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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1161.  神に選ばれし無敵の男 とりあえず、ヘルツォークの新しい作品が観られる、という事に関してだけでも感謝しちゃう(何となくだけど)。どうせ、いわゆる「出来のいい」映画なんて期待してないし、もうお好きにしてチョーダイ、お好きに観ますから、ってな感じ。しかしヘルツォーク作品という事を意識し過ぎると、やや肩すかしかも。本作では「人間と自然の対立」という構図は希薄ですからね。確かに、主人公の筋肉ムキムキ男(実にエエ体しとるのう)の朴訥とした姿からは、何か「続 カスパー・ハウザーの謎」と呼びたくなる雰囲気も無くは無いんですけどね。如何せん、ユダヤ人という背景を持った彼、もはや、カスパーのごとき完全な自然児ではあり得ない。そうであるにはあまりにも背負うものが大き過ぎるから。冒頭、主人公と弟は村人にからかわれ、排斥される。が、カスパーとの違いは、彼の持つ怪力によって人々の中に溶け込んでいく点(ところで、この朴訥とした兄と理知的な弟の関係、これはバカボンとハジメちゃんの関係をも彷佛とさせます。赤塚不二夫の影響がこんなところにまで及んでいるとは。笑)。しかし結局はナチスとユダヤ、という壁が立ちはだかり、これを彼は超えることができない。両者の間に彷徨うハヌッセンの不思議な存在感。そして皆、歴史の狭間にひっそりと消えていく。この映画のラストはスゴイ。当時の政情の不気味な雲行きを暗示するような、いたたまれぬ程の不安。見事なラストに、ゾクッとしました。ところで本作で聴くベートーベンのピアノ協奏曲第三番、実際よりイイ曲に聴こえますなあ(←コラコラ、何ちゅうことを)。8点(2004-11-06 00:59:25)

1162.  28日後... コレはまあ、何に似ているかというと、やっぱし『バイオ・インフェルノ』ですね。病気に感染したらゾンビーみたいになっちゃうっつーあたり。本作は、ゾンビーそのものでは無いとは言え、ゾンビー指数はかなり高く、ゾンビー好きには格好の贈り物、ゾンビーポイント加算で高得点間違いなし。一方、映画の流れとしては、近未来を舞台としたロードムービー風。ちょいと『ラスト・カーチェイス』なども思い起こさせます(変な映画ばかり例に挙げてスミマセン)。無人と化したロンドンの街、この終末感溢れる幻想的な映像はまさに圧倒的で、強烈なインパクトを持ち、強固な映画の軸となっています。そしてそこに絡みつく、意表をついたストーリー展開。例えば---感染者に追いかけられて階段を駆け上がると、そこに待ち受ける機動隊員風の謎の人物---うぉー何だ何だこの先どうなるんだあ、と思わずにはいられない、意表のつき方。後ろからは俊足のゾンビーが追いかけてくるし、前には得体の知れぬ展開が待ち構えているしで、映画の推進力には事欠きません。しかしですね、この映画。音楽の使い方ばかりはどうも納得いきませぬ。グノー「アヴェ・マリア」やフォーレ「レクイエム」の「In Paradisum」の挿入の何ともハンパなミスマッチぶりが、どうにもこうにもジンマシン。映画のオドロオドロしさとは敢えて対照的な選曲をぶつけてきたのでしょうが、あまりにもベタベタで感傷的、意表を突くには程遠く、むしろ気恥ずかしくなっちゃう(しかし、炎上するマンチェスターを前にして流れるのがIn Paradisum(楽園にて)というのも、スゴイと言えば言えなくもないナ)。ところで、あのオヤジさんの最期、あれがいわゆる「二階から目薬」というやつでしょうか?(←違います)。8点(2004-10-31 00:43:08)

1163.  若者のすべて 青春モノを重厚に撮ってみたら、こんなのになっちゃったよ~ん、という映画。重厚である。アラン・ドロンがあまりにもキレイな顔なもんで、ボクサーに見えないのは、気にならなくもないのですが。最初はまあ、「若者のすべて 全部見せます裏のウラ」との邦題の通り(すみません、一部勝手に変えてしまいました)、ある貧しいイタリア南部出身の一家をリアルに描いた作品、といった感じだったのですが、だんだんエライ展開に。凄まじいまでの愛憎劇が繰り広げられていきます。ボクシングの試合と、殺人の光景が、同時並行で描かれるシーンは圧巻。そして最後に残る徒労感。これもまたひとつの映画のコワさ、でしょう。8点(2004-09-12 01:02:22)

1164.  ラスト サムライ 当初から「アメリカ先住民モノの映画の設定を日本に置き換えただけ」という批判はよく耳にしました。私が同じ事書いてもしょうがないので、違う事書きましょう。この映画は「逆・戦国自衛隊」です。前近代的な武器しか持たぬ武士達が、近代兵器と圧倒的兵力を有する官軍に戦いを挑む、この「戦国自衛隊」以上に絶望的なる悲壮感! この映画をただ「武士道」の映画とだけ捉えては、多くの矛盾点、考証の甘さばかりが目に付いて辟易するでしょう(そう捉えられて当然だし批判受けて当然、なんですけどね~確かに)。しかし、ここで描かれている悲壮感はもっと普遍的なもの。そう、ジョン・ウェインが描いた『アラモ』の攻防にもつながるもの(この映画も評判悪いんですけどね、トホホ・・・でも私は好きですよ、情熱が漲っているんだもの)。やはり感動をおぼえずにはいられませんでした。それに日本人である私がこの映画を一段上から見下して「米国人は武士道をわかっとらん!」などと言うのも何だか気が引けて。じゃあ私は、今の日本人は、武士道を理解しているのか?今の日本映画の何割に、本作よりマシな「日本」が描かれているのか?自信ないでしゅ~。本作に映し出された圓教寺の荘重さ、ここをロケ地に選びカメラに収めただけでも大したセンスだと思います。トム・クルーズの殺陣も充分見ごたえあるし(明日からチャンバラトリオにも入れますよ)、真田広之の存在感も忘れられない。彼の長身ではないが重心の定まった姿、そして立ち居振る舞いは、まさに「武士らしさ」を体現しており、存在自体が映画に張り詰めた空気をもたらしています。そして何と言っても「ボブ」役には、日本一の斬られ役、福本清三氏。氏の起用こそが(製作者の意図はともかく)結果的に、日本の時代劇への強烈なオマージュになっていると言えましょう。そう、ラストサムライとは、彼のことだ! さて、観てて少し気になった点、それはカメラのズームの多さ。日本家屋での撮影では多くなるのも当然かもしれないが、戦闘シーンも白兵戦の中にカメラが入り、とにかく被写体がカメラに近い。ロング・ショットがたまにしか入らず、うぉー、もっとロングで見せてくれ~って思っちゃう。でも多分、この「もっと観たい」と思わせてくれる事が、重要なんですね。観たいものを観たいだけ見せてくれるのが、幸せとは限らないのだから。ところで、あの「大村」って・・・大村益次郎?8点(2004-09-04 23:36:03)(良:1票)

1165.  さらば愛しき女よ 先日のBS2の放送でようやく観る事ができました。フィリップ・マーロウって、原作では「一人称」なもんで、マーロウ自身の風貌のイメージが掴みにくいんですよね。いやあ、まさかこんなタレ目のオヤジだったとは。いやでもロバート・ミッチャム、これはこれでよいかもしれない。観ててちょっと気になったのが、マーロウの心の声を、独白としてナレーション風に入れちゃってる事。このせいで、なんだかマーロウがやたら饒舌なオジサンに感じられちゃう。でも酔いどれのごとき表情のR・ミッチャムなら、むしろ違和感がナイ! と言う訳で、本作が原作の雰囲気に忠実かというと、ちょっと疑問にも思えるのですが、決してそれば悪いものではなく、逆に言えば、原作と映画がそれぞれに楽しめる、とも申せましょう。原作との違いと言えば、そうそう、アムサーって女性だったのか~! いや、そんな事はどうでもよくて。映画化にあたっては、単純化するところは単純化し、盛り上げるところは原作以上に盛り上げ(特に後半、思い切ったアレンジですな)、それでいて、原作のセリフをしっかり映画の中にちりばめてみたりするサービスもあってニヤリ。「アン・リアードン」という重要キャラをばっさり切って、「トミー・レイ」なる人物のエピソードを軸のひとつに設定することで、よりハードボイルド色が強められています。上手いです。長い映画ではありませんが見ごたえありますね。あと、脇役出演のスタローン若き日の姿も要チェック。8点(2004-08-28 00:34:44)(良:2票)

1166.  シベールの日曜日 《ネタバレ》 「男はみんな幾つになっても少年の心を持ってるものさ」な~んて言いがちですけど、実際はなかなか、そうはいかないもんでして。この「フランソワーズ」くらいの年頃の女の子って、何考えてるか判んなくって、接するのに一番戸惑うんですよね(もう少し上なら・・・おっと、話が大幅に脱線するとこだった、危ない危ない)。自分も同年代だった頃には、確かに戸惑いは無かったハズなのに、いつの間にやら、こんな変態オヤジに成長してしまったわけでして(トホホ)。でも、少年の心は失っても幼児の心なら残ってるぜ、えへん。え~と、何の話だっけ。そうそう、つまりですね、この映画を観る時、どの登場人物に肩入れして観るかによって、かなり印象が変わってくると思うのですが、我々男性の場合(私だけだったりして)、どうしても、ピエールの視点を通して、ピエールと共に少女の謎めいた表情にドギマギせざるを得ない。しかしピエールは、次第に彼女の心に接近していく。そうそう、↓DADA様の書かれている、水面に映った風景が波紋でゆらめくシーン、不思議な程ドキリとさせられた光景で、あの瞬間、モノクロながら何か映画の色合いが変化したような印象すら受けました。こういうシーンの挿入が、ピエールの変化を象徴し、そこに説得力を持たせているように感じます。で、ピエールは彼女に接近していきますが、映画を観ている私にとっては、彼女は相変わらず謎めいた存在。ここに不思議な心の冒険がある。だがしかし。ピエールには社会人としての一面もある以上、板ばさみにならざるを得ない。そしてついに悲劇は起こる。そうそう、この映画、ここが問題。周囲に理解が無い点までは良いが、「ピエールが少女を殺す」ことまで「予想」するのはさすがに突飛で、ラストの悲劇に向けて、展開が段取り良すぎる気がしちゃいます。ま、でも興ざめする程のもんではない。むしろ、クライマックスにスピード感と緊迫感が加わって、映画の衝撃度を高めていると言えましょう。8点(2004-08-12 02:08:12)

1167.  ブレイブハート メル・ギブソン、監督・製作・主演で大活躍の巻。と言いたいところだが、登場したメル・ギブソンを見ると、「トシ食いすぎてる!!」。どうみてもオッサンだ、何歳の役のつもりなの?奥さんと釣合いがとれませーん。主演は他の人に任せた方がよかったのでは?と言いたいところだが(←しつこい)、いやどうして、いざ戦いとなると、まだまだ元気、壮絶合戦シーンも見事にこなしてます。演出の方も、過去の色んな映画を彷彿とさせるシーンがあり、おそらくメル・ギブソンという人のあらゆる映画体験、映画鑑賞の集大成となっているのでしょう。例えばラスト、民衆から突如沸き起こる「ロッキー」コールは、明らかに『ロッキー4』の影響が濃厚(←そんなバカな)。そういやあの顔半分のペインティングも『バットマン・フォーエヴァー』のトゥー・フェイスを参考にしたのかも(←絶対違います)。そんなヨタ話はさておき、やはりあの大規模な合戦シーンのスゴさは、「スペクタクル映画」という言葉で呼ばれていたかつての大作を思わせる部分もあって見ごたえアリ。でもね、模倣にとどまらないのが本作、残酷描写を(『キル・ビル』よりもずっと前に)フンダンに取り入れ、圧倒的インパクトを残します。まあ、同じような戦闘シーンが続いちゃうのは、ちょっと難点ですけどね、でも大丈夫、映画は3時間もあるから、多少しつこくても映画的バランスで言うと融通はきいちゃう(笑)。で戦闘を堪能した後、話は思わぬ展開、そして衝撃と感動のラストへ。多かれ少なかれ「近頃のアリガチな大作」っぽさがあるのも確かなんでしょうけど、本作はそれだけにとどまらないパワーがあり、まさに、メル・ギブソンの「情熱(パッション)」を感じずにはいられない作品です。8点(2004-08-11 00:47:39)

1168.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 悲しいかな、ワタシ、こういうの好きなんですよ(笑)。まあ、イマドキの大作っぽい「技術」過剰のカメラワーク、何とも含蓄が薄弱ですけども、まあ、これだけ徹底してテンポよくやってくれると、逆に、たまにちょっとしたヒネリが入るとまるで変拍子のような味わいが。ジャック・スパロウという曲者の存在が、一見ありきたりで無難な展開に程よく「水を差す」んですよね。さらに楽しいのは、海賊のガイコツ軍団。そう、白状しよう、ガイコツ軍団とのチャンバラ見せられた日にゃあ、もうその映画にゃ逆らえないんだよっ。ちなみにですね、この映画、公開時には、会社の嘱託のジイサン(結構ウルサガタ)も、ニヤニヤしながら「意外にオモロかったなあ」と褒めてたので、昔からの特撮映画ファンには、ちょっと受けがよかったりして? ところでこの映画、『ターミネーター3』と続けて見るとちょっと面白いかも?「お、この海賊も取れかけの首を自分で直してるぞ、何だ、ターミネーターだけじゃなくて誰でもできるのか?」「おいおい、お前、そんな自殺の真似したって、ターミネーターにかかれば、自殺の確率の低さを指摘されちゃうぞ」とか、何かとツッコミを入れられます。ま、どうでもいいハナシですけど。8点(2004-08-09 02:09:28)

1169.  かくも長き不在 映画によって、戦争を描くとき、さらにはその非人間性を描こうというとき、果たして、このような「幻想的」なアプローチをしてみようと、普通、思うでしょうか? しかも、まさかこのアプローチがこれほどの効果を上げるとは? 一人の女と、記憶喪失の旦那(とよく似た男)のやりとりが、時にはセリフを抑え、回りくどいほどじっくりと描かれ、気だるいような弦楽の響きの音楽ともあいまって、幻想的な雰囲気を醸し出しています。もちろんこの幻想性を根底で支えているのが、「男は夫なのか、他人の空似なのか」という謎(ミステリー)。そう、「戦争」への対比として「日常」を持ち出すのではなく、この映画では全編が、戦争とは別の一種不安定な「非日常」で貫かれてます。そしてクライマックス、その「非日常」が突然断ち切られ、裏返される、この衝撃。その先にあるのは結局、絶望的な「日常」なのか? ラスト、主人公がまだ何か言いたそうにしてるのにプツンと終わっちゃいましたね(笑)。なんだか、これ以上見せるに忍びないと言わんばかりの終わり方で、印象的でした。8点(2004-08-01 01:12:51)(良:1票)

1170.  忠臣蔵(1958) 3時間近い長尺ですが、飽きるなんてとんでもない、これでもコンパクトで喰い足りない印象。何しろ相手は忠臣蔵ですからね、日本人の心のルーツですよ、これは。なんちゅうても、タッキーこと滝沢修の演じる吉良コーズケノスケの超イジワルぶり。「この田舎大名が!」う~む、誰もが子供の頃、一度はこんな奴にイジメられた経験あるのでは?(え?社会人になってからも?)。まさにこれぞ心のルーツである所以。この吉良役の憎々しさは、ドリフのコントで志村けんが演じた吉良に間違いなく匹敵します。一方、浅野内匠頭を演じるのは・・・がーん。雷蔵だ。この気丈さと薄幸ぶりは実にハマってますが、殺陣が見られないのが残念!「殿中でござる」シーンでホンの少し見られるけどね。まあ、でももし雷蔵が吉良役だったら? これじゃ、四十七士が乗り込んできたって、円月殺法でイチコロ、返り討ちにしちゃうのは目に見えてる。これでは忠臣蔵にならない。よってまあ妥当なキャスティングと言えましょう。その後の展開はもう、聞くも涙、語るも涙。そして待ちに待った討ち入りへ。全体的に、適度にチャンバラを散りばめているものの、殺陣に破天荒さがなくおとなしい感じは否めない、しかし勿論これはこれでよいのだ(←強引だなあ)。そして意外に爽やかなラスト、誰もが、日本人に生まれてよかったと思う瞬間ではなかろうか。8点(2004-08-01 00:41:20)(良:1票)

1171.  ハンテッド(2003) まああんまり関係ないんですが、見てて『フォーリング・ダウン』を思い出してしまいました。どちらの映画もおそらく企画段階では、「こりゃあきっと斬新な映画が出来るゾ」と思ってたのに、作り始めたら案の定迷走してしまった、かのような・・・。しかし私には何かコタエられない味わいを感じさせるタイプのイビツさ。結構好きですよ。演出自体は、静と動、緩と急の対比をうまく織り交ぜ、ひきつけられます。内容的には、戦場の狂気がそのまま、ほとんど「何気なく」アメリカ国内に持ち込まれる。うん、コンセプト的には『プレデター2』に近いとも言えようか。言えないね。すみません。その狂気は、ベニチオ・デル・トロのイッちゃった目つきで、嫌というほど感じさせられる。しかしその背景に隠されているのは、単なる一個人の精神の失調ではなく、国家に叩き込まれた、システマティックな殺人術。人類の歴史は、まさに一瞬たりとも、戦争・殺戮と切り離されることはなく、それは今でも当たり前のように続いている。今後も間違いなく続くのだろう。その絶望的で深刻な問題には、答えが与えられる事は決して無い。そう、ここでも結局ジーサンとの一騎打ちとしてひとまずケリがつけられなければならないという、この皮肉。ヤな話ですね。ところでベニチオ、焚き火のトロ火で刃物鍛えてましたね。こんなことできるんですかね、と一瞬思ったのですが、やっぱりあの目にニラまれたら逆らえませんね。きっとできるんでしょうね。8点(2004-07-25 00:00:00)(良:1票)

1172.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 これは面白かったあ。前2作、特に第1作が。何となく映画としてまとめるのに四苦八苦してる感じが拭えなかったのですが、この第3作、何だか吹っ切れたかのよう。まず映画の構成、第1作でのギクシャクした感じは姿を消し、映画らしい緊張感に貫かれています。原作読んだ人からは、だいぶ端折り過ぎだという話を聞かされたんですが、まあワタシは原作読んでませんし、特に気になる点はなかったですね。っつうか、前2作みたいに詰め込みすぎてギクシャクしてない分、好感が持てました(もし今後原作読んだら180度意見が変わったりして。笑)。さて一方、目が離せないのが、全編にみなぎるイマジネーション。最近の特撮映画ではどんなシーンでも撮影できてしまう「その故に」逆に何だかどれもこれも同じように見えてしまったりするのですが、本作の映像へのコダワリは、そういった「最近みんながやってるコダワリ」にとどまらず、さらに一味も二味も味付けを加え、ワクワクするような映像を見せてくれます。イマジネーションの勝利。しかしふと考えると、「姿を消すマント」とか「ヒッポグリフ」とか・・・おお、これって『シンドバッド黄金の航海』ではないか(こちらはヒッポグリフではなくグリフィンでしたが)、な~んてことをふと思ってしまい、ニヤニヤしてしまいます。さらにはハリーが眼鏡を落として手探りで探すシーン、あれはまさに横山やっさんの名ギャグ「メガネ、メガネ」へのオマージュでありましょう(?)。まあ、そんな感じで、背景になにか、懐かしいものを含みつつも、あくまで映像は新鮮さがあふれています。見ごたえ十分。面白かったです。8点(2004-07-24 23:29:00)

1173.  インテルビスタ これはオモロイ!極めて上質のバカ映画と言えましょう。撮影所を舞台にしているので、「映画の撮影の裏側全部見せます」風の映画と思いきや、さにあらず。というのも、撮影風景は出てくるものの、「何を撮っているのか」「どのように映画として仕上げられるのか」に関しては、全然語られない。いわば、映画のオモテもウラもみんなひっくるめてゴチャマゼにした闇鍋風。めくるめく楽しい世界。しかしまあ、映画作家が「映画そのもの」を題材にする、いわば「自分の土俵で相撲をとる」というのは、何となく抵抗を感じないでもないんですけどね、あくまで映画作家=表現者、であるならば。ちょっと自己完結すぎて、映画関係者と映画好きだけが楽しめればOK、みたいな感じが無くも無く。たとえば小説家が、小説家を主人公にして「小説書くのがいかに大変か」という題材の小説書いたとしたら、それって何だか、手段と目的が過度にもたれ合いを起こしているような気がします。それと同じ。やっぱりもっと直接人生に斬りこんで来る普遍的なものであって欲しい。とかなんとかいいつつ、やっぱりこういう映画もたまにはいいですね。それにしても、アニタ・エクバーグ、なんだかジャバ・ザ・ハットみたいになっちゃったね。8点(2004-07-17 00:53:03)(笑:1票)

1174.  SF/ボディ・スナッチャー 冒頭、不気味な音楽に続いて聞こえて来る金属音、音楽の一部と思ったら実はブランコの音。こんな感じで、映画全編にわたり、効果音が音楽の一部になり、音楽が効果音の一部になるという、味のある演出。音楽担当はゼンゼン知らん人だけど。さて本作、56年のドン・シーゲル版よりもオカルトチックな感じを強め、後半はほとんどゾンビもののようなノリ。人面犬までゲスト出演。すばらしい。いささか演出過剰な部分もあり、気品には欠けるが、舞台が都会になった分、スケールアップ。シーゲル版よりもさらに一歩、私の好きな(禁断の)領域に近づいたと言えましょう。8点(2004-07-04 14:55:56)

1175.  マトリックス リローデッド 空想科学映画ってのが有りますが、本作はさしずめ「妄想科学映画」。前作でアイデア出尽くしたらしく、もうほとんどタワゴトばかりの世界、あまり説明もないまま色んな設定が続出。もう勝手にしてチョーダイ。しかし映像の方は激しくぶっ飛びまくり、幾ら特殊効果の技術が進んだとは言え、目を疑うばかりです。要するにですね、わたしゃこういうの目当てに映画観てるんですよお。だから満足です。カーチェイスなんて歓声をあげたくなっちゃう程のハチャメチャさ。まあ、いささかセリフ過剰の説明臭さが映画の流れを損ない、アクションシーンとの絡みがチグハグになるという、極めて陥り易い症状が、明らかに現れていますが、ま、アクションが予想を上回るゴーカイさだったので(1作目の時にコレを期待してたんだ!)良しとしますかね。ところで、前半の変な踊りのシーンは、要りません。8点(2004-07-03 23:19:02)

1176.  マトリックス こりゃまあ、どうしたって、「予告編で盛り上がったこの気分、どうしてくれるのか」と言いたくなるような肩すかしは感じざるを得ない訳で、いざ観ると「え?もっとスゴイ映像を期待してたのに??」と思っちゃう。でもそれは、あまりにもバカ映画魂にフィットし過ぎた映像を事前に見せられ、期待が膨らみ過ぎたから。やっぱりここは「よくぞやってくれた」と言っておきたい。ストーリーも「バーチャルリアリティーもの」と言ってしまえば何だかありきたりだけど・・・それを「オチ」として使っちゃあ確かにありきたりだけど、ここまで正面からバーチャルリアリティー世界を描いたのは大したもの。見た目に貧相なエージェント・スミスが「強敵」という白々しさもナイス。ウソっぽいアクションシーンや、スピード感を損なうスローないしブレットタイム撮影、この辺が本作の微妙なところでもあるのだけど、別にいいじゃない、作品のひとつのカラーとして受け止めたい。それに、何だか大味なだけの映画のように言われがちだけど、なかなか小技も効いていて、例えばマトリックスを象徴する、緑の文字が上から下へ流れていくあのイメージが、映画前半で「窓掃除の流れる洗剤」「滝のように流れる豪雨」といった映像で予告されている、というイタズラも。よくも悪くも映画のひとつの限界に挑んだ映画だと思います。過去の表現方法を流用した当たり障りのない「良い映画」を作るくらいなら、本作みたいなバカをとことんやって欲しい。その方向が間違ってりゃ淘汰されるだけだし、またそれが次の表現方法を生むエネルギーになろうと言うもの。8点(2004-07-03 22:59:01)(良:1票)

1177.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 1作目と2作目を年代順に並べ直した「ゴッドファーザー・サガ」とやらを先に観てしまい、「サガ」-「1作目」=「PART II」かと勘違いしたのが失敗。う~ん何のために2作目なんか撮ったんだろう、という疑問は、後にちゃんと2作目を観た際にようやく氷解しました。このPART IIの魅力は過去と現在の対比あるわけで、「サガ」でPART IIを語る事はできません(「サガ」は別角度から楽しむためのもの)。さて、コルレオーネ・ファミリーの「政権交代」を大河の流れのごとく重厚に(しかし時にセンセーショナルに)描いた前作とは一変、いわば「上流」と「下流」を対比させる新たな語り口を提供したのが、本作の成功したポイントでしょう。2本同じ映画作ったってしょうがないですからね。その分、ストーリーの動きが抑え気味なのが、本作の特徴と言えば特徴、限界と言えば限界とも言えましょうか。改めて振り返ると、人がジャンジャン死んだ1作目に比べると、こちらは皆、死にそうで死なない地味な展開(笑)。若きヴィトーの時代にたまらないノスタルジーを感じます。そして映画の最後の方は、本シリーズからの別れ、コルレオーネ家からの別れを惜しむかのように、まったりじっくり描かれます。そしてあっけなくケリがつけられる。この余韻。本作を観る限り、間違ってもPART IIIが製作されることは無いでありましょう(ハッハッハ)。8点(2004-07-03 17:50:53)

1178.  原子怪獣現わる ゴジラの元ネタ映画としても有名なこの映画。まさにレイ・ハリーハウゼンここに在り、といった感があります。低予算映画の負い目を感じさせない、全編に脈動するイマジネーション。ハリーハウゼンのイニシャルRHを名前にもらった「リドサウルス」、それはまさに怪獣の代名詞。その後のSF映画にどれほどの影響を与えた事か。戒厳令、なんてあたりはちょいと時代を感じさせますが、ラストのジェットコースターのシーン、迫力と哀愁をあわせもつこのシーンこそ、怪獣映画の魅力を世界に知らしめた不朽の名シーンと申せましょう。褒めすぎたか?8点(2004-07-02 22:40:44)

1179.  ファンダンゴ これ、アンブリンの映画ではありますが、何だか自主制作映画っぽい雰囲気。いかにも「金はなくとも工夫とアイデアさえあればOK!」みたいなノリで、カメラにやたら才気がみなぎってます、が、おそらく撮影の設備や技術がそれに追いついていないため、何となく不安定。でまあ、自主制作っぽいと言うと、何となく独りよがりでキザな映画を想像するかもしれませんが(「ゴダールみたいな映画なら自分も作れる」と思っている奴は結構いる)、この映画に関してはそんなことは全然なくって、しっとりした部分もある一方で、ドタバタギャグもたっぷり盛り込んだ痛快な作品になっています(もちろん自主制作映画にはこういう楽しいのも沢山ある)。何と言ってもパラシュート学校のくだり、可笑しいのなんの。またここでの選曲が振るっていて、背景に流れる音楽はなんとショスタコーヴィチの交響曲第8番。あまりにふざけていてかつピッタリな選曲にめまいが。しかも、第3楽章~第4楽章冒頭を(おそらく)そのまま使用しており、むしろ映像の方を音楽に合わせてる!降参です。パラシュートのコーチがまたトンデモないオヤジで(ちょっとマッドマックス2のジャイロ・キャプテンを思い出す)、ゴーカイな空中アクションも見せてくれます。昼間はバカやって、夜のシーンはしんみりと。これは素敵な映画だと思います。8点(2004-06-26 03:10:46)

1180.  どら平太 お蔵入りになっていた「四騎の会」共同脚本作品がついに日の目を見る!というわけなんでしょうが、市川崑監督はまるで「あくまでこれはオレの映画だ!」と言わんばかり、まるで犬がションベンで電柱にマーキングしていくがごとく、遠慮会釈なく市川色に染めて行っております。時に艶っぽく、時にバカっぽいこの映像は、誰が何と言おうと市川映画。鶴太郎の役どころも何だか、今にも手をポンと打って「ヨシわかった!」なんて(加藤武の代わりに)叫び出しそうではないですか。さて一方、主人公のどら平太を演じるは役所広司・・・この配役は難しいですねえ。役所さんがやるとどうしても「ホントはきっとマジメな人なんだろう」みたいに思えてきて、あまり意外性がない。ま、でも楽しく観られたので、OKです。ただ、殺陣はちゃんとやって欲しかったなあ(スローなんか使ってカッコつけたのはちょっとガッカリ)。8点(2004-06-26 02:07:10)

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