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プロフィール
コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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81.  ウィッチマウンテン/地図から消された山 《ネタバレ》 おやおや、この夏の思わぬ拾い物はこれかいな? タイトルを見て魔女モノのスリラーホラーかと思いつつ、タッチストーンじゃなくディズニーだからねぇ、なんだろうねぇ?と、その程度の認識で見たのですが(ポイントでタダ見だし)、ディズニーブランドらしいジュブナイルSFサスペンスの秀作という感じで。特殊な力を持った兄妹を助けようとするタクシードライバーの話。話はベタだし、VFXは今時かなりチャチ、演出だって特筆すべきところはまるでない映画ですが、不器用だけど頼もしいって役を演じたら天下一品なザ・ロック様とキラキラ透明感少女アナソフィアと、その他二人と一匹(おざなり)が、それぞれに孤立した状態から力を合わせて困難に立ち向かって擬似的な家族を形成してゆく物語、見終わってなんだか「ほかほかするの」みたいな充足感。ロボット殺し合い映画よりもよっぽど家族揃って安心満足ってカンジですが(一方マニアな人向けに『スター・ウォーズ』や『トロン』ネタが仕込んであったりもしますが)、まータイトルは意味判んないし宣伝してないし劇場展開ショボいし、色々と作品の外側がザンネンなコトになってますね・・・。[映画館(字幕)] 8点(2009-07-04 17:21:51)(良:2票)

82.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 ちと不快に感じる人もいるでしょうが本音書きます。『スター・トレック』が日本ではいまいちメジャーになれないでいるのは70年代終わりから80年代にかけて発生した、ギョーカイ人を中心とした日本のトレッキーの排他的選民意識に原因があったんじゃないでしょうかねぇ。マニア間で一見さんお断りワールドを形成しててね、アメリカみたいなオープンさが皆無だった感じで、だから今もってみんな濃い連中の「目」を気にして『スター・トレック』に対する自分のこれまでのスタンスを表明してから語らにゃならないとゆー狭っ苦しい状況が続いてるよーな気がしてならんのですよ。そんな大層なモンか?コレ。ギャー!おもしれー!でいいじゃん。さて、この映画、前日譚だとばっかり思ってたら実は完全に新作だったという事にめちゃくちゃ驚きました。若い日のカークやスポックの話じゃ、みーんな死なないのが判ってる世界でサスペンスもへったくれもないじゃん、と思っていたら、そうではないと。何も確定しない新しい世界の物語、ワクワクしました。クライマックスに颯爽と現れるエンタープライズ号の勇姿なんざ、思わず声が出そうになりました。『スター・トレック』にきっちり敬意を払いつつ、新しい次元の『スター・トレック』を構築してみせる意気込み、その娯楽映画魂に感服。ただ、『スター・トレック』のベタなお約束、転送による危機回避とか宇宙人がみんなアメリカ人とか、そういうノリは昔からそう好きではないのでこの点数がせいぜい。って、『スター・トレック』のアイディンティティそのものを批判しちゃ元も子もないですか。[映画館(字幕)] 8点(2009-06-13 19:48:16)(良:1票)

83.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 私事ですが、障害を抱えた偏屈じじぃである父の介護を24時間しています(だから映画に出かけるのは週1回、妹が来てくれる時なのですね。そのペースから外れてる時は、父が入院してる時)。その私には、この映画のウォルトの家族があまりに無責任に映り、腹立たしい存在であると同時に、しかしまた人の言葉を聞き入れない偏屈な状態に付き合ってゆかねばならないという現実も理解できます。さて、隣り合わせで生と死の集いから始まるこの映画、そこに描かれるのは、自分の生と死とに、どうケリを付けるかというもの。多民族国家である現代アメリカを舞台にして、西部劇フォーマットで描かれる映画ですが、そこにあるのは民族や血よりも、人との繋がりの大切さ。「遠い親戚より近くの他人」、本当に自分にとって大切なものを守るためにこそ、その命の価値があると判りやすく、そして感動的に伝えてくれます。死にゆくものの悲哀があるのは確かですが、それより彼が命を賭して守った生、そこに大きな意味があるのだと思います。冒頭から迫る死の影とこれからの生とがきっちり対比されていたワケですから、その結末は予め必然として提示されていた訳ですし。介護という、目標の見えない日常を過ごす私ですが、ハリウッドの偏屈じじぃからのメッセージ、私なりにきっちり受け止めさせて頂きました。[映画館(字幕)] 8点(2009-05-02 20:23:55)(良:2票)

84.  リトル・ダンサー 《ネタバレ》 抑圧と衝動の映画。ビリーはビリーという個であると同時に、おばあちゃんであり、お父さんであり、兄であり、母の遺志であり、先生であり、友であり、労働者達であり、そしてこの映画を見ている観客であるのです。それぞれの衝動がビリーという存在に反映され昇華されてゆく、1本の映画が1つの人格であると同時に全ての人格。だからこそ、ラストはちょっと先走り過ぎちゃいましたか。あれは既に固まった未来。一歩前へ踏み出し、開かれた無限の未来へ向って全力で踊りが爆発すれば、それで良かったと思うのですが。[DVD(字幕)] 8点(2009-03-28 16:08:48)

85.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 コメディのように思えて、実際に前半は結構クスクス笑えたりするんですが、実はかなりマジメな映画だったりして、見ている間、深く考えさせられました。ラースにとってのビアンカは、母でありオモチャであり友であり恋人であり、それは大人になる過程の中に本来は存在しているハズのもの。ラースは育ちが特殊であったために、それらを一体のリアルドールに全て込めてしまう事になるのですが、実のところ、全ての人間はラースと同じ体験を、子供時代に経て大人になってきているのですね。それは、大人になりきれていない会社の同僚達のフィギュアやクマのぬいぐるみにも象徴されています(最初のシーンでラースが顔を半分覆っている母の手編みのショールも、ライナスの毛布と同じ存在なのでしょう)。自分の中の子供に訣別するためのつらさ、痛さを描いた物語。彼を支える大人達の優しさが印象に残る映画でした。もちろん、その優しさは現実的ではないけれど、せめてそうありたいと思わせてくれました。[映画館(字幕)] 8点(2008-12-29 22:01:02)(良:3票)

86.  おくりびと 《ネタバレ》 東京の、差別教育もないような地域で、色々な職業や国籍の人間がごっちゃになっていて差別というものを認識しないままに生まれ育った私は、今もどうも差別に対してピンと来なかったりします。この映画の中における差別する人々のリアクションに、へえ、そうなんだぁ、みたいな。父母共に大家族という状態で数十の葬儀を見てきて、こういう遺族の目の前で行われるスタイルの納棺というのは一度も見た事がないので、地域的な違いもあるのでしょうか。さて、見ていてこれは浄化の映画なのだな、と思いました。人間、この世に生まれて時を経ると段々と汚れてゆきます。差別意識もその一つ。色々なしがらみの中で自ら汚れ、人から汚され、だけど、人はそういうものだって許容した上で、旅立ちをキレイに飾る事で浄化される、転じて死を通して汚れた過去も背負った業も含めて人が生きる事を肯定してみせる、そんな感じに捉えました。広末の心を都合のいい展開に任せ過ぎているのがちょっと気になりましたが(妊娠~おばちゃんの死~義父の死と)、美しい風景に対比させる形で人の美醜を描き、人を敬う気持ちまで昇華させる、静かに深い慈しみを感じさせる映画でした。あ、エンディングの曲が過剰にうるさかったのはちょっと。せっかくずっと抑えてたのに、ここで久石節がガマンできずに爆発しちゃったのがねぇ。[映画館(邦画)] 8点(2008-09-27 18:26:32)

87.  デトロイト・メタル・シティ 《ネタバレ》 こ、これはちょっと反則だわぁ。この題材に対して驚異のカメレオン役者・松山ケンイチと、レッドゾーンぶっち切り状態な松雪泰子の組み合わせ、もうなんか、それだけである意味、完成されちゃってます。あとはもう蛇足というか、オマケみたいなモノで。なので、大笑いしつつ、もっと笑い取れるだろ、もっと見せ方はあるだろ、そういう不満を抱く、抱くんだけれどもねじ伏せられてしまう、みたいな感じで。クライマックスの走りのシーンなんか、画的にショボいんですよ。早朝にエキストラ招集かけて撮りましたってのがモロに焼き付いちゃってて、貧相な画なんです。それにギャグマンガとしてはアリだけど、映画としてそれはないわぁ、ってネタも散見されますし(早変わりで行ったり来たりとか首吊りとか新幹線の運転席とか)。でも、松ケンがマッシュルームカットでくねくねして白塗りで絶叫して、松雪がパンツ丸見えでギャース!って暴れてて、なんかそれだけで降参、みたいになっちゃって。笑って泣いて、もうこのまま感動・・・ってところでまた笑わせて貰って、終わってみれば、あー、面白いもん見してもろたわぁ、って。このところ、邦画の売り上げが洋画を上回っていて、それはたまたま洋画の調子が悪いだけ、って思ってましたけど、どうやら今の邦画、勢いあります。[映画館(邦画)] 8点(2008-09-06 17:52:03)

88.  ハプニング 《ネタバレ》 世間の評判のあまりの悪さに、シャマラン擁護派な私も今度ばかりはダメかと思ってましたが、映画を見ている間、評判の悪い『ハプニング』とは別の『ハプニング』を見てるのではないの?あるいは気付かない間に誰かが私にシャマランフィルターを埋め込んだ?みたいな、なんでなんで?ってカンジで。まず、事象の原因とか大自然の人類への逆襲とか、そういうのは実のところ、どうでもいいんじゃない?と。マクガフィンってヤツ。死に追われて生きている状態が人の世ならば、人は死ってモノといかに折り合いを付けるのか、という事を描いた、これは結構真面目な映画なんでないかな、と思いました。死に対する本能的な恐怖を提示して、そこから逃れようとしながら組織や家族という集団、あるいはシステムに属する事でしがらみに縛られて翻弄される姿を描き、それを削ぎ落としていって、最後に個の状態まで持って行った上で、情報を拒絶し無知である個と対比させて、死と向かい合う=生を見つめる、と。人はいつか必ず死ぬのに、何故、人は死を恐れるのか。そんな映画。シャマラン監督おなじみの寒々しい映像が、死の世界と人の儚さによくマッチしていて、妙な味わいのあるSFホラーと言った趣きでした。[映画館(字幕)] 8点(2008-07-26 23:16:27)(良:2票)

89.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 あえて最先端なシネコンは選ばず、先行・初日のメッカ、新宿プラザで長々と並んで見てきました。コマ劇場と共に年内で閉館になる、大劇場だけど前時代的なアナクロさが漂う世界です。考えてみればシリーズ全て、この劇場で見ています。あの頃に比べ、スクリーンは小さくなりました。音はゴワンゴワンと反響してとてもいい音とは言えません。そして、拍手と歓声の中で見たそれは古臭い、進化してない、今時それはないんでない?みたいな娯楽映画。違いと言えば舞台設定、役者の顔、そして脚本にクッキリと刻まれた、時の流れ。あの頃からどれだけ時代が移ろいゆき、どれだけ変化したのでしょう。だから最後、あの帽子を三世が被っていたとしたら、私のこれまでの思い出までひっくるめて(閉館してゆく新宿プラザにも符号してしまうように)、『インディ・ジョーンズ』が辿ってきた時代、築いてきた時代にケリを付けられたのではないかと思います。だけど、ルーカスとスピルバーグは、それをハッキリ拒絶してみせました。かつてお子様ランチと揶揄された二人の映画ですが、古びたお子様ランチの意地、今のガキのオモチャとは違うんだよ!と。『インディ』はお前らに渡さないよ!と老境に差しかかったかつてのガキ大将二人が意地になってる姿は、いっそ痛快ですらあります。ケイト・ブランシェットがステキざんしたなぁ。そして、あれがステキに見えないようなお子ちゃまには向いてない映画だよ!『○○○○』でも見ときな!(最近の娯楽映画のタイトルをなんでもどうぞ)という事なのでしょう。 【すいません追記します】この物語の核実験シーン、批判されがちですが、私は1945年の広島・長崎を境に『インディ』の世界が激しく変化してしまったという事を示唆しているのだと思います。『レイダース』のラストと対比する形で、神しか持ってはいけない力を人が手にした事で、神は死んだ。神のいない世界で神秘なんてモノは超能力や宇宙人くらいしかないんだよ、信じる心だけで救われる時代じゃなくなってしまったんだよ、と。それはスピルバーグやルーカスの現状をも自嘲気味に反映させ、だけどそんな世でもインディはインディだ、この野郎!というのが今回のオハナシなんでないのと。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-14 18:49:59)(良:5票)

90.  ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 《ネタバレ》 前作を「ファンタジーとしてちょうどいい感じ」と形容しましたが、前回の原作未読な状態と今回の既読な状態とでは、多少、いや、相当見解が違ってきます。原作が児童向けなのに対して映画はもう少し年齢層を上げ、原作にないエピソードをあれやこれやと盛り込む事(原作通りの映画化ならば1時間半もあれば十分でしょう)で、プラスとマイナスとがハッキリとしました。カスピアン王子とピーターとの対立や、スーザンとの淡い恋は、物語に奥行きが生まれた一方、ミラース王の陰謀、城への夜襲のエピソード、アスランによるテルマール軍への攻撃などは、必要以上に作品世界を荒々しくハードなものにしてしまっているように思えます。『指輪物語』の影響ゆえ、娯楽ファンタジー要素てんこ盛り大作にせざるを得ないという感じなのでしょうが、もう少し呑気で牧歌的であっていいと思うのですが。クライマックスでは原作のファンタジックな展開を、前作と変わり映えしない乱戦に変えてしまった点で勿体ない感じですし。とは言え、すっかりこの世界にハマり、映画を見ている間ずっとワクワクさせてくれたので十分に堪能、満足しました。ネズミかわいーし。[映画館(字幕)] 8点(2008-05-24 22:48:27)(良:1票)

91.  ミスト 《ネタバレ》 キングの原作『霧』を読んだのは、かなり昔な感じで、どんなストーリーだったかいな?と思い出しつつ見ておりました。最後だけは記憶していて、この映画は、原作とは違う最後を迎えるようだけど、キング作品の映画化でお馴染み、激甘なオチなんか持ってきたら、ボロクソに叩いてやるわ!って感じだったのですが・・・。元々、私はこの監督さんが大変苦手です。どれもこれも「クドくてクサくてワザとらしい」。なので全然期待できなかったものの、どうもその「クドくてクサくてワザとらしい」ノリが感動モノでは虫酸走り系になるけどホラーには有効であるのだな、と。いい意味でB級の悪趣味ワールドを彩っております。その上で、キングを読んでいるといつも感じるザラザラとした人間の感情のイヤな感触、エゴの不快感がきっちり表現されていて、今までのキング映画ではろ過されていた、だけど実はいちばん重要な部分が大変上手に出てるなぁ、と。キングって、人を不快にさせてナンボな人なので、その精神を忠実に守った上で、原作のモヤったラストに更なるキッツいオチを与えてみせたこの映画、大変お見事。なんだ、この監督、ベタベタ甘~いクサ~い系映画なんか撮ってないで、あっち側のザラザラ系キング作品を片っ端から撮ってればいいのに。[映画館(字幕)] 8点(2008-05-17 18:29:32)

92.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 主人公達の時代とまるっきり同年代に生きてた私なので、どうしたってたっぷり思い入れながら見てしまいますねぇ。ガッコ帰りにつるんでサ店でインベーダーやってた身としては、サ店に緊張しまくりで入るエピソードなどは、そりゃさすがにちょっと子供っぽくないか?と思いましたけど、石野真子を出してきておいて、ダメ押しで『狼なんか怖くない』を流すとか、『魅せられて』とか、懐かしグッズを挿むアイキャッチだとか(「それからどうした?」って『ハクション大魔王』ですな)、ウケまくりつつも他世代置いてきぼりにしてなくない?とハラハラ。もっとも大変にバカバカしくギャグタッチな前半は、普遍的な、シンプルな笑いの世界。そして、ここできっちり掴んでおいて、中盤以降のともすればクサくなるベタな感動物語もキャラの魅力で見せてしまう、と。駐在さんとの単純な対決の図式が終了してしまってから、失速?これからつまらなくなる?と心配させますが、古臭くてお定まりなんだけど、バカが熱い夏の日の物語は、しみじみいいわぁ。きっちりとフィルムに夏を焼き付けてある感じも大変良いですねぇ。ただ1つ難点は竹中直人。彼だけ当時の人ではなくて今の人として映ってます。何故かって言うと、あの当時、茶髪はいっぱ~い!いたけど、金髪っていなかったのよね。金が出てくるのって、もっともっと後だわさ。何はともあれ、夏の日の青春グラフィティの秀作って感じで、意外な面白さでした。[映画館(邦画)] 8点(2008-04-12 22:04:24)

93.  クローバーフィールド/HAKAISHA 怪獣映画が大好きだった私は、子供の頃から現在に至るまで、「怪獣の夢」を頻繁に見ます。そしてそれはもちろん「怪獣が出てきて嬉しい!」などというモノではなく、激しい恐怖を伴った悪夢です。遠くから惨状を眺める大ロングな視点のものもあれば、今にも頭上にのしかかってきて、もうだめだ!って感じだったり、あるいは建物の中に逃げ込んでなんとかやり過ごそうとしたり・・・。つまり、この映画は私の悪夢を目の前に明確なカタチにして見せつけてくる恐ろしい映画で、それは恐怖と驚愕と納得と感動とが入り混じった複雑なひと時でした。途中で小物とグロとに走るのは減点対象ですが(怪獣映画で小物を出すのは大物だけでは引っ張りきれないゆえの逃げだと思ってます)、日本の怪獣映画が第二作目からずっと抱えながら、みんな判っていながらも現代に至るまで製作上、改善しようとしなかった問題、「人間のドラマと怪獣の存在とは水と油の関係」に、「これでどうだ!」とばかりに真正面から挑んでみせた心意気に拍手。でも日本人としては複雑な思い。結局、日本怪獣映画の土壌からはこれは生まれなかったのかと。まあ、人間のドラマと怪獣とを融合させた傑作としては、日本には『やっぱり猫が好き』の1エピソード「ブジラ対恩田三姉妹」があるので、それを代表作とするのが良いでしょう。ちゃんとした音楽が流れるのはエンドクレジットのみですが、その音楽もちゃんと怪獣映画なのが、まー嬉し悔し憎し。[映画館(字幕)] 8点(2008-04-10 13:27:43)(笑:1票) (良:1票)

94.  マイ・ブルーベリー・ナイツ 【あねやん記】部屋に夜景とか自然とかの風景の絵葉書をペタペタと飾っちゃう人がいるじゃない? ああいう、ちょっとイタい人向けの映画だわ。っていうかソレってアタシのコトだけどネ。誰が撮ろうが誰が出ようがその1作が映画として面白いかどうかっていうのがポイントだとアタシは思うわ。だけど、ウォン・カーウァイにノラ・ジョーンズにライ・クーダーにダリウス・コンジよ? そんな組み合わせでアタシにとってご馳走にならないワケないじゃない。もうね、期待の通りにキレイな画面とステキな音楽に最初っから最後まで酔いっぱなしよ。1カット1カット切り取って部屋に飾っておきたいくらいだわ。そして、それだけの映画。中身なんてないようなものね。そりゃ、ウォン・カーウァイの映画にいっつも感じる「人が好きなのに孤独、孤独だけど人が好き」って空気は今回もきっちり漂ってるケド、でも雰囲気に酔えるだけで十分だし、それ以上、何を望むの?ってカンジ。だから、キーワードにピンと来ない人が見ても意味ない気がするのよね(あ、ノラの歌は少ししか流れないので、彼女目当てだと残念かもしれないケド)。いっつもカメラ手前にピントが合ってないボヤけた何かが映ってる状態、赤と光とカクカク飛ぶ画、そんな毎度のカーウァイ節を鬱陶しく感じなくってウットリできる人なら、至福の1時間半ね(そうでない人にとっては拷問かしら)。最後に。スタイルばっかりのオシャレ映画だって存在を肯定されてもイイと思うわ。[映画館(字幕)] 8点(2008-03-25 21:14:46)

95.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 面白かったです。どれくらいか、っていうと昔『ダイ・ハード』を初めて映画館で見た時くらいに。ああ、その手があったか!って。綿密に伏線を張るとか、どのキャラが実は・・・とか、そういうサスペンスのセオリーみたいなのはとりあえずこの際、置いといて、少しずつ包装紙を破くが如く、ほんの数十分の間に起きた出来事の全容を徐々に見せてゆく、っていう。別に映画そのものにはヒネリがある訳ではないので、既存のスタイルに当てはめてしまうと楽しみ方が判らなくなってしまいそうな映画ではあります。実は完全な娯楽映画で、テロだの国際的な背景だの犠牲になってゆく人々の姿だのアメリカ批判の視点だのっていうのが、単なるエッセンスでしかないので、割り切って見るにしてもどうにも割り切れないヨ・・・って感じがあるのは確かですが(強い大統領ってのを見せられるのもどうも鼻白んでしまったりもして)、まずは無駄なくタイトにまとまった娯楽映画を堪能しました。同じ手はそうは使えないとは思いますが、きっと類似品が出てくるでしょうねぇ。[映画館(字幕)] 8点(2008-03-18 18:12:22)

96.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 勝ち負けのモノサシで、人の価値を簡単に決めてしまう世の中。だけど、馬鹿げていたり、みっともなかったり、くだらなかったり、意味がないように見えたりするものの中にも、ちゃんと価値は存在しているのですね。クライマックスのあのすっごいダンスの中に込められたおじいちゃんの人生、それもまたひとつの価値。これもまた素晴らしき哉、人生。人間賛歌の物語でした。[DVD(字幕)] 8点(2008-02-14 01:29:45)

97.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 まずはこれだけの脚本を書けるテクニックに感心。複雑な多層構造をあちこち結合させつつ1つの作品に仕上げてゆくって、頭が良くなくちゃできませんもんねぇ。次にイギリス映画界の豪華キャスト集結状態にワクワク。ブリティッシュコメディとジェーン・オースティンものと『Mr.ビーン』『ハリー・ポッター』までひとまとめみたいな世界。そして、1つ1つのエピソードをしっかりと楽しませてもらいました。それぞれの愛がどういう形になってゆくかも興味深ければ、人物関係を頭の中でどんどん相関図状態で組み立ててゆくのも楽しく。ヒュー・グラントが首相の器か?ってツッコミを入れたいところだけど、ブレア元首相を考えれば、ヒューもアリなのかなぁ、とか、アメリカに渡ったおバカちゃんにあのオチはアリなのか?とか、『いつか晴れた日に』のメイン4人が、「I'm flying!」で揃った!とか、エビやらタコやらまで含めて沢山の見どころポイントがあって。イギリス映画は脇まで魅力的な登場人物で埋められていて、毒を含んでいても、いつも性善説に基づいていて温かい、って感じがします。ただ、病気の弟に縛られた人生を送る女性のエピソードは、自分の立場が似ているだけに、キレイなまとめを用意してくれなかったのがちょっと残念でした。[DVD(字幕)] 8点(2008-02-07 01:54:00)(良:1票)

98.  プロデューサーズ(2005) 《ネタバレ》 車中のスクリーンプロセス風映像、あれって実のところ、どんだけ大変なコトしてるんだ?と。背景に映るのはあくまで昔の車、昔の街並なんだもん。そんなクラシカルなミュージカル映画の感覚を再現したセットや踊りが大変心地良い映画でした。中身はお下品だけど。色彩設計が良くて、あの真っ白な広い室内セットの中に青のユマ・サーマンとマシュー・ブロデリックを置くセンスなんかホレボレ。レビューをシネスコのフレームの中にきっちり収める感じもね、とても気持ちいいなぁ、って。最近全然見かけないですからね、引きの俯瞰でレビュー見せてくれる映画って。ミュージカルって言いながら下手したらガクガクブレブレなドキュメンタリータッチみたいなカメラの映画見せられたりして。メインがきっちり歌って踊れる役者、っていう訳にはいかないのが少し残念ですけれど、ドラマを見せます、歌を聴かせます、踊りを見せます、ってきっちり線が引かれたミュージカルを見るのは、やっぱり気持ちがいいです。個人的にはゲイ屋敷に大笑いしました。振付師の姿に大ウケという、子供なみのお笑い感覚だったりしますが。でもラストのメル・ブルックスの姿は、時を感じさせて少し淋しくもなっちゃいました。DVDじゃなくて映画館で見たかったものですが、こういう映画は35mmを無理矢理でっかく映写したような状態じゃなくて、70mmとかシネラマなんかで見たいところです。今は無理なのが残念。[DVD(字幕)] 8点(2008-02-02 02:44:21)

99.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 映画としては6点。茶川のエピソードを大きくし過ぎてしまっていて、それが全てベタで構成されているために何もかも読めてしまって全然面白くありません。それに、そのエピソードの大きさに押されて大切にして欲しかったはとこの女の子のエピソードが脇に追いやられ半端な印象になってしまったのが残念でなりません。だけど、映画を見ている間、尋常じゃないくらいに自分の過去のあれこれを思い出していて、ツボを突かれまくっておりました。父が倒れ、祖母の家に預けられた時のこと、朽ち捨てられた空き地、トロリーバスの架線が作る低い空、母に連れられ歩いた銀座の街並・・・。前作ではノスタルジックにキレイに描かれていた東京が、今回は汚れてくすんでいて、私の記憶にある灰色の東京に近くなりました。昭和30年代の映画を見ているような映像の自然さもいい感じですし。だけど、今回なんと言っても良かったのは、映画の地元とも言えるような場所で見た事。映画が終わって外に出ると、そこに東京タワー。今もそこにある見慣れた塔を、大きな繭やギャオスの巣やらを思い描くのではなくて、ずっと続いてる人々の営みの象徴としてウルウルしながら見るのは初めての事でした。映画の出来とは関係なく個人的に貴重な時間を与えてくれた映画です。最後に、あのTOHO SCOPEから続くオープニングを見せられちゃ、私としちゃたまりませんわ。東宝さん、この監督で行っちゃえばいいんじゃないですか?[映画館(邦画)] 8点(2007-12-01 17:06:35)(良:1票)

100.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 どんな内容かもよく判らないままで見ましたが、切ない映画でした。娯楽アクション映画としてのケレン味を持ちつつ、石油で繋がったサウジアラビアとアメリカの微妙な関係が描かれ、そしてテロリスト殲滅のために政府や国の思惑を無視して動き出したFBIの動機が最後に語られ、それはテロリストと同次元での行動でしかなかったという虚しいオチ。劇中ではたったひと言だけ何気なく日本について語られていますが、それは我々もこの負の連鎖の中に既に組み込まれている事を重たく認識させます。ここに出てくるアメリカ人達は主役でありながら、不敬で、無遠慮な「人の畑を踏み荒らす」存在として描かれ、テロとの戦いを、正義と悪の二元論で片付けていいの?と疑問を投げかけてきます。メインタイトルで911をはっきりと描いた上で、なおそういう姿勢で映画を作る勇気。ただ、最近流行りのカメラ動かしまくりは、シネスコではあんまりやらないで欲しいです。大スクリーンじゃ目が回ります。アクションシーンでカメラ動き過ぎるとディティール判らなくなりますし。それにしても、出てくるなりセクシーポーズを決めまくり、ラップや音真似で暴走し、見終わった後の切ない余韻をブチ壊しまくったジェイミーの舞台挨拶は、だけど笑いました。[映画館(字幕)] 8点(2007-10-13 14:26:01)(良:1票)

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