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プロフィール
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 メインの歌が素晴らしいが故に危うく誤魔化されるところだった。 『サマーウォーズ』が2000年代のネット社会を総括した作品なら、 本作は2010年代のネット社会を総括した作品だけど焼き直し感は否めず。 なぜリアルで歌が歌えないのか、"U"世界の竜に惹かれるのかが説明不足で、 リアル恋愛事情、ネット自警団、ドメスティックバイオレンスといろんな要素を詰め込みすぎて、 それぞれが上手く機能していない、場面重視の細田守ならではの悪癖が際立つ結果に。 "U"に登録してすぐに注目の歌姫なんて出来すぎで、ここでストーリーが破綻しているというか。 虐待受けているのに簡単にネット環境使えるとか、すず一人で東京に行かせるのもありえない。 力技で無理矢理世界観に引き込むので余計タチが悪い。 誰も脚本について異論を挟めない状態なのかな… 奥寺佐渡子カムバックとしか言いようがない。 前作の『未来のミライ』に比べれば、スタジオ地図は本作で何とか首の皮一枚でつながった状態だ。 次回作も地上波で待つ形になるでしょう。[地上波(邦画)] 5点(2022-09-24 14:13:08)《改行有》

62.  ベルファスト 《ネタバレ》 『ROMA/ローマ』に影響を受けているのか、モノクロで監督の半自伝であることも共通している。 ただ、『ROMA/ローマ』のような灰汁の強さはなく、事情をよく知らない少年の目線で描かれているので、 複雑な社会情勢を調べなければならないという敷居の高さもない。 むしろサッカーに興じ、少女との淡い初恋、万引きを唆されたりと、 緊急事態が日常になっている中で懸命に生きる少年とその家族を活写しているところに重点を置いている。 ただ、劇中劇だけパートカラーで、劇伴もここぞと効果的に挿入される、その演出にあざとさを感じてしまう。 わざわざモノクロで描かないといけない理由が全く感じられなかった。 芸術性の高い作りが少年の溌溂とした物語とチクハグで合ってない。 これが作品の没入感を割いているように感じた。 短い出演時間ながらも最後をかっさらうジュディ・デンチは流石と言ったところ。[インターネット(字幕)] 5点(2022-08-13 22:22:22)《改行有》

63.  ドント・ルック・アップ 《ネタバレ》 トランプ大統領誕生から露わになった分断と、扇動するメディアを総括した2020年代の『アルマゲドン』。 彗星衝突という非現実な事態なんて周囲は信じずエンタメとして消費し、 ディカプリオを始めとする超豪華スター大集合で大真面目にバカ騒ぎを広げていく。 巨大企業との癒着を優先するという初手さえ間違えなければこのようなラストを迎えなかったものの、 自らに事態の深刻さが及ばない限り、誰もが真実を受け入れないものである。 難を上げるなら、2時間半に及ぶ内容をもっと短くできた気がする。 制約がないが故に却って引き締まらない印象を受けた。[インターネット(字幕)] 6点(2022-08-02 22:21:02)《改行有》

64.  ファーザー 《ネタバレ》 意識があるまま、時間と記憶が混沌の中に落ちていく。 台詞も物事も辻褄が合わなくなり、己の記憶が改竄され、周りとのコミュニケーションが破綻していく恐怖。 そして相手が誰なのかも忘れ、自分自身も喪失していく・・・。 一歩間違えば本人もそうなるかもしれないアンソニー・ホプキンス演じる認知症の圧倒的リアリティ。 超高齢化社会になった現在、自分も家族も彼のようになったら向き合わなければならない地獄。 それでも緑が風に揺れるように全てを漂白していく。[映画館(字幕)] 7点(2022-06-24 23:03:52)(良:1票) 《改行有》

65.  Fukushima 50 《ネタバレ》 低評価の理由に納得した。 実話であるなら事実を淡々と客観的に描けばよいのに、 ヒーローもの、青春ものの要素を恥ずかしげもなくぶっこみ、 プロパガンダたっぷりの美談に仕上げてしまったこと。 後半は失速し、米軍のトモダチ作戦に、関係者家族のドラマを流す厚顔無恥っぷりで要るか、これ? そうなると事実と映画が分離され、余計に集中できなくなる。 震災によって得するのは他でもなく利権を貪る政治屋であり、 東京オリンピックと称した「パンとサーカス」で批判から目を逸らそうとしているわけだから、 吐しゃ物の臭いしかしない。 コロナ禍によって、化けの皮は完全に剝がされたけどね。 さらなる甚大な被害を食い止めようと奔走した現場関係者には頭が下がるが、 こんな形で利用されたら本当にいたたまれない。 ただただ後味が悪い。[地上波(邦画)] 2点(2022-06-24 22:51:03)(良:3票) 《改行有》

66.  TENET テネット 《ネタバレ》 007シリーズへの憧憬と新機軸の時間逆行ものを引っ提げたノーラン監督の最新作は、氏のフィルモグラフィーの中でも複雑で難解な作品であることには間違いない。 自身の作家性とブロックバスター映画を違和感なく融合させた、驚愕の映像体験は本作でも健在で、時間の順行と逆行が同時進行のショットだけでも見る価値がある。 それ故に、作品のルールに縛られて、物語の整合性が取れているのか分からないくらい複雑な構成と、 専門用語がテンポ良くつぎ込まれる圧倒的な情報量の多さに一度見ただけでは理解できない人が多いのではないだろうか。 タイムパラドックスの整合性を取るために、過去のある瞬間に向かう相棒の行く末が切ない。[映画館(字幕)] 6点(2022-05-28 00:53:33)《改行有》

67.  クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 《ネタバレ》 ミステリーとしては意外と本格的で、爪のミスリードは上手い。 面子と建前で雁字搦めの学歴社会への風刺と、効率ばかりに追求した結果、逆にAIに支配されてしまうシニカルさを提示しながら、 欠点も無駄なことも挫折も人格を形作る重大な要素として、焼きそばパン争奪マラソンに収束していく綺麗な終わり方。 青春の対象年齢を自分自身で決めていないか。 初期作品を彷彿とさせながらも、変に過剰になりすぎず、どの世代にも楽しめるという意味では佳品だろう。 自分にはそこまで刺さらず、あまり記憶に残らない方だが。[地上波(邦画)] 6点(2022-05-28 00:50:12)《改行有》

68.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 原作のフランス映画『エール!』は視聴済み。 オリジナルの欠点である枝葉のエピソードの散漫さは、本作では幾分解消されている。 ヤングケアラーの娘がいなければ生業の漁業も成り立たず、搾取と監視に耐えかね漁業組合として独立する流れは自然で、 夢と家族の狭間で追い詰められる描写に説得力があった。 本作にもある無音の演出は、外界からシャットアウトされた映画館だからこそ意味がある。 ここまで上手く事が運ぶわけではないのだが、コロナ禍に戦争と、 心身とも摩耗していく現実にシンプルで明るい映画が求められているのだろう。[映画館(字幕)] 8点(2022-05-28 00:43:54)《改行有》

69.  ドライブ・マイ・カー 《ネタバレ》 3時間深淵を見つめる旅。 まるで"見る小説"の如く、虚飾の皮を剥くように二元論では決めつけられない人間の正体に向き合っていく。 妻の主人公に対する愛情は本物か"スタイル"だけなのか、女性ドライバーの母親に対する愛憎も同様だろう。 内心分かっていながらもどこかで"表面だけだとしても繋ぎ止めたい"と"本心に向き合いたい"のせめぎ合い。 劇中劇の『ワーニャ叔父さん』で絶望した男がもがきながらも生を選ぶさまは、主人公の現状と大きく重なり、 複数の言語で紡がれることもあってかディスコミュニケーションによる困難をより際立たせる。 過ぎ去ってしまった機会は二度と来ない。 その後悔は死ぬまで続くかもしれない。 辛い人生がこれからも繰り返される。 それでも新たな一歩を踏み出した主人公は、亡くなった娘と重ねるように女性ドライバーに思い出の車を託す。 彼女は新天地で車を走らせる。 抑制された演出と演技によるフランス映画みたいな作品で、 現時点の評価が平均6~7点で留まるあたり、エンタメとは対極の作家性の強さを象徴している。[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-27 23:49:08)(良:1票) 《改行有》

70.  シン・ウルトラマン 初代ウルトラマンの精神を引き継ぎつつ現代に再構築したという意味で『シン・ゴジラ』と同様のコンセプト。 前半はなかなか面白いものの後半から徐々に失速。 庵野秀明の作風がウルトラマンと合ってないのか、はたまた監督を務めた樋口の演出が庵野の個性と合ってないのか。 次々と出てくる怪獣や異星人のエピソードに一貫性がほとんどなく、TVシリーズのように小分けで見せられている印象を受けた。 つまり、一本のストーリーとしては弱い。 スケジュールの関係で監督を兼任できなかったようで、実現していれば違っていたかもしれない。[映画館(邦画)] 6点(2022-05-27 23:46:29)(良:1票) 《改行有》

71.  タミー・フェイの瞳 《ネタバレ》 '70年代~'80年代にかけてテレビ伝道師として多額の献金を受け、贅を尽くした夫婦の栄光と転落を妻のタミーの視点で描く。日本は基本無宗教なので胡散臭いの一言に尽きる。だから無名に等しく道理で日本では劇場未公開なわけだ。当初は純粋な理念や信仰心に篤かったのかもしれない。だが、金と権力が絡むと綺麗事ではいられなくなり、体面を装うために身動きが取れなくなる。華やかになればなるほど、夫婦はすれ違い、内面がボロボロになっていき、最後は没落というシンプルすぎる展開。しかし、アメリカではキリスト教は社会に強い影響力を持つ、切っても切れない関係であり、格差が激しい故に弱った心につけ込みやすい、対立に利用しやすい側面もあるのだろう。メディアによって宗教がエンタメ化していく皮肉さ。なんて人間はグレーな生き物なのか。富む者も貧しい者も性的マジョリティも性的マイノリティも救われる権利がある。その共感力が強すぎた故の悲劇なのかもしれない。過去の人になった彼女は、常に厚い化粧の中に孤独や悲しみを抱えている。それでも立ち上がり、ゴスペルを歌い上げる姿に惹かれてしまった。そこにジェシカ・チャステインにカリスマ性が宿った瞬間だった。アカデミー賞受賞は納得だ。[インターネット(字幕)] 7点(2022-04-16 00:40:32)

72.  tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン! 《ネタバレ》 多くの人は何者にもなれない。特にメディアでスポットライトを浴びるような世界であるなら尚更。30歳を目前に夢を叶えるか諦めるかのラインで爆発しそうなジョナサンの産みの苦しみは、クリエイターになれた人も諦めた人も共感するのではないだろうか。恋人に去られ、親友もエイズを患う、残酷な現実にアンドリュー・ガーフィールドは明るくも翳りいっぱいに表現する。8年間掛けて作り上げた大作が上演されない絶望に、それでも「書き続けなさい」という言葉。如何に天才肌でも芸術で食べていくことは至難の業でそこに真理がある。実体験を得て、彼は革新的ミュージカル『RENT/レント』を生み出し、初演直前に若くして亡くなってしまうが、ブロードウェイの歴史に名を刻んだ。もし恋人の気持ちを汲み、夢から身を退いていたら別の幸福もあったかもしれない。けれど『RENT/レント』や本作が世に出ることも彼を知ることもないのだ。足元の幸せに安寧を得るか、大きく生きた証を残すか。だからこそハッピーバースデーのメロディが感慨深い。[インターネット(字幕)] 8点(2022-02-19 00:53:10)

73.  PASSING -白い黒人- 《ネタバレ》 人種差別が根強い1920年代のニューヨーク。肌の色が薄いことから白人のフリができる二人の黒人女性が10数年ぶりに再会する。一人は元来の黒人コミュニティで家庭を築き、もう一人は白人男性の妻として…。対照的な生き方の二人をクラシカルなモノクロ映像とジャズピアノで時代を彩る。波風を立てないように日々を生きてきたアイリーンにとって、クレアの快活で奔放な振る舞いに危うさを感じながらも、差別を恐れるあまり己を偽り深いギャップに苦悩する彼女に共感する、その微妙な距離感が上手い。だが、クレアの夫は根っからの差別主義者で、肌の濃さを問わず"一滴でも黒人の血が入っていること"に嫌悪する男。終始どこか不穏な空気が漂い、静かに悲劇に繋がっていく。初監督を務めた女優のレベッカ・ホールは、母方の祖父が肌の色が薄い黒人であり、アイデンティティの拠り所を深く抉り取る。自分が何者であり如何に生きていくかを模索する。[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-26 21:27:00)(良:1票)

74.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 漢らしさ溢れるカウボーイが弟の婚約相手である女性とその連れ子を邪険に扱う。自分の世界を異形の存在に侵されたくなかったのか、はたまた同性愛を隠すために虚勢を張るしかなかったのか・・・。やがて青年に対する内なる想いに気付いたカウボーイは、次第に好意を露わにしていくが、その青年の恐ろしさに気付かないまま破滅していく。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と『ベニスに死す』を合体させた芸術点の高い逸品であり、ベネディクト・カンバーバッチとコディ・スミット=マクフィーの憑依したような怪物性が浮き彫りになっていく。ただ、作家性の強い映画を受け入れるネットフリックスだけあって万人受けしないのは確か。作品賞は無理でしょうね。[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-01 00:07:56)

75.  ミナリ 《ネタバレ》 移民を扱った映画は数あれど、韓国系アメリカ人家族が主人公なのが異色。暴力も差別も描かれず、常に穏やかで静かなトーンで進んでいくが、映画では描かれない苦難もたくさんあったはずだ。それを象徴するのが"ミナリ"。芹のことで、厳しい環境で育ち、二度目の収穫が美味しいことから、したたかに生きる家族の姿と重なる。父親が成功に邁進しようとすればするほどドツボにハマっていく悪循環の中、祖国から来た祖母によって一家に変化が訪れる。勿論、エキセントリックなキャラクターなだけに災厄も訪れるが、絶望の中にひとかけらの希望があった。キリスト教信仰が背景にあり、達観した心境すらある。映画監督になった少年が捧げる祖母への感謝。[映画館(字幕)] 7点(2021-03-27 19:07:34)(良:1票)

76.  ノマドランド 《ネタバレ》 暗く厳しいロードムービー。一見、俗世間から解放され、自由で人生を謳歌しているように見えて、一歩間違えば保証もなく死亡リスクも高くなる。年金だけでは暮らせない高齢者なら尚更だろう。望んでノマドになったわけでもない。季節労働者として、雇用の調整弁として大企業から使い潰しにされる。我々の安価で便利な生活は彼らの犠牲によって成り立っているのだ。そして、働けなくなれば野垂れ死の運命が待っている。デイブのように家族の元へ帰ることが出来たら違った結末もあるかもしれない。それでも、ファーンを含めノマドたちは責任と誇りを最後の希望として日々を生きていく。自分の居場所は"ここ"しかないと。普段見ることのないアメリカの厳しい大自然を詩情あふれる映像で捉えた撮影に、人の小ささ、立ち向かう強かさを感じる。日本でも車中ホームレスを取り上げた特集が放送されており、アメリカだけの話ではない。格差の固定は人も社会も支配しやすくする。[映画館(字幕)] 7点(2021-03-27 11:01:31)

77.  マ・レイニーのブラックボトム 《ネタバレ》 "ブルースの母"と呼ばれたマ・レイニーとバックバンドの、あるレコーディングの一日を描く。表題になっているマ・レイニーは実在する人物だが、出演場面は"彼"ほど多くなく、戯曲を基にした完全なフィクション。その"彼"とは、チャドウィック・ボーズマン演じる野心家のトランぺッターであるレヴィーだ。感情豊かに変幻自在に密室劇を掻き回す。そして身勝手で馴れ馴れしい。彼とは別のベクトルでマ・レイニーも傲慢で横柄な態度を取る。ひたすら押されるだけで大人しい白人のマネージャーとプロデューサーに、何も知らない人から見れば同情したくもなるが、マ・レイニーもレヴィーも差別が横行する世界で生き残るために虚勢を張っているとも言える。ただ成功者であるか否かの違いでしかない。レヴィーはひたすら白人に媚びへつらうしかなく、作曲しても安く買い叩かれる。逃げ場のない鬱屈がひたすら積み重なっていき、そしてちょっとした諍いが悲劇に繋がってしまう。黒人の音楽であるブルースが白人の所有物としてすり替わっていく最高に居心地の悪い結末が後を引く。この世界には神なんていないのかという嘆きは、黒人の地位向上のために戦ってきたチャドウィック・ボーズマンの心象そのものなのか。夭折ながら遺作に相応しい。[インターネット(字幕)] 7点(2021-02-19 23:13:11)(良:1票)

78.  ミッドナイト・スカイ 終始退屈で単調な映画。金が掛かっているだけあり、大作感も宇宙船のディテールも期待は裏切らない。内省的で余命わずかの科学者の心の旅を描いたのは分かるが、並行的に描かれる宇宙船のクルーのパートも十分に比重を占めており、どちらも均等に描こうとして却って中途半端になってしまった印象。映画としては分かりやすい部類だが、2時間で描くほどの濃密さがないので、世界の終末に想いに馳せることもままならない。少女の正体も何となく分かってしまうし、「言いたいことはそれだけか?」で終わってしまった。[インターネット(字幕)] 3点(2021-01-23 11:05:35)

79.  #生きている 《ネタバレ》 ゾンビ映画お決まりの限定空間サバイバル劇だが、SNSとドローンを駆使するネットゲーム好きの高校生が主人公というのが極めて現代的。映画の大半は自宅マンションに篭もらざるを得ない状況で、コロナ禍でステイホームにならざるを得ない現実の世界とリンクする。食料がなくなり、水も電気も止まる。その割に風貌があまり変化しないし、噛まれても仕方ない状況なのに最後までヒロインと助かるご都合展開が目立つが、適度な恐さと緊張感と勢いで飽きずに見られたことを評価したい。98分の上映時間で気軽に鑑賞できるのも良い。[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-23 10:22:44)

80.  ソウルフル・ワールド 《ネタバレ》 『インサイド・ヘッド』を手掛けたピート・ドクターだけに、哲学的・宗教的世界観が強めながら、噛み砕き分かりやすく違和感なくアニメーションに落とし込む。ただしストーリーの詰めの甘さが目立つ。数が合わないのは過去に一度もなかったのかな? ジョーみたいなイレギュラーは過去にもいただろうし、22番を救った特例で元の世界に戻れるのは都合良すぎ。穏便に済ませることができる話を拗らせている悪癖も目立つかと。それならもっと尺を割くべき個々のエピソードもあったはずだ。何気ないシーンの美しさ、かけがえのなさを切り取る手腕が素晴らしいだけに残念に思える。夢を叶えても破れても、生きる理由は問わない、ただここにいるだけで良い、はありきたりだろう。分かってはいるけど、それを言ったら負けな感じすらある。それだけ勝ち組社会に洗脳されている、自己肯定感低すぎて満たされなかったというのもあるけれど。[インターネット(吹替)] 6点(2021-01-12 19:36:09)(良:1票)

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