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プロフィール
コメント数 618
性別
自己紹介 【好きな映画】
★ヒューマンドラマ系
★恋愛
★コメディ
★推理・サスペンス・法廷
★アニメ
★その他、心がほっこりする・ワクワクする・揺さぶられるものなら何でも。

【苦手な映画】
×ホラー・スリラー
×暴力系・ヤクザやヤンキー系
×アクション
×アイドルが主演
×ハードボイルド
×見せ場が女優の裸だけの80年代日本映画
×映画の質よりも興行成績だけを意識したハリウッド映画

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81.  続・深夜食堂 《ネタバレ》 ドラマの深夜食堂は大好きで何度も観ていますが、映画となると、人気の深夜番組がゴールデンタイムの放送になった途端につまらなくなるように、「ちょっと違うよね・・・」感が漂っているように思えました。 それでも、渡辺美佐子がタクシーから息子を見るシーンは印象的でしたし、前作の多部未華子が2階で扇風機にあたるシーンも映画ならではの魅力的な映像表現だと思うので、一概に映画化を否定するわけではありませんが・・・。 個人的には、先述の2つのエピソードを合わせて「“映画版・深夜食堂”でいいんじゃない?」と思ってます。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-12-26 18:34:36)《改行有》

82.  夜は短し歩けよ乙女 とにかくアニメのクセが強い!(笑) なので最初は「これは苦手かも・・・」と思っていたら、意外にもすんなりと入ることができ、途中から目が離せなくなりました! 始まってしばらくは、まるで他人の夢の話を聞かされているような、ひとりよがりの自己満足臭が漂ってきそうな気配でしたが、それはただの食わず嫌いの偏見であることを思い知らされます。 こじらせ男子と恋愛モードが固い蕾のままの乙女の心象風景を描いた、まるで新感覚の「不思議の国のアリス」のようでした。そこに時間の濃さと早さの関係性が加わり、さらに、ハイテンションなテンポ感にも関わらず、根底に流れる恋愛観は意外と古風なままであるため、そろそろ人生の折り返し地点に差し掛かっている世代も楽しめそうなテイストに仕上がっていました。 時計の針が早回りしてそうな大人のための青春童話、電気ブランでも飲みながらまた観たいですね。[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-11-26 18:39:32)《改行有》

83.  ヘンゼル&グレーテル テンポ感とシンプルな内容で、何も考えずに最後まで観ることができました。ただ、終始アクションシーンばかりだったという印象で、殴り合いのシーンは「なんだか、昔の仮面ライダーみたい・・・」と思いながら見ていました。ヘンゼルとグレーテルをはじめ、登場人物の描き方に深みがないからか、みんなゲームのキャラのようで、登場人物に対して何の感情も湧きません。まぁ、この類の映画に、そういったものを期待する方が間違いなんでしょうけど・・・[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-16 22:57:10)

84.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 エニグマの解読機、ついに成功! でも物語の焦点はここからでした。 解読して、すぐに対応策を実行に移すと、敵に暗号を解読していることがバレてしまうため、助ける命と見捨てる命を選別。その結果、戦争を早く終結させることができ、多くの人の命を救いました。現代に生きる私たちからすると、その判断の良し悪しよりも「戦争を起こしたこと自体が悪」という結論を下すかもしれません。ですが、その当時の人々にとっては、命を選別することも、この事実を機密事項としたことも、同性愛を犯罪として扱ったことも、すべて「正しい判断」だったのだと思います。 過去の選択を「過ち」と判断するのは、現代という時代性。その価値基準や行為も、数十年後・数百年後から振り返ると「とんでもない過ち」なのかもしれません。正しい判断というのは「時代に合っている」ということなんでしょう。 いつの世も、必要なのは、天才よりも天才を上手に活かすことのできる人なのかもしれませんね。アランのような天才的頭脳を、この時代は「暗号解読」にしか使えなかったバカバカしさ、同性愛者ということで心身をボロボロにされて、果ては自殺させてしまう愚かさ。 いろいろなメッセージを、興味深くしっかりと感じさせてくれる本作品は、映画として非常に優れていると思いますが、個人的には、彼の功績が後の社会に大きな影響を与えていることの救いよりも、時代の巡り合わせが悪かったとしか言いようのない彼の人生の哀しさがズッシリと胸に残り、重苦しい気持ちにさせられました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-05 18:39:11)(良:2票) 《改行有》

85.  暗殺の森 《ネタバレ》 原題のIl conformistaとは、「順応者・同調する者」というような意味らしいです。つまりこの映画の主人公も、子供時代の特殊な体験から「自分もみんなと同じでありたい」という心理によって、ファシストとなり、結婚もしますが、決して心から望んだわけではなく、所詮は代償行為。「普通・みんなと同じ」ということと「流される」ことがイコールであると思い込んじゃった人の悲劇です。 行動の動機が「逃れたい」という心理で、思想に裏打ちされたファシストではないため、体制が崩れれば自分の支柱もなくなり、心から魅かれる女性に出会っても最後は見殺し。一度壊れた冷たい心の温度を「青」という色で表現したのかなと思います。その対極として、この映画に登場する「赤」は、殺された女性の顔など、人間らしさの象徴のように感じました。ですが、自分にとっては、むしろ「白」が印象として強く残っています。精神病院の白、森に降り積もった雪の白など、この映画の白は、とても怖かったです。 女性同士のダンスのシーンも、主人公の対極のひとつとして描かれたようにも思えます。女性同士でタンゴ、最初、周りの人たちから好奇の視線を向けられますが、そんなことはお構いなし。そういう態度が人々を惹きつけ、最後は主人公の男性を包み込んでしまいます。タブーを犯した者は異質とする主人公と、自由であることの美しさで人々を魅了する女性二人との違い。これって、ファシスト政権下のイタリアと、自由の象徴・パリを表していたのかも。 自分には、ファシズムや当時のイタリアの時代背景に対する知識がなかったため、理解することはできても実感することはできず、映画として消化し切れない部分も残ってしまい、ベルトルッチ監督の傑作と評されている作品だけに、ちょっと残念でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-27 20:41:16)《改行有》

86.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 ツボにハマって大笑いするシーンは「少年メリケンサック」ほどではなかったものの、音楽的にはこちらの方がいいですね! 個人的な趣味ですが、木村充揮の「閻魔をたたえる唄」は、もっと長く聴きたかったです。 あのハイテンションな悪ノリ、普通なら途中で飽きてしまうでしょうが、映画として破綻する寸前で引き締めていたおかげで、最後まで楽しめました! 特にラストのキスシーンは良かったです。 刺激がいっぱいの地獄にあこがれ、天国の退屈さは地獄よりも地獄・・・というのは、オッフェンバックのオペレッタ「天国と地獄」や、桂枝雀の「茶漬えんま」など、いつの時代も変わらないということでしょうか?(笑) キャラとしては、「死神」のなおみさんが魅力的でした。でも、女子部屋に侵入したことを知っていて、その上で「私のこと、好きでしょ」と言ってしまうヒロインの、かわいいけどちょっとエロいところは、若造からおっさんまで、オトコなら心わしづかみにされそうですね(^^; 日本映画、こういう映画ばかりだと困りますが、こういう映画も、無いと困ります![CS・衛星(邦画)] 7点(2018-01-09 20:32:08)《改行有》

87.  カプチーノはお熱いうちに 《ネタバレ》 いい映画に出会えて良かった!と心から思える作品でした。 雨の日のバス停でケンカした相手が、実は友人の彼氏で、その後、魅かれ合って結婚・・・という、最初は、ただのベタな恋愛映画かと思って観ていました。その13年後、エレナは、仕事は順調なものの、ダンナとはすっかりマンネリムード。そんな時、乳ガンが発覚・・・。 これまでのラブコメ風のムードから、闘病などシリアスな展開になっていきますが、この映画が素晴らしいのはここから。病気による深刻な部分だけを強調して感動を強要するような安っぽい演出もなく、ダンナのアントニオや2人の子どもたち、母親や叔母、親友であるシルヴィア、ゲイの友達のファビオ、同じ病室のエグレなど、病気を通じて見えてくるまわりの人々の思いやりややさしさが心に沁みてきます。 浮気性で仕事もパッとせず、体型の変化に象徴されるダメ亭主が、妻の病気をきっかけに、彼女が自分にとってどれだけ大事な人であったのかに気付き、病室のベッドでエレナを愛するシーンは、ほんとに切なくて泣けました。そういうシーンのあとに、「実はあの時、起きてたのよ」と女子トークで盛り上がるエレナとエグレにクスッと笑わされ、その数日後、エグレのベッドが淡々と片づけられていく現実。 また、アントニオと結ばれたしあわせいっぱいな海辺のシーンと、終盤に病院へ向かう途中の回想シーンのつながり方の美しさなど、後半の、様々な悲喜のバランスが絶妙です。でもこの美しいシーンで終わるのではなくて、「えっ?このエピソードがラスト!?」という驚き。おかげで、泣きながら笑えて、最後には、なんだかとてもしあわせな気分になれました。そして、あらためて「奥さんを大事にしよう」という気になりました(笑) エレナがその後、天に召されたのか、回復して元の生活に戻れたのかは描かれていません。この映画において、そんな結末はまったく不要で、素晴らしい家族や友人に囲まれたエレナは、その後の経過がどうなろうが、しあわせな人生であることに違いない、ということですね。 原題の「Allacciate le cinture」は、ベルトを取り付ける、つまり「シートベルトをお締めください」という意味らしいです。「人生の乱気流に遭遇したとき、そばにいてくれる人は誰ですか?」、自分の人生のシートベルト的な役割を果たしてくれる家族や友人がいれば、人生の乱気流も乗り越えられる、そういうメッセージなのだと思います。 ただひとつ、「あしたのパスタはアルデンテ」同様、この邦題、もう少し何とかならなかったのでしょうか?(笑)[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-11-29 09:53:45)《改行有》

88.  偉大なるマルグリット 《ネタバレ》 この話の基となった、実在した音痴なソプラノ歌手の歌声、以前レコードで聴いたことがあり、あの歌声で巻き起こる、ジャイアンのリサイタル的なコメディと思っていました。早々に、予想を上回る「夜の女王のアリア」に爆笑! 外れた音程に合わせて揺れる頭の羽根飾りが、まるで笑いに拍車を掛けているそうです。 でも笑ったのはここだけで、後は意外にも夫との愛を中心とした、切ないストーリーでした。 夫は浮気相手に「妻には女を感じない」と言い、妻の歌にはうんざり。サロンの音楽会にもわざと遅れて帰り、「大成功らしいね!」と褒めちぎりますが、その時の彼女のなんとも悲しそうな表情・・・。彼女は誰よりも、愛する夫に、好きなオペラを聴いてもらいたかったんですねー。 そしてとうとうリサイタルを開いてしまいます。ひどい歌に客は大笑い。戸惑う彼女・・・でも愛する夫が聴いてくれている・・・。すると、いつもの音痴じゃなくて、突然、めちゃ上手な歌声に生まれ変わります。おいおい、朝ドラ「あまちゃん」の薬師丸ひろ子じゃないんだから・・・とツッコミたくなった瞬間、血を吐いて倒れてしまいます。 勝手な想像ですが、ここは「歌が急に上手くなった」奇跡が起こったシーンを描いたのではなく、彼女の幸せいっぱいな心情を美しい歌で表現したシーンではないでしょうか? 実際の歌は、客にはせいぜい「相変わらずヘタだけど、あれっ?何かちょっと心に伝わるものがあるぞ」くらいだったのでは? 哀れにも彼女はその時から妄想と現実との区別がつかなくなり、入院。「治療」という名目で、録音した自身の歌を本人に聞かせようとします。しかし直前になって、夫は「そんなことをしたら彼女は・・・」とやめさせようとしますが・・・・。 そしてラスト。執事の思ってもみなかった行動に「えっ!?」と驚かされます。彼女が主役のオペラ「マルグリット」の幕はここで閉じられた、という意味でしょうか。他にもいろいろ解釈があるようですが、あまりあれこれ考えず、素直に観て、素直に感動することができれば、それがベストな解釈だと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-16 20:22:26)《改行有》

89.  ぼくの伯父さんの休暇 ドタバタ喜劇とは違って、おしゃれな雰囲気の音楽は楽しめたものの、コメディとして見るにはさすがにちょっと厳しかったです。喜劇のお手本のようなシーンもたくさんありますが、どうにも退屈で・・・。違った気分の時に観れば、印象も変わるんでしょうか?「クスッと」よりも「イラッと」させられる方が多かったです(^^; ところで、タイトルは「ぼくの伯父さんの休暇」ですが、肝心の「ぼく」って誰??? 途中からボヤ~ッとしか見ていなかったので、見逃したかな?[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-10-07 22:28:27)《改行有》

90.  ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE TVのレギュラー放送を見たことがなく、この劇場版だけの評価になりますが、ごく普通の旅番組そのまんまで、劇場版であることを意識したと思われるシーンはまったくありません。 移動はローカルバスのみ、高速道路を走ったりタクシーや鉄道に乗るのはNGというルールで旅をするわけですが、それによって起きるハプニングやドラマチックな展開はまるでなく、もちろん「深夜特急」のような重み深みはひとかけらもありません。このメンツでは「水曜どうでしょう」並みの面白いトークも期待できず、台本に沿った展開で、言葉の通じない台湾でモタモタしている様子がだらだらと続きます。 偶然にも台風が直撃し、足止めを食らうアクシデントに遭遇するものの、それを上手く活かしてハラハラ感を煽ることもなく、どうでもいい観光情報や料理シーンをブチ込んで尺を稼ぎます。美しい風景も、地元の人とのふれあいも、旅のロマンを感じさせる異国情緒も、海外ロケによる醍醐味を感じさせるシーンは皆無に近い状態です。 こういう内容に対して、映画としての面白さがどうのこうの・・・なんて言いません。劇場版だろうがテレビ番組だろうが、面白ければ何だってよかったのですが、鑑賞後は「ただのつまらない旅番組だった」という感想しか残りませんでした(^^; 唯一、驚いたのは、最後にエンドロールを見て、たかだかこんな映画(?)を作るのに、これだけの人数のスタッフが関わっていたのか!ということ。こんな内容で、スタッフの人たちのギャラ払えるのかなぁ・・・と、どーでもいいことが気になってしまいました。[CS・衛星(邦画)] 1点(2017-10-03 22:25:24)《改行有》

91.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 カッコつけたがりの多襄丸タイプ、プライドだけは人一倍の侍タイプ、女としてのイメージと自分の都合が大事な侍の妻タイプなど、現代にも、似たような人たちがたくさんいますよね(笑) 人間って、社会や時代背景によって考え方や価値観が変わったりしますが、本質は昔も今も大差ないってことですね。 死体が発見され、殺したのは誰かを明らかにする取調べシーンでは、3人(死んだ人も含めて)とも証言がバラバラ。「自分がやったのではない!」ではなくて、みんな「自分がやった!」と言い張ります。何のために・・・? それがこの映画の主題である「人の心が信じられなくなる恐ろしい話」なんですね。 その救いの意味を持たせようとする、ラストの捨て子をめぐる三人のやりとりは蛇足のような気がしましたが、小説の面白さを映画的な面白さへと変換させた脚本は素晴らしいと思います。 始まってすぐ、内容もまだよくわからない段階で、いきなり音楽にやられちゃいました! 木こりが森にたきぎを切りに行くシーンで、ボレロ・羅生門バージョンですかー!(笑) 個人的には、これだけでこの映画に満点を差し上げたい気分でした♪ モノクロ映画だから、という理由なのか、森の中の光のコントラスト、かなり意識して作った感じですね。これも黒澤監督のこだわりなんでしょうね。 また、三船敏郎といえば、多襄丸のような「豪傑!」タイプのイメージがありますが、この映画の終盤、女にタンカを切られてツバかけられて「トホホホ・・・」という表情、これは最高でした! この作品を含めて、昔の日本って、かなりの映画先進国だったのでは? 今の時代からは決して生まれてこないような、骨太の作品がたくさんあるように思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-10-03 22:08:15)《改行有》

92.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 これはいったいどのように観ればいいの? サイコ系? SF? ミステリー? デヴィッドリンチ?・・・と、なんだかよくわからないままに観ましたが、大筋のようなものがわかってくると、謎だった部分も「あっ、(たぶん)そういうことかー!」と、作り手の意図がいろいろと見えてきて面白いです! 内容を簡単に書くと、ドニーは「10月2日、この日に自分が生き延びると、10月30日に恋人のグレッチェンは車に轢き殺され、母親と妹は飛行機事故で死んでしまう」ので、彼は10月2日まで戻って愛すべき人たちのために笑顔で死を選択する、という話。そこに、物理の先生、死神オババ、精神科医などのセリフがうまく絡んで、話全体に深みを与えています。 もし10月2日にドニーが、飛行機エンジン落下事故で死んでいたらどうなるか。 次の日に転校してくるグレッチェンと出会わないため、彼女が死神オババの家に行くこともなく、従って彼女は死ぬことはなかったでしょう。また、自己啓発の人の家も放火されることなく児童ポルノもバレないので、ダンスコンテストの引率はおばちゃん先生が行き、母親も飛行機事故にも遭わず、母親がドニーを心配してコンテストが終わってすぐの深夜便に乗ることもなくきっと翌朝の便でゆっくり帰るので妹も死なない・・・。 さて、こういった「もしも」のストーリーを、どのように見せれば面白くなるのか。いろいろな演出アイディアを盛り込んだ結果、「あれれっ?ちょっと難解な感じになっちゃったかなー?」的な印象で、決して「狙った難解路線」ではないような気がします。個人的にはタイムトラベルなんか持ち込まないでほしかったですけど・・・。 最後にドニーに撃ち殺されるウサギ(フランク)以外は、おそらくドニー自身の精神状態を具現化したものでしょう。水道管を壊したり放火したりする自分の行動を正当化させたい意識の象徴だと思います。 まあ、こういう内容を説明的にわかりやすく見せたりしたら、ただの安っぽいSFヒューマンドラマになっちゃいますよね。画面に描かれたシーン、役者が語るセリフを、自分の中でどのようにつなぎ合わせるか。その組み合わせ方から、作り手の意図を感じ、理解する。そういう映画の醍醐味が味わえる作品だと思います。 「映画は映画館で観る」しか手段がなかった時代だとこういう作品は向きませんが、DVD等、自宅で簡単に鑑賞できる環境が定着化した現代、つまり「いつでも・何度でも・気になるシーンは繰り返して」観ることができるという新しい鑑賞環境が根付いたからこそ、こういう映画が生まれたのかもしれませんね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-20 00:55:22)《改行有》

93.  シェルタリング・スカイ 《ネタバレ》 ツーリストではなく、トラベラーであり続けたキット。ほとんどセリフもなく、字幕もない後半こそがこの映画の見どころだと思います。一組の夫婦に男がもうひとり絡んで、男女関係云々という前半は、本題を表現するための前フリのようなもので、ストーリーがどうの、と論じる類の映画ではありません。 アメリカに帰れば、タクシーの中で大使館員とタナーを待っていれば、普通に生きることさえ難しい状況からは逃れられますが、キットはその選択肢に背を向け、どこかへ去ってしまいます。私たちが「快適」とする白人社会に戻ってしまえば、キットにとってそれは「ふりだしに戻る」ということだったんでしょう。山のような荷物を抱えて移動する「ツーリスト」から、トランクひとつの「トラベラー」となったキットは、物質第一主義の欧米文化に対する皮肉の象徴なのかもしれません。豊かさの象徴である山のような荷物=しかしそれは生きていく上でのお荷物=そんなものを生み出す欧米文化、ということでしょうか? その欧米文化の副産物が差別社会。 オープニングのモノクロの映像には、発展していくニューヨークの様子が描かれ、快適、快楽、経済的発展、物質的な豊かさをイメージしたシーンが、都会的な雰囲気のジャズとともに流れます。そして、豪華客船から小さなボートで上陸した先では、一転して土着的な民族音楽。オープニングが終わり切らないここまでのシーンだけで、欧米と対極する文化圏が舞台であることが強調されています。たくさんの荷物を、家のない貧しい子供たちに運ばせるアメリカ人は、大きな荷物から帽子を取り出し、カメラで写真を撮り、スピーカーから西洋音楽が流れる酒場で、ドリンクを飲みながら子供たちに靴を磨かせるなど、アメリカの富裕階級とアラブ圏の当時の事情がくっきりと描かれています。 ラストシーン、タクシーから消えたキットは、最初3人で立ち寄った酒場に現れます。店内にはやはり西洋音楽が流れ、新聞売りの子供など、店の様子は変わらない。変わったのはキットの心。その心が「迷ったのかね?」「人には無限の機会がある」ことを、無言のおっさんから感じ取ります。おっさんの声はキットの感情そのもの。映画はそこで終わりますが、キットがその後もトラベラーとして生きていくだろうということは容易に予想できます。 グランドホテルから出てくるタナーが欧米文化の象徴、かつてはその文化の中で生きてきたものの、別の生き方を模索するキット。この二人のコントラストが、差別社会への批判なのだと思います。オープニングとエンディングを見比べると、この映画の意図がよくわかりますね。 後半の砂漠も、俯瞰的に眺めている私たちにとっては「美しい」風景ですが、そこで生きるアラブの人々にとっては日常の当たり前の風景。「ほ~ら、きれいな景色でしょ」と見せるだけでは、まさにただのツーリスト的映画になってしまいますね。静けさ・美しさと同等の激しさ・重苦しさが伝わってくる、それがこの映画の価値だと思いました。 それにしても、男と女の関係をこれほどまでに描き切ることができるベルトルッチ監督の手腕に、ただただ驚くしかありません。「シャンドライの恋」のラストシーンの衝撃も、なるほど、この監督だからこそ作れたんだと、改めて納得です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-12 21:37:49)《改行有》

94.  リストマニア 最初からエロ全開、バカバカしさ100%!  チャップリンやスーパーマンなど、いろいろな映画のパロディや、ロックミュージカル風のシーンもブチ込みながら、最後までテンションを落とさずに突っ走ります。リストの生涯、ワーグナーとの関係、時代背景など、すべてが知らないことだらけで、その辺の知識が少しでもあれば、もうちょっと楽しめたかもしれませんが、もう一度観ようという気にまではなりません(^^; 豪華なんだかチープなんだかよくわからないセットや、シュールというか、わけがわからないフザケっぷりも、ここまでくれば「すごい!」というべきかも。DVD化もされておらず、中古のVHSにも結構な高値がついている、目にすることが少ない映画のようですが、もし鑑賞する機会がある時は、「お下品な悪ノリ、乱れ打ち!」であることをご承知の上でお楽しみください♪[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-09-09 10:36:30)《改行有》

95.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 まったく予期していなかった、突然の人生の終わり・・・。そりゃ悔いも残るだろうし、そのまま天には召せないよぉ!って抗いたくもなりますよね。この話、そういう目に遭った本人の無念さだけでなく、残された人たちの気持ちを癒してくれる映画なんだと思います。 このような題材を、「このサスペンスの真相は!?」とか「アン・ハサウェイ主演のラブロマンス!」など、興行成績を上げるための「一般ウケ」するカタチに当て嵌めてしまったために、鑑賞ポイントを間違えた人も多いようで、もったいないですね。 ラストにたどり着くまで、全体的にテンポ感やメリハリに欠けた印象で、せっかくのいいネタなのに、もっと上手い料理法で味わいたかったです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-08 15:09:30)《改行有》

96.  たまこラブストーリー 最初、変な鳥と南の島・・・というシーンだったので、「そういう映画か?」と思ったら、全然違って、京都アニメーション制作の、普通の恋愛アニメでした。原作だかテレビ版だかとのつながりかもしれませんが、知らない者にとっては、本編にそぐわない、意味不明のオープニングでした。 これ、内容がどうの・・・より、登場人物(特に女子)のキャラを、「ウザい!」と思ってしまうかそうでないかで評価は真っ二つのような気がします。自分は前者だったため、残念な結果になってしまいました・・・。 糸電話もバトンも相手の気持ちもキャッチするのが苦手な女の子が、なんだかんだあって、最後は糸電話もバトンも「キャッチできる=恋愛成就?」という、お約束の展開。 ついさっき見たのに、内容がほとんど印象に残っていないので、好きか嫌いかという感想もなく「この映画に対して何の関心もない」というのが本音です。[CS・衛星(邦画)] 4点(2017-09-06 23:58:21)《改行有》

97.  ギリシャに消えた嘘 《ネタバレ》 サスペンス的な観点から見ると、ひねりも緊迫感も何もない、あまりにもベタ過ぎな展開。最後くらいはひと工夫あるのでは?と思ったら、走って逃げて撃たれて死ぬって・・・昭和の刑事ドラマのようでした。 じゃあ、鑑賞ポイントはヒューマンドラマ的なところか?と思ったら、これまた中途半端。3人の主要人物、キャラの作り込みが浅過ぎ! おかげで、人間関係の描き方も適当に見えてしまい、ただの思いつきを並べてつなげたような印象。特に、コレットとライダルが魅かれ合うって感じが全然しなくて、「もしかしたらこれ、大どんでん返しのためのトラップか!?」と思ったほど不自然でした。 また、父親云々というポイントも、ライダルが、つい最近死んだ父親とうまくいってなかったという序盤の伏線とラストとのつながり、まるで「映画の作り方」というマニュアルの例題に当て嵌めただけ、という感じがして、まったく心に響きません。 異国情緒漂うギリシャを中心とした逃亡劇に、男女関係・人間関係の心理描写を絡めつつ・・・という映画的な仕立て方を狙ったのでしょうが、もう、何もかもが平均点以下で、どこか褒めるところはないかと探しても、何も見つかりませんでした。[CS・衛星(字幕)] 2点(2017-09-02 18:44:12)《改行有》

98.  真夏の素肌 《ネタバレ》 父親を知らずに育った少女二人。オーリャが実の父に会うのに気後れしてしまい、一緒に来た友達サーシャと名前を交換して訪れたために、ややこしいことになっていきます。 セルゲイは娘じゃないサーシャを娘だと思い込んで意気投合し、サーシャも娘としてセルゲイに甘えるのですが、実の娘であるオーリャは疎外感を覚えて自暴自棄になり、ヤケクソの初体験。そしてセルゲイに「自分が本当の娘だ」と伝え、ますます面倒くさいことになるのですが、すべて「どーでもいい」と思える印象でした。 あの年代の女の子の危なっかしい様や、父性を求めた少女の心理とかを表現しようとしたのでしょうけど、脚本が薄っぺらいのか、演出のセンスが悪いのか、鑑賞した自分の理解力が乏しいのか、「若さゆえの揺れ動く感情・・・」とかそういうのじゃなくて、ただのろくでなし2人にしか見えませんでした。鑑賞後、少し時間が経ったせいか、いま記憶に残っているのは、サーシャのアホさ、オーリャのウジウジさ、父親のクズさだけ。 若くてかわいいロシア女子(の裸)を鑑賞したい人にはいいかもしれませんが、話の面白さを求める人には不向きかも・・・。[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-08-31 11:00:31)《改行有》

99.  アメリ 《ネタバレ》 フランス語の響き、フランスらしい音楽、おしゃれな街並みという土台の上に、アメリの世界観を乗せ、フランス映画独特のセンス、美しい映像技術で見事に料理した、「オールフランス」の相乗効果で、完成度の高い作品に仕上がった印象です。 最初、アメリのキャラクターはちょっと苦手な感じでしたが、品の良いユーモアが心地よく、最後まで楽しめました。写真の男の正体がわかるシーンなどは、座布団一枚差し上げたいくらいです(笑) 人とのコミュニケーションが不器用な人間って、少年時代の宝箱や遅配の手紙のような話を「妄想」して楽しむ傾向が、他の人よりも強いんですよねー。そういうタイプの人の心理描写が秀逸で、そこが、ただの雰囲気映画・不思議ちゃん映画とは決定的に違います。 人の感情を弄ぶような「みんなを幸せにしてあげますミッション」を遂行するアメリに対して「おまえ、天使にでもなったつもりかよ!」と、普段なら怒りのツッコミを入れたくなるところですが、まぁこういうイタイ子ちゃんのやることだから・・・と、不思議と気になりませんでした。そりゃ、現実にこんなことしてるヤツが自分のまわりにいたら、グーで鼻殴りますけどね。でも隣のおっさんと八百屋にしたようなことは、自分もやりそうです(笑) 以前は「フランス映画、良さがさっぱりわからん!」状態だった自分も、本作をはじめ、良質のフランス作品に触れる機会が多く、フランス映画アレルギーが少しずつ緩和されてきた気がします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-26 22:09:00)《改行有》

100.  月世界旅行 「100年以上も前に作られた~」という映画史的な価値を抜きにしても、かなり面白い作品だと思います。わずか十数分の間にSF映画の醍醐味が濃縮されていたように感じられました。 後日、「活弁付」バージョンを見ましたが、活弁は邪魔なだけ。声が入った途端、教育テレビの「できるかな」みたいになっちゃいました(^^; 無声版でかなり衝撃を受けた音楽も、バックで何か音が流れてる程度に成り下がってしまって、なんてもったいないことするんだろ・・・。[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2017-08-16 14:45:28)《改行有》

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