みんなのシネマレビュー |
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841. アメリカン・ピーチパイ 《ネタバレ》 昔テレビドラマであった『花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス』と同じプロットですね。 向こうは陸上だった記憶があるけど、こっちはサッカー。しかもサッカーをするのは自分。動機はサッカー女子を馬鹿にする元カレを見返したいという超くだらないもの。手段は双子の兄のふりをして、ライバル校へ入学。そしてサッカー部へ入部。はっきり言って超自分勝手な主人公。こんなはた迷惑な話はありません。 ですが、これが面白いんだから、見せ方、脚本がうまいんでしょうね。更には主人公が可愛いうえにおちゃめなので、素直に応援したくなります。タイプ的に言えば、ヴァイオラ演じるアマンダ・バインズはリンジー・ローハンと同じ系統かもしれません。 アイデアは奇抜なのですが、演じる人たちは主役から脇役から恋敵から両親まで、ぜーんぶステレオタイプ。デュークは絵に描いたような好青年。オリヴィアは恋敵としてパーフェクト。元カレのジャスティンはわかりやすくヤな奴。兄の元カノはわかりやすいトラブルメーカー。斬新なテイストと、ベタな登場人物たちの相性が凄く良くて、なかなか良い味を出しています。 ただ本来の目的であるサッカーが、結構早い段階から脇に追いやられてしまったのはちょっと残念。遊園地の入れ替わりなんか凄い面白くて、コメディパートは文句なしで良い仕上がりです。で、それをふまえても、もう少しこの作品はサッカーメインで見たかった気もしますね。[DVD(字幕)] 7点(2017-06-28 04:22:16)《改行有》 842. アンダーワールド/エボリューション 《ネタバレ》 『1』よりかは面白かった。理由ははっきりしています。今回は『超能力バトル』を最初から期待していなかったからです。前作での教訓が活かされたのです。ですから、マーカスがあんな姿になっちゃって、飛び回っちゃうだけでテンション上がります。『そうそう、そーゆーのが見たいんです。』と、これは心の声。 前半での『マーカスVSセリーン・マイケル』は、この作品のハイライト。トラックを走らせながらのバトルは手に汗握る展開。目が離せません。この作品、バトルが結構面白いです。『タニス御殿』での地下バトル。『マーカス・ウィリアムVSセリーン・マイケル』のラスボス戦も、なかなか良い。『なんだかんだ言ってラスト力技じゃねーか。じゃあ、あーだこーだ言っていた今までのドラマ部分ぜんぶいらねーじゃん。』といご指摘もあるかと思いますが、驚くことにそのとおり。まったくもって蛇足なんですよね。 ストーリーの面白さは、ときに『アクション』や『ホラー』の魅力を加速させます。ですが、この作品では、ストーリーが説明過多になっているため、間延びや中だるみが起こっていると思われます。 『マーカスとウィリアムは兄弟。』 『マーカスはヴァンパイア、ウィリアムはライカン。でもマーカスは弟ウィリアムが大事』 『ウィリアムを助けたいマーカス、そうはさせないその他大勢』 実際これだけのことなのに、もったいぶった台詞まわし、もったいつけたストーリー展開で、無意味にわかりづらくしています。 もともと画面も雰囲気も暗い本作。だからこそストーリーは単純明快にしちゃって、純粋にアクションやホラー演出を楽しめるようにしたほうが良かったんじゃないかな。 アクションは最高。ドラマはいまいち。ラブシーンはいらん。セリーンは美しい。以上です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-06-24 00:01:37)《改行有》 843. ソウ 《ネタバレ》 前半かったるくて、中盤少し面白くなってきて、後半俄然盛り上がるソリッドシチュエーションスリラー。 こーゆー閉鎖的な空間でのホラーって、低予算でハイリターンとれそうだから、いいですね。 見る前は、『追い詰められた人間の狂気』、そういうものを見れると思っていました。ですが蓋を開けてみると、意外と普通。それもそのはず。雰囲気、プロットは『ホラー』であり『サスペンス』なんでしょうが、どうもこの作品、『ミステリー』の要素が大分強いと気付きます。ですから登場人物はいたってまとも。アダムもローレンスも人道的で理性的。そして常識人。シチュエーションはパンチが効いていますが、ストーリーはかなり正統派のミステリー作品で、手堅く作ってある印象です。予想とは違った種類の面白さでした。 ですから、恐怖感よりむしろ、あまりにも汚い空間への嫌悪感が先にきます。 私は、グロ耐性はあるのですが不潔耐性は全然ない。バスタブ、トイレ、何もかもが汚すぎ。ノーマルな自分でさえ引くくらいですから、潔癖症の人はマジで見ないほうが良いでしょう。『何が出るかな、何がでるかな』で、トイレに手ーつっこむんじゃねーって、もうほんと勘弁してほしい。 それにしても最後のオチは全然予想できなかったので素直にびっくり。それに他の方の解説レビューを読んでて『アダムが一部共犯説』という意見を見て、二重にびっくり。『あーそーゆーことかー。』と思いはするものの、何だろう、真相がわかったときの『すっきり感』がいまいちしない。考えてみるに、私にとってこのストーリーがたいして面白くないからだと思います。 だって、『ジグソーの、死ぬまでにしたい10のこと』に、つきあわされただけですもんねぇ・・・。[DVD(字幕)] 7点(2017-06-08 10:23:55)(良:2票) 《改行有》 844. ミニミニ大作戦(2003) 《ネタバレ》 スパイじゃないけど、テイストはスパイもの。 チームのメンバーが『リーダー』『金庫』『パソコン』『ドライバー』『爆弾』、飛び入りで『メカニック』と、最小限に抑えたのは良かったですね。とは言え、ジェイソン・ステイサム以外のメンバーもめっちゃ運転上手くて、彼の個性は殺されちゃっています。 冒頭でドナルド・サザーランドがあっさり退場しちゃったのも凄く残念。 そしてエドワード・ノートン。素晴らしい小物っぷり。頭は良いが、意志が弱く、信念がなく、銃と暴力に頼り、スマートさの欠片もない。なんてわかりやすい小悪党。彼がしょぼければしょぼいほど、チャーリー一味のスマートさが際立ちます。 それに、今作のノートンは良い意味で存在感をノーマルにしてくれたので、最初気付きませんでした。正確に言うと、『誰だっけこの人?』くらいの感じです。逆に、なぜかジェイソン・ステイサムのほうが裏切りそうな人相していたので、最初のサプライズはものの見事に、はまりました。もしかするとこのサプライズに驚いていたのは日本で私だけかもしれませんが。 まあなかなか良作だとは思いますが、『スパイもの』としてはいたって平凡。突き抜けたところはありません。 無難にそつなく、面白くなってはいますが、映画そのものが『ミニミニ大作戦』といったところでしょうか。 キャストが豪華メンバーなので、内容的にはB級でも、雰囲気的にはA級のオーラでまくりです。 ラストはこれ以上ないくらいすっきりとした仕上がりで、良いんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2017-06-06 05:00:07)(良:1票) 《改行有》 845. 旅するジーンズと16歳の夏 《ネタバレ》 オムニバス形式に近い構成のドラマですね。 4人のエピソードはそれぞれに独立していて、直接交じり合うことはありません。 ジーンズに添えられた手紙を通して、お互いの話を聞き、共感し、時には背中を押してあげます。ただそれだけ。 それは現実世界にはわりとよくある話。それに、4人のドラマが交錯することがない以上、シナリオとしての面白さはありません。 また、映画としてスケールが大きいわけでもありません。 はっきり言って、『なぜわざわざこんなものを映像化するの?』という内容です。 ですが、なぜか目が離せません。 こんな地味なエピソードの羅列に、ずっと興味をそそられっぱなしです。不思議なものです。 リアルを感じさせるストーリーというのは、ともすれば『退屈』と紙一重。本作は主人公一人一人が『よくあるプロット』の中、真剣に考え、悩み、行動し、それぞれの答えを探り当てていくので、そこに深い共感を覚えるのかもしれません。また、4人の友情は本物で、こそばゆくもあるのですが、見ていて気持ちが良いんです。 ティビーのエピソードは『病気で死ぬ少女』をだしに涙をさそうあざといものです。ですが少女と接するティビーの姿が非常に良くて、素直に感動します。 カルメンの『父親とその新しい家族』に対して思いをぶつけるエピソードも良い。『ドレスの試着でキレるシーン』『父親への電話シーン』など涙をさそうのですが、何といっても『石を窓にぶつけるシーン』、これが素晴らしい。自分を探しているのかと思ったら、自分のことなんかそっちのけで家族団らん楽しむファミリー。言葉ではなく映像で、カルメンの心の傷が手にとるようにわかってしまうのです。 ストーリーとして面白いのはこの二人でしょう。 リーナとブリジットのエピソードは第三者が見て面白いものとは言い難いです。 ですがリーナを演じるアレクシス・ブレデルが驚異的な可愛さ。ストーリーなんかどうでもよくなります。 ちょっと評価が難しいですが、主役の4人がそれぞれ良い個性を出しながら、その友情も見せてくれるので多分良作。 ただ映画として突出した部分がないのも確かなので、見る人によっては凡作かそれ以下になるのも致し方ないでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2017-05-28 12:11:26)(良:1票) 《改行有》 846. ガメラ2 レギオン襲来 《ネタバレ》 『ギャオス戦』から1年くらいしか経っていないのに、映像技術に凄い差を感じるのは気のせい? 今作における『ガメラ初登場の飛行シーン』、『小型レギオン初登場のホラー演出』、今までの怪獣映画の中で、この2つのシーンのクオリティは群を抜いていると思うのです。 そして『レギオン』、素晴らしい敵ですね。『怪獣』と『エイリアン』を見事に融合させた造形とその高いスペック。ガメラのライバルとして申し分なかったと思います。思うに、理想的な敵とは、主人公(ガメラ&人類)より『ちょっとだけ強い』ってのが大事ですね。そして多様性。この2点をクリアしている『レギオン』は歴代怪獣の中でも最高傑作と言っていいんじゃないでしょうか。 まずは『小型レギオン』の造形と攻撃力。『怪獣はでかいもの』『人間では太刀打ちできないもの』という常識を根底から覆しているその発想の柔軟性が素晴らしい。その小ささから、ガメラでは手に負えないが、逆に人間には倒せちゃうっていうのは、今までの怪獣映画にはなかったプロットです。『ガメラ』と『人間』による、本当の意味での『共同戦線』。こーゆーのがぜひ見たかったんです。 更には大爆発とともに種子をとばす、時限付き核爆弾のような『草体』。多彩な攻撃、鉄壁の防御、圧倒的な強さでバトルを盛り上げる『大型レギオン』。そんなレギオンたちに何度もやられながら何度も立ち上がるガメラの痛々しいこと。 今作のガメラは、『小型レギオン』にやられ、『草体』の爆発にまきこまれ、『大型レギオン』に一度はコテンパンにやられてしまうという、痛々しさが半端ないんです。多分シリーズ中最も血を流している作品です。そこには『プロレス』にも通じる、相手の攻撃を真っ向から受け止めるというかっこよさを感じるのです。 いよいよクライマックス。いったいここからどうやってガメラは勝利を掴むのか・・。どきどき・・・。 ・・・っておい、マジンガーZかよ、っていう必殺技。そしてラスト飛び立つとき、なぜか回転ではなくてロボットのようなジェット噴射。最後の最後で、なんかがっかり。いや、これね、ゴジラシリーズだったら全然良いんです。ガメラだから、なんかこんなんガメラじゃないっていう、そーゆーがっかりなんですよね。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-05-23 11:04:24)《改行有》 847. バタリアン 《ネタバレ》 子供の頃、それはそれは怖かったのを覚えています。トラウマになっちゃうシーンも数多く。 ですがこれって、『コメディ』に分類されていることが多くて、『まじかよ。日本人、すげーな。』ってずっと思ってたわけです。 そこで、今回意を決して、過去の弱かった自分と決別すべく、30年ぶりの鑑賞。 なるほど。確かにコメディ要素がありますね。子供の頃は怖くて、それどころではありませんでしたが。 ある意味思い出補正というやつですね。今見ると、グロさ、怖さもさほどではありません。 ですが、大勢のバタリアンに追い詰められるスリル。仲間が少しずつバタリアンになっていく緊張感。古き良きホラー映画の大事なポイントはしっかり押さえてあります。 その一方で、『救急車もう一台』『応援たのむ』と罠をはるバタリアン。道具を使って扉を開けようとするタールマン。斬新な笑いどころが随所にちりばめてあります。 確かにホラーとコメディ。相反する二つのジャンルのトータルバランスが優れている良質ホラーと言えそうです。 『オバンバ』や『タールマン』など、知性はなくても個性を与えられたゾンビがいるっていうのも、この作品ならではでしょう。 それにしても、『走るゾンビ』って『28日後・・・』が初めてかと思っていましたが、この映画、もうすでに走っていますね。しかもしゃべる。ホラー映画のパイオニア。ただし、今の映画みたいにゾンビメイクが凝っていないので、あんまり元気に走り回られると、もはやただのスタッフにしか見えないのが難点です。 『自ら焼却炉の中に入っていく。』『てぃ~な~』『あの音はなんだ・・・』クライマックスでたたみかける絶望テイストはなかなか良いと思いマス。今振り返ると、キッズだった自分はこのたたみかけがトラウマになっていました。さよなら、幼かった私。今見ると、『怖い』『面白い』より、やっぱ『古い』って思っちゃう。最恐の映画『バタリアン』も、時の流れには逆らえないみたいです。 あと1点だけ。この作品って、実は低予算なんでしょうか。『悲劇は繰り返す』の大事なオチの部分が、他のシーンの使いまわしだったのは正直残念です。[DVD(字幕)] 7点(2017-05-14 10:42:36)《改行有》 848. スタンドアップ 《ネタバレ》 『がっつり法廷もの』を想像していたのですが、予定とは少し違う内容でした。 一人の女性が労働者としての正当な権利を獲得するまでの『プロセス』を、職場、友人、家族を通して描いたものですね。 見応えのある作品です。その一方で、精神的にやや疲れる作品でもあります。なにせ、全体の8割は、主人公のジョージ・エイムズと共に四面楚歌状態を体験しなければならないのです。見るときには気力が必要。くたくたになります。 もちろん、その抑圧された空気は、後半のカタルシスへと一気に昇華されるので、後味は悪くありません。 やや卑猥な発言や、ちょっとした落書きなどは、個人的にはイタズラ程度で済まされそうなもの。後半はエスカレートしてきますが、それもジョージーの過剰な反応が招いたものという気がしないでもありません。ですが、それでも後半のジョージーに対する仕打ちは相当なもので、絶対に許されるものではありません。 ややヒステリックで、『自分だけがかわいそう』なジョージーが感情を抑制できずに、周囲を傷つけるため、前半はジョージーにも共感できません。父親も同様です。 だけどストーリーが進むにつれ、過去の真実、父親の本心が明らかになり、いつの間にかジョージーたちに同調している自分がいます。 ボビー・シャープの心変わりが唐突だったり、ジョージーの家庭を壊す要因となった高校教師はそのまま放置されたりと、もやもやしたり気になったりする部分は結構あります。 そういった点をふまえたうえで、ラスト、法廷で皆が立ち上がるシーンは心にぐっとくるし、いつの間にか泣いていたので、やはり良い映画なんだと思います。[DVD(字幕)] 7点(2017-05-12 08:52:33)(良:1票) 《改行有》 849. ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 アクションは最高。スピード感あり、テンポも良い。ストーリーがよくわからなくても、映像だけで楽しめることは間違いありません。 そう、途中からストーリーがよくわからなくなります。 作っている人たちも、実は途中からわからなくなってるんじゃないの。 シュワちゃんなんか怪しい・・・。『とりあえずよくわからんが、俺はここでI'll be backと言えばいいんだな?』とか言ってそう。 私はもともとパラレルワールド、タイムパラドックス反対派なんです。 じゃないと、『過去に戻る意味がねー』と思うんですよね。 それにターミネーターシリーズにおけるタイムトラベルは、あくまで舞台装置のひとつであって、ストーリーそのものは非常にシンプルかつわかりやすく作ってくれていた印象があります。 それがこの作品は、完全にタイムトラベルとその謎解きがメインになっているような気がするのですよ。 後半はなにせ状況がよく理解できていないまま、どんどん話が展開するものですから、凄い映像見せられても何となく蚊帳の外・・。こーゆーサスペンスアクション系は、主人公達のゴールが見えないと、こちらもハラハラドキドキできないものです。 劇中ジョン・コナーが、『私達だけ時の流れの中置き去りにされているのだ』みたいなことを言うシーンがあるのですが、そうそう、まさにそんな気持ちで見ていましたよ。むしろあんたのせいだと言ってやりたい。 『1』の『T-800』にしろ、『2』の『T-1000』にしろ、『3』の『TーX』にしろ、外見は人間でも中身はロボットのあの無機質感が生み出す『怖さ』やある種の『かっこよさ』が好きだったのに、この作品ではよーしゃべりますねー。べらべらべらべら。 言葉のやりとりなんかできないのがターミネータの良さだと思うんですけどね。 映画そのものは最高級の技術で作られているであろう映像が満載ですから、そりゃあもうアトラクションとしては最高に面白いんですが、・・・もったいないなー。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-05-09 03:57:24)(良:1票) 《改行有》 850. チャイルド・プレイ/誕生の秘密<OV> 《ネタバレ》 前作から9年?10年?正統派ホラーとして蘇りましたね! チャッキーは動きだすと怖くないから、はっきり言って前半から中盤くらいまでが怖い。 動き出してからは、ただのスラッシャー映画になっちゃう。でもそれはそれでお約束なので構いません。 今回は、割と良い人が多かったので、殺されちゃうのがちょっと可哀想でしたね。 まあ何はともあれ、人形になる前のチャッキーの過去に触れることができたのは良かったかもです。チャッキーの過去を知ることで、急にドラマ性の強いシリーズになります。正直もう一回『1』から見直してみたいぐらいです。 チャッキーはゆがんだ形ではあるけれど、家族というものに、強い憧れがあったのですねぇ。 基本容赦のないチャッキーではありますが、今までのシリーズで身内に見せてきたふとした優しさにはそんな理由があったのですね。 それにしてもチャイルド・プレイシリーズでこんなバッドエンディングは珍しい。 チャッキーと関わりがあるとはいえ、ただでさえ不幸な家族を奈落の底に突き落とす結末。 悪くないけど、後味悪いなぁ。 アリス、ひとりぼっちになっちゃって可哀想。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-25 02:47:51)《改行有》 851. 最後の恋のはじめ方 《ネタバレ》 『デート・ドクター』という恋愛コンサルタント業は面白いですね。 ただ単に女性をひっかけるというわけではありません。 『本当に好きな女性とのデートを成功させる。』これが誠意が感じられて良いです。 ウィル・スミス演じるアレックス・ヒッチは、おしゃれでありながら、誠意もあります。過去の苦い経験のエピソードが、彼の人柄に安心感を与えています。 『真剣な想いを応援する。』という土台が既にあるので、アレックスがどんなにテクニックを使っても軽薄に感じることはありません。 むしろ、女性を振り向かせたい男性たちにアレックスがアドバイスすればするほど、その一生懸命さを応援したくなります。 これはキャラ紹介における演出と脚本が非常に上手なんでしょう。 個人的には、導入部分が『恋愛コンサルタント』という仕事の一番面白い部分が見えた気がします。 それ以降は、まあゆっても王道ラブコメの域を出るものではありません。『誤解』⇒『けんか』⇒『ハッピーエンド』という絶対外れないパターンを踏襲しているわけですから、あっと驚くような展開があるわけではありません。 でもそれが良い。 奇をてらわなくても、楽しい映画はいつみても楽しいものです。 アレックス・ヒッチ、サラ・ミラス、アルバート・ブレナマン、それぞれに心境の変化が起こるのも良いですね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-23 22:20:30)(良:2票) 《改行有》 852. ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 《ネタバレ》 前作に負けず劣らずのクオリティ。プロットもほぼ一緒で、前作が好きだった人は今作も十分満足できる仕上がりです。 まるで自分でアドベンチャーゲームをやっているような軽いタッチの作品。よって深みはありませんが、気軽に楽しめるお手ごろ感があります。 もちろんトレジャーハントでミステリーですから、次から次に宝につながる謎が出てきます。だけど謎はベン(ニコラス・ケイジ)がてきぱき解いてくれるので、わからなくても気にする必要がありません。筋書きさえ見失わなければ大丈夫です。 ディズニー映画はとにかくわかりやすく作ってくれるので、誰が見ても迷子にならないだろう安心感はあります。 ただ『黄金都市のありかをしめす手がかりが、ロンドンのバッキンガム宮殿と、ホワイトハウスの大統領執務室に』⇒『大統領執務室に隠されていた手がかりは既に誰かが見つけたあとだった』⇒『その手がかりのありかは、歴代大統領に受け継がれている一冊の本に書かれている可能性が高い。』⇒『その本のありかを聞き出すために大統領を誘拐』、とこの辺りの流れは手順が多いので、気をつけて見ていないと、今何をしているのかわからなくなるかもしれませんね。 キャストについては、いつもの仲良し三人組が一緒に宝探しをするのが嬉しいですね。今回はそれに加え、ベンの父だけでなく、母、それにライバル?のウィルキンソンも参加。この辺りの流れは前作同様で、楽しいです。また、前作でセダスキーが脇として良い味を出していたように、今作では大統領が良い味を出してくれています。大変魅力的な大統領です。 そしてなんといってもウィルキンソンのキャラクターでしょうか。批判も多いみたいですが、個人的には、傭兵あがりの乱暴者だけど悪人になりきれない微妙な人物像を、名優エド・ハリスが好演してくれていたと思います。 そんなウィルキンソンの犠牲は少なからずショック。 というより、この映画に『犠牲』っていります? ちょっと苦味の残る結末が個人的に不満です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-21 13:57:06)《改行有》 853. ターミネーター2 《ネタバレ》 はじめて見たのは中学生の頃か、高校生だったか・・・。当時では考えられないT-1000の流動的な映像に度肝を抜かれたのを覚えています。 その映像技術に頼りきらず、その映像技術から更に工夫されて生み出されたアクションの数々。 初見のときにはこれ以上無いくらいに胸が躍り、そして今見ても十分に面白いと感じられます。 ストーリーはどうでしょう。 テーマは大きい。『世界の滅亡』『人類の存亡』。 それに対して、ストーリーはシンプル。 1.『人類(抵抗軍)のリーダー』を『殺そうとするもの』と『守ろうとするもの』の闘い。 2.事の発端となる人物及びチップの破壊。 壮大なテーマでありながら、ストーリーは限りなく単純化したことで、大変わかりやすいエンタメ作品へと仕上がっています。 自分達が作りたいものを、誰がみても楽しめる作品へと仕上げる。これぞプロの技ですね。 ただ、子供の頃には気にも留めなかったことが、気になっちゃうのが大人であります。余計なことを考える邪念が入り込んでくるんですよね。 『T-1000』をサラ・コナー暗殺に1984年に送り込めばいいじゃん。とかね。 だからね、タイムスリップものを楽しみたいときは、『ドラえもん』を見るような温かい気持ちにならなきゃだめなんですよね。 じゃないと、中古品が新品ロボットからターゲットを守るっていうシンプルながらもアツいストーリー、そしてアクション、そーいったものを純粋に楽しめる自分ではなくなってしまったと感じ、愕然とするわけです。 ですから、今だったらはっきりわかります。 そして自信をもって言えます。 これは『子供向けアクション映画』なのだと。 それを大人でも楽しめるようにプロの技でコーティングされた傑作なのだと。 ただ残念ながら、わたくし個人としては、傑作とまではいきませんでした。 子供の頃の自分であれば、満点ですけどね。[DVD(字幕)] 7点(2017-04-18 03:48:43)(良:2票) 《改行有》 854. ブラッド・ワーク 《ネタバレ》 安心して観られる王道サスペンスの良作。 序盤から中盤にかけては謎が多く、少しずつ明らかになる事実や証拠をもとに、いろいろ考えながら見られるのが楽しいです。火曜サスペンスと同じノリですね。 で、謎が多いわりに難解ではなく、気楽に観ていても内容がつかめるので、娯楽作品として申し分ありません。 それでいて自分が事件を解決していくような爽快感も感じられます。 相棒に小切手の宛名を尋ねるシーン。 ちゃんとした推理ができていなくても、ここの『間』のとりかたやカメラワークで、何となく相棒が怪しいってわかってしまいます。 でもまだまだ楽しい。『本当に相棒が犯人なのか?』って期待しながら見れるので。 ただ本当に犯人が誰だかはっきりしてしまうと、そっから先は純粋なガンファイト。 しかも1対1。多少の心理的駆け引きはあるものの、う~ん、つまらない。盛り上がりません。くわえて、画面が暗い。よく見えないよー。 まあいつものごとく、こーゆーミステリー系では、どうしても真相がはっきりしたラストの展開が盛り下がりがちです。 最後に一つ。クリント・イーストウッドのロマンスはもーいいって。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-09 19:58:17)(良:1票) 《改行有》 855. サン・ジャックへの道 《ネタバレ》 ロードムービーはどちらかと言えば苦手なジャンルです。ここでの評価がよほど高くなければ見ることはありません。 結論から言えば、素直に最後まで飽きることなく見ることができました。 ロードムービーの良さというものを堪能できた気がします。 まず第一に風景。 そして第二に、一緒に旅をする仲間との連帯感。 第三に、旅の過程において変化・成長していく一人一人の心。 第四に、宿や食事、洗濯に歯磨き、買出しなどの、旅先ならではの生活感。 そういったものが、矢継ぎ早に次々と映し出されていくスピード感と心地よいリズムが、この作品にはあります。そう、1つ1つのシーンが短いのがこの作品の特徴ですね。長い長い旅なのに、スピード感があるので、最後まで一気に見れてしまうのです。 小粒なエピソードを、軽快なテンポで見せてくれるので、まさに一緒に旅をしているような感覚になります。 三兄弟の長男社長が、『俺は最後まで旅を続ける』と言ったとき、すごく共感するんです。観ている側も同じ気持ちになれるってのは、ロードムービーとして貴重。 ただ個人的にこの作品で残念な人物が、三兄弟の中で仕事をしていないダメ人間の次男。 飲んだくれ。頭が悪い。自制心がない。人に依存する。平気で嘘をつく。自己中心的。空気が読めない言動、行動。私は、こーゆー人間が一番嫌いなんです。 そんな人間でも、例えば劇中で他人の荷物を持ってあげるとか、心の変化が見られればまだ救いがあったのですが、一切ありません。 むしろ、後半になればなるほど、彼に対するいらいらは募るばかりです。 それに、これは自分の問題ですが、『宗教』『世界史』、本当に疎いのです。 おそらく夢の世界を含め、宗教や哲学的なメッセージが発信されているように感じるのですが、その真意が知識不足でつかめず、残念。 とは言え、誰が見ても楽しめるように作られている作品ではあります。 特に、メインの9人以外の登場人物を頻繁に絡ませる演出は素敵ですね。 これによって、9人の擬似家族の絆が、コントラスト効果によって、より色濃く鮮明に浮き上がる感覚が好きです。[DVD(吹替)] 7点(2017-04-03 14:11:16)《改行有》 856. スパイダー パニック! 《ネタバレ》 『パニックもの』としても『サバイバルもの』としても大変良いですね。 『田舎町』で起きるモンスターパニックというのが、昭和のB級ホラーを彷彿とさせてよいです。 古き良き時代のホラームービーを、最新のCGを使ってハイクオリティなものへと仕上げてくれているのが、嬉しいじゃないですか。 産業廃棄物に汚染されたクモ達が、巨大化し街を襲うという、ストーリーはいたってシンプル。そしてごくごくありふれたもの。ですがそれが良いんです。 『そーゆーのが、久しぶりに見たいんだよね。』って方にはうってつけの映画です。 『ショッピングモールへ逃げ込む』という舞台設定。店にあるもので装備を整え徹底抗戦。ゾンビ世代には嬉しいノリ。 こーゆーのが、結果がわかっていてもわくわくするのです。 また、ジェイソンのコスプレしている人がいたり、所々で歴代のホラー映画への愛を感じさせてくれる作品。 『新しさ』や『深さ』を求める人にはまるで向かない作品ですが、昔のホラー映画を何度も見ちゃうような人であれば、まちがいなくはまる作品です。 まあホラーと言いながら、全然怖くはないので、少々かったるい感じはしますけどね。[DVD(字幕)] 7点(2017-03-31 12:04:59)(良:1票) 《改行有》 857. キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 大変良い。 身の程をわきまえた地味なストーリー。 小規模なフィールド。 こじんまりとしたパーティー。 ゾンビも殺人鬼もモンスターも出てきません。それでいてちゃんと怖い。 疑心暗鬼になる人々。 いざとなったら自分以外の人間を、見限り、見捨て、必要であれば殺しも厭わない。 そんな人間の性(サガ)を、こんなB級作品でもしっかり堪能できます。 サバイバル感もあり、パニックムービーとして大変面白いです。 ホラー映画ならではのスプラッタ描写も、適度なバランスで良いと思います。悪趣味になる一歩手前ですね。 パンデミックを予感させる終わりかたも、お約束ですが大変良いです。 パニックホラーのエンディングはこうでなくては。 古き良き昭和の香り漂う、エンタメホラームービー。なかなかの良作だと思いマス。[DVD(字幕)] 7点(2017-03-28 06:58:36)(良:1票) 《改行有》 858. ゴジラ×メカゴジラ 《ネタバレ》 この作品の成功の最大の功労者は、なんといってもゴジラにあります。 彼は何年も『メカゴジラ』もとい『機龍』の完成を待ってあげるのです。 そして、『機龍』が完成されると、その完成セレモニーの最中に登場し、『機龍』と戦ってあげるのです。 この完璧なタイミング。26作目にもなると大ベテラン。完全に空気が読めています。 こんなに人類の都合に合わせてくれるなんて、彼は本当に人類の敵なのでしょうか。 とまあ、冗談はさておき。1990年代の同名作品と比べ、ストーリー、ビジュアル、全ての面においてスケールアップしています。 音響効果も素晴らしく、これぞまさに特撮映画を見たという満足感に浸れます。 また、主演の釈由美子演じる茜さんが素晴らしい。 前半、ゴジラの犠牲になる隊員がいます。そのことで茜を恨む隊員がいます。責められちゃう茜。こーゆー人間ドラマの部分がゴジラ作品にしてはいけてます。 宅間伸は少々過剰演技気味な気がします。 ゴジラ松井はジョークのつもりか? アクションは良い部分と悪い部分の落差が激しいですね。 メカゴジラもとい『機龍』のアクションはなかなか良かったと思いますよ。 搭載兵器が多くて、私みたいなマンガオタクの心をがっちりつかんできます。 それに対してゴジラのアクションはやや物足りない。棒立ちで攻撃を受けるシーンなんてがっかりです。 最後に一言。 ゴジラのおたけびに暴走を始める機龍、最高でした。 まんまエヴァンゲリオンのパクリですが、パクリでも何でも、こーゆーの好きです。 [DVD(邦画)] 7点(2017-03-27 11:33:56)《改行有》 859. コラテラル 《ネタバレ》 普通のタクシー運転手が、殺し屋の仕事になぜか付き合わされる物語。 この『なぜか』の部分の説得力が弱く、多少強引な展開ではあるが、許容範囲。 登場人物が多すぎないのが良いですね。自分好みです。 それに大部分はヴィンセントとマックスの二人が中心となっているため、変に凝ったサスペンスよりすっきりして見やすいですね。 ただ、シーンとシーンをつなぐ『タメ』のようなものが長すぎて、ややクドイ。 そーゆー雰囲気を作りたいのはわかるのですが、中だるみを引き起こす原因になっているような気がします。 ストーリー自体は、ある種の哲学を感じますし、何かのメタファーなのかなって思う部分もありますが、やはりシンプル。 こーゆーストーリーであれば、変に間を置かずに、テンポよく進んでいったほうが良かったんじゃないかな。 要所要所のアクションは瞬殺パターンが多くて好き。迫力があるし、サスペンス色が強くなります。 ラストの攻防も見事でしたね。 こんなに怖いトム・クルーズを見たのは初めてです。 特に地下鉄での『降りたいけど降りられない。』という状況の作り方がうまいです。 いたってシンプルな構図だけに、緊迫した雰囲気がよく伝わってきます。 総評。中だるみする部分はあるものの、気にならない程度。全体的にスリリングかつサスペンスフルで面白かったです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-03-25 04:30:48)(良:3票) 《改行有》 860. ロボコン 《ネタバレ》 落ちこぼれの主人公。協調性のない天才。自分に自信がない部長。やる気のない不良。 どのキャラもステレオタイプで、まさによくある青春サクセスストーリー。 いわゆる『2軍』扱いの主人公グループ。それが『1軍』に勝ち、遂には全国制覇まで成し遂げるストーリー。 漫画、ドラマ、各ジャンルで何十回と使われているプロットでしょう。 唯一今までと違うのは、そのステージがロボコンということです。 つまりはスポーツでもなければ音楽でも芸術でもない。 これはカテゴリーでいうと、『お勉強』というある意味新ジャンルの開拓ではないのか。 今までに踏み込んだことがない題材だからこそ、ストーリーはこれくらいシンプルかつ王道なほうが、この世界に入り込みやすいというものです。 そして何よりこの作品、長澤まさみがとにかく可愛い。最初はむかつくキャラなんですけどね。中盤くらいから俄然かわいくなります。 小栗旬も何気にかっこいい。伊藤淳史と塚本高史も自分の役割をきっちり演じ、魅力的なキャラへと昇華させています。 ストーリーがシンプルだからこそ、キャラクターの個性が光る作品だと言えそうです。 王道サクセスストーリーは、どのジャンルにも対応できる万能性があります。 個人的には、このタイプは似たようなストーリーでも、いつも楽しく見ることができます。[DVD(邦画)] 7点(2017-03-23 03:49:47)(良:2票) 《改行有》
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