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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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981.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 とある中堅作家が新作の発表に合わせて、自作を語る朗読会を開く。その内容とは――。主人公は作家志望の貧しい若者ローリー、ひたすら書いては出版社へと原稿を送るものの無下に断られる鬱屈した日々を過ごしていた。そんなおり、彼は偶然手に入れた鞄の中から、古びた小説の原稿を発見する。「これは傑作だ…」一読してそう確信したローリーは無我夢中で、それを一言一句漏らさずパソコンへと書き写し、駄目だと分かっていながら、長年自分を支えてくれた愛する妻を助けたい、何より自分のことを世間に認めてもらいたいと、それを編集者に読んでもらい出版へとこぎつけることに。本当の作者がどんな想いでこの小説を書いたかも、自分の才能を信じてついてきてくれた妻の信頼をどれほど裏切ることになるかも知らずに…。自作を語る中堅作家の物語と、彼の新作小説の内容として語られるそんなローリーの物語と、自作を盗用された年老いた男の過去の哀しい恋物語が、複雑なメタ構造で絡み合う哀切な人間ドラマ。そんな複雑な構造の作品なのに、極めて分かりやすいストーリーテリングのおかげで最後までストレスなく観ることが出来て、そこは素直に良かったです。それぞれの恋物語も実力派の役者陣の熱演(ブラッドリー・クーパーの目力は凄い!)のおかげでなかなか楽しめました。ただ、その作風に監督が溺れてしまい、どうしてこんなメタ構造で作品を描かねばならなかったのか、その意義を最後まで見出せなかったことが少し残念でしたね。特に曖昧でよく分からないこのラストは、かなり投げっ放し感が強くて大きくマイナスポイント。それでも、そんなラスト以外は、しっかりと創り込まれた人間ドラマとしてけっこう見応えありました。取り敢えず、もしかしたら大作家になれたかも知れないあのおじいちゃんの人生は本当に哀しいですね。うん、やっぱり盗作しちゃ駄目。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 00:39:52)

982.  ポゼッション(2012) 《ネタバレ》 妻と離婚し、愛する二人の娘と離れ離れに暮らすことになってしまった大学のバスケットコーチ、クライド。それでもそんな娘たちと共に過ごせる毎週末を楽しみに、それなりに充実した日々を送っていた。次女、エミリーがフリマで謎の箱を手に入れてしまうまでは――。夜な夜なその怪しげな箱へと語りかけるエミリー、心配するクライドをよそに、次第に彼女の周りでは不穏な出来事が起こり始める。突然寝室の中に乱れ飛ぶ蛾の大群、冷蔵庫の食べ物を漁る謎の生き物、そしてエミリーの喉の奥にはいつの間にか〝それ〟が潜んでいた…。という、極めてオーソドックスでベタベタなエクソシスト作品。うーん、もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。確かに、奇をてらうことなく正統派なホラー映画を創ろうと頑張ってるのは分かるのだけど、あまりにもこちらの予想通りの展開が続くため、現代の映画としてみれば少々古臭いという印象が否めない作品でありました。最後のオチも、後味の良さを優先したのか、次に誰がその箱を拾い悪魔へと取り憑かれてしまうのかも分からずじまいで、ちょっと物足りなかったです。ただ、悪魔に取り憑かれる次女エミリーを演じた女の子がびっくりするくらい美少女で、そんな彼女が身体をはって、蛾を呑み込んだり白目むいたり絶叫したり、果てはパンチラまで見せてくれると言う、体当たりな演技で頑張っていたので、彼女の努力に免じて+1点っす(え、誰がロリコンだって?笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-03 21:55:18)

983.  クロニクル 《ネタバレ》 あまりイケているとは言いがたい青春を送っているアンドリューら3人の若者たちが、ある日、謎の穴の中にあった隕石によって特殊な力を授けられる。最初は、小さな物を遠隔操作できる能力を使って、街でくだらない悪戯を繰り返していた彼らだったが、そんな能力と悪戯はどんどんとエスカレートしていくことに。戸惑いつつも、自分なりにルールを設けて、能力の暴走を食い止めようとする彼らだったが、しかし理不尽な現実社会に喘いでいたアンドリューだけは、その心に溜めに溜め込んだ暗い澱のような感情をとうとう爆発させるのだった。手に、常に愛用するビデオカメラを持ちながら――。ストーリー自体は極めてありきたりでオーソドックスなサイキックSFなのですが、それをPOVというホラーやスリラーの分野でやたらと多用される手法を使って描いたところがなかなか斬新でしたね。特に、完全主観になってしまいがちで画面やストーリーの緩急が取り辛いというこの手法の欠点を、超能力を使ってカメラを浮かし自らを客観的に撮ることで、見事に三人称神視点を得るというアイデアは特筆ものでした。おかげで、彼ら各々の確執や暴走、空を飛ぶ爽快感やアンドリューが深い劣等感から街を破壊していく過程など、(素人が撮った映像に毛が生えた程度の凡庸なPOV作品とは一線を画する)一本の映画として充分に堪能できました。ただ…、最後はちょっと呆気なさ過ぎるかなとも思います。アンドリューがさらに一都市を壊滅させてしまうほど暴走しちゃうとか彼の暴走を食い止めるため軍隊まで出てきちゃうとか、そこまで盛り上げてくれたらもっと良かったかな~。って、さすがにそれしちゃうと映画として破綻しちゃうか。というわけで、ちょっとこじんまり纏まちゃった感も無きにしもあらずだけど、けっこう面白かったっす![DVD(字幕)] 6点(2014-03-28 21:19:13)(良:1票)

984.  ホワイトハウス・ダウン 《ネタバレ》 大統領警護官の採用面接を受けるため、政治マニアの年頃の娘と共に、世界の政治の中枢であるホワイトハウスへと訪れたSP、ジョン。しかし、偶然にもそこには世界壊滅を目論むテロリストの凶悪な計画が進行中だった。権威の象徴であるホワイトハウスがあっという間に爆破され、瞬く間に占領されてゆくアメリカ中枢。絶体絶命の危機へと陥った大統領と、そして愛する娘を救うためジョンはたった一人で立ち上がるのだった!いやー、さすがエメリッヒ、相変わらずバカでしたね~。数日経てば(数時間?笑)すっかり忘れてしまいそうな、超オーソドックスでベタなストーリー展開は頭空っぽにしてぼちぼち楽しめました。超自己チューな理由で世界を破滅させようとするテロリストが簡単にホワイトハウスへと侵入し、中東から全米兵を撤退させま~すというあり得ない政策を打ち出した大統領がバズーカーをぶっ放し、「大統領が死んだので次の大統領は君ね。あ、また死んじゃった。じゃあ、次は君で」という超適当な政治家の皆さん、そして核戦争を阻止するために現場へと急襲したにもかかわらず「ホワイトハウスの前で可愛い女の子が懸命に旗を振ってる。お、俺には空爆なんて出来ん!すまん、世界の何百万もの罪なき人々!」と簡単に引き返しちゃう爆撃機のパイロット…。さすがに大味(おバカ?笑)すぎて、「う~ん、これはちょっと…」という部分もあったけど、いかにもエメリッヒらしいエンタメ作品としてそこそこ良かったんじゃないでしょーか。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-26 06:44:27)

985.  モンスターズ・ユニバーシティ 《ネタバレ》 素晴らしい発想力、個性豊かな魅力に満ち溢れているキャラクターたち、最後までワクワク感が途切れない夢のあるストーリー展開…、今のところピクサー映画の中で最高傑作だと思っている「モンスターズ・インク」をこよなく愛する自分としては、続編である今作ももちろん期待して鑑賞してみました。なんですが、うーん、ちょっと期待が高すぎたのか、僕は前作ほど楽しめなかったですね。この、大学という狭い枠内で、落ちこぼれ生徒たちが最初は反発しあいながらも徐々に友情を育み最後は一致団結して勝利を勝ち取るっていう今回のストーリーって、モンスター大学という特異な設定を取り除いたら、あまりにもベタな青春学園ドラマに過ぎないですか、これ。それに今回は主要登場人物が全員モンスターで、前作の無邪気な人間の女の子みたいなアクセントのあるキャラクターが一人も居なかったのも残念でした。相変わらず綺麗な映像と、主役二人のユーモラスな遣り取りとか普通に面白いとは思うんですけど、観終わって、「モンスターズ・インク」がどれだけ完成度の高い作品だったのかを、僕はあらためて再確認してしまいました。普通に面白いんですよ、ただ前作と比べるとってだけで、映画としては普通に面白かったんですよ!←え、フォローしすぎ!?ごめんなさい(笑)。と、いうわけで6点~☆久し振りにマイク&サリーに出会えたことは素直に嬉しかったですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-24 18:50:51)

986.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 きっかけは何処から始まったのかすら分からない些細なものだった。普通の生活を送っていた人々が、突如として凶暴化し目に付く人々を無差別に襲い始める。襲われた人も十数秒後には、同じように凶暴化し見ず知らずの人々を襲うという負の連鎖は瞬く間に世界中へと拡大し、人類は突如として滅亡の危機を迎えてしまうのだった。愛する家族とともに平凡な生活を送っていた、元国連職員ジェリーもそんな災禍へと容赦なく巻き込まれてゆくことに。家族の安全と引き換えに、ウィルスの弱点を探る任務へと無理やり駆り出されたジェリーは、そんな凶悪な感染者〝Z〟たちが溢れ返る危険な世界を、人類、そして家族の命を救うためにただただ疾走してゆく。ブラット・ピットが製作も務め、莫大な予算を注ぎ込んで作り上げたスケールだけはやたらと大きいゾンビ映画作品。確かに、お金かかってるだけあって、その圧倒的な数の力で無慈悲に襲い掛かってくるゾンビ描写は出色の出来でした。特にイスラエルでの怒涛の、もう人々(ゾンビ)が蟻のようにぐちゃぐちゃしちゃう攻防戦には素直に圧倒されたっす。ただ、全編を通して描かれるのは、ブラピがひたすらゾンビの大群から逃げてはほっと一息、逃げてはほっと一息、の繰り返しなのでちょっと後半だれてくるのが残念ちゃあ残念でしたけどね。それに、基本ゾンビ映画なんだし、もっとユーモラスな部分もあっても良かったかなー。そのわりには人間ドラマもけっこう希薄な感じだったし。あの人類の希望の光であったウィルス学者がこけて死ぬってシーンも別にギャグってわけじゃなさそうですし(どんなけ間抜けな死に方やねん!って思わず突っ込んじゃいました笑)。でもまあ、ゾンビたちとの迫力の攻防戦とか、後半の打って変わってのスリリングな密室劇とかは、そこそこ良かったかな~。うん、ぼちぼち面白かったっす![DVD(字幕)] 6点(2014-03-22 01:08:26)

987.  ゼロ タウン 始まりの地 《ネタバレ》 1982年、レバノン。イスラエルとの国境に近いパレスチナ難民キャンプ。常に死と隣り合わせのそんな地で、鬱屈した思いを抱えながら必死に生きる少年ファヘッドは、いつか父親とともに生まれ故郷へと帰り、親子で大事に育てているオリーブの苗木を大地に根付かせることだけを夢見ていた。だがある日、イスラエル軍の空爆によって、そんな最愛の父親と親友の命が奪われてしまう。いつかきっとイスラエルに復讐してやる…。そう心に誓うファヘッドに、ゲリラ組織からある命令が下る。それは父親を殺したかもしれない、撃墜された飛行機から捕虜となったイスラエル軍パイロットの監視役だった。「故郷に帰りたいのか?だったら俺のことを逃がしてくれ、お前をイスラエルの生まれ故郷まで案内してやるよ」と提案する獄中の捕虜に、当然のように反発するファヘッド。しかし深い煩悶の末に、彼の逃走を手助けしたファヘッドは、二人で生まれ故郷である始まりの地を目指して戦時下の危険な世界を疾走してゆく。当然、彼の手にはオリーブの苗木が握られていた――。冒頭からとてもリアルに描かれる、乾いた砂漠の難民キャンプで懸命に生きる子供たちの無垢でエネルギッシュな描写にはなかなか惹き込まれました。ただ、その後にイスラエル人とパレスチナ人というもう永遠に仲良くなることは不可能なんじゃないかという主人公二人が、旅を通じて徐々に友情を育んでいくというあまりにもベタな展開にはちょっと「う~ん」って感じでしたね。それに、手堅い演出とかは及第点ではあるのだけど、もうちょっと魅力的なエピソードとかキャラクターとかも欲しかったですかね。あの偶然巻き込まれたタクシー運転手であるタコ親父がもっと活躍するのかと思いきや、残念ながら速攻でお金も貰えずに退場させられちゃうし。それでも、主人公の少年とスティーブン・ドーフ演じるイスラエル人とのとても自然な演技とかはなかなか良かったっす。極めてオーソドックスではあるけれど、シンプルなロード・ムービーとしてなかなかの佳品だったと思います、はい。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-17 23:10:42)

988.  思秋期 《ネタバレ》 長年連れ添った妻を亡くし、癒しきれない孤独感から酒に溺れ、ロクでもないどん底生活を送っている初老の男ジョセフ。毎夜、深酒してはトラブルを引き起こす嫌われ者の彼だったが、とうとう酔った勢いで愛犬を蹴り殺してしまうほど、最悪の状態に。人生の〝思秋期〟を迎え、出口のない迷路へと迷い込んでいたそんなジョセフは、ある日、夫からの激しいDVに苦しむハンナという女性と出会う。最初は反発しあっていた2人だったが、閉塞感漂うお互いの人生に共鳴しあうかのように次第に距離が縮まってゆく。だが、彼らの仲を誤解した夫によってハンナは顔の形が変わるほどの酷い暴力をうけてしまうのだった。人間的にかなり問題のある登場人物たちが織り成す、最後までうんざりするくらい暗~い哀切な人間ドラマ。いやー、観終わった後の気分を一言で表すなら、鬱(笑)。治まっていたおれのアル中も再発しそうになっちまったじゃん、このヤロー。ただ、この作品を通して「もしかしたら人生なんてしょせんはクソなのかも」という疑問へと必死に抗おうとしている、この監督の切実な思いには素直に好感が持てました。みんな、こうやって反吐が出そうな思いを抱えて必死に生きてるんだよ、うん、分かる分かる。でも、映画監督として才能を感じるのは、やっぱり「人生なんて、しょせんはクソさ」というシニカルな思想を持った、ラース・フォン・トリアーやミヒャエル・ハネケなんだよねー、皮肉なことに。シンプルな人間ドラマとして良かったとは思うんですけど、ちょっぴり地味で古臭く感じたのも事実。もうちょっと新しい部分も欲しかったですね。なんだか、昭和枯れすすきのような作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-26 08:50:23)

989.  ヒッチコック 《ネタバレ》 誰もが知るサスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコック――。生涯にわたって天才の名を欲しいままにした彼の言わずも知れた代表作「サイコ」製作の舞台裏を、その知られざる苦悩の日々や、赤裸々な私生活をも絡めて描き出した伝記作品。いやー、あの古典的名作誕生の裏側には、こんな中年夫婦の倦怠期の危機が重要な役割を担っていたとは(笑)。そんな創作活動の根源的な苦しみと、危機を乗り越えたからこその夫婦の篤い信頼関係を軽妙にユーモラスに描いたところは素直に面白いと感じました。映画史に残る猟奇殺人鬼を創出したヒッチコック監督の役を、レクター博士というこれまた希代の猟奇殺人鬼役で一世を風靡したアンソニー・ホプキンスが演じるってところもなんだか暗喩的で良いです(そしてサイコの殺人鬼役は、名前が激似のアンソニー・パーキンスって!)。ただ、伝記映画としてそのあまりにも優等生な創りに、若干パンチに欠けるかなーって感じたのも事実でした。夫婦の危機をもっと破滅的に描くとか、ヒッチコックが創作の苦悩からはまり込むエド・ゲインの狂気の世界を濃厚に映像化するとか、そんなパンチの効いた演出があと一つあれば、もっと良かったかなぁと思います。当然だけど、ヒッチコックの「サイコ」という映画を観ていなければ、この作品を完全に楽しむのは厳しいと思われるので、未見の方は必ずエド・ゲインという実在の殺人鬼をモデルにした、狂気のサスペンス映画の傑作を事前に鑑賞すること。その後に、この熟年カップルの夫婦愛をハートフルに描いた作品を観るのってどうなんだろ?とは思うけどもね(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-23 00:32:06)

990.  ラストスタンド 《ネタバレ》 メキシコとの国境に近い、アメリカののどかな片田舎ソマートン。ほとんど事件など起きない平凡で退屈なそんな町で、長年保安官として働いているレイは、ある日不審なトラック運転手2人組を目撃する。念のため部下に車両照会を命じた彼のそんな直感は、ものの見事に当たってしまうのだった。刑務所を脱獄した凶悪な麻薬王がメキシコへと逃亡を図るため、最新鋭の超高速スポーツカーで町へと乗り込んでくることを知ったレイは、堅物の副保安官、情熱はあるもののどこか間抜けなルーキー、紅一点の勝気で男勝りなヒロイン、銃器オタクの冴えない駄目男、そして酒が原因で身を持ち崩したヒロインの元カレらとともに、町の平和とそして正義を守るため、これで最後とばかりに立ち上がるのだった!いろいろしてて約10年ぶりとなるシュワちゃん主演作は、そんな古き良き時代のエッセンスを随所に感じるオーソドックスなアクションエンタメ作品でした。混迷する現代社会を象徴するかのように、正義と悪の狭間でやたらと苦悩したり、ヒーローでありながらどこかダークな側面を持っていたりする主人公がやたらと多いなか、さすがにもう辞めたとはいえ元カリフォルニア州知事が演じる今作の主人公は、「カリフォルニアの有権者のみんな、今までサンキューだぜ!ベイビー」と高らかに宣言するかのような単純明快な正義の頑固ジジイ(笑)。「うーん、さすがにシュワちゃんも年取ったなぁ」としみじみ思いながらも、そんな彼が大活躍する小気味の良いスピーディーな展開に中盤まではけっこう楽しんで観てたんだけど、町でのなんともまったりとした銃撃戦が始まったあたりから、見事なまでにグズグズに…(笑)。いやー、前半は良かったんだけどね~。でもまあ、僕の青春の1ページでもあるシュワちゃんの待望の復帰作ということで、ちょっぴり甘めに6点っす![DVD(字幕)] 6点(2014-02-22 18:58:47)(良:1票)

991.  ペーパーボーイ 真夏の引力 《ネタバレ》 60年代アメリカ、うだるような暑さが続くマイアミの片田舎で保安官が鉈で殺されるという残虐な事件が起こる。ほどなく、沼地に住みワニの皮を剥いで生活していたヒラリーという粗暴な男が逮捕され、裁判の結果電気イスへと送られることに。そんな無事に解決したはずの事件に疑問を抱いた敏腕新聞記者ウォードは現地へと向かい、真実を求めて取材を開始するのだった――。正義感の強いウォードの相棒ヤードリー、彼の弟でいかにも童貞の青臭い青年ジャック、獄中のヒラリーと手紙を遣り取りし彼と獄中結婚したがっているアバズレの40女シャーロット、そして全てを客観的に見守る黒人メイドのアニタ…、それぞれの視点から事件の真相が炙り出されてゆくなか、彼ら各々の隠された思惑から事態は意外な方向へと向かい始めるのだった。かつて、劣悪な貧困家庭に生きる少女の哀切なドラマをエネルギッシュに描いた「プレシャス」という作品で鮮烈なデビューを飾ったリー・ダニエルズ監督の二作目となる今作、豪華な俳優陣も出演してることだしとけっこう期待して鑑賞してみました。相変わらず猥雑で残酷な現実社会をゴージャスで極彩色な映像で描き出すその手腕は今回も健在でしたね(いま冬だけど、ちょっぴり汗ばんじゃいそうなほど暑苦しかったっす笑)。社会の底辺で、貧困や矛盾から無尽蔵に生まれくる暴力という荒波に押し流されそうになりながらも、必死に踏み止まって生きてゆく人間たちの群像をあくまで黒人的感性でソウルフルに描いた作品としてなかなか見応えありました。ただ、後半テーマがいまいち搾りきれておらず、なんだか散漫な展開となってしまったところがちょっぴり残念でしたけど。それでも、刑務所の面会室でのニコール・キッドマン&ジョン・キューザックのいかにもイヤらし~い遣り取りとか普通に面白かったっす。あと、ずっとニコール・キッドマンのケツばっか目で追いかけてた童貞野郎ジャックの熱い想いには、股間が痛くなるくらい共感できました(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-21 13:00:33)

992.  ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~ 《ネタバレ》 地球温暖化の影響で今にも海の藻屑と消えようとしている、大量のガラクタや腐りかけの生ゴミ、濁った泥水に埋め尽くされたゴミ溜めのような島、バスタブ。そこで酒浸りの駄目な父親とともに暮らす、常にモジャモジャの髪の毛に薄汚れたTシャツと長靴姿の少女ハッシュパピーは勝気で夢見がちな6歳の女の子。ある日、来るべきときがやってきたかのように大嵐が襲来、バスタブ島はとうとう沈没の危機を迎えてしまう。「俺たちは絶対に奴隷になんかならねえ!死ぬまでここで生き延びてやるんだ!」と豪語する父親や個性的な島民らと共に、そんな沈みかけの島で必死に生き延びようとするハッシュパピーだったが、政府の冷徹な魔の手が彼女たちへと襲い掛かってくるのだった。この独特で摩訶不思議な世界観に支配された作品を観ていて、まず真っ先に思い浮かぶのは南米のノーベル賞作家ガルシア・マルケスの創出したマジック・リアリズムと言われる小説群だろう。リアルとアミニズムとファンタジーが絶妙なバランスで配合された唯一無二な世界で描き出されるのは、下品で猥雑で最高に下世話なのだけど、それでも圧倒的な生きるエネルギーに満ち溢れた人間と動物たちの真実の姿。確かに、そんな世界をハッシュパピーという無垢な少女の目線で描き出したところは新鮮で秀逸だと思うのだけど、僕は昔からマルケス風マジック・リアリズムが個人的に苦手なもので、そこまで心惹かれませんでした。うーん、面白いとは思うんですけど、これはもう完全に好みの問題ですね、6点。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-19 23:51:48)

993.  ヒプノティスト-催眠- 《ネタバレ》 雪深い北欧の大都市、ストックホルム。とある家族が何者かによって惨殺された。父親も母親も果ては幼い女の子までもが、凶悪なナイフによって血の海へと沈められた。しかし、神のご加護か長男の少年だけがわずかに息のある状態で発見される。被害者にして、唯一の目撃者でもある彼だったが、意識不明の昏睡状態でとてもじゃないが事情を聴くことなど適わなかった。業を煮やした刑事ヨーナは、天才的な催眠技術を持つ精神科医エリックに少年の無意識下の記憶を探って欲しいと依頼する。だが、犯人と思しき謎の人物が今度はエリックの家族へとその非情な刃を向け始めるのだった。これまで豊かな自然描写を背景に、理不尽な現実へと翻弄される市井の人々の機微を瑞々しく描き出してきたハルストレム監督が、いままでとは全く正反対な作風へと新たに挑んだサスペンス・スリラー。冒頭の「ハルストレム、あんた、こんなに血糊なんて使ったの生まれて初めてちゃうの?」ってくらい凄惨な殺人現場の描写からちょっと無理してるっぽい感じがして不安に駆られながら観てたのだけど、すぐにいつものように淡々とした人間ドラマが展開されていきました(笑)。やっぱり彼のセンスはこういうジャンルには合ってないって!催眠術を駆使した背筋が凍るような恐怖を描いたサスペンスなのか、人生の岐路に差し掛かった家族の葛藤を描いた人間ドラマなのか、うーん、なんとも中途半端っす。ハルストレムって昔から好きな監督なんだけど、今作は残念ながらぎりぎり及第点かなーと言わざるをえないレベルの作品でありました。相変わらず、映像は綺麗でしたけどね。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-06 23:01:58)

994.  フィービー・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 「不思議の国のアリス」が大好きで夢見がちな少女フィービーは、絶対にやっちゃいけないと教えられたことを必ずやってしまったり、怒ると誰彼構わず唾を吐きつけたり、空想上のお友達とお喋りしたり、さらにはストレスを感じると自傷行為にまで及んでしまう精神的に問題を抱えた9歳の女の子。しかし、自分にしか見えないお友達のアリスに促されるようにして学校の文化祭で行われる舞台「不思議の国のアリス」のオーディションを受けてみると、奇跡的にアリス役へと抜擢されてしまう。戸惑いながらも仲間たちと一緒に練習を始めるフィービー。すると、同時に受けていた精神科医のカウンセリングと投薬治療の成果もあって、彼女の問題行動は徐々に改善されていくのだった。悩んでいた両親も素直に安堵の表情を見せ始めるのだが、しかし重役へのプレッシャーから、フィービーの問題行動はまたもや再発してしまう…。精神的に不安定な女の子フィービーが迷い込む悪夢のような精神世界を描いた子供版「ブラックスワン」といった趣きのとってもシリアスな人間ドラマ。と言うか、この作品のパッケージやタイトルロゴのデザインだけ見ると現実感なんて欠片もないおもいっくそゴリゴリのメルヘンファンタジーっぽく思わせといて、この内容って(分からない人はビデオ屋さんでパッケージを確認することbyルイス・キャロル)、日本の配給会社の方、これはもう詐欺行為に等しいっすよ!胸踊るファンタジーを期待して手に取った多くの子供たちにとっても、子供の心の闇と家族の葛藤を真面目に描いたこの作品にとっても非常に残念な宣伝手法だと思います!!そして肝心の内容のほうですが、周りのみんなにただ認めてもらいたいだけなのになかなかうまくいかない少女の繊細で今にも壊れてしまいそうな心情が、アリスをモチーフとしたシュールな映像を交えて丁寧に描かれていて、素直に良かったと思います。難を言えば、フィービーが入り込む空想世界の描写が圧倒的に少ないことと、その世界観にいまいちセンスを感じなかったところが残念ではありましたけど、家族の絆を描いた人間ドラマとしてなかなか見応えありました。それだけに作品の内容と掛け離れたあのパッケージのせいで間違った評価を下されないか、つくづく心配です。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-05 09:34:43)

995.  ムーンライズ・キングダム 《ネタバレ》 小さな島にボーイスカウトとしてやって来た孤児の少年サムは、団体行動が苦手で常にトラブルを引き起こす問題児。周りの大人たちもほとほと手を焼くさなか、サムは島で出会った同じく問題児の女の子スージーと瞬く間に恋に落ちる。しかし、次々と問題を起こすサムに嫌気が差した里親がとうとう彼を手放すことに。「ぼく、このままじゃ少年収容所(孤児院)へと送り込まれちゃうよ!」と、サムは一大決心してスージーと共に駆け落ちを決行、突然居なくなった2人に、周りの生真面目な大人たちは小さな島を右往左往の大騒ぎ。果たして無垢な心を持ったサムとスージーの恋の行方は?イエローを基調とした月光のように美しい映像で描き出された、独特の幻想的な雰囲気が全編に漂うスラップスティックなコメディ作品。この徹底的に現実感を排除したセンス溢れる世界観は確かに良いと思うのだけど、うーん、微妙に僕の好みとは合わなかったかなー。この監督の前作「ファンタスティック・フォー・ミスターフォックス」でも感じたことですが、ちょっと上品に過ぎますかね。もうちょっと下世話な部分もあったほうが個人的に好みっす。それでも、ブルース・ウィリスやエドワード・ノートンのもう余裕で楽しんで演じているだろう飄々とした演技とかはなかなか良かったけどね。あと、ちょっぴりロリコンの気がある自分としては、前半のずっと下着姿でうろうろするスージーのおませな女の子っぷりも充分堪能させてもらいました(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-28 10:13:28)

996.  デタッチメント 優しい無関心 《ネタバレ》 学級崩壊など当たり前、誰も教師の言うことなど聞く耳を持たない荒れた不良校へと着任することになった非常勤教師ヘンリー。どことなく冷めた視線で生徒たちと接する彼だったが、彼なりに子供たちを取り巻く環境を少しでも変えたいという情熱を胸に秘めていた。しかし、なかなかうまくいかない現実に徒労感を募らせ始めていたある日、客から殴られレイプされた売春婦の少女エリカと出会う。息詰まっていたお互いの人生に共鳴しあうかのように自然に同居することになった2人だったが、彼らを取り巻く現実は何処までもやるせないものだった。「アメリカン・ヒストリーX」という、未だに主演のエドワード・ノートンの熱演が強く印象に残っている(逆を言えばそれ以外は印象に乏しい)作品を撮ったトニー・ケイ監督の久し振りの新作。なんだけど、何をメインに描きたかったのか、いまいちテーマが絞り切れていないような印象を持ってしまいました。ストレスから心を病んでゆく同僚の教師たちや、写真にしか自分の居場所を見出せない太り気味の女生徒、認知症を患うヘンリーのお祖父ちゃん、そして彼と同居することになる心の片隅にどこか純粋な心を保っている売春婦エリカなど、各々のエピソードが最後までいまいちうまく絡み合ってきません。全編を覆うセンス溢れる美しい映像や実力派の役者陣が織り成す淡々としながらも心に残る演技など光るものが多かっただけに、惜しい作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-25 20:25:27)

997.  インシディアス 《ネタバレ》 ようやく手に入れることが出来た郊外の新居へと越してきた大学教授ジョシュ。愛する妻と3人の幼い子供とともにこれからさらに幸せになろうとしていた矢先、長男のダルトンが原因不明の昏睡状態へと陥ってしまう。突然のことに悲嘆に暮れる家族だったが、数ヶ月が経ってもダルトンに回復の兆しが見られず、失意のうちにせめてもと自宅療養へと切り替えることに。だが、そこからジョシュと家族の平凡だった生活に不可解な現象が起こり始める。無線機に紛れ込む謎の人声、窓から覗く怪しげな影、夜中に唐突に開け放たれる玄関のドア…。仕方なく別の家へと引っ越すことにしたものの、事態は改善されぬばかりかさらなる恐怖が彼らを襲うのだった。うーん、これ子供が3人兄弟である必要があったのかなー。恐怖を体験する対象があまりにも多過ぎて、ホラーとしての焦点が絞り切れていないような印象を受けました。それを裏打ちするかのように、後半は次男も末娘も一切出て来なくなるし(笑)。じゃー、最初から一人息子って設定で良かったじゃん!と、こりゃはずしちゃったかなぁと思いながら観てたのだけど、後半、お父さんが幽体離脱して迷い込む〝彼方の世界〟の、不気味さと狂気とユーモアを濃厚に織り交ぜて描かれたシュールな世界には(デビット・リンチ&シャイニングの影響をモロに受けているとはいえ)予想に反して結構惹き込まれました。まあ、ベタベタなホラーではあるけどそこそこ良かったと思いまーす。ただ、最後のオチは完全に蛇足。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-22 23:11:47)(良:1票)

998.  クロッシング・デイ 《ネタバレ》 暴力と貧困の連鎖が色濃く残る街サウスボストンで、物心つくまえから犯罪と隣り合わせの生活を送ってきた幼馴染みのブライアンとポーリー。昔からそんな二人の面倒をずっと見てきたチンピラたちの元締めであるパットのもと、彼らのヤバい仕事はどんどんとエスカレートしていく。当然のようにそんなロクでもない生活が長続きするはずもなく、とうとう二人は警察に捕まり刑務所へと服役することに。先の見えない自分の人生に心底嫌気がさした二人は、それまでの仕事から足を洗い、愛する人のために再起を誓うのだったが…。マーク・ラファロとイーサン・ホークが貧困に追い詰められ野獣のような迫力を漂わせる男たちを熱演したクライム・アクション。と、聞けば誰もがアントワン・フークワが数年前に製作した同じくクライム・アクションの佳品「クロッシング」を髣髴とさせるのだけど(え、それっておれだけ?笑)、そんな作品の邦題が「クロッシング・デイ」というたった二文字を付け足しただけって、いくらなんでもこれってどうなんですか?そして肝心の内容のほうもフークワ作品に比べていまいち演出にキレがありません。いまクローズアップするシーンはそこじゃないだろー!てところが多々あり、特に最後のイーサン・ホークがその後どうなったのかというのをただナレーションで説明するというのは完全に肩透かしでしたね。とまあ、いろいろと文句を言いながらも底辺を這いずりまわる男たちを重厚に描き出した犯罪ドラマとして(ベタではありますけど)そこそこ楽しめました。イーサン・ホークの相変わらずギラギラした目付きの危険な男っぷりもナイス!それだけにこの安易な邦題は、やっぱり損をしているなぁとあらためて思います。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 21:40:25)

999.  プライドと偏見 《ネタバレ》 19世紀、女性にとって結婚だけが幸せに繋がるという価値観に支配されていたイギリスの華やかな社交界。年頃を迎えた、貧しいながらも仲の良さだけは誰にも負けないベネット家の5人姉妹にとっても、それは何にも増して切実な問題だった。恋に悩み、時に傷付きながらそれぞれに幸せになろうとする姉妹たち。そんななか、どんなときも凛としたプライドだけは決して失わない次女のエリザベスは、無愛想な貴族ダーシーと出会う。「あんな感じ悪い人のことなんか絶対に好きになるわけないわ」と心に誓うエリザベス。だが、プライドと偏見ばかりが幅をきかす窮屈な社交界において、ダーシーの隠されていた優しさに気付いたエリザベスは次第に彼に心惹かれてゆくのだったが…。最近、同じ監督&主演女優で製作された「アンナ・カレーニナ」という作品を観てみたら、これがなかなかの良品だったので、見逃していた今作もといまさらながら鑑賞してみました。いやぁー、まさかこんなに女性向けのごりごりラブロマンスだったとは…(笑)。不倫の恋に苦しむ若い人妻というアンナのテーマは普通に男性の僕でも興味深く観れたのだけど、さすがにここまで恋愛に特化されると男性にはちょっときついっすね~。エリザベスにフラれた背の低いおっさんが嫉妬心爆発して暴走しちゃうとか、姉妹同士で狙っていた男がかぶって取り合いになっちゃうとか、そんなドロドロ展開してくれたほうが個人的に好みっす。それでもアンナでも見られた、華やかな社交界や田舎ののどかな田園風景などをセンス溢れる美しい映像で描き出した、この監督の見事な手腕は今作でも遺憾なく発揮されておりました。そこは素直に良かったと思います、はい。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 19:58:40)

1000.  エンド・オブ・ザ・ワールド(2012) 《ネタバレ》 小惑星が突入してくることが分かり、人類滅亡を3週間後に控えた地球。絶望的な世界で、静かに死を迎えようとする人、享楽的な馬鹿騒ぎに浮かれる人、自暴自棄から暴動を起こす人たち…。そんななか、妻に去られた冴えない男ドッジは天真爛漫で常に前向きな女性ペニーと出会う。迫りくる暴動から命からがら逃げ出した二人は、それぞれの目的のために捨てられたプードルと一緒に旅に出ることに。ドッジは昔の最愛の恋人へと再会するため、ペニーは大事な家族の元へと帰るため。最初はぎこちなかった彼らだったが、世界の終末で共に様々な出来事を経験するうちに、いつしか二人の仲は縮まってゆく。特異な状況下で描かれる、ストーリー自体はいたってシンプルなロードムービー。世界の終末を描きながら、この最後まで徹底的に軽~い明る~い雰囲気を貫き通したセンスは新しいと感じました。徹底的に暗~い重た~い鬱的アプローチで同じテーマを描いた、ラースフォントリアーの「メランコリア」躁バージョンといった感じですね。この2本を続けて観ればちょうどいい精神状態が保てると思います(笑)。人類滅亡が間近に迫っているのに普段通り仕事をするメイドや、「俺は必ず生き延びてやるぜ」と仲間と共に地下室へと立てこもるペニーの元カレ、そして悲劇であるのに悲愴感を微塵も感じさせない美しいラストなど、物語を彩る多彩なエピソードの数々も印象に残りました。後半から世界の終末という設定が巧く機能していないような気もするけど、それでも斬新な設定を瑞々しいセンスで描き出した、将来性を感じさせる監督のデビュー作。うん、なかなか良かったっす![DVD(字幕)] 6点(2014-01-11 11:01:48)

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