩くのがやっと、話すだけで息が乱れているのが丸わかりで、さすがに見ていて痛々しい。彼がギャングと喧嘩しようとしたり暴れ馬に乗ろうとしたり人妻と一戦交えようとしたりと現役バリバリなことをしようとするところは、違う意味でハラハラさせられちゃいました。特に近年、高齢ドライバーの事故が社会問題となっている日本の感覚で観ると、やはり彼が一人で運転するシーンは普通に観れませんね。とは言え、映画というファンタジーとして観れば、人生の深い哀歓を感じさせる渋味に満ちた本作、長年育ててきたヌカ床で作った漬物をじっくり味わうような気持ちで鑑賞してみるのも良いだろう。[DVD(字幕)] 6点(2022-12-05 07:46:36)

673.  コンティニュー 《ネタバレ》 何度も何度も同じ日を繰り返し、毎回何人もの殺し屋たちに執拗に狙われる元凄腕海兵隊員を描いたタイムループ・アクション。最近流行りのいわゆるループ物なのですが、本作はその中でも基本に忠実な仕様で撮られております。とにかく目覚めては戦って殺されて、また目覚めては戦って殺されての繰り返し……。本当にそれだけです(笑)。でも、自分は『ダークソウル』のような死にゲーが大好きなので、本作もそこそこ楽しんで観ることが出来ました。スタート直後に襲ってくるザコ敵の攻撃をまずかわし、落ちてるアイテムでその次の敵を殺して、道路を通るトラックにタイミングを合わせて窓から飛び降り、そのまま車を奪って……と、ちょっとずつ攻略ルートを見極めて先に進めてゆくとことか、いかにも死にゲーっぽくて大変グッド。銃で撃たれたり車に轢かれたり爆弾で吹っ飛ばされたり刀で首を刎ねられたりと、その殺され方がどれもバラエティに富んでるのもポイント高い。途中の中ボス(女忍者・観音)が主人公を殺すたびに同じキメ台詞を繰り返すとか、死にゲーあるある過ぎて思わず笑っちゃいましたわ。まあそれだけの映画なんで、途中からお話がグダグダになっちゃうのはご愛敬。また、主人公役の俳優さんがいまいちキャラに合ってないようにも感じてしまいました。ここはライアン・レイノルズみたいなもっとアホっぽい人(失礼!)をキャスティングして欲しかったですね。ナオミ・ワッツとラスボスのメル・ギブソンという何気に豪華な役者陣はぼちぼち嵌まってましたけど。最後も投げっぱなしの酷いオチでしたが、アクションシーンも終始キレがあったし殺し屋たちもみなキャラ立ちしていたし、暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめると思います。[DVD(字幕)] 6点(2022-11-04 09:39:43)

674.  クローブヒッチ・キラー 《ネタバレ》 惨劇は10年前に終わったはずだった――。アメリカの平凡な田舎町を恐怖に陥れた連続殺人事件。犯人は何の罪もない女性宅に忍び込むと被害者を縛り上げ、激しい暴行を加えた末に首を締めて殺害する。その冷酷な手口と、事件現場に必ず特徴的な縛り方の紐を残してゆくことから、警察は「巻き結び殺人鬼(クローブヒッチ・キラー)」と呼び、懸命に行方を追っていた。だが、慎重な犯人はほとんど証拠を残さず、ただ被害者だけが増えていった。ところがある日を境にぱったりと犯行が止む。犯人は裁きを受けぬまま、それから10年もの月日が流れ、次第に人々の記憶からも薄れていった――。信心深い厳格な両親の元、妹とともに暮らすタイラーは、ボーイスカウトに所属する平凡な男の子。同じくボーイスカウトの指導員を務める堅物の父とそれなりに幸せな日々を過ごしている。そんなる日、タイラーは父親の隠していた荷物の中から、女性を縛る猟奇的なポルノを発見してしまう。そればかりか、10年前の殺人事件の被害者と思しきポラロイド写真を見つけてしまうのだった。「もしかして、父さんが連続殺人鬼なのか?」。そんな疑問を抱いたタイラーは、同じく事件を追う謎めいた少女とともに真相を探り始めるのだが……。平穏な田舎町を舞台に、10年前に住民を震撼させた猟奇殺人鬼の謎を巡り、不信感を深めてゆくある親子を描いたサスペンス・スリラー。家庭的で世間体もいい父親がもしかしたら連続殺人鬼かもしれない。そんな疑念を抱いた主人公が密かに父親の過去を探るシーンは、なかなかにサスペンスフル。家族そろってのディナーの前に必ず神への感謝を捧げる信心深いはずの父が実は病的なサディストだった…というのは、なんともいや~~~な感じですね。息子の疑念に気づいた父が権威を振りかざして説教をするシーンも何だか不気味で、この2人に漂う緊張感はただ事ではない。それまで全幅の信頼を置いていたはずの父の別の面を見てしまうという、思春期にありがちな少年の心理を巧く突いたサスペンスだったんじゃないでしょうか。ただ、残念だったのはことの真相が判明する後半の展開。余りにも捻りがなさすぎるそのまんまな真相は、ちょっと肩透かし感がありました。致命的なのは、クライマックスで何故か時間が遡り、息子の視線で物語が語りなおされるところ。映画として一番盛り上がるシーンで話の腰が折られてしまうので、何だか消化不良感が半端ない。しかもその息子のエピソードもまるっきり予想通りで何も驚きがないし、どうしてこんな演出にしちゃったのかはなはだ疑問。最後のオチも胸糞悪いだけでさして深くもない。ここはスリラーとして、もっと観客を恐怖のどん底に叩き落して欲しかった。前半の展開がすこぶる良かっただけに残念!![DVD(字幕)] 6点(2022-11-02 07:55:36)

675.  ドアマン 《ネタバレ》 要人警護中にテロリストに襲われ、幼い女の子を目の前で死なせてしまった元海兵隊員アリ。以来良心の呵責に悩まされ海兵隊も除隊した彼女は、生まれ育ったニューヨークへと戻ってくる。親戚の叔父に勧められ、アリはそのまま古い高級アパートでドアマンとして働くことに。そこは明日から大規模な改装工事が始まり、住民のほとんどが出払うことになっていた。残っていたのは足腰の弱い老夫婦と一日だけ部屋にとどまることを許された大学教授の家族のみ。アリは、不愛想な先輩ドアマンの元、無事に勤務初日を終えるのだった――。次の日、実は親戚だった大学教授家族からお誘いを受けたアリは彼らとディナーを楽しんでいた。だが、彼女はまだ知らなかった。同時刻、1階に住む老夫婦の部屋に屈強な強盗団が押し入っていたことを。彼らの狙いは、老人がかつて東ドイツから持ち出した高級な絵画を強奪すること。ところが何処をどう捜しても目的のものは見つからなかった。それも当然、足が弱くなった老夫婦は最近1階へと越してきたばかりだったのだ。絵画が隠されていると思しき部屋は、かつて彼らが暮らしていた10階の一室。偶然にもそこは今、アリたちがディナーを楽しんでいる大学教授の部屋だった……。率直な感想を述べさせてもらうと、まあまあ面白い。スケールのちっちゃな『ダイ・ハード』って感じでしたが、お話のテンポも良く、アクションのキレも良かったので最後までそこそこ楽しんで観ることが出来ました。古い時代の建物ということで、禁酒法時代に皆で隠れて飲む用の隠し部屋や隠し通路があるとかも面白い舞台設定。そんな閉ざされたビル内で繰り広げられる、元凄腕海兵隊ドアマンと強盗団の戦いは逆転に次ぐ逆転でけっこうハラハラドキドキ。主人公の姪っ子の女の子も可愛かったですし。ただ、脚本の細かいところに突っ込みどころがいっぱいあるのが惜しい。敵から隠れているのに、死んだ母親の話から思わず感情的になって机を叩いてしまい見つかってしまう少年はかなりアホですね。ドアマンと言いながら、主人公がほとんどその制服を着てないのも勿体ない。主人公、あの制服けっこう似合ってたのにね。アクションシーンもところどころ巧く繋がっていないようにも感じもしました。とは言え、何も考えずに暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめると思います。[DVD(字幕)] 6点(2022-10-07 09:34:36)

676.  AVA エヴァ 《ネタバレ》 彼女の名は、エヴァ・フォークナー。裏社会で巨大な力を有する犯罪組織の元で働く凄腕の殺し屋だ。これまでくだされた任務は、その鍛え上げられた肉体と驚異の精神力で完璧にこなしてきた。だが、そんな彼女は最近、自らの任務に疑問を抱くようになる。「あなたはいったい何をしたというの?私に殺されるようなそんな悪いことを」――。いつしかエヴァは、ターゲットとなる男たちを殺す直前、彼らにそんな質問を投げかけるようになっていた。答えが得られようが得られまいが、それでも自らの仕事に納得することはなかった。ところがある日、そんな彼女の行動が組織に知られてしまう。余計な詮索をするような殺し屋などいらない。そう判断した組織の幹部はエヴァを始末することを決断するのだった。若いころから面倒を見てくれていた古参幹部の助けを借りて何とか逃げ延びたエヴァだったが、組織の魔の手は彼女がかつて捨てた家族にまで迫ってきて……。裏社会で暗躍する美しき殺し屋のその壮絶な逃避行を終始ノンストップで描いたクライム・アクション。最近はすっかりアクション俳優として定着してしまったジェシカ・チャスティンが主演を務めているだけあって、その身体を張ったアクションシーンはなかなか見応えあり。ホントに殴り合ってるんじゃないかというくらい、どんどんとボコボコになってゆくジェシカ嬢は見ていて痛々しいくらいでした。スタイリッシュに仕事をこなしていた前半部とのギャップがより、彼女の悲愴感を盛り上げていたと思います。ただ、それに対して脚本はいまいち。特に主人公家族のドラマは正直いらない。なんか世界を股に掛けた凄腕の殺し屋というわりには、この家族のお話がなんともみみっちくて凄くミスマッチです。結局親の介護を巡る姉妹喧嘩みたいになっちゃって、アクションシーンとの落差が半端ない。途中で何故か妹の旦那と三角関係になっちゃうのもなんか不自然でいまいち入り込めず。最後、コリン・ファレル演じる殺し屋組織のボスが、主人公を殺すためにたった一人で乗り込んでくるというのも有り得ないでしょう。そこいらへんが不満でしたが、それでも何も考えずに観るアクション映画としてはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2022-10-07 09:02:14)(良:1票)

677.  グリード ファストファッション帝国の真実 《ネタバレ》 低価格を売りにアパレル業界を席巻したファストファッションブランド、モンダ。その創業者にして一代で巨額の富を築き上げたリチャード・マクリディの半生を、彼を取材するジャーナリストの目線で描いた社会派コメディ。普段私たちが安く買っているTシャツやズボンの裏側には、低賃金で長時間労働を強いられている発展途上国の貧しい人々の犠牲があるという本作の主張は確かに分かります。ますます拡がってゆく富裕層と貧困層との格差がさまざまな悲劇を生み出しているという、現代の社会問題をシニカルに見つめるその抑制の効いた効いたスタンスもいい。ただ、それが映画としての面白さに繋がっているかというと正直微妙。世の不条理に鋭く迫る社会派ドラマなのか、それとも毒気の効いたブラックコメデイなのか、そのどちらにも振り切れていないので、最後までなんとも居心地の悪い鑑賞後感でございました。実在の有名人を幾つも出して混乱と狂騒を極めてゆくパーティーとかももっとやり過ぎなくらい無茶苦茶やってくれても良かったような。最後のライオンのくだりも生々しくていまいち笑えない。ただ、「この笑えない現実はこれからも続いてゆく、私たちが安い服を買い続ける限り」という最後のオチは皮肉が効いていてなかなか良かった。胡散臭い成金経営者を飄々と演じたスティーブ・クーガンもバッチリ嵌まっていて大変グッド。普段私たちが安く買っている様々な商品の裏側を知れるという意味でも観てよかったかな。とは言え、自分は近々、ユニクロに秋服を買いに行く予定なんですけどね(笑)。すんません、安月給なもんで!![DVD(字幕)] 6点(2022-10-03 06:00:55)

678.  ベイビーティース 《ネタバレ》 難病を患い過酷な闘病生活を送る16歳の少女と孤独な不良少年の青春の日々を瑞々しく描いたラブストーリー。監督が、長編デビュー作となる本作で幾つもの賞を受賞したということで今回鑑賞してみました。とにかくこの監督のセンスの良さに尽きると思います。ほとんど音楽も使わず映像も終始ブレブレな手持ち撮影、そして登場人物もごく限られているのに最後まで観客の心を捉えて離さないこの品の良いセンスは大変グッド。それぞれのエピソードを小さな章のように見せる演出や等身大の登場人物たちが織りなす繊細な心理描写もなかなかに素晴らしい。ただ、本作の評価の分かれ目となりそうなのが、この余りにもベタすぎる脚本でしょう。これまで何百本と撮られてきた難病ものラブストーリーをなぞっただけで、正直、捻りがなさすぎる。最後もお涙頂戴の悲恋で終わってしまいます。抜群にセンスの良い映像だとか、抒情性溢れる語り口など、この監督の才能は確かだと思うので次作に期待ってところですね。[DVD(字幕)] 6点(2022-08-11 02:11:57)

679.  インヘリタンス 《ネタバレ》 長女は将来有望な地方検事として頭角を現し、長男は新進気鋭の政治家として世間の注目を集め、そして自身は政財界に多大な影響力を持つ銀行家として名声を欲しいままにした資産家アーチャー・モンロー。彼がある日突然、心臓発作で死亡する。葬儀や遺産相続、マスコミへの対応に追われる長女ローレンは、長年父の元で働いていた弁護士からとある秘密の遺産を受け取ることに。それは、「真実は掘り起こすな」というメッセージとともに遺された一本の鍵。広大な屋敷の裏庭にある誰もその存在を知らない地下室の鍵だと知ったローレンは、不安を感じながらもその地下室へと足を踏み入れる。そこにいたのは、鎖に繋がれた謎の男だった――。「俺はお前の親父に30年もの間、この地下室に閉じ込められていたんだ!」と、にわかには信じがたい話を語り始める男。彼が名乗ったモーガンという名前を頼りに父の過去を調べ始めたローレンはやがて、驚愕の真実を知るのだった……。大富豪の父が遺したそんな負の遺産を巡り、窮地へとの追い込まれるエリート女性を描いたサスペンス・スリラー。個性派俳優サイモン・ペッグと人気若手女優リリー・コリンズ共演ということで今回鑑賞。まあ荒唐無稽で突っ込みどころ満載の設定なのですが、不穏で重苦しいこの雰囲気は嫌いじゃなく、自分はそこそこ楽しんで観ることが出来ました。何より怪演と言ってもいいサイモン・ペッグの存在感!この人の尋常ならざる佇まいがこの荒唐無稽なお話をピリリと引き締めている。誰も知らない古い地下室の中で繰り広げられるこの二人の不穏な会話劇は見応え充分でした。まあ同分野の名作『羊たちの沈黙』にだいぶ引っ張られている感は否めないですけど。それまでの薄汚れた身なりから男が小ぎれいになってゆくにつれ、次第に二人の立場が逆転してゆくというのもベタながらアリ。ただ、最後に明かされる事の真相はかなり無理やりですんごく強引。「いやいや普通に殺しときゃ良かったやん」とか「30年も生きたまま監禁し続けるってコスパ悪すぎ」とか「しかもそれを何で娘に託すねん!」という数々の疑問を最後に吹っ飛ばすオチが、実は男は主人公の〇〇でしたというのは……。うん、さすがに突っ込みどころが満載過ぎます(笑)。まあそこらへんを大らかな目で見てあげれば、この重苦しい雰囲気や最後の二転三転するストーリーなどはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-13 06:00:34)

680.  カムバック・トゥ・ハリウッド!! 《ネタバレ》 低俗で低予算の主にB級ばかりを制作する小さな映画会社、ミラクル映画社を経営するマックス。オスカーに絡むような話題作や全国公開されるような大作映画とは無縁だが、得意のはったりだけを武器にプロデューサーとしてこれまで数々のB級映画を手掛けてきた。そんな彼だったが今、人生最大の危機に直面していた。最新作『尼さんは殺し屋』が、カトリック教会から「神を冒涜している」と猛烈な抗議を受けてしまったのだ。映画は大こけ、しかも製作費を借りた街のギャングからは35万ドルもの返済を迫られていた。窮地に陥ったマックスは思い悩んだ末、とある方法を思いつく。それは、新作映画の撮影中に主演俳優を事故死させ、保険会社から莫大な保険金をせしめようというものだった――。老人ホームを巡り、いつ死んでもおかしくないような落ちぶれた元ハリウッドスター、デュークを担ぎだしたマックスは早速意気揚々と撮影に挑む。作品は、ベタな西部劇。だが、撮影初日に暴れ馬から落ちてデュークに死んでもらおうという彼の計画は、しょっぱなから躓くことに。もはや人生を諦めたはずのデュークが、なんと久しぶりの撮影でその俳優魂に火がついてしまったのだ。その後も彼の計画はことごとく裏目に出て、撮影は順調に進んでしまう。このままでは自分の命が危ない。何とかしてデュークに死んでもらおうと躍起になるマックスだったが……。1970年代のハリウッドを舞台に、主演俳優を死亡させて保険金をせしめようという悪徳プロデューサーの悪戦苦闘をスラップスティックに描いたコメディ。ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、トミー・リー・ジョーンズというもはやハリウッドの生ける伝説が豪華共演ということで今回鑑賞。まあ観る前から八割方内容の予想がつくベッタベタなお話なのですが、この三人のレジェンドが画面にそろうと不思議と観ていられるんですから大したものです。この三人が本当にのびのびと楽しそうに演じているのを見られるだけで、もはや眼福。まあ、内容がかなりゆるゆるでネタのほとんどが余りにもベタすぎてほぼ笑えないというのもそれで許せるかな?とは言え、さすがに最後、ギャングのボスが乗り込んできてからのオチのつけ方は余りにテキトー過ぎてもはや苦笑しちゃいましたけど(笑)。ま、そんな感じです、はい。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-12 05:30:50)

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