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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1101.  バニシングIN60” まさに「カーチェイス映画の旧約聖書」と呼ぶに相応しい作品であります(新約聖書は当然「マッドマックス2」!←なんで「当然」やねん)。前半の車泥棒のオハナシははっきり言ってどうでもよくって(特にあの虎はなんやねん)、後半の際限ないカーチェイスのための単なる前フリ。それにしたって無理があるけど、とにもかくにも強引にカーチェイス開始、必然性を見失ったままひたすら走りつづけます。あとは、まるで環境ビデオのごとく、淡々と、粛々と、クラッシュシーンが続き、ここまでくると一種のワビ・サビを感じずにはおれません。まあ確かに、映画の完成度としては、決して高くない、というか、かなり低い作品ですけども、この徹底した愚直さは、我々も見習うべき点がありましょう。幸か不幸か、志の低さ故にかえって思わぬモノが生み出される可能性も、やっぱりあるのであります。[DVD(字幕)] 8点(2006-03-06 22:20:05)

1102.  狼たちの午後 銀行強盗による篭城事件を描いているものの、緊迫のサスペンスと呼ぶには程遠い、奇妙な展開。緊迫感どころか、むしろ、登場人物の誰もが、なんとなく状況に流されてます。誰もこんな展開望んでないのに、誰にもどうにもできない迷走ぶり。いわば、この映画の主人公は、「この奇妙な状況そのもの」とでも言うべきか。「銀行強盗中」という異常な状況、本来「非日常」であるその状況が、ナントモ淡々と現実的に続いていくその一方で、「日常」であるハズの犯人の身の上がむしろどこか奇妙。アル・パチーノ演じる主人公が、チョット普通でない家族や愛人と長々と電話するシーン、これは彼にとっての「日常」なのだが、電話を終えてふと回りに目をやると、人質の診断をする医者の顔。まさにそこは「非日常」であるはずの「犯行現場」なのだけれども、まるで「日常」のごとく一見穏やかに、しかし問答無用に人々を押し流していく。「状況」に流されていく人々の無力さと、それを映画としてハタから眺める残酷さ・・・。それにしても、このふたり、やっぱり兄弟には見えないなあ(←それは映画が違います)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-06 21:48:28)

1103.  キャバレー(1972) ストーリーはと言うと、「汽車に乗ってやってきて」「汽車の下で叫んで」「汽車に乗って去っていく」というだけの、取り留めの無いオハナシなんですけども、これが一筋縄ではいかない。第二次大戦を前にしたドイツを舞台に、猥雑で混沌とした退廃の世界が繰り広げられていくのですが、この世界観は主に、キャバレーのショーに投影されており、実際の物語の場面は、むしろ「静的」に描かれて、この対比が印象に残ります。ナチ批判を声高に訴えるわけではなく、そういうもの一切合財を含めてのアブノーマルな歪んだ世界の描写が、我々を幻惑すると同時に、人間の持つ光と闇を、より直截的に感じさせる映画となっています。で、この映画の結論はと言いますと・・・やはり「3Pは素晴らしい」ですかね。違いますかね。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-27 23:08:17)(笑:1票)

1104.  チャーリーとチョコレート工場 当時嫁さんが臨月で里帰りしてまして、彼女の故郷で観たんですけども。予定日の2日前だというのにサッパリ生まれる気配なし、だもんで、気晴らしにちょっとお出掛けしましょか、と。とりあえずシネコン行って、ホントは他の映画が気になってたんだけど上映時間の関係上、コチラを「たまたま」観ることになりました。いやあ。楽しい映画で、よかったですよ。私も楽しかったし、妻にもよい気晴らしになったみたいだし。ウンパルンパのダンスに乗って、まだ胎児だった娘もお腹の中で踊ってたそうな(・・・大音響に驚いていただけ?)。まあ、「こんなバカバカしい映画でこんなに喜んでていいんだろうか」という気もするんですけども、「こんな映画」をこんなに「喜んで」いる自分自身のバカバカしさがまたなんだか楽しくなってきちゃう、という、ひそかに心に隠していた童心のツボを見事に突いてくる映画、でありました。『2001年宇宙の旅』のパロディで、ご丁寧にもバックにリゲティのレクイエムを流すあたり、このおバカぶりにハマってしまって、必死で笑いをこらえておりました。でもバカバカしいだけじゃなく、ちょっとオドロオドロしくて毒々しい、悪趣味なブラックさが、これまた刺激的で魅力。大体、劇中に出てくるチョコレートがあんまし美味しそうに見えないもんねえ。・・・とまあ、そうこうするうちに、ついにDVD発売の時期ですか。映画観に行った10日後に無事娘が誕生し、その娘も4ヶ月を過ぎました。いやあ、月日が経つのは早いもの・・・じゃなくて、早いのは「DVD発売時期」の方、のような気もしますがね。[映画館(字幕)] 8点(2006-02-05 22:34:16)

1105.  ルーキー イーストウッドが好き勝手やって楽しんだ作品、という感じがして、観てて愉快ですな。アクションも久しぶりにハメはずしまくってます。彼の気持ちを想像すれば、「カーキャリアから車をバラ撒いてみたいなあ」「クレーンで車を吊るしてみたいなあ」「昔、オレ様が退治した巨大タランチュラをみんなに見せてやりたいなあ」「ワイルドなオネーチャンに襲われてみたいなあ」「口から火を噴いてみたい・・・けど自分でやるのは怖いから誰かやってくんないかなあ」などなど。これらを実現するためなら、ストーリーに多少無理があったって気にしない、気にしない。犯人が単純に金目当てというのもわかりやすいし、チャーリー・シーンの暗い過去や父との葛藤もほとんど刺身のツマ程度の扱い。すべてにヒネリもなんにもなく、実にストレート。そのくせ、この犯人グループ、金だけ奪うことに専念すればいいものを、「ナゼか」チャーリー・シーンの家を襲ってみたりする、意味不明ぶり。おかげで(なのか?)チャーリー・シーンが囚われのイーストウッドを楽々発見しちゃうのはさすがにちょっとあきれたが、まあよしとしましょう。オモシロイんだから。そういや、この映画、やたら夜のシーンや、暗い室内のシーンが多い(明るいシーンはほとんど必要最低限度)。このあたりもおそらく、「そういう映像が撮りたかっただけ」という、稚気といえば稚気。しかし我々への贈り物といえば贈り物なわけで、これまたうれしくなっちゃう。ラストのオチも、実に使い古されたもの、こんなラストを今さら「敢えて」採用する確信犯ぶりに、ただただ、「・・・・シャレた事するぜ」と、うなってしまいました。歳とっても、やりたいことやりまくる、しかもそれが人をうならせるイーストウッド親爺。見習わないとなあ。ところで、「チャーリー・シーンみたいないい歳したやつが、なんで『ルーキー』やねん!!」と思いがちなのですが、観れば納得いきます。この映画のアクションはどうやら(ごく一部)『処刑ライダー』の影響を受けてる(らしい)ので、そこから自然にきまったキャスティングと見た。いかがでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-15 22:53:44)(良:1票)

1106.  男はつらいよ 純情篇 《ネタバレ》 オープニングのタイトルバックが、ヘリからの空撮による葛飾柴又の風景、というわけで、「故郷」というのがひとつのキーワードである本作。冒頭も夜汽車での「故郷」に関する寅さんの独白から始まりますが、この語りからして何だか寅さん、ダンディだね。缶ビールをあおってみたり(これは様にならず笑いを呼ぶ)。そして、九州で知り合った宮本信子とのやりとり、これまたダンディ。なかなかハードボイルドしてて、シビレます。もっとも、この後、柴又に飛んで帰っちゃってからはテンでダメの、いつもの寅さん。博の退職騒動での驚異の無責任ぶり、トンでもないドタバタに発展し、今度は苦笑まじりの笑いを誘う。それにしても、故郷を離れたらダンディだった寅さんも、故郷の柴又では実にノビノビしており、子供のよう。若尾文子の着替えに大興奮しつつも必死で自分を抑えようとする姿など、思春期の中学生みたいで、見てるこちらも一緒に赤面しちゃうけど、こういう感覚は誰しもの十代の頃の記憶に何となく繋がり、懐かしい感じもします。寅さんの惚れ易さが時に迷惑になることについても「頭じゃわかってるけど、心はそうはいかない」などとカワユイことを。←これはロバート・K・レスラーによる凶悪猟奇殺人犯の分類では「無秩序型」に当てはまるそうです(何でやねん)。それはともかく^結局は失恋して柴又を去る寅さん、発車直前の電車からさくらに「故郷ってのはよ・・・」と話かけるが、そこでドアが閉まり、その後はさくらにも我々にも聞こえない。こんな辛い別れのシーンも珍しい。一方、ラストでは冒頭エピソードの後日談が描かれ、静かに涙する森繁久弥が映画を締めくくる。寅さんシリーズって、映画の性質上、わかりやすく作られているので、ちょっとセリフが説明過剰に思われる場合があり、仕方ないんだけど、そんな中で、森繁久弥の役はセリフがかなり控えめで、逆にインパクトを残します。このラストはじーんと来ました。ちなみにこの映画、初代おいちゃんと2代目おいちゃんが登場する楽しさも。こりゃまるで007にショーン・コネリーとジョージ・レーゼンビーが登場するような豪華さ(←じゃあ大した事ない?)。 (ところで若尾文子にやんわり断られるシーンで寅さんは大勘違いをするが・・・実は寅さんは「わかっててわざと」勘違いして見せたのではないか?などと空想するのもまた楽し)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-08 21:53:00)(良:1票)

1107.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく 一作目でさくらは、寅さんを見ても最初誰だか解らなかったのに、本作では、さくらの同級生・紅奈々子は、とらやの店員に扮装(?)した寅さんを見た瞬間、一発で「おにいちゃん!」と気付いちゃう。倍賞千恵子しっかりしろっ! それはさておき、浅草のレビューの場面がたくさん盛り込まれた本作、木の実ナナのドハデな顔立ちとも相まって、なかなか賑やかな作品になっておりますが、華麗な舞台の一方、舞台裏では、年齢的な限界や結婚問題に悩む奈々子の姿があり、クライマックスの彼女の歌(これがまたイイんだな)へと、ドラマチックな盛り上がりのある作品になってます。寅さんの方はというと、後継者問題に悩むおいちゃんの病気をよそに、九州に飛び出して青年に説教したと思えば、心機一転、自分も身を落ち着けようととらやに「就職」してみたり、はたまた仕事そっちのけで木の実ナナにのめりこんだりと、まさに「わが道をゆく」。でもそんな寅さんも、踊りをとるか結婚をとるかという彼女の悩みに対しては珍しく深刻な表情を見せる。自分が彼氏なら、そんな彼女に決してそんな思いはさせないのに・・・。静かに去っていく寅さんの姿にホレボレしちゃうのでありました。一方、武田鉄矢が、寅さんの恋愛指南でも処置ナシという狂言回し役、これが出しゃばり過ぎることのない適度な盛り上げ役で、なかなかの好演でありました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-04 18:57:30)(良:1票)

1108.  アリス(1988) 人形アニメ地獄。です(笑)。観てるうちに、「人形アニメ」の部分よりも「実写」の方がアブノーマルに見えてきちゃうのが不思議(←不思議がってる場合じゃない、という気もする)。と同時に、アリス役の女の子、もしかして騙されてこんなコトやらされてるんじゃないか、と何だか心配になってしまうのは、これは余計なお世話でした。ところで、引き出しのノブ、これってまさか男性のアレの象徴だとか言うんじゃないでしょうねえ、まさか。イテテテテ。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-11 11:34:12)

1109.  シービスケット 疾走する競走馬の美しさ、その美しさを見るだけでも一見の価値アリ。ヤサグレ馬のシービスケットを成長を、やはり恵まれない境遇の若き騎手の成長に転写し、ダブらせて描くことによって、ワカリヤスイ成長記として描いたのが成功、物語の基本的な軸は「騎手の成長の物語」のハズなんですが、それでもナゼか、「馬の成長物語」を観たような気になってくる。どんな馬でも(つまり、どんな人でも)、必ず誰かの役に立ち助けとなることができる、というメッセージ性がクリアに示されており、故障し殺される運命にあった馬が調教師に命を救われ、後に、気難しいシービスケットをなだめる役をこなす、なんていうエピソードがうまく物語を支えています。というわけで、判り易い分、例えばラストなどには「オイオイそんなんでいいのかよ」と思っちゃう都合のよさを感じたりもするのですが、この映画は、そこに至る経緯と、それを描く圧倒的な映像、これが重要なのであって、もうラストはどう終わってもよかったのかな、と。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-06 23:01:17)

1110.  秋立ちぬ 信州から東京へとやってきた少年。彼のことを本当に気にかけてくれる者は誰もいない。いや唯一、気にかけてくれるのは、それはメルヘンチックに言動が浮ついた(?)、まるで絵本から抜け出てきたような少女でした。そういえば、この少女との交流の場面自体が、いかにも絵本のように目を引くものがあります。しかしこのいささか現実離れした少女にすらも、大人の手前勝手な都合による、厳しい現実が待っている。まして少年をや。ブローチのカブトムシを間違えて捕まえようとしてしまうエピソードが妙に心に残りました。少女のためにカブトムシを捕まえること、それは自分の幸せを掴むことでもあろうけれど、カブトムシはニセモノ、夢は儚く散る。それ自体は些細なことかもしれない、しかし、その少年の失敗の様子を見て、いかにも訳知り顔に「罪無く」笑う大人、ユーモラスな場面ではあるけれど、どこか残酷な感じもします。カブトムシのエピソードが、ラストに思わぬドンデン返し(!)につながるのも、印象を強めた一因でしょうか。暖かさと厳しさの同居した、珠玉の作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-27 22:39:07)

1111.  WATARIDORI 空を駆け巡る鳥の姿をまざまざと目にし、我々は何を思うか。美しさに惚れ惚れしてもいいし、自由な姿に憧れを感じてもいいし、あるいは「美味しそう」、かもしれない(じゅるじゅる)。いずれにせよ、圧倒的なインパクトをもつ映像世界である。これを実現するには、とてつもない苦労があったであろうことが偲ばれる。例えば、海上を飛ぶ渡り鳥が、通りかかった船に舞い降りる。空中のカメラは船上へのカメラと切り替わり、これは間違いなく自然な渡り鳥の姿をそのまま捉えた映像ではなく、まさに編集のなせるワザ。しかしこのようなアプローチだからこそ、我々は鳥とともに空を飛び、鳥と共に船に「舞い降りる」、その感動。この映画は、確かに、ひとつの稀有な映像体験には間違いない。そしてこの「ドキュメンタリ風作品」は、渡り鳥のもつ「宿命」によって環を閉じ、そのとき、この生き物たちに敬意を感じずにはいられない・・・それにしても、鳥ってのはよく喧嘩するなあ、そういうトコだけは人間によく似ているね。(ついでにもう一言。傷ついた鳥がカニの群れに襲われるシーン、あのカニの種類は、実は“WATARIGANI”だった、というオチは、いかがでしょうか ←つまんね~)[CS・衛星(吹替)] 8点(2005-11-26 21:10:44)

1112.  宇宙戦争(2005) 観に行ったのは、公開最初の週末で、きっと混んでるだろうなあと恐る恐る劇場に足を運んでみたら、意外にも空席だらけ、心配しておったのですが、結局はなかなかのヒットだったようで、一安心。さて、映画界において常に不可能に挑戦し続けるスピルバーグ、今回は「ウェルズの小説を『なるべく忠実に』映画化する」という、とびきりの不可能に挑戦してくれました。変に原作に拘ると大惨事となることは、『D.N.A.』という前例が。『タイムマシン』もまた同様か。果たしてスピルバーグの運命やいかに!? で、蓋を開けてみれば、これがもう圧倒的迫力の映像、たっぷり堪能いたしました。まあ原作の方は、ワタシも学生時代に読みましたが、いささか説教臭い骨組みが透けて見えており、例えば『透明人間』のサスペンスあふれる肉付けなんかに比較してしまうと、どうもギクシャクした感じを受けます。今回の映画化では、この辺のストーリー的な無理矢理感は、どっちかっつーと、さらに上乗せされた感じで、これは言わば一種のファンタジー宣言、「おいオマエ、そんな無茶してなんで無事やねん」とかいう野暮は抜きで、とりあえずこの非現実の圧倒的世界を楽しんでチョ、という作品になっております。いやあ、ほんとに映像はリアルで怖いんだ。中でも怖かったのが、廃墟内に触手がニョロニョロ入ってくるシーン。実はこの日、映画館に行く前、鼻の調子が悪かったので耳鼻科に行ったのね、そしたら、ファイバースコープみたいなのを鼻の奥まで突っ込まれて。それ思い出しちゃったね。おそろしや。それは映画と関係ないか。ま、それはともかく、例の赤い植物などの原作に忠実な点に加え、終盤にも戦闘シーンを軽く付け加えるサービス、はたまた、トライポッドから異星人の手がニョッキリ伸びてくるのは、1953年版を引用してみせてくれるサービスですかね? あるいは前半で、倒壊する高速道路からトレーラーが転落するのは『大地震』からの引用サービス?(←これはさすがにパクリっぽいけど。とほほ)。というわけで、なかなか楽しかったですよ。しかしさらにミョーに印象に残ったのが実は、冒頭とラストシーンの光がにじむように満ち溢れた、いわばなんでもない光景でした。異星人の襲来シーンにおける、トライポッドの人工的な光のもつ強烈な現実感に比較し、「日常的光景」の方が幻想的に描かれ、奇妙に現実感を喪失しているのが、印象的でした。[映画館(字幕)] 8点(2005-11-21 22:43:03)(良:2票)

1113.  男はつらいよ 柴又慕情 《ネタバレ》 帝釈天の門にあるツバメの巣は、今年も空っぽのまま。「片付けようか」と言う御前様に対し、さくらは「もし来年ツバメが帰ってきて巣が無かったら可哀想」。このやりとりが直後の展開を暗示。とらやには「貸間あり」の掛札、絶妙のバッドタイミングで帰って来ちゃった寅さんがこれを目にして一騒動。こういう流れが、たまらなく可笑しいところでもあり、またホロリとくるところです。2代目おいちゃん・松村達雄も、ちょっと高めの声でまくし立て、喧嘩っ早くて涙脆そうな下町人情オヤジでなかなかの好演。そういえばとらやにナゼか突然ペプシの自販機が登場・・・これはペプシの売り込み戦略か(これは目立ちすぎてやや不自然かも)。さて、またフラリと旅に出た寅さん、旅先で女性3人組と出会うが、そのうちのひとりが吉永小百合ってんだからタマラナイ。しかも、こういう3人組って、一番の美人が、一番婚期が遅かったりするのよね。で、寅さん、御前様の持ちネタ「バタ~」なども駆使しながら彼女たちと打ち解けるうち、水が高きより低きに流れるごとく、吉永小百合演じる歌子さんにメロメロになっていっちゃう。こりゃもうしょうがないよね。でも、この後失恋するとなると、この落差はでかいぞ~。というわけで、なかなかに残酷なシチュエーションの本作ですが、ラスト、結婚後の歌子さんが近況を語る場面で、一瞬写る歌子さんの旦那が、これが実にブ男(←失礼)。ああ、これだったら、タイミングさえよければ寅さんにもチャンスはあったのだなあ、とホッとするやら、ねたましいやら。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 17:45:20)(良:1票)

1114.  告白(1970) チェコで実際に起こった事件(スランスキー事件)に基づいているそうですが、過去の一事件の告発に終わらない、もっと普遍的な「恐怖」が、ここでは描かれているように思えます。映画は、背景のあまり多くを説明することなく、いきなり主人公が逮捕されるところから始まり、「これでもか」と過酷な取り調べが続きます。あまりにも息苦しい展開。主人公の弁明は実にクリア、彼が無実であることは、我々の目には間違いない。しかし、「彼の問われている罪」には取り調べ側の恣意性が次第に色濃くなり、「事実」を上回るクリアさを帯びてくる。主人公の転落への道はのっぴきならないものとなり、そして・・・。このシステマティックに仕組まれた逃げ場の無い絶望感、いかにもナチス・ドイツに相似しているが、それにとどまらず、見知らぬ人間同士が集まって「社会」を形成し、互いを束縛し、大きさの決まったパイの取り合いを始めるとき、多かれ少なかれ、このような絶望感への下地が根底に築かれているのでしょう。もともと「自由」とは「束縛」の海に浮かぶ小島に過ぎないのかもしれない。その不自由な海の中で、いかに流れに逆らわず、「障害」となるものがあればいかにして効率的に抹殺するか。流れから一度外れてしまえば(必ず誰かがその貧乏籤を引くのだが)、あとはもう、絶望の泥沼に溺死させられるしかない。イヴ・モンタンが身を呈して演じて見せた主人公の転落の姿は、ひとつの究極ではありますが、普遍的な、一種運命的な「恐怖」さえ伴うものであります。さて一方、主人公が目隠しをされた異様な姿など、いかにスタイリッシュであることか。↓まぶぜたろう様の指摘はあまりにも鋭い(感服!)。政治的屈服の背景にあるものは、広い意味での「エロティシズム」と言えるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 12:29:44)(良:1票)

1115.  アミスタッド 人種問題を取り上げている時点で、どうしてもイデオロギー臭い映画に思われ勝ちですが、決してそんな一筋縄でいくような映画ではありません。怖さと美しさが同居した映像こそがこの映画のキモと言えるのではないでしょうか。囚われのアフリカ人たちが船上から錘をつけられ「処分」されるシーンのおそろしさ。「悲惨」とか「可哀想」ではなく、これは紛れも無く「恐怖」の映像。映画はしばしば、敢えて「見せない」ことで「想像に訴える」恐怖を演出するが、だからこそ、時にはこのような「想像を越える」恐怖を敢えて「見せる」ことが、驚くべき効果をもたらします。その一方では、例えば裁判のシーンでは、室内に柔らかい光が立ち込めて、むしろ穏やかな美しさにあふれています。この対比こそが、本作の持つ本当のパワーと言えるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-24 23:24:32)(良:1票)

1116.  妻よ薔薇のやうに 「いい映画ね、よくわかんないけど。」という映画。→「おまえはこういう方面はだめなのね」(笑)。 カットとカットの繋がりが、直線的なスムーズな繋がりではなく、斜めに斜めに入ってくるような・・・なんだこりゃ一種のキュビズムか?と言いたくなっちゃう、静的な中のミョーな躍動感。主人公を通して奏される、前半の「母」の主題と、後半の「父」の主題の対比、そしてそのふたつが無理矢理重ねられる二重フーガの末に、まるで解決しないことによって解決したようなラストが、心に残ります。さて勝負は判定に持ち込まれた。勝敗の行方はいかに!?[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-19 23:01:54)

1117.  サボタージュ(1936) 一見エスピオナージュですが、ストーリーの中心はズバリ、「はじめてのおつかい」! 寄り道しないでちゃんとおつかいできるかな~。何しろ今回のおつかいは○○○○のお届け、寄り道なんかしていたら・・・。というハラハラドキドキ(?)な展開を、点描法のような細かい映像の積み重ね、コンパクトに折りたたんだような構成で、サクサクッと歯切れ良く見せてくれます。時に大胆すぎて「え?」と思うこともありますが、それもご愛嬌。俳句でも秀句と言われるものは、五・七・五という限られたパーツを用いて、直線的に「語る」のではなく、その3つの「線分」によって描く三角形、それによってに思わぬ広がりを「見せる」、という、切り詰められているが故の、限界の美学、とでも言うものを感じさせますが・・・本作の場合、そこまで極端ではないまでも、何かそれに近いものを感じさせ、切り詰めることへ挑戦がここには確かにあります。そういう、才気あふれる作品だと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-07 00:17:34)

1118.  眠狂四郎 無頼剣 いやはや、実にハードボイルドなる一本。「断っておくがワシはマトモな人間ではない」とのたまう狂四郎様。なーにをおっしゃるんですか、シリーズ他作品に比べりゃ相当マトモでっせ。何しろ、全然スケベじゃない。まさか別人、このヒト本当に大塩格之助だったりして、ウヒョヒョ。←というわけで、狂四郎の人違いに始まり、裏には裏のある、なかなかに奥の深いストーリーが、紙芝居のごとき場面転換、モンタージュ風のカット挿入によって、実に小気味よく進められていきます。一方、じっくり見せるところはじっくりと。この緩急の心地よさ、まさに快作と言ってよいでしょう。さて今回の敵は、天知茂演じるところの明智小五郎、じゃなかった、ニヒルなテロリスト・愛染。ちなみにワタシの知り合いで、「眠狂四郎シリーズってたしか、敵役は毎回、天知茂が演じてたんじゃなかったっけ?」などというワケの解らない勘違いをしている人がおりました。こんな勘違いが生じるくらいだから、まさに本作の天知茂はシリーズ屈指の印象深い敵役と言ってよい、のかどうか(???)。円月vs円月という、何かヘンテコな儀式のようなクライマックスに続く、どこか悲しさと虚しさが漂うラスト、脱帽であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-28 23:41:13)(良:2票)

1119.  奇人たちの晩餐会 私も、これ見ながら、「こりゃまるで松竹新喜劇だなあ」と思いました。このシーンではきっと客席から笑いの渦が起こるんだろう、とか、このセリフのあとでは観客から拍手が起こるんだろう、とか。→ 一度でいいから、松竹新喜劇をフランスで映画化して欲しい!(吉本新喜劇は多分映画化不可能・・・なのでこれはハリウッドに任せることにする)。[地上波(字幕)] 8点(2005-09-27 22:18:34)

1120.  脱走山脈 第2次大戦下、象の飼育を任されたイギリス人捕虜ブルックスが、ひょんなことから、象と共にスイスへの脱出を図るという、ユーモアあり、ダイナミックなアクションあり(意外なほどダイナミック!)のサービス満点映画。キャラの設定も絶妙で、トテモ面白いです。しかし、象を助ける一方で、人間はバタバタ死んじゃう。戦争アクションを盛り上げるには多少は死人が出るのはやむを得ないワケで、観る側としてもまあ、正直、こういうハデなアクションを期待してるんですけども・・・。えてして、動物愛護も過激になると「動物を虐待する人間」を攻撃し虐待する行為、になっちゃったりしてるわけで、こういうのは動物愛護の名を借りた「人間狩り」、と言わざるを得ない。この映画はそういうキナ臭いのとは一線を画している、あるいは画そうとしているのですが、やはり、「象を助ける」ことと、「敵と戦うことで死人が出る」こととの間の、なんとなく居心地の悪いバランスの悪さ、というものはどうしても付きまとってきます。で、しょうがないからバランスを補うため、とりあえず主人公ブルックスだけは設定上、一応、厭戦気分を持っておいてもらうことになる。これで一安心。ははは。まあそんなわけで、微妙な問題については各自折り合いをつけていただくことにして、この映画を楽しむことにいたしますと・・・結局、実はこのアンバランスさ(一種の「残酷さ」)こそが絶妙のユーモアの源だった、ということに気づいてしまうのですが。[地上波(吹替)] 8点(2005-09-27 00:02:12)

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