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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 《ネタバレ》 グダグダだった前作に比べれば、何とか持ち直したと言ったところ。 単品で見れば魔法界の最高権力者を目論むグリンデルバルトの野望を阻止するシンプルな筋書き。 魔法生物はやや置いてけぼりながら重要シーンで盛り込み、一応は幸福なひと時で映画を締めている。 冤罪で降板させられたジョニー・デップに代わり、マッツ・ミケルセンがグリンデルバルトを演じているが、 魅力的なヴィランを上手く引き継いでいると感じた。 しかしながら、主人公のニュートの影が薄く、ダンブルドアとグリンデルバルトの愛憎劇へと脱線していくのでは、 本筋のファンタスティック・ビーストである必要がないので次回は原点回帰して欲しいものである。[地上波(字幕)] 5点(2024-03-30 21:26:04)《改行有》

62.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 アカデミー賞授賞式が迫っていたので、今まで情報をほぼシャットアウトした状態でようやく鑑賞した形だ。 「いったい何を見せられているのか?」というバッドトリップ状態。 今までの宮崎駿は水で薄めただけで、宮崎駿の原液そのまま飲み干して体感せよと言わんばかりに。 ジブリブランドだからこそ宣伝なしで行けたと言っても良い。 人工の黄泉の国を左右するジェンガみたいに積み上げられた積み木。 一瞬で崩れたら全てが終わってしまう危うい、そのバランスによって世界は成り立っている。 その世界が無くなってしまったら、自分が持っている積み木でゼロから未来を積み上げないといけない。 タイトル通り、「自分で答えを見つけろ」という宮崎駿らしい内容であるが、かつての勢いはない。 太平洋戦争を舞台にする必要もないものの、多くの命が失われ、 倫理観も価値観も危うい時代が再び訪れることを予期してのことか。 これでアカデミー賞を取れたら凄いと思うが、"宮崎駿の遺作"になるかもしれないという忖度が働いているわけで。 私がアカデミー会員だったら間違いなく『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』に投票する。[映画館(邦画)] 5点(2024-03-08 23:23:03)(良:1票) 《改行有》

63.  スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 《ネタバレ》 スパイダーマン=ピーター・パーカーとは誰か?に対する一つの答え。 MCU作品というより、歴代スパイダーマン映画への気配りがされており、 トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドとの共闘だけでなく、 歴代ヴィランたちもウィレム・デフォーを始めとするオリジナルキャスト大集合でよく揃えたものだ。 一番盛り上がったのは彼ら一人ひとりが登場していき、一つに集束していくことだろう。 それ故に、マルチバース設定を使いたいがために、強引で余計な展開が際立ってしまった。 進路を理由にピーターが余計なことをしなければ何も起こらなかった話であり、メイ叔母さんはただの犬死に近い。 ヴィランの救済なんて、こちらの世界線には何の関係もありゃしない。 なので感動する展開も間延びした印象を受けてしまう。 狂いに狂った時空の歪みを修正するため、ピーターの再度の願いで彼自身、忘れ去られた存在になっていく。 アベンジャーズにいたことも誰も知らない。 自分自身に親友や恋人もいたことも誰も知らない。 孤独になったスパイダーマンは真の意味で"親愛なる隣人"としてスタートを切る。 ほろ苦さを感じさせるも重い宿命を背負う、スパイダーマンならではの完結編だった。[地上波(字幕)] 5点(2024-01-29 21:28:33)《改行有》

64.  ヴィーガンズ・ハム 《ネタバレ》 衝動的に殺した過激派ヴィーガンの肉を勘違いで売ってしまい、繁盛してしまう肉屋の夫婦。 グロはあれど臓物系・欠損死体なし、作り物感も強く、90分未満の上映時間でテンポ良く進んでいく。 さしずめ『スウィーニー・トッド』をもっと軽くポップに仕上げたブラックコメディ。 (どちらかと言えば、『シリアル・ママ』に近い)。 …と題材は面白そうだけど、期待が大きすぎた。 笑えるシーンはあれど、後半から失速して妙にシリアスになってしまったのが原因。 元から冷めているようで次第に狂気を帯びていく妻に、殺人に葛藤していく内に戻れなくなっていく夫。 経営も結婚生活も破綻寸前で、過激派ヴィーガンの言動と嫌味な同業者夫婦に一線を越えていく説得力はあるけれど、 もっとコメディに振り切っても欲しかった気がする。 ラストの一言である「ウィニー」に全てが詰まっている。 心臓病を抱え不遇な境遇を持った善人であり、彼の死で止めるか、エスカレートしていくかの分水嶺だった。 過去の発言を悔い、価値観の異なる人たちを理解して歩み寄ろうとした娘の彼氏もいたが、 夫婦にとって肉付きの良い女子供すら食糧としか見ていない皮肉。 極端なヴィーガンも問題だが、その逆も同レベルでしかない。 カニバリズムによる食欲減退で菜食主義者になりそうなメタな構図を鮮やかに切り取る。 元々胃腸が弱く、お腹に溜まりやすいので肉は消極的だが、思想を押し付けず、黙って命を頂くとしよう。[インターネット(吹替)] 5点(2024-01-07 00:21:26)《改行有》

65.  伯爵 《ネタバレ》 チリで悪名高い反共独裁者アウグスト・ピノチェト。 失脚した彼は2006年に死んだが実は偽装であり、250年も生きている吸血鬼だった…。 そんな大胆な設定をモノクロで綴った風刺劇がヴェネチア国際映画祭で脚本賞受賞とのことで鑑賞。 そもそもピノチェトとはどんな人物か?を理解できないと退屈な作品。 新自由主義を推し進めて、チリ国内の格差を拡大させたらしく、血肉=富の隠喩であることは確か。 意外とゴア描写が多く、モノクロだからこそのお伽感が増す。 荒涼とした土地に建つ古びた屋敷で惨めに暮らす彼は死を願っていた。 そこに妻子たちへの遺産相続問題、軍服という権力に縋り付くロシア人執事に、 会計士として忍び込んだ悪魔払いのシスターと、それぞれの思惑が働いて二進も三進もいかなくなる。 若さに執着したピノチェトから吸血鬼にされたシスターが信仰から"自由"になり、空を舞うシーンが美しい。 終盤に明かされる、英語でナレーションしていた女性の正体は、なんと英首相だったマーガレット・サッチャー。 彼女も吸血鬼でピノチェトの母親だったというトンデモ設定のおかげで一気に映画が締まる。 底なしの自由を求めることは底なしの強欲を求めること。 ラスト、二人は吸血鬼の心臓を食べて、さらに若返る。 少年になったピノチェトを小学校に送り出すサッチャーの構図に、独裁政権と新自由主義の萌芽が潜む不気味さ。 "吸血鬼"は世界中、どこかに潜んでいる。 政治の中枢を担っている増税しまくりの総理大臣もきっとそうに違いない(苦笑)。[インターネット(字幕)] 5点(2023-12-09 02:42:18)《改行有》

66.  ベイビー・ブローカー(2022) 《ネタバレ》 全編韓国語、韓国人俳優で構成されながらも是枝監督の底流を感じさせる。 赤子の人身売買は犯罪行為であるが善悪を二分にはできない複雑さを、 並行的に描かれるペ・ドゥナ演じる女性刑事スジンの視点も含まれていて新鮮だった。 非常に日本的な映画なので、韓国的な激しさを求めると期待外れかもしれない。 時折、話の分かりづらさもあり、訴求力が過去作ほどではない。 「捨てるくらいなら産むな」 「生まれてきてくれてありがとう」 相反する二つの台詞。 前者は正論であるがソヨンの事情を知るうちに、 キャリアのために子供を持てなかったスジンの心境に変化が起き、 後者は問題を抱えた疑似家族だからこそ己の存在を肯定できたのだろう。 自業自得で血の繋がった家族から縁を切られたサンヒョンを除いて。 この矛盾が作品に深みを増している。 僅かに繋がりかけていた二つの物語が終盤についに繋がる。 ウソンは、スジン夫婦と服役後のソヨン、最後の養子縁組の夫婦による、 たくさんの親(=社会)によって育てられていくのではないか。 サンヒョンとドンスは彼らに関わることはできないが、ウソンの未来を守ることができた。 大団円ではないにしろ、想像の余地を委ねる監督らしい綺麗な着地点だ。[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-23 14:33:45)《改行有》

67.  シン・仮面ライダー 劇場公開最終日に見てきました。 「仮面ライダーファンのための映画」というより、「仮面ライダーファンが作った映画」という表現がピッタリ。 それも筋金入りの。 原典へのリスペクトを散りばめるように、古臭さを残す特撮やアクションのカット割りといい、郷愁へ誘うこだわりを感じた。 反面、令和だからこその現代的解釈が空回りしており、政府関係者を出す意味が感じられず、 基本人気のいないところでの撮影ばかりでスケールがこじんまりとした印象を受けてしまった。 これでは令和の時代に甦らせる意義が弱い。 あとは庵野監督の悪い部分が終盤はもう剝き出しで、内省的な展開がひたすら続く最終決戦はもういいやと思ってしまう。 全編説明不足で新規の仮面ライダーファンでも終始置いてけぼりではないか。 これは彼のサポートを務めていた樋口真嗣が不在で、誰も止められない暴走状態であったことが目に浮かぶ。 「熱量は感じられるが、思い入れが強すぎて客観視できず、明後日の方向へ全力で走っていった二次創作」というイメージ。 シン・シリーズ完結後、庵野監督はどこへ走っていくのだろう。[映画館(邦画)] 5点(2023-06-04 22:36:00)(良:2票) 《改行有》

68.  ピーターラビット2 バーナバスの誘惑 《ネタバレ》 意外とレビュー数が少なすぎて驚いた。 前作の仁義なき戦いに比べると過激さは控えめ。 自分の立ち位置に悩む悪童・ピーターが かつての天敵・トーマスと街の悪党ウサギ・バーナバスのどちらを選ぶのか。 本編でもディケンズが取り上げられていたけど、『オリバー・ツイスト』を下敷きにしているね。 オリジナルの世界観を尊重せず、金のためなら原作破壊も厭わないメディアへの風刺は、 ポリコレだらけのディズニーに向けてだろうか。 並行的に展開されるそのパートを本筋へと合流させつつも、 風刺先のメディアが企画したスパイアクションみたいなことをバンバンやっちゃっているし。 製作者自身がそれに陥ってしまっているのは自虐なのか、ただ鈍感なだけなのか。 「安易に人を信じるな」という道徳的な教訓に行きつき、ピーターたちは本来の場所に帰るわけだが、 全体を俯瞰してみれば方向性が定まらず、別にピーター・ラビットでなくても成立してしまう。 つまらなくはないが、メタ発言していたように無理に続編にしなくても良かった。[地上波(字幕)] 5点(2023-04-16 10:37:55)《改行有》

69.  トップガン マーヴェリック 前作については思い入れはなく、期待もしていなかった。 確かに本作の完成度は高く、本物志向のアクションとスケールの大きさで、 往年のハリウッド映画の王道がコロナ禍の映画館に観客を呼び戻した意味で貢献度は大きい。 最高の続編を作ろうとしたトム・クルーズをはじめとする制作チームの執念と情熱を感じた。 でも、"足りない"。 映画館の大画面や大音響で体験しなければ本作の真価が発揮されないのは分かっている。 それよりも見せ方や物語が枠に嵌りすぎて息苦しさも感じてしまうのだ。 もう少し意表を突いた演出や展開があっても良かったのではないか。 その年の最高の映画として、アカデミー作品賞に推す人が大勢いるのは分かるし、 取れなかったことに対して不満が少なくないのも分かる。 いつの時代もたとえ新鮮味がないものであっても、 誰にも分かりやすく安心して楽しめる映画を求めている観客が圧倒的に多いのだから。 私はその観客の一人にはなれなかった。[インターネット(字幕)] 5点(2023-03-24 23:37:19)(良:2票) 《改行有》

70.  映画大好きポンポさん 《ネタバレ》 なぜ映画を見るのか? ①暇潰しのエンタメとして? ②粗探しを見つけるための根暗な趣味? ③映画の中にいる自分に投影して、指針として何かを掴むため? ただ、誰もがずっと椅子に座ってはいられない。 映画尺というものがあり、2時間が集中できるタイムリミット。 狂言回しのポンポさんだと90分が限界らしく、 登場人物の人生を描くのであればその時間内で、見せたくても切らなきゃならないときもあるのだ。 本作の"編集"を司るのが、監督に抜擢された主人公のジーン・フィニ。 社会不適合者で映画でしか自分の居場所がない男。 彼をはじめ全員基本的に善人で、話がご都合主義にポンポン進んでいくが、意識的に暗い影を忌避しているようにも見える。 彼とは正反対のアランですら社会的に成功している銀行マンでありながら、自分には何もないと思っており、 じゃあ、真の意味で何者にもなれなかった、何も持ってない人の立場がないだろ。 主要人物ほどデフォルメされて、キラキラしていることからしてもまさに"夢と狂気の世界"しか映されていない。 フィクションと言えばそれまでだが、これも意図的であることは明白。 カットされたシーンには主要人物のドス黒い本性や映画界の闇が映されているのだろうか… そう思うと、編集は何のためにあるのかという本質が見えてくる。 原作を読んだら、メタ的な意味で新しい発見があるかもしれないが、 自分には本作ならではの新しい発見がなかった。 何かを創っている人なら何となく分かるものばかり。 ①と③なら良かったのに、②になってしまったよ…[地上波(邦画)] 5点(2023-02-10 19:38:25)《改行有》

71.  雨を告げる漂流団地 《ネタバレ》 ノスタルジーとジュブナイルとサバイバル。 情緒不安定で話を拗らせるヒロインから逆算して描いたような脚本なので、 人によってはかなりフラストレーションが溜まる。 また、いろんな要素と伏線を詰め込みながらも収束しないまま右往左往に展開し、 120分の上映時間が活かされていない気がする。 終盤の展開なんてヒロインが余計なことをしなければ終わった話だし、 建築物の擬人化である・のっぽが結局何をしたいのか分からなかった。 時代と共に朽ちていくことを受け入れているのに、実は過去に囚われており、 一人逝くのを決心できないまま、6人を身勝手に巻き込んでいるように見えた。 主人公組はともかく4人は完全に巻き込み事故でしょ… 盛り上がるためだけに存在している補欠みたいな感じ。 過去と思い出の場所に別れを告げて、子供たちが成長する話には弱いし、 設定とメインキャラ(ヒロイン除く)は魅力的なだけに、 話はつまらなくはないが、大量の混在した要素を整理していれば佳作にはできただろうに。 キャラデザの良さと世界観にマッチした主題歌・挿入歌に+1点です。[インターネット(邦画)] 5点(2023-01-02 00:28:04)《改行有》

72.  アテナ 《ネタバレ》 スラムのアテナ団地で移民の少年が警察に殴殺されたことをきっかけに一部の住民が暴徒化。 被害者の兄にあたる、ギャングの長男(中立側)、機動隊の次男(体制側)、暴徒を束ねる三男(反体制側)の すれ違いの果ての悲劇を描くネットフリックス映画。 『レ・ミゼラブル』(2019年)を手掛けたラジ・リが製作・脚本に関わったことだけあり、 そのクライマックスを一本の映画にした感じだ。 どう撮ったのかと驚嘆する警察署襲撃から団地にバリケードを構えるまでの冒頭の11分の長回しに引き込まれるが、 それ以降のドラマ自体は薄く、話が一本調子で誰にも共感できないのである。 不安と憎悪がSNSによって増幅され、客観的に物事を見れなくなって、「まあ、そりゃそうなるよね」な分かり切った展開。 扇動によって得しているのがいったい誰なのかが最後に明かされる。 これがフランスの現実だとは真に受けないが、 僅かなトラブルでも誰もが彼らのように怪物になりえる可能性があるということ。 映像表現としては一級(監督は社会派映画の巨匠コスタ=ガヴラスの息子とのこと)。 冒頭のシーンで+1点がやっとだろう。[インターネット(字幕)] 5点(2022-12-24 21:46:30)(良:1票) 《改行有》

73.  るろうに剣心 最終章 The Beginning 《ネタバレ》 最後まで雑に終わったThe Finalと比べると、別の映画みたいにテイストが真逆でしっとりとした印象を受ける。 殺人マシーンだった剣心と仇を愛してしまった巴が人間性を取り戻す過程は良いものの、 無駄な台詞が多い、勿体ぶった描き方で2時間強は長すぎた。 最後まで回想(倒幕まで)に絞った構成、巴役は好演だっただけに、 シリーズ全体に言えることだが、なぜ無駄な贅肉をつけすぎてしまうのか。 改めて一作目は不満はあれど、それなりにブレークスルーしてたんだな。[地上波(邦画)] 5点(2022-10-22 10:58:47)《改行有》

74.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 メインの歌が素晴らしいが故に危うく誤魔化されるところだった。 『サマーウォーズ』が2000年代のネット社会を総括した作品なら、 本作は2010年代のネット社会を総括した作品だけど焼き直し感は否めず。 なぜリアルで歌が歌えないのか、"U"世界の竜に惹かれるのかが説明不足で、 リアル恋愛事情、ネット自警団、ドメスティックバイオレンスといろんな要素を詰め込みすぎて、 それぞれが上手く機能していない、場面重視の細田守ならではの悪癖が際立つ結果に。 "U"に登録してすぐに注目の歌姫なんて出来すぎで、ここでストーリーが破綻しているというか。 虐待受けているのに簡単にネット環境使えるとか、すず一人で東京に行かせるのもありえない。 力技で無理矢理世界観に引き込むので余計タチが悪い。 誰も脚本について異論を挟めない状態なのかな… 奥寺佐渡子カムバックとしか言いようがない。 前作の『未来のミライ』に比べれば、スタジオ地図は本作で何とか首の皮一枚でつながった状態だ。 次回作も地上波で待つ形になるでしょう。[地上波(邦画)] 5点(2022-09-24 00:17:30)《改行有》

75.  MEMORIA メモリア 頭内爆発音症候群に罹った監督の実体験を元にしているという。 固定カメラによる常軌を逸した長回し撮影に、眠気と共にハッとさせられる"音"の数々が挿入され、 夢か現か彷徨い歩く超自然的な感覚と同化する。 本作を撮ったのは、かつてカンヌで最高賞を受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン。 母国タイでの制作環境の改善のなさから海外に拠点を移した初の外国語映画だ。 『ブンミおじさんの森』で撃沈した自分にとって、久々の監督作視聴となったが、 やはり既存の映画文法から外れた対極的な作りであるため、 本当にそういう風に割り切らないといけない。 お酒を飲んで、照明も外界の環境音もシャットアウトした視聴環境で、 人間をダメにするソファに埋もれながら見ることをおススメする。 無意識に委ね、何度も反芻して初めて、本作が傑作だという結論に辿り着くのかもしれない。 (再視聴次第では評価が変動する可能性あり)。[インターネット(字幕)] 5点(2022-09-02 23:59:39)《改行有》

76.  ベルファスト 《ネタバレ》 『ROMA/ローマ』に影響を受けているのか、モノクロで監督の半自伝であることも共通している。 ただ、『ROMA/ローマ』のような灰汁の強さはなく、事情をよく知らない少年の目線で描かれているので、 複雑な社会情勢を調べなければならないという敷居の高さもない。 むしろサッカーに興じ、少女との淡い初恋、万引きを唆されたりと、 緊急事態が日常になっている中で懸命に生きる少年とその家族を活写しているところに重点を置いている。 ただ、劇中劇だけパートカラーで、劇伴もここぞと効果的に挿入される、その演出にあざとさを感じてしまう。 わざわざモノクロで描かないといけない理由が全く感じられなかった。 芸術性の高い作りが少年の溌溂とした物語とチクハグで合ってない。 これが作品の没入感を割いているように感じた。 短い出演時間ながらも最後をかっさらうジュディ・デンチは流石と言ったところ。[インターネット(字幕)] 5点(2022-08-13 22:15:47)《改行有》

77.  アンコントロール 警察に取り押さえられた外国ルーツの少年が亡くなったことで移民が暴徒化。 そのゲットー地区で襲撃された差別意識の強い威圧的なベテラン警官と事なかれ主義の若い警官の脱出劇。 そもそも亡くなるかもしれないあのタイミングでゲットーに入らなければ泥沼に陥らなかったが、 ベテラン警官の心の揺れ動きが印象的。 『レ・ミゼラブル』(2019)みたいにダイナミックな演出があるわけでもなく、 どちらかと言えば国家権力と移民の軋轢を描いたという意味では『デンマークの息子』に近いものがある。 この2作品からデンマークの移民問題のリアルが見えてくる。[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-01 22:57:58)《改行有》

78.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 漢らしさ溢れるカウボーイが弟の婚約相手である女性とその連れ子を邪険に扱う。自分の世界を異形の存在に侵されたくなかったのか、はたまた同性愛を隠すために虚勢を張るしかなかったのか・・・。やがて青年に対する内なる想いに気付いたカウボーイは、次第に好意を露わにしていくが、その青年の恐ろしさに気付かないまま破滅していく。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と『ベニスに死す』を合体させた芸術点の高い逸品であり、ベネディクト・カンバーバッチとコディ・スミット=マクフィーの憑依したような怪物性が浮き彫りになっていく。ただ、作家性の強い映画を受け入れるネットフリックスだけあって万人受けしないのは確か。作品賞は無理でしょうね。[インターネット(字幕)] 5点(2021-12-31 23:30:58)

79.  魔女見習いをさがして 原作タイトルを外して正解だろう。原作の"彼女たち"は本作では架空の存在にすぎず、ほぼ登場しない。独立した作品のため、知らない人でもついていける丁寧な作りで伝えたいことは分かるが、展開も着地点も予想通りで、キーワードを差し替えても、実写でやっても成立する内容。"彼女たち"との密着があまりにも弱すぎるため、雰囲気で強引に繋げている感じが否めない。片や内輪話で終わっただけ、片やコンセプトが中途半端、と本当に20周年を祝う気があるのか?[映画館(邦画)] 5点(2020-12-10 21:57:32)

80.  最後にして最初の人類 《ネタバレ》 評価しづらい… 『ラ・ジュテ』と『人類遺産』がミックスしたような映画だった。 いや、映画というより、打ち棄てられた旧共産圏のモニュメントを背景にした朗読劇、現代アートの類。 20億年後の未来人が視聴者に語り掛ける形式で、これからの宇宙と人類の終焉を語っていく。 助けても欲しいと言いながらも、自らの運命を悟って自己完結しているあたり、 哲学的に考えた末の結論だろうか、現代人との価値観の剥離を感じる。 英語が聞き取れること前提であり、字幕についていくことで手一杯ならば、 視覚と音楽に身を委ねる没入感とは程遠い。 映画でしかできない相乗効果とは思えず、ラジオで流しても問題ないような気がする。[インターネット(字幕)] 4点(2023-04-15 00:17:09)《改行有》

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