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プロフィール
コメント数 2597
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1181.  あしたのジョー(2010) 矢吹丈のストレートが力石徹の頬にめり込む。力石徹のアッパーが矢吹丈の身体を宙に持ち上げる。 拳がゆっくりと顔にめり込む、震える表情筋、乱れる毛髪、吹き出る体液……。 あの宿命の好敵手との決着と悲劇を、映像として具現化出来た様を観た時点で、この映画の存在価値は揺るがないと思った。 原作が長年語り継がれてきた“伝説”である以上、やはり評価における「比較」は避けられない。 この映画は、ある部分では原作を越え、ある部分では大いに物足りない作品だと思う。 まず前述の通り“対戦シーン”は、申し分ない。メインキャストの二人はしっかりと映像に映える身体づくりをし、それをCGクリエイター出身の監督が文字通り「縦横無尽」のビジュアルで切り撮っている。 山下智久の“丈”は、猛々しさは物足りなかったが、重圧をはね除けるための彼なりの努力と意地は見られた。 香川照之の“丹下”は、原作のキャラクターそのもののビジュアルと存在感を、流石の演技力とボクシングへの造詣の深さをもってして見せてくれた。 が、この映画におけるすべての要素の中で最も価値が高かったのは、伊勢谷友介の“力石”をおいて他に無い。 その体躯、眼差し、立ち振る舞い、存在感、そこに居たのはまさしく「力石徹」だった。 役者のパフォーマンスと、監督の創造性よって映し出されたビジュアルそのものが確固たるエンターテイメントであり、そこには「人気漫画を映像化する」ことの意義が確実に表されていたと思う。 一方で、圧倒的に欠けていたのは、対戦シーン以外の「情感」だった。 どうしても映画化における尺の制約があるので、ストーリーが端折られてしまうことは仕方が無い。 ただ端折られているはずの各シーンのテンポが悪く、展開が稚拙だったため、本来そこから伝わってくるべきキャラクターたちの感情の描き方が希薄に思えた。 丈と丹下との絆だったり、丈自身の心情そのものが薄っぺらに感じてしまう部分があったことは、ドラマとしては致命的だったと思う。 そういう意味では、ドラマ性の部分においても、「力石徹」に食われてしまっている印象も受ける。 トータル的には、伝説的な人気漫画に真正面から挑戦し、しっかりと映画化した作品だと思うし、面白い映画であることは間違いない。 ただし、「力石徹」を登場させられない以上、続編には挑むべきではないとは思う。[映画館(邦画)] 7点(2011-02-14 00:00:24)(良:1票) 《改行有》

1182.  RED/レッド(2010) 決して嫌いじゃない。が、もっと面白くする方法はいくらでもあったと思う。 老いても尚、こういう役どころのアクション映画で堂々と活路を見出すブルース・ウィリスは、相変わらず精力的だと思う。 その主演映画がまだまだ“面白そう”に思えるのは、彼自身の類い稀なスター性故だろう。 ただし、主演映画が多い分、良作と駄作の振れ幅も大きいことも、彼の映画の特徴と言える……。 引退した凄腕CIAエージェントたちが、老体に鞭を打って、急襲してくる現役エージェントたちを撃滅していく様は、非常にエンターテイメント性に溢れ、それを豪勢な名優たちが演じるのだから、映画としては尚更魅力的だった。 特に、ジョン・マルコビッチのキレっぷりと、まさかのヘレン・ミレンがマシンガンを問答無用にぶっ放すというコンテンツは、絶大なオリジナリティーだったと思う。 しかし、キャラクターに対するぶっ飛んだ設定が、残念ながら映画自体に反映しきれていない。 そもそもが“マンガ”なのだから、そこに現実的な整合性など必要もなく、ひたすらに荒唐無稽な世界観を突き通すべきだったと思う。というか、そういう映画世界を見たかった。 序盤の爆発的なテンションが、クライマックスに近づくにつれ、どんどん降下していくことも致命的だったと思う。 もしクエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスが監督を務めていたら、こういう結果にはならなかっただろう。 [映画館(字幕)] 5点(2011-01-31 16:31:08)(良:2票) 《改行有》

1183.  トイ・ストーリー3 今年、「断捨離」なんて言葉が話題になった。自分と物との関係を見直して、暮らしや人生を調えていくプロセスのことだそうだ。 人間は、その人生をまっとうしていく中で、様々なことを取捨選択している。 その最初の選択が、実は“おもちゃ”に対してのことなのかもしれない。 もちろん僕も幼少期にはたくさんのおもちゃで遊んだ。お気に入りは、トミカのミニカーや、ダイヤブロックの人形で、この映画の冒頭と同じように、“彼ら”を駆使してひたすらに空想の世界に没頭した。 でも、29歳になった現在、当時遊んだおもちゃで現存しているものは、ほぼすべて無くなってしまった。 どこかで無くし、誰かに譲り、そして捨てたのだろうと思う。 普通、記憶にも留まらないその「選択」を、この映画は最上のエンターテイメントをもってして物語る。 大学生になる“持ち主”が、自分たちをどうするのか。 大学生活に連れて行ってもらえるのか、屋根裏の物置に追いやられるのか、保育園に寄付されるのか、捨てられてしまうのか……。 そこからおもちゃたちのアドベンチャーが始まる。 ピクサーの魔法によって文字通り魂が吹き込まれた“ウッディ”をはじめとするおもちゃたちの躍動感と感情が凄い。 人間たちが現れ、ただの“おもちゃ”として振る舞う様にも、しっかりと感情が滲み出ている。 エンターテイメント性溢れるアドベンチャーを経て、おもちゃたちは、自分たちが持ち主に本当に愛されているという「幸福」を知る。 そして、おもちゃたちが選んだ自分たちの進むべき道。その「選択」が素晴らしい。 何かとの大切な“つながり”は、避けられない“別れ”があってはじめてその真の価値が見出されるものかもしれない。 あまりに愛くるしいこのおもちゃたちの映画に、そういうことを感じた。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-01-17 23:40:25)(良:3票) 《改行有》

1184.  ベスト・キッド(2010) この映画、過去のヒットシリーズのリメイクであることはもちろん間違いないけれど、ただリメイク映画と言ってしまうことは「失礼」だと思える程、“良い映画”だと思う。 かつてのヒット映画では、当時ほぼ無名の日系人俳優が演じた役柄を、あのジャッキー・チェンが演じているというだけで、あらゆる面で映画としてのインパクトが高いことは明らかである。 しかし、もっともこの映画を確固たるものに足らしめている要因は、ウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスの存在感だ。 この子役、その才能が間違いないと思うからこそ、敢えて“ウィル・スミスの息子”という冠を付けたくなる。 その“芸達者”ぶりは、父親のそれそのもので、この子供が本当に小さい頃から父親のパフォーマンスをしっかりと見続けて成長してきたのだろうなということを想像させる。 彼の身体能力、存在感、そして演技者としての表現力の高さが備わったからこそ、この映画は想定よりも一つ上のレベルに達したと思う。 子役の成熟には様々な弊害がつきものだが、父親共々ハリウッドを代表する良い俳優に育っていってほしいなあと思う。 現代のハリウッドを代表する表現者のDNAとカンフー映画の世界的スーパースターが、北京の街並の中で絶妙なバランスで合致した幸福な映画だと思う。 ただし、このテンションで締めるのであれば、やはりエンドロールにはNG集を用意してほしかったなあ……。[DVD(字幕)] 8点(2011-01-16 10:47:06)(良:2票) 《改行有》

1185.  アマルフィ 女神の報酬 某キー局の開局何十周年記念か何だかで、日本映画とすれば「巨費」をかけたと言える今作。 オールイタリアロケが功を奏し全編通して一定の雰囲気はある映画だと思う。無駄に長い気もするが、サスペンスのテンポ自体は悪くはなかったと思う。 主演の織田裕二の演技なんて端から期待はしていないので、この手の作品としては珍しい「外交官」という役どころにも特別違和感は無かったと言える。 ただし、違和感は無い一方で、主人公が外交官である必要性をあまり感じなかった。 原作を読んでいないので何とも言い難いが、なぜ外交官である主人公があそこまで大立ち回りをしなければならないのか?そもそも彼は何者なのか? 主人公のキャラクター性自体の描き方があまりに不十分なまま物語は終結してしまい、ストーリーに入り込めなかった。 ストーリー自体も、一応の整合性は保っているけれど、配役その他から“オチ”が終始見え隠れするので、サスペンスによるカタルシスは得られなかった。 描かれなかった主人公のキャラクター性、主人公がちょこちょこ電話する相手に中井貴一を声だけ出演させるなど、某キー局の相変わらずのビジネス戦略が随所に見られる映画だ。[地上波(邦画)] 4点(2011-01-06 16:57:02)《改行有》

1186.  ハリー・ポッターと謎のプリンス 最終章前の“つなぎ”的な要素がありありと伺えるシリーズ第6作目。 明らかに、前作「不死鳥の騎士団」の盛り上がりを一旦トーンダウンさせて、次の最終章まで引っ張りましたという感じが拭いきれず、特に原作未読でファンでない者とってみると、この章自体が「不要」と思えてしまった。 ラスボスであるヴォルデモード卿のバックボーンを描く過程は、物語全体において不可欠な要素だったと思う。 しかし、そこに毎度お馴染みの魔法学校でのほんわかエピソードや主要キャラクターらの恋模様が、必要以上に絡んでくるので、ストーリーの焦点がぼやけてしまっている。 敵方のディティールを描くのであれば、主人公らのエピソードなど脇に追いやって突き詰めていった方が、映画作品として締まったように思う。 まあしかし、ここまでくればもう最後まで観るしかない。 本当は一年くらいかけて過去のシリーズ作を観ていくつもりだったのだけれど、結局3日間で未見だった4作品を観尽くしてしまった。 残るは現在公開中の最終章のみ。ここまでの伏線や思惑が一体どう解消され、世界的人気シリーズを締めくくるのか。 こうなりゃこの勢いのまま劇場まで足を運ぼうか……。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2011-01-05 17:07:30)《改行有》

1187.  ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 シリーズ第5作目にしてようやく「ハリー・ポッター」というエンターテイメントの面白味を味わえるようになった気がする。 この物語は、表面を何重にも“お子様向け”のファンタジーでコーティングした飴玉のようなもので、飽きるような甘ったるさを何層も溶かしていくと、やっと深い旨味に到達する。 そしてその旨味に達すると、前の甘さが懐かしく、大切なものだったということに気づかされる。 そんなわけで、物語全体が核心に向けて突き進んでいく5作目で初めて、全編通して鑑賞に堪える面白味を備えた映画作品として仕上がっていると思った。 主人公が両親の敵であり最大の敵であるラスボスに立ち向かっていこうとする様は描いた今作では、そのための礎となる自分自身の確固たる”居場所”と共に闘う“仲間”を見出していく。 そのくだりは極めてベタでストーリー展開として目新しさはないが、シリーズ4作目までの時に回りくどいほどの長い長い物語が伏線となり、ベタさを”王道的”とも言い換えられる説得力を備えていると思う。 世界的人気シリーズの面白味にようやく気づいた反面、やはりこのシリーズは”お子様向け”だと改めて思う。 それは、自分自身がきっちりと“お子様”の頃に、第1作目「賢者の石」を観て、自身の成長と共に各作品を観ていけていたなら、どの作品に対してもその時々に応じた面白味を感じることが出来たであろうと思うからだ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-01-05 13:49:09)(良:1票) 《改行有》

1188.  ハリー・ポッターと炎のゴブレット シリーズ第四作目。それが児童文学である原作そのものの売りなのかもしれないけれど、魔法学校生活の中の”たわいもない”シーンが、まどろっこしくて眠気を誘う。 プロダクションが巨費を投じるイベント映画でもあるだろうから、これでもかと様々な要素を盛り込んで尺が長くなってしまうことも仕方がないのかもしれないが、特別にファンでない者からすれば、「もっとコンパクトにしてくれよ」と正直感じてしまう。(まあ、じゃあ観るなということになるだろうけれど……) 今作では、三大魔法学校の対抗戦という、この手の物語にはよくありそうな“つなぎ”の要素がメインに描かれるため、真に迫った緊張感が無いまま、映画が展開していく。 「これは前作に比べて、ずいぶんと“子供向け”の要素がぶり返してきているな~」と眠気に耐えながら、というか途中で睡眠を挟みながら、ようやくクライマックスを迎え、そこで映画のテンションは一転した。 “ラスボス”であろうヴォルデモード卿がついに復活し、いきなりハリー・ポッターと対峙する。 公開中の最新作の予告編で登場しているこの悪役の造詣を見て、その派手さの無い”気味悪さ”がいやに印象強く残っていた。 そして、今作のクライマックスでの登場シーンはせいぜい十数分程度だが、映画の雰囲気を一変する抜群の存在感を放っていた。エンドロールで初めて知ったのだが、演じているのがレイフ・ファインズだと知って、即座に納得した。 ストーリー自体にも明確な「死」が描かれるなどしており、「ハリー・ポッター」の物語全体が終幕に向けて転じていく様には興味を掻き立てられた。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2011-01-04 16:24:17)《改行有》

1189.  イヴの時間 劇場版 手塚治虫の「鉄腕アトム」を礎にして永年に渡って、様々な媒体で描かれてきたテーマ。それが、「人間」と「ロボット(アンドロイド)」との関係性。 何度も何度も描かれてきたテーマだけに、このアニメーション作品で描かれている主題は、善し悪しは別として「古典的」だと思う。 新進的な秀麗なアニメーションにおいて、その古典的な要素が際立っていることは間違いない。 それを素直に受け止められるかどうかで、この作品に対する評価は大いに左右されるような気がする。 想像よりも“驚き”は少ないストーリー展開に対して、拍子抜けしてしまう部分は確かにある。 ただし、それをある時点で受け入れられてからは、人間とロボットの心情が交じり合う様に純粋に感動も出来た。 物語全体のバックグラウンドはしっかりと設定されているようで、今作に収まり切れていないストーリーの展開も今後期待できるようだ。 どういう形で公開されるのかは知らないが、「続き」に対する興味は充分に大きい。 あまりに都合の良い設定や、台詞や展開のあざとさも随所で見受けられる。 が、決して嫌いではない。[DVD(邦画)] 6点(2011-01-03 21:33:00)《改行有》

1190.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 2002年の「秘密の部屋」以来、実に8年ぶりに「ハリー・ポッター」の続編を観た。別に公開されている最終作を映画館に観に行こうと考えているわけでもなく、ただ正月の気まぐれだ。 第二作目までを観て、この作品がどう転んでも“お子様向け”であることを見せつけられたことが、8年間見向きもしてこなかった理由だった。 このシリーズ3作品目も、トータル的に見れば“お子様向け”であることは否めないし、児童文学の映画化である以上、そのことが悪いと評する理由はないと思う。 ただ、前2作品に比べると、監督が変わったこともあり、ダークな映像世界には雰囲気があったと思う。 まあゲイリー・オールドマンを副題にもなっている囚人役で登場させておいて、ベタベタなクリスマス映画に仕上げる方が逆に難しいかもしれないが。 こうなれば公開を控えている最終作も含めて、何とか今年中にシリーズ全作品観てみようとは思っている。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2011-01-03 20:43:44)《改行有》

1191.  デイブレイカー バンパイアが全世界を支配した近未来。残り僅かな“人類”は血液補填のために大企業に「飼育」されている。 という設定は、新しく、非常に興味をそそられたので、大晦日前の気忙しい中、街の映画館まで観に行った。 イーサン・ホーク演じる主人公ももちろんバンパイアで、血液供給会社のエリート血液研究者をとして勤めている。 その目新しい設定から期待していたストーリーは、バンパイアであることが「正常」である世界における価値観と、そこから展開する新しい視点のドラマ性だった。(藤子・F・不二雄の短編「吸血鬼」は絶品!) しかし、残念ながら繰り広げられたものは、結局残された人類とバンパイアの対立の構図で、極めて凡庸だったと言わざるを得ない。 そもそも主人公がバンパイアであることが面白いと思ったのに、彼が人間の血液を摂取することをはじめから嫌がっているようでは、ストーリーに深みが生まれるはずも無い。 ダークな映像世界の中の独特の味わいには非凡さも垣間みれたが、オリジナル性が高いとは言えず、ストーリーのチープさと粗さをカバーするまでには至っていない。 主人公のキャラクター性にイーサン・ホークは合っていたけれど、せっかく脇に据えたウィレム・デフォーやサム・ニールのキャラクターに特筆する程のインパクトがなく、勿体なく感じてしまった。 今年の観納めとして観に行った映画だけに、殊更に残念な部分が際立ったように思う。[映画館(字幕)] 5点(2010-12-31 16:37:06)(良:1票) 《改行有》

1192.  恋はデジャ・ブ 十数年に渡って、この映画のジャケットをレンタルショップで幾度となく見続けてきた。 そしてその度に、「若いビル・マーレイが出ているチープなラブコメなんだろうな」と思い続けてきた。 何より、「恋はデジャ・ブ」という邦題がださ過ぎる。恐らく、多くの映画好きの日本人が同じような印象を持っているんじゃないかと思う。 ところがこの映画が、アメリカの歴代映画ランキングの「ファンタジー」部門で8位にランキングされており、驚いてしまった。 そして追い打ちをかけるように、TSUTAYAの“発掘良品”の企画棚に並んでいるのを観て、この映画の存在を知って十数年目、初めて手に取った。 いやあ、良い映画だった。まさに“8位”、まさに“発掘良品”に違わない。 自尊心ばかりが強い意地の悪い主人公が、嫌々訪れた田舎町で、“或る一日”を抜け出せず、繰り返し繰り返し同じ一日を生きなければならなくなる。 良いことも悪いこともすべてが繰り返され、主人公は時に楽観し、時に悲観し、心情の浮き沈みさえも繰り返す。 人は誰しも、とても良いことがあっても、とても悪いことがあっても、「また同じ一日をやり直したい」と思う。 では、実際にそういう状況に陥ったとき、果たして何が出来るのか?ということをこの映画はひたすらに描き出す。 永遠に繰り返される一日。それはやはり“悲劇”であり、“恐怖”だと思う。 何を成功しても、何を失敗しても、目が覚めると”ゼロ”に逆戻り。 その儚さは、「一日」に“始まり”と“終わり”があることの「価値」を雄弁に語る。 ラブコメであるこの映画は、恋の成就とともに一応ハッピーエンドを迎える。 ただそのハッピーエンドには、また繰り返される一日が表裏一体で存在しているようで、何だか怖い。 ビル・マーレイが演じる主人公は、繰り返される一日に苦悩しながら、人生における様々な発見と経験を得ていく。 この映画は、“同じ一日”を繰り返して描くことで、人生にまったく“同じ一日”なんてものは無いということを、ファンタジックな辛辣さの中で物語っている。 最後に……やはりこの邦題だけは最悪だ。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-28 17:41:18)(良:3票) 《改行有》

1193.  あしたのジョー(1980) この劇場版自体が、自分が生まれる前の作品なので、当然「あしたのジョー」をリアルタイムに知る世代ではない。テレビアニメも見たことが無かった。 ただ、アニメのスペシャル番組などにおいて、散々放送されているので、矢吹丈の最大のライバルの名が「力石徹」だということも、彼の最期がどういうものかも、「知識」として当然知っていた。 この劇場版は、テレビシリーズの再編集版に過ぎず、そこに「あしたのジョー」という伝説的なアニメーションのすべてが凝縮されているとは到底思えないが、それでも、ようやく力石徹の「最期」をちゃんと見られたことは、意義があったと思う。 来年、ついに「あしたのジョー」が実写化される。 それを前にして、原作漫画を中古で買って読み、この映画を観てみた。 原作のファンである人からも、そうでない人からも、実写化そのものについて、配役について、賛否は尽きないだろう。 が、個人的には「期待」の方が大きい。[DVD(邦画)] 6点(2010-12-28 16:16:26)《改行有》

1194.  シーサイドモーテル やりたいことは分かる。狙っている世界観もファーストシーンからラストシーンまでビンビンと伝わってくる。 だが、ウマくいっていない。そして、面白くはない。 山間の小汚いモーテル、海なんて何処からも見えないのに、その名も「シーサイドモーテル」。そこに集まった4組の訳あり男女。それぞれのシチュエーションの中で巻き起こる”騙し合い”。 キャストは生田斗真、麻生久美子、山田孝之、玉山鉄二、成海璃子、古田新太……と華やかさを併せ持つ曲者揃い。 「ああ、面白そうだ……」と、予告を見た段階で止めておくことが、最も幸福なのかもしれないが、もちろんそういうわけにはいかないわけで……。 何と言うか、面白く無さ過ぎて腹立たしいなんてことは全然ないのだけれど、きっぱりと面白くないと断言は出来て、その失敗の様を何故だか微笑ましく眺めてしまう。そんな映画。 それは、この映画に携わったスタッフも演者もみな決して手は抜いていないということが、ひしひしと伝わってくるからかもしれない。 「タランティーノばりに面白い映画を作ろう!」とそれぞれが頑張っているのだけれど、噛み合っていないというか、そもそも話が面白くないというか。 無意味にハイテンションな演出なので、舞台で各部屋のセットを立体的に組んで演れば、結構面白い舞台になるかもしれない。と、可哀想なのでフォローしてみる……。 まあ、いいよ。こういう映画もあって良いよ。 P.S.「手紙」の後にこの映画を観た。山田孝之&玉山鉄二の役柄のギャップは、楽しみがいがあった。そういう要素も、映画の醍醐味だと思う。[DVD(邦画)] 5点(2010-12-25 02:10:49)《改行有》

1195.  手紙(2006) 《ネタバレ》 「手紙ってめちゃ大事やねん」と、沢尻エリカが主人公をこれでもかと諭すように言い放つ。 もう映画のクライマックスだと思っていたシーンでのこの陳腐であざとい台詞を聞くや否や、思わず大あくびをしてしまった。 物語としての面白さがまるでない道徳映画を観てしまったなあと思った。 が、映画はもう少し続いて、結局最後は泣いてしまった。 東野圭吾の原作は読んでいないので、一概には言えないが、ストーリーには彼らしい捻りはない。 殺人を犯した兄を持つ主人公の苦闘の日々を、兄弟間の“手紙”のやり取りを絡めながら、つらつらと重苦しく描く。 映像となり、主人公を山田孝之が演じることで、その“重さ”は余計に”じっとり”としたと思う。 だからと言って、特筆する程の「悲劇」も描かれない。明確だけれど地味な「不幸」が波のように訪れるばかり。 苦悩し続けた主人公は、ついに兄との明確な「決別」を決意する。 ラスト15分、そこから物語はようやく感動へ転じていく。 映画の中でも説教臭く描かれる通り、世の中から「差別」が無くなるなんてことはないのだろうと思う。 なぜなら、人の世の中は、差別し、差別されることで成り立っている要素が多分にあるからだ。 そして、そのことと同じく、一度繋がった人と人との関係性を完全に消し去るなんてことも、実際不可能なことだろうと思う。 それが血縁者であるなら尚更。ただただ受け止めて、生きていくしかない。 使い古された言葉を敢えて使うなら、それが「宿命」というものなのだろう。 そういうことをこの兄弟がそれぞれに受け止めたラストシーン。 受刑者の兄を演じる玉山鉄二が、漫才をする弟の姿を見つめながら、号泣を押し殺すようにひたすらに両の手を合わせる。 それは、延々とありふれた道徳論を描いてきた映画の果てに辿り着いた、綺麗ごとではない真実味だったと思う。 映画としての展開は非常に稚拙で、ラストシーンにしても小田和正の楽曲を無理矢理持ち出して、強引に涙を誘うというあざとさが溢れていることは否定できない。 ただあざといからこそ、人間と社会、人間と人間の結びつきについて考えさせられる映画だとは思う。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-22 17:20:08)《改行有》

1196.  相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン 「相棒」というテレビシリーズは、不思議な魅力を持っていると思う。 本来は某キー局制作の2時間ドラマ臭がプンプンする刑事ドラマだったにも関わらず、地味というか地道というか根強い人気が続き、10年間にも渡る人気シリーズになってしまった。 描かれるストーリーも、徐々に「謎」が洗練されていき、一定のクオリティーを保つミステリーシリーズとしても育っていったと思う。 テレビシリーズの深いファンではないので、本当に時々放映されている回を見たことがある程度だが、最初は”失笑”せずにいられなかった水谷豊のキレッぷりも、今では”お約束”となり、アレが無いと少々物足りなさも感じる。 この「劇場版」も全く観たくないなんてことはなかったのだけれど、まあ所詮テレビドラマの雰囲気の枠を出ない作品だろうと、特に期待もしていなかった。 そして、実際その予測は外れていはいなかった。 良い意味でも悪い意味でも”豪華な「相棒」”という印象。 1本の映画として完成度が高いとはとても言えないが、普段のテレビシリーズでは見られないであろう大々的なロケーションと豪華キャスト陣は、ファンを存分に喜ばせるスケール感を伴っていたと思う。 人気のテレビシリーズが、予定調湾ごとく映画化される現状には辟易しているが、「映画」にすることで面白味が膨らむ作品は確実にあるだろうし、一概に否定はできないだろうなとは思う。 同シリーズ「劇場版Ⅱ」にも、密かに期待している。[地上波(邦画)] 6点(2010-12-21 14:12:20)《改行有》

1197.  知りすぎていた男 ああ、もうしかしたらこうなるのかもな。こうなったら面白いな。 と、卓越したサスペンスの中で、その先の用意されているだろう「顛末」に期待が大いに膨らんでいく。 しかし、ストーリーは想定外に”ストレート”に展開し、“ストン”と終わってしまう。 アルフレッド・ヒッチッコックの作品を観ていると、決まってそういう感想を抱いて、「これでおわり?」と思いながらエンディングを迎える。 残念ながら、この作品もその例に漏れなかった。 ある幸福な家族が北アフリカでの旅の途中、「陰謀」に巻き込まれる。 最愛の息子をさらわれ、誰も信じられない状況の中、夫婦は自分たちのみで息子の奪還に挑む。 映画は北アフリカの情緒感の中から始まり、「何が起こっているのか?」というミステリアスな導入部分から途端にトラブルに放り込まれる感覚は、上質な緊迫感に溢れていたと思う。 ただやっぱりストーリーの展開に面白味が無い。 主人公たちがバタバタとトラブルに巻き込まれるばかりで、意外性や衝撃性がまるでない。 逆に、無駄にぐだぐだとした惰性のシーンばかりが目についてしまう。 五十数年前の映画に、現在でも通用するような“驚き”の提供を期待することは酷なことかもしれない。 でも、それが映画史を代表するサスペンスの巨匠の映画というのであれば、やはり期待はしてしまう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-10 12:10:40)《改行有》

1198.  裏窓(1954) もう10年以上前のことなので白状するが、中学生の頃、自室での勉強の合間の気晴らしで、窓から見える公園の様子を双眼鏡で眺めていたことがある。 住宅地の中の何の変哲もない公園なので、特に何があるということでは無かったが、それでもいろいろな人がいろいろな表情で過ごす様を“覗き見”することは、大きな声では言えないが好奇心をかき立てられた。 詰まるところ、この映画は、そういう誰しもが持つちょっとした「好奇心」を、仰々しく膨らませたサスペンスなのだと思った。 窓から見える近隣住人に対してふと生まれた「疑念」。それが主人公の中でどんどん膨れ上がって、自らを「危機」に運んでいく。 彼の「疑念」は正しいのか、間違っているのか。このサスペンスのハイライトはまさにその部分で、観客はその狭間で揺さぶられる。 アルフレッド・ヒッチッコックの「名作」との誉れ高い作品なので、期待感は強かった。 ヒッチコック独特の心理上ので緊迫感は流石だと思った。 ただし、「結末」については、他の同監督作品と同様に”物足りなさ”を感じた。 もう60年近く前の映画なので、一概に現在の価値観ではかるべきではないとは思う。 映画の手法としてこの映画が確立しているものの価値は揺るがないだろう。 しかし、ラストもう「一転」させてくれないと、現在の映画ファンは納得できない。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-09 12:13:16)《改行有》

1199.  SPACE BATTLESHIP ヤマト 映画、特に娯楽映画においてはっきりと言えることが一つある。 それは、観る者のそれぞれの感受性と価値観によって、一つでも「印象」に残る要素があれば、その映画の価値は揺るがないということだ。 この映画には確実に“それ”がある。それがある以上この映画を否定することなんて出来ない。 それは、日本映画界で考えられる最大限のレベルで実現させた宇宙戦艦の発進シーンでも、 良い意味でも悪い意味でも“木村拓哉らしい”ヒーロー像ぶりでもなく、 ずばり“ヒロイン”の魅力に他ならない。 そう、“森雪”を演じた黒木メイサが素晴らしかった。 映画や漫画において時折、堪らなく魅力的なヒロインにめぐり会う。 そういうときは、その作品を観終わった後もしばらくの間、“彼女”のことばかり考えてしまう。 それはまさに、現実と創造の狭間に生まれるささやかな“恋”だと思う。 必ずしも黒木メイサの演技力が高いとは思わないし、原作を知らないので“森雪”というキャラクターに彼女が合致していたのかどうかも定かではない(おそらく随分違うんじゃないかと思う)。 ただそんなこと「どうでもいい」と思わせるほど、“黒木メイサの森雪”は魅力的で、木村拓哉の古代進と同様に彼女に恋し、守りたいと思ってしまった。 繰り返しになるが、世代が随分違うので、原作のアニメは見たことが無い。 原作を知らないからこそ楽しめた要素は多くあるのかもしれない。 基本設定は「スタートレック」にも似たこのSFエンターテイメントを、もしハリウッドが映画化したならそりゃあ大迫力のブロックバスター映画になったことだろう。 だが、この「宇宙戦艦ヤマト」の精神的な荒涼感や孤独感、奥ゆかしい情緒感は、やはり日本人が描くべき世界観だと思った。 映画としての粗や突っ込みどころは非常に多い。 ただそれでも、この映画を、日本人が一生懸命に挑戦してつくりきったことが、非常に重要なことだと思う。 まあそんなことより何よりも、僕にとっての“森雪”がとびきり可愛くイーッとして古代進を見送る。そのシーンがすべてだと言いたい。 ヒロインの漆黒の瞳から始まり、「未来」を見つめる彼女の姿を映し出して終わるこの映画において、その価値観は決して間違っていないと確信する。 余談になるが、某スキャンダル女優が降板したことが、今となっては「運命」だったとすら思う。[映画館(邦画)] 8点(2010-12-06 22:07:03)(良:3票) 《改行有》

1200.  ヘアスプレー(2007) 素晴らしい。まさにこれこそがミュージカル映画だ。 歌って踊ることが大好きなおデブちゃんの女子高生が、テレビスターを夢見る。それに当初は反対する巨漢の母親。その母親役をなんとジョン・トラボルタが演じている。 そう聞くと、なんだかエディ・マーフィのコメディ映画みたいな印象も受けるが、ある意味、圧倒的に正統な楽しさに溢れるミュージカル映画に仕上がっている。 数日前に豪華俳優陣を揃えて大ヒットブロードウェイミュージカルを映画化した「NINE」を観たばかりだった。「NINE」は流石に豪華な大ミュージカル映画だったが、あくまで舞台ミュージカルの映像化という範疇を抜け切らなかった点が、ミュージカル映画好きとしては残念だった。 でも、今作は、映画だからこそ表現出来るミュージカルシーンをきちんと見せてくれる。 主人公の女子高生が、丸々とした愛らしいルックスで朝の街を歌い踊りながら登校するシーンからはじまり、ロケーションとカメラワークで多面的でバラエティ豊かなミュージカルシーンに溢れている。 ストーリーなんて二の次で、とにかく見ているだけで「楽しい」。ということこそ、ミュージカル映画が持つべき根本的な魅力だと思う。 その本質をしっかりと押さえつつ、“他人と違う”ということを肯定しその価値を魅力的に示すことで、あらゆる「差別」の否定にまで繋げたストーリー構成も良かった。 何と言っても、ジョン・トラボルタを自らの体型にコンプレックスを持つ母親役に配したことが、最大のファインプレイだろう。 やや引きこもり気味だった母親が、新進的な娘に刺激されて徐々に自分を曝け出していく流れは、トラボルタがどういう俳優か知っている人にとっては予定調和過ぎる要素ではあるが、巨漢の母親に扮した彼がBigな尻を振り乱し歌い踊る様は問答無用に爽快だ。 そして、すっとぼけてはいるけど理解のある人格者の父親を演じたのは、名優クリストファー・ウォーケン。 まさかトラボルタとウォーケンが「夫婦役」で共演し、愛に溢れたミュージカルシーンで共に歌い踊るとは……、拍手。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-05 23:15:59)(良:2票) 《改行有》

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