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プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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61.  カリートの道 例え最悪の事態を招くことが見越されていても男には守らなければいけない崇高にしてバカなルールがあり、それにのっとって行動しなければならない。その決まりを破らないパチーノがとことんクールです。そんな〝漢〟をノワール調で描いた映画なのですが、恋愛シーンがとても良いのです。雨の路地で愛した女を待ち、びしょ濡れになりながら様子を窺うシークエンスは初恋のように淡く幻想的でドキドキさせます。パチーノと言ったら殊に90年代以降、シャウトを交えた雄弁な役柄が多いのですが、やはり孤独で佇む沈黙が良く似合います。そして鏡に映るぺネロープ・アン・ミラーの美しい裸身を見てドアチェーンを破ってくるラブシーンの情熱的で官能的なことといったらないです。甘美な大人の色気が漂っています。  役者陣も完璧で暴れん坊ショーン・ペンの見事な雑魚キャラっぷりも、ぺネロープ・アン・ミラーの妖美も特筆ものですが、やっぱりアル・パチーノでしょう。あの見る者を惹きつけて止まない吸引力は一体どこから出しているのでしょうか。[ビデオ(字幕)] 9点(2008-01-15 18:22:01)(良:2票) 《改行有》

62.  大地のうた これは紛れも無くインドを撮った映画なのですが、この感性は同じアジア人である日本人の胸にも響きます。貧しい一家のこの生きる姿!オプー登場のファーストショット、雨中のお姉ちゃんのダンス、杖つくお婆ちゃんの歩く様子、人間というものが驚くほどしっかり描写されており一家を通して〝生きる〟ことを具現化しています。そして動物に虫に植物、生きとし生けるものはもちろんのこと汽車の登場シーンも抜群に素晴らしい。〝映画史上ベスト汽車〟があったら確実に上位に食い込みますな。残りの二部を観ずにはいられなくなります。[DVD(字幕)] 9点(2008-01-08 18:59:39)

63.  わんぱく旋風 《ネタバレ》 「わんぱく戦争」と同じ子役で〝わんぱく〟という邦題なので続編かと思いきやそうではないんですね。子ども世界を描いていた前作とは異なり、子どもに振り回される大人を皮肉った作品となっています。前作のような鮮やかな子ども世界を見たかったという意味では裏切られた感じですが、これはこれでまた良いんですよ。夜道を二つのライトが走ってくる。車だ、ぶつかるっ!…と思ったらすり抜ける、並行して走るバイクだったという光のマジック。坊やのためにメロディ口ずさみながらメリーゴーランドを回してあげるシーンも傍目から見たらヤバイおっさんにしか見えない可笑しさ、散々欲しがった花火と爆発注意の貨物が再登場する見事なフィナーレ等々、良いシーンや思わず笑ってしまうシーンがけっこうあります。それに加えてべべール坊やの憎らしい可愛らしさ!彼の台詞や夢想世界は本当に大人が考えているのか疑わしくなるほどユニークです。大人の持ち得ないあの感性の素晴らしさ。大人には子どもの絵が描けないと言いますが、きっと常識に縛られ物事を額面通りに受け取るようになり想像力をどんどん失ってしまっているのでしょう。…と、「わんぱく戦争」に引き続きまたまたノスタルジーに浸りつつ寂しくなったのでした。もちろん映画は元気と楽しさいっぱい!〝口でウンチ?〟は紛れも無い名言だ!(食事中の方ごめんなさい)[DVD(字幕)] 9点(2008-01-07 18:15:45)

64.  わんぱく戦争 《ネタバレ》 本作は大人世界を皮肉っているところもあるのですが、政治も戦争も子どもがすれば何と清々しいのでしょう。このパワー、この瑞々しさ、この純粋さ!子どもが驚くほど生き生き描かれていて素晴らしいんですね。お涙頂戴で使われる子ども映画は嫌いですが、このように無邪気な子ども世界を捕えた作品にはいつの間にかすっかり弱くなってしまい、ついつい顔がほころんじゃいます。生徒用トイレで戦争告知を見つけ微笑む素敵な先生の気分です。元気いっぱいのやんちゃな戦争シーンの楽しさ、トラクターで秘密基地が壊されてしまうシーンなどは本当に悲しくなっちゃいますし、可笑しな名言も目白押し! いったい子どもの頃の純粋さやユーモアの切れは何時、何処に置いてきてしまったのだろう。童心に帰りノスタルジーに浸り、そして一抹の寂しさを覚えるのです。[DVD(字幕)] 9点(2007-12-27 18:26:22)(良:1票)

65.  市民ケーン まず作品を観てビックリ、オーソン・ウェルズ二十代半ばで撮ったデビュー作という事実を知って二度ビックリ。写真に収められた他社の新聞記者たちが自社の記者として動き出した頃にはすっかり楽しくなり夢中になってしまいました。オーソン・ウェルズについて彼はおそらく天才なのであろうと思える作品。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-11-30 18:02:30)

66.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 これは本当に映画の世界なのか?と疑わしくなるほど現実的でくだらない陳腐な日常を映し出しています。場所が変わろうが変わらぬ三人は、おそらくマイアミ・ビーチに辿り着けていたとしても変化は訪れずあの調子なんでしょうね。こんな何でもない物語で、格別お涙頂戴シーンを用意するわけでもなく、とりわけ感動的なセリフがあるわけでもないにもかかわらず、ところがどっこい最後にはすっかり胸に響いてしまうのが本作の凄いところです。ワン・シーン、ワン・ショットで撮影し黒画面でぶつ切りする形式は、登場人物たちの日常の断片を覗いているような感覚で、肩肘張っていない彼らに次第に親近感が湧いてきます。モノクロの効果も絶大です。ワンピース一つで三人の性格が窺える面白さや夜通し永遠TVを観続けている場面、オチどころかほとんど何も覚えていないジョークを話そうとするシーン、カンフー映画を観る風景がたまらなく愛しい。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-11-16 18:30:12)(良:1票)

67.  ヴェルクマイスター・ハーモニー 《ネタバレ》 これまた凄い奇妙な、いや奇妙な凄い映画だ。宇宙についての哲学的話を不器用なおっさんをグルグル回して語り出す始まりからして何とも可笑しい。しかもカット無しの長回しで撮ってしまっている!と思ったらこの後も長回しの連続でよくこんなの撮れたなぁと感動してしまうばかりである。極めつけのシーンは暴徒と化したおっさん達が行進して病院?に向かい暴れまわる一連の場面で思わず身震いしてしまった。この破壊活動シーンで長回しを止め規律を乱す手筈になっているのか…という浅はかな素人考えがあっさり裏切られるばかりか、モザイク一丁おじいちゃんの神々しい登場に圧倒されてしまった。モノクロームの映像も寓話的世界観を確立している…が、実はこれクジラの稚拙さをごまかすためだったりして。  何はともあれ私はこれまで三度観た。最初は興奮し細部確認のためもう一度と思ったが、二度目は一転して退屈さに睡魔に襲われた。で、久し振りに三度目の鑑賞をしたらやっぱり面白い。四度目はもう止めた方が良いのではないかと思うのだが、これは癖になってしまう麻薬のような作品だ。[DVD(字幕)] 9点(2007-11-07 18:05:07)《改行有》

68.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 実在した伝説的犯罪者カップル・ボニー&クライドを題材にしたものですが、警察側の方が悪役のように憎々しく演じていることからもかなり美化されているでしょうし、あくまで犯罪劇ではなく二人の奇妙で強い繋がりに焦点を当てた作品なので実話としての伝記的要素は薄いですが一本の虚構の映画としてはなかなか素晴らしいです。 特筆すべきは最初と最後のシーン。冒頭のフェイ・ダナウェイのあのエロティックさ!本作を観るまで私の中ではおばさんのフェイ・ダナウェイのイメージしかなく、こんなにも美しいとは驚きでした(逆に失礼?)。そして鳥篭から救い出しに来たようなクライドとボニーとの出会いが良い。窓から覗いていた裸のダナウェイが急ぎ服を着ながら階段を転げ落ちるようにビーティのもとへ向かう姿は運命を感じさせます。そしてラストの壮絶な絶命シーンの前に二人が見つめ合い一瞬だけ見せる微笑み。ダナウェイの表情は始めのアンニュイなものとは対照的に大事なものを手にしたように生き生きとして充足感に満ちています。全編に流れる当時アメリカの不況社会、ボニー視点で見ればクライドは白馬に乗った王子様であり、彼に不能という設定を加えることで二人の絆を純愛とし神聖なカップルとして描いたファンタジーでもあると思います。[DVD(字幕)] 9点(2007-10-19 18:33:18)(良:3票)

69.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 最初にトライポッドが現われ群衆が逃げまわるシーンから壮絶。その場にかがみこんでいるような臨場感に溢れ、あっという間にスクリーンに引き込まれてしまいます。親子三人の逃避行が始まれば、川を累々と流れていく死体の不気味さや何気なく顔を出す墜落した飛行機の残骸、火達磨の列車が目前を通過しようがもはや誰一人驚かない世界の異変を次々と描出し圧倒的に迫ってきます。さらに、まるで「ジュラシック・パーク」のティラノサウルスが咆哮するかの如くわざわざ奇怪な音を立てて登場を知らせるトライポッドが何ともにくい。しかしパニックに陥る人々の暴力的な、あるいは本能的な怖さはそのトライポッドと同等かそれ以上の恐怖があります。車を取り合うシーンの暴発寸前のバリバリの緊張感など凄いです。ですがトム・クルーズが手榴弾でトライポッドを撃破するシーンでは助け合う人々が登場し、その後は物語が急速に終結していきます。これは人類の攻撃性と愛を描いているのだと思いますが、そこに執着し妙に濃い人間ドラマにしたりせず、ただただ事の顛末を追って一連の宇宙人襲来劇を状況把握さえままならない一市民目線で見せているところが高ポイントなのです。・・・ただ欲を言えば一つ気になるのがティム・ロビンスを殺す重要なシーン。前出の車を取り合うシーンに比べ緊迫感に欠けている気がします。それはトムの立場が被害者から加害者へと変わったからかもしれないですし、もしくは途中から子どものダコタ視点に移るのであっさり処理されるのかもしれません。が、それにしてもティム・ロビンスの狂気もいまいち伝わってこず切羽詰った状況には見えないのです。[映画館(字幕)] 9点(2007-10-12 18:38:16)(良:3票)

70.  冒険者たち(1967) 《ネタバレ》 甘美な香りが漂い近づくと棘が刺さるような夢物語であり、私にとっては失われてしまった甘酸っぱい青春を再び体験できるような珠玉の作品で、時々ふっと観返したくなってしまいます。とにかく何もかもが美しく、海ではしゃぐ三人の姿、海に沈むレティシア、海上の要塞、アラン・ドロンの撃たれた時の動き、一人残されたリノ・ヴァンチュラ…などなど記憶に残る良いシーンが目白押しであり、涙腺が詰まってなければきっと観る度に泣いています。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-10-05 18:26:14)

71.  ハイ・シエラ 《ネタバレ》 己の身より約束を優先するボガードの男っぷり。高みへ高みへと上りまっ逆さまに落下する呆気ない無惨さ…というこれは男の映画であるのですが、同時に女の映画でもあります。純情な娘とあばずれ女との対比。求婚されれば恋人がいると泣き出し、脚が完治すれば踊りまわる娘は残酷なまでに無垢。対して一度は頼った男を殴れないという女には不幸なまでの献身さを感じさせます。娘の脚が治った後、ボガードとこの女二人が対面するシーンが良いです。怪しげな恋人と踊りはしゃぐ娘は今までの純朴な描写と異なるからか、その喜ぶ姿は当然であるのにどこか退廃的なものを感じさせます。そしていけ好かない恋人に凄むボガードの怖さと幻想が立ち消えた失望の姿。さらにそこへ乗り込まずにはいられない恋する女…。男と女と、その繊細な恋愛模様がこの一幕でバッチリ描かれています。 それから凄いのは犬の使い方、抜群です。[DVD(字幕)] 9点(2007-09-25 18:08:02)

72.  山椒大夫 《ネタバレ》 家族の別離による激しい苦しみ。安寿と厨子王、それに母親のほとばしる感情が画面から溢れ出ています。そして山椒大夫の根城の陰鬱な雰囲気。物語としては前半部の方が過酷であり劇的なんですけれど、この映画は厨子王の逃亡場面あたりからが特に際立っていると思います。もはや一瞬たりとも気が抜けたシーンがないどころか素晴らしいシーンの連続!まったく驚愕の完璧さです。[ビデオ(邦画)] 9点(2007-09-19 18:31:51)(良:1票)

73.  ふくろうの河 【93分オムニバス版鑑賞】 台詞はほとんどなく映像だけで迫ってきますが、これが叙情的であり寓意に富んでいて見応えがあります。とりわけ三話目の「ふくろうの河」が素晴らしいです。絞首刑が実行されようとする緊張感!男の逃亡の躍動感!とにかく泳ぐ泳ぐ、走る走るで後ろを振り向くことなく止まらず前進し続ける男の姿は凄まじい生命力を感じさせてくれます。それにあのオチの見事さ。これは傑作です。各映画祭で短編賞を受賞したこの三話目が出色ですが、他の二話もなかなか捨てがたい秀作なのです。 一話目…虫の音が聞こえる静寂の森の中、月明かりに照らされ見張りをする兵士、このシチュエーションだけでもうすでに劇的です。それに回想シーンでの白い鳥篭と黒い鳥のメタファー。 二話目…英雄に憧れる子どもの視点から過酷な戦場風景を幻想的に映し出すことによって、逆に悲惨さを痛烈に訴えています。血だらけの兵士をピエロと錯覚させるところなど巧いです。 どの話も台詞が少なくラストに共通のちょっとしたオチが用意されていますが、これが非常に強烈な反戦へのメッセージとなっています。実際に南北戦争に従軍した原作者ビアスの嘆きを見事に映像化しているのではないでしょか。[DVD(字幕)] 9点(2007-05-21 18:25:35)

74.  アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 人種差別という重過ぎるテーマで、問題視されて久しい現在でも尚起こっている現実に警告するかのような内容でしたが、静かにも熱く心動かされてしまいましたね。兄弟の物語が軸となっているのが観易かった要因だと思います。割と単純な展開で聡明なはずのデレクの改心理由がいささか甘い感じがしますが、ラストにダニーが撃たれてしまった事に抜けることのできない負の連鎖と根深さを感じさせますし、主題が明確になっています。また、人種差別の契機として若者の怒りが扱われているのも興味深いです。大概において自分自身でもその源が不明瞭な衝動的な若者の怒り。これはどんどん蓄積され何か不快な事に対して発散させても、それは所詮真の理由ではないので怒りのゲージはすぐに元通りの満タンになってしまう。そんな虚しい様が良く描かれています。実際にデレクが怒りのままに暴れ殺人を犯してしまうシーンがバイオレンスに痛々しく描かれているのは、逆説的に暴力を否定しているように思えます。・・・それにしてもエドワード・ノートン!恐ろしく巧いです。前に観た彼の出演作が「世界中がアイ・ラブ・ユー」の優男だったので尚更ビックリしてしまいましたよ。それからファーロングも何かこんな役ばっかりな気がしますが、似合っているので良いでしょう。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-05-01 18:07:43)

75.  誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 若者の通過儀礼のように人生の酸いも甘いもつまった旅中の一つ一つの挿話が印象的である。松葉杖の負傷兵の行く末を見届けたくなってしまう展開と最後の最後で片足だと分かる巧さ。戦時に青春真っ盛りで、見ているこっちまで顔が赤くなってしまいそうな二人の若い男女関係は瑞々しく描かれ、どうしたって温かく見守りたくなってしまう。さらに人生の苦味の部分では石鹸を持ち去る抵抗をみせ若者の純潔さを実に爽やかに描出している。しかし一番のクライマックスはやはり母親が畑を疾走するシーンであり、その姿の感動的なことといったらない。しかも〝戦地に赴き二度と戻らぬ息子を持ち続ける母〟という最初からネタバレされたこの哀しみ最上級の設定に涙腺が刺激され、主人公に肩入れせざるを得なくなるところが憎い。そのうえ様々な出来事で明るみに出てくる彼の人物像ときたら好感度抜群なのである。そして何よりこの物語はヒューマニズムの極致であるにもかかわらず、決して感動の押し売りをしていないところが良いところだ。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-04-18 18:15:56)(良:2票)

76.  ブラックブック いやぁ~凄かった。実話を基にしているみたいですが、政治的なことより単純に娯楽として面白かったです。何が凄いって回想シーンから導入していくので主人公の無事が完全に保証されているのにもかかわらず、劇中ハラハラドキドキしっぱなし。ポール・ヴァーホーヴェンが「女王階下の戦士」以来、正統派の映画も撮れるんだという事を見事に証明してくれました。もちろんエロもグロも要所でしっかり見せますが人間模様、殊に女性の描写がやっぱり良いです。内容についてはネタバレしてしまうとつまらないので控えますが、ヴァーホーヴェンの新しきファム・ファタール、カリス・ファン・ハウテンの美しいこと美しいことっ!歌声も素敵なんですが、彼女の素晴らしさはニコール・キッドマンのような気品が良い意味で無いこと。自由奔放と言いますか、あけすけと言いますか早い話がエロいんですねぇ。女性はどう思うか知りませんが男はああいう女性に弱いんですよ。鏡の前で下の毛を染めるシーン、汚れた足を便器の水で洗うシーン、もうやりたい放題で参っちゃいましたよ。それから彼女の友人となるロニーもまた凄いキャラクター。強いと言うか、しぶといと言うか、まぁたくましいんですね。もう生命力が溢れ出ているのです。この魅力的な女性たちと取り巻く多種多様な男たちとの妙、最後まであっという間に時間が過ぎてしまいました。[映画館(字幕)] 9点(2007-03-28 18:47:40)(良:2票)

77.  影(1956) 《ネタバレ》 何とも奇妙な謎の事件から導入し好奇心を掻き立て、勢いのみに留まらず三本の興味深い話で次々と魅せ、最後には数本が絡まったように見えた糸が一本に解ける面白さがある。三つの不可解な事件が一つに繋がるのはあまりにも偶然が過ぎるのだが、そんなことを気にさせないほど、すんなりとそれぞれの過去の回想に入っていき結末を知りたくなってしまう話の聞かせ方がとにかく巧い。特に二話目は緊張感があってドキドキさせられる。虎穴で仲間の足を蹴った時のあの反応、たった一人のところ狂気に駆られた表情で「手を出すんだ!」と凄まれる恐怖。計算尽でさり気なく事の結末である義足を見せるのも見事だ。作中に漂う空気も暗澹としており、白黒映画ならではかもしれないが物語のキーとなっている陰影のつけ方も不安を呼び起こすようで良い。もちろん1956年製作のポーランド映画であり政治的な内容だが、単純にスパイサスペンスとしても十分に楽しめる。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-03-05 18:49:52)(良:1票)

78.  オズの魔法使 オズの国へ移行するとモノクロから一変して色彩が豊かになり幻想的な世界へ足を踏み入れた雰囲気が一気に高まる。遠くの風景は絵で構成する舞台装置のようでありながら映画と見事に融合させられており、イマジネーション全開のファンタジックな世界は何とも素晴らしい。そのうえ突飛なキャラクターたちも子供騙しに留まらず驚くほどの説得力を備えている。見た目はけっこう不気味であるがユニークで愛らしいライオン。青い空を真っ黒く切り裂く魔女の恐さ。無駄なシーンは見られず、音楽はパワフルで明るくてとことん楽しい。そしてチョコチョコと付いて来る犬のトトの可愛らしいことと言ったら無い。[DVD(字幕)] 9点(2007-03-02 18:17:01)(良:3票)

79.  人間の運命 《ネタバレ》 一般市民目線から戦争の悲劇を痛烈に訴える本作は、むごい運命を背負った男の過酷な半生記であるが暗くなるどころかむしろ前向きにさせてくれる。最悪の事態の連続で絶望の淵に立たされても不屈の精神で前進し続けるソコロフの姿が、感傷的になり過ぎず描かれており逆に人間の静かな力強さを感じさせる。目的意識を持つ事によって〝生きる〟という精神的な強さが滲み出ている演出も素晴らしい。それでも最後に利害関係の一致とは言え戦争孤児である赤の他人の子を、単に養子とすると言うよりも我が子と思い込むことにした展開は現実逃避であり、やや寂しさや哀しさを感じる。しかし悲惨で残酷な世の中を散々映し出すことにより、生き抜くためには〝思い込み〟ですら必要な生きる術であると説得力を持たせている。特にソコロフは〝横から人生を見られず真正面から見つめた〟という台詞通り真っ当な人間に描かれ希望無しでは歩いて行けないキャラクターなのだから。本作に描かれているのは生半可なヒューマニティではない。生きぬくためには殺しも辞さない生身の生命力溢れる人間像である。[DVD(字幕)] 9点(2006-10-18 18:21:04)

80.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 クー、クークー!あっ、いかん、完全にキン・ザ・ザにはまってしまってキン・ザ・ザ星雲語?でレビューしそうになってしまいました。いや~当初はイタイ作品かと思っていたら最高じゃないですか。稀に理屈なしで無条件に好きになる作品がありますが、まさにそれですね。  キン・ザ・ザのデザインの秀逸なこと!これはちょっと天才入っていますよ。地球社会におけるお金のようにカツェ(マッチ)が全てであるのも笑えます。おじさんの〝地球では人の上下を見た感じで判断する〟という台詞がありますが、これも結局のところキン・ザ・ザと同じ事です。人種差別はもとより、人物情報が十分でない限り、どうしたって服装や身につけたもので判断します。そして基本的に身なりには財力が反映します。ステータスだとばかりにブランド品を纏う日本人には理解し易い事じゃないでしょうか。未開人めと罵倒するキン・ザ・ザの人々が愚かに見えるのは巡り巡って地球人に対する皮肉。それでも付き合っているうちに助けてあげたくなってしまい、植物にするのは酷だと抗議するのはやはり地球人擁護なんでしょうね。当時、多民族、社会主義国家であったソ連にとっては資本主義社会を描いた斬新な作品だったと思います。 ・・・ところで道端で回転ランプのついた車が通ったら「クー」やってみて誰かが「クー」って反応してくれたら相当嬉しいでしょうね。まぁ率先してクーする勇気は持ち合わせておりませんが…。最後になりましたがキン・ザ・ザに向けて一言。クー、クークー、クー!・・・・・・キューって言わないで下さい。賛辞なのですから。さすがに字面じゃ分らないですかね。だったら態度で示します。9点献上。だからキュー点じゃないって;。[DVD(字幕)] 9点(2006-07-29 13:47:36)《改行有》

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