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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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101.  MIA ミア 《ネタバレ》 「ミア、よく聞いて。あなたのお母さんを殺したのは、テロリストのカリド。そして、彼はあなたの実のお父さんでもあるの。こんなことを話したくはないけれど、あなたのお母さんは彼に昔レイプされたの。カリドは、いまや唯一の子供であるあなたの行方を必死になって捜しているわ」――。英国、オックスフォード大学に通う女子大生ミアは、両親と妹と暮らす平凡な女の子。ある夜、そんな彼女の家に武装したテロリストたちが突如として押し入ってくるのだった。瞬く間に両親を殺された彼女は、幼い妹と共に命からがら逃げ出すことに。だが、そんなミアのことを保護したMI6の捜査官から、彼女は驚愕の真実を知らされるのだった……。アフガニスタンのテロリストや英国諜報機関、石油採掘権を巡る大企業たちの国際的な陰謀に巻き込まれた一人の少女“ミア”の親と子の絆を巡る戦いをノンストップで描き出すスパイアクション。とにかく、観終わってすぐの率直な感想を述べさせてもらえば、演出のことごとくが恐ろしく稚拙な映画でしたね、これ。たとえば冒頭、そんな凶悪なテロリストたちがミアの家庭を襲うのですが、前振りも何もなくいきなりドアを蹴破ってくるものだから、観客は完全に置いてけぼり。普通の映画なら、“ミアが家に帰ってくるのを車の中から見守るテロリスト”みたいな画を差し挟むことでサスペンスを盛り上げたりするのだけど、本作のスタッフたちはそんな映画作りの基本をまるで分かってないみたいです。その後も、ミアの隠れ家にテロ集団が進入してくるシーンでも、ベランダに隠れた彼女を一切捜さずに「どうやら彼女は居ないらしい」って勝手に判断してリビングでくつろいじゃって、案の定、ミアに反撃されるって…。このテロリスト、普通にアホっしょ(笑)。他にも、自分を保護する傭兵に惹かれていくというミアの恋愛描写もかなり雑だし、何より物語の中盤、ミアが物凄く重大なスタンスの転換を果たすわけですが、これが超とって付けたように唐突なもので思わずずっこけそうになっちゃいました。もうびっくりするぐらい、物語にリアリティやら説得力やらが欠片もありません。主役を演じた女の子がエキゾチックな魅力に満ち溢れたなかなかの美少女だっただけに、かなり残念な作品でございました。[DVD(字幕)] 3点(2023-12-27 10:34:43)

102.  シークレット・パーティー 《ネタバレ》 都会の片隅で出張コールガールとして働く2人の女、そんな彼女たちの運転手をしている自堕落な男――。社会の吹き溜まりのような、薄汚れたアパートの一室で酒とセックスに溺れるそんな3人の男女の愛と嘘とトラウマが刹那的に交錯する哀切な人間ドラマ。な~んて真面目に本作の内容を説明してみましたが、はっきり言って久し振りにこんなにも論評に値しないと思える「クソつまんないショボ映画」に出会ってしまいました。キアヌ・リーヴスを初めとするこの3人の男女が、ひたすらどうでもいい愚痴を言い合い、たまに喧嘩して、やっぱり仲直りしてがダラダラダラダラ延々と続いて、もう最後まで観るのが苦痛で苦痛で仕方ありません。中盤、路上でカメラを盗むキアヌのエピソードもそのカメラで撮られる女優たちの即興演技もいったい何がやりたいのか、さっっっぱり訳が分からない。挙句、最後に客である独身最後の夜を満喫したい新郎と友人たちの〝シークレット・パーティ〟に呼ばれた彼女たちの、ぬる~~~いエロ描写でお茶を濁して終わり……。山ナシ、オチナシ、意味ナシという、まるでコミケなどで売られていそうな安っぽい同人誌のようなお粗末な映画でございました。もう何日も満足な睡眠を得られていない、極度の不眠症に悩まされている方などにお薦めです(笑)。[DVD(字幕)] 1点(2023-12-27 10:21:11)

103.  テリファー 《ネタバレ》 ハロウィンの夜、奇怪なメイクを施した狂気のピエロがやってくる――。内容なんてほぼなし、そんな殺人ピエロがただひたすら人を殺しまくるのを徹底的なグロテスク描写満載で送る、もはやB級ですらないC級映画。こーゆー低予算を逆手に取って、それでも映画への愛だけを武器に、観客にとにかく楽しんでもらおうという作品って結構ありますけど、本作はその中でもかなりレベルの低い内容でした。とびかくセンスゼロ!!キレのいい演出も観ている者を惹き込ませるような映像も一周廻ってもはや笑けてきちゃうようなぶっ飛んだ展開も、な~~~んもありません(笑)。最後までばっちい映像がひたすら垂れ流されるだけ。観るだけ時間の無駄のう〇こ映画でありました。終わり。[DVD(字幕)] 2点(2023-12-27 07:53:46)

104.  バビロン(2022) 《ネタバレ》 独り善がりでつまんないストーリーを、きちゃない映像&エログロマックスな下品な描写で3時間も垂れ流し続けるというもはや苦行のような映画。[DVD(字幕)] 3点(2023-12-27 07:20:57)(良:1票)

105.  ディス/コネクト 《ネタバレ》 「ハイ、ベン、はじめまして。あたしの名は、ジェシカ。あたし、あなたの歌が好き。本当に感動的な歌だわ。あたしにも一曲作ってほしいなって今回、友達申請したの……」。地味で大人しい音楽オタクの高校生、ベン。ある日、彼はフェイスブックでそんなジェシカと名乗る女の子からのメッセージを受け、友達となるのだった。だが、彼は知らなかった。それは同級生である男の子のたちの悪い悪戯であることを。次第にエスカレートする“ジェシカ”の要求にのぼせ上がってゆくベン。彼が、自らのヌード写真をジェシカに送信したとき、それは取り返しの付かない悲劇へと転がり込んでゆくのだった。さらにはそこに、ネット詐欺に騙されて全財産を失ってしまった夫婦や、児童ポルノサイトでリアルタイムで自らの身体を晒す少年少女たちが複雑に絡まり合い、物語は更なる悲劇へと繋がってゆく……。ネット社会に潜む危険な落とし穴に落ちてしまった人々の悲劇の連鎖を、淡々と描いた哀切な群像劇。ほとんど予備知識もないままにこの度鑑賞したのですが、これが予想外に良い映画で僕はびっくりさせられてしまいました。何が良かったかって、とにかくこの抜群の構成力!!かなり複雑な構造のお話で、しかも登場人物もやたらと多いのに最後まで分かりやすく、かつ緊張感を一切途切れさせずに見せきるこの監督の手腕は相当なものだと思います。のみならず、映像や音楽も随所にセンスを感じさせ、その完成度の高さには素直に驚嘆させられました。物語の方も、人間の悪意や欲望が簡単に暴走してしまうというネット社会が孕む危うさを極めて冷徹に見つめたその視線の鋭さには、久々にガツンと頭を叩かれるほどの衝撃がありました。ネットとは便利な反面、人間をさらに愚かで残酷な生き物へと簡単に変貌させてしまう危険な側面も持っている…。登場人物たちが翻弄される、所々目を背けたくなる程のそんな理不尽な現実に観れば観るほど気が滅入ってくるのですが、最後、それでも必死に生きていこうとする彼らに僕は微かな希望を見出さずにはいられません。ネットというパンドラの箱を開けてしまった僕らは、もう二度と閉じることはできない。リベンジポルノやSNS炎上、ネットを発端とする未成年者による犯罪行為…。そんなますます生き辛さを増す現代のネット社会において、本作こそ真に観るべき映画の一つと言っていい。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-22 12:24:15)(良:1票)

106.  セブン・サイコパス 《ネタバレ》 「サイコパス(キ〇ガイ野郎)たち、大募集!!最近、なんだか錯乱気味?ひょっとして危ない理由で入院しちゃった?でも、大丈夫!世間に理解がないだけさ。実は俺、友達と一緒に只今『セブン・サイコパス』って映画の脚本を執筆中だ。だが、今ちょっぴりネタ切れ中で困ってる。面白いネタを提供してくれたら映画の中で使うかもよ。自分の正義感が世間に比べてちょっぴり歪んでる、なんだか最近無性に犬猫を虐めたくてしょうがない、そんなナイスな野郎どもはこの番号まで大至急電話してくれー!!」――。エージェントからの依頼で、サイコ・サスペンス映画の脚本を執筆中の酒浸りの脚本家、マーティ。タイトルだけは考え付いたものの肝心の中身の方は遅々として進まない。そんな彼を見かねて友人である売れない俳優のビリーは、彼に内緒で新聞広告を出すのだった。「サイコパスなんて募集してどうする!」と、当然のように怒り狂うマーティ。その日から、彼の元に危ないサイコパスたちが続々とやって来るのだった。果たしてマーティは無事に映画の脚本を書き上げることが出来るのか?という、なんだかよく分からない(笑)設定の奇抜なバイオレンス・コメディ。コリン・ファレルを初めとする何気に豪華な役者陣競演に惹かれて今回鑑賞してみたのだけど、うーん、僕にはよく分かんなかったです、これ。主人公マーティの元に集まったイカレ野郎たちの過激なバイオレンス描写が暴走しまくっちゃう前半から一転、後半での荒野に集まったそんなサイコパスたちの微妙に噛み合わない禅問答のような遣り取りが延々と繰り返される展開に、「あぁ、きっとこれは過去にジョン某さんが主演した、秀逸な設定のサイコ・サスペンスの某傑作と同じオチなんやろねんな~」と思っていたら、なんだか分かりにくいモヤモヤとしたラストを迎えちゃいました。きっとこれって、調子に乗って拡げすぎた大風呂敷をきちんと畳むことが出来なくなって、無理やりこのオチに持っていったんじゃないの?なんだかスッキリしないですよ、これじゃ。ギャング2人がいきなり射殺される冒頭シーンとか、なかなかキレのあるバイオレンス描写にけっこうセンスを感じただけに惜しい!この監督の次回作に期待ってことで。[DVD(字幕)] 5点(2023-12-22 11:53:45)

107.  フォックスファイア 少女たちの告白 《ネタバレ》 「私たちの物語が始まったのは、そう、1955年3月16日の夜、レッグスと私が新しいグループを結成してからだ。名前はまだなかった。でもすぐにレッグスが思いついた。“フォックスファイア(キツネ火)”。夢の中で聞いた言葉だとか…。そう、フォックスファイアこそ、まさに忠誠と信頼と愛で成り立つ血の団結。男どもに対抗しうる、少女たちのギャング集団」――。東西冷戦が激化し始めていた50年代。アメリカ南部のとある地方都市に生きる男勝りな少女レッグスは、女をまるで頑張った自分へのご褒美のようにしか見ない男たちに対抗するため、少女の少女による少女のための秘密結社「フォックスファイア」を結成するのだった。最初は悪戯程度で収まっていた彼女たちの活動だったが、レッグスが警察に捕まり刑務所に収監されてからは次第にエスカレートしていく。そして、強烈なカリスマ性でそんな少女たちを惹き付けるレッグスが保釈されると、フォックスファイアは本格的に過激な反体制派活動を活発化させてゆくのだった……。特筆すべきなのは、本作で主役を演じたレッグス役の女の子のその類稀なるカリスマ性だろう。キラキラと輝くような笑顔を見せていた前半での大人しい彼女から、中盤、刑務所に収監されてからの中性的な魅力を振りまく、今にも壊れてしまいそうなまるでガラス細工のナイフのような圧倒的な存在感には最後まで目が釘付けになってしまった。彼女が、本作のためのオーディションで選ばれたそれまではずぶの素人だったなんて到底信じられない。そんな彼女以外の女の子たちも皆、それぞれに個性豊かな魅力を放っていて素晴らしい(特にグループの用心棒的なあの太った女の子!)。お話の方も、男の論理で形成される資本主義社会に徹底的に少女の視線で〝ファックユー!〟を突きつけるそのパワフルなメッセージに、僕は爽快さすら感じてしまった。ただ残念だったのは、映画として全体的に少々冗長な印象を受けてしまったところ。2時間弱ぐらいに纏めてくれれば、もっと格好良いガールズ映画の傑作になっていただろうに。とはいえ、少女たちの生きるエネルギーに満ち溢れた、シスターフッド映画の秀作であったことは間違いない。[DVD(字幕)] 7点(2023-12-22 11:36:10)

108.  MEN 同じ顔の男たち 《ネタバレ》 離婚調停中の夫が酷い口論の末、自らの目の前で自殺するという辛い過去を未だ引きずっている中年女性ハーパー。少しでもこの生活を変えたいと願う彼女はたった一人、のどかな田舎町へとやってくる。広い一軒家を2週間の予定で借り、少しでも気分転換を図ろうというのだ。管理人から鍵を受け取り荷物を運び入れてほっと一息ついたハーパーはさっそく、近くののどかな森の中へと散策に出かけることに。だが、彼女はそこで全裸でこちらを見つめてくる怪しい中年男性と出会う。思わず家の中へと逃げ帰るハーパー。すると次の日、同じ男が庭の中に普通に侵入していることに気づくのだった。そしてそれをきっかけに、彼女はどこか歪で不可思議な世界へと迷い込んでゆく……。監督は、独自の映像センスで注目を集めるアレックス・ガーランド。確かにこの監督にしか出せないであろう独特の世界観は凄いと思う。未だ根強く残る男性社会の傲慢さをここまでいやらし~~~く見つめたこの監督の趣味の悪さ(褒めてる)は特筆に値する。特に最後、男の無限出産シーンは恐ろしくグロテスクなのに、何処か知的で気品のようなものを感じさせる唯一無二のもの。ただ、肝心のお話の方は僕は疑問に感じざるを得ないものでした。この作品のテーマって、やはりフェミニズムだと思うんですけど、自分にはそれが酷く薄っぺらいものに感じてしまったんです。フェミニズムをテーマとするなら、この男性優位社会を形成する歴史的文化的な側面をもっと掘り下げて描かなければ駄目だと思うのに、本作にはその深みが一切感じられない。誤解を恐れずに言えば、これって「男ってどいつもこいつも傲慢で自分勝手で女を自らの所有物だと思ってるよね。そんな君のうんざりする気持ち、分かるよ」って言いながら、あわよくばそれで女を口説いて一発できたらラッキーと考えている男が創った映画のように感じてしまいました。物凄く偏見かもですけど(笑)。あと、古いトンネルの中で主人公が自分の名前をこだまさせた音がいつの間にか通奏低音のようになるところとかも、この監督が自らのセンスをひけらかしているような感じがして、自分はハナについて仕方ありません。これはもう純粋に好みの問題なのかもですけどね。[DVD(字幕)] 5点(2023-12-22 08:22:59)

109.  ノースマン 導かれし復讐者 《ネタバレ》 ここは何処までも凍てついた大地が続く北欧の小さな島国、ラプシ王国。大鴉王と呼ばれ、その残虐非道な性格から周囲の国々を恐れさせたオーヴァンディル王の元、貧しいながらも人々は平穏に暮らしていた。そんなある日、攻め入った国から多くの奴隷を戦利品として持ち帰った王は、腹違いの弟の裏切りに遭い、悲運の死を遂げてしまうのだった。国王の側についた者は皆、残虐な手法で殺され、王妃は無理やり新たな国王の妃とされてしまう。そしてまだ10歳になったばかりの幼い王子アムレートは殺されそうになりながらも何とか一人、小さな舟で逃げ出すのだった。「いつの日か父の仇を討つ!母上を救い出す!」と何度も何度も誓いながら――。数年後、ロシアでヴァイキングとなり、近隣の町で略奪を繰り返していたアムレートは、父の仇であるフィヨルニル王が戦に破れ、遠くアイスランドの地まで追われたことを知るのだった。今こそ復讐の時はきた。故国で語り継がれてきた預言者の幻に導かれるまま、奴隷に身をやつしたアムレートは密かにアイスランドへとやってくる。ただ、亡き父の復讐を果たすために……。中世北欧のヴァイキング文化をモチーフに、父王を殺された王子の苦難に満ちた復讐劇を生々しく描き出す英雄譚。とにかく血腥い!!北欧のヴァイキング映画って何本か観ましたが、どれもこれもリアルで残虐でとにかく濃い濃い濃い!!例えるなら、『300(スリーハンドレッド)』のシリアス版みたいな。ヴァイキングっって、どんなけ野蛮な人たちなんだ(笑)。でも自分はこーゆーこちらにまで血の匂いが漂ってきそうなこの荒んだ世界観、けっこう好きでした。中世の英雄譚らしくかなりシンプルなお話なのでその分、俳優陣の熱演が光ります。主役を演じたアレキサンダー・スカルスガルドのそのただ淡々と復讐を果たしてゆく寡黙な演技も素晴らしく、彼に惹かれてゆく奴隷役のアニヤ・テイラー=ジョイもすこぶる魅力的。そんな俳優たちを、シャープでスタイリッシュな映像で捉えたこの監督のセンスも抜群にいい。モノクロームを基調としたこの映像が終始カッコよく、重厚な音楽がよりこの世界観を引き立てています。芸術的価値は充分高い。前作『ライトハウス』の時から監督の映像美には注目してましたが、本作で見事に完成されたんじゃないかな。燃え盛る火山をバックにした最後の闘いと、その後のヴァルキリー登場には思わず拍手しそうになっている自分がいました。うん、満足!![DVD(字幕)] 8点(2023-12-20 08:00:04)

110.  TITANE/チタン 《ネタバレ》 幼少期、父親の運転する車が交通事故を起こし、頭部にチタン製の金属部品を埋め込まれたとある女性。成長しダンサーとなった彼女がある日体験する悪夢のような出来事を暴力的なまでの映像で描いたシュルレアリスム劇。カンヌでパルムドールを取ったということで今回鑑賞してみたんですが、正直、僕にはその良さがさっっっぱり分かりませんでした。最初から最後まで、とにかくばっちい映像と痛々しい描写と下品なエロシーンの雨あられ。肝心のストーリーの方も独り善がりでつまんないし。久々に、最後まで観るのがこんなにも苦痛な映画と出会ってしまいました。まぁ人をここまで不快にさせる映画を撮れるのも一つの才能なのかなと思わんでもないですが……。自分の率直な感想は、「こんなつまんない映画に最高賞を与えるカンヌも落ちたものだ」でした。終わり。[DVD(字幕)] 4点(2023-12-20 07:44:11)

111.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 謎の地球外生命体“ギタイ”の襲撃により、突如として滅亡の危機へと陥ってしまった未来の地球。入隊したばかりのケイジ二等兵は、上司の命令により、いきなり戦いの最前線へと送り込まれてしまう。戦場など初めての彼は当然、そんな凶悪な敵にあっという間に殺されてしまうのだった――。だが、次の瞬間、ケイジはその前日の朝へと舞い戻ってしまう。「これはいったいどういう事だ?」と当然のように戸惑うケイジ。そこから、同じ時間が延々と繰り返される地獄のような無限ループの日々が始まるのだった……。日本のライトノベルが原作ということで、そんないかにもな内容に、子供のころから「スーパーマリオ」や「悪魔城ドラキュラ」、最近だと「ダークソウル」系のいわゆる死にゲー、そんなアクションゲームにがっつり嵌ってきた僕としては、その死んだら最初からやり直し、もっと長く生き残りたかったらここでジャンプしてこの敵をかわしタイミングよくこのアイテムを使って…みたいな内容に否が応にもテンション上がっちゃいました。うん、やった、やった、こういうこと(笑)。超受身のヘタレ男だった主人公が、超活発で強いヒロインの女の子の強引な導きにより強くなって、いつしか立場が逆転してツンデレ状態に…な~んて、いかにも日本の男子中高生が好きそうなライトノベル的ストーリーがアメリカで、しかもトム・クルーズ主演で製作されたってのもなかなか感慨深いものがあります。ただ…、本作はそーゆーライトノベル、もしくは死にゲー的な内容のなさが最後まで付き纏うのが賛否が分かれるところかな。これで、ストーリーや映像に革新的なものがあれば傑作にもなりえただろうに、残念ながら本作は「プライベートライアン」や「スターシップ・トゥルーパーズ」「マトリックス」という有名映画の良いとこ取りをしているだけでそんな傑出した部分がほとんどありませんでした。という訳で、確かに娯楽映画としてはぼちぼち楽しめましたけど、僕の中では「宇宙戦争」や「オブリビオン」と言ったトム・クルーズ主演の過去のSF娯楽映画の一つとして一纏めにくくられそうな、そこそこレベルの作品でございました。でも、お酒のおともに最適ではあるよん。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-18 13:38:09)

112.  プリズナーズ 《ネタバレ》 これから厳しい冬を迎えようとしているアメリカ北部の田舎町。平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた2つの家族、ドーヴァー家とバーチ家に突如として悲劇が訪れる。それは、お互いの幼い娘たちの不可解な失踪事件だった。すぐに容疑者としてアレックスという男が逮捕されるのだが、彼は10歳児並の知能しか持ち合わせていない、いわゆる知的障碍者だった。しかも物証となるような証拠は何も発見されない。嫌疑不十分で釈放されることになったアレックスに、被害者家族であるドーヴァー家の父親ケラーは当然のように納得できるわけがなかった。彼こそが真犯人だと確信するケラーは、次第にその行動をエスカレートさせ、さらにはアレックスを拉致監禁し、あろうことか酷い拷問にもかけてしまう――。娘を愛するがあまり、正義と狂気の狭間をどんどんと暴走してゆく父親ケラー。互いの家族や事件を担当する刑事らも巻き込んで、物語は更なる悲劇へと繋がってゆくのだった……。2時間30分というなかなかの長尺で、しかもその間どこにも一片の晴れ間すら感じさせないかなり陰鬱な作品なのに、最後まで一切緊張感を途切れさせずに見せきるこの監督の手腕には素直に圧倒させられました。登場人物誰もが愛する者を救いたいと行動しているのに、それがどんどんと不幸の連鎖を生み、周りの人間を次々と悲劇のどん底へと引き摺り込んでしまう…。正直、見れば見るほど鬱になる、徹底的にいや~なお話なのですが(笑)、それでも最後まで惹き込まれ観終わった後はいろいろと深く考えさせられる作品でした。最後に姿を現す、「神に戦いを挑む人間」にして、全ての悲劇の“迷路”の中心に居る「絶対悪」の存在――。なんだか現代日本文学の最前線をひた走る作家・中村文則の小説をも髣髴とさせるその迫力に思わず驚嘆。正義とは何か?悪とは?正義のための悪行は許されるのか?サスペンス・スリラーとして充分なエンタメ性を有しながら、そんな哲学的で深甚なるテーマをも鋭く追求したなかなかの良品であったと思います。この監督の他の作品も観てみたくなりました。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-18 13:10:18)

113.  フェイブルマンズ 《ネタバレ》 長年ハリウッドのエンタメ映画界を牽引してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画との初の出会いを果たした幼少期から大学を中退し映画業界へと足を踏み入れるまでの鬱屈した日々をノスタルジックに描いた青春物語。僕が子供の頃、何度も何度も夢中になって観た『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』という大傑作を撮った巨匠が自身の半生をモデルにした自伝的作品ということで今回鑑賞。というとやはりあの『激突』や『ジョーズ』、そして何よりインディ・ジョーンズシリーズといった初期の傑作群がいかにして誕生したのかというその制作秘話なんかが描かれるのかと思いきや、まさかの映画業界に入るまでで終わってしまいました。うーん、さすが巨匠の作品だけあって悪くはないんですけど、観ながら「これじゃない」感が……。映画製作の舞台裏がどんな感じだったのかとか、ハリウッド・スターたちとの交流とか、偉大なる先輩監督たちとの出会いとか、そっち方面がもっと見たかったよーー。とはいえ、ある家庭のあくまで個人的なお話なのにここまで面白く見せる、もはや匠の技とも呼べるその演出力の高さはやっぱ抜群の安定感。冒頭、映画のクライマックスシーンを再現しようとおもちゃの電車で遊んでいたらそれがいつの間にか映画そのもののようなドラマティックなシーンに変わっていたり、自身が撮ったホームビデオの映像から母親の裏切りを知ってしまうところとか印象的なシーンも多く、長い映画なのに最後まで退屈せずに観ることが出来ました。主人公が映画業界に入ってからを描いたこの続編が創られたら、そちらの方も観てみたいですね。って、もはやそれって『スピルバーグのえいが道(上京編)』みたいになっちゃいそうですけど(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-18 08:22:00)

114.  LAMB/ラム 《ネタバレ》 見渡す限りの荒野がどこまでも続くアイスランドの高山地帯。羊の放牧を生業とするとある夫婦は、そんな過酷な地で必死に生きていた。夫婦を訪ねてくる人もほとんどおらず子供もいない彼らは、日々の重労働をたった2人でこなしている。羊の餌やり、農作物の管理、家畜の出産の補助……。ただ黙々と仕事をこなす彼らの表情はどこか悲しげで、ほとんど会話らしい会話もない。きっと過去に何か哀しい出来事があったのだろう。ある日、1匹の羊がとある特殊な〝子羊〟を産み落としたことから彼らの日常が少しずつ歪み始めてゆく……。荒れ果てた高山を舞台に、孤独な夫婦が授かったそんな異形の存在をダークにミステリアスに描き出す異色作。冒頭からこの作品を貫く独特の世界観には惹き込まれた。セリフや説明を極力排除し、過去の辛い出来事から心を閉ざしてしまった夫婦の過酷な生活をただ淡々と描いているのに、終始濃密に漂うこの不穏な空気は凄いとしか言いようがない。そして誕生する1匹の子羊――。この存在がいったいどんなものなのかを中盤まで明かさず、ただ夫婦の反応だけを描くことで何か良からぬことが起きているのだと観客に想像させるこの演出は斬新。中盤、急に登場する叔父の目線でこの異形の存在の正体が露わにされるのだが、その造形が絶妙に気持ち悪くて、なのにこの夫婦がとても愛おしそうに見つめているのが何とも嫌な感じを増幅させる。ところが物語が進むうち、この存在が少し可愛く思えてくるという、なかなか監督のセンスを感じさせるものだった。この唯一無二の独自の感性は称賛に値すると言っていい。ただ、残念ながら肝心のお話の方は自分はそんなに良いとは思えなかった。率直に述べさせてもらうと、これは世界各地の民話や伝承によくある、人ではないものを授かる夫婦のお話。それをいつか何かが起こりそうな禍々しい描写で引っ張っているだけで自分はそこまでの深みやテーマ性は感じられなかったのだ。最後のオチも安易と言わざるを得ない。フォークロアならではの寓話性や教訓をもっと掘り下げて描いてくれれば、より完成度の高い作品となっていたであろうに。惜しい。とはいえ、この重苦しい世界観や羊たちが象徴する宗教的メタファーの扱いなど、この監督のセンスの良さは充分感じさせたので、次作に期待したいところだ。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-13 12:19:07)

115.  マレフィセント 《ネタバレ》 名作の誉れ高いディズニーの古典的アニメ「眠れる森の美女」を、最新のCG技術を駆使して実写映画化、主演には新旧人気女優を起用し、さらには現代的な解釈で元々のお話を大胆にアレンジして……という最近流行りのスタイルのファンタジー大作。川端康成のロリコン小説の傑作「眠れる美女」なら知ってるけど、原作となったアニメや童話はほとんど知らず、それでも昔からそのコケティッシュでキュートな魅力でもって僕のロリ心を良い感じで突いてくる美少女エル・ファニングちゃんが主演ということで今回鑑賞。まあ、アンジェリーナ・ジョリー主演がウリってことで彼女が全面的にフューチャーされているのは分かるのだけど、それでも僕のお目当てのエル・ファニングちゃんが登場するのが映画が始まって40分も過ぎてからって、ちょっと酷くないっすか?あの、子役時代に数々の映画で魅せてきたその可愛い笑顔を見たくて見たくて堪らなかった僕としては超不満爆発なんすけど!!でも、真面目な話、これってそーゆー脚本上の爪の甘さが目立つ作品だと僕には思えました。本作の主人公って、いったい誰なんでしょう?マレフィセントならそのあまりにも特異な立場のせいで全く感情移入出来ないし、オーロラ姫ならあまりにもその扱い方が雑です。だから、これって観客が感情移入できるキャラクターがいない、物語の粗筋だけが延々と垂れ流されているだけのかなり退屈な作品に感じてしまいました。それに、唐突に出てくる王子の存在もかなり薄っぺらいし、「ファンタジーは最後にドラゴン出しときゃ万事OK」みたいなクライマックスのテキトーな展開も何だかな~。うーん、原作もこんな感じなんですかね?僕には、本作の魅力はあんまり分からなかったです。[DVD(字幕)] 4点(2023-12-08 10:34:03)

116.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 私の名前はソロモン・ノーサップ、自由黒人だ。信じてくれ、拘束される理由など何もない!この鎖を解いてくれたら人違いだと証明できる。お願いだ、私は決して奴隷なんかではないんだ――。1841年、ニューヨーク。愛する妻と二人の子供たちと共に充実した毎日をおくる自由黒人であるソロモンは、ある日、奴隷商人の男たちに騙され拉致監禁される。そのまま、彼は奴隷として有無を言わさずアメリカ南部の農場へと売り飛ばされるのだった。まだ、黒人が“家畜”と同じ扱いを受けていた時代。様々な農場を転々としていくうちに、ソロモンは白人からゴミのような扱いを受けている黒人たちの悲惨な現実を目の当たりにしてゆくのだった……。実話を基に、まだ黒人が白人たちの奴隷として悲惨な現実を生きていた時代に、数奇な運命を生きたとある男の12年に及ぶ奴隷生活を冷徹に見つめたヒューマン・ドラマ。こういう作品を観ると、いかに白人が有色人種を下に見ているかがよく分かります。もう全編にわたって、思わず目を背けたくなるような理不尽で残酷な現実のオンパレード。監督は黒人ということで、その積年の怨嗟の表明には目を見張るものがある。主人公が首を括られた状態でほとんど一日放置されたり、ただ自らの身体を洗いたくて石鹸を借りに行った女性が酷い鞭打ちの刑に処されたり…。「どうして私がニガーをこんなにも痛めつけるかだって?違う、私は自分の所有物で遊んでいるだけだ。こうしている時間が一番楽しい。黒人をいたぶる、これ以上気の晴れる遊びはない」と平然と言ってのける白人の農場主には、人間の極限の愚かさを見せ付けられて寒気すら覚えてしまいます。昨今、アメリカで多発する警察官による人種差別的暴行事件に端を発する暴動を目にしていると、本作がますますそんな人種対立を煽る結果になるのではないかと危惧するばかり。でも、この残酷な現実から目を逸らさずあくまで冷静に黒人たちの歴史と怨念を直視した、この監督の情熱はやはり賞賛に値する。広島や長崎に半ば実験目的で原爆を投下された同じく有色人種である我々日本人としても他人事とは思えません。これから先も人種差別という病理は絶対になくならない酷い世の中なのかもしれないけれど、それでも希望を見失わずに生きたソロモンに僕は生きる勇気を与えてもらえたような気がします。良い映画でした。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-08 10:23:28)

117.  複製された男 《ネタバレ》 大学で教鞭をとる歴史学者アダム。素敵な恋人にも恵まれ、なんとなく物足りないものを感じながらもそれなりに幸せな日々を過ごしている。ところがある日、彼はある映画の端役に自分と瓜二つの男が主演しているのを発見するのだった。役者の名はアンソニー、妊娠中の妻と過ごす売れない三流俳優だった。なんとかしてそんなアンソニーとコンタクトを取ることに成功したアダム。恐る恐る彼と会ってみると信じられないくらい自分と瓜二つであることが分かるのだった。そう、まるで最新鋭の技術で複製されたかのように……。冒頭から、くすんだイエローを基調としたダークで美しい映像と不安感をひたすら煽る音楽とでそんなミステリアスな世界へと観客を惹き込んでゆきます。胸の古傷までそっくりの二人の男、「きっとこれは、そんな複製された男たちのアイデンティティを巡る戦いを描いた前衛的な芸術作品なんだろう」と、さすがノーベル賞作家の原作を映画化しただけのことはあるなあと、そんなデビット・リンチをも髣髴とさせる淫靡でダークな世界観に素直に酔いしれていました。ですが中盤辺りから、巨大蜘蛛やら裸のねーちゃんやら意味があるのかないのかさっっっぱり分からない映像が延々と差し挟まれ、挙句終盤に至ってはこの二人が互いの妻と恋人を交換してセックスしようと頑張っちゃうという下世話なスワッピング展開になってしまって、僕はどうにも肩透かし感が否めませんでした。まあ、いろいろと考えていけばちゃんと深い意味があるんでしょうけど、僕は本作にそこまでの価値があるとは思えません。なんだか、これって全体的に中途半端じゃありません?後半とか、もっと常人では到底考え付かないような徹底的にシュールな展開にしてくれんと目の肥えた観客のハードルは超えれないですよ。こういうのを観ると、やっぱりデビット・リンチは偉大だなぁとあらためて再確認させられますね。それでも、全体を覆う濃厚な雰囲気は良かったので6点で。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-08 10:03:47)

118.  ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 《ネタバレ》 ここは剣と魔法が秩序のすべて――。ドラゴンやゴブリンといった異形の魔物がいたるところに跋扈する危険な異世界を舞台に、落ちこぼれ冒険者たちがそれぞれの目的の為に協力しダンジョンや古城を旅するという王道ファンタジー。元ネタとなったのは、世界初のRPGとして名高い『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。まだコンピューターが一般的でない時代、紙と鉛筆とサイコロ、そしてプレイヤーの想像力だけを糧にテーブルでの会話を中心に進めてゆくという当時としては画期的なそのシステムは、のちの多くのコンピューターゲームに影響を与えたことでも知られている。当方、この『D&D』自体は実際にプレイしたことはないのだけど、ひたすら自分の作った架空世界の地図や設定をノートに書き込み、そして誰もプレイする予定のないシナリオをただひたすら作り続けるというなかなか特殊な嵌まり方(笑)をした思い出のゲーム。自分の創ったサイライル王国(恥ず!)の神話や歴史、過去の英雄譚なんかをびっしりと書き込んだ、でも誰に読んでもらうわけでもないノートは当時5、6冊くらいあったんじゃないかな。我ながら、勉強もせずに何やってたんだか(笑)。まあそーゆー個人的な思い入れを抜きにしても、ただひたすら楽しい映画でしたね、これ。もう超が何個も付きそうなくらい超超超王道のエンタメ・ファンタジーなんですが、脚本が意外にしっかりしていたり、登場人物がそれぞれに魅力的だったり、映像が細部まで拘って造り込まれていたりで、サイコーに面白かったです!何より良かったのが、全編に散りばめられた上質のユーモア。冗談が通じない聖騎士とおちゃらけ主人公との掛け合いや、5つ質問しないと死ねない死者とか何度も笑わせていただきました。そしてアクションシーンが終始キレッキレで自分はテンション上がりっぱなし。中でも「何処でも鏡」を使った馬車のチェイスシーンは監督のセンス爆発で、最近観た映画の中でも屈指の名シーン。と思ったら、最後の主人公たちの選択には不覚にも涙しそうになったし。いやー、最高に楽しい2時間強を過ごさせていただきました。久しぶりにあの頃のノートを引っ張り出して、サイライル王国(恥ず!)を再訪してみようかな。んでまずは映画冒頭の監獄脱出クエストをシナリオにしてみたいーー![DVD(字幕)] 8点(2023-12-01 21:18:41)(良:2票)

119.  トランセンデンス(2014) 《ネタバレ》 優秀な科学者として、研究施設で最先端の人工知能(AI)の開発に携わるウィル・キャスター博士。ある日、彼はそんな科学技術の極端なまでの発展に警鐘を鳴らすテロ組織に銃撃されてしまう。幸い軽症で済んだものの、銃弾には放射性物質ポロニウムが染みこませてあったのだった。放射能中毒に陥り、余命僅かとなってしまったキャスター博士は、愛する妻と別れたくないあまり、研究中のAIへと自分の意識を全てアップロードしてしまう。肉体的な死を迎えた彼だったが、その意識はネット上で永遠の命を得ることに成功するのだった。喜ぶ妻や戸惑いを隠せない同僚たち。だが、それまでの人間という狭い枠組みから“トランセンデンス(超越)”した彼は、次第にその力を暴走させてゆく。そう、まるで自らが神だとでもいうように……。ジョニー・デップをはじめとする豪華な役者陣競演で贈る、近未来SFエンタメ作品。つーか、なんなんですか、このびっくりするくらい雑な脚本は。だいたいポロニウムを染みこませた銃弾ってなんやねん!あれって傘の先端とかに仕込んで静かに暗殺するためのもんっしょ。殺傷力の高い拳銃の銃弾に仕込んだって意味ないやん。他にも突っ込みどころや意味不明な箇所がスーパーの安売りセールのように盛り沢山。それにお話のテンポも恐ろしく悪く、観ていて眠気を堪えるのが大変だったのに、途中でいきなり“それから2年後…”とか一気に進んじゃうしで、観客である僕はもう頭ポカーン状態でした。挙句、最後は「やっぱり愛が一番大事」なんて腹立つぐらい薄っぺらいメッセージを残して終わり…。いやー、久し振りに「金返せーー!!」と大声で叫びたいくらいのつまんない映画を観てしまいました。久々にまともな顔したジョニー・デップ兄やんが見れたんで+1点しときます。[DVD(字幕)] 4点(2023-11-27 10:40:31)

120.  オールド・ボーイ(2013) 《ネタバレ》 「視聴者の皆様、こんにちわ。20年も続く長寿番組『犯罪ミステリー』のお時間です。今夜は特に記憶に残る謎を振り返ってみましょう。それは“ドナ・ホーソン殺人事件”です。彼女は20年も昔にレイプされ残虐な方法で殺されました。容疑者は元夫であるジョーという男。だが、このジョーはもう20年も失踪したまま、その生死すら不明。夫婦の遺された娘であるミアは、いまや美しい女性へと成長しました。今日は、そんな彼女をゲストに迎え、事件のことや失踪した父親への想いを語ってもらいましょう」――。妻と離婚し、3歳になる娘ミアとも離れて暮らす営業マン、ジョーは毎日のように酒に溺れてはトラブルばかり引き起こす困った男。仕事で重大なミスを犯してしまった彼は、今日も深酒して路上で飲んだくれていた。だが、酷い二日酔いで目を覚ましてみると、彼は見知らぬモーテルの一室に閉じ込められていたのだった。出口はどこにもない。小さな窓から夜毎差し出される食事とウィスキー。唯一の娯楽であるテレビからは、なんと自分が妻殺しの容疑者として追われていることを告げられるのだった。そして……、ジョーは恐るべきことにその日から20年もの長きにわたって監禁されるのだった。変わりゆく世界、成長する娘。やがて、彼は何の前触れもなく解放されて……。日本の漫画を原作に、韓国で映画化されたそんなミステリアスな作品を、スパイク・リー監督が豪華な役者陣を揃えてリメイクしたサスペンス・スリラー。原作の漫画も韓国の映画もいっさい知らず、何も予備知識もないままにこの度鑑賞してみました。それが良かったのか、冒頭から観客にほとんど考える隙を与えずに小気味よく展開されるその不穏なストーリーに一気に惹き込まれ、主人公ジョーが解放されてからも全く謎が明らかにされず、さらにはこのジョーがもう無茶苦茶に暴走していく展開に僕のテンションは上がりっぱなしでした。うん、こりゃ面白いっすわ~。サミュエル・L・ジャクソン演じる看守の相変わらずの怪演振りも良い感じだし、ヒロインの女の子も可愛かったしね。ただ中盤、ジョーが監禁施設に乗り込んでいくシーンでは、さすがに漫画が原作になったからなのかちょっと荒唐無稽にし過ぎちゃった感があって僕はそこからちょっとノレませんでした。いやいやさすがに1人対100人でばったばったと敵を倒していくとかあり得ないっしょ。てか、敵の皆さんも拳銃くらい用意しとこうよ(笑)。う~ん、個人的にはもうちょっとリアルに描いて欲しかったかなぁ。それに最後に明らかになる真相もちょっと無理が有り過ぎる気が……。とはいえ、元になった韓国映画を知らないので比較は出来ないのですが、この個性豊かな登場人物たちやぐいぐい観客を惹き込むストーリー展開、全編を支配する不穏な雰囲気等々、僕はなかなか楽しめました。うん、7点![DVD(字幕)] 7点(2023-11-27 10:22:54)(良:1票)

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