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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1021.  エージェント・マロリー カフェで語らう男と女が突然乱闘を始めたら、映画観てるヤツらはさぞかしビックリすることだろう、ってな感じの冒頭シーンに、それなりにイヤな予感はするのですが、おかげで逆に、その後の展開に過剰な期待を抱かなくて済むというのがありがたい(笑)。 主人公の女性スパイが、人質救出作戦に関わったことを発端に、故無くして逆に追われる身となるわけですが、なにせ主人公が強すぎるもんで、まったく危機を感じさせません。ダメ有名俳優が何人かかっても、彼女に勝てるワケがなし。なぜ彼女が敵に襲われ、なぜ追われる身となったのか、ってなナゾがナゾであるほど、映画が面白くなるんだろうけれど、「こりゃたぶん、大したナゾじゃないよなー」とナゾへの関心すらも失せてしまうくらい強いってのも考えもの。もっとも、映画の作り自体も、エピソードをバラバラに配置して、何の期待も感じさせない構成になってますので、ただただ、彼女の華麗な格闘を楽しめばよろしいかと。 地上にいる追跡者が彼女を見失った、その上をビルからビルへひょいと飛び越えてみせるスタント。こういうのはシビレますね。[CS・衛星(吹替)] 5点(2019-01-27 09:03:24)《改行有》

1022.  皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ ヘンな邦題だと思ってたら、映画の冒頭、ホントにこのタイトルが日本語で出てきちゃうので、まあ製作者自身がコレでいい、ってんなら、しょうがないですね。 逆説的ですが、これといって生きていく望みも無いような主人公像から、かえって、生の充足への渇望を感じてしまう不思議。ひょんなことから「超人」になってしまった主人公。とは言え、決してそれはスマートでカッコいいものではなく、たまたま川底に沈むアヤシゲな物質に触れてしまい、ほとんど生死を彷徨った挙句に、奇妙なパワーを手に入れてしまう。手に入れたからといってそのパワーをどうするでもなし、万能感とは程遠い状態。人間離れした怪力や、怪我に対する驚異的な治癒能力を手に入れはしたけれど、じゃあ切断された足指も元に戻るんじゃないかという期待はアッサリ裏切られてしまうあたりの、この能力の中途半端さが、かえって無力感を感じさせます。 スーパーパワーをもっていながら、社会の表舞台に立つことなく、知的障がいがあるらしき女性とひそやかな愛をはぐくむ。いっそ、こんなパワーなんていらないのよね。だけど、そのパワーがあるゆえに、トラブルの方が彼らをそっとしておいてはくれず、抗争へと巻き込まれていくことになる。しかも、主人公がパワーを手に入れたのも大した経緯からではなかったもんだから、敵もまた、易々と同じパワーを手に入れてしまう。これまた何という無力感、しかしもはや主人公は、戦いに身を置かざるを得ない。超人同士だからといってアホみたいに派手な戦い(ヘンリー・カヴィルのスーパーマンみたいな)を繰り広げるのではなく、あくまでゴツゴツした無骨な戦いを演じてみせてくれます。 で、まあ結局、別に「鋼鉄ジーグ」でなくてもよかったやんか(切断された指が磁石でくっつく訳でもなし)、という声もあろうかと思いますが、一方で「リアルな」動画サイト向けの動画が使い捨てのように溢れかえっており、一方では古い(動画として質が高いとは言えぬ)日本のアニメに目を輝かせるヒロインの姿がある、というのを見ると、本当に心を打つ映像って何なのよ、と問われているような気もしてまいります。[DVD(字幕)] 8点(2019-01-21 22:43:55)《改行有》

1023.  オレゴン魂 『勇気ある追跡』の続編というのか、それとも変奏曲とでもいいますか。また3人で「追跡」をやるのですが、今回はずいぶん勝手が違ってます。前回ジョン・ウェインと同行したのが少女だったのに対し、今回はキャサリン・ヘプバーン演じるオバチャン。前回は3人の間にある種の緊張感があったけど、今回はこのオバチャンに圧倒されて、ジョン・ウェインもたじたじ(もう一人の同行者である先住民の少年は、とてつもなく素直なので、正直、存在感ありません、ハイ)。このオバチャン、敬虔なクリスチャンのはずなのにアッサリ敵を射殺してみせたり、クライマックスでは敵にウソついて不意打ちしたり、まーやりたい放題、まさに独断場。 ジョン・ウェインも、もうしょうがないなーとばかり、最初から折れ気味で、二人の間に緊張感が無いことは、二人の姿を横並びで収めた画面の多さにも表れています。 という、なんともいえないおおらかさ。ガトリング砲ぶっぱなしたり、ニトロが爆発したり、人も結構バンバン死ぬんですが、基調はあくまでコミカルです。もうこの二人、結婚しちゃえばいいのにねえ、と思ってたら、ラストは西部劇らしく別れとなるのですが、ここでは去っていくのがキャサリン・ヘプバーンであって、ジョン・ウェインが「見送る側」なんですねえ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-21 21:28:10)《改行有》

1024.  暴動/バトル・プリズン タイトルから予想されるように、ムキムキでガラの悪いひとたちがたくさん出てくる映画なのですが。ただ、舞台となっているこの刑務所、どういうわけか女子刑務所が隣り合って(?)いるので、一本の作品で女囚モノも楽しめるという趣向。いや、すばらしい。 看守たちが皆、完全防護服(ジェイソンXみたいなヤツ?)を着ている、物々しい雰囲気の刑務所。そこに今日も新たに囚人たちが送られてくるのですが、その一人が本作の主人公。元警官で、しかも同僚の警官を殺した罪、ってことなんですが、作中に挿入される回想シーンの断片から、彼の過去と隠された目的が徐々に明らかになっていくという趣向。もちろんムキムキ。ただ、顔がいまいちシマらないというか、オッサンくさいというか。 先輩囚人のひとりに、いかにもウドの大木といった感じのおっさんがいて、これがドルフ・ラングレン。もちろん普段のウスノロぶりは仮の姿で、しかもなぜか主人公を陰に日向にサポートし・・・って、これじゃあ何だか、低ギャラ版『大脱出』みたいですなあ。でもコチラの作品は、ちょっと美人の女囚のおねえさんがいて、ちょっと華があります。 で、まあ、見どころはというと、ひたすら格闘・乱闘で、狭い監獄内で暴れまくるだけに、映像に、迫力はたしかにありますけれども、正直ゴチャゴチャして雑な印象。演出に工夫が無いのを出演者が体を張って補ってる、ってな感じでしょうか。 刑務所の外には、主人公を支える女性記者がいて、正直、物語の上では大して役に立ってないような気もしてくるんですが、この女性記者すらも最後は敵に襲われて、格闘してみせる。まさに格闘こそが本作のサービス、何でもいいからとりあえず格闘で作品を埋め尽くそうというこの姿勢には、呆れつつも少し感心してしまいます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-01-21 20:58:41)《改行有》

1025.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 主人公の勇気と決断力を浮きだたせるために、いったん主人公を厳しい立場においやって、クライマックスの公聴会でもう一度それをなぞって見せる、という構成。試験結果を待つような気分でハラハラさせてくれます。 90分少々の作品で、30分が事故後の主人公と世間の模様、30分が事故と救出、30分が顛末、という、えらく律儀な構成になってます。もう少し変化をつけてもよかったのかも。大事故の幻想シーンが挿入されて観る者をハッとさせるのは、一応はそういう変化の一種なのかも知れないけれど、もう一つこの物語にマッチしていない印象があります。主人公は自分の決断に自信があったのか、迷いがあるのか? この悪夢から立ち直れたのかどうなのか? 事故当時の音声を聞いた後、休憩を要請して廊下に出た主人公、あの幻想シーンもあったことだし、やはりトラウマになってるのだろう、廊下でぶっ倒れてるんじゃないか、と思って観てたら、副操縦士とエラく前向きな会話してるし。 というワケで、どうもこの主人公像がもひとつピンと来ない部分は、あるんですね。それに映画の中では、主人公に接する人物はみな彼を気軽に称賛して、それが主人公の孤独感をかえって強めたりもするんですが、正直、この映画自体が主人公を「そういう風に」持ち上げているような面があって。実際の機長本人がこの映画で孤独になってなければいいけど。 もっともこの作品、主人公だけが英雄なんじゃなくって、みんながヒーローなんだ、という立場に立ってて、そういや、後に救出に加わるフェリーが、この後何が起こるかを知らないままに出航する場面、妙に印象的だったなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-14 13:07:39)《改行有》

1026.  忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962) 八代目松本幸四郎が松竹から東宝に移って、また忠臣蔵映画の主演をやっている訳ですが。会社が変われば映画も変わる。ような、大差ないような。 まあ、どっちかっていうと淡泊な印象です。歌舞伎役者をズラリと並べて歌舞伎調の部分を少し感じさせつつも、基本はあまり時代がかっていない現代的な感じは東宝風(?)。そういや先日、同日同時刻に、大映版とこの東宝版をBS朝日とBS-TBSが放送してて、ザッピングで楽しめる状態になっておりましたが、さて日本国民の何人に一人がそれを楽しんだことやら。というのはさておくとしても、まず一見してこの東宝版、画面が明るいですね。色彩も毒々しくならない程度に豊か。いかにもスタジオ撮影で、見通しがいい。屋外シーンも背景はCG、というワケにはいかないので書き割りが多用されていて(手がかかる割には安っぽくなりがちですが・・・)。 浅野内匠頭が加山雄三、ってのも何だか現代風。上野介の理不尽なイジメを耐えに耐えた挙句、というよりは単に青年らしい無鉄砲さが爆発したような刃傷事件、切腹の場面も上野介の夢の中でサラリと描かれるだけなので、ドロドロした印象はありません。それよりは何しろオールスターキャスト、いろんな役者にいろんな役を回していかないといけないので、ドロドロしているヒマなどありません。お城の明け渡しまでに結構、時間使っちゃったし(花の巻)、後半にエピソードを詰め込んでいかなくちゃいけない。 というワケで、フランキー堺はそんな役でそんなに目立ってていいのだろうか、とか、池部良もチョイ役なのに貫録出しまくってるよなあ、とか、やっぱり三船敏郎はオイシイところ持っていくよなあ、とか、数々のエピソードを贅沢なキャスティングで楽しませてくれるんですけど、その分、浪士の存在がイマイチ目立たなくなっちゃってる、ってのはありますね。みんな押し並べてマジメそうな顔を並べて、あまり個性が出ていない。で、唯一の例外として、このマジメ顔の中に佐藤允が混じってるもんだから、一人だけ目立ってしょうがないんですけどね。 討ち入りシーンも、もう一つ派手さはありませんが、ゴジラテーマ(ただし音型が反行)が流れたら、そりゃ盛り上がらざるを得ない。それでも上野介がなかなか見つからないとなったときには、徒労感のような、あきらめムードみたいな感じが漂ったりして、スペクタクルよりもドラマに力点が置かれているようです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-01-13 14:58:42)(良:1票) 《改行有》

1027.  ギャラクシー・クエスト 凶悪宇宙人の侵略を受けた宇宙人が、傍受したSFテレビシリーズの放送を真に受けて地球に救いを求めてくる。まー、実にナンセンスで、しかしSF的には「うん、こういうことって、ホントに起こりそうだよね」という秀逸な設定が、作品の魅力。久しぶりに観ましたが、やっぱり面白い。 人気の低迷した役者たちがなんとなく騒動に巻き込まれていく展開だけに、いささかオフビートな部分もありますが、徐々にテンポを上げていき、特殊効果もしっかりしていて好感が持てます。何より、救いを求めてきた宇宙人の嘘くさい笑顔、バカ正直ぶり、徹底した純朴さが、胸を打ちます。 ただ、特に「何で俺がこんなことを」感の強い役に、そのまんまいかにも向いて無さそうなアラン・リックマンを起用したのは、ホントに「そのまんま」過ぎて、あまりよろしくなかった気も。コメディにはコメディのやり方があると思うんですけどね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-06 17:08:23)《改行有》

1028.  海よりもまだ深く とりあえずは「やっぱり男ってダメだねえ」というオハナシで、爺ちゃんもダメで親父も見ての通りダメダメなので、たぶん息子もダメになっちゃうんだろう、と、そこまで悲観的になるかどうかはともかくとして。 しかし本作がそういうアリガチな型にはまった作品に収まらないのは、一つには、「団地」を舞台としている点にあるんでしょう。なんとも中途半端な、しかし懐かしさを伴う、この雰囲気。 とは言え、別に私自身は団地に住んでた訳じゃなくって、もっとゴミゴミしたところに住んでたんですが・・・かつて高度経済成長ってのがあって、その後社会にいろいろと歪みも出てきて。最近、子供と話している時に、「昔はその辺の川もドロドロに汚れてたけど、随分キレイになったね」なんて事を言ってる自分に驚くことがある。あれ、我々が子どもの頃、大人から聞かされる話ってのは「この川も昔は綺麗で泳げたんだけどね」ってな話だったのに、これじゃ真逆やんか。「昔は綺麗だった」と懐かしむかのように、「昔はキタナかった」なんてことを若干の郷愁を込めて語っている自分。 団地というところも、かつてはそれなりに近代的で、それなりに自然ではない環境で、でもそこに生まれ育った人々にとっては懐かしい場所なんだなあ。そこにある草木も多かれ少なかれ人工的に配置されたものだけど、そこに懐かしさが込められた時にある種の美が宿り、映画もその美を控えめに掬い取ろうとする。 で、人工的な街、古びつつある街だけど、台風の最中に公園の遊具に潜り込む、ちょっとしたファンタジーがあったり。 最初から最後まで主人公に成長もみられないし、成長云々という年齢でもないんだろうけれど、肯定感がそっと舞い降りたようなラストが、いいですね。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-01-06 16:42:21)《改行有》

1029.  悪人 作品の中に、罪を犯した人、罪を犯しかけた人、残念ながら法律的にはOK(?)な人、いろいろな登場人物が出てくるけれど、結局は、「口数の少ない気の毒な人」と「口数の多い不愉快な人」に分かれてしまう。 ステレオタイプなこれらの人物像に対し、ぶち上げたタイトルが『悪人』ですから、いささか結論むき出しの印象が。「はい、これは皮肉ですよ」と断ってしまうと、もはや皮肉は皮肉でなくなってしまう。 まあ、寡黙な人というものは、良くも悪くも、映画の中でかえって存在感を示したりもするもんですけどね。ただ、本作の場合、そこに「寡黙な人々同士のつながり」を絡めることで、彼らの存在を光らせています。主人公の男女二人の関係はもとより、犯人の母親に路線バスの運転手が声をかける場面だとか、被害者の父親のレンチが別の登場人物の手によって怒りの表現になったりだとか。 寡黙な登場人物だからこそ、視線が活きる場合もあったり。 という魅力もあるのだけど、総じていうと「妻夫木クン、カワイソー」という印象に落ち着いてしまうのが、ステレオタイプな人物描写の弱さかな、とも思えてきます。[地上波(邦画)] 6点(2019-01-04 07:38:49)《改行有》

1030.  アーティスト なーんか、ものすごく観てて居心地悪いのよね、この作品。 ひとまずこの時代にサイレント映画に挑戦する意気込みは頼もしいんだけど、「セリフなしだからこの程度に内容を抑えないとわかりづらくなりそう」という忖度(?)でもあったのか、どうか。実際、わかりやすく、実際、物足りない。 一方で、物語の上ではサイレント映画とそれに拘る主人公を時代遅れの遺物扱いにしてて、まあこの辺りも世のシネフィルを敵に回すようなチャレンジャーぶり、とでも言いますか。これで映画をしっかりまとめ上げたら大したもの、実に頼もしい、といったところだったハズなんですけどね。 同じくサイレントからトーキーへの移行期を描いた『雨に唄えば』とは、サイレント時代との距離感の違いもあるのかも知れないけれど、本作ではもはや、時代に乗り遅れた頑固者の悲哀を描くための単なる素材と化していて、これだったら「サイレント映画」がテーマじゃなくっても、他のテーマでも全然よかったやん、とか思えてきます。映画の効果音の有無、という一種のメタ表現だけが、テーマの必然性に関わってくるけれど、そんなに意外性のある演出でもないし。 それに、『雨に唄えば』のミュージカルとしての圧倒的な存在感の前には、本作のラストのタップダンスシーンは、頑張ってはいるんでしょうけど、あまりにも分が無い、という印象。 サイレントでどんな映画に仕上げてくるんだろう、と期待させるものが大きいだけに、一層の肩透かしを感じてしまいました。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-12-30 08:33:21)《改行有》

1031.  アントマン 主人公とマイケル・ダグラスとの、2つの「娘との関係」がシンクロする物語になってる、ってのがミソなんでしょうけれど、ではそれを物語の中にどう溶け込ませ、展開にどう絡ませるかがポイントになろうものを、映画の中盤はその設定自体を長々と引っ張って見せて、展開が重たいこと重たいこと。もう設定はわかったからさ、先に進もうよ、と言いたくなってしまいます。 小さいヒーローが飛んで走って、クルクルとキレのいい動きを、一連のアクションとしてみせてくれるのが、やっぱり見どころ。ただしこれも、サム・ライミが『スパイダーマン』で展開してみせてくれたアクションに近くって、どこか既視感を感じてしまうんですけれど、そこに大きさが変わることに起因するさまざまネタが絡んでくるあたりは、本作ならではの楽しさがあります。[DVD(吹替)] 6点(2018-12-30 06:26:00)《改行有》

1032.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 一応、デ・パルマの出世作、という位置づけなんでしょうけれど、どうも本作以降、どんなに異なるジャンルに手を出しても全部おんなじような作品に仕上げてしまう傾向があるような・・・。 本作、肝心のクライマックスであるプロム会場のパニックシーンが、『超能力学園Z』並みってところに、どうも限界を感じてしまうのですが、本作の方がオリジナルなワケですから、比較するのも酷かと。いやそうではなくて、ああいう作品と比較可能なレベルであることが、そもそも物足りなさの原因なんですけどね。とにかく、いよいよこれからか、というところでアッサリとパニックシーンを切り上げてしまう。やはりデ・パルマは、クライマックスシーンよりも、そこに至るまでのバケツの描写を「知りすぎていた男」風に撮ってやろうとか、ラストで一発カマしてやろうとか、そちらにしか興味が無かったんですかね。 とりあえずクライマックスでも、画面分割という禁じ手のサービスを施してくれてはいるんですけども、さて、これにいかほどの効果があるのやら。何やら急に画面構成がヘンテコになったので、物語の中でも今とてもヘンテコなことが起こったらしい、ってな感じは、伝わってこなくはないですけどね。あとこれがもし、シシー・スペイセクの血濡れメイクの顔を(めんどくさいので)まとめてアップで撮ってしまおう、という手抜きに依るものなんだとしたら、それなりに意義があるような気がしないでもなく・・・。 他にも、画面手前の人物と奥の人物にはフォーカスが合ってるけどそれ以外の人物はピンボケしてる(インチキ・パンフォーカスとでも言いますか)とか、ダンス会場の長回し(クレーンの俯瞰で二人の姿を長々と追いかけ、場に怖気たシシー・スペイセクが帰ろうとした瞬間に下からのカメラに切り替わると今度はカメラが人物の周りをグルグル回り出す)とか、色々と演出で遊んでいて。そういうのが個別には面白く感じられる場合もあるんですけど、総じて物語に貢献してないというか、やっぱり作品自体がカタルシスに欠けるように感じられてしょうがないです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-12-30 06:08:07)《改行有》

1033.  マシンガン・プリーチャー 《ネタバレ》 ジェラルド・バトラーが主人公の苦悩を演じれば演じるほど、映画が重たくなっちゃうように感じられて。一方では、映画の最後に本作のモデルになったマシンガンプリ―チャー氏ご本人が登場して、もちろんこの断片映像からだけでは本当はどういう人物なのか掴み切れないけれど、この人、妙にさばけたイイ表情してるんですね。いや、これこそ本作の主人公のあるべき姿なんじゃないのかな、とか思えてくる。って、そりゃまあ、本人ですから、ねえ・・・。 とは言え、本作も、必ずしもドラマを重たそうに引きずってばかりいる訳ではなくって、むしろ抑制が効いている、と言ってよいかも知れません。テンポのいいエピソードの積み重ねで、冒頭のダメダメ時代から始まるこの特異な主人公像をうまく描いていて、家族・友人との関係も絡めつつ、紛争下の悲惨な現実も我々の前に突きつけてみせる。 雑多なエピソードの羅列、と捉える向きもあるかも知れないけれど、それが「終わりなき悪夢の連鎖」を想起させて一定の効果をあげているのも確か。ここで描かれているのは、簡単には答えの出せない物語。主人公の行動にしても、単純にすべてを善とは言い切れない矛盾を抱えているワケで、その矛盾を抱えた姿を、そのまま映画の中に叩きつけてみせる。 矛盾は解決せず、苦難もまた解決しないながらも、元少年兵の言葉の中に一片の真実を垣間見せ、「和解」への希望を感じさせるラストへとつないでいく、この辺りも、抑制が効いているからこその感動、と言えるでしょう。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-12-23 13:01:44)《改行有》

1034.  ファイナル・デッドサーキット 3D 相変わらずいろいろと見せ場を工夫して、相変わらず楽しませてはくれるんですけどね。 しかし、4作目ともなると、ちょっと息切れ? というよりは、ちょっと考え過ぎなのかな、という気が。 このあと惨劇につながるかも知れない、生活の中にひそむヒヤリハットをあれこれ見せつけて、我々をドキドキさせる。それはいんんだけど、だんだん「いかに予想を裏切るか」という意外性へと映画を作る側の意識が向かうようになり、いささかワザとらしいカマシのオンパレードになっちゃってます。 その挙句に、はい、グロテスクでしょ、と唐突に肉塊を見せられて、なーんだか妙に割り切ってるなあ、と。これはもはや、印象としては料理番組における「10分煮込んだものがこちらになります」ってのに近いです。 まあ、こういったことすべて、路線に忠実ということの表れなのかも知れませんが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-16 11:41:11)(良:1票) 《改行有》

1035.  ならず者たち 南軍の部隊が逆恨みからすっかり愚連隊になってしまって、略奪殺人暴行なんでもござれ、悪辣の限りを尽くすやりたい放題。60年代の映画にしては(そりゃ近頃の映画とは比べ物ならんけど)それなりに刺激の強い映画になってます。ちょっとマカロニ風味が入ってる感じがありますね。 音楽もそうで、妙にノリがよかったり、妙に前衛っぽくなったり。 ならずもの部隊の長をつとめるジャック・パランスのエキセントリックな壊れっぷりなんかも、とても正統派西部劇の演技などではなくって、この作品、かなりマカロニを意識して作られたんじゃないか、と思えてきます。 粗削りで雑な映画の作りも、そう思える一因で、屋外シーンなんかも、撮影時に晴れていようが曇っていようがお構いなしのゴチャマゼ。 物語の軸には、部隊を率いる極悪オヤジと、それに反発して部隊を離れ真っ当な生活を送る息子との間の対立・葛藤ってのがあって、「どう見たって親子ほど歳が離れているように見えない」という難点はあれど、これが作品をユニークなものにしています。 ただ、クライマックスでは親子3代そろい踏み、という場面が待っているのだけど、ジャック・パランスがあまりにぶっ飛びすぎてるせいか、自分の前にいるのが自身の孫であることを、監督も脚本家もジャック・パランスもみんな忘れちゃってるんじゃないか、という気がしてきます。でなけりゃ、ここ、もう少し、エモーショナルなものになる場面ではないのか、と。 いや、そうでないのがやっぱり、ユニークなところなんでしょうかね。 町への放火シーンや、機関車脱線シーンなど、こんな映画にしては(失礼)、ダイナミックな見せ場もあります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-16 10:52:24)《改行有》

1036.  レディ・プレイヤー1 およそ何の自慢にもならんのだけど私もまあ、ドンピシャの世代なもんで、こういうハズかしいモノを映画の中にテンコ盛りして有難がってるというのも、正直ハズかしいというか、くすぐったいものがあるんですけどね。たださすがに、将来、自分の息子と一緒に映画を観て「バカルー・バンザイって誰?」などと訊かれる日が来るとは、当時は夢にも思わなんだ。 それはともかく。本作、あれやこれやと目を楽しませてはくれるんですけどね。ただ、そればかりに終始した感も。冴えないモヤモヤとした現実があって、その中にキラキラした仮想現実の世界があって、という劇中劇のような構成。仮想現実の部分は、あえてどこか現実っぽくない描写がなされてる。そしてその仮想現実の中に、アーカイブ化された「過去の現実」が挿入される、という入れ子の構成になってて。 それが、もうひとつ機能していない印象。まあ、これは作中に登場する「あるトリック」にも関係するところなので、機能させえなかった、という仕方ない部分もあるのかも知れないけれど。それにしても、これだけエキセントリックな設定のオハナシなのに、物語が硬直化してしまってる。 最後、ワラワラと人が集まってくるあたり、こういうのは何となくスピルバーグの好みかな、とも思えるのですが、集まる人数も知れていて、迫力がない。誇張がない。妙に、おとなしいんです。 どうも、「キャラ満載」にした時点で燃え尽きちゃった感じがして。いろいろ登場させてくれて、いろいろ見せてくれて、どうもありがとう、ではあるのですが(空中ダンスは見もの!)、それだけでは、ねえ。 ウチの小学生の息子は、デロリアンと金田君のバイクが一緒に走ってて、メカゴジラとガンダムが戦って、というだけで充分満足らしいけど・・・。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2018-12-13 20:53:18)《改行有》

1037.  デイズ・オブ・サンダー トニー・スコットとトム・クルーズのコンビが『トップガン』の次に選んだ題材が、カーレース。飛行機からクルマに変えただけであとは大差なし、おいおい、ジャンボーグAの次はジャンボーグ9かよ、と言いたくなった方も多数おられたかと思いますが(私も当時そう思った)。 しかも「今回もやっぱり、バイクにも乗っておきたいよね」ってんだから、やりたい放題。でも確かにバイク姿がサマになってるのよね。 と、まあ二番煎じっぽい、ってのが第一印象としては当然あるのですが、しかし、トム・クルーズ映画には、ポール・ニューマンやダスティン・ホフマンというお目付け役がつく流れがあって(ブライアン・ブラウンもそこに入れていいか?)、本作はその流れも汲んでます。今回はロバート・デュヴァル、なので、オイシイところを持っていかれる心配は無い(笑)。後年、アウトローで再共演したのもそういう、演じる側・観る側ともに感じられる安心感ゆえ、かしらん。 だけど、そういう年長者が横につく役柄だもんで、トム・クルーズはあくまで「若造」に徹していて、現在のムダにオーラを出しまくっている壮年スターの姿と比べると、ああ、そういやカリスマ・トム・クルーズだって、昔はこういう頼りないところがあったんだよな、なんて思ったり。実際、トム・クルーズのカリスマ性って、「こんなに歳食ったのにここまで若々しいフリを貫いて見せる、なんかブキミだなあ」って感じさせるようになってから、本格的なものになったような気もいたします。 それはともかく、若々しいだけじゃなくって本当に実年齢も若いトム・クルーズが、その当時なりのスター性を映画の中で輝かせてみせ、物語の方はというとレースばかりなのであまりまとまったオハナシにはならないけれど、主人公のライバルには気の毒な目にあってもらうことで、物語の上でも主人公をスターとして輝かせてみせる。 トニー・スコットのチャカチャカした落ち着きのない映像も、本作のレースシーンなどでは良い方向に働いていて、このあたりも作品の魅力になってます。このスピード感、そしてこのメカニックな描写さえあれば、もうストーリーなんてあっても無くってもどっちでもいいてしょ、と。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-08 04:47:19)《改行有》

1038.  ネバダの決闘 冒頭のクレジットを見てるとうれしくなってきて、ジェームズ・コバーンの名前があったりするのもそうだけど(ちゃんとセリフもあるしちゃんとふてぶてしい存在感も示す役柄)、音楽が「ジェラルド・ゴールドスミス」だってんだから。御大のかなり初期の仕事ですね~。まあ、アリガチな音楽と言われれば確かにそうですが、ゴールドスミスの音楽と思って聞けば、そんな気もしてきます、ハイ。 で、本作ですが、これぞまさにB級西部劇の楽しみ。いいですね~。 どこぞからやってきた主人公が、保安官を手助けして敵の一味に立ち向かう、というオハナシですが、主人公が逃亡中の悪人であることがミソ。しかも逃亡の際に弟を失ったエピソードが、中心となる物語にリンクし、亡き弟の存在と保安官の姿が重なる、という趣向。物語が意外な纏まりを見せます。 これは拾い物。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-02 12:27:42)《改行有》

1039.  ビッグ 《ネタバレ》 外見が大人でも中身が子供のままだから、オモチャ会社で鋭い意見を吐いて成功するんだとか、少年の心を持っているから女性のハートを射止めるんだとか、そういったコトを「だって当然の帰結でしょ」と頭ごなしに我々に納得を求めてくるこの映画。どうも好きになれないのです。そういったコトに説得力を持たせるために、何を描いて見せてくれるか、それが我々の期待するところ。なのにこの映画は「そういう設定だから、当然そういう展開になるに決まってるよね」といきなり同意を求めてきて、そこには我々を納得させこの世界に引きずり込む、何のエピソードもない。 ただそこにあるのは、トム・ハンクスの「中身は少年です」と必死でアピールする演技だけ。一応は、彼の人懐っこそうな風貌とマッチして、それなりの効果はあげているのだろうけど、しかしそれとて、「大人が眉をひそめるような非常識な仕草」頼みの演技が中心で、そんなに面白味のあるものでもなし。 「元に戻りたい」気持ちくらいはせめてもう少し丁寧に描きそうなところを、むしろ新しい生活を順風満帆、楽しんでいる様子の方が、印象が強く、これだったらいっそ、最後まで元に戻れませんでした、という悲劇で締めくくればよかったに、とかいう事まで思ってしまうのですが、ハイ、それはさすがに無理ですね。そんな後味の悪いコメディ映画、絶対に人気出ません。 あの、やはり子供の心を残しているらしき社長との交流、これはもっと掘り下げてもよかったのではないか、とも思います。恋愛方向に話を持っていくより、ドラマが広がり、説得力も出たのでは、とか。そう思うと、『釣りバカ日誌』ってのは、社長とコドモ大人との交流を描き、そこには馴れ合いだけではなく両者の間の緊張感までも盛り込んでいて、本作より余程よく出来ていたような気がしてました。そういえばどちらも同じ1988年の映画なのでした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-12-02 12:07:42)《改行有》

1040.  三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 邦題にヘンな副題がついているので、きっとデュマの小説とは関係ないんだろう、とか思ってるとさにあらず、ダルタニアンと三銃士との出会いから律儀に描いてたりして、意外にちゃんと「三銃士してる」なあ、と。ただ、もちろん、あの迷走気味の原作よりは、だいぶスッキリしてますが。 それにしてもコレ、面白い。活劇ってのはこうやって撮るんだよ、と自信満々に撮ってて、実際これだけワクワクさせてくれるんだから、もはやなんだか腹が立ってくる(笑)。実写アクションとCGとの使い分けが、実にお見事で、ありとあらゆる場所を舞台に、奇想天外なオハナシを奇想天外に楽しませてくれます。 続編を匂わせるラストは、勇み足でしたかね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-25 21:20:59)《改行有》

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