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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1021.  エヴァの匂い ただ発される匂いだけで男を虜にし惑わせ腑抜けにする。としか説明しようがない。というのもこの魔性の女の性格が最悪だから。横柄だし高飛車だしわがままだし可愛くないし年くってるし。だから翻弄される男がよけいに哀れでしょうがない。どこに惚れるのか不明なのだが、この作品はあえてそこに触れない。女の素性をくどくど説明しないし、実はこんな可愛いところがあるのだとも言わないし、男の情愛にほだされて心変わりするなんてこともない。その堂々とした悪女ぶりが、嘘や虚栄心や後悔で塗り固められた男には魅力的なのだろう。モノクロで映される寒空の屋外風景が、そして流れるジャズが大人の、しかもかなりおしゃれな雰囲気を出している。室内の画はひたすら美しい。[DVD(字幕)] 7点(2007-05-09 10:39:52)

1022.  深夜の告白(1944) 結末を最初に見せて回想録で綴ってゆくという手法はこの後ワイルダー自身の『サンセット大通り』を含めて多くのフィルム・ノワールに有効な手法として取り入れられることになる。さらに夢のハリウッドにおいての冷酷な女の登場は当時としては驚愕に値しただろう。そんなパイオニア的価値も評価しつつ、でもこの作品の面白さはやはりエドワード・G・ロビンソンの絡ませ方だろう。この人物が登場するたびにサスペンスは盛り上がり、しゃべることで暗いムードを一掃しテンポをつくる。マッチというアイテムを使って作品にユーモアを与え、最後にはそのユーモアのアイテムを哀愁漂うものに変えてみせる。と、脚本の巧さが際立っていますが、当時としては珍しい屋外ロケ、しかも夜!というのも犯罪映画の雰囲気を盛り上げている。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-08 11:06:06)

1023.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 バカの一つ覚えのような監視モニターで見せるサスペンスと無邪気な分割映像になぜか嬉しくなりながらデ・パルマを堪能する。思い返せばこういったデ・パルマ印は現実のシーンだけに用いられたような気がするのだが、もしそうならそんな拘りもまた愛おしいではないか。まだやるか!なヒッチマニアぶりも今回はかなりの手の込みよう。カツラをかぶり容姿を変えて別の人間に成り代わるという『めまい』とは逆パターンのプロットを用意し、しかもそれは現実ではなく、現実は容姿ではなく中身の変身というすっきりさわやかなオチ。この変身の決断への伏線が冒頭のファム・ファタール映画をラリぎみで観る主人公。薬でラリっている状態というのがミソ。悪女の悲しき結末を暗示にかけられた女の決断が自らの運命を変える。ファム・ファタール(運命の女)の運命の変化によってまわりの全ての運命が変わる。どこもかしこも愛おしい陳腐さで満ちている。こういうの、けっこう好き。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-07 11:18:20)

1024.  美女と野獣(1946) 《ネタバレ》 詩人コクトーは詩では表現できない視覚的美の最たるものを見せてくれる。小説家コクトーは小説では表現できないジャン・マレーへの愛を見せてくれる。演劇家コクトーは演劇では表現できない幻想的な世界を見せてくれる。豪華なセットが、特殊メイクが、ジャン・マレーの相対する二役が、カーテンのゆらめきが映画の極致を見せてくれる。そのうえ、シュワッチ(とは言わないが)と空を飛んでいっちゃうんだから、拍手するしかない。[DVD(字幕)] 8点(2007-05-02 11:46:58)

1025.  オルフェ 詩人が集うカフェという現実感漂う世界に突如現れる異世界の女。女の屋敷での不可思議な出来事。この現実世界の中に非現実世界を見せる独特の世界観。子供の頃大好きだった「ウルトラセブン」の世界観にそっくりだと思った。黒いライダーを代表とする全く人格の無い死の世界の住人たちと感情を露にする人間たちの対照的な描き方が、後に人間に恋をする死の国の女を誰よりも人間らしく見せてゆく。映画を映画以外の視点から見る事が出来たからなのだろうか、まるで映画の魅力と限界を知り尽くしたかのように前衛手法が冴え渡る逸品。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-01 14:57:57)

1026.  鶴八鶴次郎(1938) 《ネタバレ》 成瀬作品はついつい女の顔を凝視してしまう。微妙な心情が顔に表れるのをカメラは逃さない、てか微妙な心情を目で語るような演技をさせている。長谷川一夫に告白されるシーンの顔がいい! 最後はてっきり飲み屋の外で山田五十鈴が話の一部始終を聞いて泣いている画が飛び込んでくるもんだと思った。で、また喧嘩が始まって結局二人で芸の道をゆく、てなエンディングに。そうならなかったことをふまえるとやっぱり最後の説明は蛇足かなと私も思う。繰り返される喧嘩シーンが作品に笑いをもたらし、キャラクターに親しみやすさと深みを与え、なおかつラストの伏線にまでなるという素晴らしい構成なんですけどね。でもそれを差し引いてもじゅうぶん面白かった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-27 14:24:02)

1027.  三十三間堂・通し矢物語 時代劇だからなのかスポコン男性映画だからなのか、本当にこれが成瀬監督作品なのかと疑ってしまうほどの異質な作品。女が映されるとたちまち成瀬っぽくなってる気もするんだけど、男は比較的遠めから撮っていることもあってか、もちろんそれはそれでいいんだけども、なんか違うなあという感じ。通し矢の休憩を挟んだあとのわかりやす過ぎる失態に対しての長谷川一夫の田中絹代への説明もくどい。まあでも普通に面白いのは間違いないです。通し矢の間に時間が過ぎてゆく様を当たり前のように光で表現しているのは流石。そしてその光の差し込ませ方が並みの監督ではないことを見せ付けている。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-04-26 11:49:58)

1028.  浮雲(1955) 成瀬巳喜男の最高傑作らしいという前知識をもって鑑賞したのですが、その最高傑作という言葉にかなりの違和感を持ったことをよく覚えています。これ観たとき、『夫婦』とか『妻』、その他いろいろをいっしょに観たのですが、この『浮雲』よりもその他の映画のほうが良かったと思ったし、他の作品に感じた成瀬的なものをこの作品に見出すことが出来なかった。私が当時思っていた成瀬映画(現代劇)の世界観というのはもっと些細な出来事を、あるいは物語とは別のところで見せる小さなやりとりをこそ映し出す、その繊細な感覚というのがまずひとつあるのですが、『浮雲』は「出来事」が作品を支配し、男女の大河ドラマ風になっている。でもね、時がたつとともにおかしな現象が私を襲いました。成瀬映画を思い出そうとすると、まず一番に出てくるのがこの作品の高峰秀子のアンニュイで愚痴っぽい語り口。そして旅先での歩き姿だったり、男の部屋に立っている姿だったり、病床に伏せっている姿だったり、、。他の作品を押しのけて頭に浮かぶのはこの作品の風景ばかり。実のところまだ一回しか観ていないのですが、頭の中では何十回と上映されております。そしていつのまにか傑作だと思うに至ってしまったという稀な映画となりました。[映画館(邦画)] 8点(2007-04-25 13:25:48)(良:1票)

1029.  女が階段を上る時 《ネタバレ》 『流れる』の現代版みたいな感じ。タイトルにある階段を上る時の音楽が独特で高峰秀子の心の声と共に印象に残る。外の疲れた開放感と店の作られた開放感、その間にある階段だけはいつも薄暗く、薄暗いけど階段を上る高峰の背中だけは光が当てられ、その階段だけが別の世界であるかのように映される。出てくる男どもが意識無意識にかかわらずみんな高峰を食い物にする展開の中で、女であることが常に彼女を苦しめる。強がってはいるけれど実は弱い、でも好きな男を見送って株券を返すことでスッパリと切って、その後店で見せる商売用の笑顔に女の強さを思い知る。結局苦労するだけして何も残らない。なくしたものは多くとも得たものは厳しい現実を身をもって経験したということぐらい。けしてハッピーエンドとは言い難い。それでも前を見ているから出る笑顔に救われる。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-24 16:39:50)

1030.  女の中にいる他人 《ネタバレ》 人を殺した人間がそのことを隠すことに我慢出来ずに告白してしまう、ということに腹が立つってのもよくよく考えたらおかしな話なんですけど、コイツの場合は罪の大きさを解かってはいるけども、告白も自首しようとすることも罪を償う気持ちからではなく、とにかく楽になりたい、ただそれだけが行動規範となっているので腹が立つ。成瀬監督の男どもはたいていが身勝手で情けない奴なんですが、この作品は設定を男にとっての極限状況にすることでもう見るも無残な情けなさを露呈させてしまう。その情けなさがあまりにあからさますぎて楽しくありません。そう思うってことは自分の中にもそんな情けない部分があって、それを見せつけられていると感じているからかもしれません。そう考えるとさらに楽しくないぞ、この作品。でも映像は、とくに室内のソレは成瀬作品の中でも随一の美しさ。映像と女だけは白黒はっきりしとります。[DVD(邦画)] 6点(2007-04-23 18:54:53)(良:1票)

1031.  マリヤのお雪 人の業が露にされる乗り合い馬車のシーンにフォードの『駅馬車』を思い出しましたが、どちらも原作がモーパッサンの「脂肪の塊」を元に書かれたらしく納得。ここでただ座っているだけの山田五十鈴の落ち着きぶりというか何もかもを悟った風な雰囲気に驚く。だってまだ17歳か18歳くらいでしょ、このとき。で、めちゃくちゃ綺麗です。銃撃戦という溝口映画にはめずらしいアクションシーンがありますが、なかなかどうして、林の上に、そして林の遠く下にいる被写体にとっての敵が被写体とともに映されることで臨場感ありありのドキドキシーンになってます。彦馬さんも書いておられる揺れる船から残された二人を映した画ですが、この二人を並列に並ばせないんです。その画のにくいほどの美しく完璧な構図!はっきり言ってお話なんてどうでもいいです。いや、どうでもいいことないけど、どうでもいいと思わせるほどの美しい画でいっぱい。その美しい画が次に映される美しい画と、そしてその美しい画がまた次の美しい画と繋がって映画となる。何度もため息をこぼしました。[映画館(邦画)] 9点(2007-04-20 16:50:14)

1032.  元禄忠臣蔵 後編 《ネタバレ》 「前篇」で見せた松の廊下シーンと切腹へと向かうシーンを合わせた様な、横へ上へと自在に移動するカメラワークに圧倒されるという最適なオープニングがまず目に飛び込んでくる。衣装から建築物まで本物に拘ったリアリズムはそのままに、史実に忠実であっただろう「前篇」に対し、この「後篇」では大きく3つのエピソードを差し込むことでドラマチックさを出している。はやる義士の一人を将軍自ら涙ながらに嗜めるというちょいと説明調な人情劇、亡き浅野の妻、瑶泉院にけして本心を告げない大石の細心さを見て取れるエピソード、そして義士の一人の許婚との死を目前とした恋愛劇の3つ。「忠臣蔵」という溝口には不似合いな題材において、この3つのエピソードが溝口らしさを出したとは思わないが、誰もが知る「忠臣蔵」を新鮮な気持ちで楽しむには面白いエピソードだと思いました。公の場の会話が多かった「前篇」に比べ「後篇」は感情のこもった会話が多く、物語に入り込みやすくて好きです。[映画館(邦画)] 7点(2007-04-19 12:04:49)

1033.  元禄忠臣蔵 前篇 「ことば」が難しい。私的な会話はともかく公の場での会話に使われる「ことば」が難しい。歌舞伎に慣れ親しんだ人なら問題ないのだろうが、私のようなその時代の「ことば」に慣れていない者には、長回しで語られるその難解な「ことば」は、それを追うことにかなりの集中を要してしまって疲れる。もちろんリアリズムに徹したからなのだろうし、徹した結果の世界観は、その時代の封建的社会や武士の忠義、幕府の絶対君主制を見事に再現していたのだろうが、もう少しセリフを少なくしてくれたほうが助かったような。それでも退屈させずに見せてしまうのは巧いということなんだろうなぁ。↓のお二人もご指摘されている冒頭の松の廊下のシーンで城内をじっくりゆっくりじわーっと見せる長回しと浅野内匠頭が切腹へと向かう、塀の外から塀の中へと見せてゆくシーンは圧巻。単純に「城内は広い」ということを思い知らされたのですが、そう思わせた時代劇はこの『元禄忠臣蔵 前篇・後篇』だけである。[映画館(邦画)] 7点(2007-04-18 11:25:42)

1034.  愛怨峡 前年の『浪華悲歌』『祇園の姉妹』と比べるとかなりおとなしい印象がありますが、たぶんヒロインのキャラからくるのでしょう。女が弱者である社会というのは変わりませんが、山田五十鈴がそのことに憤り反発し強がるのに対し、この作品の山路ふみ子は強がるのではなく本当に強くなってゆくのだ。溝口は女を描くのが巧いとか言われるが、その多くは女を通して社会を描いているところがある。もちろんその中で女優を輝かせ、その仕草や眼差しをしっかりと映し出しているからそう言われているわけですが、本当に女を描いているのはむしろちょっとインパクトに欠けるこの『愛怨峡』なのだと思う。私は2年か3年ほど前に映画館で観たのですが、【小菊】さんのおっしゃるようにフィルムの状態は最悪でした。物語の把握にはなんの問題もありませんでしたが、やっぱり美しく撮られているはずの女の顔に線が入ったりぼやけたりというのは残念でしかたないです。それでも紛失されたフィルムも多々あることを思えば、今この作品に出会え、美しい画面を想像しながら観ることが出来ることを素直に喜びたい。[映画館(邦画)] 7点(2007-04-17 13:23:57)

1035.  折鶴お千 《ネタバレ》 邦画サイレントを3本立て続けに観た中の1本。どれも面白かったのですが、これは格が違うという印象。格が違うという漠然とした印象をなぜ持ったのかがよくわからないのが疎ましいのですが、まずモノクロだからこそその違いがはっきりする夜のシーンの美しさ。これは他の同時代の作品を立て続けに見ていなければ気づかなかったかもしれない。そして回想で語る構成の斬新さと物語そのものが持つ質のせいかもしれませんが、さらにサウンド版ということで音楽の効果もあったのかもしれませんが、最後まで物語に没頭させる力は並々ならぬもの。『カリガリ博士』の日本公開によってこの作品もドイツ表現主義の影響を受けているということを先にチラシで読んでいて、『カリガリ博士』のような摩訶不思議な背景があるのかとドキドキしましたがさすがにそれはなかったと、ちょっとホッとしました。狂人となったヒロインの幻想シーンがその影響されたというところのシーンなのでしょうか。とにかく、今となっては古臭いお話を全く古臭く感じさせずに見せてしまう、これが溝口健二の溝口健二たるところでしょうか。[映画館(邦画)] 8点(2007-04-16 11:24:21)

1036.  カナリア 《ネタバレ》 太鼓の音とともに走り出す。これだけでこの映画が只者じゃないことがわかる。『害虫』でも思ったが「走る」シーン、そしてそこにかぶされる音楽が絶妙です。私は『害虫』のレビューで主人公の家庭を『どこまでもいこう』のプラモ少年と同じと書いた。この『カナリア』の主人公の家庭環境も『どこまでもいこう』の主人公の親友にそっくりである。父の不在、そして親に代わって小さな妹の面倒をみる兄。つまり『害虫』も『カナリア』も監督のデビュー作『どこまでもいこう』から派生した作品と捉えることが出来る。『どこまでもいこう』は子供の健全な成長が描かれていたと言っていいと思う。『害虫』は健全な成長をし損なった母に育てられた子供の、成長できない姿を描いていたのだと思う。そして『カナリア』は成長に必要な様々な経験を特殊なカタチで通過しイビツな成長を遂げようとする少年が、自らの、そして道連れの少女の、あるいは少年を想う大人たちの作り出す新たな経験によって、超越した成長を遂げる物語。ラストは所謂「解脱」の領域にまで達したということでしょう。スーパーサイヤ人みたいなもんです。この超越した成長をもって「成長3部作」(勝手に命名)は完結する。[DVD(邦画)] 7点(2007-04-13 14:20:49)

1037.  害虫 《ネタバレ》 まるで『どこまでもいこう』のプラモデル少年の家庭。母は全然母ではなく、それ以前に大人でもない。目の前の問題から常に目を背けている。それゆえに子供もまた成長を止めている。大人になることを拒んでいる。だから少女は無防備で浅はかな行動しか出来ない。堕ちるべくして堕ちてゆく。この作品、塩田監督の同年作品『黄泉がえり』や新作『どろろ』のその多用される「言葉による説明」がおもいっきり排除されている。しかし画そのものに説明を不要とするだけの説得力が無い。例えば、蒼井優の何度も繰り返される登校シーンはめげずに宮崎あおいを学校に誘っていることを意味しているわけですが、どのシーンも道が同じように濡れており、まるで夢か妄想のようなシーンになってしまっている。家を燃やすシーンも唐突で、どちらの家なのかも分かりづらい。主人公である宮崎あおいにほとんどしゃべらせなかったのはむしろ正解で、静けさの中の小さな闇のようなものがうまく表現されているようでもあったのですが、もう少し各シーンに丁寧さというか親切であっても良かったと思う。[DVD(邦画)] 5点(2007-04-12 11:17:05)

1038.  ギプス エロチックというよりも、女のいい匂いが充満した映画という感じ。実際、さほどエロチックなシーンはない。その代わり、極端に妖しげな佐伯日菜子も、ものすごく普通っぽい尾野真千子も、どちらも同じくらいに女の匂いをプンプンさせていて、もうそれだけでこの作品は評価されても良いくらいの雰囲気を持っている。『月光の囁き』にも似た二人の関係をサスペンスで推し進めるというだけのストーリーが、この充満する女の匂いによってエロスにもホラーにも、はたまたラブストーリーにも不条理劇にもなり得る可能性を秘めながら進んでゆく。『月光の囁き』ほどのインパクトは無いものの、「女を撮る」ことに対する塩田監督の可能性を見た気がした。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-11 12:15:17)

1039.  月光の囁き 《ネタバレ》 SだのMだのといったものが誇張されているように見えて、実はどこにでもある恋愛の中のちょっと複雑で異端で、それでいてものすごく単純で真理ともいえる恋愛を描いている。とくに女はSとは言い難い。男を犬のように扱ったり、他の男との性行為を見せつけたりというS的な行動があるが、そこに快感らしきものが見えない。一方で男はかなり異質な性癖を持っている。でも純愛の極致とも言える。なぜならその相手は一人だから。女は言う。「普通の恋愛がしたい」と。「普通」ってなんだろう。彼女の言う「普通」とは皆と同じということだろう。自分を隠して、その偽りの自分を好きになってもらう。でも男は自分の全てをさらけだしてくる。女はこの男を好きだから、さらけ出されたものに困惑しているだけ。彼女は答えを出す。感動的なエンディングと同時に感動的な主題歌が流れる。昨今のタイアップ曲でしかない主題歌ではなく、まさに主題を歌った歌が流れるのだ。「運命の人」という歌が。[DVD(邦画)] 7点(2007-04-10 17:36:42)

1040.  どこまでもいこう どこか懐かしい少年時代の些細な出来事が描かれているはずなのに、まるで人生の悲喜交々、喜怒哀楽のほとんどがこの時期に集中しているかのように、そしておそらくソレは本当にそうなんだと思わずにはいられない超現実感がある。だから「史上最大の作戦のマーチ」がまるでこの映画のためにあるかのようにはまる。悪ガキ転校生の登場の際の怪しげな音楽が主人公にとっての最悪な事件を予感させ、その予感は親友の「裏切り」という大事件をもって的中する。大人からみれば「裏切り」でもなんでもないものでも主人公にとっては「裏切り」以外のなにものでもない。でも親友だからぎこちなく仲直りする。大好きだからとか必要だからではなく親友だから。精巧なプラモデルに「凄い」と言う。クラスメイトだからでも友達になりたいからでも、ましてや憐れみからでもなく「凄い」から「凄い」と言う。毒されていないから戸惑い、傷つき、悲しむ。そうやって大人へと成長する。リアルすぎるのが唯一の欠点。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-09 12:48:22)(良:1票)

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