みんなのシネマレビュー |
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1121. 十戒(1956) 人種がヒトを隔てる理不尽さを見せつける、モーゼがエジプトを追われるまでは見応えがありましたが、それ以降は苦痛に耐えての鑑賞でした。やられたらやり返す、正当防衛と言わんばかりに殺してしまう。そんな神さんが起こす奇跡に崇高さは感じられずオカルトチックなご都合主義に萎えました。老若男女、アヒル、羊、牛等の大移動のド迫力の映像とエドワード・G・ロビンソンのお姿を拝めたところに加点。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-04 01:59:23) 1122. エデンの東(1955) 《ネタバレ》 初見。肉親の縁が薄い四人の葛藤が丹念に記されています。価値観を押しつける父と愛してやるから愛し返してと切望するキャルの対峙が哀しい。キャルが悔恨の情を示す父は死の床、兄は死の淵にいる結末が居た堪れない。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-03 17:31:02) 1123. 夜と霧 公開された1955年から未だに似たような事がそこここで行われている。平時にはごく普通の人が上官の命令の下どんな事でもやってのける戦争のおぞましさ。証左となる本作は語り継がれるべき一品です。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-01 17:47:11) 1124. マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 政治家としての功罪は通り一遍の知識しか持ち合わせておらず、本作から新たな発見はありませんでした。一方で「鉄の女」たり得たのはご主人の存在あればこそという事を初めて知りました。喪失感にさいなまれる彼女は観ていて辛かった。メリル・ストリープの役者魂は流石であります。[DVD(字幕)] 7点(2013-10-10 00:08:17) 1125. ビルマの竪琴(1956) 水島上等兵の決意の基となる屍の山に対して牧歌的に過ぎる収容所。悲惨さが胸に迫って来ませんでした。若き三國連太郎の瑞々しさに惚れ惚れしました。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-06 01:08:48)(良:1票) 1126. 処女の泉 《ネタバレ》 信仰心厚いテーレは常々一家を悪の手よりお守りくださいと祈ります。最愛の娘が山羊飼い兄弟に受けた仕打ち。丹念に描かれていて思い出すと吐き気がします。厚顔無恥が災いしてテーレにばれてしまいます。このシーンも丹念に描かれていて母の絶望を思い出すと血圧計が振り切れます。テーレは悪に対する復讐を果しますが、無辜の幼い末っ子まで亡き者にしてしまいます。これもまた悪。神に縋っている姿とそれに応えたかのようなラストに少し違和感がありました。インゲリの存在価値が不明だったのが残念でした。[映画館(字幕)] 7点(2013-08-23 22:53:57) 1127. 反撥 人間が壊れてゆく様子がネットリと描き上げられています。遠因すら語らないカトリーヌ・ドヌーヴの面持ち。妄想を示す映像。鐘・電話のベル・呼び鈴・微かな蠅の羽音といった音。これ等が渾然一体となりヒタヒタと纏わりついてくる恐ろしさに逃げ出したいのを堪えながらの鑑賞となりました。 思い返しても寒気がします。[映画館(字幕)] 7点(2013-08-10 11:10:15) 1128. 主婦マリーがしたこと 《ネタバレ》 やりたい放題が過ぎたマリーに何の同情も湧きませんが受けた罰が斬首刑とは理不尽です。亭主の報復が強烈でマリー亡きあと甲斐性無しが子供らを育てる事が出来るのか。後味の悪さが残る作品です。[DVD(字幕)] 7点(2013-04-29 11:33:35) 1129. 白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々 常軌を逸して喚きまくる裁判長が下す判決は予想通りで、この理不尽さはナチスものの定番。本作で特筆すべきはモーア取調官。酷薄さを漂わせながら理詰めで追いつめてゆきながらも、じわじわと追い込まれてゆく葛藤が滲む姿。ゾフィーとの対決は圧巻でした。実話とはいえ、犯行の計画と実行と発覚が全く物足りないのが残念です。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-28 00:37:53)《改行有》 1130. カレンダー・ガールズ 「何時やるの? 今でしょ」というCMが思い浮かんだ、団結した熟女の面々の行動力が眩しく映りました。ハリウッドの件があればこそ、人々の価値観を考えさせてもらえたと思います。当初の目的を遥かに超えた成果に驚き、実話である事に更に驚きました。太極拳の光景は溜息ものの美しさでありました。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 20:04:20) 1131. 過去のない男 登場人物の押し殺した表情から滲み出る喜怒哀楽の感情に味わい深さがありました。特に人生を後ろ向きに進んでおとし前をつけた強盗犯のエピソードが印象深く、作品全体から監督の押し殺した思いも滲み出ていました。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-17 01:23:22) 1132. 4デイズ 《ネタバレ》 犯人から自供を得ないと百万千万が死に至る。辛さから「こんなやり方をするくらいなら吹き飛んだほうがマシ」とのたまうブロディと辛さを呑みこんで「こんなやり方」をしてでも百万千万を守ろうとするH。唾棄すべき人物はどちらか。二人が事あるごとに対立しながら、拷問を加え妻を切り裂き子供を引っ張ってきてようやく自供を引き出す。一件落着かと思いきやここからの展開に驚愕。子供を連れたブロディのナルシスト面に言いようのない憎悪と尻切れトンボな終わり方に唐突さを覚えました。観終わってアメリカ公開版がやり切れないラストシーンをカットした事を知りました。自ら捕まった点を除いてはリアルさが気味悪い作品です。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-02 00:51:22) 1133. 青春群像 《ネタバレ》 顔見るだけで虫唾が走ったファウストのエピソードを軸に口だけはよく動くニート五人組の無聊な日々が綴られています。モラルドと朝3時から働いている少年の別れのシーンに救いを見ました。やはり動かすのは身体なのです。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-01 23:46:39) 1134. 昭和残侠伝 唐獅子牡丹 しっかりしたストーリーを、強欲ながら石工魂が垣間見られる親爺と知性の「ち」の字もないアホ息子ども(特に山本麟一がいい仕事をしています)の悪方陣が盛り上げています。善人役で特筆するのは三田良子。漂う気品に見惚れました。残念だったのは池部良の役どころで、何時もの厭世観が感じられなかった点です。[DVD(邦画)] 7点(2013-01-28 02:23:56) 1135. アンストッパブル(2010) 《ネタバレ》 アリの一穴から大惨事へと。多くの命が失われるであろう惨状が想像出来る列車の凶暴さがひしひしと伝わってきました。めでたいラストですが、見ていてこっぱずかしくなりました。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-24 03:26:24) 1136. ワルキューレ このようなクーデターがあった事を初めて知りました。命そのものを絶とうとする権力闘争の結末に同情心は涌いてきませんでしたが、皆が皆「ヒトラー万歳」ではなかったところに感じ入るものがありました。トム・クルーズの「ハイルヒトラー」と「ドイツ万歳」が強烈でした。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-24 03:08:35) 1137. わが青春に悔なし 「自由の裏には苦しい犠牲と責任がある事を忘れちゃいかん」「顧みて悔いのない生活を」父と野毛の教え通りに、陰惨な迫害の中で一心に働く原節子の姿は、お嬢様時代の高慢さとのギャップと相まって圧巻でした。大河内演ずる慈愛滲む父親も忘れ難い存在でした。[DVD(邦画)] 7点(2012-12-19 22:36:39) 1138. スリーデイズ 試行錯誤の末決行した脱獄の成否、妻が罪を犯したか否か。相乗効果で見応えのある作品でした。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-19 22:03:30) 1139. ジャガーノート 《ネタバレ》 曇天の荒海へ降下の際の臨場感、爆弾解体の緊迫感は特筆ものの素晴らしさ。一方、登場人物の掘り下げの浅さに比例した物語の深みのなさが残念。数ある突っ込みどころで目を瞑れないのがクライマックスの切断シーン。あれが判断違いであれば部下達も揃って吹き飛ぶことになります。余談ながら「マクレオド警視は誰かに似ている、誰に?」の答えを知り「若いっ、ふさふさしてる」仰天しています。[DVD(字幕)] 7点(2012-10-07 23:28:24) 1140. ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 我が子をペット扱いする母の言動。絶望と寂しさを感じまいとロボットと化したハロルド。破天荒なモードによって生気が蘇ってゆく過程を半ば呆れながら観ていましたが、彼女の腕に彫られた数字にハッとさせられました。単なる変人ではなかったのです。彼女の幕引きの仕方に考えさせられました。[DVD(字幕)] 7点(2012-09-30 18:57:21)
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