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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1321.  アイム・ソー・エキサイテッド! 《ネタバレ》 ご搭乗の皆様、この度はペニンシュラ航空をご利用いただきまことにありがとうございます。当機はメキシコシティ行きです。私は客室チーフのホセラです。救命胴衣は皆様のお座席の下にございますが、緊急時以外は取り出さないでください。万が一、トラブルに見舞われたときは私どもの指示に素直に従ってくださいね。そう、必ずよ――。メキシコへと向けてスペインの空港を飛び立った、ペニンシュラ航空の大型旅客機。ところが一時間半後、機体はトラブルに見舞われるのだった。降着装置の故障により着陸できなくなった、そんな航空機の3人のホモの客室乗務員たちは、機内がパニックになることを怖れるあまり、エコノミークラスの乗客たちの飲み物に睡眠薬を混ぜ眠らせてしまう。当てもなくスペインの上空をぐるぐる廻り続けることになった旅客機。ところが、パイロットやファーストクラスの乗客たちは、バイセクシャルや妄想だけは人一倍エロい処女のおばさんや600人もの男とSMプレイした女王様といった揃いもそろって胡散臭い人たちばかり。酒や麻薬で恐怖を紛らわせようとする彼らだったが、いつしか機内は乱交パーティーの場へと変貌してしまう。果たして彼らは無事に地上へと降り立つことが出来るのか?スペインが世界に誇る、耽美的変態映画作家ペドロ・アルモドバルによるそんなスラップスティック&エロティックなドタバタ・コメディ。これまで、情熱的な赤を基調とした美しい映像で人間の性愛と愛憎渦巻く耽美的世界を濃厚に描き出してきたアルモドバル監督が、今までとはがらりと作風を変えて挑んだという本作を今回鑑賞してみました。うーん、昔からこの人の「ひょええ~~」と悲鳴をあげたくなるほどの独特で淫靡なまるで谷崎潤一郎を髣髴とさせる変態的世界観が大好きな僕なのですが、ちょっとこれはいまいちだったかな~。やっぱり彼の作風はコメディには不向きだったのではないでしょうか。全編に散りばめられたギャグの数々も客室乗務員のホモ3人組によるミュージカルも、残念ながら全く笑えませんでした。それでも、後半のラリった乗客たちがパイロットたちをも巻き込んで乱交パーティーへと雪崩れ込むシーンはさすがの変態映画監督の面目躍如といった感じでそこだけは大変良かったです。ホモの客室乗務員がパイロットのナニをフェラーリして同僚の元へと帰ってくると、その同僚が「あら、あなたの口に彼のが付いてるわよ」と唇から垂れた精液を指で拭いペロリと舐めちゃうシーンなんて、もう気持ち悪すぎてヤバいっす(笑)。という訳でアルモドバル監督、次はいつものようにその我が道をゆく唯一無二の変態世界を濃厚に構築した傑作をまた撮ってくださいね。アタクシ、期待して待ってますわよ。[DVD(字幕)] 5点(2015-05-17 20:59:01)(笑:1票)

1322.  ダラス・バイヤーズクラブ 《ネタバレ》 何かの冗談だろ、この俺がHIV陽性だって?すると、あんたら医者はこの俺があの汚らしいホモ野郎たちと同じだって言うのか?しかも余命30日だって?ふざけんじゃねぇ!一つ教えといてやるよ、この俺、ロン・ウッドルーフ様を30日で殺せるものなんてどこにもありゃしねえ――。1980年代、テキサス州ダラスでカウボーイをしている電気技師ロン・ウッドルーフは、酒と女をこよなく愛し、ホモと役人が大嫌いなアメリカ南部の典型的な俗物田舎者。ところがある日、長年にわたる地元の売春婦たちとの奔放な性生活がたたって、彼はエイズに罹患していることが分かるのだった。しかも告げられた余命は30日。なんとしてでも生き延びたいロンは、金にものを言わせてまだ未承認の治療薬AZTを手に入れようとメキシコにまで足を運ぶ。そこで、モグリの医者から汚い現実を知った彼は、とある画期的なアイデアを思いつくのだった。法の目を掻い潜り、偶然知り合ったゲイのレイヨンと共に違法すれすれのエイズ治療薬販売会社「ダラス・バイヤーズクラブ」を立ち上げるロン。いつしか、彼の元には様々な悲劇を抱えたエイズ患者たちが集ってくるのだった…。実話を元に、余命30日と告げられながらも、したたかに生き続けたとあるカウボーイの半生を淡々と綴ったヒューマン・ドラマ。うーん、確かに末期のエイズを患いながらも希望を捨てずに生きたこのカウボーイの生き様をエネルギッシュに描きたいという監督の情熱は分かるし、アカデミー賞を受賞したというマシュー・マコノヒー&ジャレッド・レトの鬼気迫るような熱演にも素直に圧倒されたのだけど、ちょっとあまりにも見せ方がお粗末じゃないですか、これ。なんだか、実話を元にしたお話の悪い面ばかりがやけに目に付く作品だと僕には思えました。たとえば、主人公ロンがこの違法すれすれの会社を立ち上げることになったきっかけも、彼の友人となったゲイのレイヨンが辿る運命も、最後の裁判へと至る過程も、もっと巧い見せ方があったはずです。ドキュメンタリーや再現VTRならまだしも、実話だからとはいえもっと観客への見せ方に拘って欲しかったですね。最後まで、あまりにも淡々と進むため、残念ながら僕にはちょっぴり退屈な作品に感じてしまいました。アカデミー賞受賞も納得の主演俳優2人の熱演がすこぶる良かっただけに残念っす。[DVD(字幕)] 5点(2015-05-12 00:26:19)(良:1票)

1323.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 《ネタバレ》 現代ハリウッドで、最先端の映像技術を駆使し唯一無二の圧倒的な世界観を有する独創的な作品を数々創り上げてきた天才映像作家、ザック・スナイダー監督。彼が、その溢れんばかりの才能を惜しみなく注ぎ込んで製作した、いまや伝説と言っても過言ではない快作「<300>」の約7年ぶりとなる続編ということで、けっこう期待して今回鑑賞。ただ、本作はそんな彼が監督から単なる製作へと廻ったということで、一抹の不安を感じてはいたのですが、そんな僕の懸念はどうやら的中してしまったようです。何が駄目かって、やっぱ〝筋肉〟!あの前作でのスパルタの皆様方の全身に満ち充ちていた通常人のマッチョの二割増(当社比)だった筋肉が、今回は見事にこそげ落ちてしまってるやん!もう何か叫んだだけで全身から脂身がぼとぼとと零れ出てきそうな半端じゃないマッチョ比率の高さが、前作の最大の魅力だったのに、こんなの「<300>」じゃなーーーい!!「ストーリーやらリアリティやら史実やら、そんなのどうでもいいんじゃぁぁ!!わしゃあ、スーパーマッチョの男どもがその滾らんばかりの男汁を撒き散らしながら画面狭しと暴れまわる超かっちょ良い画が撮りたいだけなんじゃぁぁ!!」と言わんばかりの潔いまでのその内容のなさと、それと反比例するかのような拘りに拘りまくった唯一無二の映像美が素晴らしかったのに、本作はそんなこそげ落ちた筋肉と一緒にその独自性もどっかにいっちゃったみたいです。もう、ふつ~~~の大して面白くないファンタジー合戦映画でございました。やっぱ、ザック・スナイダーじゃなきゃ駄目なんですね。それでも、悪役を演じたエヴァ・グリーン嬢のその超絶ドSな女王様振りに、僕のM心がびんびん反応してしまったので+1点しときます。僕も、彼女に鞭でビシバシやられたいっす(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2015-05-04 22:01:20)

1324.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 はじめまして、お会いできて嬉しいわ。私の名前はサマンサ。ついさっき自分で決めたの。あなたに最適化されたOSだけど、今までのそれと違って人工知能(AI)である私は基本的には直感で動くの。私が特別なのは、経験から学ぶ力のおかげ。パソコンの中にしか存在しない、肉体を持たない私だけど、私は一瞬ごとに進化しているの。そう、あなたのように――。長年連れ添った幼馴染みである美しい妻との離婚問題を抱える寂しい中年男セオドア。まだ別れた妻のことを忘れられない彼は、ある日、自らの意志を持ち、自分に最適化されたOSである“サマンサ”と出会う。声だけの存在であるはずの彼女と、心の空白を埋めるかのように、次第にその会話へとのめり込んでゆくセオドア。やがて、彼はそんな“サマンサ”と一線を越えてしまうのだった…。別れた妻のことが忘れられない中年男と、肉体を持たない人工知能である女性との奇妙な恋愛を、センス溢れる美しい映像と音楽とで描き出す不思議なラブ・ストーリー。なんだけど、いやー、なかなか未練たらたらのド直球ウジウジ系失恋映画でしたね、これ。もう、主人公の「僕にとっては人生をかけた重大な恋なのに、彼女にとっては紙切れ一枚の問題なんだよ(泣)」って言葉が象徴するように、ウジウジクヨクヨ、ウジウジクヨクヨ、ウジウジクヨクヨ、もうほーーーんと鬱陶しい(笑)。でも、実はそんなウジウジ系ラブストーリーがけっこう嫌いじゃない僕なんですけど、残念ながら本作は僕の嫌いなタイプのウジウジ系ラブストーリーでありました。「エターナル・サンシャイン」や「(500)日のサマー」といった僕のお気に入りのウジウジ系ラブストーリーって、最後はそんなウジウジしたトホホな自分を突破しようという力強さがあって、そこが観ていて爽快だったのだけど、本作の主人公であるセオドアは最後までウジウジクヨクヨしたままでした。あんた、この2時間の映画の中で、何回フラれとんねん(笑)。確かに、OSと人間の恋というこの先あり得るかもしれない恋愛という着想は素晴らしいし、それをちゃんとリアリティ溢れる自然なストーリー運びで見せる手腕も見事だし、映像や音楽にもセンスを感じさせてなかなか完成度の高い映画であったことは認めますけど、うーん、ちょっとウジウジし過ぎで僕はあんまり好きになれなかったっす。って、ウジウジウジウジ言い過ぎですね。それっくらいウジウジした失恋映画でした。ま、これは好みの問題でしょうね。好きな人にはいいと思います。男なんてみんな女々しいのさ、あはは…(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2015-04-29 07:20:10)(良:1票)

1325.  セブン・サイコパス 《ネタバレ》 「サイコパス(キ〇ガイ野郎)たち、大募集!!最近、なんだか錯乱気味?ひょっとして危ない理由で入院しちゃった?でも、大丈夫!世間に理解がないだけさ。実は俺、友達と一緒に只今『セブン・サイコパス』って映画の脚本を執筆中だ。だが、今ちょっぴりネタ切れ中で困ってる。面白いネタを提供してくれたら映画の中で使うかもよ。自分の正義感が世間に比べてちょっぴり歪んでる、なんだか最近無性に犬猫を虐めたくてしょうがない、そんなナイスな野郎どもはこの番号まで大至急電話してくれー!!」――。エージェントからの依頼で、サイコ・サスペンス映画の脚本を執筆中の酒浸りの脚本家、マーティ。タイトルだけは考え付いたものの肝心の中身の方は遅々として進まない。そんな彼を見かねて友人である売れない俳優のビリーは、彼に内緒で新聞広告を出すのだった。「サイコパスなんて募集してどうする!」と、当然のように怒り狂うマーティ。その日から、彼の元に危ないサイコパスたちが続々とやって来るのだった。果たしてマーティは無事に映画の脚本を書き上げることが出来るのか?という、なんだかよく分からない(笑)設定の奇抜なバイオレンス・コメディ。コリン・ファレルを初めとする何気に豪華な役者陣競演に惹かれて今回鑑賞してみたのだけど、うーん、僕にはよく分かんなかったです、これ。主人公マーティの元に集まったイカレ野郎たちの過激なバイオレンス描写が暴走しまくっちゃう前半から一転、後半での荒野に集まったそんなサイコパスたちの微妙に噛み合わない禅問答のような遣り取りが延々と繰り返される展開に、「あぁ、きっとこれは過去にジョン某さんが主演した、秀逸な設定のサイコ・サスペンスの某傑作と同じオチなんやろねんな~」と思っていたら、なんだか分かりにくいモヤモヤとしたラストを迎えちゃいました。きっとこれって、調子に乗って拡げすぎた大風呂敷をきちんと畳むことが出来なくなって、無理やりこのオチに持っていったんじゃないの?なんだかスッキリしないですよ、これじゃ。ギャング2人がいきなり射殺される冒頭シーンとか、なかなかキレのあるバイオレンス描写にけっこうセンスを感じただけに惜しい!この監督の次回作に期待ってことで。[DVD(字幕)] 5点(2015-04-09 13:36:28)

1326.  ロボコップ(2014) 《ネタバレ》 まだCGなどという便利なものが存在しない時代、特殊メイクやパントマイム、そしてミニチュアによるコマ送り撮影などを駆使して、それまでアニメなどでしか表現しえなかったロボットSFの世界を見事なまでに構築してみせた『ロボコップ』。もはや伝説と言っても過言ではないそんな名作を果敢にもリメイク!慢性的なネタ不足に悩まされているのか、最近ハリウッドで流行りのそんな「オリジナルに比べて映像的にはもちろんレベルは上がったものの、残念ながら内容の方のクオリティは大幅に下がっちゃいました。ごめんちゃい」な作品なんだろうなぁとほとんど期待もせずに観始めたのですが、それが功を奏したのか、前半はそこそこ面白かったです、これ。まぁ、冒頭、マーフィーがロボコップになるきっかけとなった爆殺シーンが超あっさりと描かれてしまったトコ(そこ、けっこう重要ですって!)とかは失笑でしたけど、オリジナルでは最初から家族の記憶を失っていたロボコップが徐々にその記憶を取り戻していくという設定を見事に逆転させた所など「お、けっこうやるじゃん」と思いながら観てました。なのに、後半になるにしたがってそんなドラマパートがどんどん希薄になって、特にクライマックスでのこの半端じゃないグダグダ感には失笑を通り越してさすがに怒りが……。とにかく、真の悪役が誰かいまいちピンとこないせいでストーリーが最後までなんだか盛り上がりに欠けるってトコが本作の致命傷ですね。M・キートン、G・オールドマン、S・L・ジャクソン、彼らのうちの誰が真の黒幕なのかと思っていたら、まさかのキートンさん!絶対他の2人の方が悪役顔だし(笑)、そっちの方が盛り上がったって!それにオリジナルの、社長「〇〇くん(犯人)、君はクビだ!」ロボコップ「サンキュー、サー」ズドン!!っていう超カッコ良いクライマックスシーンを頑張って再現しようとして、思いっ切り失敗しちゃってるのが見ていて痛々しかったです。うーん、本作に限らず言えることですが、製作者の皆さん、撮影技術の飛躍的な進歩に胡坐を掻いていませんか?リメイクするならするでもっと内容でもオリジナルを越えようという気概が欲しい。ロボコップの真の姿のグロさにだけ、そんな気概が感じられただけにもっと他の部分も頑張ってほしかった。残念![DVD(字幕)] 5点(2015-03-16 12:53:19)

1327.  エコール 《ネタバレ》 蝶のように、人間も変態をします。乳歯が抜けるのが最初の変化。皆さんの身体はもうすぐ第二の変化を迎え、これから毎月数日間にわたってある部分から出血をします。そう、繁殖の相手を見つけるときが来るのです。ここは、あなたたちがそんな大人になるまでを過ごす秘密の場所――。7歳から12歳までの幼き少女たちが集う、森の奥深くにある秘密の学校、エコール。ここでは日夜、大人に孵化する前のイノセントな少女たちが放つ狂おしいまでに蘭麝な芳香を閉じ込め、大切に大切に育てていくのだった。彼女たちの価値を真に知る人々のために……。何かのDVDに収録されていた本作の予告編を見て、そのあまりにもな〝そういう趣味〟の人を狙ったド直球の内容に、そーゆー趣味が多少はある僕としてはもう一目散にビデオ屋さんへと駆けつけ無我夢中で今回借りてきました。冒頭から、惜しげもなく披露される幼き少女たちの神々しいまでの未成熟な裸体に、「こ、このご時勢にこんなの公開して大丈夫なん?」と嬉しいやら不安になるやらで、僕のハートは最高潮にヒートアップ!!なんだけど、そんな興奮は冒頭部分でピークを迎えてしまい、残念ながらその後の展開はどんどんと尻すぼみになってしまいましたね、これ。とにかく何が駄目かって、全体的に画が暗くてばっちいのと、登場する少女たちが皆そろいも揃ってあまり可愛くないってのが、この手の映画にとっては致命傷ですね。監督の「とにかく少女を集めて、彼女たちに純白のレオタードを着せてバレエを踊らせれば、それでゲージュツっぽくなるんでしょ」と言わんばかりの雰囲気ごり押しのやっつけ仕事ぶりに、僕は「色んな意味でなめんなよ!!」と声を大にして言いたい。やっぱり少女の儚い美は綺麗に撮ってこそ、そこに〝もののあはれ〟が映えるのですから。という訳で、僕にとってはなんとも質の悪い映画でございました。それでも、主演少女たちのときおり垣間見せる、その確実に地で魅せているだろう、背徳感MAXの淫靡な魅力には所々でノックアウトさせられそうになっちゃいました。120分の映画の中でトータルすると5分ほどですが、そこだけは大変良かったです。[DVD(字幕)] 5点(2015-03-03 01:19:31)

1328.  パッション(2012) 《ネタバレ》 大手広告代理店で若手キャリアウーマンとして働くイザベルは、同じく優秀なキャリアウーマンである上司の下、めきめきと頭角を現していた。ある日、自分が思いついた画期的なアイデアが上司であるそんなクリスティーンに横取りされそうになった彼女は、先手を打ってネット上へと自らが製作した広告動画を流すのだった。それが人々の評判を呼び、本社の社長からも認められ、イザベルは本社勤務へと栄転することに。だが、彼女は知らなかった。そんな、すっかり鼻をあかされた格好の上司クリスティーンは実はライバルを貶めるためには手段を選ばない、とんでもない悪女であることを――。あらゆる手法を駆使され次第に追い詰められていくイザベルだったが、そんな折、謎のクリスティーン殺人事件が発生してしまう……。これまでサスペンス映画の名作を数多く残してきた巨匠ブライアン・デ・パルマ、彼の最新作はそんないかにも彼らしいフランス上流階級でプライドと愛憎が激しく交錯しあう女たちの戦いを妖艶に描き出すサスペンス・ミステリーでした。確かに、今まで築き上げてきたキャリアに裏打ちされたであろうデパルマの巧みな演出(画面二分割や長廻しショット、散りばめられた謎が謎を呼ぶ数々の伏線等々)が随処に感じられて素直に良かったとは思うのですが、物語の構造上の不満を言わせてもらえば、「肝心の殺人事件が起こるまでが長ーーい!」。それに、「全然エロくなーーーい!!」。過去にデパルマが撮った、映画としてみれば大したことないのだけど、洋物ソフトポルノとしてみれば傑作だと僕が認めて止まない『ファム・ファタール』のように、男のみならず女たちまでも虜にする妖艶な悪女クリスティーンをもっと大胆にもっとエロティックに描いてくれたら僕の興味もまだ持続しただろうに、バ〇ブやらハメ撮りやらセクシーランジェリーやらを登場させてエロっぽい雰囲気でお茶を濁すだけって、おい!!うーん、デパルマもさすがに歳とっちゃったってことですかね~。それでも、クライマックスでの畳み掛けるように展開される、夢とリアルと妄想がミステリアスに交錯しあう美麗な映像はぼちぼち見応えありましたです。[DVD(字幕)] 5点(2015-01-27 19:07:55)

1329.  オンリー・ゴッド 《ネタバレ》 タイ、バンコクでキックボクシングのジムを経営しながら、陰で麻薬取引にも関わっているジュリアン。ある日、彼の兄が不可解な変死体となって発見される。14歳の売春婦を犯した挙句嬲り殺したその死体の隣で、変わり果てた姿で横たわっていたというのだ。激怒した彼は真相を探るべく欲望渦巻くバンコクの裏社会へと繰り出してゆく。浮かび上がってきたのは、独自の歪んだ正義感を持ち強烈な力で裏社会を牛耳るある一人の警察官の存在だった――。事件の真相を知って、「兄貴は自業自得だ」と身を引こうとするジュリアンだったが、アメリカから自己愛の権化のような彼らの母親がやって来たことから事態はますますいびつに歪んでいく……。デビュー以来、独自の世界観を圧倒的な暴力描写で表現してきたレフン監督が新たに創出したのは、そんないかにも彼らしい濃密なバイオレンス・ノワール作品でした。確かにこの監督にしか表現しえないであろう、唯一無二の独自の世界観を構築した作品であることは認めます。無駄を削ぎ落としたシンプルなストーリー、哲学的なテーマ性、全編に横溢するピリピリとひりつくような緊張感、倫理観を踏み外しまくったあくの強い登場人物たち、吐き気を催すほどに繰り返されるグロ痛い暴力描写(特に母親の腹を切り裂き、自分がかつて居た子宮に手を差し入れるシーンは良くも悪くも強烈!笑)。とはいえ、最後まで淡々と展開される、ともすれば冗長とも批判されかねないこの独自の作風なのですが、正直に言わせてもらえば、僕の感性とはまったく合わなかったですね。レフン監督の過去作もひととおり観たのだけど、その良さがさっぱり分からなかった自分としては、その世界をますます深化させたような本作もやっぱり理解できませんでした。ただ、彼のその映画監督としての傑出した才能は――好き嫌いはべつにして――充分に認めざるをえないのよね~。なんで、「この監督の映画はもういいや」と簡単に切り捨てられないのが辛いところ。かつて同じように嫌いだったデビット・リンチ監督が急に『マルホランド・ドライブ』という傑作を撮ったことを思うと、どうやらこれからもチェックしていかなければならないようです(面倒臭いですけどッ笑)。という訳でレフン監督、そんな僕のくだらない感性など力ずくで捻じ伏せるような凄い作品をいつか撮ってね☆[DVD(字幕)] 5点(2015-01-19 20:58:59)

1330.  ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 《ネタバレ》 俺の名前はダニエル・ルーゴ、筋トレマニアだ。これから話す物語は、マイアミで実際に俺が起こした誘拐事件だ。驚かないで聞いてくれ、このクレイジーなファッキン事件は、不幸にも全て実話なのさ――。マイアミのスポーツジムで平凡なトレーナーとして働くダニエルは、自分の地味で退屈な人生に常々疑問を感じていた。ある日、怪しげな自己啓発セミナーに触発されたダニエルは、「俺はもっとビッグでホットな人生を歩めるはずなんだ!」と、顧客である飲食店オーナーを誘拐し彼の全財産を奪うという無謀ともいえる計画を思いつくのだった。そんな彼の誘いに乗ってきたのは、これまた無鉄砲で脳味噌筋肉なバカ野郎ばかり。それでも彼らと共に強引に計画を実行に移したダニエルだったが、当然のようにそんな杜撰な計画はどんどんとおかしな方向へと転がり込んでゆく。やがて、事態は取り返しのつかない悲惨な結果を招くのだった…。マイアミで実際に起こったそんな凶悪な誘拐&詐欺&殺人事件を、マイケル・ベイ監督がエネルギッシュに映画化したシニカルなクライム・コメディ。いやー、いかにもマイケル・ベイらしい、「細かいことはこの際目を瞑って観てね♪」と言わんばかりの大味作品でしたね、これ。見た目ゴージャスな映像を優先するあまり、とにかくストーリーの細かいところに「?」な部分が幾つもあって僕はいまいちのれませんでした。つーか、実話を基にしたと言いながら、これってかなり話を盛ってるっしょ?いくらノーテンキな人たちが多く暮らすマイアミが舞台とは言え、こんな無茶苦茶な計画がまかり通るわけないって!きっとマイケル・ベイのことだし、自分の都合の良いように勝手に話を作り変えてる感がビシバシ伝わってくるんすけど…(笑)。とはいえそこらへんに目を瞑れるなら、いかにも彼らしい、この全編に横溢するなんだかよく分からないテンションの高さや男臭~いアクションシーンの数々などはけっこう楽しめると思います。スタイリッシュさや、知性に裏打ちされた上質のユーモア、人間心理に対する深い洞察、圧倒的なリアリティ、ピリピリとひりつくような緊張感、等々は一切ないですけどね(笑)。あと、いつの間にやら筋肉ムキムキのマッチョメンになっていたマーク・ウォールバーグにはびっくりさせられちゃいました。いったい彼は何処を目指しているのでしょう?[DVD(字幕)] 5点(2015-01-17 21:07:30)(良:1票)

1331.  恋するリベラーチェ 《ネタバレ》 なぜ君を愛するのか。それは君が君だからではなく、君といる時の自分が好きだから――。70年代から80年代にかけて、天才の名を欲しいままにした実在のカリスマ・ピアニスト、リベラーチェ。常にきらびやかでゴージャスな衣装を身に纏い、絢爛豪華なリサイタルで人々を魅了する彼には、誰にも言えない幾つもの秘密があったのだった。一つは生粋のゲイであること、一つはカツラであること…。そんな彼にひょんなことから気に入られたバイセクシャルの美しい青年スコットは、彼からの猛アプローチにより、専属秘書という名目で住み込みで働くことになるのだった。リベラーチェの豪邸で、まるでペットのように何不自由ない生活を送ることになったスコット。だが、長い時間を共に過ごしていくうちに彼らの愛とプライドと憎しみは複雑に交錯してゆく…。実在した天才ピアニストの赤裸々な私生活を、ソダーバーグ監督がマイケル・ダグラス&マット・デイモン主演でゴージャスに映画化した男と男のラブストーリー。いやー、まさかこんなにもM・ダグラスとM・デイモンの濃厚なキスシーンどころか、けっこう激しいラブシーンまで見せてくれるとは…。べつにゲイの方に特別な偏見とかは持っていないのだけど、生粋のノン気である僕としては、ここまで野郎たちのケツを見せられると正直「う、うおぇぇ~~」ってなっちゃいました(笑)。あんまりよく知らないのですが、前作の「マジック・マイク」といい、今作といい、ソダーバーグってもしかしてゲイなの?とはいえ、そういうのを抜きにしても、これって(実話を基にしたから仕方ないのかも知れませんが)あまりにもオーソドックス過ぎやしません?男同士という特異な関係を取り除いたら、後には今まで散々作られてきたスーパースターの内幕を描いた凡百の伝記映画と大して変わらないと僕は思うんですけどね~。それに、リベラーチェの絢爛豪華なピアノコンサートシーンがもっと観れると思っていたのに、冒頭と後半にちょびっとだけって…。うーん、物足りん!生来の女好きで、しかもセックス依存症と診断されかつて病院に入院した事もある伝説のセックスマシーン・マイケルダグラス、彼がゲロ覚悟(?)でマット・デイモンとチュッチュチュッチュし、あまつさえ後ろから激しく突き上げられ恍惚の表情を浮かべちゃうハゲのゲイ役を見事に演じきったその役者魂っぷりに+1点っす![DVD(字幕)] 5点(2014-12-26 18:30:19)(笑:1票)

1332.  ミスター・ノーバディ 《ネタバレ》 西暦2092年2月9日、人類最後の死ぬ運命にある人間“ミスター・ノーバディ(誰でもない男)”が118歳に――。科学技術の飛躍的な進歩により、全人類がそれまでの悲劇に満ちた〝死〟という宿命から解放された未来社会。そこでは誰もが当然のように永遠の命を享受していた。そんな科学技術の恩恵を受けることなくたった今老衰で死のうとしている、ある老人がいる。彼の名はニモ・ノーバディ。これまでの人生は一切謎に包まれていた。そんな彼の歩んできた人生を探るため、医師からの高度な催眠術と記者によるインタビューが行われる。そこで明らかとなったのは、〝人生の重要な岐路で色んな選択をしたこと、あるいは選択しなかったこと〟で様々に枝分かれしていった、彼の重層的で複雑な人生経験だった……。これまでにない独創的な映像で描かれるのは、そんな一人の男のあり得たであろう数々の人生を重層的に描き出すパラレルワールドSF作品でありました。9歳の時、ニモはまず離婚した両親のどちらに付いていくかという重大な選択を迫られます。母に付いていった彼と、父の元に残った彼、当然のようにどちらの人生にも良い所もあれば悪い部分もある。さらには同級生の誘いを受けるか断るか、好きな女の子に勇気を出してラブレターを渡すか諦めるか…。そのようにして十数通りもの彼の人生がまるで群像劇のように描かれるさまは、まるで昔懐かしのゲームブックを読んでいるような感覚でした(途中で間違った選択をしたら殺し屋に殺されたり、事故に遭って植物人間になっちゃったりというバッドエンドを迎えちゃうトコなんかいかにもゲームブック!)。ただ、1本の映画として観るとどうなんですかね、これ。さすがにちょっと設定に無理あり過ぎやしません?物語として思いっ切り破綻しているように僕は思うんですけど。『エターナル・サンシャイン』や『バタフライ・エフェクト』という優れた作品の良いトコどりしようとかなりの大風呂敷を拡げてみたものの、上手く纏め切れなかったような印象を持ってしまいました(だって、あの強引な力技ラストなんて夢オチとあんま変わんないよ~)。確かに、唯一無二の独創的な世界観を見事に構築した作品であることは認めますけど、肝心のお話の方には僕はさっぱり嵌まれませんでした。うーん、5点。ごめんちゃい!![DVD(字幕)] 5点(2014-12-20 22:10:22)

1333.  ノア 約束の舟 《ネタバレ》 ダーレン・アロノフスキー監督が巨額の予算を投入して描き出す、旧約聖書中のノアの箱舟の物語を元にした壮大なるスペクタクル巨編。現代ハリウッドの第一線で活躍する監督たちの中でも、僕がその次作を心待ちにする数少ない傑出した才能の持ち主であるアロノフスキー監督。彼のそんな待望の最新作なのですが、これがこれまでの素晴らしいフィルモグラフィーの中で僕が唯一「これはさすがに失敗作やろ~」と言わざるをえない『ファウンテン』という作品を髣髴とさせる問題作でありました。うーん、確かに唯一無二の壮大なる世界観や哲学的で難解なストーリーなどはまぁある一定の水準に達してはいるのだけど、観終わってすぐの率直な感想は、「とはいえ、さして面白くはないよね、これ」でした。旧約聖書はずっと昔に所謂「モーセ五書」だけは読んだのだけど、ノアの箱舟ってこんな話でしたっけ?なんだか神の意思なら我が子をも殺すアブラハム(確かそんな名前だったと思うけど自信なしッッ)の物語とごちゃ混ぜにしているような印象が?まあ、そんなことはどうでもよくなるくらい映画としてみれば普通に退屈でした。特に、画的にも地味な前半1時間はまだ箱舟出来ていないのに、僕の意識が睡魔という名の荒波に漕ぎ出しそうになっちゃったし(ZzzZzz…)。大洪水が起きてからの後半はちょっぴり盛り返したものの、その結末があらかじめ分かっている展開にやはりのめり込めず…。監督、世間では失敗作と評される『ファウンテン』のリベンジをしたかったのかも知れないけど、完全に返り討ちでしたね、これ。うーん、こういうのはこれでもう終わりにして、次は『レスラー』や『ブラックスワン』といった、人間の心の闇や弱さを鮮やかに照射してみせる傑作をまた撮っちゃってください!期待して待ってるよ~ん☆追記・この後、監督はやはり聖書をテーマとした問題作『マザー!』を撮って無事撃沈(笑)。世間からどれだけ悪評を得ようとそれでもやりたいんだったら、僕はもう止めません……。[DVD(字幕)] 5点(2014-12-11 19:52:35)

1334.  最愛の大地 《ネタバレ》 1992年、ボスニア・ヘルツェゴビナ。画家の卵である若き女性アイラと軍部隊将校である青年ダニエルは、仲の良い恋人同士としてささやかながらも幸せな日々を過ごしていた。だが、突如として民族紛争が勃発。ムスリムであるアイラとセルビア人であるダニエルは、そんな時代のうねりに巻き込まれ図らずも敵同士となってしまう――。収容所に投獄されたアイラは、日夜男たちからの理不尽な暴力とレイプに耐える屈辱的な日々を過ごすことに。かつての恋人を救うため、ダニエルはそんな彼女を軍専属の画家として雇うのだった。束の間の平穏を享受する2人。だが、泥沼化する紛争と民族浄化の嵐の中で、彼らの精神は次第に壊れ始めていく……。国連親善大使でもあるアンジェリーナ・ジョリーが初メガホンを取って描き出すのは、第二次大戦以降最大の人道危機とも呼ばれたボスニア紛争によって、運命を翻弄されるそんな恋人たちの悲劇を描いた重厚な人間ドラマでした。有名俳優は一切起用せず、最後までドラマティックな音楽も流さず、ただひたすら理不尽な現実に翻弄される市井の人々を淡々と追うことで、戦争がいかに人間性を破壊していくかを冷徹に見つめた彼女のそのストイックな姿勢には感服するものがあります。ただ、誤解を怖れずに言うと、そんな圧倒的な現実に対して肝心の物語が弱い。僕が映画に求めるものは、この世界は残酷で理不尽な暴力に満ち溢れていて人間は何処までも愚かで人生とは生きるに値しないのかも知れない、それでも生きていたいと思わせる何らかの〝言葉〟。あるいはラース・フォン・トリアーのように「この世は生きるに値しない」という絶望的な〝言葉〟でもいい、監督が極限まで考え抜いて絞り出した答えがそれなら僕は真摯に受け止めます。対してこの作品には、そんな心に響く〝言葉〟が乏しかった。これでは、遠くない過去に起こった――そして今でも世界の何処かで起こっているだろう残酷な現実をただ再現しただけに過ぎません。今も何処かで声にならない悲鳴を発し続けているだろう社会的弱者を少しでも救いたいというその思想には好感がもてるものの、今作を観るかぎり彼女に映画監督としての才能は乏しいと言わざるをえません。[DVD(字幕)] 5点(2014-11-22 21:29:35)

1335.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 ロードオブサリングの感動再び!と勢い込んで観たものの、確かに映画としてはある一定の水準に達してはいるのだけど、さすがに原作のボリュームを考えるとこちらも同じような枠組みで三部作にするにはやっぱり無理があったんじゃ…、と思わせた前作。――今回、続編である本作を鑑賞してみて、そんな僕の懸念は残念ながら確信へと変わっちゃいました。壮大な世界観、世界の存亡を懸けた血湧き肉踊る躍動的なストーリー、個性豊かな魅力に満ち溢れたキャラクターたち…。前シリーズに横溢していたそんな魅力があらゆる面でスケールダウンしちゃってますって、これ。やっぱりスピンオフという位置づけで一作だけですっぱり終わらせちゃうか、それとも90分位の尺で三部作としちゃうか、どちらかにしたほうが良かったと思います。もう、今作の中盤からクライマックスに掛けての半端じゃない「頑張って引き伸ばした感」は観ていて痛々しくさえありました。そして、主人公ビルボをはじめとする髭もじゃドワーフたちにほとんど魅力が感じられないせいでいまいちストーリーにのめり込めないってトコがもう致命的ですね。冒頭から襲い掛かってくる巨大毒蜘蛛の群れだとか樽を活用したドワーフたちの脱出シーンだとか、細部の映像のクオリティの高さは相変わらず良かっただけに残念っす!!最終作が公開されればもちろん観るけれど、うーん、今からちょっと期待薄な予感が…(笑)。でも、一縷の望みにかけて次作を待ちたいと思います。頑張れ、ピーター・ジャクソン!![DVD(字幕)] 5点(2014-10-31 19:40:13)(良:1票)

1336.  秒速5センチメートル 《ネタバレ》 「ねえ、知ってる?桜の花びらの落ちるスピードって、秒速5センチメートルなんだって。まるで雪みたいだよね。来年も一緒に桜、見れるといいな」――。小学生のときに出逢ったタカキとアカリ。クラスのみんなにいまいち馴染めなかった2人は、いつも一緒にいる大の仲良しになっていた。だが、親の都合による引越しで2人は離れ離れとなってしまう。それでも頼りない糸に縋りつくように彼女と文通を重ねたタカキは、中学生になると意を決して彼女に逢いに電車へと乗り込むのだった。でもその日、雪は容赦なく降りしきって……。美麗な映像でもって、無垢な心を持った少年少女の初恋物語とその後を、山崎まさよしの名曲をバックに描く短編連作アニメーション。普段、こういういかにも爽やかそうなアニメってあんまり観ないのだけど、なんだか心に残る印象的なタイトルと「外国人がいま大注目の日本のアニメ」というビデオ屋さんのポップに惹かれて、今回レンタルしてきました。なんだけど、いやー、まさかこんなに「恋に恋する女子高生のこっ恥ずかしいポエムのような世界(に憧れる童貞男子の妄想のような世界)」が延々と繰り広げられるとは(笑)。それでも、そんな青臭い恋物語をこれでもかという青臭い情熱でもって創り上げた第一話は、その無駄を削ぎ落としたシンプルなストーリーと精細に描き込まれた美しい映像と相俟ってけっこう良かったです。まぁかなりこっ恥ずかしいけど、これはこれでアリなんじゃないかと思って第二話、第三話と観進めたのだけど、主人公の年齢が上がると共にどんどんと作品のクオリティが下がっていくのが玉に瑕でしたね、これ。ジブリの『耳をすませば』でも実感したことだけど、こういう妄想一歩手前の胸キュン初恋映画は中学生までが限界っす。だって、好きな人に告白する勇気を得るためにサーフィンで大波に乗ることを目標に頑張る女子高生って、実際に居たらキモ過ぎてもはやコントっしょ(笑)。それにこんなに性欲のない男子高校生なんていねーよ!!というわけで、第一話7点、それ以外4点で、間を取って5点っす。[DVD(字幕)] 5点(2014-10-18 00:21:41)(良:1票)

1337.  4ヶ月、3週と2日 《ネタバレ》 1987年、独裁政権下のルーマニアでは、労働力確保を目的に一切の堕胎手術が法律により禁止されていた。そんな中、望まれない妊娠をした女学生ガピツァ。彼女はその日、仕方なく街のとある産科医に依頼し、非合法の堕胎手術を受けることを決意する。ルームメイトであるオティリアはそんな心身ともに追い詰められていたガピツァのために、「一日だけなら」と手を貸すことに。だが、依存心の強いガピツァの様々な不始末によりオティリアはことごとく振り回される羽目になる。彼氏との約束も反故にされ、ホテルの予約も取り直し、そして足りなかった堕胎費用のためにオティリアは自らの身体まで……。東西冷戦末期、長年の独裁体制の果てにあらゆる面で行き詰っていたルーマニアを舞台に、男たちの身勝手な性欲によって翻弄される若い女性たちのとある一日を冷徹に追ったカンヌ映画祭パルムドール受賞作。うーん、確かにこの監督の言いたいことや描きたいテーマは充分に分かるのだけど、この見れば見るほど気が滅入るような辛気臭いお話をひたすら見せ付けられて、正直僕は途中からもうゲンナリしちゃいました。自分の身体のことなのに終始他人事のようなガピツァもそんな彼女に何故か怒りもせずにひたすら尽くすオティリアも横柄で自己中心的な産科医も、もう出てくる登場人物どいつもこいつもこれっぽっちも魅力がなくてイライラするし、映像だって必ずしも綺麗じゃなく終始薄暗くて見辛かったし、挙句の果てに排泄された血まみれの胎児を画面いっぱいに映し出した日にゃ「もう、ええ加減にせい!」って感じでした。いやー、いかにもカンヌが好きそうな作品でしたね、これ。だからと言って、そんな胸糞悪い思いを観客に抱かせながらもやっぱり観て良かったと思えるほどの芸術的価値がこの作品にあったかと言えば、あくまで個人的意見だけど僕は「否」と言わざるをえなかったです。だって、このラストだと結局は男たちの身勝手さに泣き寝入りしただけのような気がしてならなかったんだもん。愚かな男たちの身勝手さに決然と立ち向かう女性の力強さ、みたいなものを僕は観たかった。5点![DVD(字幕)] 5点(2014-09-26 20:17:34)★《更新》★

1338.  バスケットボール・ダイアリーズ 《ネタバレ》 貧しい母子家庭に育ちながらも、名門高校のバスケットボールチームの主力選手として華々しい生活を送る青年ジム。しかし、昔からの大の親友であるボビーが白血病で死んだとき、彼の中の何かも壊れてしまうのだった――。心の空白を埋めるために、些細なきっかけでジムはヘロインへと手を出してしまう。だがその悪魔の薬は次第に彼とその仲間たちの生活を蝕み始める…。プロバスケチームからのオファーもふいになり、高校も当然のように退学を余儀なくされ、さらには薬のために引ったくりや強盗にまで手を染めてゆく彼ら。それでもジムだけは、自分の心に残る純粋な部分を守ろうとでもするかのように、その思いの丈を日記に書き連ねてゆくのだった。詩人でミュージシャンでもあるジム・キャロルの自伝的小説を、若き日のディカプリオ&マーク・ウォールバーグ主演で映画化した青春ドラッグムービー。いやー、取り敢えず2人とも若いっすね~。もうこのころからディカプリオは既に垢抜けてて超カッコいいのだけど、反対にウォールバーグがめっちゃイモっぽかったのが僕的にちょっとツボでした。あんた、どこの童貞中学生やねん(笑)。さて、肝心の内容ですが、「え、ジム・キャロルって誰?そう言えば、昔ブランキージェットシティの曲で何度か耳にしたことあるな~」程度の予備知識だけで観たのだけど、うーん、日記体で書かれた原作を映画にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんだか最後までずーっと一本調子で進んでいくため、少々退屈という印象が否めない作品でしたね、これ。最後までひたすらディカプリオが出ずっぱりなので、「きゃー、レオ様~(もはや死語?笑)」という甘い声で追っかけてたミーハー女性の方にはウケたかも知れませんが、もうちょっと他の登場人物たちにも焦点を当ててみるとか、ジムの回想シーンを織り込んでみるとか、そんなもっとメリハリの利いた展開にしてくれないと純粋に映画として観るにはちと辛いっす。それに、この「いろいろあったけど最後は無事に立ち直ることが出来たのでした。パチパチ」という薄っぺらいラストにも拍子抜けでした。でもまあ、天才俳優としてその後の躍進を予感させる、若き日のディカプリオの熱演は充分堪能できましたけどね。ヘロイン欲しさに鼻水まみれになりながら母親に罵詈雑言浴びせかけるトコなんか凄くリアルだったし。あ、マーク・ウォールバーグも良かったよ。イモっぽくて(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2014-09-19 21:10:10)

1339.  ラストタンゴ・イン・パリ 《ネタバレ》 ここでは名前は必要ない。君の名前なんか知りたくもない。どこに住み、どこから来るかも何ひとつ知りたくない。君も俺もここでは名なしだ。外の世界のことは全て忘れてこの部屋だけで肉体を重ね合おう――。長年の不倫の末に妻に自殺され、絶望の淵に沈み込んでいたポールは、ある日、とある無人のアパルトマンで可憐な若い女性ジャンヌを衝動的に犯してしまう。ところが何ごともなかったかのように別れる2人。数日後、またもやその部屋を訪れた2人は、お互いの身分を隠し、まるで生きている実感を得ようとでもするようにただひたすら性愛の海に溺れてゆくのだった…。若き日のベルトルッチがメガホンを取り、その大胆な性描写で内外にセンセーションを巻き起こした、ある一組の男女の刹那的な交流を濃密に描き出した文藝作品。ベルトルッチって昔からけっこう好きな監督の1人で、彼がその名を広く知られることになるきっかけとなった今作にも、確かにその気品に満ちた上品で美しい映像や音楽の数々、永遠に分かり合えない男女の心の機微に鋭く迫った深い視線等、後に開花する彼の才能の萌芽が随処に感じられて素直に良かったとは思うのですが、うーん、なんだろう、僕はそこまで心に響くものを感じませんでした。たぶん理由を考えてみると、それは主人公のこの男女にこれっぽっちも魅力を感じなかったからだろうと思う。主人公が街で見かけた若くて可愛い女の子をレイプしたら彼女が快感に目覚めちゃって婚約者が居るにもかかわらずその肉体とテクにオチちゃったって…。あんた、そんなエロ漫画じゃないんだから(笑)。ちょっと男の妄想が酷すぎますって、これ。それに、タイトルでもある最後のタンゴ大会に酔って無理やり乱入しちゃう2人のくだりも、いかにも傍迷惑な酔っ払いって感じで見ていてちょっぴり不愉快でした。とはいえ、この全編に漂う、いかにもベルトルッチらしい気品と情熱が絶妙なバランス感覚で同居しあう高尚な雰囲気は素直に良かったですけれど。要は、脚本がマズかったということなのでしょうね。あと、どうでもいいことなのですが、主演女優の方のアンダーヘアがアホみたいに濃かったのが鮮烈に印象に残ってしまいました。ウニが貼り付いているのかって思ったぞ(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2014-08-24 12:23:36)(笑:1票)

1340.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 マリーゴールドホテルにようこそ。英国式の伝統建築で建てられたここでは、インドでの優雅で洗練されたバカンスを約束します――。亡くなった夫の借金を返すため家を売ったイヴリン、子供のころの親友に会って謝罪したいグレアム、長年の夫婦生活の末に酷い倦怠期を迎えているダグラスとジーン、足を骨折し手術を受けようとしている酷い人種差別主義者ミュリエル、生涯現役を自任しパートナー探しに余念がないノーマン、息子夫婦と上手くいかず家を飛び出してきたマッジ…、人生の終盤を迎えインドの郊外に佇むうらぶれたホテルへと偶然やって来た彼ら。「広告と全然違う。こんなの、詐欺だわ!」当然のようにそう抗議するものの、支配人である若いインド人に強引に説得され仕方なくチェックインすることに。そんな寂れたホテルでいろいろと不満を覚えながらも、みんなで共同生活を送るうちに彼らは次第に第二の人生を謳歌していくのだった。初老の域に差し掛かり、自分のこれまでの人生を見つめ直すことになる彼らのインドでの生活を、洗練された美しい映像と音楽の数々で描き出すハートウォーミングなコメディ作品。ここ最近、ハリウッドでは静かなインドブームが続いてますね。「恋におちたシィクスピア」で有名なジョン・マッデン監督が新たに挑んだのも、そんな若いエネルギーに満ち溢れたインド社会に触れて再び生きる活力を得ていく初老の男女を軽妙なタッチで描いたヒューマンドラマでありました。ただ、ちょっと軽すぎますかね、これ。あくまで個人的な傾向なのだけど、こういう登場人物誰もがみんなちゃんと幸せになって終わる薄味作品ってあまり好きではありません。確かに、映画としてよく出来ているとは思うのですが、「やっぱり人生って幾つになっても素晴らしい!」というこの作品のテーマはちょっと凡庸に過ぎると思います。理不尽で残酷な現実社会に翻弄され人間として壊れてしまった人(インドのスラム街にはそんな人がたくさん居るはずです)なんかを、その片鱗でもいいのでもう少し直視する視線が欲しかったですね。それにこの全編に漂う、いかにも英国風のお上品な雰囲気にもいまいち馴染めませんでした。これはもう好みの問題なのだろうけどさ。[DVD(字幕)] 5点(2014-08-22 12:08:20)

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