みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194

1321.  アイアン・ホース アメリカ大陸横断鉄道の敷設という壮大な事業が、本作のベースになっています。しかし日本だって、狭い国土ながら、よくもまあこれだけの鉄道網を完成させたことよ、と思いますけれど。 この鉄道建設に情熱を抱く主人公、その情熱は亡き父の遺志を継ぐものであるけれど、父の命を奪った「2本指の男」の行方は杳として知れない。という訳で、大自然の厳しさや、先住民の襲撃といった危機にさらされつつも雄々しく進められる鉄道建設の姿に、「2本指の男」への主人公の復讐譚、あるいは主人公と幼馴染の女性との恋愛などが絡められて、見応え満点。脇を支える3人のポンコツオヤジたちの存在も忘れられません。 アメリカ開拓史の実際を映画に取り入れようとして、やや解説調なところもありますが、ラストでは当時の機関車実物を登場させてみたり(ジュピター号と116号、だそうです、すみません不勉強なもんでどのくらい貴重なのかワカリマセンが、きっと貴重なんでしょうフムフム)して、ちょっとワクワクしてしまいます。また、盛り沢山の内容を2時間ほどにまとめ切っているのも、字幕による最低限のセリフしか使わないサイレント映画ならでは、といったところでしょうか。馬に乗った先住民が列車に襲い来るその姿を、列車の壁面に映る影として描く、なんていう演出でも、これ見よがしにやることなく、サラリと流して見せる。 畳みかけるようなクライマックスに、これぞ大団円といいたくなるラスト。お見事です。[DVD(字幕)] 9点(2016-10-25 14:00:33)《改行有》

1322.  テルマエ・ロマエ もう、バカバカしくって楽しくって。風呂ネタ(一部トイレネタ)でここまで楽しませてくれるなんて、いやはや、想像を絶する世界ですよこれは。 古代ローマの設計技師ルシウスが、なぜか現代の日本にタイムスリップしてきて、騒動を巻き起こす前半。すべて一人合点で勘違いしまくってるのだけど、日本の爺さんたちも負けじと勘違いしまくってる楽しさ。究極のすれ違いの果てに、「おフロ最高!」というキーワードを接点にした奇妙な意気投合が垣間見える、アホらしさ。 ときどき現れる謎のオペラ歌手(歌ってるのはアイーダの第3幕終盤ですかね)。ははは、もうこれ以上、笑わせないでください。 そんでもって、中盤からは、上戸彩が「ラテン語を勉強してきた」とか言っていきなりペラペラと阿部寛演じるルシウスと話しだす。そんなアホな、と思うけど、しかし実際、ここで物語がギアチェンジしたような印象があり、グッと我々を引き込んでくれます。 で、ドラマチックな盛り上がりを見せたのち、最後は、前半で互いに勘違いしまくりだったルシウスと日本の爺さんたちとの、お風呂好きパワーが見事に融合するという大団円。 一体、何ちゅう作品なんでしょね。[DVD(邦画)] 9点(2016-10-25 13:02:54)(良:1票) 《改行有》

1323.  ディパーテッド インファナル・アフェアをアメリカに持っていったら、アンディ・ラウの役は、マット・デイモンの優等生顔になっちゃうのね。え、これが優等生顔なの?と改めて言われると困っちゃうけど、どうもこのヒトはそういうイメージがある。アンディ・ラウとマット・デイモン、サルっぽい感じだけが共通か(失礼)。 トニー・レオンのビンボー臭い顔(またまた失礼)の代わりに、こちらはディカプリオ。レオ様なんて呼ばれてたけど実はオレ、結構目つきが悪いんだぜ、とばかりに、凄みのあるところを見せて、これはなかなかのハマリ役ではないかと。実際、この二人のうち、ディカプリオの方に映画の力点が置かれているように感じられます。 ジャック・ニコルソンは、万年シャイニング。万年ジョーカー。もう、どうぞ、お好きにしてください。ただ、本心を掴みかねるキャラクター、という意味では、一応、役柄を全うしてはおりますが。 マーチン・シーンとマーク・ウォルバーグのコンビが、なかなかナイスでした。有能なのか無能なのか、お互いに性格が合うのか正反対なのか、どう受け止めていいのかわからないけど、何せ物語のカナメになる存在だから、ディカプリオも我々もこの迷コンビを受け入れざるを得ない、という、絶妙の役どころ。 もともと、オモロくて盛り上がる映画をリメイクしている、というアドバンテージもあるでしょうけど、概して、なかなかうまく作られたリメイク作ではないかと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-25 12:27:43)《改行有》

1324.  スペシャリスト(1994) 主人公はかつて、麻薬王を爆殺する任務の中、無関係の子供まで巻き込んでしまい、心に傷を負っているらしい。だったらどーしてそんな主人公をよりによってスタローンが演じているのか。似合わないにも程がある。 いやいや心配ご無用、この冒頭の場面、本人は気に病んでいるかどうか知らぬけど、我々が見る限り、悪いのはどう見てもジェームズ・ウッズただ一人、こいつが殆ど変質者と言いたくなる極悪人。スタローンは悪くありません、ヒーローですから、という安心感。 そんな安心感、この物語の中で、邪魔なだけだと思うのですがねえ。 さらにスタローン、空気が読めないのか、これも俳優の仕事だから仕方ないのか、役柄にまるでそぐわぬ筋肉パフォーマンスをわざわざ披露してくれる。どうもありがとう、できれば遠慮したいところだけど。 ジェームズ・ウッズはノリノリで悪いヤツを、時に図太そうに、時に神経質そうに、要するに何とも楽しそうに、演じている。やや暴走気味。 シャロン・ストーンも、もう少し神秘性を出してくれればいいんですけどね。むしろ何となく、哀しき「下り坂」感が感じられて。 でもスタローンと頑張って絡んで見せ、肉体派系「失楽園」といったところでしょうか。 チグハグで奇妙で、あまり楽しめない娯楽作品でした。[CS・衛星(吹替)] 3点(2016-10-24 15:42:00)《改行有》

1325.  ボビー・フィッシャーを探して ボビー・フィッシャーを探してもそりゃおらんワケだ、まさか日本に行ってたなんて、ね。 ってのはさておき、チェスという頭脳戦を、映画にどう描くのか。どうしても、こんな風に、むやみに速い駒の動きと駒の音、って事になってしまうのでしょうか。こういうの見てると、どうしてもそんなにアタマ使ってないように見えちゃうんですけどね。 子供を主人公にして、その子供にあまり目立った演技をさせない、これは、成功しているように思えます。 できれば、その目立たない表情の中に、チェス盤に向かう視線をもっとしっかりと(その力を信じて)描いてくれれば、あんなチャカチャカしたチェスの動きでは描ききれない、そのゲームの持つ深み(って言っても私はサッパリ馴染みがないので、どのくらい深いのか想像もつかないけど)を、我々にもっと感じさせてくれたのでは、という気もします。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-24 15:04:58)《改行有》

1326.  トゥルー・グリット 作品の最初の方で、「この娘はしたたかなんです」というのをやたらと強調するように、そういう描写を繰り返すので、ちょっと心配になったのですが、その後はちゃんと、それっぽい雰囲気に仕上げてくれました。 ラビーフ役がマット・デイモンだなんてまるで気づかず、いや、いまだに騙された気分。でも成程、劇中の存在感が高い役柄でした。 多分、『勇気ある追跡』ほどギクシャクしてなくって、こちらの方がキレイに作られた映画だとは思います。が、あのギクシャクが魅力であって、その中心にジョン・ウェインがどっしり構えているのがこれまた魅力ではあったのですが。そして、ジェフ・ブリッジスがたまにジョン・ウェインを思い起こさせた瞬間に魅力を感じてしまうのも事実なのですが。 本作、ちょっとキレイ過ぎたのかも。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-24 14:55:25)《改行有》

1327.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946) 原作の魅力を支えているのは、粗暴・粗野・素朴で、教養があるとは言えない主人公の一人称の語り(巧みな文章というよりも、ストレートで、であるが故にハードボイルドな語り)にあるのでしょうが、本作、どういう魅力をここで表現しようとしているのやら。多少のアレンジがなされているとは言え、一通りストーリーをなぞってみただけ、という印象。ついでにタイトルにも強引に意味を持たせてみて、その努力、涙ぐましくはあるけれど。 暴力性も感じさせず、虚無感も乏しく、総じて、張り合いのないくらいにおとなしい映画でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-24 14:37:31)《改行有》

1328.  国士無双(1932) もともと84分ほどの作品、とされるうちの、一部しか映像が残っていないもんで、冒頭の「だいたいこれで登場人物出揃ったのかな」という、いよいよこれから、ってタイミングで終わってしまいます。ただ、この現存部だけでも、大いに笑わせてくれます。意外にシュールなギャグが楽しめます。 剣豪・伊勢伊勢守がこの近くにいるとの噂を聞いた二人の浪人が、その辺の田舎者をニセ伊勢伊勢守としてデッチ上げ、従者と名乗ってオイシイ思いをしようと企む。白羽の矢が立てられた通りすがりのボーっとした男、これが千恵蔵。若い! 痩せてる! で、その千恵蔵が、たまたまある娘さんを助けるのだけど、その父親が当の伊勢伊勢守本人。娘の恩人である千恵蔵が、今度は不届きなニセモノということになり、本物と偽物が対決することに。なぜか千恵蔵、ボーっとしてる割には滅法強くって、本物を打ち負かしてしまう。ショックを受けた本物の方、仙人のもとで修業することになるが、この仙人というのがさらにポンコツで。 ってな所で、終わっちゃう。オハナシだけ聞いたら何とも他愛ないですが、バカバカしい笑いに彩られており、続きが見たくなること請け合い。こんなナンセンスギャグが、こんなに昔にも、あったんですねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-10-24 14:15:59)《改行有》

1329.  冷たい熱帯魚 劇中しきりに日時が提示されるのが、「実話を元にしてます」というドキュメンタリっぽさを出そうとしたのかと最初は思われたのだけど、どうやらそうではなくって(いやもしかしたらそれもあるのかも知れないけれど)、むしろ、(プラネタリウムのシーンとの対比として)この地球なり宇宙なりの歴史に比べりゃ、この凄惨な事件も、一瞬の出来事に過ぎないし、でんでん演じる大言壮語(有言実行?)の規格外オヤジもちっぽけな存在に過ぎない、ましてや究極の小市民のようなこの主人公なんて・・・ということを表しているように思えてきました。まあ、人間、行き詰った時には、ふと宇宙の大きさを考えたりするもんですし。 かつて、愛犬家ばかり(でも無いだろうけど)が次々に失踪する奇怪な事件が、さらに奇怪な事には連続して発生し、大きな騒ぎとなったものでした。本作は埼玉の事件の方を元にしたらしい。 当時、逮捕前の被疑者がマスコミに登場していたこともあり、犯人・村田の役は難しいものがあっただろう、と思います。ひたすら異常一辺倒ならともかく、時には磊落に、また必要があれば卑屈にもなって見せる、というさまざまな表情の持ち主。実際、熱演だと思います。ただ、「熱演」だけでは、ちょっと足りない部分もあるように思えて。村田が主人公の前で突然本性をむき出しにする場面など、いくつかのターニングポイントがあったはず、そしてそれを「熱演」によって演じ分けようとしたはず、だけど、映画の雰囲気まではうまく切り替わらない。刺激的な場面がいくら挿入されても、いまいちピリッとした刺激にならない(浴室の中での死体の解体シーンそのものよりも、外にいる主人公に浴室内から声を掛けられる事の恐怖を描いた点、これは印象的でしたが)。で、作品の流れがやや平板に感じられてしまう。そんな中で「オッ」と思ったシーンは、ラスト近くで、陽光を背に浴室に立つ黒沢あすかの姿、これはさすがに映画の印象を一変させるものでしたが・・・このシーンから先の展開、もう、ムチャクチャだしなあ。[DVD(邦画)] 6点(2016-10-24 13:36:22)《改行有》

1330.  三人の騎士 オムニバス作品、というか、個々のエピソードにストーリーが無くなっていって、もはやドナルドダックが悪いクスリやってトリップしてしまったような作品です。と思って観れば(そんな事思う必要ないですが)、賑やかに歌って踊ってドタバタして、楽しい作品。手描きした線路を汽車が走ったりする、アニメーションならではのハチャメチャな世界をスピーディに見せたり、はたまた一方では、実写とアニメとが絡み合い、のんきにじゃれ合って見せたり。 さすがにコレは脈絡なさすぎでしょう、と思わんではないけれど、楽しけりゃ脈絡なんて無くってもいいじゃないの。[CS・衛星(吹替)] 7点(2016-10-23 08:24:07)《改行有》

1331.  機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 「哀・戦士編」というタイトルが、内容によくマッチしていて確かに上手いんですが、上手すぎるのも考えもの。何だか「この第2作のテーマは『別れ』です」ってわざわざ念押ししてるみたいで、実際、ここでは「名前をもった登場人物」の何人もの死が描かれます(第3作もだってそうやんか、と言われれば、そうですが)。しかしそこにもうちょっと意外性があってもいいのにな、と。 それも含め、テレビシリーズのダイジェストであることが、一番悪く出たのがこの第2作じゃないでしょうか。かなり雑多な印象で、多少は目をつぶるとしても、中盤でいったん映画が完全に終わっちゃったよ、というニコイチ感が。 であれ何であれ、第2作を見ておかなくては、第3作も楽しめません。だから必ず見ておかなければいけません。 【それにしても、3部作続けて見たのも随分久しぶりなんですが、主人公であるはずのアムロの出番って、途中からこんなに少なくなってたのか、というのがオドロキでした。今まで見ててそんなこと、一度も気にならなかったんですけどね。それだけ各登場人物に感情移入して見てたということなのかも】[DVD(邦画)] 6点(2016-10-20 13:42:04)《改行有》

1332.  機動戦士ガンダム 子供の頃、周囲の盛り上がりを余所に、殆ど見ることのなかったレギュラー放送のガンダムですが、後に、夏休みだか冬休みだかに映画3部作をよく放送したりしてたのを何度も見て、そういう意味ではこの映画版の方に馴染みがあるのですが。しかし、今回久しぶりに見て、やっぱりキツイなあ、と思っちゃいます。基本的にテレビの再編集、それもお話の途中まで、なもんで何とも中途半端。テレビ版を圧縮して詰め込む事に精一杯で、ひとつの独立した作品としての盛り上がりには欠けていると言わざるを得ません。そういや映画版の『宇宙戦艦ヤマト』などは、無理矢理な再編集でほぼ支離滅裂だったけど、ストーリーの最後までカバーしてる上に、ツボはきちんと押さえていたので、ちゃんと盛り上がったのでした。アニメーション技術もテレビアニメにしては高かったし。その点も、ガンダムには分が無いですね。アニメとしてのクオリティは高いとは到底言えず(そこに懐かしさもあるとは言え)、そもそも、登場人物の人相が作中で安定していない、ってのはまさにテレビアニメの悪しき特徴。ガンダムの魅力は多かれ少なかれ、その「設定」にあるのであって、“スター・ウォーズ + 宇宙の戦士”とか言われつつも、それだけに収まらないものは確かにあるのですけれども、この第1作(と言ってよいのかどうか)ではまだ、「設定」の説明に終始するばかりで、その魅力が物語として動き始めているとは言えない段階です。 ↑とは言え、色々な制約の中でこれだけの動きを描き込んでいるのはやっぱりスゴイし、物語の発端を描く作品ならではの、登場人物たちの初々しい姿、素直に恐れ、素直に驚く姿、ってのも魅力的。特に、慣れぬガンキャノンの中で絶望的な闘いに身を置くカイの姿とその描写は、強い印象を残します。すみません6点⇒7点に差し替え。[DVD(邦画)] 7点(2016-10-20 13:04:08)《改行有》

1333.  ハムレット(1990) メル・ギブソン主演、というと、ちょっとワイルドなハムレット像を想像してしまいますが、実際はそうでもなく、綺麗にまとめられた端正な映画です。そもそも、セリフのほとんどが元の戯曲に沿ったもので、少しは脱線してもよかったのに、何だか遠慮気味。先王の亡霊の描写もオドロオドロしいものではないし、精神を病んだオフィーリアの表情も、あまり痛々しいものではない。彼女の最期も、ミレイの「溺死するオフィーリア」みたいなゾッとする美しさをもって描かれるでもなく。基本的に、まったく悪ノリしようとしてない作品です。そりゃま、何かと悪ノリを期待してしまうのも問題ですけどね。ただ、物語の後半に、もう少し暗い影がきざすような演出があってもよかったかも。 もちろん、元の戯曲をそのまんまトレースしてるんじゃなくって、例えば、夜な夜な現れるという亡霊に、ハムレットが邂逅するまでの過程がコンパクトにまとめられていたり。ハムレットがオフィーリアの前で狂乱して見せるシーンが、「生か死か」や「尼寺へ行け」というセリフと切り離されて、比較的早い段階で我々の前に提示されたり。シェイクスピアより構成上手なんじゃないの?とか言うと怒られそうですが。 この分で行くと、世界一有名な雑魚キャラであるローゼンクランツとギルデンスターン、出番無かったりして、と心配になるのですが、いや、ちゃんと登場します。やや雑魚度がアップしてますが。残念なのはホレイショーの存在感があまりに薄いこと。シェイクスピア悲劇における「どんなに大勢の登場人物が死んでも最後にちゃんと生き残ってくれる、二大いいヤツ」の一人であるホレイショー(もう一人はもちろんエドガーです。間違ってもマクダフとかではありません)、彼の出番をここまで削ったのは、やはりハムレット本人によりスポットを当てるためでしょうか。高いところから、ポローニアス一家の会話をうかがうハムレット。同じく高いところから、宴会で浮かれるクローディアス王の様子を苦々しい表情で眺めるハムレット。逆に地下室みたいなところでひとりウジウジと悩むハムレット。さらには、実母である王妃との関係に、オイディプス譚のようなニオイも漂わせたりして。 というハムレット像を、あまり強く主張することなく、あくまでシェイクスピア劇の雰囲気を十分に保ちながら描いた作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-20 12:53:33)《改行有》

1334.  クリード チャンプを継ぐ男 ここに至ってまだ「ロッキー」シリーズの企画を引っ張ってくるなんて、と、ちょっと心配になる(けどちょっと期待する)のですが、ロッキー=スタローンに必ずしも縛られなかったのが、良かったですね。もちろん、トレーニングを見守るロッキーの姿の方をカメラのフォーカスが捉えるなど、彼の存在は確かに感じさせるのですが、アポロの息子アドニスをきちんと中心に据え、しかもチャンプの血を引きながら、愛人との息子である自分は一体何者なのか、という屈託を抱えた存在として描き、ボクサーとしての生き様に膨らみを持たせています。これがクライマックスの試合に向けての映画の推進力のひとつにもなっているのですが、クライマックスの興奮はそれだけれはなく、やはり、アドニスを演じたマイケル・B・ジョーダンをはじめとする、登場するファイターたちの迫真のファイトシーンが大きな貢献を果たしています。 ラスト、アドニスと並んだロッキーは、画面の中心をアドニスに譲る。いいねえ、スタローン、もうラジー賞は卒業かな。[DVD(吹替)] 8点(2016-10-19 14:19:42)《改行有》

1335.  ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー 《ネタバレ》 ジャッカー電撃隊とゴレンジャーが夢の競演! って、出演者が一部重なってるのにどうするの? 心配ご無用。あくまでジャッカー電撃隊が中心であり、ゴレンジャーで変身前の姿を見せるのはモモレンジャーだけ。変身後だったら、さらに仮面ライダーV3だって登場可能(しかも写真だけだしなあ)。 冒頭、ショッピングを楽しむジャッカーの4人の前に、急にいきなり突拍子もなく、インデペンデンス・デイの先駆けとしか思えない巨大過ぎるUFOが登場。この容赦のないテンポの良さは、この後も続くので覚悟してください。 で、怪しい女を捕まえてみれば何とモモレンジャー、さらには、発見した暗号をたやすく解読して、あれよあれよという間に、敵の基地が奇怪岬に存在することが発覚。で、この奇怪岬というのが、何の変哲もないフツーの海岸、といった感じなんですが、防衛のために見張りを続けるクライム一味の姿に、BGMとしてパーカッションのリズムが刻まれると、何だか『史上最大の作戦』みたいでちょっとカッコいいじゃないの。 ただし、肝心のクライムの首脳陣が皆、一応、極悪な感じのカブリ物をしているのですが、なんだかこの、各々が「極悪です」と一生懸命主張するようなコスチュームには、哀愁すら感じられてしまって。しかもよせばいいいのに、クライム四天王、わざわざ合体して四天王ロボに変身する。敵役が、合体したり巨大化したりするのは、「もうすぐ終わりです」という合図みたいなもんですからね。余命もあとわずか。 ラストはビッグワンの策略により、完膚無きまで叩きのめされる鉄の爪。気の毒で見てられない。でもとりあえず、完結篇っぽい感じにまとめて、よかったですね。[DVD(邦画)] 4点(2016-10-19 13:53:29)《改行有》

1336.  ヒミズ ここに登場する「悪」はちょっと戯画化されすぎてる印象があるし、「子供の死を願いそれを口にする親」ってのも、直球過ぎる気はします。しかし、あの、泥にまみれのたうち回る主人公の姿、絵具にまみれ自分を何とか消そうとする主人公の姿、これらのイメージは、到底他人とは思えない生々しさをもって、我々に強く迫ってきます。 本作を震災に絡めたこと、それを「あざとい」というには、あまりに園子温監督は危ない橋を渡っており、批判の矢面に立つ覚悟が感じられます。「もうちょっと被災者に気をつかった設定やセリフってもんがあるでしょう」という批判は、当然あるだろうけれど、本作はあえてそこまで踏み込んで、デフォルメされたグロテスクな世界(明日、自分の身の上に何が起こるかわからない、という意味では、我々の現実の世界も、なかなかにグロテスクなものなのかも知れない)における、ギリギリの再生と希望を描こうとする。泥だらけで傷だらけの自我の上に。[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-19 12:44:28)(良:1票) 《改行有》

1337.  ゲッタウェイ スーパースネーク 平均45秒に1台、大破。とかいう宣伝文句なもんで、観てて、ついつい、「おい、もう45秒以上経ったんだけどさあ」とか、「今のクラッシュ(接触?)も大破として数えるの?」とかいうツマランことを思っちゃうのですが。 「頭から尻尾の先までカーチェイスが詰まった映画」を作ろう、ってことなのか、何とも律儀に、冒頭からとにかく主人公を車に乗せ、走りまくる作品でした。妻を誘拐された主人公に対し、犯人から謎の要求が次々に突きつけられる。この犯人の要求ってのが、要するに走りまくれって言ってるだけで、主人公が達成すべき目標が示されない要求が殆どなので、目標が達成できるか否かのサスペンスも生まれません。これだけでは映画がもたないので、同乗者の少女を登場させたり、事件の真相を少しずつ明らかにしたり、ってなことをやって見せるのですが、別にボクら、「真相を知ること」を目的に観てる訳じゃないしなあ。 カーチェイスもクラッシュも、それはそれは頑張っているのですが、いかんせん、サスペンスに欠いているもんで、同じようなコトが断続的に繰り返されているだけ、といった感じ。これだけの荒っぽい運転だから、車内はさぞかしムチャクチャだろう、と思いきや、結構フツーに会話してたりして、カーチェイスの凄まじさを側面から描いて見せるような工夫も、特に無く。そもそも、車中の描写が、ほとんどまともになされてない。 という訳で、スピード感あふれる映画を目指したんでしょうが、印象としては、何だかモゴモゴと煮え切らない感じがしてしまうのでした。 でもでも。こういうカーチェイス主体の作品って、存在自体がワクワクさせる。また活きのいいのを、待ってますヨ。[DVD(字幕)] 5点(2016-10-19 11:28:21)(良:1票) 《改行有》

1338.  グッドフェローズ なんか、うまく映画作ってるな、という感じはするんですけどね。長回ししながらスラスラとカメラと移動させてみたり、対話シーンのやりとりをカメラ切り替えてテンポよく見せたり。後者の方は、ちょっとやり過ぎて、対話の途中で口にくわえてた葉巻が消えちゃったり、持ってた受話器が消えちゃったりと、カットがうまく繋がらなくなってしまったりもするのですが、多分、作り手もそんなことは「些細な事」と、気にしてないんでしょう。 それはいいとしても、作品全般について、どうしてこんな作劇になっちゃうのか、という点については、正直、よくわからないんです。2時間半近い長さがあって、しかもナレーションを多用しつつ描写の省略を多々行ったりしていて。そこまでしてでも、主人公の姿を少年時代から、すべて作品に詰め込む必要があったのか? 唐突に奥さんの独白まで使うにいたっては、すみません、このセンスは理解不能です(逆に言うと、独白を任された割に存在感は強く出ていない)。 肝心の600万ドル強奪という大事件は、まともに作中で描かれないし、それに伴う殺人事件もサラリと流される。あくまで主人公の人生に沿った映画です、とにかく実話なんです、派手なシーンを見世物にする映画じゃないんです、という訳でしょうか。確かにそれも一つのやり方でしょうけど、ちと優等生過ぎるのでは。そしてやっぱりこれも「実話作品」らしく、具体的な年月日をテロップで出し、終盤はそれを時刻表示にまで分解して、うん、確かに緊迫感は出てくる。でもテロップは所詮テロップ。「今何時か」を知りたいんじゃなくて、この先に待つ「何か」まであと何時間何分あるか、こそがサスペンスでしょう。途中から、何のために時刻表示してるのか、サッパリわからなくなってくる。 それもこれも、「実話」に寄りかかり過ぎなんじゃないでしょうか。ラストも主人公の独白任せになってしまい、残念でした[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-18 12:57:37)(良:2票) 《改行有》

1339.  ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う 《ネタバレ》 確かにエロさの面でも圧倒されるのですが(笑)、エロさ以上に、映画の中で展開される世界に圧倒される作品でした。 冒頭からいきなり凄惨な場面が登場し、もう先が思いやられるわい、トホホ、ってなもんですが、一方で登場するのは竹中直人演じる冴えない中年男の「何でも屋」。滑稽でもあり哀愁も漂わせていて好対照、さてこの2つの世界がどう交わっていくのか、と。 竹中直人は芸達者だから、一見冴えない・でも時に勘が鋭く・結局は自らの誠実さに負けていく男を熱演しているし、大竹しのぶも芸達者だから、壊れかけのオバチャンを熱演しているし、井上晴美はこれはもう持って生まれた意地の悪さがそのまんま出た適役(知らんけど多分そんな気がする)。そんな中で、佐藤寛子だけは、ニュートラルな、映画の中でどんな色にも染まりうる存在となっています。 いや、ニュートラルというのは違うかな。彼女は作中でこれでもかと脱ぎまくってますが、シャワー、主人公の妄想、事務所の夜、ラストの廃坑、4回あるハダカのそれぞれが、映画の節目になっているとともに、彼女の多面性を象徴する場面にもなっています。彼女は、誰よりも同情されるべき存在なのか、それとも3人の女の中でも飛び切りのワルなのか。最初の2つのハダカはそれぞれに対応しているようであり、3つ目の一番エロい(笑)場面は、彼女の二面性、いや存在の二重性をそのまま表している(だからこそ、この緊張感)。で、ラストで彼女は自らを一体化させようとし、しかしもはや、分裂していくしかない。おお、まさにエロの起承転結とはこれのこと。 それにしてもこのラストで舞台となる廃坑、スゴいですね。深海のような世界、まさに人外魔境。しかし、前半で竹中直人が彷徨う東京の街も、こんな風に底知れぬ闇を湛えていて、このラストシーンと呼応するものが感じられます。 異世界へのいざないに抗えず引き込まれて行ってしまう主人公を、かろうじてこの世界に引き留めうる存在・東風万智子、いつも、忘れた頃に絶妙のタイミングで姿を現すんです。ナイス。 いや、見事な作品でした。[DVD(邦画)] 9点(2016-10-18 12:13:21)《改行有》

1340.  愛と青春の旅だち 《ネタバレ》 久しぶりに観たら何か今まで気づかなかった魅力を見出すかと思ったけど、むしろかえってゲンナリしてしまいました。すみません。 恵まれない生い立ちの主人公、もうちょっとトンガっているかと思ったら、友人や恋人とフツーによろしくやってて、どうもピンとこない。一方、周囲の訓練生には、苦労人の黒人とか、ドン臭いけど頑張り屋のお嬢さんとかいう、何だかわかりやすいキャラを配置して、でももう一つ物語に貢献できてない感じ。見どころは鬼教官だけど、この人も、途中で手の内を見せるのは最小限にして、もう少し鬼に徹してくれたなら。 描き方も冗長な気がします。リチャード・ギアとデブラ・ウィンガーが、デヴィッド・キースを探して彼の恋人のもとに行く場面、こんな風に彼女をなじる描写まで必要なんでしょうか。彼女をなじる言葉は、リチャード・ギアとデブラ・ウィンガーが自分達の関係についてはっきりと意志を示す意味もあるのだろうけど、ちょっと不十分というか、物足りない。むしろ、デヴィッド・キースの死に向けた緊迫感を高めていくにはいささかまどろっこしく、描写の省略でスピード感を上げていった方がよかったのでは。 で、この後、唐突に卒業しちゃう。本当に唐突(概ね、遊んでばかりだった印象が・・・)。ここでルイス・ゴセット・Jr教官と長々と絡むことなく、少ない会話と、新入生とのやり取りにすべてを凝縮させたのは、これは良かったですね。[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-10-16 09:39:07)《改行有》

030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.88%
41614.16%
53619.32%
663116.29%
7122331.57%
888722.90%
93749.65%
101012.61%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS