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プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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81.  ホテル・ルワンダ 《ネタバレ》 実際に起きた悲惨な出来事を題材とし、いかにも〝これが現実です〟と訴えている場合、どこまで真実を語っているか検証したくなるところですが、これはドキュメンタリーではなく映画であり(おそらく映画というメディアを使い、娯楽に寄ることが世界中で大勢の人々に見てもらう最善の策なのだが)、ドン・チードルが否応無しに巻き込まれるサスペンスの要素が多分に強いため、ここではその問題は度外視します。  そしてサスペンスの面で言えば巧くいっているとは言い難いです。例えば、砦となるホテルの見せ方は外からも内からも不明瞭ですし、チードルは賄賂を武器に闘うわけですが、お金や物資や水が段々と底を尽きてゆく様を見せてくれないと切羽詰ってゆく感じが乏しくなります。また、赤十字の車が無惨に引っくり返っている光景を映し出しておきながら、そのあと車の主である女性が何事も無かったかのように普通にフレームインしてくるのもいかがなものでしょうか。 ・・・と、文句ばかり書いてしまいましたが、すっごく集中して見ました。しかし、それはおそらく〝映画〟の強さではなく現実に起きた題材の強さによるものです。そして私は結局、ホアキン・フェニックスが言ったように「世界は大変だね」と思うだけの普通の平和ボケ人間なのですが、それは棚に上げておいて、行動に移らないのは残念ながら映画の力が及ばないからだとも思ったり。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-06 18:41:41)《改行有》

82.  西部の人 《ネタバレ》 オーバーアクト気味ではあるもののリー・J・コッブが巧みに演じる悪役老人のキャラクター造型の素晴らしさであるとか、撃つ方も撃たれる方も同一の画面におさめてしまう銃撃戦の見せ方であるとか、秀逸なところはたくさんあるのですが、オーソドックスな娯楽劇を期待していた者には物寂しさを感じさせる作品でもあります。  例えばゲイリー・クーパーがおっかなビックリ汽車に乗る様子や隣に座ってくる口の達者な男を見て、これは喜劇調なのかと思っていましたが(馬に乗るには便利だったろうスラっとした長い脚も汽車では窮屈そうに畳まねばならない皮肉にも見える)、列車が襲われ悪党どもの小屋に着くや否や完全に空気が一変します。特にヒロインにストリップを強要するシーンの禍々しさは作中随一の出来だと思います。しかし、そんな禍々しさ全開の悪党どもも、憧れの銀行は既に潰れ街はゴーストタウンとなり、ワイルドバンチは過去の遺物となってしまった寂しさを漂わせており、特に全てを承知の上で老人に味方するジョン・デナー(かな?)を倒したクーパーが(この銃撃戦も見事)、彼の男気に憐れみを感じるかのように、はたまたワイルドバンチに別れを告げるように、死体の手を合わせて送ってやるのも物悲しいです。  しかし何と言っても共に苦難を乗り切ったヒーローとヒロインがめでたく結ばれず、片想いで終わってしまうというのが決定的に寂しいです。思えばマン映画のヒロインは既に決まった相手が存在していて、その男から勝ち取るものであり、フリーで登場する彼女は最初から対象外だったのかもしれません。ということで、なんだかもう「西部劇はこれでお終いだよ」と言っているような気がするのです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-09-30 18:13:21)《改行有》

83.  ミスティック・リバー 《ネタバレ》 ミステリーの筋書きとしては陳腐ですし、ケヴィン・ベーコンは子供の頃の事件に遭遇した3人のうちの1人である必要性が希薄だと思いますが…それでもイーストウッドが監督を務めれば、かくも重厚な出来になってしまうのですから驚きです。  出色なのは、とってつけたようでもある最後のパレードのシーンで(物語的には不快な残酷さを宿しており過酷ですが)、サングラスをかけて視線を遮り闇におちていくショーン・ペン、ただ見つめるだけのベーコン、もう不在のティム・ロビンス、夫を信じ切れず弱さを露呈するマーシャ・ゲイ・ハーデン(うろたえないでくれと心底願いたくなる!)、そして何より恐ろしいのは顔を背けることなく堂々とお天道様に照らされて表通りを見るローラ・リニー。華やかなパレードの中で巻き起こる人間の暗部のドラマが簡潔に描かれています。  ところで…どうでもいいことですが、なぜデイブは嫌な少年期を過ごしたボストンを大人になっても離れなかったのか?その答えは子供の頃からずっと被り続けている帽子にあります。彼は熱狂的なボストン・レッドソックスのファンだったんです。せめてバンビーノの呪いが解けたところを見られたら良かったのに…本当に憐れ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-22 18:20:10)(良:1票) 《改行有》

84.  ブラザーズ・グリム グリム兄弟の魅力の無さ、森を案内するレナ・ヘディのつまらなさ、モニカ・ベルッチの登場シーンの少なさ、あるいは森のイメージの面白味の無さ…と、一向に満足できないものだったのですが、どうもテリー・ギリアム監督の興味もこれらのことには端から無かったように思えます。では一体、監督は何を見せたかったのか?それは良く分かりませんが、ピーター・ストーメアが最も活き活きしていたのは確かです。しかし何にせよ、彼が一番目立っているのは、映画が不調に終わっている証でもあるでしょう。[DVD(字幕)] 5点(2010-09-13 18:21:12)

85.  エル・ドラド(1966) 《ネタバレ》 格好の良い凄腕ガンマンの敵役・マクロードと対決するのに、利き腕がマヒしたジョン・ウェインとアル中のロバート・ミッチャムと銃が苦手なジェームズ・カーンと老人の頼りない面々。やっぱりヒーロー足る者はハンデを背負ってなきゃ面白くないのですが、同時に絶対にウェインが死んだりしないと思えるような安心感もあり、そのバランスが絶妙です。 教会での銃撃戦もさすがの出来栄えですし(ここで敵の居場所を教えてくれるだけの女も印象的だ)、ラストはウェインと彼女の仲睦まじい姿ではなく、ミッチャムとおそろいで松葉杖をつきながら仲良く並んで歩いているシーンで終わるとこなんぞ最高に洒落ています。  個人的には「リオ・ブラボー」よりこっちの方が好きなのですが、それはひとえにミッチャムが出ているからですね。[DVD(字幕)] 8点(2010-09-08 18:11:46)《改行有》

86.  特攻野郎Aチーム THE MOVIE 《ネタバレ》 〝特攻野郎Aチーム〟についてほとんど知らないのですが、それでもあのテーマソングを聞いただけでワクワクと胸が踊ってしまう作品であることは確かなはずで、その期待を裏切らずハンニバル(リーアム・ニーソン)はこの上なく格好良く登場します。さらにチームが結成され、マードックが敵の追尾ミサイルをかわすためにヘリのエンジンを切るというあまりにクレイジーな荒技で困難を乗り切り、タイトルが出るまでは最高に楽しいです。が・・・オープニングまでで見所は全て見てしまった感じです。例えば、空中戦で戦車を使い砲撃により飛行進路を変更するという聞いただけでワクワクするようなブッ飛んだアイデアはあるものの、まさに聞いて楽しいものであって見て楽しいものにはなっておらず完全な消化不良です。それからラストの作戦をハンニバルではなくがフェイスが立てるのですが、プロフェッショナルなチームなのですから役割は明確に分担されていないと。それぞれの長所を最大限に活かし、短所はかばい合うのがチームプレイなのであって、ここで見たいのはノープランなフェイスが計画的になる成長物語などではなく、最高のチームの物語なのですから。[映画館(字幕)] 6点(2010-09-03 18:17:23)

87.  月下の銃声 《ネタバレ》 人を食ったような表情のロバート・ミッチャムがどこからともなく現われ、問答無用でヒロインに発砲され、折り合いが悪くなった友人と激しく取っ組み合う…と面白いところはありますが、ラストの見せ場でもある立て籠もりシーンに大いに不満が残ります。手傷を負ったミッチャムと女(銃を使える)と老人(ウォルター・ブレナンだ)の3人だけの状況で家を包囲されるのですが、敵も3人で数的優位にも立っていなければ、相手の不利な状況をついて強気に攻撃を仕掛ける様子もなく、挙句にミッチャム一人が家を飛び出して3人とも片付けてしまうというのでは期待外れもいいところです。しかし、このシーンは同時に愛を告白する良い場面もあります。不器用なミッチャムの代わりに老人が愛の存在を告げてやるのですが、それを聞いた時のヒロインの表情の美しさは格別です(しかもこの時まではっきり言って美しく見えない)。〝愛の告白〟は非常に美しいものであり、本作はその瞬間をしっかりと見せてくれます。[ビデオ(字幕)] 7点(2010-08-31 18:35:07)

88.  東京流れ者 《ネタバレ》 冒頭のモノクロームの映像の格好良さ、店がグチャグチャになる大乱闘の過剰さ、射程が10メートルの哲也(渡哲也)がわざわざ目印を作る面白さ、緑のブルゾンが似合う健(二谷英明)のニヒルさ、蝮の(川地民夫)の不気味さ、随所で歌う唄の楽しさ…と見所は尽きません。それにしたって、名残惜しそうに別れて一筆までしたためてくれた親分が〝成り行き〟で裏切ってしまう現実の切なさ。義理を重んじる昔気質の男は流れてゆくしかない世の中の住みづらさよ。[DVD(邦画)] 8点(2010-08-27 18:12:53)

89.  マルセイユの決着 《ネタバレ》 メルヴィルの「ギャング」のリメイクで、オリジナルよりも筋立ては分かり易くなっていますし、舗道はいつだって水に濡れピカピカしていますし、ダニエル・オートゥイユの銃もモニカ・ベルッチのコートもピカピカしていて、とても丁寧な作りだとは思いますが…、人生の黄昏時だからか?黄色が基調になっているのと(ベルッチも金髪だが彼女は黒髪の方が似合うと思う。「ギャング」でも彼女の役は金髪だが、それは白黒の世界なので画面に映える)、肝心なシーンを、というよりもアクションシーンをスローモションにしているのが何だかよく分かりません。メルヴィルではなくペキンパーをやりたくなったのか?と思うほどスローモーションを多用しています(しかもあまり良い出来とは言えない)。最後の銃撃シーンの舞台を螺旋階段に変更していたので淡い期待を抱いていたのですが…ウ~ン、裏切られました。  昔気質の仁義を信じる男たち、アルバン(演じるのは元サッカー選手のエリック・カントナだ)とオルロフのキャラクターの格好良さはありますが、わざわざリメイクするのですから、もうちょっと何か見せてほしいところです。[DVD(字幕)] 6点(2010-08-24 18:18:59)《改行有》

90.  脅迫者(1951) 《ネタバレ》 本作は当初、ブレティン・ウィンダスト監督が指揮を執っていたようですが、途中からラオール・ウォルシュ監督に代わったとのこと。この手のミステリーは得てして活字の方が面白かったりしますが、例えば、証人のリコが階上の洗面所窓から逃亡を謀るシーンや、悪党の隠れ家でトランプをバラ撒いて「拾え」と言い力関係を示すところ、あるいは後半でいくつかある銃撃戦(ボギーにも電話ボックスを使った見せ場が用意されている)、それに誰もがビビりまくる黒幕の極悪人メンドーサの初登場シーンが殴られているところというのは面白く、この辺りはウォルシュの演出によるものと思われます。 ただ、中途参加ですので仕方ないのですが、ウォルシュの映画にはやっぱり女優さんが出てこないと物足りなさも覚えます。それでも、悪党たちの隠れ家になっている店の主人が女であるというのは、もともと男だったのを「男じゃつまらんだろ?」と変更したのでは・・・などと、勝手に想像を膨らませてみたりもしますが。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-23 18:10:51)

91.  ホンドー 《ネタバレ》 母子の家にどこからともなくやって来るジョン・ウェイン。しかし馬にも乗らず犬を連れて現われるところが一風変わっています。他にもアパッチと遣り合いながら、その酋長と心を通わせたりするのも珍しいですが、これは父親を扱っている作品で、父親が不在の間に蹄鉄や斧がダメになっていたり、あるいは直接的に男親としての息子の教育にも触れておりウェインが「泳げない」という子供を川に放り投げてしまうという印象的なシーンがあります(ついでに母親も「泳げない」と口走ってしまい慌てて逃げてゆく姿が可笑しい)。  また、アパッチとの戦いで馬車で円陣を組み、それを俯瞰で捉えるシーンは同じくジョン・ウェイン主演、ラオール・ウォルシュ監督の「ビッグ・トレイル」を想起させます。さらに、これは3D映画だったらしいですがカメラに向かって発砲するのは「大列車強盗(1903)」を思わせ、やはり最初にするのはそういうことなんだと妙に納得してしまいます(いつ頃から立体映画が始まったのか存じませんが)。  ただ、ウェインのキャラクター設定はほとんど活かされていませんし、犬の使い方も中途半端な感じがします。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-13 18:22:25)《改行有》

92.  ボー・ジェスト(1939) 《ネタバレ》 死体が生きているように並ぶ不気味な無人砦から始まるサスペンス的面白さ、少年時代から見せる兄弟たちの微笑ましい姿、軍隊における軍曹の悪役っぷりの見事さ、そして兄弟が力を合わせて困難を乗り越え感動のラストへと…。こういう兄弟愛ものを感傷的になり過ぎずサラっと爽快に2時間足らずで描いてしまうところが凄いです。 ゲイリー・クーパーの長男と末弟のシーンが多く、現実と同じように?次男坊は損な役回りかと思っていましたら、終盤に次男坊の見せ場がしっかり用意されていて、敵の注意を引きつけるためラッパを吹き、撃たれ、砂漠で砂埃を巻き上げながらコロコロ転がってゆく様は最も印象深いシーンになっており、末弟が一生懸命それを追っかけて走ってゆく姿も感動的です。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-04 18:10:45)(良:1票)

93.  96時間 《ネタバレ》 映画史上には数々の強いヒーローが存在しますが、その中でも本作の親父は最強の称号を冠したくなるほどベラボウに強いです。その強さは一瞬たりとも躊躇しないことにより生み出されています。リーアム・ニーソンの行動の原則は“娘を救う”“娘に危害を加える奴はボッコボコにする”という2つだけで、例えば、食卓という和やかな場所で罪の無さそうな奥さんをためらわずに撃つなどという行為は、本来ならば悪党たちだけに許された特権だったはずですが彼には行使可能なのです。つまり“娘のため”という理由さえあれば何だって出来てしまうのですから猪突猛進あるのみで、その暴れっぷりが映画を躍動っさせています。  もちろん?いいかげんな部分もありますし、ラストに歌手に会いに行くシーンはバッサリ切っちゃっても良いのではないかと思ったりもしますが(空港の別れの際、娘は最後まで親父を見つめていたのだから)、このくらい全速力で走ってくれるアクション映画は貴重なものです。 それから、あまり巧く使っている映画を見たことが無い道具としての携帯電話の使い方も見事です。 [DVD(字幕)] 8点(2010-07-30 18:28:11)(良:2票) 《改行有》

94.  HANA-BI 《ネタバレ》 最初の方は北野監督にしては台詞が多いんじゃないかと思っていたのですが、例えば、タケシさん演じる刑事の子供が亡くなってしまったことや、奥さんが不治の病であること、大杉漣さん演じる元相棒が自殺を計ったことなどは、筋立としては重要であっても映画としては面白くも何とも無いから台詞で観客に説明するように簡単に処理しているのでしょう。ここで見せたいのは夫婦の肖像であり、その部分はえらく無口であってもケーキを使ってその仲をみせたりするのは実に見事だと思います。道中でも同様にどことなく物悲しさを感じさせながらギャグをかましていき、その果てに寡黙な岸本加世子さんの刃物よりも鋭くグッサリ突き刺さるような台詞が用意されているのですから堪りません。  それと寺島進さんが追跡者として追ってくるのも移動感が増していて良いです。たとえ彼らが追いつかなくとも北野監督の映画で浜辺で少女が無邪気に遊んでいたらそこはもう天国みたいな所で、紛れも無く終着駅なんですがね。  …ただ、絵の部分に関しては少々くどい感じも受けました。[DVD(邦画)] 8点(2010-07-27 18:43:37)(良:1票) 《改行有》

95.  アデル/ファラオと復活の秘薬 《ネタバレ》 率直に言って何を見たのかよく覚えていないほどスカスカのバラバラで、そもそもアデルがそれほど美しいわけではありませんし、ベッソン監督にしても彼女を本当に魅力的に描こうという意識があったか疑わしいものです(無意味なお風呂のサービスシーンも撮るならちゃんと撮ってくれ。色んな意味で)。では何を見せたかったのだろうか?と想像するに、それはコメディに他なりません。アデルの妹が、不治の病に冒された薄幸の美少女ではなく、デコにピンが突き刺さったグロテスクにして滑稽な姿で登場した瞬間に、〝はいっ、とことんコメディやりま~す!〟と声高に宣言しているようなものです。そして、ここでベッソンが見せる笑いは繰り返しによるもので、例えば、教授を牢獄から脱走させようと試みる刑務所の件では、幾度もアデルが外につまみ出されるシーンを見せることによって、つまみ出される姿だけで笑いを誘うように仕組んでいます。この反復の笑いは割りと好きなのでウケてしまったのですが…それにしても、不必要に多い登場人物といいタイタニック号での終幕といい、結局のところ壮大な予告編を見せられた感じがします。この予告では仮に続編が公開されたとしても期待は抱けませんが。[映画館(字幕)] 6点(2010-07-21 18:20:09)

96.  ボレロ 《ネタバレ》 ラストのボレロを踊るシーンの力強さ、美しさは圧巻で、ダンスパートナーとの唇が重なり合いそうで触れない微妙な距離がストイックでありながら官能的です。そんな決してピッタリと寄り添うことの無い主人公とパートナーの映画であり、美しい女優たちが次々とピカピカフワフワ艶やかに着飾って出てくるのも見所で誰もが魅力的ですが(ヘレンこそブッ千切り美しくなきゃいけないのでは?とも思うが)、ベストカップル賞に選出したいのはラオールとその兄貴の男のコンビです。わざわざ異母兄弟という設定までついておりホモセクシャルな雰囲気はないものの、炭坑夫時代から戦時中まで行動を共にし、兄貴が欲しがっている指輪を買ってあげたり、喧嘩をすれば〝実家に帰らせていただきます〟とばかりに荷造りを始め、二人同時に謝り仲直りする様子は微笑ましく長年連れ添った夫婦のようで、ラオールにとっては兄貴が一番の理解者なのです。そう思って見てしまうと最も感動してしまうのは、兄貴が伯爵夫人となってしまったヘレンに無理を承知の上で弟と踊ってほしいと頼む場面で、ラオールから貰った指輪をいじりながら懇願する姿は胸に迫るものがあります。[DVD(字幕)] 8点(2010-07-16 18:04:23)

97.  ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 《ネタバレ》 ジェームズ・コバーンがビリーを仕留めるまでの追跡劇かと思っていましたが、そうではなかったようです。ビリーは逃亡しているようで、ちっとも逃亡していませんし、コバーンもビリーを追っているようで、ちっとも急いてはいません。いつか必ずやってくるその時をお互い待っているかのように穏やかとすら言える時間がゆっくりと流れ(たとえ暴力シーンがあってもだ)、両者の行動を淡々と見せていきます。そして段々と切なくなってきたところで運命の時を向かえビリーは射殺されますが、ペキンパーの映画で、しかも裸であるにもかかわらずビリーは撃たれていないかのように出血せずに死ぬ。血が流れないということは生身の人間ではないということであり、ビリーは伝説的なアウトローとして神格化されています。対して射殺したコバーンには少年が石を投げつける。つまりやっぱりこれは男の子のロマンであり、川辺で最期の時を向かえるおじさんにしたって哀愁が漂いまくっているのです。[DVD(字幕)] 8点(2010-07-09 18:43:44)

98.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 まずタイトルが出るまでのオープニングがとても良いです(この冒頭部が最も好き)。〝全員悪人〟という宣伝文句に違わず悪人だらけで、カッターナイフから菜箸まで生々しく痛覚を刺激し目を覆いたくなるばかりに狂気で凶器が満ちており、もはや銃なんぞ映っても全く怖くならないほど暴力全開です。また各々別世界から集めたようなキャラクターもしっかり立っていて、髪を撫で付けず煙草プカプカでヘラヘラの椎名桔平の魅力は否定できないですし(警察署前の煙草ポイ捨てのやりとりが面白い)、加瀬亮の風貌といい英語ペラペラのインテリ具合といい漫画から飛び出してきたみたいなキャラクターももっと見せてくれと思わせます。それに頭パカパカ叩かれてもオトボケ顔の三浦友和(吠えない犬ほど噛む)、時代劇から出てきたような石橋漣司(彼の登場シーンは喜劇だが、この皮肉な笑いも残酷なものだ)、人が良さそうな北村総一朗と小日向文世(彼らこそ最も計算高い悪党だ)と一人一人が本当に良い味を出しています。しかも誰もが口を揃えて〝バカヤロー〟〝コノヤロー〟と言うので、これはコントでそのうちダンカンも登場するのではないかと思ってしまう一方で、とても冷め切ってもいる不思議な世界になっています。  ・・・ただ、いつもより説明台詞が多いのが気になります(おそらく無くたって問題無いのだが)。例えば何処かの国の大使は完全にコメディーパートを勤めていますが、あの笑いはTVでやるようなしゃべくりによるものです。[映画館(邦画)] 8点(2010-07-07 18:16:31)(良:1票) 《改行有》

99.  プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 《ネタバレ》 ダスタンは軽業師の如き動きを見せますが、こういうアクロバティックなアクションこそ全体の構図が重要であるのに、ほとんどの場面で一つ一つの動作を大写しにしているだけなので、誰が何処で何をしているのかサッパリ分かりません。また、移動が多いのですが大移動も小移動も場所の感覚が全く出ておらず、距離感なども皆無に近いので、いきなり重要な場所で、いきなり関係者がフレームインしてくるという雑な有様です。  それからこれは、時を超えた愛の映画?らしいですが、嘘ツキのお姫様がダスタンを信じて真実を告げるシーンなどはもっと繊細に撮ってくれないと愛の存在など信じられません。さらに信じると言えば、兄貴も弟も証拠が提示されるまでお互いを信じておらんじゃないかと…。兄弟だからという理由で信じるということは、無条件で信頼するということですからね。[映画館(字幕)] 4点(2010-06-30 18:34:24)《改行有》

100.  第十一号監房の暴動 《ネタバレ》 これぞ決定的に刑務所の映画だと思わせるのが、ズラッと並ぶ監房の前の一本スッーと細長くのびた閉塞感が漂う廊下の使い方です。オープニングショットからその廊下の表情が映し出され、まず最初に、監房から抜け出した囚人が看守を追い詰める場面でその力を発揮し、看守にグングン走り迫って行く囚人を後ろからハンディカムで捉え恐怖を感じさせます。そしてクライマックと言っても過言ではないのが爆破を中止させる電話をのシーンで、鳴り響く電話を取るために長い廊下の奥も奥から囚人たちが全速力でドッと駆けてくる…受話器を早く取らなければ爆破されてしまう一刻を争うドキドキの緊張感を、廊下の長さを使うことによって見事に表現しています。こういった単純に走る場面であっても見せ方により、実際に暴力シーンや派手な爆発シーンなど見せずとも十二分にスペクタクルを起こせるのです。まさに純度100%の紛れも無い刑務所の囚人のパワーを描いた映画。[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-06-23 18:40:36)(良:2票)

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