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1041. シャロウ・グレイブ 《ネタバレ》 登場人物たちのパワーバランスが崩れたり逆転したりする心理サスペンス系のドラマは大好きです。今作のように、リーダー格のわがまま王子と、真面目な気弱青年のパワーバランスが見事にひっくりかえっていく様はなかなか見応えがあります。更には第三者グループに属する警察や犯罪者チームの不穏な動きが、作品全体に更なる緊張感を生み出しているようです。 特に、犯罪者チームが徐々にアレックス(ユアン)たち3人に辿りつくまでの様子を恐ろしいエピソードと共に映し出しておきながら、まさかの瞬殺という結果になるとは誰が予想できるでしょうか。ラストのオチよりこっちのほうがよほどショッキングで、そりゃあアレックスがびびるのも納得です。 この見事なまでのゲーム運びはスリリングかつ繊細で、全く目が離せません。 それでもひとつだけ残念なことがあるとすれば、三人の信頼関係が、もともとそれほど強く見えないことですね。三人がそれほど仲良しには最初から見えないのです。だいたいアレックスは二人から嫌われているようにしか見えないんですよね。三人の信頼関係を示すエピソードなりキャラ設定なりがきちんとしていれば、衝撃度や不快感は何倍にも増したかもしれません。 ただそんなアレックスがラストでジュリエットを守ろうとしたり、でもそのジュリエットはアレックスを裏切ったりと、三人の本質が垣間見えるラストは傑作です。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-27 00:27:26)《改行有》 1042. ブロークン・アロー 《ネタバレ》 はじけるヘリコプター。とびちるヘリコプター。全部で4台、きれいに大破。1本の映画でこんなにヘリの爆破を見るとは思いませんでした。更にはヘリのテイルローターを使ってのアクション、覚えているだけで2回。この異様なまでの「ヘリ」へのこだわりはいったい・・・。 まあ、何はともあれ、個人的には爽快なアクションで、最初から最後まで飽きることなく楽しめました。『娯楽作品にはつっこまない』というマイルールがあるので、あとはもう楽しいか、楽しくないか、それだけなんでございます。そこだけで評価させていただきますと、本作品は楽しい作品ではないでしょうか。隠れキャラのように強い公園の監視員。良いじゃないですか。もっと強くても良いくらい(笑)。 そして何と言ってもクリスチャン・スレーター。なんか知らんけど、この人めっちゃ好きなんですよ。この作品でも個人的には最高に輝くアクションしてくれていて、とても良かったです。練習の時には負け続けるライリー・ヘイル(スレーター)。でも実戦では、ディーキンス(トラボルタ)をしのぐわけですよ。これを見せるための、いや、魅せるためのラストの殴り合い。もう僕一人大興奮です。 まあ、でも7点ですかね。動機が弱くて、緊迫感もちょっと足りなかったと思います。 舞台を戦闘機、車、銅山、列車といろいろ変えてくれるサービス精神が良いです。悪役たちの個性もなかなかにGOOD。個人的に好きだったのは、核の設定いじっているメガネのおっちゃん。セリフもしっかりあるんです。「エンジニアはひ弱ってか?俺はもと工作員だ」って、細かいキャラ設定が超スキ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-03-23 02:01:13)《改行有》 1043. ラングーンを越えて 《ネタバレ》 ビルマという国の当時の状況を知ることが出来る社会派のドラマとして、かなりの見応えがありました。その一方で進行していく、一人の女性の再生の物語もとても良かったです。ラストでローラ(パトリシア・アークエット)がけが人の治療にあたったときは、不謹慎とは思いつつも、ある種の高揚感のようなものさえ感じます。 家族を理不尽な事件で失った辛さが、演出の問題でしょうか、導入部分ではそれほど心に伝わってきませんでした。だから、情勢が不安定な国で勝手に観光しようとするローラに多少イライラしちゃったんです。ですが、ストーリーが進むにつれ、ローラの辛さに共感し、ローラの勇気ある行動を心底応援するようになりました。 並のホラーやサスペンスよりよほど恐怖心や不安感を刺激される、サスペンスとしての出来もかなり秀逸です。 個人的には、傑作とまではいかないまでも、全てのひとにオススメできる良い作品だと思います。テーマはなんか重くて難しそうなのに、絶妙なバランスでかなり見やすい作品に仕上がっているのが素晴らしいです。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-18 04:08:09)(良:1票) 《改行有》 1044. リトル・プリンセス 《ネタバレ》 ファミリームービーは退屈さを感じてしまうものが多いので最近は敬遠し始めていたのですが、これはとても楽しめました。確かに刺激は少なめだし、いかにも童話をそのまま映画にしましたって雰囲気なんですけど、父親の訃報を受けてからの急展開が面白かったと思います。特に原作を知らない方であれば(僕も知らなかったのですが。)逆に楽しめるのではないかと。 セーラ役の女の子の演技がとても可愛らしく力強く、純粋に彼女の幸せを劇中願い続けていました。逆境から最後はハッピーエンドになるっていうのは見え見えなんですけど、良い意味で期待を裏切らないので安心して見られます。王道には王道の良さがあるものです。それでもセーラが父親の名前を叫びながら警察に連れて行かれるところは、これファミリームービーか?と思っちゃうくらいの迫真の演技で、どうなることかとハラハラしましたね。父親が唐突に思い出したのはいまいちな感じがしましたが、ラストのミンチン校長のオチは個人的に大好きです。 万人に愛される良作ではないでしょうか。刺激は少なめですけどね。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-12 17:37:23)(良:1票) 《改行有》 1045. デンジャラス・マインド/卒業の日まで 《ネタバレ》 実話好き、学園ものが好きな人であれば絶対に見ておいて損はないであろう映画です。 生徒がこれだけたくさんいて、すべての生徒の問題を解決するなんてのはフィクションの世界では可能かもしれませんが、現実世界ではそうはいきません。実際には、先生個人の力なんてたかがしれていて、どうにもならないことのほうが多いに決まっているんです。この映画も実話ものらしく、どうにもならない、救えない生徒が何人か出てきます。ただこの映画の素晴らしいところは、それでも教師のルアンが最後まで生徒のために希望を捨てずに、あがく姿を見せつづけるところにあります。そしてやはり、救えない生徒は救えないままなのですが、ルアンのアクション、そして言葉にとても力強いメッセージを感じるのです。 ルアンは言ってしまえば正統派の熱血教師。自分の信念を、本音で生徒と学校にぶつけるだけで、じつはこれといったとりえのない、金八先生と同じタイプの教師です。しかしルアンは生徒に知識と教養を授け、考える方法を教え、成長させていくのです。教育者として最も大切な何かを持っているのです。だからこそ見ている私達に、教育者として大人として、あるべき姿を教えてくれているんです。 良い映画です。良い映画すぎて、若干の物足りなさを感じてしまったことは正直に認めますが、オススメの1本です。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-12 00:41:50)(良:1票) 《改行有》 1046. 暴走特急 《ネタバレ》 セガール映画の中では一番好きかもしれないです。舞台は列車ですが、そこから衛星を乗っ取って全世界を攻撃できるというスケールの大きさがノリノリでよいです。更には、秘密のコードを聞き出すために、目をレーザーで焼こうとする拷問のシーンは、かなりのインパクトがあります。デインやテロリストグループの冷酷・冷徹・非道な性格が印象づけられるのです。 そしてテロリストグループに一筋縄ではいかなそうなやつらがたくさんいるのも盛り上がるポイントです。この作品が一番良いと思える理由はきっとテロリストグループの質の高さだと思うんですよね。だって主役のセガールは変わりようがないですもん。セガール映画を面白くしようと思えば、あとは敵キャラを変えていくしかないんです。そういった意味ではこの映画はほぼ満点。これだけのタレントをそろえたスーパーテロリスト集団が、どんなことにも全く動じなかったのに、ライバックが列車に乗っていると知っただけで、「大変だ」ってどんだけですか(笑) だけど、セガールがいったん動き出すと、どれだけストーリー、脚本、敵キャラに味付けをしていても、一瞬でセガール味に染められちゃうんですよね。しょうがないです。ハリウッドの水戸黄門ですから。クリリンとヤムチャには実力差がありますが、スーパーサイヤ人の前ではどちらも雑魚扱いですもんね。セガールはそれといっしょなんですが、それをふまえても楽しい作品でした。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-26 14:45:20)(良:2票) 《改行有》 1047. あなたが寝てる間に・・・ 《ネタバレ》 嘘をつきつづけるってのが凄く苦手なんです。いつばれるのかってハラハラすると、そっちが気になっちゃって他のことが頭に入ってこないんですよね。だから、高評価につられて見てしまったわけですが、やや苦手なシチュエーションでありました。 サンドラブロックは好きな女優さんですが、個人的にイメージができすぎちゃっているところがありました。スピードやデンジャラスビューティ、最近ではゼログラビティ。だから、ラブコメ?って感じにはなりましたね。ところが、見ているうちにどんどん可愛く見えてくるから凄いです。彼女の演技の幅って広いんですねー。 正直、恋愛は一途ものが好きです。弟君が好きだと上司に告白しちゃったときはもうびっくり。あっさり乗り換えちゃうんですね。その辺りもふくめ、普通だったら共感できないはずなんですが、脚本の出来が良いのか、役者さん達が良いのか、なんか知らず知らず見入ってしまいました。 極めつけは結婚式での告白のシーン。ここはもう素直に感動しました。特に、「家族のみなさんを愛してしまったのです。一人ぼっちだった私が・・・」のくだりは涙ものです。そして、料金所で小銭の代わりに出される指輪。ラストのナレーションの有名すぎるフレーズでのしめ。ラブコメとしては普通の良作の域を出ていないかもしれませんが、ラスト10分でただのラブコメから感動できる味わい深い作品へと昇華されましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-02-24 05:27:38)(良:2票) 《改行有》 1048. ブレイブハート 《ネタバレ》 映画として、エンターテイメントとして、非常によくできていると思います。見るのは二度めですが、一度目は10代のときに見たので、その時のほうがより感動が大きかった気はします。年とともに、感情移入できる作品の種類が確実に変わっていることを認識できました。ちなみに、当時の印象ではなく、今回鑑賞した際の感想と点数を投稿させていただきました。 話自体は実はそれなりに複雑で、微妙な人間心理が幾重にも交差しているのですが、それを感じさせないほどわかりやすいストーリーになっております。だから映画として素直に面白いし、スケール、迫力、臨場感、サウンド、どれをとってもトップクラスではないでしょうか。脇役や敵役の人達の個性も確立されていて、登場人物のキャラ分けは完璧とも言えるくらいです。 ただの爽快アクション活劇かと思っていたら、中盤辺りから徐々に、ウォレスをとりまく不穏な空気が作品を支配し始めます。ハッピーエンドを疑っていなかった前半が嘘のようです。とりわけ仲間の貴族たちが発する嫌な空気がたまらないです。まるで薄氷を歩き続けているかのような空気。いつ割れるかもしれない不安感。 しかし、その不安を拭い去るかのような戦いに、一瞬は安堵するのです。敵歩兵部隊と握手を交わし、攻勢に転じる名シーンがあって、正直ほっとします。ところがほっとしたのも束の間、優勢に戦を進めていたにも関わらず、ここできちゃうか、貴族の裏切り。この一連の流れはフィクションであることを忘れそうになるくらいの完成度で、この戦のシーンだけでも観る価値のある映画でしょう。 思いつく限りの名シーン、名場面を出し尽くしているかのような作品で、そりゃあ面白いに決まっているのですが、当然この手のジャンル、この手のストーリー展開に好き嫌いはつきもの。しょうがないですね。私自身、このストーリー展開はどうしても好きにはなれません。ただそれをふまえても面白かったと、ちょっと感動したと、素直に思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-02-10 06:53:48)《改行有》 1049. ザ・ピラニア/殺戮生命体<TVM> 《ネタバレ》 わかりやすいストーリー。わかりやすいパニック。でもきちんとドキドキできて、ハラハラする。すっきり、手堅く、誰にも楽しめるパニックホラーに仕上がっていると思います。娯楽作品としての基準はきっちり満たしているのではないでしょうか。不安をさそう音楽の使い方も、王道ですがとても効果的に使われていたと思います。 まあ何よりこーゆータイプの映画が好きなもんで、点数甘めになっちゃうのはしょうがないでしょう。ちょっとしたスリルをお手軽に味わえちゃうのは映画のひとつの魅力だとも思いますし。 こーゆー映画は、おおらかな気持ちでゆったり楽しく見るのが良いと思うんです。「そんなわけないやん」なんてつっこみいれまくっても楽しくないですから。改良巨大ピラニアが河に流出しちゃって大変、そんな時だから冷静な判断ができなくてもあたりまえだよ、ってね。そんな気持ちで見ていたんです。そんな気持ちで見ていたんですけど、研究者の女性が、子供助けるために迷わず河に飛び込んだ時はさすがに叫びましたね。「そんなわけないやん!」[DVD(字幕)] 7点(2014-02-04 00:53:51)《改行有》 1050. クリムゾン・タイド 《ネタバレ》 潜水艦というだけで敬遠していたのですが、予想以上に面白かったです。これは潜水艦以外の設定であってもドラマとして成り立ちそうですが、やはり潜水艦という密室と、外部との連絡が断たれた状況での究極の選択が、緊迫感をより際立たせているように感じます。 火災の際の訓練については、ラムジー大佐に一票を投じます。それに反論・疑問を呈するハンター副官は、とても甘い。まさに実戦経験の浅いインテリらしい人物で、指揮官としては頼りなさを感じちゃいます。 しかし、外部との連絡が断たれてからは、今度はラムジー大佐の主観的で独断的な判断が目につきます。すると不思議なもんで、ハンター副官の冷静で大局を見る判断能力を支持しちゃうんです。 状況が変われば、その状況に適する人物もまた変わってくるということでしょうか。平時であれば優秀な人物が非常時に無能さを露呈することもあるし、またその逆もあるのでしょう。 この作品の面白いところは、ラムジー大佐をはっきりとした黒ではなく、白に近いグレーにしているところでしょう。ですが彼はその立場上、迷いを見せず、毅然とした態度で常に決断をしなければなりません。でも心の中では逡巡や葛藤があったかもしれないです。本国からの正式な連絡を待ったほうが良いという思いが。その思いを具現化したものがハンター副官であるとすれば、部下達はラムジー大佐の逡巡そのもの。だから艦長の任を解かれたときに素直に監禁に応じたのも、自分自身をクールダウンさせるきっかけにしたかったのかもしれないです。実際部下達が熱くなって大佐の部屋に行ったとき、優雅にクラシックを聞いているんです。おそらくラムジー大佐にとってハンター副官は優秀なブレーキとしての役割を果たしたのではないでしょうか。 映画を観ている最中には、ラムジー大佐が完全に間違っていると思ったときもありましたが、見終わってみると、ハンター副官の能力の高さや将来性を高く評価しているラムジー大佐は、素晴らしい上官であり指揮官だと思いました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-01-27 02:18:57)(良:2票) 《改行有》 1051. ザ・ペーパー 《ネタバレ》 初めて心の底から面白いと思える群像劇に出会いました。これだけ登場人物がいるのに、ほぼ全員の顔と名前と性格が記憶に残ったのも初めてです。 まずメインのストーリーがあって、そこに小さなサイドストーリーがいくつも絡み合う感じが面白いです。また、それぞれの人物のストーリーの同時進行ぶりがすさまじく、それでいて見ていて全く混乱しないわかりやすさが◎。この映画を見ていると、今自分の人生だけでなく、生きている人すべての人生が、それぞれのスピードで平行して動いているのだと、究極の第三者の視点になれるんです。そしてそれを象徴するかのように、これだけの出演者がいながら、誰一人として無駄な存在がないのです。 また、個人的に「学校」や「職場」のドラマってのがかなり好きなもんで、この雰囲気はたまらんかったです。敏腕の記者が、コラムニストが、編集が、カメラマンが、それぞれみんな違う仕事を行い、そして一枚の新聞を作り上げる。いやあ、見ているだけで凄いパワーがもらえます。今自分がしている仕事も相当忙しいと思っていましたが、新聞社には負けますね。これが毎日かー。すげーな。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-23 03:09:55)(良:1票) 《改行有》 1052. 激流(1994) 《ネタバレ》 目的地に行くにはこの川を下るしかないのです。しかし、「ガントレット」と呼ばれる危険度MAXの難所が行く手に待ち構えるんです。 母は言います。「あなたたちがガントレットで死のうが、それは自業自得よ。でも私には家族がいるの。ここにはいない娘も待っているの。幼い娘を一人残して死ねないのよ。」涙ながらに訴える母。冷たくつっぱねる強盗犯。 もう決死を覚悟でガントレットを越えるしかない・・・!それしか目的地にたどりつく方法はないのだから・・・。 これはもう「激流」というシチュエーションでつくられる大自然の密室サスペンス!すばらしい!なんて面白いんでしょう! な、の、に・・・・・・あー!だからだめだって、お父さん!陸路で先回りしちゃ!『川下りでガントレットを越えるしか方法が無い』というのが、この映画の醍醐味なんだから! でも観ているときはそんなお父さんの反則技を忘れちゃうくらい面白かったので7点で。脚本の段階で誰も気付かなかったんですかねー。みんな川下りに夢中で細かいことは忘れちゃったか。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-12 22:08:13)(良:1票) 《改行有》 1053. 不機嫌な赤いバラ 《ネタバレ》 前半30分がイライラしっぱなしです。大統領からのクレームの電話以外に、これといって面白いエピソードもなくてつまらないのです。ただそっから先が面白いんです。 テスという人物の本質を端的に表すエピソードが二つ。一つめが息子の願いを断るシーン。もう一つがダグが泣いている一瞬を巻き戻して見ているシーン。表面上はただのわがままお婆さんに見せかけて、実は、物事と人間の本質を見抜いていらっしゃるのです。そして、テスがダグになぜこだわったのかもよくわかるんですよね。 そして後半になると、前半の無意味にも思えたわがままエピソードのひとつが、意味を持ち始めるくだりもあります。「いい話があるの。」→①「私には脳腫瘍がある。」②「スカッドミサイルを買ったわ。」③「オペラに行くわ。」→「どれが本当だと思う?」すでにダグと3年過ごしていて、でもダグから嫌われているテスは、もしかすると自分の病気の悩みを打ち明けようとしたのかもしれないです。でもつい、①でやめずに、②、③の選択肢をつくっちゃった挙句に、問題形式にしてしまうんです。素直になれない彼女の気持ちがよく表れています。ダグは当然③だと思っちゃうわけです。だからきっとオペラに行く気なんかなかったのに、オペラに行く予定を入れてしまったんじゃないでしょうか。結果、オペラで寝てしまうテス。あきれるダグ。ダグも私たちも、いつものわがままだと思ってしまうんです。なにしろ、それまでのわがままエピソードで、テスはそういう人物だと刷り込まれているから。これが本当だったら、よく出来ている脚本ですねー。ただよく出来すぎていて、なかなか気付かないですよね。 まあ何にせよ、心温まるドラマであり、ちょっと笑えるコメディである上に、刺激的な事件まで用意してくれているサービスいっぱいの映画でした。 でもつま先撃っちゃうのはちょっとやりすぎ。本当に撃ったからびっくりした。この作品のテイストにはあってないな~。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-06 02:48:08)(良:1票) 《改行有》 1054. クロウ/飛翔伝説 《ネタバレ》 いかにもゴシック調の雰囲気のダーク・ヒーローものなんですが、勧善懲悪でわかりやすく作られているのが良いですね。もちろん、他のダーク・ヒーローものと同じく復讐劇ですので、爽快感マックスのストーリーではありません。それでも、僕は不死身のヒーローが悪いやつをびびらせ、驚かせ、ばったばったとなぎ倒していく姿にしびれてしまいます。昔から「不死身のヒーロー」大好きなんですよ。 また、警官や少女の目を通して、私たちもエリックの善良さに触れられるのが良いですね。これは感情移入しやすいし、なにより復讐を肯定する最大の要因となっている気がします。残酷な復讐シーンが、観る人のフラストレーションを解放し、警官や少女とのふれあいのシーンが罪悪感を緩和する。エリックは善良な人で被害者で、何をやっても許される、そう思えます。いや、思わされます。そしてラストに、エリックが恋人と再び出会えたことで、観る人に感動さえ与えてしまうんです。そんな良い映画なんです。きっと。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-01-03 04:17:24)(良:1票) 《改行有》 1055. アイ・ラブ・トラブル 《ネタバレ》 良作。これは面白いです。コメディとしてはこれくらいのバランスが一番自然に笑えて心地よいと思います。 サブリナ・ピーターソン(ジュリア・ロバーツ)とピーター・ブラケット(ニック・ノルティ)の取材合戦もさることながら、二人が合流してからのやりとりも楽しいです。「力を合わせよう」「ネタを出し合おう」とか言いながら二人とも口ばっかりで笑わせてくれます。ここまで仕事最優先に競争心まるだしで、平気で相手を出し抜こうとすると、すがすがしくすらあります。いざピンチになったら息ぴったりに協力しあっちゃうところなんかも良いし。 サスペンスの要素も、だらだらしがちなコメディのクオリティを上げるのに一役買っていると思います。まさにほど良い緊張感を生んでくれているんです。 突出するような名シーンや派手な演出がなくとも、バランスが良ければ映画は面白くなるもんだとあらためて感じました。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-17 14:42:35)《改行有》 1056. ブローン・アウェイ/復讐の序曲 《ネタバレ》 爆弾ムービーっていうのは、わかっていてもハラハラする独特の緊張感がありますね。爆弾を解除するまでの緊張感もさることながら、どこに爆弾が仕掛けられているのかわからないっていうのも思っていた以上に怖い。正直見るまでは多少地味な映画を想像していたものですから、予想以上に面白くて良かったです。 以前本格的に爆弾を解除する映画を見たことありますが、こちらの映画は解除そのものには力を入れていない感じです。むしろ、いろいろな仕掛けで楽しませてくれる、と言ったら不謹慎でしょうか。ギャリティー(トミー・リー・ジョーンズ)が楽しそうに爆弾づくりにいそしむものですから、見ているほうもなんかつられて、どんな爆弾ができるのか期待してしまいます。 ただそれでも、ラストの車内での爆弾解除はさすがに適当すぎて笑ってしまいました。まだなんか続きがあるのかと思ったら、アントニー(フォレスト・ウィッテカー)がなんか良いこと言って締めにはいって、ほんとにそのまま終わっちゃいました。ラストだけはやや拍子抜けしましたが、テンポが良く、誰もが楽しめる良作ではないでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-17 14:19:39)《改行有》 1057. 若草物語(1994) 《ネタバレ》 原作知らず。前作も知らず。この作品で「若草物語」初デビューです。よって、この映画のみでの感想です。 はじめのうちはよくある悲喜こもごものホームドラマのような印象しかなかったのです。それが、物語がすすむにつれ、ある種の切なさのようなものが。 いつも一緒にいたはずの四人姉妹。まるで一生一緒にいるんじゃないかと錯覚するほどです。ですが四人姉妹を別つものが訪れます。それは夢であり、結婚であり、そして死です。 前半の少女時代の雰囲気を見事に、でもあくまで自然に作っちゃったのが後半に活きています。後半に終始感じる切なさは、時の流れがあの四人いつも一緒だった子供時代には決して戻ることがないということを感じさせるからでしょう。 ただ、ベスの死をきっかけに、再び家族が集まり始めるラスト。ホームドラマならではの清々しいカタルシスを感じることができるハッピーエンド。失われた命もありますが、新しく誕生した命もあり、新しい家族になる人達もいて、時間の流れというものは過去に回帰はできないが、でも決して寂しいことではないと感じさせてくれる良いラストでした。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-10 13:37:31)《改行有》 1058. タイムコップ 《ネタバレ》 普通に面白い! この映画が一番良かったところって、説明しすぎない潔さじゃないでしょうか。 タイムトラベルって、タイムパラッドックスの問題を避けて通れないはずなのに、普通に避けちゃっているところが潔い。この映画におけるタイムスリップのルールはひとつ。自分と接触したらだめ!これだけ。わっかりやすくて最高じゃないですか。小難しい話は抜きにして、タイムスリップとサスペンスとアクションを楽しんでくださいっていうスタンスが大好きです。 題材はタイムトラベルですが、メインのストーリーはタイムトラベル悪用して金儲けしているマッコムをやっつけろってことで、タイムトラベルという題材に頼りきっていないところも好印象。あの人がマッコムの手先だったってことも驚きましたし。ラストの予想通りすぎるハッピーエンドも気持ちよかったです。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-08 22:54:01)《改行有》 1059. ルディ/涙のウイニング・ラン 《ネタバレ》 他の方達も言及されているように、中盤くらいまでルディに共感しづらいポイントが結構あるんです。本気でノートルダム大でプレイしたいなら、もっと本気で勉強しろよとか。真面目に仕事しろよとか。恋人が他の人とできちゃうわけですけど、それを覚悟で夢を選んだはずなんだから怒るなよとか。それでもルディが15~18歳くらいならまだ良かったんですが、24歳ですよ。24歳。24歳にもなって、言動や行動があまりにも子供じみていていて、言い訳がましくて、いらいらします。 ただ、最後まで観終わってみれば、前半に精神面でも未熟なルディを見せてくれたからこそ、普通のサクセスストーリーにはない感動を味わうことができたのかもしれません。どこにでもいそうな空気よめないうざキャラのルディ君、その彼がクライマックスに向けて精神的に成長していく様が、見る人に本当の意味で勇気を与えてくれるのではないかと思えるわけです。 また、賛否両論あるかもしれませんが、努力ができるということはもうそれだけで立派な才能だと思えます。その努力ができるという才能が多くのひとの心を動かし、また多くのひとに力を与えたのではないかと思えます。ほんの一瞬のシーンではありますが、ルディがコーチに1試合だけの出場をお願いに行くシーンがあります。ルディは「私をチームに迎え入れてくれてありがとうございます。」と言います。それに対しコーチは「こちらこそ君がいてくれて助かるよ。」と答えます。彼がすでにチームにとって欠かせない一員になっていることの証ではないでしょうか。もしルディの存在がチームの練習の質を高め、チームメイトのモチベーションをあげてきたのであれば、そのことでチームが最強になったのだとしたら、最後にルデイが出場できたのは紛れもなくルディの実力によるものでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-04 01:24:13)(良:1票) 《改行有》 1060. クリフハンガー 《ネタバレ》 多角的なアングルから撮った山の絶景とクライマーアクションが雄大かつ壮大。高所恐怖症な人は決して見ないほうが良いであろう数々のシーンに、冒頭から惹きこまれます。 助かるとばかり思っていた女性が助からなかったのはちょっとショッキングで意外ではありましたが、なるほど、それがウォーカーという人物設定につながり、彼を取り巻く人間関係のドラマを生み出していくわけですね。ただちょっとだけ残念だったのは、この人間ドラマが映画の中でそれほど広がってはいかなかったことでしょうか。現金強奪組のみなさんが出てきてからは、クライマーアクションすらやや影を潜め、普通のドンパチサスペンスアクションへと移行してしまうんですよね。だから、ウォーカーのトラウマも、ハルとの確執も、途中からはとってつけたような“ついで”にしか見えなくなってしまった気がします。 現金強奪組のみなさんとのバトルは、それはそれで面白いです。悪役のみなさんもただの脇役、やられ役では終わらず、それぞれの個性を充分に発揮してくれる奮闘ぶり。クライムムービーとしての完成度は高い。ただクライムムービーとして面白くなればなるほど、せっかくの設定の特異性ってのが薄れてしまう皮肉な結果になってしまったのかもしれませんね。 まあそれでもアクションとして、サスペンスとして面白いことに変わりはありません。ブルーレイディスクになっていることも嬉しかったです。(映像がきれい!)あきらかにここだけ撮影セットじゃん、と興ざめになっちゃうシーンもあったんですが、細かいことにこだわらなければ、高所恐怖症の方を除いて誰にも楽しめるサスペンスアクション。こーゆー映画もきっと大事だし、こーゆー映画が僕は大好きです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-12-02 07:02:01)《改行有》
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