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プロフィール
コメント数 2597
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1301.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 個人的な話になるが、結婚をして半年が経とうとするまだまだ「新婚」と堂々と言える頃合いに、普段映画を観ない妻と珍しく二人で鑑賞した。 結婚してからというもの、すっかり“夫婦愛”を描いた物語に弱い。 映画の中で描かれるちょっとした夫婦の繋がりの描写に涙が出てくる。 それに加えて元来僕は、老人の涙にめっぽう弱く、長い人生を生きてきたキャラクターが心情を吐露するシーンにはいつも胸が詰まる。 そんなわけでこの映画。まさに感動ど真ん中!の映画であることは容易に想像できた。 そして、主人公が最愛の妻と出会い、共に生き、別れるまでの年月をノスタルジックに描いた冒頭15分で、想像通りに目柱が熱くなった。 正直なところ、この冒頭15分間を自分の妻と観られたことだけでも、とても良かったと思うし、それだけでこの映画の価値は充分だとも言える。(なのでこの点数以下はつけられない) しかし、15分を過ぎ、主人公のじいさんが妻と過ごした家ごと数百個のカラフルな風船で飛び上がっていくシーンをピークにして、この映画の感動は、皮肉にも徐々に下降していく。 決して映画が面白くなくなっていくということではない。敢えて言うならば、映画の種類自体が変わってしまう印象を覚える。 冒頭15分が最愛の妻に先立たれた老人の切なさを温かく描いた作品であることに対し、それ以降は、老人があまりに現実離れしたアドベンチャーをこれでもかと繰り広げる作品となっている。 もちろん全編通して、妻と妻と過ごした大切な家に対する愛情が尽きることはないのだけれど、展開される「冒険」の内容があまりに突飛過ぎて、ファンタジックなアニメーションであることを考慮しても、その非・現実さに対して感動を覚える暇が無くなってくる。 開き直って、相変わらずクオリティーが高いピクサーのアニメ映画として、その娯楽性のみを楽しめば問題は無いのだろう。 しかし、多くの人がこの作品に対して求めた世界は、やはり違うと思う。 P.S.実は何よりもマイナスポイントなのは、映画の大部分において、カールじいさんは家に乗って空を飛んでおらず、浮かんだ家を背負って歩いている……という点かもしれない。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-08-13 13:08:51)《改行有》

1302.  時をかける少女(2010) 1983年の「時をかける少女」は、大林宣彦監督がノスタルジーたっぷりに描き出した映画世界に、原田知世というアイドルを荒削りな原石のまま息づかせ、映画全体から滲み出てくる素晴らしい初々しさをもって仕上げた伝説のアイドル映画である。 以降、幾度もリメイクがされてきた作品だが、2010年に生まれた今作は、リメイクというよりも、正真正銘の「続編」と言った方が正しい。 かつてタイムリープを経験した母親からある伝言を託された娘が、過去に遡り自らの両親、その友人らと接することで生まれる切ない物語。 そこには、大林版「時をかける少女」への尊敬と、映画という表現自体に対する愛情が溢れていて、映画自体の完成度以上の感動が生まれていると思う。 その感動の中心にあるのは、他の何でもない仲里依紗という女優の輝きだ。 この若い女優が、映画全体を走り回り、画面いっぱいに笑い、泣く。キャラクターに合致したその天真爛漫な輝きこそが、この映画の感動そのものだと思う。 1983年の「時をかける少女」が、原田知世が居たからこそ成立したことと同じように、2010年の「時をかける少女」も、仲里依紗がいたからこそ成立し、「映画」という表現自体の素晴らしさが溢れているのだと思う。 ラスト“2シーン”の仲里依紗の「涙」と「笑顔」、それを観るための映画だと言って過言ではない。 そして、そう言い切れることが、この映画の揺るがない価値だ。[映画館(邦画)] 7点(2010-08-13 13:08:14)(良:2票) 《改行有》

1303.  ザ・ウォーカー 《ネタバレ》 終末を迎えた世界を、或る“ウォーカー(旅人)”が一冊の「本」を持って、ひたすらに西へ向かう。 デンゼル・ワシントンを主演に、そしてゲイリー・オールドマンを悪役に迎えたそのイントロダクションは、ミステリアスで、「一体どんな映画なのか」という一点に興味は集中した。 描き出された映画のプロットは、まるで将来有望の若手映像作家が低予算で創り上げたようなストーリー展開で、良く言えば「純粋」で、悪く言えば「稚拙」だったと思う。 “素材”がそのまま「信仰」に繋がるものなので、無信仰者にとっては一歩引いて観ざるを得ない部分はあり、作り手の意図ほどは映画の世界観に没頭することは正直なところ出来ない。 となると、映画の核心となる「本」がどういうものなのかということも或る程度容易に想像できてしまうだろう。 そういった「本」の謎の部分を、この映画のハイライトとして捉えてしまうと、少し肩すかしをくらってしまうかもしれないが、この映画が描きたいのは、そういう安直なことではないように思う。 理由は明確にはされないが、恐らくは人類の「愚行」によって退廃した世界。その“滅び”に対する「信仰」の意味と価値。 無信仰の者としては、一概にその一つの「信仰」を崇拝することは当然出来ない。 ただ、その一歩引いた立場だからこそ、人類における「信仰」の素晴らしさと危うさを感じることが出来た。 非常にパーソナルな価値観だが、そのことがこの映画の最大の価値なのではないかと思った。 見方によって評価は揺れる作品だとは思うが、終末感を描き出した映像センスも含めて、一定の完成度の高さを感じさせる映画だと思う。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-13 13:07:34)《改行有》

1304.  ナイト・オン・ザ・プラネット 自分自身もすっかり大人になってしまい、深夜のタクシーに乗る機会も度々あるようになった。 大概の場合酔っ払っていて、繁華街から自宅までのせいぜい20分間程度の道のりなので、特に何があるということはないけれど、タクシーの中というものには独特の雰囲気があると思う。 その雰囲気は、全く見ず知らずの運転手と客との間に生じるその場限りの「空気感」によるものだと思う。 地球という惑星のあちこちで、全く同時刻にひっそりと織りなされたタクシー運転手と客らによる5つのショートストーリー。 ジム・ジャームッシュらしい淡々とした語り口で繰り広げられるこのオムニバス作品には、本当に何気ない人間同士の関わり合いにおける素晴らしさが溢れている。 それぞれのストーリーの登場人物たちが、その束の間の出会いによって、何かが変わったということは決してない。 ただそれでも、その一つ一つの出会いが、次の瞬間の人生を築いていくということを、この映画は、深夜の静寂の中でしっとりと伝えてくる。 とても良い映画だと思った。[DVD(字幕)] 8点(2010-08-13 13:02:33)《改行有》

1305.  デストラップ/死の罠 《ネタバレ》 映画におけるサスペンス作品は、舞台設定と登場人物が限られる程、「上質」になると思っている。 そもそも“サスペンス”とは、ある状況における「不安」や「緊張」といった心理描写を描いたものであり、設定に制約がある程に、その緊迫感は高まることは必然だと思う。 ただし、もちろんそこには、限られた映画世界の中で、緻密な人物描写と研ぎ澄まされた台詞回しが絶対不可欠なわけだが。 この映画は、そういった「上質なサスペンス映画」に不可欠な要素を充分に備えた傑作と言える。 落ち目の舞台作家が、ある日届いた作家志望の青年の作品が引き金となり「殺人」を画策することから物語は転じ始める。 以降、ストーリーの舞台となるのは、作家の豪邸内のみ。後はほぼ作家と作家の妻と作家志望の青年ら限られた登場人物たちが織りなす会話劇で展開される。 二転三転……いや四転五転とするストーリー展開の中で、互いが見え隠れする心理を探り合い、あぶり出そうとする掛け合いこそが、この作品のハイライトだ。 観ている側は、まるで登場人物たちの滲み出ては覆される心理の裏側を、覗き観ているような感覚に陥り、思わず息を呑む。 中盤以降の心理戦は、同じくマイケル・ケインがジュード・ロウと共演した「スルース(2007)」を思い起こさせた。 (というよりも、原作は同じなのではないかと思わせる程だった。少なくとも今作に対するオマージュが含まれていたことは間違いない) 「スルース」は、マイケル・ケインとジュード・ロウの男同士の“妖しさ”が印象的な映画だったが、今作のクリストファー・リーブとの絡みにも独特の緊張感と妖しさが溢れていた。 今作は、クリストファー・リーブが「スーパーマン」になってからの作品であるから、彼がキャラクターに頼らない確かな演技力を持ち合わせた良い俳優であったことを改めて認識させられた。 もちろん、25年の月日を経ても変わらぬ魅力を放ち続ける、ナイトの称号を持つ英国俳優に対する尊敬は尽きないが。[DVD(字幕)] 9点(2010-08-12 12:39:19)(良:3票) 《改行有》

1306.  ソラニン 特別な才能か何かを持っているわけでないのなら、人生において、本当に思い悩み、混迷するのは、十代ではなく、二十代だと思う。 知識や経験が中途半端に蓄えられ、名実共に「大人」という現実を問答無用に突きつけられる。本当は、準備なんてまだ出来ていないのに、あらゆることを無理矢理伏せて歩まされる。 道に迷って当然、それが「普通」の人間の二十代だ。 その例にもれず、僕自身、迷い惑いながら二十代の一日一日を生きてきた。 そんな中で、紛れもない一つの「指針」となったのが、浅野いにおの漫画であり、「ソラニン」だったと思う。 「指針」と言ったが、この作品の中に混迷を抜け出すための「答え」があるわけではない。 主人公たちが同じように人生に迷いながら進んでいく様を見て、共感し、ならば自分はどのように生きられるのかということを、見つめ直す機会を与えてくれた漫画だった。 5年前に初めてこの漫画を読んだ時点で、映画化は必至だと思った。 が、同時に安直な映像化だけはしてほしくないと思った。 一抹の不安を抱えつつ、ようやく上映となった地元の映画館に観に行った。 素晴らしい映画だったと思う。 浅野いにおの原作と同じ「間」で切り取られた何でもない河川敷の夕暮れを見た時点で、安堵感を覚えた。 芽衣子と種田の息づかいをそのまま表現してみせた俳優の演技に、幸福感を覚えた。 主人公の芽衣子は、恋人の種田が遺した「ソラニン」が、過去の自分自身との別れの曲であることに気づく。 僕自身が、迷い惑った二十代ももう一年と少し。映画館を出て見上げた初夏の青空は、芽衣子が最後に見た空と同じように、とても広がって見えた。 [映画館(邦画)] 9点(2010-08-11 00:36:40)(良:2票) 《改行有》

1307.  TOKYO! 「TOKYO」という都市は、世界から見ても(世界から見ると特に)奇異な場所なんだと思う。 僕自身、あの街に数年間住んでみて、そういうことは常々感じた。 もちろん、日本の首都だし、何でもあるし、決して住みにくいところではない。 ただ、曲がりなりにも世界を代表する「国際都市」というにしては、あまりに完成されていないというか、一つの“スタイル”に定まることがない。 このオムニバス作品で、3人の世界の映画監督が描き出したものは、まさにそういった変化し続けるTOKYOという“モノ”の姿だったと思う。 オムニバス映画というものが、割と好きな方だ。なので、こういう企画を聞く度に、期待は膨らむ。ただ、それに相反して、結果的に一つの「映画」として面白い作品は少ない。 しかし、この「映画」はとてもよく出来ていたと思う。 TOKYOという奇異な都市を、世界が誇る3人の奇異な映画監督に撮らせるという企画自体が、そもそも奇異で面白い。 それぞれが物凄く個性的な世界観を描き出すので、フツーなら各作品を繋ぎ止めることは難しく、オムニバス映画としてまとめることは不可能に近いことだったと思う。 それを繋ぎ止めた要因こそが、TOKYOという都市であった。 ミシェル・ゴンドリーの哲学性に溢れたファンタジーも、レオス・カラックスの文字通り爆発的な変態映画も、ポン・ジュノの情感と根本的な力強さに満ちた精神世界も、すべてを「許容」する。 それこそが、TOKYO。[DVD(邦画)] 7点(2010-08-11 00:29:52)《改行有》

1308.  ブライダル・ウォーズ 本当に物凄く久しぶりに、いわゆる“ラブコメ”というジャンルの映画を観たと思う。(しかも日本語吹き替えで……) 根本的に嫌いということは決してないけれど、基本的に見ない。 しかも今作においては、国内劇場未公開。よっぽどの機会がなければ、手に取ることすらなかっただろう。 つまりは、よっぽどの機会があったわけで。 結婚式を挙げた式場が催した新婚カップル向けの食事会に赴き、そのコース料理の最中に上映された。 要するに、新婚カップルだらけの中で、結婚式で出された料理を食べながら鑑賞したというわけだ。 日本未公開の作品だけあって、それほどビッグネームのキャストということもなく、ストーリー的にも、まあよくある感じのベタな“ウェディングラブコメ”だった。 ただし、映画というものは、観る者の感情とタイミングによって、その価値は如何様にも左右される。 それなりに紆余曲折を経て「結婚式」を終えた者たちにとって、作品内で描かれる言動や感情は、まさにピンポイントで感情移入せずにはいられないものであって、とても面白く観ずにはいられなかった。 よくある展開ではあるけれど、「結婚」というものに多大な憧れを持ち続けていた親友同士が、いざその一大イベントを前にして揺れ動き、あるものを得て、あるものを失う姿は、素直に的を得ていたと思う。 これまたベタな雰囲気満載のハッピーエンドに、思わずウルッときてしまった。 こういう映画も、たまには良い。[DVD(吹替)] 6点(2010-08-11 00:28:49)《改行有》

1309.  第9地区 《ネタバレ》 どういう“スタンス”で観るべきなのか、ということが結局掴みきれない映画だった。 南アフリカはヨハネスブルグに現れた巨大な円盤。それに乗り込んでいた数万人のエイリアンが、そのまま難民として住着く。 確実に地球人よりも高い科学力を持ち得ながら、異星への難民として劣悪な生活環境に身を落とすエイリアンたちは意味不明。そして、それを一旦は受け入れておいて、難民としての退去に役所仕事を繰り返す地球人たちは、もっと意味不明だ。 というわけで、基本となるストーリーは、整合しているようでどこまでも常軌を逸している。 その“普通じゃなさ”は、真面目な語り口になればなるほど破綻し、それこそがこの映画が狙ったシュールなユニークさだと思う。 真っ当なB級映画として捉えるのならば、とてもクオリティーの高い愛すべき映画となったかもしれない。 ただ問題は、今作がアカデミー作品賞にノミネートされていることだ。 「エビ」と揶揄されるエイリアンたちを差別の対象として描くことで、問題提起をしている部分は確かにあるのだろうが、そこにアカデミー賞にノミネートされるほどの映画としての深みがあるかというと、そんなことは決してない。 これは、奇妙な設定を奇妙なストーリーテリングで綴った悪趣味な悪ノリ映画であり、そういう風にプロモーションすることこそ、この映画の価値を正しく伝える唯一の方法だったと思う。 アカデミー賞という変な固定概念が付いてしまったせいで、「ふざけた映画だ」という印象が殊更に強まってしまった。[映画館(字幕)] 4点(2010-08-11 00:23:37)(良:4票) 《改行有》

1310.  ディープ・コア2010<TVM> ディザスター・ムービー(災害映画)は、個人的にとても好きな映画のジャンルだったりする。 CGの発達によりこぞって大作映画が製作された90年代後半と、自分自身がコンスタントに映画を観始めた時期と重なることもが大いに影響していると思う。 ただ最近はもう作り果たしてしまった感もあり、ハリウッドも本腰で大作災害映画を製作しなくなって久しい。 いまやディザスター・ムービーは、低予算の未公開テレビ映画の「定番」となってしまった。 BSで放送された今作も、もちろん“テレビ映画”であり、低予算のCGはお世辞にも完成度が高いと言えず、ストーリー展開はもはや「ベタ」の一言に尽きる。 しかし、それはそのまま「面白くない」ということではない。 突然発生する地球的規模の大災害、その対応を一手に任される主人公の科学者、身を呈して地球(または主人公)を守る脇役、そして問答無用のハッピーエンド……。 これはもう捉え方の問題だが、災害映画のあらゆる予定調和を端から意識し、そのベタさを存分に楽しむべきだと思う。 それが、この手のB級テレビ映画の正しい見方だろう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-11 00:21:50)《改行有》

1311.  オリエント急行殺人事件(1974) アガサ・クリスティ原作の「名作」というこの映画に対する評は随分と前から認知していて、10年以上前にレンタル落ちのビデオテープも購入していたのだけれど、なかなか食指が動かず、観る機会がなく、ビデオもどこかにいってしまっていた。 食指が動かなかった最大の理由は、“ストーリーのオチ”を知ってしまったからに他ならない。 原作も映画もあまりに有名な作品なので、どこかしらからミステリーの顛末が耳に入ってしまったのだ。 オチを知ってしまったミステリーほど魅力減のものはないわけで。 満を持して鑑賞に至ったわけだが、なるほど面白い。 何たってアガサ・クリスティのミステリーなので、そのストーリー展開はもはやミステリーの「定番」といったもので目新しさはない。 しかし、描き出される映画世界にはもちろん時代は感じるが、往年の娯楽映画によくある“古臭さ”は全くなかった。 それは名匠シドニー・ルメットの卓越した映画創りによるものだろうと思う。 前述の通り顛末は知ってしまっていたので、ミステリーに対する“驚き”は少なかったが、それでも思わず唸りたくなるような「真相解明」は、流石に上質だった。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-08 10:53:47)《改行有》

1312.  ダークマン 《ネタバレ》 ヒーローものと言えばそうとも取れるが、そこはサム・ライミ、まっとうなヒーロー像では終わるはずもなく、全編に漂う文字通りの“ダークさ”が身に染みる。それは映像的な暗さというよりも、人間の精神的な闇であると思う。ラスト、結局失ったものはもう取り戻せないで去っていく主人公の姿が印象的だ。随所に見られるセンスの良いB級演出にもサム・ライミらしさが出ていて楽しめた。[地上波(吹替)] 7点(2010-08-08 00:43:43)

1313.  ソルト 《ネタバレ》 アンジェリーナ・ジョリーというハリウッド女優の魅力は、その美貌であり、その体躯の曲線美である。 それは彼女が、「17歳のカルテ」でアカデミー助演女優賞を受賞したれっきとしたアカデミー女優だということを踏まえても、揺るがない。 どんなにシリアスな映画に出演しようとも、そこで好演しようとも、彼女は“演技派”などではなく、唯一無二の“セクシー女優”だ。間違いない。 そんな女優が、コスチュームを目まぐるしく替えつつ、ハードアクションを繰り広げる女スパイを演じた時点で、この映画に致命的な失敗は生じるわけがない。 事実、面白い映画だったと思う。 年始早々からこの作品のトレーラーを見続けてきた限りでは、二重スパイ容疑をかけられた主人公が自身の疑いを晴らすために奔走するというような「北北西に進路を取れ」的な展開が繰り広げられるのだろうと想像していたのだが、結構序盤から”想定外”な展開に突入し、驚くというよりも面食らってしまった。 正直なところ、ストーリー的には粗は目立つし、整合性には欠けている。少しネタばれになってしまうが、キーマンとなるキャラクターの隠された存在性も容易に想像がついてしまう。 ストーリー的にも、映像的にも期待に対して凡庸という印象は拭えない。 ただし、繰り返しになるが、これがアンジェリーナ・ジョリーの映画である時点でハズレはない。 当初この映画はトム・クルーズ主演で企画が進行していたらしい。金銭面で折り合いがつかず、アンジーへと脚本共々キャラクターの性転換を行ったそうだ。 たらればになるが、そのままトム・クルーズで映画が完成していたなら、「ミッション:インポッシブルの二番煎じ」と酷評されていたことは、恐らく間違いない。 たぶんシリーズ化は既定路線だろう。次回作は主演女優のパフォーマンスだけに頼らなくて済むようなクオリーティーの高いスパイ映画を期待したい。 (水面下ではトム・クルーズ&ベン・アフレック出演による“イヴリン・ソルト×イーサン・ハント×ジャック・ライアン”という企画もあるとかないとか……実現するのであれば、それぞれこれ以上歳を食う前にやったほうが良いと、一映画ファンとして思う……) [映画館(字幕)] 7点(2010-08-07 10:56:03)(良:2票) 《改行有》

1314.  ファンボーイズ それほど遠くない昔、遥か銀河の彼方ではない地球の片隅では、「エピソードⅠ」公開を半年先に控えていた。 “スターウォーズオタク”の4人組は、がんに冒され余命3ヶ月の仲間のために、最新作を盗み見るための旅に出掛ける。 ファンしか分からない内輪ネタ満載の珍道中を描いたロードムービーで、「スター・ウォーズ」好き以外は観てくれるな!と言わんばかりの様相であるけれど、どっこい意外と心に染み入る「感動」を備えた映画だと思う。 もちろん、「スター・ウォーズ」ファンであれば共感は必至であろうが、決してそうでなくても、何かとても“大好きなもの”がある人であれば、その熱中ぶりに共感出来、彼らの歓びと哀しみを理解出来るはず。 9割近くは”ふざけた”映画であることは間違いないけれど、自分の好きなものに対する「愛」を真っ向から貫くファンボーイズたちの姿を否定出来るわけがない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-02 23:11:25)(良:2票) 《改行有》

1315.  ブラック・サンデー 「名作」と評される往年のハリウッドの娯楽映画には、「物足りなさ」を感じることが多々あり、満足した覚えが少ない。 しかし、この映画には確固たる完成度の高さが見られた。 それは、トマス・ハリスの原作の確かさが大きく影響していると思う。 原作は未読だけれど、展開されるストーリーの端々に並の娯楽映画にはない“深み”があり、各シーンと人物の背景が見えてくる。 テロリストとそれを追う秘密警察それぞれの立場と、各キャラクターの抱える心情を平等に描いているので、追う者と追われる者の関係性に説得力があった。 クライマックスの顛末には少々ご都合主義が含まれていたようにも思うが、巨大な飛行船がスタジアムに突入していくシーンには、娯楽映画史に残り得る迫力があった。 この映画は日本では未公開だったそう。テロリストの攻防において当時の世界情勢が大いに絡んでいることがその理由かもしれないが、もっと広く認知されるべき映画だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-01 19:05:43)(良:2票) 《改行有》

1316.  ナイロビの蜂 《ネタバレ》 アフリカという広大な大地で繰り広げられる陰謀に対する追求と、妻の死によってさらに深まる夫婦愛の探求。 リアルな世界情勢に裏づけされた重く重要な社会的なテーマと、ロマンティックな夫婦愛を絡ませ、サスペンスフルに描いた構図は巧みだと思う。 現地の空気感をそのままに描き出した美しい映像世界も、観客を引き込むには申し分なくそれだけで価値がある。 ただどうしても合点がいかないのは、主人公の最終的な行動。もちろんその態度は潔く、ある意味における力強さには溢れているが、果たしてそれは最愛の妻が望むことだろうか。「運命」として悟るにはいささか早すぎやしないか。 「美学」と言えば聞こえはいいが、描かれるテーマが現実的であるが故に映画としてのリアリティが無いように思う。 なんだか、結局夫婦としてどれだけのことをこの二人は分かり合えたのだろう?と、核心である二人の関係性にまで疑問が生まれてくる。 それは生前の妻の行動にしてもそうで、いくら夫のことを思うが故にということでも、あれだけ惑わせる要素たっぷりな言動を見せられては、夫とすればそりゃ疑ってしまうというもの。 もう少し夫婦としての関係性について深く描く必要があったのではないか。 まあだけれども、この映画の監督が何よりも訴えたかっであろう世界におけるアフリカの“リアリティ”というものはひしひしと伝わってくる。 ぎらつような美しい映画世界の残酷な現実は、そのままこの窓の外につながっている。そのことを認識したとき、また新たな感情が生まれる。 [DVD(字幕)] 5点(2010-07-25 10:32:25)《改行有》

1317.  インセプション 睡眠中の「夢」というものを、本当によく見る。 前夜に見た夢のことをつらつらと思いめぐらせて、一日が過ぎるということもしばしばある。 そういう者にとっては、この映画の完成度は殊更に高まると思う。 「夢」の世界の中で巡りめく攻防を描く今作。 先ずはストーリー展開がどうのこうの言う前に、その世界観のクオリティーの高さにおののく。 夢をよく見る人であれば、常に感じているだろう“夢”という世界の“目まぐるしさ”を完全に表現している。その映像世界が、先ず圧巻だ。 表面的な現実感と同時に存在する、時空と空間を超越する「感覚」。 そういうことを、現時点で成し得る映像表現の全てを使って”具現化”している。 その映像世界を構築した時点で、この映画の価値は揺るがない。 「ダークナイト」ですっかりメジャー監督となったクリストファー・ノーランだが、よくよく思い返せば、彼は「メメント」の監督なわけで、この手の作品こそこの映画作家の“真骨頂”ということなのだろうと観終わって納得した。 ただし、この映画に対して充分に評価した上で言わせてもらうならば、 物凄い製作費を投じて生み出された作品ならではの、出来るだけ広いマーケットを意識した“譲歩感”は感じられる。 恐らく、クリストファー・ノーランの本来の「構想」は、もっと無遠慮に難解で、歪んでいく映像世界を凌駕する程にねじり込まれたものだったのではないかと思われる。 “鑑賞者”として物凄く身構えた分、ストーリー展開に対しては、案外“ストレート”な印象を受け、一抹の物足りなさも感じた。 詰まりは、もっと人間の精神的な内部に踏み込み、その不可思議さに対する顛末を表現出来たのではないかと思う。 主演のレオナルド・ディカプリオが、もう一つ弾き切れていなかったことも、そういった“遠慮”が少なからず影響していたように感じてならない。 一概には比較出来ないが、ディカプリオのパフォーマンスだけを捉えるなら、今年公開された「シャッター アイランド」の方がインパクトがあった。 まあ、とは言っても、とんでもないオリジナリティに溢れた映画だということは間違いないし、その映画のセカンドネームに「Ken Watanabe」がクレジットされていることは、日本の映画ファンとして誇り高いことだと思う。[映画館(字幕)] 9点(2010-07-25 08:40:16)(良:2票) 《改行有》

1318.  私をスキーに連れてって この映画のタイトルを聞くと、どうしても以前の会社の上司だった人のことを思い出す。 営業部長だった彼はまさに「堅物」と言える無口な40歳の男だった。 ろくに面白いことも言わない人だったが、上司と部下の間の場繋ぎの話の中で「何の映画が好きですか?」と質問したところ、やや間があって「私をスキーに連れてって」と答えた。 意外な返答に思わず吹き出してしまったが、毎年この映画を観てスキーに行くといういつになく饒舌な彼の様がとても印象的だった。 この作品に対するいろいろなレビューを読んでみても、この映画が理屈ではなく当時の「時代」に愛された作品であることがよく分かる。 この映画を観て、スキーにのめり込んでいった人は沢山いるだろうし、原田知世と三上博史の恋模様に憧れて結ばれた人たちも沢山いることだろう。 映画を観るにあたって作品の完成度の高さというものは非常に重要視されるポイントであろう。 しかし、それ以上に重要なことは、その映画が鑑賞者にとってどれほど愛すべき映画であるかどうかということだと思う。 僕自身はこの時代に生まれてはいるが、登場人物たちのように20代を謳歌した世代ではないので、決してこの映画を愛すことはできない。 ストーリーは極めてチープだし、キャスト陣の演技も揃って初々しいというか古くさいと思わざるを得ない。 ただ、そんなことはこの映画を愛する人にとっては極めてどうでもいいことだ。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-22 14:22:25)(良:2票) 《改行有》

1319.  彼女が水着にきがえたら こういう“バブル絶頂期”の映画やドラマは、もはや「現代」ではない時代の風俗感がありありと見られて、1981年生まれの人間にとってはもはや時代劇的な異世界感が逆に楽しかったりする。 BSで放送されていた今作を録画してまで観てみようと思ったのも、そういう「時代」の有様を垣間みたかったからだ。 まあ一市民がトレジャーハントに興じるという非現実的な要素は度外視したとしても、実際あれほど馬鹿らしい程にバブリッシュな輩が居たかどうかは甚だ疑問だし、もろもろの設定や展開を総じて真っ当な映画とは言い難い。 敢えてベストキャストと言いたくなる織田裕二に、今現在も続く時代錯誤感の出発点に苦笑いしながら、サザンの音楽を楽しむ映画だ。[CS・衛星(邦画)] 2点(2010-07-20 16:04:46)《改行有》

1320.  ポリス・ストーリー3 最近の作品はほとんど観ていないけれど、ジャッキー・チェンの映画もそれなりには観ている。 個人的に一番好きな“ジャッキー映画”は、この「ポリス・ストーリー3」だ。 何よりも、ジャッキー・チェンが一番元気の良い時期の映画だし、この後のハリウッド進出作品にはない“香港臭”がたまらない。(まあ作中の舞台は中国本土や東南アジア諸国なんだが) やはりジャッキーは、香港が似合う。 香港映画界の独特のユーモアの中で繰り広げられるジャッキーアクションは、「アクション映画界のチャップリン」とも言いたくなる程、完成されていて何度観ても素晴らしい。 加えて、ジャッキーのパートナーとしてミシェル・ヨーが卓越した女流アクションを見せてくれるのも、この映画の魅力だ。 ジャッキー・チェンとミシェル・ヨーのWアクションのコンビネーションは、このシリーズ作きっての見所とも言える。 相変わらず唐突に終わる香港映画らしい「終劇」と、エンディングロールのNGシーンも、久々に堪能した。 ただ今回はBS放送の字幕で観たのだが、ジャッキー映画だけは吹き替え版の方がしっくりくるような感じがした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-16 23:42:03)(良:1票) 《改行有》

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