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プロフィール
コメント数 1884
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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941.  ハリケーンアワー 《ネタバレ》 2005年、8月29日、ニューオーリンズに巨大なハリケーン“カトリーナ”が襲来。広範囲にわたって暴風と洪水が巻き起こり、一帯に甚大なる被害をもたらしたのだった――。運悪く、そんな日に妻が急に産気づき、救急車で病院へと駆けつけたノーラン。だが、出産予定日を5週間も先に控えていた妻は、急なお産に耐え切れず呆気なくこの世を去ってしまう。突然のことに悲しみのどん底へとうちひしがれるノーラン。ところが神の思し召しか、彼女のお腹の中から小さな女の子が遺されるのだった。未熟児として人工呼吸器が手放せないそんな新たな命に希望を繋ぐ彼に、自然の猛威は容赦なく襲い掛かってくる。全館が停電し、医者も看護師も全員が避難する中、ノーランは旧式で3分間しか充電出来ない発電機だけを手にたった一人で病院へと残ることに。そこから、彼の娘の命を守るための孤高の戦いが始まるのだった……。アメリカで実際に起きた自然災害を背景に描かれるそんなシリアスな内容に、きっとこれは事実を基にした物語なのだろうと勝手に思い込んでこの度鑑賞してみました。けれど観終わって調べてみたらどうやらそうではないみたいですね。「これが事実なら、凄いことだ。娘のためなら父親とはかくも強くなれるものなのか…」という僕の本作への印象は、これが完全フィクションだと分かると微妙に変わってしまいました。これって所謂ソリッドシュチュエーションスリラーの一亜流と呼んでもいいのでしょう。そうなると、さすがにこのネタだけで90分超引っ張るのは無理があったんじゃ……。ずっと画がほとんど変わらないし基本的なストーリーは同じことの繰り返しなので、中盤辺り、ちょっぴり間延びしちゃってます。亡き妻との思い出を回想シーンで差し挟んでみるという工夫がなされているものの、いまいち上手く効果を発揮しているとは言いがたい。とはいえ、親子の絆をド直球に描きたいというスタッフたちの情熱は好感が持てるし、P・ウォーカーの男臭い一人芝居もなかなか見応えあったし、何より自然の猛威に立ち向かう一人の男という本作のテーマは素直に観て良かったと思います。P・ウォーカーさんに関しては、個人的にあまりよく知らなかったですが、なかなか無骨な華のある役者さんだったのですね。今回の事故死はつくづく残念でなりません。[DVD(字幕)] 6点(2015-04-03 22:34:27)

942.  アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方 《ネタバレ》 「忘れたのかい、僕の名前はアーサー・ニューマン。昨日、君の命を救った男さ。薬で死にそうになってたのを僕が病院に担ぎ込んだんだ。ちなみに僕の職業はプロゴルファー。これからコーチとして働くためにテレホートに向かうんだ。君さえよかったら一緒に来ないか」――。ウォレス・エイヴリー、小さな会社で地味で平凡な中間管理職として働く彼は、数年前に妻と離婚し、13歳の一人息子からも嫌われている冴えない中年男。そんな自分の人生にほとほと嫌気が差した彼はある日、とある決心をするのだった。それは、これまでの自分の人生を全て捨てて、プロゴルファー・ニューマンとなって新たな充実した人生を歩むこと。自らが創造した架空の人物に成り替わろうというのだ。会社も退職し、免許証も偽造し、3万ドルだけを手にニューマンとしてテレホートへと向かうエイヴリー。ところが、とあるモーテルで薬の過剰摂取で死にそうになっていた若い女性シャーロットと出逢う。彼女もまた自分の人生から必死に逃げ出そうとしていることを知った彼は、共に自由気儘な旅へと旅立つのだった……。社会の何処にも居場所を見つけられなかったそんな男女の行き当たりばったりな旅路を終始ほのぼのとしたタッチで描くロードムービー。最近すっかり冴えない中年男のイメージが定着しつつあるコリン・ファースと盗癖があり精神的にも問題を抱える女性役にぴったりなエミリー・ブラント、本作でのこの2人のどうしようもない駄目な感じ、なかなか良かったですね~。現実的に考えたらけっこう悲惨な状況なのに、それを終始軽~いタッチで描いたこのセンスはなかなか新しいと感じました。まあ、「こんなの冴えない中年男のエロ妄想映画やん」と言われればそれまでだけど(笑)、それでもこの人生に行き詰っていた男女のささやかな逃避行を悲愴感を微塵も感じさせずに描いたところなど観ていて心が癒されました。こんな可愛い女の子と出逢えるなら、僕も何もかも捨てて旅に出ちゃおうかしら?!なーんちって。ただ…、さすがにこのラストはちょっと甘すぎますね。この2人にはやっぱり何らかの形で制裁が与えられないと駄目でしょ。だって、彼らが旅の途上でやってきたことって、れっきとした犯罪ですから。それに、最後に再会した息子がこの親父の数日間の行動を知ったら確実に「人にさんざ心配かけさせといて、テメーは若い女とHしまくってたんかい!どつくぞー!!」ってキレるよね(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2015-04-02 13:52:56)

943.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 「生存者は5人、皆一様に憔悴しきっている。クレア、すぐに来てくれ。君には全員のカウンセリングをお願いしたい」――。アメリカ郊外の浜辺で大規模な旅客機墜落事故が発生。100人近い“乗客たち(パッセンジャーズ)”のほとんどが死亡する中、奇跡的に数名の生存者が発見されるのだった。彼らの心のケアをして欲しいと、すぐに現場へと呼ばれる精神分析医の卵、クレア。自暴自棄に陥る人、絶望の淵へと追い詰められる人、そして極度の躁状態からクレアを口説こうとしてくる男……。彼らの話を聴くうちに、次第に墜落原因に疑問が浮かび上がってくる。「何かがおかしい…」と独自に墜落の真相を探り始めるクレア。すると、航空会社の人間と思しき謎の男に尾行されるようになり、カウンセリングを受けていた生存者たちも一人また一人と消えていくのだった……。果たして事件の真相とは?そして、生存者たちは無事に社会復帰出来るのか?悲劇的な航空機墜落事故の背後に隠された、そんな巨大な陰謀を巡って展開されるサスペンス・スリラー。と、思わせといて、ストーリーが進行していくうちに何だかどんどんと怪しい感じになっていって、途中から「あぁ、きっとこれはアレ系映画なんやろねんな~」と思わせながらも、そのいかにも謎が謎を呼ぶ展開にどんどんと不安感が増していって、さらにはこの監督らしい美しい映像や音楽、丁寧に創られた怪しげな雰囲気なども相俟って、なかなか惹き込まれていきました。こういう自分を取り巻く世界の根幹がどんどんと揺らいでいくような作品、もろ自分の好みなんすけど!!特にこの出てくる登場人物の誰も彼も信用出来ない感じ、なかなか良いですね~。「これでオチがしっかりしていれば傑作になるぞ!」とワクワクしながら観ていたのですが、最後に明かされるこの真相はさすがにちょっと……。うーん、これやっちゃうと、もうなんでもありですやん(笑)。現実の世界を生きる人からの目線(「シッ〇〇・セ〇〇」におけるあの少年のような)が足りないせいで、なんだか世界観が幾分か曖昧になっちゃった感が否めないですね、これ。それまでの不穏な空気に支配されたミステリアスな雰囲気や華のある役者陣の熱演等々、最後のこの残念なオチ以外は普通に面白かっただけに惜しい作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2015-03-06 11:02:03)(良:1票)

944.  スティーラーズ(2013) 《ネタバレ》 うだるような熱気に包まれたアメリカ南部のとある田舎町。その片隅にひっそりと佇む質屋には、今日も様々な理由を抱えた“ワケ有り”な客たちが、色んなものを質草に金を求めてやって来るのだった――。ガソリン代欲しさにショットガンを売りに来たケチなチンピラ。ハネムーン中に金銭トラブルに見舞われ婚約指輪を担保に金を借りに来た頭の足りない新婚夫婦。プレスリーの物真似をしながらドサ廻りしている売れない三流芸人……。神の悪戯か、彼らのその後の運命は大きく狂い始め、どんどんとおかしな方向へと転がり込んでゆく。やがて彼らのくだらない物語はもつれた糸のように複雑に絡まり合い、町にとある奇跡をもたらすことに……。なーんて、本作の粗筋をざっと説明してみたのですが、うん、ご想像の通り、タランティーノやロドリゲスの影響をもろに受けちゃってます。てか、身も蓋もない言い方をすれば、これって「パルプ・フィクション」や「シン・シティ」の二番煎じですやん(笑)。さすがにもうちょっとこの作品ならではというオリジナリティが欲しかったですね。本家の人たちがハリウッドでますます意気軒昂に頑張ってらっしゃるせいか、最近こういう映画が本当に多いだけにまずはそう苦言を呈しておきます。さて、肝心の本作ですが、そこいらへんを割り切ってみれば、この愛すべきお馬鹿キャラたちが繰り広げるぶっ飛んだストーリーはけっこう楽しめました。もう余裕で楽しんで演じているだろう、そこそこ豪華な役者陣の怪演もグッド!脳味噌半分腐ってそうなブレンダン・フレイザーの似非プレスリー男っぷりもなかなか気持ち悪くて大変よござんした。イライジャ・ウッドの、「『ロード・オブ・ザ・リング』ファンが観たら泣くで~、これ」って感じのぶっ壊れ具合(登場時、自宅でエロビデオ見ながら一人でハッスルしてます笑)も良かったっす。というわけで、新鮮味はなかったですけど、けっこう面白かったかな~。最後にばっちり決まっちゃうオチも格好良かったしね。あれって、イライジャ・ウッドが超巨根で女たちがメロメロだったってことやんね?うん、最後までほんとアホな映画でした(もちろん、半分褒め言葉!笑)。[DVD(字幕)] 6点(2015-03-02 15:28:06)

945.  42~世界を変えた男~ 《ネタバレ》 背番号『42』――。生涯を懸けて嵐のような人種差別と戦い、全メジャーリーグ球団で唯一の永久欠番となった史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン。そんな、文字通り“野球の世界を変えた男”の気骨に満ちた生涯を丹念に描き出す伝記映画作品。もう予告編を見ただけでその内容の98%が予想できる、もう王道中の王道、例えるなら文部科学省推薦作品として体育館に集められて皆で無理やり見させられた挙句、半ば強制的に「差別について」という題で感想文を書かされそうな作品でしたね、これ。確かに、普通の人なら絶対に心が折れそうなほどの苦難な道を歩み続け、後世に多大な貢献を果たした男の生涯をストレートに描いたド直球の伝記映画として素直に良かったとは思うのだけど、うーん、もう少し新しいアプローチが欲しかったですかね。ちょっと、これってあまりにも“優等生”過ぎやしません?たとえば、一度見たら忘れられない強烈なキャラクターを登場させてみるだとか、「え、そんな伏線が隠されていたのか」と唸らされるようなストーリーで魅せるだとか、彼がその生涯を懸けて人種差別と戦い続けたにもかかわらず未だアメリカには根深い差別の病根が残っているという空しい現実を冷徹な視線でもって見つめてみるだとか、現代の映画としてそう言った心に残る新しい演出が欲しかったところ。とはいえ、ハリソン・フォードを初めとする主演俳優陣のナチュラルな演技は見ていて好感が持てるし、全編に漂うノスタルジックな雰囲気も良かったし、何より人種差別と戦い続けた実在の人物の生き様を現代に甦らせた伝記映画として――新鮮味はないとはいえ――普通に良く出来ていたと思います。僕が野球好きなら、もう少し評価は上がったかも知れませんね。[DVD(字幕)] 6点(2015-02-27 18:56:21)(良:1票)

946.  ブロークンシティ 《ネタバレ》 「皆さん、私が市長になったとき、ここニューヨークは“壊れた街”だった。そう、完全に壊れていた!それを、私が少しずつ直してきた。ええ、もはや安全に生まれ変わりましたとも!だから次の選挙も私、ホステラーへと投票を!!」――。市長選挙に沸く大都会、ニューヨーク。7年前、レイプ殺人犯を正当な手続きを踏まぬまま射殺したとして警察の職を辞したビリーは、以来街の片隅で私立探偵として細々とした生活を強いられていた。それでも女優の卵である彼女と共にそれなりに充実した毎日を過ごしている。ある日、そんなビリーの元に妻の浮気調査という依頼が舞い込んでくる。依頼主は、なんと現職の市長ホステラーだった。「この時期、スキャンダルだけはなんとしても避けたい。くれぐれも内密に頼む」。多額の報酬に引かれてすぐに彼の妻の身辺調査を開始したビリーだったが、そこには市長選を巡る巨大な陰謀が隠されていたのだった…。マーク・ウォールバーグ&ラッセル・クロウという2大人気俳優競演で魅せる、重厚な政治サスペンス。まあ取り立てて新しい部分はなかったですけど、ツボを押さえたミステリアスなストーリー展開と都会の夜の空気を濃厚に漂わせる映像とでなかなか見応えのある作品に仕上がっていたと思います。主演俳優のみならず、脇を固める何気に豪華な役者陣もそれぞれに味があって良かったです。ただ、不満な点も少々。それはやっぱり、主人公の「彼女」の存在でしょう。“女優の卵である彼女に嫉妬したビリーが何年も禁酒していたのに再び酒を手にしてしまう”というエピソードが、途中からどっかに行っちゃったのが残念でした。最後に市長が取り出してきたビデオ、「きっと、ここに拉致監禁されたあの彼女の姿が映ってて…」みたいな展開を想像した僕としては、その予想外の内容に「え、そっち?」と思わずずっこけそうになっちゃいました。そのまま、彼女の存在は最後までずっとほったらかしのまま…(どこ行ってん?笑)。これなら彼女のエピソードはばっさり切って、ロマンスはあの助手の女の子だけに集中した方が良かったと思うんだけど。とはいえ、映画としてぼちぼち面白かったことは確か。監督には、最後にチェーホフのこの有名な言葉を期待を込めて贈りたいと思います、「物語にピストルが登場したなら、それは発射されなければならない」。[DVD(字幕)] 6点(2015-02-16 19:49:02)(良:2票)

947.  REDリターンズ 《ネタバレ》 「最近の若い奴らが観る映画は、なんや言うたらCGみたいな小細工に頼り、内容もとても大人の鑑賞に耐えられへんような荒唐無稽のヒーローモンばかり…。それに比べて、昔のアクション映画は良かった。確かにCGちゅうもんに比べたら画がショボいって言われるかも知れへんけど、そこには人間味溢れる温かみみたいなモンがあった。ストーリーかって、なんやダークナイトや言うて暗い小難しい話ばっか創りよってからに…。それに引き換え、昔のアクション映画には夢あり笑いあり涙あり、そしてほんのちょっとお色気もあり(ムフフ♪)でほんま楽しかったのう…」という嘆き節が止まらない定年後のおじいちゃんたちをターゲットに、往年の豪華俳優陣をそろえ、古き良きアクション映画を堪能させてもらえるエンタメ映画としてそこそこ面白かった作品の続編。こういう頭空っぽにして観られる薄味娯楽映画って、確かに面白いのだけど、当然ながらその内容をすぐに忘れちゃうのが短所なのよねー。という訳で、前作の内容はほとんど憶えていない状態で今回鑑賞してみたのだけど、そういう作品の長所は「ストーリーなんてあってもなくても別段問題ナシ!」なので、全く問題なかったです(笑)。ま、頭空っぽにして観るべき薄味エンタメ映画なので明日には速攻で忘れちゃいそうな内容でしたけど、今回も頭空っぽにしてぼちぼち楽しめました。何より、大御所俳優たちが「まだまだ若い奴らには映画界を任せておれん!」とばかりに存分に楽しんで演じているだろうところが画面の端々から感じられて素直に良かった!これから超高齢化社会を迎える日本の爺さんたちには、こういう映画を観てまだまだ現役で頑張ってもらいたいものです。そしたら、メアリー=ルイーズ・パーカーみたいな若くてピチピチした可愛いおねーちゃんがチューしてくれるかもよ?![DVD(字幕)] 6点(2015-01-31 22:42:19)

948.  ミッシング・ポイント 《ネタバレ》 2011年、パキスタン。大学の講師をしていたアメリカ人がイスラム過激派とみられる組織に誘拐される事件が発生。現地で、すぐに捜査を開始したCIAだったが、その捜査線上に上がってきたのは、同じ大学で過激な講義を繰り返してきたチャンゲスという男だった。過激派との繋がりも疑われる彼に、ジャーナリストを装って近付くCIA職員、ボビー。なんとかチャンゲスと接触することに成功するのだったが、彼の口から語られたのは今からでは考えられないような予想外の彼の過去だった――。物語は、そんなイスラム原理主義思想にどっぷりと浸りきった現代のチャンゲスと、10年前、彼がまだエリート金融マンとしてアメリカの大企業でめきめきと頭角を現していた若き日の彼の姿を交互に描き出してゆきます。優秀な上司に見出され(K・サザーランドがそんな利益至上主義者である上司役を好演しています)、ニューヨークの高層ビルの一室で冷徹な資本の論理を駆使して弱者を切り捨てていくエリートサラリーマンだったチャンゲスが、如何にしてイスラム過激派となってしまったのかをスリリングに炙りだすそのストーリーテリングの巧みさはなかなか秀逸。白人の美しい恋人にも恵まれ、将来を約束されていた彼が911というアメリカ社会のあり様を根底から変えてしまった衝撃的な事件と出会うことで、それまで敢えて目を背けていただろう現実と向き合わざるを得なくなってしまいます。それでもチャンゲスは、アメリカという自由社会に必死に踏み止まろうとするのですが、やがて何もかも捨ててまでイスラム原理主義思想に染まっていく過程を丁寧に描き出すことで、アメリカの利益原理主義とも呼ぶべき風潮と果たしてどちらが間違っているのか、どちらも弱者を食い物にするという点でさして変わらないのではないかという、根源的な問題を鋭く問うそのテーマ性はなかなか深い。ただ、チャンゲスがその思想を根底から変えてしまう肝心の理由が観ていて拍子抜けするくらい、エピソードとして弱かったのが残念ではありましたけれど。それでも、濃厚な政治ドラマとしてなかなか良く出来ていたと思います。最近の「イスラム国」を初めとする中東の混迷ぶりを見ていると、欧米社会とイスラム社会はもう永遠に理解しあうことは出来ないのではないか。そんな疑問を呈しながらも、チャンゲスが最後に取った行動に僕は微かな希望を見出さずにはいられません。[DVD(字幕)] 6点(2015-01-28 21:45:27)(良:1票)

949.  ダイアナ 《ネタバレ》 ダイアナ元皇太子妃とは、果たして何者であったのか――。スキャンダルにまみれたその生き方によって英国王室の権威を失墜させた希代の悪女だったのか、それとも前近代的な価値観によって女性を縛り付ける古き制度を打破しようとした新しき女性の先駆者なのか、あるいは人々に悲劇を撒き散らした地雷という非人道的な兵器を世界から根絶すべく尽力した人道主義者か、はたまたただ幸せになろうと努力したのにそうなることを許されなかった悲劇のヒロインなのか?本作では、それら今まで形作られてきたであろう彼女のある種神格化されたイメージを踏襲しつつも、ただある男性を一途に想い続けた普通の一人の女性という、極めて親しみやすいダイアナ像を描き出している。事実がこの通りだったのかは分からないが、ただ愛する男性と幸せになりたかっただけなのに、自分が世界で一番有名な女性となってしまったがために苦悩の色を深めていく彼女を抑制された演出で最後まで淡々と描き出した所は素直に好印象を持った。パパラッチという、人の不幸を食い物にする愚かな人間どもによってそのプライベートを丸裸にされ、あまつさえ命まで奪われてしまったダイアナ妃の悲劇には深い憤りを覚えざるを得ない。伝記映画としてある一定の完成度に達していることは明らかだろう。ただ、最期まで自らのプライバシーを娯楽として見せ物にされた彼女が、もし生きていてこの映画を見たとしたら果たしてどのような感想を持ったことだろう?極めて好意的に描かれており、彼女が既に故人であるということをかんがみても、自らの赤裸々な恋愛、ましてやセックスシーンまで再現されたこの映画を見て、手放しに喜んでくれるだろうか。個人のプライバシーと芸術表現、覗き見趣味的ゴシップと娯楽と教養としての伝記映画……。この作品は極めて悩ましい問題を内包しているように自分は思う。少し穿った見方をすれば、本作に関わったスタッフたち自身もそんな難しい問題に絡めとられたのか、映画としてみれば極めて中途半端な印象が拭えない。プライバシーを尊重すれば映画として成り立たない、ドラマティックに演出すれば露悪趣味だと糾弾されかねない。非常に悩ましい問題であると思うのだが、監督には敢えてそんな境界線を踏み越える勇気を見せて欲しかった。恐らくその向こうにこそ、映画という芸術表現の真の価値が表れるのだから。[DVD(字幕)] 6点(2015-01-25 00:52:05)

950.  ギャングバスターズ 《ネタバレ》 今朝、あのクズのようなギャングどもをぶっ殺していたのはアンタたち兄弟でしょ?嘘言わないで。ねえ、お金はちゃんと払うから、あたしのお願いも聞いてほしいの――。うだるような熱気に包まれたアメリカ南部のとある田舎町。保安官の庇護の下、まだるっこしい法律など度外視して社会に蔓延るクズのようなチンピラどもに制裁をくだしていたウーディ3兄弟。ある日、そんな彼らは謎の美女からとある依頼を受けるのだった。それは、凶悪なギャングたちのボスから彼女の名付け子である少年を取り戻してくれというもの。多額の報酬に惹かれて、愛用のショットガンや自動小銃を手にウーディ兄弟は、そんなギャングたちのボスの豪邸へと向かったのだったが…。アメリカ南部の田舎町を舞台に、破天荒な日常を生きるそんな“ギャングバスターズ”たちの活躍を小気味よく描いたB級テイストのアクション・エンタメ作品。いやー、とにかくタランティーノやロドリゲスの影響を色濃く受け継いだ作品でしたね、これ。見ているだけでじんわりと汗が滲み出てきそうな乾いた映像、軽快でノリのいい音楽、スピーディで分かりやすいストーリー展開、アクの強い個性豊かな登場人物たち…。てか、これってまんまタランティーノ&ロドリゲスの世界観を踏襲しただけですやん(笑)。もうちょっとこの作品ならではという個性が欲しかったですね。それに演出の所々に「?」な部分があってそこもちょっぴり気になりました(特に、いまいち盛り上がりに欠けるクライマックス!)。でもまあ、肩の凝らないアクション映画として僕はぼちぼち楽しむことが出来たかな~。色仕掛けで男どもを殺しちゃうセクシー殺し屋美女軍団とかも、まあちょっとおばちゃん比率が高かったとはいえ、けっこう堪能させてもらったし。てか、観終わって冷静になって考えてみたら、この悩殺セクシー殺し屋ちゃんたち普通に弱すぎっしょ(笑)。完全に、男の観客のスケベ心に応えたサービスエピソードでしたね~。ま、アリだったけどさ(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2015-01-05 00:22:30)(笑:1票)

951.  少女は自転車にのって 《ネタバレ》 いまだイスラム教に厳格な保守層が支配する中東の大国、サウジアラビア。そこでは、女性たちはいまだ抑圧された窮屈な生活を強いられている。家族以外の男の前では全身を覆うスカーフを身に纏うことを強制され、お洒落をすることはおろか、車の運転をすることすら禁じられているのだ。思春期を迎えたばかりの幼い少女ワジダもまた、そんな抑圧された社会に疑問を感じながら暮らしていた。それでも、親や教師の目を盗んでは欧米の自由なポップソングをカセットで聴いたり、幼馴染みの少年と追いかけっこしたりして、ワジダはなんとか自分らしさを保っている。そんな中、彼女はとある店先でまるで自由への象徴のような格好良い自転車と出逢ってしまう――。女性が自転車に乗ることすら憚られるサウジアラビアで、必死に自分らしく生きようともがく少女の健気な姿を淡々と描いたアカデミー外国語映画賞候補作。詳しい経緯はあまりよく知らないのですが、そんな厳格なイスラム社会で女性監督がこのように挑戦的――まがりなりにも先進国の一員である我々にとってはあくまで普通のことなのですが――な内容の映画を撮れたことに、まずは賛辞を贈りたいと思います。DVDに収録された特典映像によると、本作はサウジ国内では上映不可能とのこと。少女が自転車に乗るというなんてことない映像ですら表現できない社会がいまだ存在しているという事実にあらためて驚かされてしまいます。さて肝心の内容ですが、とにかく主人公ワジダを演じた女の子のキラキラと輝くような笑顔がとても魅力的。そんな彼女が自転車が欲しい一心でコーラン暗唱大会に必死で挑む姿には素直に共感出来ました。変に政治的なメッセージを強調せず、あくまで一人の少女の日常を切り取ることで、サウジ社会が抱える問題を淡々と炙りだしたところも良かったと思います。ただ、あまりにもゆっくりとストーリーが進行してゆき、最後までいまいち心に残るシーンやエピソードに出会えなかったところが少々物足りなくも感じてしまいました。それでも最後、しっかりと前を見据え自転車を漕ぎ出すワジダのその凛とした後姿は、良い余韻となっていつまでも僕の心に残りそうです。いつの日か、彼女のような女の子が普通にお洒落したり恋をしたり自転車に乗って何処までも自由に旅をしたり出来る日がやって来ることを祈らずにはいられません。[DVD(字幕)] 6点(2015-01-01 12:06:57)

952.  大統領の執事の涙 《ネタバレ》 アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン――。約30年にわたり、そんな7人の名だたる大統領に仕えた、ホワイトハウスの実在の執事セシル・ゲインズの物語を黒人の人種差別との戦いの歴史の中に描き出す社会派ドラマ。物語は、主人公セシルが幼少のころ、まだ黒人が奴隷と変わらない扱いを受けていた今世紀初頭の農場の描写から始まります。その後彼がひょんなことからホワイトハウスで勤めるようになると、社会ではキング牧師やマルコムXといった黒人運動家たちも台頭する。セシルがホワイトハウスで着実にキャリアを積んでゆく中、彼らが起こした公民権運動は道半ばで暗殺や暴力で中断されることに。それでも彼らの“ソウル”を受け継ぐ者たち(主人公セシルの息子もその一人)が地道に活動を続けて、やがて自らの権利を獲得してゆく様を重層的に描き出したところはなかなか見応えありました。この監督らしい、個性豊かな黒人たちをソウルフルに描き出す手腕は今作でも健在。歴代大統領たちとのエピソードも、ちょっとあっさりし過ぎな感もあったけど、豪華な役者陣の熱演もあり素直に良かったと思います。ただ、本作の胆となるだろう、執事としての職務と黒人としてのアイデンティティとの狭間で揺れ動く主人公というテーマがいまいち深く描かれていなかったのが残念。白人に母をレイプされ、父親までも殺され、さらには2人の息子まで奪われそうになる主人公。ここまで理不尽な目に遭いながらもそれでも職務を優先した彼の、抑えきれない魂の雄叫びみたいなものを僕はもっと観たかった。強大な苦難に立ち向かうマイノリティたちの普遍的なドラマとして充分見応えある作品に仕上がっていただけに、惜しい。本作品で全黒人たちの希望の星のように描かれ、あまつさえこれを観て涙を流したと喧伝されるオバマ大統領。彼が就任中、白人警官による17歳の黒人少年射殺事件に端を発する全米規模の大暴動になんら有効な手立てを打ち立てられなかったことを思い返すと、人種差別という病理の根深さに気が滅入る思いです。でもいつか、肌の色など関係なしに全ての人々が平等に暮らせる日がやって来ることを――たとえそれが恐ろしく困難なことだとしても、僕は願ってやみません。[DVD(字幕)] 6点(2014-12-12 12:35:33)

953.  美しい人(2005) 《ネタバレ》 罪を犯し、刑務所に服役中の37歳の女性サンドラは、幼い娘との面会だけを希望に生きていた。夫と共にこれから幸せになろうという妊娠中の人妻ダイアナは、ある日の買い物中に偶然かつての恋人と再会する。父との深い確執を抱える黒人女性ホリーは、そんな父親と決着をつけるために意を決して実家へと帰ってくる。自己中心的な夫と一緒に金持ちの友人宅を訪れたソニアは、その日も案の定大喧嘩となってしまう。愛が冷め切った両親と暮らすティーンエイジャー・サマンサは、自分の将来について悩みを抱えていた。元夫の新たな妻が自殺してしまったローナは、色々と葛藤を抱えながらも葬儀会場を訪れる。不倫相手と共に小さなモーテルの一室へとやって来た中年女性ルースは、隣室の女性が警察に逮捕されるのを目撃してしまう。乳癌を患い、今まさに乳房の切除手術を受けようとしているカミールは、押しよせる不安に押し潰されそうになっていた。そして、祖母と共に死んだ母親のお墓参りにやって来た幼い少女マギー、彼女は人の生と死というものを少しずつ理解しようとしていく――。9人の様々な女性たちのそんな苦悩に満ちた十数分のドラマを美しい映像でもって切り取ったオムニバス作品。なかなか豪華な役者陣を揃え、そんな短い作品を全て編集なしのワンカットで撮るという、カメラ畑出身のこの監督らしい意欲作でありました。確かに緻密に考え抜かれたであろう流れるようなカメラワークはとても素晴らしかったです!若干パンチに欠けるとはいえ、それぞれのお話も人生の悲哀と喜びを瑞々しく切り取っていて素直に良かったと思います。ただ、個人的にあまり好きになれないお話が何個かあって(特に、妻の葬儀会場なのに再会した元嫁に縒りを戻してと縋りついちゃうウザいヘタレ男の話!)、そこがちょっとマイナスでした。それに、アマンダ・セイフライトの胸の谷間を強調したカメラアングルは、男としてはもちろん嬉しいのだけど、今作のテーマには完全にそぐわなかったですね。総じて、映像が美しい映画ではあったけれど、いまいち共感出来る部分が少ないオムニバス作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2014-12-08 22:09:55)

954.  ザ・コール [緊急通報指令室] 《ネタバレ》 911。それはアメリカにおける、緊急通報システム。日夜、多種多様な人々からの様々な緊急連絡に対応してきた優秀なオペレーターであるジョーダンはある日、とある少女からの悲痛なSOSを受ける。今まさに猟奇殺人犯に捕まろうとしている少女の切実な叫びに、受話器越しに必死に対応するジョーダンだったが、彼女の致命的なミスにより、少女は数日後に遺体となって発見されるのだった――。6ヶ月後、以来現場から退き教官として後輩の育成にあたっていたジョーダンだったが、またしても幼い少女の誘拐事件が発生してしまう。犯人の車のトランクから携帯電話で必死に助けを求めてくるケイシーと名乗る被害少女。いてもたってもいられなくなったジョーダンは、そんなケイシーの命を救うため、再び現場へと復帰すると受話器越しに様々なアドバイスを与えてゆくのだったが……。猟奇殺人犯に拉致された少女と911のオペレーターとの電話越しの遣り取りをスピーディに描くサスペンス・スリラー。90分という適度な尺、小気味よく進む娯楽に徹したストーリー、相変わらずお美しいハル・ベリーの華のある熱演…。まあ、犯人があまりにも頭悪すぎ(死んだと思ってトランクに閉じ込めた被害者の男が実は生きていたって、犯人、脈ぐらい確認しろよー!てか、最初からケイシーを縛っといたら良かったじゃん!笑)ってところがちょっぴり失笑でしたけど、ツボを押さえたエンタメ作品としてはなかなか良かったんじゃないでしょうか。でも、それも中盤まで。ずっと受話器越しの遣り取りのみで被害者を救出すると思われた主人公が、何故かそんな司令室を飛び出して犯人のアジトへと乗り込んでいくって、おいおい(笑)。しかもそこから思いっ切り、『羊たちの沈黙(劣化版)』になっちゃってるし~。挙句の果てに、もうここまでベタでいくなら最後までベタで通してほしかったのに、奇を衒ったような変てこなラストシーンを迎えちゃいます。いやー、いろいろと残念賞な作品でありました。ハル・ベリーの相変わらずスタイル抜群のナイスバディと、反対に誘拐された少女の妙にエロいムチムチ・ランジェリー姿に+1点![DVD(字幕)] 6点(2014-12-06 00:41:23)

955.  縞模様のパジャマの少年 《ネタバレ》 ホロコーストという未曾有の狂気が嵐のように拡がり始めた第二次大戦中のヨーロッパ大陸。立派なドイツ軍軍人である父と共に平穏な生活を送る8歳の少年ブルーノは今回、父の転勤によってドイツ郊外へと引っ越すことに。家族と共に新たな地で新生活を営もうとするブルーノ。だが、そこはユダヤ人という〝劣等民族〟を数多く収容する絶滅工場の隣地に建つ官舎だった――。何も知らない無垢な少年であるブルーノは、そこで常に〝縞模様のパジャマ〟を着て有刺鉄線の向こうで暮らす同い年の少年シュムールと出会うのだった。有刺鉄線越しにケーキやボールの遣り取りを交わし、次第に友情を育んでゆく彼ら。だが、過酷な現実がそんなブルーノとシュムールを呑み込んでいく……。20世紀において人類のもっとも愚かな過ちであるホロコーストという悲劇を、8歳の少年の純粋な目を通して描き出すヒューマンストーリー。政治的な背景を徹底的に排除し、何も知らない子供でもそんな悲劇的な史実を理解できるように何度も練られたであろう分かりやすい脚本の力もあり、最後まで引き込まれて観ることが出来ました。主人公ブルーノを演じた少年のナチュラルな演技も巧く、おかげでラストの衝撃の結末にも心を揺さぶられました。うん、素晴らしい良作であった……と、言いたいところなのだけど、観終わって冷静に考えてみると、この衝撃のラストを撮りたいがあまり、脚本の粗が目立つところが玉に瑕でしたね、これ。やっぱりあんなに簡単に収容所に入れちゃあかんでしょ。それに後半10分の展開が急ぎすぎで説得力に欠けます。もっと時間が長くなってもいいので、ブルーノが何度も収容所に進入して冒険を繰り返していたという展開にした方が、2人の友情ももっと深く描けただろうし、衝撃のラストももっと嫌な余韻を――それこそ誰もがもう二度とこんな悲劇を繰り返さないと心から思えるほどの最悪な余韻を残せたであろうに。惜しい。とはいえ、何も知らない子供にも分かりやすくホロコーストの残虐性を描いたドラマとして、なかなか良く出来ていたと思います。多くの子供たちに本作を観てもらい、『アンネの日記』や『ライフ・イズ・ビューティフル』といったさらなる素晴らしい作品を手にとるきっかけになってくれればと切に願います。[DVD(字幕)] 6点(2014-11-25 20:22:08)

956.  50/50 フィフティ・フィフティ(2011) 《ネタバレ》 「母さん、落ち着いて聞いてくれ。実は僕、癌なんだ。2日前に分かった。でも、大丈夫。ネット情報だけど5年後の生存確率は50%、カジノなら楽勝の勝率だよ、きっと生き残ってみせるさ」――。ラジオ局に勤める働き盛りの27歳の青年アダムは、愛する彼女や友人たちと充実した日々を送っていた。だが、ある日彼は、医師から重度の癌を患っていることを知らされるのだった。突然のことに、もちろん動揺を隠せないアダム。それでも彼は、周りの心優しい友人や恋人、セラピストの励ましを糧に、持ち前の楽観的な性格からなんとか前向きに生きようと試みる。施設から捨て犬を引き取ってみたり、思い切ってスキンヘッドになってみたり、自虐ネタで女の子をナンパしてみたり…。だが、そんな気丈に振舞うアダムも、とうとう癌という病と真剣に向き合わざるを得なくなってしまう……。若手脚本家が実際に体験したそんな重い事実を、反対に終始軽いタッチで描いた闘病物語。うん、評判どおりなかなか良かったですね、これ。まるでポップアイドルグループのPVのようなセンス溢れる映像と軽快な音楽でこんな暗いお話を、ちゃんと現実の理不尽さを直視しながらも最後まで小気味よく見せきるこの監督と脚本家の手腕は素直に素晴らしいと思います。若い女性カウンセラーとの恋愛描写もちょっぴりご都合主義っぽかったけれど、医師と患者との間で揺れ動く彼女のいじらしい姿にはけっこう胸キュンでした~。反対に、あの浮気しちゃう主人公の彼女のいかにもビッチって感じの描き方は、脚本家の相当の私怨が込められてますね(笑)。なんだか、同じくゴードン・レヴィット主演の男目線ラブストーリーの佳品『(500)日のサマー』を思い出しちゃいました。総じて、世に溢れ返る薄っぺらいお涙頂戴の闘病物語とは一線を画する、軽さと重さの間を絶妙のバランス感覚で描いた人間ドラマの秀作であったと思います。ただ…、主人公の親友であるカイルがあまりにもデリカシーのないやつ(こいつ、ホントに女とHすることしか考えてねーんじゃないのって何度も突っ込んじゃったし!笑)で、いまいち僕の好きになれないタイプのキャラクターだったんで、そこだけちょっぴりマイナスっす。[DVD(字幕)] 6点(2014-11-17 18:01:49)(良:1票)

957.  エンダーのゲーム 《ネタバレ》 「姉さんへ。僕はこれから敵の母星に程近い訓練基地に向かいます。そこで最終試験を受け、合格すれば、僕は侵攻艦隊を任されることになります。本当は嫌だけど、戦争は避けられないでしょう。姉さんの無事を祈っています。エンダーより」――。凶悪な異星生命体“フォーミック”の突然の襲撃により、滅亡の危機へと陥ってしまった未来の地球。人類は偉大な英雄の犠牲により、辛うじて敵を追い返すことに成功するのだった。だが、戦力を回復した敵の再襲撃が近いことは明白だった。人類は世界中から天才児を集め幼いころから英才教育を施し、彼らにすべての希望を託したのだった。その中の一人である聡明な少年エンダーは、訓練施設内で様々な葛藤を抱えながらも仲間たちと共に少しずつ成長してゆく。人類の未来を守るために……。数々の権威ある賞に輝くベストセラー小説を、ハリソン・フォード&ベン・キングスレー主演で映画化したごりごりのSF作品。徹底的に拘りぬいて創られたであろう、その美麗な映像は確かに見応えありました。冒頭の訓練施設内での、『フルメタルジャケット』のハートマン軍曹へのオマージュとも言える描写が象徴するように、SFの枠を借りながらも戦争がもたらす人間性の破壊とそれでも戦争を続けざるを得ない人間の宿命を寓意的に描き出す、その視線の鋭さには感服するものがあります。そして、この全編に横溢する半端じゃない緊張感にも圧倒されました。ただ…、あくまで個人的な好みなのだけど、僕はこういう登場人物誰一人として最後まで心の底から笑わず、ずっと眉間に皺を寄せて、延々とクソ真面目に任務を遂行するような超クソ真面目な作品って個人的に苦手なんですよね~。この子供たちっておならとかしないんですかね(笑)。それに、終盤辺りまで一向に敵と開戦しないものだから「あんたら何時まで訓練しとんねん!」と突っ込みそうになったら、最後に「実は…」という展開を見せるところも僕は「はぁ、マジで(怒)」って感じでした。そこのところを許容できるかどうかが、今作の評価の分かれ目でしょうね。でもまあ、通好みのハードSF作品として、「スタートレック」や「エヴァ」シリーズが好きな人は充分楽しめると思います。主人公エンダーを演じた少年の目力も凄かったですし。[DVD(字幕)] 6点(2014-11-02 00:49:12)

958.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 「ねえ、ママ、どうして生理のこと教えてくれなかったの?あたし、みんなに笑われたんだよ。それとママがいくら反対したって、あたし、絶対にプロムに行くわ。たとえ、どんな目に遭おうとも」――。狂信的なまでに保守的で厳格な母親に大事に大事に育てられた大人しい少女キャリー。クラスメイトとうまく打ち解けることが出来ない彼女は、周りからの理不尽なイジメにずっと耐える苦しい生活を強いられていた。だが、まだ誰も知らない。キャリーには人智を越えた恐ろしい力が備わっていたことを。プロムの夜、いじめっ子が軽い気持ちでやった些細ないたずらがキャリーを追い詰める。それが恐ろしい惨劇を招くことも知らずに……。スティーブン・キングのデビュー作をブライアン・デ・パルマが映画化した名作の誉れ高い作品を、人気若手女優クロエ・グレース・モレッツ主演で現代風にリメイクした青春モダンホラー。デパルマ版の過去作はずっと昔に観たという記憶はあるのだけど、僕の好みにいまいち嵌らなかったのか、その内容はほとんど憶えていない状態でこの度鑑賞。うーん、観終わってすぐの率直な感想を言わせてもらえば、「ザ・無難」という言葉に尽きると思います。ストーリーの盛り上げ方も、映像の見せ方もキャラクターの描き方も全てが予想の範囲内の及第点クラスなんですよね。だから、クライマックスのキャリーの暴走もカタルシスがあってけっこう見応えあるし青春ドラマとしてもなかなかセンスを感じるし決してつまらなくはないんだけど、こうもう一つ何かが足りないという印象。あのジュリアン・ムーア演じるお母さんがもっとぶっ壊れてて一度見たら忘れられないくらい強烈なキャラクターだったりだとか、クライマックスの惨劇ももっとやり過ぎなくらい血みどろグチャグチャにしちゃうとか、そんなデパルマ版を少しでも追い越そうというようなエッジの利いた演出があればもっと良かったと思うんですけどね。クロエちゃんも頑張っていましたが、彼女はもっと元気もりもりキャラを演じたほうがその魅力を発揮できると思います。という訳で、まあぼちぼち面白かったかなって感じですね。うん、6点![DVD(字幕)] 6点(2014-11-01 21:29:55)

959.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 でっぷりとしたお腹にざんばらハゲを隠すためのバレバレの一九分けヘアがトレードマークの生粋の詐欺師アーヴィン。彼の仕事上でも私生活でも名実共にパートナーである男にだらしない女イーディス。自分の出世のことしか頭にない自己中心的な俗物FBI捜査官リッチー。鬱からくる情緒不安定でネイルアートだけが生き甲斐の現在別居中のアーヴィンの妻であるロザリン。一癖も二癖もあるそんな彼らの本音と建前、嘘と真実、愛と憎しみが複雑なタペストリーのように絡み合うコメディタッチの社会派ドラマ。このデビット・O・ラッセルって監督、前々から感服しいてたことだけど役者を使うのが実に巧い!!「あんた、何処まで肉体改造したら気が済むねん!」ってくらい今回も役者魂を見せ付けてくれる胡散臭さ爆発なクリスチャン・ベール、絶対に友達になりたくない“ザ・やな奴”を見事に演じたブラッドリー・クーパー、いつおっぱいポロリするか分からないような露出狂ファッションで常に男を振り回すビッチを生々しく演じたエイミー・アダムス、関わり合いになりたくないけど客観的に見る分には面白いイタいお騒がせ女ジェニファー・ローレンス…、他にもほんのチョイ役ながら相変わらず存在感抜群のデ・ニーロやらおバカな市長役のジェレミー・レナーやら、そんな豪華な役者陣が織り成す見事な熱演の数々は見応え充分でした。ただ…、ストーリー的にちょっと弱いかな~と感じたのも事実。実際にあった事件を元にしたからか、いまいちカタルシスに欠けるという印象が拭えない作品でもありました。個人的には、同監督の前作「世界にひとつのプレイブック」の方がドラマティックで好きですね。それにこの監督って良くも悪くも優等生なんですよね~、作品としてもう少しアクの強さみたいなものが僕は欲しかったですかね。それでも、最後まで安定して観ていられるエンタメ映画の佳品に仕上がっていたと思いまーす。[DVD(字幕)] 6点(2014-10-31 23:39:50)(良:1票)

960.  ミッドナイト・ガイズ 《ネタバレ》 「俺を殺そうとする刺客はお前なんだろ?構わないから、言っちまえ。べつに責めやしない。俺が逆の立場だったら迷わずやる。大丈夫、お前に殺されるなら、俺も本望さ」――。マフィアのボスの息子を仕方なく殺してしまい、28年の刑期を務め上げて出所してきた老ギャング、ヴァル。出迎えに来たのは、ずっと彼のことを支え続けてきた大の親友であるドク1人だけだった。だが、ドクは執念深いマフィアのボスから孫の命と引き換えに彼を殺す使命を受けていた。もう何も失うものなどないヴァルは全てを受け入れ、最後の夜を謳歌しようと2人で夜の街へと繰り出してゆくのだが……。老境に差し掛かったもののまだまだ人生を楽しみたいおじいちゃんたちの一夜の冒険をコミカルなタッチで描くギャング・アクション。アル・パチーノ&クリストファー・ウォーケン主演ということで、今回鑑賞してみたのだけど、いやー、ぬる~~い映画でしたね、これ。主演2人ももうすっかりおじいちゃんになってしまったし、ストーリー展開も超ベタベタだし、「ちょっとこれはしんどいかな…」と思いながら観ていたのだけど、中盤から不思議とこのぬるさにけっこう嵌っていく自分が居ました。もう脚本なんて、はっきり言って突っ込みどころ満載の超テキトーな代物なんだけど(凶悪なギャングたちの高級車が鍵付きで路上に停められていたり、そのギャングたちが超しょぼくてジジイ2人に簡単にボコボコにされちゃったり…笑)、まあ割り切っちゃえばこういうのもたまにはアリですね。じじいになったとはいえ、アル・パチーノはまだまだシブくて格好良いし。うん、ちょっぴり下ネタが多いのが気になったけど、最後まで安心して観ていられる、お酒のお供に最適ないい「おつまみムービー」であったと思います。最期に売春婦たちと3Pして文字通り昇天してしまったあのお友達のおじいちゃんは僕の理想の死に方の一つかも(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-10-29 17:27:37)
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