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コメント数 122
性別 男性
自己紹介 自分の感性は、きわめて平凡だと自分でもわかっています。ただ、ほんとうはよくわかっていないのに、「わかった!」「よかった!」というのだけはしないつもりです。

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121.  HERO(2002) 《ネタバレ》 純粋スペクタクルアクション系を想像していただけに、まったく異なる作品性格に驚いた。 この映画の白眉は、なんといっても始皇帝という存在に対する新解釈に尽きるだろう。トニー・レオンの残剣がなぜ「始皇帝は生かしておかねばならない」とこだわったのか。その理由を知ったとき、見る者は「あっ」となり、すぐ「そうかもしれない」と納得させられるものがあった。この1点によって、本作に一気に深みが与えられ、机上論的理想を追求するだけでは理想は実現しない現実の難解さを物語る深遠さを得た。 また、始皇帝にも始皇帝なりの正義があったと設定したところもよかった。彼が「結局、自分を理解してくれるのは、刺客の残剣だったとは」と嘆じるシーンは印象的。単なる勧善懲悪ものに終わらない魅力がある。 お決まりのワイヤーアクションもほどほどに楽しめ、あれぐらいでよかったという気がする。演出素材として水を活用してあったのも、私には効果的に思え、好感を抱けた。頭の中の戦いについては、あんなふうにできるのか、という声も聞こえてきそうだが、ま、あれはあれでええんでないかい、といった感じ。 別角度からの感想としては、中国・香港映画もここまで洗練されたか、という印象も残った。どこか荒削りでB級っぽいイメージはもはや過去のもの。そこに中国・香港映画の原点を求める人にとっては、決別の作品となったかもしれない。 8点(2004-04-24 12:24:15)《改行有》

122.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 超有名な作品であり、『ゴッドファーザー』の監督ということで期待値が高かったが、世評にいうほどの映画なのか、という疑問が残った。 作品全体を貫くメインテーマが、まず見えてこない。「人間の狂気」や「表面の美談と裏側の真実」、あるいはもちろん「反戦」などの主張を映画のそこここに見出すことはできるが、それらはしょせんサブテーマ。メインテーマとなるべきものは、やはり主人公が川をさかのぼった果てにたどりついたカーツ大佐と彼の王国に込められていなければならないはずだが、肝心のその部分の性格や意味がよくわからない。 カーツ大佐は、マーチン・シーンが一種の憧憬を抱きながら探した人物であるはずなのに、まったく魅力が感じられない。これは致命的。彼の王国も、死体がぶらさがっていたりするばかりで、そこまでに暗喩されていたカーツ大佐の理想・思想とは隔たりが感じられた。 で、終局の描かれ方も、脚本家自体がラストをもてあまして、ごまかした印象さえ私にはあった。あえてメインテーマらしきものを考えると、「神の真実」とでもいうことになるのだろうかと思ったが、つくり手の消化不良で着地失敗した一作という感想が残った。ナパーム弾のシーンは迫力があった。 5点(2003-12-02 00:09:07)(良:1票) 《改行有》

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