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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1001.  ドミノ(2005) 一見バカ映画を装っているけれども、こりゃたいした労作です。トップガンの頃は正直、エイリアンの七光り、くらいの認識しかなかったトニー・スコット、いやはや、職人ではないですか。「理解してくれとは言わん、ただ、俺にとっては、こういうのがカッチョよいのだ」という、その姿勢が、カッチョよい。ミッキー・ロークがMVP。サントリーリザーブのCMよりも、コッチの方が似合ってるぞ。[DVD(字幕)] 8点(2010-01-04 10:48:41)

1002.  シンデレラ(1950) タイトルは『シンデレラ』で内容的にも確かにそうなんですけれど、映画の半分は“トムとジェリー”。ネズミ対ネコの死闘(?)が見どころ。ウチの子もノリノリで観ておりまして、ネズミが抱えたチーズを落としそうになると、つい画面へ手をのばしたり、ポケットのカギを盗もうとするシーンでは怖がって自分も逃げ回ったり。映画を観ても楽しめるし、子供を観てても楽しめる。そんな作品。[DVD(吹替)] 8点(2010-01-03 08:44:52)

1003.  不知火檢校 立身出世を目指し、勝新演じる盲目の男が、ひたすら悪知恵と非道の限りを尽くす。出世のためには悪を辞さない。出世さえすれば、悪は悪で無くなる。その狡猾さたるや、高木彬光の『白昼の死角』に匹敵、いやそれを凌駕するほど。「盲目」を表現せんとする勝新の芸の細かさ、細か過ぎるまでの細かさが、主人公のヤな感じをますます醸し出し、見事なまでの“得体の知れなさ”を表現しておりますな(最早、「得体が知れない」のは、主人公なのか、勝新なのか、区別がつかない)。この主人公、いつかはしっぺ返しを食らって没滅して欲しい、だけどその「いつか」ってのはもっと後でいい。主人公が危機を乗り切るたびに、ええい畜生、と思いつつも、どこかホッとしたりもする。主人公の成功は、ひとつの“夢”ではあるけれど、主人公の没落は・・・結局は、次の「悪」が現れるだけなのであって、所詮我々は、常に現れ続ける「彼ら」に利用され踏み台にされ続けるしかないという“現実”。時々は良心ぶって、狂ったように「彼ら」に石を投げつけてみるしかない、という“現実”。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 08:35:47)

1004.  さまよう魂たち オバケネタ満載、しつこいまでのどんでん返しとも合わせて、とことんまで楽しませてくれるホラーコメディ。『ゴースト/ニューヨークの幻』を観て「コメディとしてかなりいい線行ってるのに、イマイチ詰めが甘いのが、惜しいよなあ」と思える(奇特な)アナタにはまさにうってつけの映画です。映画でオバケを題材にするなら、このくらい徹底しなければ、とばかりに、オバケにまつわるアイデアてんこ盛り、コアなオバケファンでもさすがに満足できるのではないでしょうか(と、いささか一般性に欠く誉め方をしていますが)。ピーター・ジャクソンって、本来、こういう作品を作ってもらうためにアメリカから声がかかったんではなかったのかい?[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-10-24 16:42:10)

1005.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 最近、過去のキャラが色々蘇るけど、インディー・ジョーンズの復活にもジョン・マクレーンの復活にもロッキー・バルボアの復活にも感じることのなかった不気味さが、ジョン・ランボーの復活には伴っている。そもそも、“ランボー”とは何だったのか、何のために存在したキャラクターだったのか。はい、スタちゃんがお金を稼ぐためです。以上。。。そりゃそうなんだけどさあ。。。1作目で、父なる国に見捨てられた怒りから、「ベトナムの戦場をアメリカ本国に持ち込んだ」ランボー。ああトンデモないことしちまったとばかり、せっかく持ち帰った「戦場」を再び国外に持ち出して思う存分大暴れ、平和に飽きた現代人に、対岸の大火事を眺める楽しみをプレゼントした2作目、3作目のランボー。1作目では確かに切っ先鋭く尖っていたこの映画は、シリーズを追うごとに派手になり、派手になり膨張した分、尖っていた切っ先も鈍り、単なる肥満映画となっていく、3作目の彼は、申し訳ないが、ハッキリ言ってピエロである・・・。そんな目的を失った彼が、蘇る。それも再び、切っ先鋭く。勿論、アジア人やロシア人ならナンボ殺してもOK、みたいなこれまでのノリは、ここでも顕在。いや、このシリーズが持つその“限界”をむしろ、ここでは決して隠そうとはしない。その代わり、第1作でランボーが涙ながらに語った、すなわち言葉だけで描かれていた「人間が肉塊と化す」ということ、それをこの映画では徹底的に我々に見せつける。もともとこれこそが、ランボーの世界なのだ、と。そして、ムダに生きるか、何かのために死ぬか、と訴えながら凄惨な戦いに赴くランボーは、まるで死に場所を求めんがために今回、復活したようでもあり、その上でラスト、「ムダに生き残る」という最大限の罰が、彼に与えられたのである。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-16 23:54:28)(良:1票)

1006.  ロスト・ワールド(1925) 男の子は皆そうなのかも知れないけれど、子供の頃から恐竜が好きで好きで、恐竜図鑑ばかり見ておりました。当然、恐竜映画も大好きで、ストップモーションアニメのあのギクシャク感が、かえってタマラナかったり。それにしてもこの映画、スゴい。尻尾を引きずった「(我々にとって)正しい恐竜像」が描かれてます(最近、恐竜についてつまらんこと言われ過ぎ。何が羽毛恐竜だよ。夢を壊さんでくれ。でもその昔、TV番組で初めて「恐竜ってのは尻尾を引きずらなかったんです。足跡の化石はあっても尻尾を引きずった痕はありませんから」という説明を聞いたときは、正直感動した。勿論、ジュラシック・パーク等が製作される前の話です)。というのがスゴイ点ではなくて、ですね。スゴイと思うのは、コナン・ドイルの『失われた世界』を下敷きにしつつも、あくまで徹底して“バトル”にこだわっている点。我々が観たいものを、先んじてちゃーーーんとこんなに昔から把握してくれているのです、オブライエン師匠は。しかもラストには原作100%無視で、都会のど真ん中に恐竜を登場させて見せるという、超絶的アクロバット。どうしてこんな映画を作ろうと思い、作れると思い、実際に作ってしまうのか。どうしてこんな昔に、私が観たいものを見抜いていたのか。勿論、観たいと思うのは私だけではなかったことは、その後のSF映画の歴史がしっかりと示しています。むしろ本作よりも最近の映画の方が、確かに技術が比べ物にならないほど優れてはいるけれど、「我々の観たいモノ」から逸れていっては、いませんか? 技術は高くても内容的には「ほどほど、それなりのモノ」に安住しては、いませんか?  (ところでDVDのBGM。なんでバルトークなの?と少々気が散る)[DVD(字幕)] 8点(2009-08-15 23:31:18)

1007.  山猫は眠らない かっちょいい! スナイパーっていうとみんなデューク東郷みたいな顔してると思われがちで、人間離れした精神力と体力の持ち主、無言無感動無表情のロボットみたいに描かれがちだけど(どの作品の事を言ってるんだ?)、この映画では、トム・べレンジャー演じる主人公は、比較的よくしゃべります。そりゃま、登場人物がとっても少ないんだから、彼がしゃべらないと映画が成り立たなくなるという説もあるけれど。冷徹さと人間味を併せ持った主人公です。で、セリフの中で「スナイパーとは何ぞや」みたいなことが語られ、それを実際に映画の中で体現して見せ、その上で、ああ、スナイパーってやっぱり、つらい職業(?)なんだな、と感じさせられ、この職業選ばなくてよかったな、と。[DVD(字幕)] 8点(2009-08-15 22:55:00)

1008.  デス・プルーフ in グラインドハウス いままで以上に「単なる思い付き」っぽい映画ではあり、「勢いとノリで作っちゃいました」という弱点はあるのだけど、その勢いとノリが半端じゃ無いもんだから、やっぱり惚れ惚れしてしまいます。映画のかなりを占めるオネーチャン達のクダラナイ会話、ここではもちろん、中身よりも、そのヒップホップ的な音感と、まるでカメラ同士が会話するかのようなショットの生み出す、リズムにこそ意義が(中には、こういう会話の中身自体が好きな人もいるだろうけど)。狭い車中での会話を、このリズムが支えております。さらにはクライマックスのカーアクション&超絶スタントから、ラストの“オチ”にいたるまで、リズムがいいですね。ただし、“リズム過剰・中身なし”という点では、いささかミニマル・ミュージックに近い感覚があり、物足りなさがあるのも事実。「単なる思い付き」と言わせないような、一本筋の通った作品でもって、この勢いとノリが表現できれば、なあ。 ※私がDVDを観ているとカーチェイスの部分で子供がやってきて「コワいから止めよう」と言ってたのですが、ラストは2人で大喜びしました。大人から子供まで楽しめる作品です。ウソ。[DVD(字幕)] 8点(2009-08-11 15:38:00)

1009.  萌の朱雀 西吉野村。現在では五條市に編入されました。梅で有名な賀名生地区、一度は観梅に行きたいと思いつつも遠いのでまだ行けてません(ついに春が来たとばかり、毎年梅ばかり熱心に観に行ってたりする)。五新鉄道。五條と新宮を結ぼうという、トンデモない鉄道計画、こんなの出来てたら、世界遺産に認定されたかどうか? 工事跡が映画の中で印象的に登場。映画では鉄道の代わりに国鉄バスが走ってますが、今では我らが奈良交通がバスを走らせているらしい。なお、この路線の傍には、日本最長路線である「八木駅~新宮駅」路線が走っており、ウチの親が最近、コレで本宮まで行ったけど、意外に快適だったとか(私は本宮~新宮間しか乗ったことありませんが)。映画に出てくる光景の中では、洞川温泉が懐かしい。二度行ったことがあるけど、うち一度は新婚旅行。海外か国内かなんて聞かないでよ、県内旅行なんだから(笑)。・・・・なーんてことはすべて、この映画には実はあんまり関係なかったりするのです。もっと普遍的な、何か。いや確かに明らかにこれらの実在の場所や史実と重なる部分はあるのですが(しかも奈良県が一生懸命「奈良の映画」として持ち上げてたりするのですが)、もっと、どことも知れぬ舞台、いつとも知れぬ舞台の映画、ですね。登場する素人の出演者がこの上もなくイイ味出してて、まるで関西電気保安協会のCMみたい(みたことない人はHPで確認してください)。で、豊かな自然と、その自然の一部であるようなイイ味の地元民の皆さんの中で、プロの役者たちが、明らかに作り物である“演技”を繰り広げる。その間の溝は決して埋まることがありません。映画のストーリーとしてのドラマの外側に、「映画を作る」というドラマが、はっきり描かれる訳ではないけどはっきり感じ取ることができる、そこから生まれる不思議な感慨。ああ、そういう手があったのか、そこからこんな不思議な感覚が生まれるのか。物語が終わり、映画の製作が終わっても、この自然と、この人々の生活は、存在し続ける。しかも実は意外に近くにあるんだ、同じ県内なんだから。やっぱり、いつか、行ってみよう。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-07 01:10:05)(良:1票)

1010.  それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ こういう作品であまりケタケタ喜んで褒めちぎるのは、製作側の思うツボのようなもんで、「あーどうせボクのような単細胞人間をターゲットにしてるんだろー」と思っちゃうんだけど。そうなんだけど、でも、とりあえず大抵は一通り観れば納得するウチの子が、珍しく観終わった直後に「もういっかい見たい」と言ってたくらいだから、ウン、この際、褒めておこうかと。まあ、とりあえずストレートに説教臭いオハナシなんですけれども、何しろ、クライマックスがですねえ。あ、言うのやめとこ。とにかく、そこまでやるか、と。しかも、ここでバックに流れるのは、男性合唱による荘重この上無いアンパンマンマーチ! この男性合唱が想起させるは、ブラームスの『アルト・ラプソディ』か、ショスタコーヴィチの『バビ・ヤール』か、はたまた中島みゆきの『世情』か。映画で言えば、『テンタクルズ』の巨大ダコとシャチの死闘、ですかね。でまあ、そのシブシブにシブい男性合唱に対して、画面は“アンパンマン”ですから。これはもう、まさに、甘いだけのアンパンじゃないんだぜ。というわけで。[DVD(邦画)] 8点(2009-07-28 22:57:19)

1011.  真昼の死闘 いかにも定番な邦題で、個性を主張することを放棄しておりますが、実際にはなかなか異色の作品でして。一見、“アメリカ製マカロニ”という感じですが、作品を貫くドライな雰囲気が何とも前衛チックで、さらに尼僧姿の女性がウロチョロするもんだから、もはや、ウェスタンというより、オカルト映画に見えてきてしまいます(しかもその役を演じているのが、シャーリー・マクレーンと来た日には・・・)。ひょんなことで、彼女を窮地から救った流れ者のガンマン、しかし彼女は実はゲリラ活動に関わっていてフランス軍に追われる身。という訳で、二人の(珍)道中がサスペンスフルかつはハードボイルドに描かれる訳ですが。列車爆破作戦や、クライマックスの戦闘シーンなど、アクション映画としての見どころも多いのですが、その一方で、先住民の矢で負傷した主人公が、矢を抜いて治療するという、ストーリー上はどうでもいいようなシーンも丹念に描かれたりしており、こういうシーンの方がかえって印象的だったりします。すべてのシーンが、主人公の男女二人の関係へと集約されていく巧さ、ですかね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-18 11:15:12)

1012.  宮本武蔵 般若坂の決斗 奈良在住の私にとっては、比較的近所のオハナシなので、親近感の湧く作品であります。いよいよタケゾーからムサシとなって、武芸者の道を歩むこととなった宮本武蔵。吉岡一門との因縁も、いよいよ始まりますが、本作の主な見どころは、宝蔵院の槍術に武蔵が試合を申し込んだことから起こる事件。武蔵は、奈良から柳生を抜けて伊勢に向かおうとしているのですから、今で言う国道369号を歩いていこう、っちゅうわけですね。春日山や三笠山(若草山)を迂回して、東大寺横を北上していくと、斜面にさしかかる、そのあたりが般若坂でしょうか、そこに待ち構える刺客たちとの死闘。大勢の敵に単身向かっていく武蔵の姿、ゾクゾクするようなカッチョ良さです。チャンバラにおける残酷描写もなかなかのもの。そして後に待ち受ける、意外な展開。さて、繰り広げられる死闘の横には十三重の石塔が見えますが、これはもしや、般若寺の石塔(のつもり)でしょうか(当然、ロケは別の場所なので)。この石塔は、般若寺のシンボルとでも言うべきもの。重要文化財。秋は境内一面のコスモスに囲まれ、見事な風情です。一方、初夏にはアジサイが一面に咲き誇り、これまた見事。以上、奈良観光案内でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-27 17:59:40)

1013.  ブルース・リー/死亡の塔 『死亡遊戯』における、“半端フィルムから一本でっち上げ”精神を、さらにさらに深化させた、驚愕の異色作。ほとんど、無から有をひねり出したに等しい、この大胆不敵さ。もしもさらにもう一本、同じ手法で作ろうとしたら、おそらく本当に取り返しのつかないことになるでしょう。そういう、ある意味、映画の極限の姿が、ここにあります。“たまたま残っていた”フィルムに、別撮りの無理やりシーンを貼り合わせ(「木に竹を接ぐ」などというレベルを超越してます)、それでもどうしようもなければ、ブルース・リーのセリフをアテレコで無理やり変更(ほとんど無駄な努力)、さらにどうしようもなければ無理やり代役で乗り切ってしまう。代役の顔が、映るか映らないかというチラリズムが、確かにある種の緊張感(笑)を呼ぶ場面ではあるけれど、もはや明らかに別人とわかってもお構いなし、「え?モロ映りやんか」と過剰にドキドキしてしまい、心臓に悪い。こういった要領を得ないハチャメチャシーンの連続の末、突然、(偽)ブルース・リーが夜の銀座を彷徨い出すあたりに至っては、まさにアヴァンギャルドの極致、観ててモーレツに血が騒いできます。東京タワー横の謎の大寺院・卍の書かれた棺桶(しかも土葬)・マジックハンド付きのヘリの襲撃・・・いったい、どうすればこんな映画が作れるのか。しかもこの後に待ち構える真の衝撃(人はこれを“笑撃”と呼ぶ)。完全にメタフィクションの世界。まさに映画革命です、これは。・・・さて、後半は割と普通の低予算アクション映画になってしまうのですが、何やら『燃えよドラゴン』に近いテイストがあり、しかも展開されるアクションもかなり高度でしっかり魅せてくれます。敵の基地に侵入した主人公に襲いかかる敵の戦闘員が、虫歯キンみたいな武器を持っているあたりも、たぐいまれなセンスを感じさせますね。あと、ラストシーンの数秒後何が起こったのか、ヒジョーに気になります。侵入者を焼死させる謎のトラップがしかけられた廊下に向かって、威風堂々歩み進む主人公。トラップのことを完全に失念している表情にしか見えないのですけども・・・??? いずれにせよ、本作、偶然に(明らかに偶然に)この世に生み出されてしまった、驚くべき傑作だと、私は(たとえ賛同者がいなくても)信じています。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-06-27 17:25:17)(笑:2票) (良:1票)

1014.  宮本武蔵(1961) タイトルは『宮本武蔵』だけどサブタイトルが無いのがつまり、言わばトッピング無しのプレーン状態な訳で。吉岡一門も出てこなければ小次郎も出てこない、そもそもムサシのムの字も登場しない、彼がタケゾー時代のオハナシ。まるで、「ついにデロリアンが完成したぞ!」とドクが叫んだところでBKTFの第1作が終わってしまうようなもんですね。しかし本作、何と言ってもすごいのが錦之助。持ち前のキンキン声をキンキンと響かせながら、走り回るわ、木に吊るされるわ、まさに大暴れ。特に、姉の姿を求めて崖を駆け降りるシーンはまさに圧巻。それにしても、映画のかなりの時間、主人公が木に吊され続けるというのも、かなり主人公扱いの悪い映画でありますが、飄々としたタクアン和尚とのやりとりがオモシロい。そしてラストのタケゾーの鋭い眼光に、続編への期待が高まります。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-11 22:18:49)

1015.  若親分 ケリは俺がつける。今公開されれば、市川雷蔵が理想の上司像ナンバーワンになること間違いなし、度胸、判断力、行動力、すべてピカイチで、しかも容姿端麗、とくるのだから、まさに完全無欠の若親分。問題点があるとすれば、何でも自分でやり過ぎるところですかね、成田三樹夫にも少しは仕事させてあげてくださいな。焼け跡における、ハルオ・ミナミのナニワブシ・パフォーマンスも、ベリー・ファンタスティックでした。これぞ大映(笑)。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-24 11:09:42)

1016.  キー・ラーゴ 嵐の夜に、ギャングに立てこもられたホテル、というシチュエーションが、はっきり言って、ソソります、じゅるじゅる。舞台劇が元になっているそうですが(観れば明らか)、映画作品として見事に再構築されています。客の集う昼のホテルと、営業時間外の夜のホテルの対比。しかもその夜のホテルたるや、中はギャング、外は嵐と、そりゃもう大変。それを挟むように、映画の冒頭と終盤ではホテルの外が舞台となるんだけど、そこでも、のどかな海辺の光景と、船上の対決の緊張感が好対照。伏線も効いていて、なかなか秀逸なサスペンス。だと思ったんですけど、ダメすか?(もっと点数高いかと思ってた)[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-17 15:28:23)

1017.  88ミニッツ 《ネタバレ》 いやー面白かった。というわけで、ネタバレな事は書きたくないのですが、未見の方にはやっぱりヒントになってしまうかもしれないので、ネタバレ表示しておきます。内容:主人公が、オマエの命はあと88分、と脅される。それだけ。でもオモロイ。主人公がやたらケータイ電話を使うシーンが多く、ケータイキャリアのCMみたいなんですけれども、このケータイってのが、主人公にとって「外部」との接点なんですね。で、「外部」ってのは、主人公の協力者であったりもすれば、犯人であったりもするわけで、そこには、モヤモヤとした事件の謎そのものであったりする。話が進み、主人公がケータイを使えば使うほど、主人公の存在が、孤立した「点」と化し、モヤモヤは一層、霧深く主人公を包み込む。そこに犯人のカウントダウンが加わることで、焦燥感は高まるばかり。主人公をあざ笑うかのように、完璧なまでに主人公を取り囲む謎。その超越的な謎に、ふと、「この先に解決はあるのか? そもそも、これはミステリなのか、それともアンチミステリなのか?」という疑問が心をよぎる。この疑問が湧いた時点で、すでにこの作品は「メタ」、なんですね。ここまで謎を深めてしまうと、オチとしては、「無理はあるけど合理的なもの」か、「無理が無い以前に、理解できないもの」か、のどちらか(笑)ということになるのでしょうが、ハイ、はたしてどちらでしょう。本作では、その一方のオチを、リミッタいっぱいまで振り切る形で、これ見よがし、確信犯的に示してくれます。この時点で、一本取られたぜ、という気になるのですが。さらに続くのは明らかに蛇足ともいうべき、ケータイによる一連のやりとり。これまたイヤミな程の確信犯的アンチテーゼ。ここに見事に“メタミステリ”が完結し、二本目を取られた気分になるのでした。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-15 00:19:48)

1018.  魔人ドラキュラ ゴシック・ホラーという言葉がまさにドンピシャリ。ショック描写は無いけれど、雰囲気がいい、何ともいい。正直言えば、映画がもうすこし長ければ、というか、「謎の船が漂着~疫病が蔓延」というドラキュラがやってくるくだりがちゃんと描かれなかったのが、何とも惜しいのだけど、無いものねだりはやめましょう。何といっても、ドワイト・フライ。このヒト、あぶない。ドラキュラが魔人なら、こちらは変人。ある意味、涙を誘うものがあり(ははは)、このあたりも、歴史的作品ならではの感慨、でしょうか。さらに、ベラ・ルゴシは・・・ごめん、オカマっぽいかな。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-04 22:22:10)

1019.  虎の尾を踏む男達 さてここでも、「映画はなぜ、おなじみ“勧進帳”をわざわざ取り上げるのか」という問題が(しかもこんな苦しい時代にわざわざ作った映画だよ)。もしも映画という芸術が「特定の“文脈”の中で捉えられるべきものではない」「独立し完結したものとして鑑賞されるべき」というならば・・・ならば、なぜ、「○○○を映画化!!」みたいな安直なコトをするのか。映画はまず外部との連関を拒絶する努力を徹底して行うべきではないのか(って、勿論、してる作品はしてるんだろうけどね、えへへ)。“音楽”という芸術は、20世紀に、血の滲むような努力、ってか、試行錯誤をとめどなく繰り返してきたぜ。で、それは、きっと、失敗だったのかもしれないけど・・・。すみません、これ以上書いても結論なんぞ到底結論なんて出ない。別に不満があるわけでもない。今のところ何となくぼんやり考える、だけ。で、とりあえず、本作の話。いや、実はここでも、本作がそのヒントになるのかも。最近よく聞く“○○○の完全映像化!”とかいうのとは、まったく異なって、ここでは、パロディとしての味わい。特にエノケンという狂言回しの存在が、本作をひとつの新しい作品へと導いており、こういう映画に触れると、何となく、「原作があり、そして、映画がある」という、すでにアタリマエになってしまっている図式に、改めて「ああ、なるほど、そういうことか」と納得できてしまったりするのです。それにしても。後半の、スタジオ感バリバリの雰囲気、音響とかにも十分に気を使っていない(使えていない)感じがするのですが。でも、その不自由さが、(妙な所に)綿密なクロサワ映画に加えられたことで、一期一会の絶妙な味わいを醸し出した、という気も。また、せめて最後にもう一度、屋外シーンを見せて欲しいなあ、と思っていたら、これもしっかりと、とっておきの「空」を背景にラストシーンを見せてくれて、うれしくなっちゃうのでした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-04 21:52:47)

1020.  わんぱく戦争 こういう映画を観ていると、「映画において“名優”とか“名演技”って、一体何なんだろう」って思っちゃう。撮られるべきカットの中で、登場人物が撮られるべきように動いてさえいれば、演技に関する小難しい理論も何も知らない子供たちがそれを演じていたって、こんな見事な作品になっちゃうのだから。結局のところ、演出こそ命、演出がすべてやんか、と(はいスミマセン、そんなコト言っときながらモチロン、他の映画を観た後には、ちゃっかり他の感想を持つのです)。ってかむしろ本作品においては、子供たちの活き活きとした表情や、子供の身体能力ならではの動き、そういったものこそが、映画の魅力になっていて、楽しい作品になっていますね・・・しかし君たち、いささか悪ふざけが過ぎますぞ。にこにこ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-04 23:58:22)(良:1票)

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