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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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821.  リトル・マーメイド(1989) ディズニー・プリンセスの中で最も等身大の女の子。我が娘のお気に入りプリンセスでもある。性格の良し悪しではなく、キャラクターの魅力はたしかにずば抜けているかも。お話はアンデルセン童話とは全く異なるハッピーエンドのミュージカル。べつに悪くはない。ただ、うちの娘は一度気に入ると、同じものばっかり観続ける(『となりのトトロ』『アラジン』が最長期間のヘビーローテーションでした)んですが、これはいっしょに観ててちょっと飽きたかな。たぶん絵が単調なんだろうか。例えば『アラジン』の空飛ぶ絨毯の動きの繊細さとかジーニーの表情の豊かさだとかって何度観ても楽しめるんだけど、『リトル・マーメイド』にはそういった絵の魅力が乏しかったような。せっかく人魚の尾ひれとかセバスチャンの動きとかアニメーションとしての見せ所の多い設定なのに。鑑賞環境は字幕版も観ていますがオリジナル音声が思い出せないくらいに吹き替え版を観まくってますんで「吹替」にしときます。[DVD(吹替)] 5点(2008-03-14 14:51:00)

822.  海底二万哩 幼少の頃に観たときって、物語が楽しいというより、海の中のいろいろに、へえー、へえー、と感心しているという感じで、それはそれで楽しんでいるんだろうけど本当に楽しいのは「ウルトラマン」とかアニメなわけで、これはたぶん大人向きなんだと思ってた。で、大人になってから観ると、なんだろう、やっぱり子供向けじゃない。画面はなんとなく子供が喜びそうなもので溢れている(ノーチラス号の造形なんて最高!)んだけど、人間がいちいちその内面の葛藤を含めて実にリアル。ある意味すごくマジメに作られている。これを観る子供をガキ扱いしていない。だから単純にノレないところもあるんだけど、これはエイ!ヤー!と楽しむ作品じゃなく、感心したり驚いたり考えたり意味がわかんないところは悩んだり誰かに聞いたり時々興奮したりという子供向けの高尚な映画なのかもしれない。たぶん考えすぎですけど。とにかく誠実さは伝わる。その誠実さにおいてリメイク作は最悪なのでくれぐれも鑑賞する際はこの1954年版をよろしく。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-13 11:08:19)

823.  ホーンテッドマンション(2003) アトラクション「ホーンテッドマンション」は怖さよりも神秘さや優雅さを幽霊に吹き込んだ、子供も楽しめるお化け屋敷なわけだが、映画も当然目指す方向はこの「子供も」というところになるんだろうけど、ただ単に「怖くない」お化け屋敷になっちゃったって感じ。原因は明白でエディ・マーフィーという個性におんぶにだっこの映画だから。「怖さ」を取り払うために「笑い」を持ってくるのはいいのだが、全部エディ・マーフィーのコメディアンとしての立ち振る舞いにお任せ状態。しかもキャラクターとして映画を引っぱったカリブの海賊スパロウ船長に対し、こちらはひたすらコメディアン・エディ・マーフィーが引っぱる。演出としての笑いは皆無。怖くもなければ面白くもない。神秘的でもミステリアスでもない。ドキドキがあってもあまりにお決まりのパターン。大人どころか子供にも受け入れられんでしょう。客をなめとる。[DVD(字幕)] 1点(2008-03-12 12:24:23)

824.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト お話は前作の続きで前作からの伏線の回収があるし、完結せずにいいところで終わっちゃってるうえに三作目につながる伏線らしきものが気になってしょうがないしで、お話的には単品だとチトきついかなとも思うんだけど、個人的にはシリーズで最も楽しめた作品。前作でも元々目的の異なる登場人物たちが結果として同じ方向へと行動してゆく様が面白かったのだが、今回はその目的の違いが明確で、そのことから起こる敵味方の曖昧なラインが登場人物たちの関係をよりスリリングに、より楽しくしている。人食い族から逃げるスパロウの笑わせながらピンチを脱するその洗練された古典ギャグの応酬に大満足。スパロウ、ターナー、ノリントンの三者によるお笑いをふんだんに取り入れた剣の戦いも良かった。シリーズものの辻褄合わせの部分が少々退屈であったりするが、三作目に比べればそれも必要最低限。これはなかなか天晴れだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-11 14:06:57)

825.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 かのアトラクションからここまでの物語を作り上げてしまう創造性に恐れ入りました。また続編への伏線を残しながらもこれはこれでちゃんと完結しているのもウマイ。ま、失敗したときのための戦略なんでしょうが。また、呪われた海賊たちって言わばゾンビなんですが、怖さよりもコミカルさを前面に出し、月の灯りに照らされてそのグロテスクな容姿をさらけ出したときはさらにそのコミカル演出をパワーアップさせて、けして切羽詰らない、どこか楽しい戦いを見せてくれる。へたすりゃ、本来怖いはずのところをスカされたわけで、チープ感こそが漂ってもおかしくないのだが、コミカルな部分を多く担わされているデップ=スパロウが徹底してズルくて自分勝手で自由奔放で酔っ払いで天然でだらしなくて汚くて体の動きがいちいち変で、でもキャプテン、というキャラを完璧にこなしていることでむしろゴージャス感まで漂っている。けっこう楽しめた。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-10 15:09:42)

826.  ヤンヤン 夏の想い出 ヤンヤンの学校でのエピソード、姉の恋、祖母の意識不明、母の失踪、母の弟の新婚生活と仕事、父の青春、、、それぞれが丁寧に繊細に描かれる。どのシーンも省けない。物語上では省けても、一つ一つのシーンが愛おしくって省きようがない。ひとつのセリフにドキッとさせられたり、なにげない動きに優しさを感じたり、ちょっとした沈黙に考えさせられたり。そして、けして哲学的には語られないけど、この映画に人生が凝縮されているような気がする。男と女のドラマがそれぞれ展開される。興味と好奇心、信頼と裏切り、出会いと別れ、嫉妬、セックス、生活、夢、、、。そして家族が描かれ、年齢を重ねることが描かれ、「死」が描かれる。ヤンヤンにとって祖母は「知らない事を聞くと教えてくれる」人。「生きる」ということは知らないことを少しずつ知ってゆくこと。不思議な魅力を発散するイッセー尾形がその強烈な個性とは裏腹に、この美しく、そして優しい映画に奇跡的に染まっている。[DVD(字幕)] 8点(2008-03-07 16:29:36)(良:2票)

827.  乱れ雲 話が進むにつれ司葉子がどんどん綺麗になってゆくのは錯覚でもなんでもなく演出でしょう。どう見たって綺麗になっていってるんだから。そこにはいろんなことからの開放と、やっぱり恋する女は美しいってのを表現しているのだろう。そしてどことなくお堅いイメージのいいところの奥様が、世間体を鑑みると許されるはずもない男へ情愛を持つというのが、いや、もちろん司葉子は凛とした立ち振る舞いを維持するのだが、なんというか、常識ある大人の女と、単に男に対して存在する女、との戦いがキリリとした顔の下でなされているのかと思うだけでゾクゾクしてしまう。メロドラマとしてはありがちな展開だけど実際にはそうそう無いだろうお話を、美しいロケーションも手伝ってリアルなお話とする。しかしけして美しい十和田湖も熱気がこもる車内も激しい雨も、お話をリアルにするためにあるのではなくて、全てメロドラマのためにある。その中で女だけが、司葉子だけがリアル。そこがたまらない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-03-06 13:33:00)

828.  サラバンド 《ネタバレ》 ベルイマンはこの『サラバンド』より20年も前に『ファニーとアレクサンデル』という遺作を送り出している。映画で出来ることは全てやったと映画界から引退し、テレビと演劇をその後の活躍の場に選ぶ。それよりももっと前からベルイマンは映画よりもテレビに興味を持っていた。芸術をより多くの人たちのものとしたいと考える彼にとって映画が大衆性を損ないつつある中で、より大衆性の強いテレビというメディアに可能性を求めたのかもしれない。 しかし彼は映画に帰ってきた。年齢からしてもおそらく本当の遺作となるだろうことを覚悟したうえで、彼は最後の最後に映画を選んだのだ(そして本当に遺作となった)。しかもスウェーデン国内で社会現象まで起こした“テレビ”ドラマ『ある結婚の風景』の続編を“映画”で。さらに最新のデジタルハイビジョンで。 何故、映画に戻ってきたのかは知らない。メディアとしての可能性が映画にあると考えたのか、ただ映画が好きだったのか。とにかく映画に帰ってきたことに素直に感謝し喜びたい。 この作品が描くのはベルイマンが描き続けてきた「家族」であり「愛」である。親と子の関係が映画の中に3つあります。物語のメインとなる親子は、親の子に対する独りよがりな愛でもって子を不幸にする。この親の父、つまり『ある結婚の風景』の主人公でもあった親とその子(つまり先の親子の親)は本心から憎みあっている。そのはずなのにあることが起こって父は夜も眠れずに震えて泣きじゃくる。体が反応する。子を愛していると。それらを見たリブ・ウルマンが病気の子供を訪ねる。親は子を、子は親を本能的に愛している。夫婦の間にあるものとは全く異質にして絶対的なもの。どちらの愛も時には喜びをもたらし時には辛さをもたらす。ベルイマンの哲学でありこの世の心理。 『ファニーとアレクサンデル』はたしかにベルイマンの集大成であったと今尚思う。 一方で『サラバンド』はベルイマンの思想的・哲学的集大成なんだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-05 13:06:29)(良:1票) 《改行有》

829.  赤線地帯 女5人それぞれの全く異なるキャラクターを描き分け、5人ともがそれぞれのカタチで社会に翻弄されてゆく姿を見せてゆく。赤線が舞台というなかで、最も肌を露にする京マチ子にも人気ナンバー1の若尾文子にも艶っぽさは見当たらない。ところが病気の夫と赤子を抱えて疲れきった表情をして生活臭がプンプンのうえにあえてメガネをかけさせて艶っぽさを排除したかのような木暮実千代が妙に艶っぽい。『祇園囃子』のような艶っぽさじゃなくてもっと生々しい艶っぽさ。結婚を決意して赤線から逃げ出そうとする女に対し、木暮実千代の夫が「こんなところに帰ってくるなよ」と送り出すのはいいが「こんなところ」「最低の場所」といった言葉が執拗に繰り出される。自らの病気のためにその最低の場所に女房を働かせに行かせておいて。病気とはいえ、なんとも身勝手で情けない男。ラーメン屋のシーンでも二人の立場が象徴的に描かれている。5人ともに降りかかるそれぞれのドラマがきっちりと描かれ、その一つ一つが当時の社会と女性の立場を露にしているのだが、溝口監督はその中でも木暮実千代のシーンを重要視して撮っているような気がしてならない。それほどに木暮実千代は誰よりも不幸なドラマを持たずして誰よりも不幸な境遇にあり、誰よりも現実に生き、誰よりも強く描かれている。だから艶っぽくて美しいのだと思う。溝口健二の遺作。溝口の現代劇をもっと見たかった。[映画館(邦画)] 7点(2008-03-05 12:57:30)(良:1票)

830.  今宵、フィッツジェラルド劇場で 《ネタバレ》 誰かが楽屋で話している姿が映され、次のカットに移る。次のカットにはその前のカットの話し声が遠くに聞こえる。誰かが歌っている姿が映され、次のカットに移る。次のカットにはその前の歌声が流れている。例えば、群像劇のお手本のような『ショート・カッツ』は大袈裟に言うならば編集作業でどうにでもなるような気がするが、皆が皆、同じ場所にいるこの『今宵、フィッツジェラルド劇場で』でこそ、音と光のコントロールを駆使し、編集の選択の限られたアルトマンの群像劇を堪能することが出来るかもしれない。さりげないけどお見事。お話はひとつの時代の終焉を描いている。そこに誰かをこの世から連れて行こうとする天使が現れる。まるで「遺作」であることを前提に作ったようなお話だ。結果として本当に遺作となったこの作品はあまりに遺作らしい作品になっている。人間の本質をちょいと毒を効かせて語ってきたアルトマンが、今度は毒のフリをした心温まる調味料をふりかけている。ラストの天使を見やる皆の表情がいい。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-03 11:36:56)

831.  ヨコハマBJブルース 松田優作の希望で工藤栄一が監督に抜擢されているが、優作代表作であるテレビドラマ「探偵物語」でも彼は工藤監督を推していたらしく(スケジュールの都合で実現せず)、念願叶ってといったところか。優作のハードボイルドぶりも実に様になっているし、本人の歌声もなかなかのもの。しかしこの作品で最も評価すべきは工藤監督の演出だろう。これまでの優作主演の映画のようにアクション俳優・松田優作をカメラが捉え続けるのではなく、うらぶれた夜の街並み、昼の都会の喧騒、絵になる港町といった「ヨコハマ」こそが主人公のように見事に映し出され、その映し出されたものの中にポツンと人間が映ってるというぐらいの撮り方で、割と遠めのショットを多用している。アクの強い優作とのバランスもいいし、何より映像が美しい。傑作と言ってもいいかもしれない。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-02-29 14:44:00)

832.  その後の仁義なき戦い 『仁義なき戦い』を頂点とする実録ヤクザものも、この頃には人気も廃れていたと思うのだが、深作とは違った味付けで全く新しい『仁義なき戦い』を作り上げていると思う。後半、終わりそうで終わらない展開にヤキモキさせられるが、例えば根津甚八がラストあたりで白いスーツを着込んでピストルを大量に隠し持ち、その姿を延々と鏡に映しているという、ここにきてえらく無駄に長いなあと思わせられるシーンがあるんだけど、そのシーンが、もうカタストロフィーに溢れまくっててけっこう好きです。ホント、この映画は終盤がいい。前半は松崎しげるが鬱陶しいってのもあるんだけど。あと、原田美枝子がいい。この頃の原田美枝子がただ好きだっただけかもだけど。実際テレビシリーズの「北の国から」は、純の学校の先生役で出てた原田美枝子だけが目当てで見てましたから。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-02-28 15:10:21)

833.  十三人の刺客(1963) 東映の娯楽時代劇をコンスタントにこなし、実際この年だけでも4本の映画を送り出している工藤栄一だが、映画会社からしてみれば、どちらかというと扱いにくい監督だったのだそうです。大枠では映画会社の意向に沿ったかたちで作られてはいるものの、当時の娯楽作にしては相当の後味の悪さを残すのが工藤監督の味付けだったからです。この作品では、剣の実力ではナンバー1と思しき武士のその鍛錬と精神集中を存分に見せた後に露呈させる無様な死に際だろう。しかしこのスッキリしない部分こそが魅力の監督でもあります。豪華キャストによる大殺陣はまるでエキストラによる農民一揆のようで、どうみてもかっこいい戦いは存在せず、唯一最後に見せるおそらく映画会社が求めるところの片岡千恵蔵と内田良平によるかっこいい武士道対決が反対に空々しかったりする。あと、里見浩太郎と丘さとみの美男美女コンビも妙に浮いている。甘いマスクが作風と合ってない。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-02-27 13:16:00)(良:1票)

834.  忍者秘帖 梟の城 下のお二人のおっしゃるとおり、断然リメイク作品よりも面白い。大作映画にありがちな大味な見せ場や若い男女のさむいちちくり合いが格を落としてしまっているが、複雑な物語をシンプルに構成し、忍者の忍者たる行動の一つ一つを遠目に細やかに映し出すことでブランドとしての忍者ではなく本物感を前面に出している。その本物感を増幅させるのが、やたらと多い暗がりのシーンである。人気役者の顔を映すことよりも忍者のいる風景の自然さを重視している。忍者同士の戦いにおけるアクションシーンもなかなかのもの。なんと一瞬ですがワイヤーアクションもあります。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-02-26 13:36:54)

835.  変幻紫頭巾 マキノ正博監督、阪東妻三郎主演で映画化されたもののリメイクなんだそうです。フィクションでありながらいつも悪役として実名がさらされるかわいそうな老中・田沼意次を謎の覆面武士が懲らしめる物語。実物大の雛人形、というより雛人形という名の女を箱詰めでプレゼントされる田沼は滅法エロくも描かれちゃう。登場人物が多いにもかかわらず実に分かり易いストーリーは加藤泰の功績か? ニヤリとする口元超どアップはこの頃の他の工藤栄一作品にも見られるんだけど、あまりのどアップ過ぎに笑ってしまった。あと、忘れちゃいけない、花魁・花紫を演じる丘さとみがメチャきれい。花魁という役柄もあるんだろうけど、この頃の丘さとみの中じゃ一番だと思う。[映画館(邦画)] 7点(2008-02-25 14:19:30)

836.  誘う女(1995・米) 目的のためには体も武器にするし人も殺す女。目的意識がはっきりしているから罪悪感を感じることもない女。その目的ってのがたかだかテレビに映りたいというだけのたわけた女。こんな女が実際にいればコメディだ(殺された人からすれば、そうも言ってられないだろうけど)。そしてガス・ヴァン・サントも当然コメディタッチでこのあっけらかんとした悪女を描いてゆく。文章でこう書くとコーエン兄弟の映画のようでもあるが、ガス・ヴァン・サントはひたすらシンプルに、そしてひたすら主人公にのみスポットを当て続けることで、コーエン兄弟とはまた違ったシニカルさを作品にもたらしている。いかにも外見だけで中身のない女を二コール・キッドマンがこれ以上ないほどに魅力的に好演。そして監督も二コールの魅力的な美貌を最大限に活かしきっている。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-22 14:11:28)

837.  サイコ(1998) まずは窓枠をカメラが通り抜ける有名な冒頭シーンをどう撮っているのかニコニコしながら観る。多くのリメイク作品は物語のプロットを拝借しているだけなのだが、おそらくこれはヒッチコックの独自の演出部分を今風に撮るというリメイクなのだろうと思って観たわけです。まさか構図からカット割まで同じだなんて知るよしもなく。でもまあ、ヒッチコック演出のリメイクというところでは正しくそのとおりで、他の某ヒッチコック作品のリメイク作のように電話の形体を変えるとか、どんでん返しを付け足すとかという安易なリメイク作品よりはずっと楽しめました。殺される役は当然ブロンド女優ということでアン・へッシュが抜擢されてましたが、オリジナルでは叶わなかったシャワールームの死体を上から撮った画がバーンとありました。このケツ丸出しの不恰好な死に様をバーンと見せるというのはヒッチコックのブロンド女優いじめに倣ったのでしょうか。それでいて同じ役なのにジャネット・リーがアカデミー賞にノミネートでアン・へッシュがラジー賞にノミネートってなんともかわいそうな。ナイフをザクザクと刺すシーンや探偵が階段から落ちるシーンなどの、そのことを強調するシーンはカラーになると虚構性まで強調されていて面白い。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-21 14:33:11)

838.  ジェリー いろんな解釈ができる?うん、まあ解釈は自由ですけど、ガス・ヴァン・サントは観客をどこかに導こうとしているわけでも何かを言いたいわけでもなく、解釈の自由を提供しているわけでもないと思う。観客には何も求めない。ということは商業映画にあらず、まさに実験映画。二人の男が歩く。だだっ広い荒野をひたすら歩く。その姿を延々と撮る。それだけ。その中から画面に「何か」を出現させる試み。二人がまだ危機感を覚えない初日に走るシーンがあるのだが、完璧に二人を収め続けるカメラの異様なまでの滑らかな動きに一種の恐怖感を感じる。何をも見逃さないとするカメラ。雲が流れる空、光の度合いの変化、それでも何も起こらない、そんな中で響く足音は恐ろしいまでに二人の不安を、あるいは焦りを見せ付ける。広大で美しい絶景はそのあまりの広大さと美しさによって絶望を見せ付ける。とんでもない作品である。この作品は後年、ガス・ヴァン・サントを初期ガス・ヴァン・サントと後期ガス・ヴァン・サントに分ける記念碑的作品になる。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-20 13:15:06)

839.  エレファント 日常が非日常の世界に変わるその瞬間に向かって淡々と流れる時間。しかし日常の中にすでに事件が始まっていることを、数人の生徒が学内を歩き回る姿を延々と追いかけるカメラが映し出している。存在を誇張されるアメリカン・フットボールの選手たち。存在を認めてもらったように嬉しく写真に収まる人たち。存在を否定されるメガネの女の子。他人の存在を無慈悲に否定する三人のバカ女どもの自意識過剰ぶり。そして存在の確認を銃によって証明する者・・。コロンバイン高校銃乱射事件を題材に持ってきているため、当然ながら社会派の色合いが出ており、それゆえに各映画祭での好評を得ているのだろうし、その語り口も巧いとは思うものの、個人的にはこの社会派の部分は蛇足に感じていたりもする。それほどに『ジェリー』以後のガス・ヴァン・サントの映画は、思想だとかメッセージだとか実際に起こった事件の記憶だとかそのことに対する意見だとかを無視しても、単純にそこ(画面)に映っているものだけで映画が成り立っており、またそこに映っている全てのものの相乗効果でもって緊張感やら孤独感やらといった目に見えないものを表現する。「エリーゼのために」は印象的ではあったけど、これも要らないかもしれない。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-19 13:15:17)(良:1票)

840.  ラストデイズ(2005) 《ネタバレ》 男が森を歩く姿が延々と映される。いや、歩く男がいる森が延々と映される。その森はもちろん美しく撮られているんだけど、それ以上に妙な緊張感をはらんでいる。何かが起こりそうな。『エレファント』に次いでこれもまた『ジェリー』の遺伝子を露骨に継承する。しかし上記2作品のような「陰」のイメージが現れそうで現れない。ひたすら「孤独」ではあるのだけど。そして「陽」のイメージがところどころでフッと現れたりする。作中の主人公はラリっているようにも見えるが、その奇行ぶりはドラッグによるものというよりも天才ゆえの奇行として描かれているようにも感じる。そこにヴァン・サントのカート・コバーンへのリスペクトを感じる。謎に満ちた男の死を興味本位で語らない。貶めない。ただ死ぬだけ。マイケル・ピットがものすごく様になってた。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-18 17:06:43)

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