みんなのシネマレビュー
かたゆきさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
818283848586878889909192939495
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
818283848586878889909192939495
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
818283848586878889909192939495

1241.  ABC・オブ・デス 《ネタバレ》 世界各国から集められた26人の俊英監督が、与えられたアルファベット一文字から始まる言葉を選び、それをテーマに各自芸術の自由を駆使し“死”の物語を創り上げた。これはその集大成である――。と、いう訳で2時間強という枠の中に5分前後のお話が26個も収められたホラーオムニバス作品。てか、さすがに起承転結のある映画を5分という短さに纏めるのって無理があったって!みんな、短い持ち時間の中にとにかく自分の個性を残そうとするあまり、もうどれもこれも奇をてらっただけのエログロへと走っていてとにかく下品極まりない作品の連続でありました。血液、ゲロ、唾液、おしっこ、うんこ、おなら、精液、肉片、とにかくばっちい物が延々と飛び散る映像がひたすら続いてもううんざり…。こんなのABCオブエログロじゃん!辛うじて人に見せるレベルに達していたのは、屈強な男と小汚い犬とのボクシングをスローモーションを多用した乾いた映像とそれに見事にマッチしたカッコいい音楽で描いたDの「ドッグファイト」のみ。後はもう映画学校の生徒が卒業制作で創ったような酷い駄作のオンパレードでした。特に日本人監督が製作したいかにもサブカル的悪乗り作品なんて撮ってる現場は楽しかったかも知れんが(レズっ子女子高生が大好きな女教師のおならを嗅いでるうちに肛門へと入っちゃうんだよ、面白いっしょ、あはは~てアホか!)、もう観ているこっちは不愉快千万!でもまあ、こういう挑戦的な試みをちゃんと映画として成立させたところだけは評価出来るかなぁと4点付けようと思っていたのだけど、最後にどこの馬の骨の日本人が撮ったか知らんが、サブカル風味のくだらない映像で311や原発事故を茶化したような作品が出てきて、もう怒り狂いそうになっちゃいました!理不尽な津波に一瞬にして呑み込まれ怒りや哀しみの声を発することなく海の藻屑と消えざるをえなかった全ての人々や、原発事故で愛する故郷から離れざるをえなくなった全ての人たちを愚弄しているとしか思えず、不快感の塊になって映画を観終えました。もう、最後のZ作品だけでさらに-1点じゃ!![DVD(字幕)] 3点(2014-07-03 21:29:24)

1242.  死霊館 《ネタバレ》 高名な心霊研究家であるエドとロレイン夫妻。これまで科学では解明できない様々な難事件を見事に解決してきた彼らだったが、これは今まで誰にも語らなかった最も邪悪な事件を基に描いた実話である――。71年、アメリカのどこにでもあるような片田舎、格安で手に入れた一軒家に5人の娘と愛する妻と共に越してきたトラック運転手ペロン、だが夜な夜な恐ろしい怪現象がそんな家族たちを襲い始めるのだった。謎の死を遂げる愛犬、怪しげなオルゴールに夢中になる末娘、夜中の3時7分に一斉に止まる家中の時計、そして知らぬ間に妻の全身には謎の痣が拡がってゆく…。藁をも縋るような彼らの依頼を引き受けたエドとロレイン夫妻は、訪れたその館で恐ろしい魔女の呪いが今まさに家族を喰い尽くそうとしていることを知るのだった。かつて「ソウ」シリーズで一世を風靡したジェームズ・ワン監督が新たに挑んだのは、そんなびっくりするぐらいオーソドックスな展開が続く超ベタベタなエクソシスト作品でした。でも、なんでだろう、けっこう面白かったっすよ、これ。最初から最後まで既視感バリバリの怖がらせ演出が延々と続くのに、普通に最後まで観ていられるのは、恐らく監督のこの細部へのこだわりなんだろうね。いちいちセンスを感じるアイテムの数々(最初に出てくる人形の気持ち悪さったらもう!笑)や、凝りに凝ったカメラワーク、全編に横溢するピリリと冴えたホラー&グロ描写。うん、及第点レベルではあるものの、エンタメホラー映画としては充分に楽しめる作品でありました。まあ、実話を基にしたうんぬんのくだりは、恐らく本人たちが長年人に話したり講演したりしていくうちにどんどんと尾ひれが付いて次第にスケールが大きくなって本人が知らないうちに話が一人歩きして…、の結果がこれなんだろうけどね。実際は「あ、ネズミが出た。い、異臭がする。え、変な音が聞こえたよ、あぁ~人が居るような気配がする、きっとここには魔女が居るに違いない…(実際見たわけじゃないが…)」程度の話だったんだろうけど(笑)。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-02 20:01:27)(良:1票)

1243.  ランナウェイ/逃亡者 《ネタバレ》 年の離れた妻を交通事故で亡くしたものの、遺された可愛い盛りの娘と共に充実した日々を送る弁護士ジムには、30年間隠し続けてきたとある過去があった――。それは理想に燃えて身を投じた学生運動の暴走の果てに、銀行強盗を行い人を死なせてしまったという残酷な事実だった。以来、名前も経歴も捨て別人として生きてきた彼だったが、地方紙の新聞記者によってそんな過去が暴かれてしまう。「自分はまだ捕まるわけにはいかないんだ…」と愛する娘を弟に預け、FBIや新聞記者の追撃を逃れながら彼はかつての仲間たちの元を訪ねてゆくのだった。隠された真実を求めて孤独な逃避行を続ける一人の男の姿を淡々と描き出す社会派サスペンス。なんだかいかにもレッドフォードが撮ったというのが丸分かりの、超真面目なキャラクターばかりが登場し、まるで映画学校の教科書のような超オーソドックスなストーリーが展開されてゆくというなんとも地味な作品に仕上がってましたね、これ。うーん、さすがにちょっと古臭いっすわ~。てか、これってハリソン・フォード往年の名作「逃亡者」と展開がほとんど一緒ですやん(笑)。それならそれでもっと個性的なキャラクターを登場させるとか、もっと政治的に物議を醸しそうな先鋭的なテーマを扱ってみるとか、他にはないこの作品ならではという個性が欲しかったですね。あまりにも地味で古臭いという印象が強いせいで(それにちょっぴり冗長だし)すぐに記憶から消え去りそうな残念な作品でありました。レッドフォード作品ってどれも作りが優等生に過ぎて、僕とはあまり相性がよくないようです。あ、あと全く関係ない話なんですけど、レッドフォードの11歳の娘を演じた女の子が同じ歳ぐらいの頃のクロエ・グレース・モレッツちゃんにめちゃくちゃそっくり(血縁関係があるんじゃとさえ思っちゃいました)な、かなりのカワイこちゃんだったのでびっくりしちゃいました!久々に、僕のロリコンレーダーにビビッとくるなかなかの美少女に出会えてラッキーでした(笑)。[DVD(字幕)] 4点(2014-07-01 13:34:24)

1244.  悪の法則 《ネタバレ》 麻薬組織と繋がりのある企業の顧問弁護士として、今まさに引き返せない悪の道へと手を染めようとしている男。何も知らない美しい彼の妻。金と女のためならどんな手段でも平気で行う強欲な経営者。淫乱で謎の多い怪しげなその彼女。そして、何もかも分かったように斜に構え全てを冷笑的に見つめる男…。果てしない欲望と愚かで醜い性欲を抱えたそんな彼らが互いに騙し騙され破滅へと向かってゆく姿をシニカルに描き出すピカレスクロマン。「エイリアン」や「ブレードランナー」といったSF映画の名作を数多く残してきたものの、「グラディエーター」辺りから世間での高評価とは裏腹に僕の中では確かにその映像の美しさやスケールの壮大さなどは認めるものの、いまいち心に響くものが乏しい作品ばかり撮ってきたリドリー・スコット監督。現代アメリカ文学の重鎮マッカーシーの原作を映画化したという今作も、やはり哲学的で難解な作品でありました。でも、この華がありながらちゃんと実力も兼ね備えた豪華な役者陣が織り成すミステリアスなストーリーと、 淫猥な雰囲気がこってり濃厚に漂うこのダークな世界観はけっこう良かったかも。特に、フェラーリのフロントガラスに無毛つるつるのあそこをねっとりぐっちょり擦り付けて絶頂を迎えちゃうキャメロン・ディアスの文字通りのカーセックスシーンはめちゃくちゃエロかったっすね~。久し振りに、映画を観ながら僕の股間がエキサイトしちゃいました(笑)。まあ、見事なまでに最低の人間ばかりが登場する、胸糞悪~い後味最悪な映画ではあったけど(最後に送り付けられるあのDVDの中身なんか、想像しただけで吐きそうやし笑)、全ての人間の根源には必ず悪があるという事実を冷徹に見つめながらもどこかコミカルでエネルギッシュに描いたこの作品、うん、けっこう見応えあったっす。リドリー・スコット、ちょっぴり見直したよ![DVD(字幕)] 7点(2014-07-01 08:40:18)(良:1票)

1245.  オン・ザ・ロード(2012) 《ネタバレ》 第二次大戦終結後のアメリカ。作家を志す貧しい青年サルと、目の前にある快楽にただひたすら溺れる破天荒な生活を送る青年ディーン。未来も過去もなく、ただただ“いま”という時間を実感するために、ある日、彼らは何も持たず路上へと旅立ってゆくのだった――。酒とドラックとセックスに明け暮れる若者たちのアメリカ全土を巡る無軌道な旅路を乾いた映像とノリの良い音楽の中に刹那的に描き出す青春ロードムービー。日本でも根強い人気を誇るジャック・ケルアックの有名な小説を、若き日のチェ・ゲバラの青春バイク旅を乾いたタッチで描いたロードムービーの佳品「モーターサイクル・ダイアリーズ」の監督が映画化したということでこの度鑑賞してみました。いやー、これ、前作の南米からアメリカへと舞台を移しただけで中身はほとんど一緒ですやん(笑)。まあ、前作の雰囲気がけっこう気に入っていた僕としては、こちらのセンス溢れる映像や音楽もなかなか堪能できましたけどね。ただ、ずっと昔に原作は読んだんだけど、はっきり言ってその良さがさっぱり分からなかった僕としては、映画化された今作のストーリーもやっぱり受け付けませんでした。べつに僕は必ずしも映画にモラリティを求めているわけではありませんが、それでもこの誰であろうと気に入った女が居ればすぐに口説いてセックスし、友人を含めて乱交やりたい放題、知り合いが後部座席に乗っていようが構わず運転中に女にフェラさせ、金に困れば男とでもやる彼らの姿は、もう倫理観の欠落というより単なる動物としか思えません。確かに映画として及第点ではあるものの、彼らにこれっぽっちも感情移入できず僕はそこまで評価できませんでした。「モーターサイクル~」のチェ・ゲバラのように、長い旅路の果てに何か大切な希望のようなものを手に入れるとか、あるいは自堕落な生活の果てに徹底的に自業自得のどん底へと堕ちてしまうとか、そういう意義のあるラストが欲しかったです。[DVD(字幕)] 5点(2014-06-30 15:44:31)

1246.  レッド・ドーン 《ネタバレ》 ぼくはアメリカぐんのゆうしゅうなへいしなんだ。そんなぼくが、ひさしぶりにこきょうへとかえってきたら、とつぜん、きたちょーせんのへいしがせめてきて、あっというまにアメリカぜんどがせんりょうされてしまったんだ。あれ、せかいさいきょーのアメリカぐんはどこにいっちゃったんだろう?ってぎもんはこのさいむしして、ぼくたちはウルヴァリンってレジスタンスをけっせいして、みんなでゲリラせんをしかけていったんだぜ。まあ、メンバーはまだ10にんもいないし、だれがだれだかわからないし、どいつもこいつもみりょくにかけるやつばっかだけどさ、これから、きたちょーせんのわるいやつをぼこぼこにして、ぼくらのあいするアメリカをとりもどしてやるから、みんなきたいしてまっててくれよな。え、さくせんがおそまつすぎ?ストーリーがばかばかしすぎてしぬ?ラストがあほすぎてぶちぎれそう?そんなこというやつは、もしきたちょーせんのわるいやつにつかまってもたすけてやんないんだからね!あはは…[DVD(字幕)] 2点(2014-06-30 07:17:04)

1247.  デッドマン・ダウン 《ネタバレ》 凶悪なギャング組織の一員として、ボスの命令なら簡単に人を殺すことも厭わないヴィクター。数ヶ月前から謎の脅迫を受けるボスの忠実なしもべとして組織の中でめきめきと頭角を現していた彼だったが、ある日、向かいのマンションに住む女性ベアトリスに人を殺すところを見られてしまう。「このことを警察に知られたくなかったら、あたしの顔を傷物にしたあの男も殺して!」と、飲酒運転によって彼女の顔に傷を負わせた男への復讐を強要されるヴィクター。しかし、彼もまた数年前に起こった悲劇的な出来事によって心に深い傷を負った復讐者だったのだ…。都会の片隅で孤独に生きる男と女の互いの過去と未来がスリリングに交錯する重厚なクライムサスペンス。全編に都会の夜の空気を緊密に漂わせた濃厚な雰囲気とまったく先の読めないストーリー展開とで、僕は最後まで充分楽しむことが出来ました。うん、なかなか良かったっすよ、これ。感情を必死に抑制しながら淡々と復讐をこなしてゆくコリン・ファレルの静かな熱演は見応え充分でした。彼が、組織の一員を演じながらビルの屋上から仲間を狙撃するというシーンは、まあベタっちゃあベタですけど素直に手に汗握っちゃいましたもん。そんなヴィクターに結果的に騙されてしまうことになる親友役を演じた、ドミニク・クーパーもいかにも情熱的な若いチンピラって感じでなかなか良かったです。まあ、あんなに綿密に考え抜いた作戦(いくらなんでも回りくど過ぎるんちゃう?って突っ込みはナシよ笑)が狂っちゃったからって最後は一人で乗り込んでいって、「オラオラオラ!!」って銃撃戦で力ずくで解決しちゃうってとこはあれでしたけど(笑)。それでも静かな怒りを胸に秘めた男の重厚な復習劇としてだけじゃなく、心に癒しきれない傷を抱えた孤独な男女の大人のラブストーリーとしてもよく出来ていたと思います。うん、7点![DVD(字幕)] 7点(2014-06-29 19:39:16)

1248.  パニッシュメント(2013) 《ネタバレ》 それはいつものように平凡な一日になるはずだった――。PM2:00、自堕落な母親とまだ生まれたばかりの病弱な赤ん坊と共に暮らしている少年コリーは、とても手が出そうにない高額な赤ん坊の薬を手に入れるため銃を手に薬局へと向かっていた。2:02、違法な荷物ばかりを扱うバイク便の女運転手アレクサは、ギャングに追われていた謎の青年をひょんなことから後ろに乗せて助けてやるのだった。2:01、政府のテロ対策捜査班として相棒と共に任務を遂行中のマーティは、爆弾テロを計画中と思しき容疑者のアジトへと乗り込んでゆくのだった。2:03、元全国ネットのニュースキャスターだったもののいまや落ちぶれてホームレスとなってしまったドークは、同じくホームレスの友人と共にヒマ潰しに警官の銃を盗むのだった。2:04、小さな街で、そんなまったく関係なさそうな人々の物語が、「口の中を噛んだことがある?」と何度も問い掛ける黒人の太った女の子フューによって、とある奇跡へと収斂されてゆく。明らかにデビュー当時のタランティーノの影響を色濃く受けていることが丸分かりの、独特の猥雑な雰囲気が全編に漂う群像劇。なんだけど、残念ながら本家に比べてセンスがあほみたいに不足しているせいで、奇をてらっただけの単なる凡作どまりの出来でしたね、これ。まず、音楽が超ダサい。タランティーノ目指すなら、これは致命的っしょ(笑)。そして小さな街の中で様々な人々のくだらない物語が、最後、キリストの奇跡へと繋がってゆくといういかにも「パルプ・フィクション」な展開も完全に無理ありありで、見事なまでに破綻しております(あははッ笑)。でもね、頑張ってるのは分かるんだよ。全編にわたって、タランティーノを少しでも追い越せるような映画を創りたい!という意欲はビシバシ感じます。ただ、残念なことに監督に才能がなかっただけなんだよね~、残酷なようだけどさ。うーん、まあそんな監督の頑張った感と髭もじゃクリスチャン・スレーターの最近の半端じゃない落ちぶれた感にエールを込めて5点っす![DVD(字幕)] 5点(2014-06-27 21:18:50)

1249.  モンスター・ハウス 《ネタバレ》 あまりイケてるとは言いがたい学生生活を送る、思春期を迎えたばかりの冴えない少年DJ。彼の唯一の親友で、お調子者で太っちょな男の子チャウダー。彼らと偶然知り合うことになる、お高くとまった生意気少女ジェニー。ハロウィンを明日に控えた夜、そんな3人はDJの家の向かいに建つ、偏屈な爺さんが独り暮らしをする怪しげな一軒家のとある秘密を知るのだった。それは、この家が自らの意志を持って人を襲い食べてしまうという恐ろしいモンスターハウスだという驚愕の事実だった。「大変だ!明日はハロウィンでたくさんの子供たちがこの家にやってきちゃうよ!」と、頼りにならない大人たちを尻目に彼らはそんな恐ろしいモンスターハウスへと一致団結して立ち向かってゆく――。スピルバーグ&ゼメキスというエンタメ映画界の巨匠コンビが製作した、全編を美麗なフルCGアニメで描き出すコメディタッチのホラー冒険活劇。なんだけど、うーん、全体的に中途半端な感じが否めない作品でしたね、これ。いまいち魅力に欠ける主人公の少年少女たち(なんか顔が微妙にリアルで怖いんですけど…笑)や、モンスターハウスの全然ワクワクしない地味な造形、スケールがちっちゃ過ぎてなんとも盛り上がりに欠けるストーリー展開…。何より致命的なのは、館がモンスターと化した原因であるお爺ちゃんとその太った妻との哀しい恋物語がかなりおざなりに描かれちゃってるとこ。どうしてあんなに太った妻をあそこまで愛するようになったのかがさっぱり分からないせいで(爺さんは極度のデブ専なの?笑)、いまいちストーリーに入り込めませんでした。でもまあ、徹底的にハードルを下げて観れば、けっこうCGも綺麗だし、時間も90分とコンパクトだし、適度なヒマ潰しにはなると思いまーす。[DVD(字幕)] 5点(2014-06-26 18:35:48)

1250.  路上のソリスト 《ネタバレ》 LAタイムスという超一流新聞社で、多忙な毎日を過ごす敏腕記者ロペスは、ある日、路上でバイオリンを弾くホームレス・ナサニエルと出会う。その奇矯な言動と特異な格好とはうらはらに、彼の奏でる美しい旋律に興味を引かれたロペスは、思わずコラムで彼のことを取り上げるとそれが静かな反響を巻き起こすのだった。本格的にナサニエルの過去を調べ始めたロペス、するとそこにはかつてその才能を認められ将来を嘱望されながらも統合失調症によって悲惨な現実を生きざるをえなかった彼の哀しい人生があったのだった――。静かな正義感を胸に秘めた新聞記者と路上という自由で孤独な世界に生きる元ソリストとの、人生の再生をかけた友情を淡々と描き出すヒューマンストーリー。とにかく抑えた演出と全編を彩るクラシックの名曲群のおかげでとても美しい静謐な雰囲気に満ちた、ジョー・ライト監督らしい佳作だと僕は思いました。実話を元にしているということもあり、二人の友情物語が変にドラマティックに描かれていないところも好印象です。統合失調症を発症し、四六時中続く幻聴に次第に追い詰められてゆく若き日のナサニエルと、その後、心がすっかり壊れてしまいホームレスとなった現在の彼を見事に演じ分けたジェイミー・フォックスの熱演もなかなか見応えありました。それにしても、こういう適切な治療を受けられずホームレスとならざるをえなかった統合失調症患者は果たしてどれくらいの割合で居るのでしょう。ナサニエルのような哀しい人生を歩んでしまった人を少しでも減らすために、公的機関のサポートがもっと充実されることを願うばかりです。ただ、映画としては最後まであまりにも優等生な演出が続くためちょっとパンチに欠けるかなぁというところが若干気にはなったけど、この気品に満ちた作品世界に僕は最後までしっとりと浸ることが出来ました。ジョー・ライト監督とは、どうやら相性が良いようなのでこれからも観ていこうと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-06-24 19:04:54)

1251.  ブルーバレンタイン 《ネタバレ》 ディーンとシンディは、幼い娘を抱えたどこにでも居るような若い夫婦。だが、夫ディーンは朝から缶ビールをかっ喰らって仕事に出かけるという典型的な駄目男だった。対する妻シンディも看護師としての仕事を最優先に考え、いつでも家庭は二の次というキャリア志向の強い女だった。当然のようにそんな二人の結婚生活は、もう破綻寸前までに冷え切ってしまっている。家族の紐帯はもはや、可愛い盛りの娘フランキーのみ。そんな夫婦生活をなんとか再生させようと、ディーンは子供を義父に預け夫婦水入らずでラブホテルに泊まろうという計画を立てるのだったが…。絶望的な袋小路へと陥ってしまったそんな現在の夫婦と、彼らがまだ知り合ったばかりの若き日のキラキラと輝やくような日々を対比させるように交互に描き出してゆく濃厚なラブストーリー。最近観た、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」というクライムサスペンスが思いのほか良かったので、同監督のデビュー作となった今作をあらためて鑑賞してみたのですが、いやー、なんちゅう鬱映画やねん(笑)。どんなに深い愛情によって結ばれた幸せな夫婦でも一歩間違えばこうしてどん底まで堕ちてしまうという過程がかなりリアルに、そして極めて分かりやすく描かれておりました。「プレイス~」でも感じたことですが、監督のこの緻密に考え抜かれた編集力は素晴らしいですね。センス溢れる音楽や役者陣の熱演(ゴズリングの見事なまでの駄目男っぷりはさすが!)も良かったです。それにしても、この監督の人を見る目はかなりシニカル。人間は誰もがみんなロクでもなく自分勝手で、そしてどんな幸せな日々もいつかは崩壊へと向かうという暗鬱な思想に貫かれた本作ですが、最後、打ち上がる花火の下で背中を向けて立ち去るディーンを追いかける娘の健気な姿に、それでも人はこの大地で必死に生きてゆくのだという微かな希望を感じ取ることが出来たように思います。これから結婚しようと考えている幸せ絶頂の全ての若いカップルたちに是非とも観てもらいたい(笑)、良質のリアル恋愛ドラマでありました。[DVD(字幕)] 8点(2014-06-18 14:08:46)

1252.  プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 《ネタバレ》 移動遊園地の曲芸バイク乗りとして全米を転々としていたルークは、久々に訪れた田舎町で昔付き合っていた彼女と再会を果たすのだが、彼女の口から驚愕の事実を知らされる。知らぬ間に彼女は自分の子供を妊娠出産して、彼はいつの間にか父親となっていたのだった。息子の側で過ごすためサーカスの仕事も辞めてしまった彼だったが、現実はどこまでも厳しく、ルークはろくな仕事にもあり付けずしかも彼女にはちゃんとした新しい彼氏が出来てしまう。仕方なく、手っ取り早く大金を稼ぐために、リスクを承知のうえでルークは銀行強盗へと手を染めることに――。物語は、中盤でそんなルークの犯罪ドラマから、偶然彼を追うことになった正義感のとても強い警察官エイヴリーの警察内部の腐敗と戦う彼の物語へと紡がれてゆく。そして15年後、さらには彼らの子供たちへと物語の種子は受け継がれてゆくのだった。まるでそれが親の代から続く宿命だとでもいうように…。理不尽で残酷な現実社会でもがく親と子の苦悩と救済を丹念に描き出すクライムサスペンス。久々に、こんなにも骨太の映画を観たような気がします。2時間20分という決して短くはないこの作品の中に、15年に渡る多種多様な人々のドラマを見事に内包させ最後まで緊張感を途切れさせずに見せ切るこの監督の手腕は、素直に素晴らしいと思いました。豪華な俳優陣もそんな監督の要求に、見事な演技で応えていて見応え充分。第1部と第2部で主役を演じる、ゴズリング、クーパーの熱演は言わずもがななのですが、第3部で主役を演じるデハーン君(やっぱり「クロニクル」の彼だったのですね!)のまだまだ荒削りながら、見る者に鋭いナイフを突き付けるような圧倒的な存在感は凄かったです。将来性をビシバシ感じて今後の成長が今から楽しみ。うん、久し振りに作品世界へとどっぷりと浸れる良質の映画に出会うことが出来ました。この監督の過去の作品もあらためて観てみようと思います。[DVD(字幕)] 8点(2014-06-14 00:11:24)(良:1票)

1253.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 昔から僕はこの「X-MEN」シリーズとは相性がよろしくなくて、確か一作目だけは観たと思うのだけど個人的に「うーん…」て感じだったので、以来このシリーズは全く観てこなかったのだけど、今回は日本が舞台、しかも監督は「17歳のカルテ」や「アイデンティティー」という良質のエンタメ作品を数多く制作してきたジェームズ・マンゴールドということで、ちょっと興味を惹かれてこの度鑑賞してみました。というわけで僕が「X-MEN」シリーズにこれっぽっちの思い入れもなく観始めたことが功を奏したのか、けっこう面白かったっすよ、これ。取り敢えず、ウルヴァリンさんは怒ると手の甲から鉄爪が出てきてすぐに傷が治っちゃう不死身のむさ苦しい髭面のおっさんてだけでなく、過去に奥さん(?)を殺しちゃった悲惨な過去を持つ哀しいおっさんでもあったのですね。そんな哀愁漂う彼が若い女と日本の観光地をウレシハズカシ巡りながら、その先々で暴れまくるアクションシーンの数々はなかなか楽しめました。まあ、真面目に突っ込み出したら怒りのあまり鼻血が出そうなほど、次々と出てくるおかしな日本描写はご愛嬌だけどさ。「どうだ、このイレズミ!怖いだろ~、俺たち恐ろしいヤクザなんだぜ!」と、わざわざ裸になって会長の娘を追いかけるお馬鹿なヤクザさんたちが一番面白かったかな~。ラブホの火星探検部屋は、逆に狙い過ぎてスベッてたけどね(笑)。それに新幹線をあんなにズタボロにしちゃったウルヴァリンを簡単に途中下車させちゃうJRってどんなけ甘々やねーん!と、まあそこらへんに目を瞑れば、その新幹線での白熱のバトルとか、中2病全開の赤毛の女忍者とか、真田広之のダークサイドに堕ちちゃったサムライっぷりとか、僕はけっこう楽しめたっす。[DVD(字幕)] 6点(2014-06-10 00:04:50)

1254.  アフター・アース 《ネタバレ》 大気汚染と環境破壊により、全ての動植物が人類を攻撃するように進化してしまった遥か未来。人類はとっくの昔にそんな危険な地球を捨て、新たな新天地である惑星ノヴァ・プライムへと移り住んでいた。軍部隊の将軍を務め、人類を救った英雄でもあるレイジは、ある日、息子と共に乗り込んでいた宇宙船が隕石の嵐へと巻き込まれ、とある惑星へと墜落してしまう。気がつくと、息子と自分以外生存者ゼロ、しかもレイジは両脚を複雑骨折し歩くことも出来なくなっていた。仲間との通信機は、ここから何日もかかる場所に墜ちた船体後部の中だ。生き延びる道は、息子キタイがその通信機を求めてたった一人でジャングルを行くしかない。だが、そこはかつて楽園だったものの、いまや危険極まりない地と化した母なる地球だったのだ――。ウィル・スミスとM・ナイト・シャラマンという、ただいまハリウッドでもっとも迷走中の2人がタッグを組み、しかも主役には親バカにもほどがあると失笑されかねないウィルの息子を大抜擢して製作した、観終わってみればやっぱり親バカ爆発なSF超大作。いやー、2人の迷走を象徴するような詰めの甘~い作品でありました。主役を演じるウィルの息子くん、残念ながらあまりにも華がなさ過ぎてこれっぽっちも感情移入できません。それにこれだけ面白そうな設定なのに、肝心のクリーチャーの造形が普通の猿だったり虎だったり鷹だったりでワクワク感が欠片もないところなんか、SF映画としてはもう致命的ですね。あと、主人公を餌にしようとしていた鷹が子供を助けようとしてくれた恩返しにと自らの命を投げ打って助けに来てくれるという、「これは鶴の恩返し・SF鷹バージョンか!」と思わず突っ込まざるを得ない、薄っぺらいヒューマニズムにはもうトホホと苦笑いするしかなかったっす。この2人、いつになったら迷路から抜け出すことが出来るのか、他人事ながらちょっとだけ心配です(笑)。[DVD(字幕)] 4点(2014-06-06 18:27:55)

1255.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 1923年、英国、精神の病を患う人妻ヴァージニア・ウルフは閉塞感漂う田舎で「ダロウェイ夫人」という小説を執筆していた。1951年、ロサンゼルス、郊外の一軒家で一見幸せそうな生活を送る一児の母ローラは何もかも捨てて逃れてしまいたいという抑えきれない欲求に苦しんでいた。2001年、ニューヨーク、長年出版社で編集の仕事をしているクラリッサはエイズを患う初老の作家であり自らの私生活でも因縁浅からぬ関係があるリチャードの文学賞受賞記念のパーティーを開こうと奮闘していた。そんな時間も空間も超えた全く関連性のなさそうな3人の女たちの、人生の転機となったとある苦悩の一日を重層的に描く文芸作品。かつて文学青年だった時代に、世界の有名な文学はだいたい読んだつもりになってましたが、この「ダロウェイ夫人」はその名前はもちろん知っていたのだけど恥ずかしながら未読のままでした。確かに、そんな原作を読んだことのない僕のような人間でも、この綿密に考え抜かれた編集や、実力派の役者陣が織り成す熱演、全編に漂う上品で静謐な雰囲気とで、ちゃんとこの暗鬱な世界へと惹き込む監督のセンスはなかなか秀逸だと思います。ただ、この女を家庭という牢獄へと縛り付ける男社会の論理に必死に抗おうとする三者三様の女たちという、この全編を覆ういかにもなフェミニズム臭には若干辟易させられましたけどね。20世紀初頭のウルフは入水自殺し、近代を生きるローラはなんとか死なずに逃げ出し、そして現代を生きるクラリッサは逆に男を自殺に追い込む…。この、時代の変遷と共に強くなる女たちという、フェミニズムの戦いとそれがもたらした功罪を充分勉強させてもらいました。だからといって、映画として良かったかというと、まあ6点かなってのが正直な感想ですけどね。取り敢えず、こういう映画を観るとやっぱり結婚は人生の墓場だって思い知らされるんだよね~。うーん、やっぱ、いつの時代も女って面倒臭い(笑)。ただ、結婚しない人生はもっと墓場だったかもって、最近思い知らされることが多くなった独身生活38年目の僕なのでありました(泣)。[DVD(字幕)] 6点(2014-06-03 00:29:20)(良:1票)

1256.  (500)日のサマー 《ネタバレ》 これは運命の女性と出逢うまで幸せになれないと思っていたトムと、彼が一目見て運命の人だと信じてしまった美しい女性サマーとの500日にわたるボーイ・ミーツ・ガールな物語である――。何処にでもあるような平凡な男女の平凡な恋物語を時間軸を行ったり来たりする斬新な設定とセンス溢れる美しい映像と音楽とで見せる切ないラブストーリー。普段、こういう恋愛を真正面から取り上げた映画ってあんまり観ないのだけど、「キックアス」のヒットガール役で僕のロリコン魂に火を点けたクロエ・グレース・モレッツちゃんが出演、しかも最近はすっかり“女の子”から“女”へと成長してしまった彼女のまだ“女の子”だった時代の貴重な姿を是非ともこの目に収めておこうという超不謹慎な理由で鑑賞してみました。なんだけど、うーん、クロエちゃん、あんまり出てなかったぁ(泣)。と、冗談はさておき(?)、もっと女性向けの作品だと思っていたら、意外にもこれって男性目線な映画だったんですね。500日と言えば、ちょうど付き合い始めてからの天国気分から喧嘩や倦怠期やらで危機を迎えたものの、なんとか仲直りできたにもかかわらずやっぱり別れちゃって、でも彼女のことが忘れられなくて縒りを戻すために頑張ってみたり…という誰もが一通り経験するオーソドックスな恋愛のちょうどな期間。特に、300日を過ぎて彼女と別れちゃったトムのウジウジしたどうしようもない駄目な感じ、なかなか共感できました(笑)。男ってこんな時期あるよね~。僕も当時付き合っていた大好きだった彼女にフラれちゃって、それにその頃ちょうど仕事も上手くいかなくて、そのまま酒に溺れてどん底生活を送っていた時期があったので、観てるとその頃のことを思い出しちゃってなんだか無性に切なくなってしまいました。「海に魚はいっぱいいるわ。今は彼女しか居ないと思ってるんだろうけど、私はそうは思わない」トムの妹を演じるクロエちゃんのそんな優しい言葉に素直にジーンときちゃったっす(あー、またこれで僕のロリコン度が増してしまうだろーな笑)。と、またまた冗談はさておき(?)、辛い失恋を経験した全ての男たちに観てもらいたい佳品でありました。お薦めっす。[DVD(字幕)] 8点(2014-05-31 00:42:02)

1257.  危険なメソッド 《ネタバレ》 「人間は、男も女も真面目な人もちゃらんぽらんな人もじいさんもばあさんも子供たちも、みんなみんなセックスしたいがために生きとんねん!!」という身も蓋もないリビドー論を確立し、近代における精神疾患治療を飛躍的に向上させた、偉大な精神分析学者であるフロイト(ちょっぴり独断と偏見入ってます笑)。彼の忠実な弟子でありながら、考え方の違いによりのちに袂を分かつことになるユング。精神疾患を患い、そんなユングの患者となる若く美しい女性ザビーナ。長年にわたる彼らの三者三様の愛憎とプライドと性衝動が複雑に絡み合う心理ドラマ。かつてグロ映画界の巨匠として名を馳せたものの、最近はなんだか分かりにくい良く言えば芸術的、悪く言えば退屈な作品ばかり撮っているクローネンバーグ監督、史実をモデルにしたという今作もそんな例に漏れず、最後まで淡々と続く作品でありました。うーん、せっかくフロイトとユングという魅力的な題材を扱っているのだから、そんなシニカルな理論を生み出した彼らの隠された人間的な部分に焦点を当てるとか、最初は患者であるザビーナが回復するにつれて次第に妖艶な魅力を発揮し周りの男たちを狂わせていくとか、あるいは人間の性の深淵をシュールに描き出すとか、そんな他にはない突出した演出が欲しかったですね。過去のクローネンバーグなら確実にそんな方向に作品を仕上げただろうに、そうしなかったのはこれがあくまで史実を元にした作品だからか、あるいは彼が単純に歳取っただけなのか、残念ながら僕は後者としか思えないんだよね~。うーん、最後まであまりにも淡々と続くため、僕にはちょっぴり退屈な作品でありました。おっぱいちょろ出しキーラ・ナイトレイのお尻ペンペンシーンに+1点![DVD(字幕)] 5点(2014-05-30 20:59:18)

1258.  ペネロピ 《ネタバレ》 私はペネロピ、魔女の呪いを掛けられたウィルハーン家の一人娘なの。どんな呪いかって?それはね、大きな豚の鼻を持って生まれてきちゃったんだ――。そんな大きな豚鼻のせいで、長年ウィルハーン家の大きな屋敷の奥深くでひっそりと生活してきたペネロピ、彼女の呪いを解く方法は良家の心優しい男性と結婚することだった。しかし、その醜い鼻のせいで、お見合い相手は彼女の姿を見るとみんな逃げ出してゆくばかり。そんなおり、スクープを狙う新聞記者が、ギャンブルのせいで落ちぶれた良家の息子をスパイとして雇いそのお見合いへ潜入させるのだった。だが、彼の存在がペネロピの硬く閉ざされた心を次第に変えてゆく…。正直、こういう“ほんわかほのぼのファンタジー”は個人的に苦手なのだけど、豚鼻クリスティーナ・リッチちゃんと鋭い目線がダンディなマカヴォイ君が主演だし、ジャケットもちょっぴりダークな雰囲気だし、「もしかしたら…」と思い、この度鑑賞してみました。なんだけど、いやー、見事に大失敗(笑)。この、何も悪いことが起きず誰一人心の底からの悪人も出てこない、こういう軽~いタッチのロマンティック・コメディってやっぱり苦手っす。豚鼻を見て窓を蹴破って逃げ出す男たちにも、「いやいや、現実には豚鼻じゃなくても逃げ出したいくらいブチャ〇クな人って大勢居るじゃん!それくらい我慢しろよ~」と思わず突っ込んじゃいました(笑)。それに、この「人間は見た目じゃなくて中身が大事なんだよ、うむうむ」という、まるで学校の道徳の教科書を無理やり読まされたようなあまりにも薄っぺら過ぎるテーマにも辟易です。うーん、僕はやっぱりティム・バートンやギレルモ・デル・トロみたいにあくの強~い、時には反道徳的ですらあるダークファンタジーの方が好みですね。でも、こればっかりはジャケットだけじゃ分からんし、地道に観て発見していくしかないんだよね~。こういうのが好き!って人には、ごめんなさいなんだけど、僕は3点っす。豚鼻でもクリスティーナ・リッチは充分可愛かったけどね。[DVD(字幕)] 3点(2014-05-26 19:39:04)(良:1票)

1259.  オール・アバウト・マイ・マザー 《ネタバレ》 女手一つで育てあげた一人息子を、その17歳の誕生日の日に事故で亡くしてしまったマヌエラ。深い絶望から逃れるようにマドリードを去り、彼女はたった一人、思い出の地でもあるバルセロナへと辿り着く。そこで当時の親友だったオカマのアグラードと再会を果たすと、マヌエラは共に息子の父親を捜し始めるのだった。あなたにはちゃんと息子が居たということを伝えるために――。ヘビースモーカーの舞台女優、彼女から同性愛的寵愛を受ける麻薬中毒の若手女優、エイズを患う男の子供を身篭ってしまうシスター…、そんな個性豊かな女たちが織り成す、母親やこれから母親になる予定のそして誰しもが女優でもある全ての女性たちへと捧げられたアルモドバル監督の賛美歌。のちに耽美的変態路線を突き進むことになる同監督の世界的な名声を得るきっかけとなった今作ですが、これは女性たちのユートピアを描いたある種のファンタジーですね。オカマが男に襲われているところを主人公が救ったところから、もうこの映画には男の性欲が一切出てこなくなります。ただ、男は精子を提供するだけの存在になってしまうのです(その象徴がオカマなのに男性器だけはある、あのお父さんでしょう)。女をねじ伏せようとする男たちの性欲が微塵もない世界で、実に活き活きと人生を謳歌する彼女たちの力強い友情物語に静かな感動を覚えます。そして、これはあくまでも変態監督アルモドバルの作品です。丹念に読み解くと、ここには女性の美しさを礼賛するあまり、彼女たちを汚してしまうだろう自らの性欲を去勢してしまいたいという究極のM願望を見出してしまうのは僕だけでしょうか。とにかく、多くの女性の皆さんに堪能してもらいたい美しい作品でありました。「何言ってんの?こいつ」という苦情は受け付けません(笑)。[DVD(字幕)] 8点(2014-05-23 21:08:09)

1260.  アンチヴァイラル 《ネタバレ》 そう遠くない近未来、庶民は一握りの選ばれしセレブたちへと憧れるあまり、彼・彼女らが感染したウィルスを培養し自らの体内に注射してくれるという、異常ともいえる新サービスに熱狂していた。ルーカス・クリニックという、その中でも最大手の会社で働く研究員シドは、何度も上司の隙を突き、そんなセレブの病原菌を自らの体内に感染させ外へと持ち出すという方法で裏へと横流ししていたのだった。そんななか、同僚のウィルス密売がばれたことをきっかけにシドにも疑いの目が向けられ始めてゆく――。グロ映画界の巨匠(最近はそうでもないけど)クローネンバーグの息子が初監督をつとめたという今作は、そんな父のDNAを濃密に受け継ぐなかなか気持ち悪~いグロ映画でございました。まあ、黒を基調とした映像が特徴だった父親との違いを強調したかったのか、こちらはあくまで白を基調とし、そこにまるでスポイトですっと混ぜるように染まる赤黒い血の描写がなかなか印象的だったのだけど、残念ながらストーリーと世界観が完全に追いついていません。ウィルスを注射された客たちが、それでいったいどんな利益を享受できるのか最後までいまいちよく分からないせいで、一向にこの世界に入り込めませんでした。そして肝心のストーリーの方も、主人公を初めとする登場人物たち誰もがいったい何がしたいのか、さっっっっぱり理解不能で退屈極まりなっかったです(睡魔という名の小さな妖精が、僕の耳元で「瞼を閉じちゃえば楽になれるよ…、ほら、早く」と何度も囁きかけてきて、最後まで観るのがホント大変でした)。うーん、親の七光りにもならなかったですね。ブランドン君、もっと親父の過去の作品をじっくり観て勉強し直してから次の作品を撮ってください。[DVD(字幕)] 2点(2014-05-20 20:31:13)

010.05%
190.48%
2492.60%
31266.67%
424913.19%
533217.58%
648625.74%
733317.64%
821811.55%
9713.76%
10140.74%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS