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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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901.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 面白いとは思うけど、自分はそこまで嵌まらなかったっす![DVD(字幕)] 6点(2016-10-21 22:17:51)

902.  アントマン 《ネタバレ》 アリのようにちっちゃなヒーロー、アントマンが世界を救うために悪と戦うとても〝小さな〟大活躍を描いたマーブル・スーパーヒーロー・アクション。普通、ヒーローって大体の場合大きくなって戦うものだけど、本作の主人公は文字通り蟻んこレベルにまで小さくなり無数のアリたちを手下に従えて敵に立ち向かいます。まあこの逆転の発想は昔からけっこうあるもので、アイデア自体はそんなに新しいものではないけれど、見所はやはり最新のCG技術を駆使して描かれたそのちっちゃなアクションシーンの数々でしょう。浴槽の排水口や屋根裏(ネズミがあんなに怖い存在だったとは!)、掃除機をかけてる最中の部屋の絨毯、虫でいっぱいの庭の草むらなど、何気ない日常の風景がとたんに危険な戦いの場へと変貌を遂げる様は見ているだけでわくわく感が止まりません!特に、クライマックスでの娘の寝室で繰り広げられる一大ラストバトルは一見の価値あり。本人たちはドッカンドッカン真剣に戦ってるのに、娘視点から見れば機関車トーマスの玩具にコツン!って感じがなかなかツボでした。と、映像的には面白かったのですが、肝心のお話のほうは残念ながら「うーん…」と首をひねらざるを得なかったです。とにかく全体的にしっちゃかめっちゃかしてて何がしたいのかいまいちよく分からない。もうちょっと整理整頓して、観客にいま現在何を伝えるべきなのかをもっと考えてほしかった。それに「アベンジャーズ」とリンクするところなど、別になかったほうがスッキリして良かったんじゃないかと僕なんかは思ってしまいます。ファルコンって誰なの?せっかくこれだけで充分魅力的な題材なのだから、この一見さんお断りな作り、「アベンジャーズ」に何の興味もない自分からすれば凄く勿体無いと思います。まあ次回作が公開されれば必ず観るけどさ。次は、どんな〝ちっちゃな〟舞台で戦ってくれるのか今から楽しみ♪なんで、次はしっかりと脚本を練ってくださいね。[DVD(字幕)] 6点(2016-10-21 21:24:51)(良:1票)

903.  パージ 《ネタバレ》 パージ(浄化)法、それは一年に一度、12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律――。2022年、社会に蔓延する犯罪を抑止するためにそんな法律が施行されたアメリカ社会。富裕層向けに高度なセキュリティシステムを販売する営業マン、ジェームズ・サンディンはその日、街中を忙しく走り回っていた。何故なら今年もパージの夜が近づいているから。「それじゃ安全な夜を」。職場や隣近所にいつものようにそう挨拶し、愛する家族が待つ家へと帰ってきた彼は、今年もいつものようにセキュリティシステムの電源をオンにするのだった。外の世界では、放火・強盗・殺人が横行し、道路が真っ赤な血で染まるなか、サンディン家は完璧なバリケードで守られた家の中で平穏な夜を過ごすはずだった。そう、一人のホームレスが家の中に逃げ込んでくるまでは……。年に一度、全ての犯罪が許される夜、安全なはずの家の中で繰り広げられる家族の戦慄のサバイバルをノンストップで描いたバイオレンス・スリラー。そーゆー設定を聞いただけでB級感満載な本作、でもイーサン・ホークが出ているということで今回鑑賞してみました。いやー、予想に違わず、完全にB級映画でしたね、これ。イーサン・ホーク、最近けっこう色んな映画に出てるけどちょっとは選べよ(笑)。でも、最初からB級だと割り切って観ればそこそこアリなんじゃないでしょうか。僕はぼちぼち楽しめました。まあストーリーの突っ込みどころなんて無限に湧いてきそうですけど、最初からあり得ない設定の話なんで細かいところがあんまり気にならなくなるのは監督の狙いなんでしょう。自分たち家族が救われるために家に入り込んだホームレスを捕まえ、外に居るサイコパス集団に引き渡そうとする主人公なんて、なかなかイカれてて面白いじゃないですか。このまま、観客の道徳心や倫理観を逆撫でするようなぐちゃぐちゃソーゼツ展開を期待してワクワクしながら観ていたのですが、途中から主人公家族が変に道徳心に目覚めてしまい、後半からいたって普通のサバイバルものになっちゃったのが残念。自分たちだけが助かればいい家族とただ人を殺したいだけのサイコ野郎たちと何の罪もないホームレスが最後、一大血みどろバトルを繰り広げてくれたらもしかしたらカルト作として一部で伝説になれたかも知れないのにね。残念![DVD(字幕)] 6点(2016-10-13 23:37:56)(良:1票)

904.  アノマリサ 《ネタバレ》 アメリカの地方都市、シンシナティ。ある夜、雨に煙るこの街の空港にマイケル・ストーンという名の初老の男性が降り立つのだった。著名な接客コンサルティングである彼は、翌日の講演のためにすぐさまタクシーに乗り込み高級ホテルの一室にチェックインする。だが、彼の表情は終始物憂げで何処か落ち着かない。何故なら彼は、数年前から誰の顔も同じに見え、誰の声も同じに聞こえてしまうから。タクシーの運転手もホテルの従業員も擦れ違う通行人も、果ては長年連れ添った妻も愛しているはずの息子も誰も彼も皆、同じ中年男性の顔、同じ中年男性の声。この状況を何とか打開したい彼は、かつてこの地で酷い振り方をした元カノに会ってみるものの、彼女もやはり同じ顔で同じ声をしていた。絶望に打ちひしがれながら独りで酒を煽り、泥酔して部屋に戻ったマイケル。ところが、そんなマイケルの耳に突然、その〝声〟が聞こえてくるのだった。久しく聞いたことのなかった美しい女性の声が――。これまで唯一無二の独創的な作品ばかりを作り続けてきた鬼才チャーリー・カウフマンの新作は、ストップモーションの人形アニメという手法で描かれた、これまたいかにも彼らしい変な作品でありました。一見、ひつじのショーンのようなほのぼの人形アニメでありながら、とにかくこの主人公のどうしようもない駄目っぷりを執拗なまでに丹念に描いていくんです。この男、精神的な不調を建前に、とにかく誰でもいいから浮気したいと思ってるようなやつで、実際、リサという会ったばかりの地味系ぽっちゃり女子とセックスしちゃうわけですが、そのベッドシーンが妙に生々しくてエロい!まさか人形同士がベッドであんなことしちゃうシーンを見ることになるとは…。なんなんですかね、これ(笑)。で、次の日、そのセックスがあまりにも気持ちよかったからこのおっさんは結婚の約束をするわけだけど、そのすぐ後、朝飯を喰うときのくちゃくちゃ口を鳴らすのがどうにも耐えられなくなって冷めちゃうとか、とにかくシニカル。でも映像はとてもほのぼの癒し系。この変な感じ、なんかツボでした。ただ、そのストーリーの方はあまりにシュール過ぎて凡人の僕にはよく分からなかったです。何かこうもっと突き抜けたものがあれば良かったと思うんだけど(あのセックスが終わった朝、急速に彼の世界が壊れていくわけだけど、そこを「夢でした」なんてせずにもっと突っ走ってくれるとかさ)。あと最後にどうしても言っておきたい。ラスト、リサが「アノマリサって日本語で天の女神って意味なんだって」と言うシーンがあるのですが、何処をどう調べてもそんな日本語ないっちゅうねん!よって-1点。[DVD(字幕)] 6点(2016-10-10 01:10:53)(良:2票)

905.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 このストーンをもし自由に操ることが出来れば、世界などいとも簡単に消滅させることが出来るだろう――。地球暦2014年、銀河系の片隅にひっそりと浮かぶ廃墟の惑星モラグにある一人の男が降り立つのだった。彼の名は、スターロードことピーター。幼いころに地球外の未知なる者どもに連れ去られて以来、いまや銀河を股に掛けて活躍するようになったトレジャーハンターだ。今回の獲物はオーグという名の謎のストーン。易々と手に入れることが出来たものの、依頼主に届けようと訪れたザンダー星でいきなり見たこともないような緑色の肌をした女アサシン・ガモーラに襲われるのだった。さらには、偶然それを目にしたアライグマ姿の賞金稼ぎ・ロケットとその部下で植物型のヒューマノイド・グルートも加わり、ザンダーの街で大立ち回りを演じることに。当然、彼らは捕まり、刑務所にぶち込まれるのだが、そこでこのストーンを巡って悪の化身のようなロナンという反逆者が暗躍していることを知る。このままでは銀河が危ない!同じく刑務所に収監されていた、ロナンに家族を殺された大男・ドラックスと共に脱獄に成功した彼らは、銀河の平和を守るために危険な大冒険へと出発するのだった…。マーブルの人気コミックを原作に、個性豊かなキャラクターが銀河狭しと大活躍する姿をコミカルに描いた波乱万丈SF冒険活劇。いやー、十中八九予想していたこととは言え、もう超が何十個も付きそうなほどの超々王道エンタメでしたね~、これ。よく言えば家族揃って最後まで安心して観ていられる安定の娯楽作、悪く言えば新しい部分が一切ないベタベタな薄味作品。でもまあ、けっこう脚本がしっかりしていたりお金をたっぷり掛けただろうCG映像はさすがの迫力だったりで、僕はぼちぼち楽しめたかな。途中まではいがみ合っていたけど、なんだかんだ色々あって最後は大きな目的のために一致団結して戦うって、もはや「映画ドラえもん のび太のナントカカントカ」みたいなノリ(ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんとほぼ揃ってるじゃん笑)。でも、ここまでベタに徹してくれたらこれはこれで好感が持てるわ。全編に散りばめられた小ネタもキレがあってなかなか良かったしね。難があるとすれば、悪役の目的がいまいち分かりづらいところか。思いっ切り続編が作られる感じで終わっていったけど、きっと一週間もすればほとんど内容忘れちゃうだろうね。ま、でも別に問題なく観られる(笑)。そんな感じの作品でございました。6点っす。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-26 22:56:11)(良:1票)

906.  おみおくりの作法 《ネタバレ》 彼の名は、ジョン・メイ。22年間、ケニントン地区の民生委員を勤めてきた真面目な男だ。その仕事は、管轄区域内で孤独死した身寄りのない人々の事後処理をすること。部屋に遺された僅かばかりの遺品を手掛かりに、身内が発見されれば速やかに連絡を取り、発見されなければしめやかに葬儀を執り行う。だが、多くの場合、彼らの身内が発見されることはなく、発見されたとしてもあからさまな拒否反応を示される。ジョン・メイは、誰からも気にされることもなく孤独に葬られていったそんな人々を見送っては哀しみを深めていくのだった――。40代も半ばに差し掛かった彼自身もまた、ずっと独りきりで生きてきた孤独な男。ただただ与えられた仕事をこなし、日々独りぼっちで食事をしてきた彼にある日、人生の転機が訪れる。それは、市の財政悪化に伴う突然の解雇通告。戸惑いながらも現実を受け入れた彼は、最後に廻ってきた仕事だけは責任をもって終わらせようと決意する。その仕事とは彼の自宅前のアパートで孤独死した独居老人、ビリーの〝おみおくり〟だった。一度も会ったこともないビリーという名の老人の経歴を探ってゆくうちに、そんな酒浸りで孤独に死んでいった彼にもちゃんと一人の人間としての過去があることが分かってゆく……。一度も会ったこともない人々をただ淡々と見送ってきた孤独な男を通して、人として誰もが避けては通れない生と死のドラマを静かに見つめたヒューマン・ドラマ。全編に流れるこの静謐な空気は確かに素晴らしいとは思うのですが、あまりにも淡々としすぎていて正直、僕にはちょっと合わなかったです。というのもこの主人公であるジョン・メイという人に、僕は全く共感できなかったんですよね。映画を観ている間、この人、いったい何が楽しくて生きてるんだろうって思って…。だって酒や女はもちろん、趣味らしきものも全くないんですもん。たとえば、夜な夜な熱帯魚を愛でるとか誰にも読まれることもない小説を書いているだとか、極端な話、覗き見を趣味にしてるだとか、そんな人間的な側面があったればこそ感情移入できるのに、それが彼にはいっさいないんですよ。まるでロボットみたい。なんだかいかにも作為的に作られたキャラクターのような気がして僕はちょっと感情移入できませんでした。でも、意表を突くあのラストシーンだけはけっこう良かった!そう来るか~って感じで。そこはちょっとジーンと来ちゃいました。という訳で、+1点。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-17 20:11:26)

907.  トレマーズ 《ネタバレ》 B級映画の名作として誉れ高い本作を今更ながら観てみました!確かに面白かったけど、自分はそこまで嵌まらなかったっす!![DVD(字幕)] 6点(2016-09-16 23:04:11)

908.  ドローン・オブ・ウォー 《ネタバレ》 テーマとしては新しいが、映画としての出来はそこそこと言ったところか。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-05 20:47:47)

909.  サンドラの週末 《ネタバレ》 深刻な鬱病を患い、職場を休職せざるをえなくなった中年女性サンドラ。長い療養の末、ようやく病状が安定してきた彼女は苦しい家計を少しでも楽にしようと職場復帰を決意する。だが、そんなサンドラに新たな試練が立ち塞がるのだった。上司である主任からの新たな提案。それは、彼女の復帰かそれとも16人の同僚への一律1000ユーロのボーナス支給か――。同僚たちによる多数決で一度は解雇が決定したサンドラだったが、社長に直接掛け合った結果、連休明けの月曜日にもう一度再投票することが決まるのだった。子供も抱え、精神状態も安定しない彼女、どうしても仕事を辞めるわけにはいかない。サンドラは、夫と共に自分へと投票するよう職場の同僚たちに訴えていく。果たしてサンドラは無事に職場復帰できるのか。本作は、明日の自分を守るために街を奔走するそんなサンドラの〝週末〟をドキュメントタッチで切り取ったヒューマンドラマだ。何処にでも居るような平凡な一市民の何気ない物語をこうしてクローズアップすることは確かに意義深いことだと思う。目の前の現実に押し潰されそうになりながらも必死に抗おうともがくサンドラの姿は胸を打つし、彼女に対して様々な反応を見せる同僚たちの対応もリアルで考えさせるものがある。何気ない映像がずっと続くのに、それを抜群のセンスで編集し最後までちゃんと見せきるこの監督の手腕は大したものだ。だが、一遍の映画としてみればさすがに小粒すぎやしないか。これはこれで素晴らしいことだと思うのだが、僕はもっと胸を深く貫くような、あるいは美麗な映像で自分の知らない世界へと連れていってくれるようなものを映画には求めたい。[DVD(字幕)] 6点(2016-08-29 23:22:52)

910.  クーデター 《ネタバレ》 外国人は皆殺しだ――。東南アジア某国。転職を機に、愛する妻とまだ幼い2人の娘と共にこの地に赴任してきたジャック。11時間にも及ぶフライトを終え、会社が用意した高級ホテルの一室にチェックインした彼らは、新たな地で人生の再スタートを切るはずだった。だが、翌日、ジャックは街の異変をすぐに感じ取る。中断されたままのテレビ、いつまで経っても接続されないネット、街を忙しなく行き交う軍部隊、不穏な住民たち…。やがて、〝彼ら〟がジャックの目の前に現れるのだった。鉈やピストル、軽機関銃で武装し、外国人抹殺を叫ぶ血走った目の暴徒たちが…。すぐさま家族と共に脱出を図るジャックだったが、街は一夜のうちに彼らに占拠されていた。はたしてジャックたち家族は無事に国外へと脱出できるのか?パッケージやキャスティングからいかにもB級感ぷんぷんのそんな本作なのですが、ピアーズ・ブロズナンが出ているということで今回鑑賞してみました。冒頭こそ、これぞアジアでございと言わんばかりののっぺりとしたカメラワーク、無意味なスローモーションの多用等々先が思いやられていたのですが、暴徒と警官隊が暴動を起こしてからはもう畳み掛けるように続くアクションシーンの連続にけっこう惹き込まれて観ている自分がいました。何をするか分からない残虐非道な暴徒たちが暴れまわる中、幼い2人の娘と共に決死の覚悟で逃げ惑う主人公に素直にハラハラドキドキ。救援に来たと思いきやいきなり銃を乱射してくるヘリコプターの襲撃に始まり、隣のビルに乗り移るために娘を無理やり放り投げたり、家族と一緒に死体に隠れて敵を遣り過ごしたり、変装して小さなバイクに乗り込んだ彼らが群集が暴れまくる夜の街に繰り出したり……。と、なかなかハードなアクションの連続で観客をぐいぐい惹き込む展開はなかなかのもの。「これは思わぬ掘り出し物かも!?」と思いながら観ていたのですが、後半息切れしたのか、アクションが幾分かスケールダウンしてしまったのが残念でした。特に僕は、P・ブロズナン演じるCIA職員ハモンドの薄っぺらさが気になりました。国際政治の裏舞台で常に死と隣り合わせで生きてきたスパイはもっと冷徹であってしかるべき。それが、「俺たちのせいだから君たち家族を全力で助けてやる」と命まで投げ打って主人公家族を救出するというのはさすがに甘すぎやしませんか。このハモンドの行動にもう少し説得力を持たせてほしかった。と、そこらへんが気になりましたが、それでも娯楽作としては充分水準に達していたと思います。第三世界を舞台にした、重厚な軍事アクションとして観て損はないでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2016-08-10 23:31:37)

911.  Dearダニー 君へのうた 《ネタバレ》 かつてヒット曲を連発し栄華を誇っていた往年のロックスター、ダニー・コリンズ。だが、いまや老境の域に差し掛かった彼は、酒とドラックに溺れる寂しい日々を送っていた。もう何十年も新曲を書かず、かつてのヒット曲だけを頼りにツアーを廻っていたダニーに、ある日、マネージャーが誕生日プレゼントとして一通の手紙を持ってくる。なんとそれは、ジョン・レノンが生前彼に宛てて書いたものの約40年もの間配達されずに保管されていた手紙だった――。「親愛なるダニー、音楽を堕落させるかどうかは君自身。音楽と自分自身に常に忠実であれ。ジョンより」。深いショックを受けた彼はツアーを中止し、浮気中の妻には別れを告げ、とある地方都市のホテルにやってくる。新曲を書くため、そして今までずっと目を背けてきた自らの過去と真剣に向き合うために……。実話を元に、落ちぶれた往年のロックスターが約40年ぶりに発見されたジョン・レノンからの手紙をきっかけにして再起を図る姿を軽妙に描くヒューマン・ドラマ。アル・パチーノ主演、ジョン・レノンの名曲が幾つも使われているということで今回鑑賞してみました。うん、いいですね、このいい意味で力の抜けたノスタルジックな雰囲気。ともすれば雰囲気だけの薄っぺらい作品になりそうなテーマなのですが、そこにアル・パチーノやアネット・ベニングといった熟練の役者陣がいいアクセントを効かせていて非常に好感の持てる作品に仕上がっていたと思います。特にアル・パチーノ、酒浸りで胡散臭いロックスターながら時おり深い優しさを垣間見せるという個性的キャラクターを見事に演じておりました。そんな彼が後半、癌を患う息子と和解しようともがくことになるのですが、そこも単純な和解劇とせず主人公の弱さをちゃんと目を逸らさず描くところも好印象。うん、人間なんてそんなすぐ真人間に変われるほど単純じゃないしね(経験者談!!笑)。ただ、本作のストーリーにはちょっと弱い部分があるのも事実。それは、ジョン・レノンの手紙を読んだ主人公が急に心変わりする理由にいまいち説得力が感じられないところ。レノンからの激励の言葉を受け取った主人公がずっと書いていなかった新曲製作に取り掛かるのは分かるのですが、長年疎遠にしていた息子との和解まで決意するというのはいささか強引すぎやしませんか。とはいえ、この牧歌的な雰囲気を壊すほどの瑕疵ではない。全編を彩るジョン・レノンの名曲群も良かったですし、なかなかの佳品だったと思います。[DVD(字幕)] 6点(2016-08-09 23:55:43)

912.  ザ・トライブ 《ネタバレ》 この映画の言語は手話である。字幕や吹き替えは存在しない――。ウクライナ郊外にある聾唖学校の寄宿舎に、ある日、一人の青年が転校してくる。もちろん青年も迎え入れる生徒も先生たちも皆、他人とのコミュニケーション手段は〝手話〟だ。この学校に、音というものは存在しない。青年は、そこでこの学校を牛耳る不良グループと知り合い、仲間となるのだった。売春、強盗、窃盗……。様々な悪事に手を染めてゆく中、青年はある一人の美しい女性と恋に落ちる。だが、青年は知っていた。彼女はそんな不良グループのボスである危険な男の女だったのだ。それでも青年は自らの情熱を止められなかった。人目を忍んで何度も身体を重ね、情欲の海に溺れてゆく2人。やがて、静かな学校内に愛と憎しみが少しずつ交錯してゆき、それはいつしか危険な発火点を迎えてしまう……。字幕や吹き替えはおろか、全編にわたって音楽すら使われていない本作は、一見、あまりにも静かな映画だ。だが、画面の中で繰り広げられる物語は、そんな静けさとは対照的にとてもパワフルかつ情熱的であり、しかも暴力的な血の匂いに満ちている。そのギャップこそが、この映画の全編に通奏する不穏さであり、また唯一無二の魅力となっている。今までにないタイプの映画だ。この静謐さと不穏さを詩情溢れる映像でもって同居させたこの監督の感性は特筆に値する。世界中で数々の賞を受賞しただけのことはある。ただ、この挑戦的な手法が大きな武器となっている反面、逆に本作に幾ばくかの制約を課してしまっているのも否定できない事実だろう。セリフや説明が一切ないため、ストーリーに分かり難い部分が幾つもあり、そこを汲み取れなければ物語としてうまく受け取めることが出来なくなってしまうのだ。映画を鑑賞中、僕は何度か深い霧の中に迷い込んでしまったような感覚を味わってしまった。観終わって、後で思い返してみれば「なるほど、あれはそういうことだったのか…」と納得できるものではあるのだが、映画としてこれは大きなマイナスポイントと言わざるを得ない。もう少し何とか工夫出来なかったものか。今までにない独創的な世界を見事なまでに構築した作品だっただけに、惜しい。[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2016-08-03 00:25:11)

913.  コングレス未来学会議 《ネタバレ》 かつて類まれなる美貌でもって栄華を誇ったもののいまや落ちぶれ、障害のある息子と共に質素に暮らす中年女優、ロビン・ライト。ある日、そんな彼女に大手映画会社から特異なオファーが舞い込んでくる。「君には映画会社が自由に操れるCG女優となってもらいたい。君は映画の中で永遠の若さを得ることが出来るのだ。その代わり、現実の君は今後一切、公の場に出てきてはならない」――。当初は断ろうとしたロビンだったが、息子のために仕方なく契約書にサインすることに。永遠に年を取らない女優となって見る見るうちに人気を得ていく〝ロビン〟。だが、20年後、事態は意外な方向へと転がり込んでゆく……。実写とアニメを融合させた独創的な映像で知られるイスラエルの映像作家アリ・フォルマンの新作は、そんないかにも彼らしい前衛的な作品だった。前半、コンピューターでスキャンされCGとなった主人公を軸にハリウッドの内幕をシニカルに見つめたドラマになるのかと思いきや、後半から物語は予期せぬ展開を見せ始める。初老の域に達した主人公が「未来学会議」という謎の会合に出席するため全てアニメで構築されたアブラハマシティへと迷い込んでからは、この監督の面目躍如といった独自の世界観が開陳されていくのだ。現実世界は全て原色系のカラフルな世界へと変貌を遂げ、人々はユーモラスでありながら何処かグロテスクなアニメキャラとなって主人公を迎え入れる。やがて、この世界は革命を起こし何不自由ないユートピアとなるのだが、当然、そこには不都合な真実が隠されている…。離れ離れになった息子を求めて、何不自由ないアニメ世界から現実へと戻った主人公が目にする真実には大いに戦慄させられた。この監督の前作『戦場でワルツを』を髣髴させるこの反転構造はやはりこの監督独自のものだろう。素晴らしい。だが、本作には決定的な弱点が一つ。それはストーリーの要所要所に腑に落ちない部分が幾つも散見されるところだ。何故、CGとなったはずの主人公が迷い込むのはアニメ世界のみなのか?何故、主人公は新たなユートピアのシンボルへと祭り上げられたのか?そして何故、主人公は〝ロビン・ライト〟という実在の女優でなければならなかったのか?そこに明確な理由付けが感じられない。そこが本作のレベルを一段低いものにしてしまっている。この独創的な世界観は文句なしに素晴らしかっただけに、惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2016-07-23 22:01:45)

914.  シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 超王道ストーリー。よく言えば家族揃って最後まで安心して観ていられるけれど、悪く言えば新しい部分の一切ないベタベタな内容。とはいえ、CGのクオリティも高く、映像も綺麗だし、現代的な演出もなかなか冴えていて(12時の鐘が鳴り終わると同時に魔法が切れ、カボチャの馬車やガチョウの行者がどんどんと元に戻っていくトコとか、遊び心満載でナイス!)、僕は最後まで大変楽しんで観ることが出来ました。ただ、継母が途中から居なくなったお姫様の正体がシンデレラだと気づくというアレンジが、正直微妙だと僕は思っちゃいました。なんだかそのせいでカタルシスが半減しちゃったような…。とはいえ、超王道エンタメ映画として充分楽しめます。抜群の安定感。でも、一週間後には綺麗に内容を忘れちゃいそうかも(笑)。6点っすかね。[DVD(字幕)] 6点(2016-06-03 18:17:01)(良:1票)

915.  嗤う分身 《ネタバレ》 「そこは俺の席だ」――。来る日も来る日も同じような毎日を遣り過ごしているうだつの上がらないサラリーマン、サイモン。ある日、いつものようにがらがらの電車に揺られ会社へと向かっていた彼は、見知らぬ男に急にそう告げられるのだった。高圧的な男の言葉に仕方なく席を譲ったサイモン、その後も電車のドアにカバンを挟まれなくしてしまう。会社に着くと上司や同僚、警備員にまでそのことを馬鹿にされ、密かな想いを抱く同僚女性には今日も声を掛けられず、施設に入所する母親の面倒すらままならない。次の日、そんな八方塞がりのサイモンがいつものように出社するとなんと自分と瓜二つの男が採用され、めきめきと働いているを発見するのだった。社交的で誰からも好かれるそんな彼の〝分身〟は、社内でどんどんと出世し、上司からの信頼も厚く、密かに想いを抱いていた同僚女性まで易々と手に入れてしまう。嫉妬と焦燥に駆られてゆく彼の日常は、まるで出口のない迷路に迷い込んでしまったかの如く徐々に歪み始めてゆくのだった……。ロシアの文豪ドストエフスキーの初期の小説を独創的な映像で描いたシュルレアリスム劇。率直な感想を述べさせてもらうと、これはドストエフスキーというよりもどちらかと言うとカフカ的な不条理物語に近い印象ですかね。まさに、意味不明。でも自分、この何処か安部公房をも髣髴させるシュールな世界観はけっこう嫌いじゃない。何をしているのかさっぱり分からない会社組織や、一つも温かみを感じさせない工業的な夜の街並み、主人公を翻弄する怪しげな登場人物たち…。細部にまで拘り抜いたであろう映像や小道具の数々に僕はけっこうセンスを感じました。そんな摩訶不思議な映像を彩る、坂本九の「上を向いて歩こう」などの昭和歌謡の名曲群もこの作品に横溢する不穏な空気を煽るのに一役買ってます。そもそもなんで昭和歌謡やねん(笑)。ジェシー・アイゼンバーグやミア・ワシコウスカという実力派の若手陣もナイスな仕事ぶり。欲を言えば、後半もっと突き抜けてくれても良かったかもとは思うものの、それでも次作が楽しみな才能に出会うことが出来ました。[DVD(字幕)] 6点(2016-05-06 21:41:45)

916.  ビッグ・アイズ 《ネタバレ》 「ビッグ・アイズ」。世間からそう呼ばれる、飛びっきり大きな眼を持つ子供たちの絵ばかり描き一世を風靡した画家、ウォルター・キーン。だが、本当はそれらの絵は全て彼の妻であるマーガレットが描いたものだった――。横柄で目立ちたがりな夫のために、十年以上にわたって家に閉じこもり隠れて絵を描き続けていたそんな妻の物語を実話を基に描いたティム・バートン監督最新作。確かに興味深い題材ではあるし、バートン監督の円熟味を増した演出も冴えて(その御伽噺のようにカラフルな色彩感覚は、『シザーハンズ』のあの街並を髣髴させて凄く良かったです!)いたし、なかなか面白かったと思います。ただ、彼のそのイノセントな感性は、やはりファンタジーでこそ映えるのであって、本作のようなリアリズム作品にはいまいち合っていないような印象を僕は持ってしまいました。なんだか全体的に薄いんですよね~。最初は愛し合っていた夫婦の擦れ違いも、次第に酒に溺れDVへと走る夫も、そんな夫から逃れ何もかもを捨ててハワイへと走る娘との逃避行も、何よりクライマックスで夫婦が直接対決する裁判のコミカルさも、実話を基にしている以上、そこにはもっと真に迫った切実さがないと駄目だと僕は思うのですが、本作には夫婦のそんな切実さがまったく足りない。お金やお酒のせいで揉めた夫婦の破綻劇なんてもっと深刻になるはずなのに、そこまで踏み込んで描けないところがティム・バートンという監督が持つ感性の――良くも悪くも――リアリズムとの相性の悪さなんでしょうね。うーん、題材が良いだけに惜しい。と、そこいらへんが残念ではありましたが、それでもエイミー・アダムス&クリストフ・ヴァルツの見ているだけで絵になる華やかなセレブ夫婦ぶりはなかなか楽しい。特に、口八丁でのし上がっていくテキトー男を飄々と演じたヴァルツの相変わらずの怪演はさすがでしたね。ティム・バートン監督、ちゅうわけで次はいつものように他の追随を許さない独創的なダーク・ファンタジーを撮ってくれることを期待して待ってますんで、よろしくです~☆[DVD(字幕)] 6点(2016-04-23 12:48:28)

917.  ブラックハット 《ネタバレ》 香港の原子力発電所で爆発事故が発生。現地が大混乱に陥る中、今度は大豆先物市場で価格が暴騰する。背後にハッカー集団の暗躍を察知した中国政府は、人民解放軍のサイバー部門トップであるチェンに全面捜査を命ずるのだった。中国独自の捜査に限界を感じたチェンは、アメリカFBIにも協力を要請。なんと彼は、アメリカの刑務所に服役中の天才ハッカーを釈放させ捜査に協力させることを提案するのだった。男の名は、ハサウェイ。チェンの大学時代の親友であり、四つの銀行から少なくとも4600万ドルを奪い取った男だった。「このブラックハット(凶悪ハッカー)を、俺の力で逮捕出来たら俺を釈放しろ。もし失敗したらムショに戻していい。それが協力への条件だ」――。当初は彼の要求に難色を示したアメリカ当局も、事態を打開するために釈放を許可する。さらには民間で有能なエンジニアとして働いていた妹も呼び寄せ、釈放させたハサウェイと共に、チェンはそんな凶悪なハッカー集団を次第に追い詰めていくのだったが…。戦うことでしか自分の居場所を見つけられない男たちの美学を重厚に描き出してきたマイケル・マン監督久々の最新作は、そんないかにも彼らしいハードボイルド作品でした。確かに、よく考えたら設定上のおかしな部分がちらほら散見される本作(現在服役中の犯罪者である主人公を中国当局の要請で簡単に釈放させたばかりか、あそこまで自由に捜査に協力させるのはさすがにあり得ないっしょ!挙句の果てに、機密情報満載の原発内部に進入させるってどんなけ甘いねーん!笑)。ですが、街中で突発的に繰り広げられる緊迫感に満ちた銃撃戦や絶対に裏切らない男たちの超熱い友情物語などなど、いかにもマイケル・マンらしいシブい内容に僕はけっこう楽しめました。特に、相棒の中国人捜査官が車に乗り込んだ直後にウクライナ人に銃撃されるシーンなんて、思わず手に汗握っちゃいましたもん。それに冒頭、ハッカーが放ったプログラムがインターネット回線を通じてどんどんとシステムに侵入してゆく映像も緊迫感があって良かったです。まあ、クライマックスでのジャカルタの祭りの中の攻防とかなかなかグダグダでしたけども(笑)。あと、どうして主人公にクリス・ヘムズワースをバッティングしたんでしょうね。これまで脳みそ筋肉のお馬鹿キャラばかりを演じてきたせいで、とてもじゃないけど天才的頭脳を持ったハッカーに見えないってのはさすがにちょっと…。と、細かな部分に目を瞑り暖かな視線で鑑賞すればけっこう楽しめると思います!6点![DVD(字幕)] 6点(2016-04-18 22:46:53)

918.  オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 《ネタバレ》 それはたった一度の過ちだった――。イギリス、ロンドン。愛する妻と2人の息子に恵まれ、仕事でもビッグプロジェクトを任されるなど、順風満帆の生活を送っていた建築技師、アイヴァン・ロック。だが、彼はその夜、そんな愛する家族が待つ家へと向かう道を逸れ、高速道路へとハンドルを切るのだった。目的は、一つ。それは7ヶ月前にたった一度だけ関係を持ってしまった女性の突然の出産に立ち会うため。孤独に道を走らせるアイヴァンに、当然家族から何度も電話が掛かってくる。さらに間の悪いことに、明日はヨーロッパで最大規模を誇る高層ビルの大事な基礎工事立会いの日だった。総責任者である彼がいなければ工事は始められない。このまま車を走らせれば、会社は首。だが、アイヴァンは男のけじめをつけるため、たった一人で夜の高速道路をひた走るのだった……。都会の片隅で、たった一度の過ちから人生の危機を迎えてしまったある一人の男のドラマを、高速道路を走らせる彼の車の中のみで描いたヒューマン・ドラマ。映画が始まって86分、登場人物はトム・ハーディ演じるこの一人の男しか出てこず、彼にかかってくる色んな人々との会話のみでドラマを展開してゆくというなかなか挑戦的な作品だった。なのに、最後まで観客の興味をぐいぐい惹き込むこの監督の手腕は大したものだ。彼に電話をかけてくる人々も誰もがちゃんとキャラ立ちし、今何処で何をしているのかが容易に映像として浮かんでくる。トム・ハーディの相当に役作りしているだろう一人芝居も充分に見応えがあった。そして、何より映像が美しい。夜の高速道路、窓のフレームに写り込む色とりどりの幾つもの灯りがとても綺麗で、この孤独な男の心情を色濃く表している。小品ながら、なかなか見応えのあるドラマだった。ただ、お話としてはありきたりなもので少々物足りなさを覚えたのが僕としてはちょっと残念だった。6点と言ったところか。[DVD(字幕)] 6点(2016-04-15 21:34:46)(良:1票)

919.  ジェサベル 《ネタバレ》 ジェサベル、こんにちわ、私はあなたのママよ。こんなビデオを作るべきかさんざん迷ったけれど、やっぱり撮ることにしました。あなたを身ごもって、もう7ヶ月。あなたがこれを見てるってことは、ママはもう病気で死んでるんでしょうね。でも、哀しまないで。ママのことは気にせず幸せに暮らしてほしいの。大事なのは、あなたへの愛は変わらないってこと。ジェサベル、愛してる、ママはいつでもあなたを見守っているわ――。交通事故に遭い、恋人もお腹の中の赤ちゃんも失ってしまったジェサベル。後遺症から車椅子生活を余儀なくされた彼女は、唯一の肉親でずっと疎遠にしてきた父親と連絡を取るのだった。アメリカの田舎町でずっと孤独に暮らしてきた父親の家で暮らし始めたジェサベルは、幼いころに死んだ母親の部屋から数本のビデオテープを発見する。再生してみると、なんとそこには死んだはずの母親から自分に宛てられたビデオメッセージが収められていたのだった。涙ながらに、のめり込むようにして見入るジェサベル。だが、それを知った父親は「あれはお前の母親なんかじゃない!」と激高し、そのビデオテープをかなぐり捨てるのだった。混乱するジェサベルの周りで次第に不穏な出来事が起こり始める…。死んだはずの自らの母親を巡り、とある平凡な女性ジェサベルが巻き込まれるそんな恐怖の日々を濃厚に描き出すゴシック・ホラー作品。ほとんど予備知識もなく観始めたのだけど、これがツボを押さえたホラー演出がけっこう効いてて(まあ、ベタっちゃベタですけどね)、僕はぼちぼち楽しめました。特に、夜寝てるときに気配を感じて振り返ってみたらレース越しに何かが居たりとか、ジェサベルが夢の中で見る焼け爛れた男や手術台に寝かされる自分の姿などの悪夢的イメージなんか、けっこう怖かったですよ。でも…、ジェサベルの同級生の兄ちゃんが出てきてからは、これがまあグズグズな展開に(笑)。なんやねん、この兄ちゃん!嫁が居るのにこのジェサベルに付きっ切りになって、挙句の果てに「この家で独りで寝るの怖い…」って彼女の言葉にわざわざ家に連れて来て泊めてやるって…。そりゃ嫁も怒るっちゅうねん!対する主人公のジェサベルも、あんな胸元ざっくり開いたセクシーファッションで「お邪魔します」って、気が利かんにも程があります(笑)。そして、クライマックス。せっかく見せない怖さを追求してたのに、最後の最後でママが昼日中にあんなはっきり出てきたらもう怖くもなんともないですって!挙句、突っ込みどころ満載のジェサベルの出生の秘密…(失笑)。うーん、せっかく途中まで頑張ってたのにね。とはいえ、前半はぼちぼち楽しめたのと閉鎖的な田舎町に漂う不穏な雰囲気は良かったのでぎりぎり6点あげとこう。[DVD(字幕)] 6点(2016-04-08 13:02:07)(良:1票)

920.  ジャッジ 裁かれる判事 《ネタバレ》 「いいか、ここは弁護人として言っておく。親父、勝つためにあんたに証言台に立ってもらうつもりはない。あんたはキリスト教保守の田舎者ばかりが住むこの町の一公務員に過ぎない。誰もあんたの功績なんて気にしてないさ」「私が気にする。42年間、判事としてこの町の裁判長席に座り続けたんだ。人々は私を信じ、私が下す判決を支持してくれた。証言台から逃げたがるのは罪を犯した者だけだ。余計なことはするな」――。大都会、シカゴ。金持ち専門のやり手として忙しい毎日を送る敏腕弁護士ハンクの元に、地元インディアナから一本の電話が掛かってくる。長年疎遠にしてきた実家で彼の母親が病死したというのだ。すぐに現在担当する裁判を延期し、飛行機に乗り込むハンクだったが、彼には長年の気がかりがあった。それは地元でずっと判事として働いてきた父親との長い確執を抱えているという事実。無事に葬儀を終えた彼だったが、やはり父親とは酷い口論となってしまい、「もうこんなところ二度と戻ってこないからな!」と捨て台詞を残して家を飛び出すのだった。だが、飛行機に乗り込んだ彼の元に再び電話が掛かってくる。なんとその父親が酒を飲んで死亡轢き逃げ事件を起こしたらしい。すぐに引き返し、窮地に陥った父親のためにやむなく弁護を引き受けたハンクだったが、長年の親子の確執は裁判に暗い影を落としてゆく…。アメリカの保守的な田舎町で、父親である堅物の判事が起こした交通事故、その弁護を引き受けることになったやり手弁護士である息子が、裁判を通して向き合うことになる家族のドラマを軽快に描き出す法廷サスペンス。新旧実力派俳優の競演と言うことでこの度鑑賞いたしました。確かにエンタメ映画に徹したその演出手法は最後まで好感を持って観ることが出来て、そこは素直に良かったと思います。普通に考えて重たくなりそうな題材だけど、本作では田舎ののどかな田園風景を背景に、ロバート・ダウニー演じる弁護士の飄々としたちょい悪ぶり(確かにアイアンマンのトニー・スタークと思いっきりかぶるけど笑)がいい感じで作品を軽いものにさせている。そんな彼の周りに配置された演技達者たち(偏屈親父役のロバート・デュバルはもちろん、僕的にはビリー・ボブ・ソーントンが凄くいい味出してました!)のいぶし銀の競演が華を添えてます。うん、良い映画でした。7点…、と、言いたいところだけどさすがに長すぎるかなぁ。この題材で2時間20分はちょっとねぇ…。いらんエピソードを削ってもっとスリムに出来たはず。それに後で思い返してみたら、結局真相は完全には明らかになってませんやん。ここまでベタでいくなら、最後までベタで通してすっきりと終わらせてほしかったです。と言うわけで-1点。[DVD(字幕)] 6点(2016-03-12 22:47:57)

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