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プロフィール
コメント数 893
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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101.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 冒頭の配給クレジットの演出からしても原点回帰であることを宣言する。従来の守護神としてではなく、破壊神として跋扈する様を描くにしても、あくまでメインはその脅威に立ち向かう"日本人"の葛藤と決断に至るまでの会話劇である。序盤まではただの水蒸気爆発だろうと、どこか呆けてとぼけた調子が、次第に巨大生物ゴジラの確認、大惨事を引き起こすに連れて、圧倒的な無力感が広がっていく様は短編『巨神兵東京に現る』を思い出す。BGMにしてもテロップのフォントにしてもエヴァンゲリオンを彷彿とさせるもので庵野イズム満載。とは言え難解さはほとんどなく、ある種のやり投げ感もプラスに働いている。ゴジラを凍結させたとしても、いずれは対峙しなければならない現実。欧米のように核で済ませるほど単純で明瞭ではなく、後回しさせるところが日本人的。それでもこの映画は、現在でも混沌から抜け出せない日本人に対して、希望に満ちた「イエス」と答える。そういう意味では、特撮もとい邦画史の転換点になるきっかけを生むのかもしれない。[映画館(邦画)] 7点(2016-09-06 19:34:46)(良:1票)

102.  オマールの壁 《ネタバレ》 パレスチナを囲む壁がまるで戦前のユダヤ人を押し込めるゲットーを想起させる。かつてナチスがしてきたことを自分達も進んでしていることが皮肉だ。狡猾に嘘で扇動し、誠実な若者の運命を狂わせて・・・。オマールらがイスラエル兵士を撃たなければこんなことにはならなかったのか? もし日本も壁で囲まれる側だったら、その鬱屈はいつか爆発するだろう。解放される希望も未来もなく、めそめそと民族浄化されるくらいなら尊厳を持って抵抗する気持ちは伝わる。しかし、将来の結婚相手を幼馴染に奪われ、友人も不慮の事故で死に、生き甲斐を失ったオマールは心が折れて壁すら登れなくなってしまった。その遠因を作ったのは一見人間的なイスラエル人捜査官で、失うものもない彼が破滅覚悟で射殺する顛末が苦しい。スパイ映画としても青春映画としても秀逸な出来で、『パラダイス・ナウ』に続き、米アカデミー賞の候補に挙がった意義は大きい。どちらかが滅ぶまで負の連鎖と憎しみは絶えず続く・・・[映画館(字幕)] 7点(2016-08-20 19:25:35)

103.  マジカル・ガール 《ネタバレ》 まどマギとエヴァと黒蜥蜴にインスパイアされた結果がフィルムノワールという着眼点が面白い。ねっとり絡みつくように冷たいシュールな空気に、どうとでも解釈できる"行間"(悪く言えば勿体ぶった)が肌に合えば、この摩訶不思議な世界観に酔えるだろう。それくらい好みが分かれる。もしルイスが娘アリシアのラジオを聞いていれば、もしルイスが病んだ人妻バルバラの誘惑を断っていれば、もし元教師ダミアンがバルバラの嘘を信じなければ・・・・・・愛を求め、擦れ違いと嘘と勘違いをスペインの経済不況と精神分析で包み込み、希望から絶望へと転移していく。願いを叶えた魔法少女アリシアとそのなれの果ての魔女バルバラが表裏一体であるかのように。使い魔ダミアンはアリシアを本当に撃ったのか? 携帯電話を消したのは自分を狂わせたバルバラへの仕返しか、それとも再び悪魔へと覚醒した彼の支配か? かつての某大統領が言った。「この世で一番貧しい者とは、もっと、もっとを求める人のことである」。この"もっと"が今の文明社会を築いたが誰もが幸せになれるとは限らない。現代社会に蔓延する"病"に気付けない限り、金とモノに支配された現代人もこの悲劇と常に隣り合わせだ。[映画館(字幕)] 7点(2016-08-02 20:16:42)

104.  サウルの息子 《ネタバレ》 同胞のガス室送りを手助け・後始末をしている"ゾンダーコマンド"の存在を初めて知った。 監督はかつてタル・ベーラの助監督を務めた影響か、スタンダード比率で寄り添うような主観の長回しが、 主人公の視野の狭さ=見たくない光景とリンクして、閉塞感と混沌の中に放り込む。 この二つが、飽和状態のホロコースト映画に新しい切り口を入れる。 ぼかされた死体の山には目を背けられるが、絶命の叫びからは逃れられない。 そしてその状況に慣れてしまった自分がいる。 だからこそ、死んだと思われる息子(という設定)を 自分を保つための理由づけにしないととても生きていけないだろう。 最後は撃たれるだろう彼の笑顔が、新緑の森に冴え渡る鳥の鳴き声が、 無機質なアウシュヴィッツ収容所と対比して寓意的に映る。 敢えてやっているかもしれないが、凄惨さと絶望度ではまだ足りない。 この撮り方がなければ、全く話題にならなかったかもしれないのだから。[映画館(字幕)] 7点(2016-07-18 19:09:19)(良:1票) 《改行有》

105.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 もし、ヒトラーが現代にタイムスリップしたら? 誰もが思いつきそうな題材を、そう来たか、こんな方法で調理するとは。現代ドイツの社会問題と矛盾を劇映画、ドキュメンタリー、さらには同名の劇中劇と虚実入り乱れた構成で鮮やかに切り取り、あれがドイツ国民の本音だとは信じたくない。ヒトラー(を演じる男優)と一緒にスマホ写真を撮っているんだもん。この閉塞感の前に絶対的なカリスマにしがみつく弱さと、不安を煽るマスコミに振り回される愚かさを目の当たりにし、シリア難民流入のニュースとシンクロする演出にゾワっ。認知症の老婆と真実を知ったダメ男の言動にも皮肉を感じた。コメディはコメディでも、ただただ真っ当にシリアスな、笑えないコメディ。あまり笑えなかったが、自分だったら大衆(マジョリティ)とダメ男(マイノリティ)のどちらの側に立ち、どちらがガス室に送られるだろうか?[映画館(字幕)] 7点(2016-06-30 20:55:46)

106.  海街diary 《ネタバレ》 複雑な家庭環境を持った三姉妹と腹違いの妹の、ささくれはあっても深刻な展開や大きな事件に発展することもなく、淡々と日常を謳歌しているように見えた。タイトルに違わず、たったそれだけの内容だが、俳優陣と過剰を排した演出で一気に見せる。ただ漫画原作らしく、シビアさをオブラートに包んだ非現実さが是枝監督の作風と幾分ミスマッチしている感が否めない(過去作品でもなくはないが、本作が一際目立つ気がする)。リアリティ重視か、ある種のファンタジーとして見るかで評価が分かれそう。鎌倉の下町の空気感は素晴らしいが、漫画的記号を現実世界に上手く変換できず、あべこべに感じてしまう。[地上波(邦画)] 7点(2016-06-16 21:44:59)

107.  そして父になる 《ネタバレ》 そして父になる。この表題が家族という概念を問う。出産の苦しみを知らない男性にその実感がないから尚更だ。エリートの主人公に訪れた暗転。お金や身分といった面子を剥がされ、過去のトラウマからか素の自分を受け入れないでいる。もし、意図的な取り違えがなかったら、二つの家族は幸せになれたのか? 主人公は本当の父親になれたのか? 夫の連れ子と二人暮らしの女性看護師や電気屋の親父の方がずっと親としての役割を全うしている。この映画には答えはなく、結論は二つの家族で決めることだ。下手したら家庭環境等で人生が狂ってしまう。それでも、起こってしまったことに地団駄を踏まず、時間をかけて前を進むしかない。高級セダンが停まった古い家屋に、誰の声が分からない子供たちのはしゃぎ声が新しい可能性を提示する。[映画館(邦画)] 7点(2016-06-16 21:41:27)

108.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 スピルバーグは大人の映画監督になった。台詞を排除した静かな追跡劇から引き込まれ、派手さはないが少しずつ緊張感を高めていく。物語に差し障りのない程度に抑えたトーマス・ニューマンのスコアが新鮮に感じられる。敵国ソ連のスパイを弁護するという、反感を買うような仕事を実直にこなしていくドノヴァンも、ソ連に忠誠を誓い情報を漏らさなかったアヴェルも、互いに仕事人としての誇りと信念から魅かれるものがあったのだろう。山場の捕虜交換は史実で分かっていても、罪もない米国大学生をも救おうとする無謀な賭けには固唾を飲む。だからこそ、ドノヴァンの行動を尊重して待つことを決めたアヴェルにグッとくるものがある。別れ方もさりげなく淡々としたスマートなもので、『シンドラーのリスト』と同じ映画監督とは思えない。一見ハッピーエンドだが、これから長い冷戦が続き、柵を越える人たちやアヴェルの待遇を考えると、今日の資本主義と共産主義の不寛容さを改めて突き付けられた形だ。出番は少ないが、空気に溶け込み、自然に染み入るようなマーク・ライアンスの存在感がこの映画をよりワンランクアップさせている。今後の活躍に期待。[DVD(字幕)] 7点(2016-05-16 20:38:25)

109.  モンスターズ・ユニバーシティ 《ネタバレ》 知識で補う努力家のマイクも、名門で天才肌のサリーも自意識過剰で見下している印象があり、二人より遥かに下の落ちこぼれと同じ立場になったとき、初めてスタートに立てたのだろう。あらゆる奇策で最底辺から下剋上で優勝する様は痛快で、だからと言ってハッピーエンドではなく、そこから更に二人を奈落に突き落とす。あまりに辛辣で残酷な事実を臆せずに描き切る。ウォルト・ディズニーの「夢はかならず叶う」の格言をここでは少し否定し、失うものがない二人が互いに足りない部分を補って叩き上げで現在に至るまでを、既存のスクールカースト・学歴社会への風刺を交えて説得力のあるものにしたのは、数々のイノベーションを生み出したアメリカの開拓精神によるものか。前作には劣るけれど、それでも一定のクオリティを輩出するのは流石ピクサー。[地上波(吹替)] 7点(2016-04-27 22:25:45)

110.  100歳の華麗なる冒険 《ネタバレ》 マイペースな100歳の老人とは裏腹に、金銭と名誉に目がくらみ、せっかちに死に急ぐ権力者たち。 マフィアとどう決着を付けるかと思いきや、意外とあっさりとした形で終わってしまう。 彼の後ろには死体の山。 ちょっとした偶然が歴史に残る大事件になったりするが、 歴史の中枢にいても彼は「なるようになるしかない」と生きているにすぎないのだから。 もしかしたら、一人一人の凡人もまた、 ちょっとした偶然で見知らぬ土地で死体を生む遠因になっているかもしれない。 普通に元気に生きていること自体ありがたいとしながらも、 それもまた人の業であり、人生そんなものだと達観しているようである。[映画館(字幕)] 7点(2016-04-19 20:56:13)《改行有》

111.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 SFでは使い古された題材なのに、時代設定が過去という点にざわつく。三人の男女は提供者として既に"終了"してしまったのだから。"終了"という、冷たいステンレスに横たわるような感触と響き。余命半年と余命30年では意味合いが違うはずなのに、ヒトの命を永らえさせるためにもう一方のモノの命が奪われる矛盾。ある意味で食物連鎖であるそれを除けば、限られた時間を生きるためにヒトと同じように愛することに奔走する姿が、尊厳として光り輝くが故に儚く切ない。無為に生きている今日は、誰かの生きたかった明日なのかもしれない。[DVD(字幕)] 7点(2016-03-22 20:48:06)

112.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 リアルタイムでテレビ版を見ていた者です。例の3話で取り上げられる以前に「これはリリカルなのは以来の魔法少女もののフォーマットになるのではないか」と思っていただけにビッグコンテンツになったのは説明するまでもない。最後まで安堵させないホラー映画さながらの緊張感にユーモアを差し込む暇もなく、ただただダークな世界観と負の洪水に圧倒されるしかない。しかし、テレビ版を見ていたため、結末は知っている。つまり、わざわざ劇場版として総集編を見せるわけだから、大きく差別化しなければならない。作画改善と新規OP以外は大幅な変更はなく、既にテレビ版を観賞済みならそこまでして見る必要はありません。むしろ分割して小出しにすることで期待と不安を引き出していただけに、次は何を出してくるかというワクワク感があまりないと思った(テレビ版なら8点)。[DVD(邦画)] 7点(2015-11-28 02:07:06)

113.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 近年のジブリ作品では佳作の域。地味で内省的であることには変わらないが、「普通でありたい」と願った自己肯定感の低い主人公が自分らしさを受け入れるまでの過程を丁寧に掬い取る。マーニーは杏奈の理想であり、逆もまた然り。足りない部分を補い合うように共鳴する。話の噛み合わなさが気になったが、伏線だったのか。マーニーとの別れは、鬱屈した過去からの解放であり、前向きに歩んでいこうとするきっかけなのだろう(監督のジブリ離脱と重なったりして)。それほど大きな変化ではないのが逆にリアルで良かった。[地上波(邦画)] 7点(2015-11-09 22:07:32)(良:1票)

114.  テッド 《ネタバレ》 字幕版を映画館で観ていたが、TV放送を機に再見。際どい下ネタや台詞の数々があるとは言え、ビックリするほどファミリー映画のプロットを踏襲している。ダメ人間のジョンと彼の裏切り行為でも捨て切れないモリー、心だけは薄汚いオッさんになったテッドを始め、見栄と自慢ばかりのモリーの上司もテッドを誘拐した親子も、ファンタジーの世界から卒業できない子供のメタファーではないか。それでも彼らを否定せず、モリーの祈りでテッドを蘇らせ、結婚式の仲介人がフラッシュ・ゴードンというあたり、忘れかけた童心を持って碌でもない現実に立ち向かおう、というファンタジーの本質を突いていると思う(考えすぎか)。随所に挟み込まれた選曲のセンスが良い。しかし、字幕版でもそうだが、アメリカでしか理解できないローカルネタやジョークだからって、"くまモン"、"ガチャピン"、"星一徹"等の単語に超訳したのは気になった。他の国ではどうだろうか?[映画館(字幕)] 7点(2015-09-06 16:01:55)

115.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 13年の歳月に散りばめられた行間のように、フルネームのない登場人物、テレビや携帯をわざと見せない現代の描写、非現実の中の現実が織りなす世界観のため、あくまでフィールグッドムービーとして見るのが正解だろう。悪く言えば、雰囲気重視でリアリティにおいて都合の悪い展開を誤魔化しているとも言える。後先考えず在学中におおかみこどもを産んじゃうとか、厳しい環境で村社会の強い山奥の集落でそう上手く子育てできないだろとか、気にしたら負け。それに、監督の嗜好が今作であからさまに具現化され、下卑た欲望が画面に透けて見えてしまうことが拒絶反応の強い要因ではないか。監督が女性だったらもっと違うアプローチで印象が違っていたかもしれない。それでも許容範囲だったのは、「そうきたか」と唸る演出だったり、育て上げた万感がリアルに親と重なって、こみあげるものがあったから。育ててくれた親への感謝、かつてした子育てへの郷愁。主題歌は反則すぎる。[映画館(邦画)] 7点(2015-08-08 00:56:03)

116.  バーニー/みんなが愛した殺人者 《ネタバレ》 ブラックコメディと銘打っているが、クスりとできるシーンは少なく、シニカルなシリアスドラマの側面が強い。インタビューされる住民が俳優ではない本人が演じているため、フィクションとドキュメンタリーの境界を行き来している不思議な感覚に陥る。その境目を突くように、人間は善悪では二分できない複雑な内面を持つ生き物であることを浮かび上がらせる。胡散臭い偽善者に見えるバーニーは最後まで裏表のない打算のない善人であり、確かに小心者で勇気がなかったが、すぐに自首していたら終身刑にならなかったかもしれない。では、彼をマスコット扱いし、事件をややこしくさせた住民の方が悪人に見えるが、悪意がないだけにタチの悪い結末だ。人を信じること、裁くことの難しさを改めて問いかける。判決前の画面に突き刺さるような視線が忘れられない。[DVD(字幕)] 7点(2015-06-02 19:34:44)

117.  キック・アス ヒットガールが何百人殺しまくろうが別に構わない。ただ、ヒットガールの立ち回りが鮮烈過ぎて、ドラマパートを担当するキックアスの影が薄くなってしまい、彼の成長物語にしては如何せん物足りない印象を残してしまった。確かに熱狂できるシーンは多く、名場面ばかりだけど、一気に醒めることが何度もあって、いつしか映画に集中できるようなムードではなかった。いろいろ言いつつも、この映画は面白い。しかし、キックアスとヒットガールがW主役であったとしてもバランスが取れてないし、リアリティとアメコミ的世界観が上手く融和せず、シーソーのように行ったり来たりするので疲れた。[映画館(字幕)] 7点(2015-06-02 19:27:32)(良:1票)

118.  BIUTIFUL ビューティフル(2010) 《ネタバレ》 バラエティ旅番組では決して見ることのないバルセロナの熾烈。ただ生きていくことだけで手一杯で、あまりにも醜悪で悲惨な世界でもがく人たち。わずか二ヶ月の命を宣告された父親は自分に出来ることを最期まで捧げる。しかし全て裏目に出て、安いストーブの不燃焼で自分が斡旋した不法労働者は死に絶え、知人のセネガル人女性に後見人として頼むも裏切られる。残された姉弟は受け継がれる貧困を歩むのかもしれない。それでも父親から与えられた愛情を胸に、困難に立ち向かう未来を我々は願うしかないだろう。猥雑で汚わいに満ちた世界から一転して純白に染まった雪景色の中、彼を待つ父と共に黄泉の世界へ旅立つ。歪だがそれでも生きた証こそ<<BIUTIFUL>>そのものではないだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2015-04-09 19:58:55)

119.  フォックスキャッチャー 《ネタバレ》 ジョンは母に愛されたかったのだろう。 低俗と貶されたレスリングを母に認めてもらいたかった。 一生遊んで暮らせるほどの金と権力があり、何でも出来ることへの自惚れと幼稚な態度はその裏返しか。 マークを雇ったのも、金で買えない真の友達が欲しかったのだろう。 だが、母を見返すことを優先し、途中からマークを邪険にしてしまうのも、 所有物として見てないセレブ特有のものか。 デイヴも引き込むが、ジョンで憔悴したマークを気遣うばかりでますます擦れ違いが大きくなる。 認められないまま母は死に、チームも良い成績を残せず、 自分の手に入れたかったものが零れ落ちて、残されたものは孤独のみ。 自分の欲しかったもの全てをデイヴが持っていた嫉妬もあって、彼に銃を向けたのでは。 ジョン・デュポンのようなセレブでなくても、中流家庭出身の犯罪者が続発しているのは、 埋め尽くさんばかりの物に溢れている割に心が満たされない見栄と虚無感による、 物質主義と精神主義の衝突があるのかと。 寒々しく晴れることのない風景が先進国の空虚さを捉えているかのよう。 コメディ映画はあまり見ないのでスティーヴ・カレルに偏見はなく、厭世的な狂気を漂わせていたと思うし、 実際にレスリングまでこなしたテイタムとラファロの熱演は言うまでもない。 ただ、賞レースであまり盛り上がらないのは、 ただ事実を提示するだけで、心を掻き立てられないのが大きいのかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2015-02-15 18:23:09)《改行有》

120.  マネーボール 《ネタバレ》 視点が面白い。野球をテーマにしてもあくまで裏方のお話。野球試合がメインではないため、物足りないと感じなくもないが、マネーボール理論で合理的に勝利を狙う展開を上手く魅せる。だから逆転ホームランのシーンで一番気分が高揚するわけで。ノウハウが他の球団で使われてしまうシビアさを字幕のみでサラッと見せ、終わりなき主人公の戦いを際出せていた。堅実な作りだけど、それ以上の収穫はなし。製作年から10年近く前の話なのに、パソコンのディスプレイに時代を感じるね。[映画館(吹替)] 7点(2015-02-15 18:11:05)(良:1票)

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